魅音「きゃっ!…とびでたっ…わぁ本当に白くてネバネバするんだね」


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トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:かがみ「…大学落ちたたたたたたたたたたたたた」

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1 名前:亀田ひぐらし ◆XIzTPt6b42 [] 投稿日:2009/03/11(水) 16:57:25.19 ID:r/aqFpoW0

【出題編】
正解率1%! 君は解けるか!?
超常現象か?人の仕業か?それともそれ以外の答えなのか?



魅音の部屋のドアの方からから、ごんッ!ごんッ!と、
何かがドアにぶつかる音が断続的に続いている。

魅音「ああっ!うるさい!うるさい!あいつら、いつになったら消えるんだよ!」

魅音は、さっきから自分の耳に断続的に聞こえる音と空腹と喉の渇きにイラつきながら、
部屋の窓から鉛色の空を眺めて溜息をついた。

魅音「はあぁ。一体、どうしちゃったんだよこの世界は…。
   …いつになったら太陽は出てくるんだろう」

ここ一ヶ月で雛見沢は別世界のように変貌していた。
空は、快晴や雨の日は一日たりともなく、毎日が陰鬱な鉛色の天気だった。
強い腐臭と多くの湿気を含んだ空気が村を包んでおり、
魅音の部屋の壁も天井も家具も、常にしっとりと濡れ、
見たこともない色のカビが大量に繁殖していた。
天気ばかりではない。湿気のせいか、庭の木や窓から見える山の木々も全て枯れてしまっている。
庭には、枯れてしまった木々の代わりに、見たこともない形をした奇妙な色をしたキノコが無数に生えてきている。
それに一ヶ月ばかり前から村のいたるところで地盤の沈下と隆起が起こり、
村の地面はうねうねと褶曲していた。
魅音の住む園崎家の屋敷の土地も褶曲し、
そのせいで、屋敷の壁がひび割れたり、ドアや襖が開かなくなったり、
床が様々な角度を持つようになっていた。

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/11(水) 17:00:08.81 ID:r/aqFpoW0

魅音「圭ちゃん、レナ、詩音…三人とも無事なのかな…」

魅音は、三人の安否を心配していた。
なぜなら、このような異常な事態にありながら彼らの安否を確かめる術が無いからである。
停電しており、電話で連絡をとりあうことはできないし、
外に出て直接会いに行くことも不可能だ。
なぜなら、外には、どこからか屋敷内に入り込み、数日前からずっと、
魅音の部屋のドアに身体をぶつけ続けている化け物の仲間がうじゃうじゃとおり、
危険で外に出ることは不可能だからである。

異常の始まりは、綿流しの次の日にさかのぼる。

その日、村に写真を取りに来ていた
魅音とも顔見知りであるフリーのカメラマンである富竹の、死体が発見された。
ただの死体ではない。富竹の死体は、自分の喉を自分で掻き毟ったかのような異常な状態の死体だった。
その十数日後には、沙都子の死体が発見される。おそらく殺されたのだ。
古手神社の境内で腹を何か刃物で裂かれ
臓物をあたりに撒き散らした全裸の沙都子の死体が発見された。
死体発見のすぐ後に村中が停電し、村の周りを黒い気体が覆い始めた。
沙都子の死体は、停電のため死体のことを警察に連絡することができないし、
怪しげな黒い霧が村を覆っているため、直接、興宮の警察署に知らせることができないため、
現場保存のために村の大人たちが、死体にビニールシートをかぶせて
シートが風で飛ばないようにシートの四隅に石を置き固定し、そのままの状態で神社の境内において置くことにした。

4 名前:亀田ひぐらし ◆XIzTPt6b42 [] 投稿日:2009/03/11(水) 17:02:26.84 ID:r/aqFpoW0

沙都子の死体発見を聞いて神社に集まった魅音、レナ、梨花、圭一の四人は
神社の隅に集まり、それぞれ沙都子の死を悲しんでいた。

魅音「くぅっ…沙都子ぉっ!」

レナ「ウッ…ヒック…ウック…さっ、沙都子ちゃぁん…」

圭一「うあああああっっ!沙都子ぉぉ!」

梨花「……」

梨花を除く三人は声を上げて泣いていたが、
ただ一人、梨花だけは涙一つこぼさずに何かを考えているようだった。

レナ「……梨花ちゃんも我慢しないで無いてもいいんだよ」

梨花「……」

魅音「り、梨花ちゃん、大丈夫?」

梨花「……」

圭一「おっ、おい梨花ちゃんっ!」

5 名前:亀田ひぐらし ◆XIzTPt6b42 [] 投稿日:2009/03/11(水) 17:04:37.31 ID:r/aqFpoW0

梨花「…えっ!あっ!なっ、何ですか?」

レナ「梨花ちゃん…大丈夫?」

梨花「あっ…ちょっとショックで…」

魅音「無理も無いよ。…梨花ちゃん、今日はさ私の家に泊まりに来なよ。
   まだ、犯人だって捕まってないしさ…。怖いでしょ?」

梨花「えっ…いいんですか?」

魅音「もちろん」

梨花「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうのです」

レナ「うん。そうしたほうがいいよ」

その後、魅音は、レナと圭一に別れ告げ、梨花と一緒に自転車で家に帰った。
この日が、魅音がレナと圭一の姿を見た最後の日となる。

6 名前:亀田ひぐらし ◆XIzTPt6b42 [] 投稿日:2009/03/11(水) 17:06:46.96 ID:r/aqFpoW0

魅音「梨花ちゃん、遠慮しなくて良いからね。
   自分の家だと思ってよ」

梨花「魅音、本当にありがとうなのです」

魅音「なーに、いいっていいってこのくらい。
   しかし、いつまで停電なんだろ?
   もう夕方だってのに…」

梨花「はい…」

魅音「停電でも、ガスや水道は使えるみたいだし、とりあえず夕飯の準備するよ。」

梨花「ボクも、お手伝いするのです」

魅音は梨花とともに夕食の準備をし、食事を食べた。

魅音「もう夜だってのに、まだ停電だし、鬼婆やお父さんも帰ってこないなんて…。」

梨花「……」

魅音「……。とりあえず、お風呂沸かしてくるよ」

魅音が風呂を沸かし終え、梨花のいる部屋にむかって歩いていくと、
なにやら話し声が聞こえてきた。

魅音(あれ?誰か帰ってきたのかな?)

魅音は部屋に近づいていくと梨花の声が耳に入る。

7 名前:亀田ひぐらし ◆XIzTPt6b42 [] 投稿日:2009/03/11(水) 17:08:56.29 ID:r/aqFpoW0

梨花「……だから、羽入はあの黒い霧の向こう側を調べてくるのよ。うん…それで…」

魅音が部屋に入ると、部屋の中には梨花が一人いるのみだった。

魅音「あれぇ?梨花ちゃん今誰かと話してなかった?」

梨花「…別に、ただの独り言なのです」

魅音「…そうなんだ」

魅音(こんな懐中電灯の明かりしかない暗いところで、独り言なんて不気味…)

魅音「あっ。お風呂沸いたからさ。一緒に入ろっか」

梨花「あーボクは後で一人で入らせてもらうから、先に入ってきていいのです」

魅音「そんな遠慮しなくてもいいよ。こんな暗いなか一人でお風呂に入るなんて怖いでしょ?」

梨花「大丈夫なのです」

魅音「ま、まあ梨花ちゃんが一人で入りたいなら別に良いけど、じゃあ、先に入らせてもらうよ」

魅音が風呂に入り戻ってくると、また、ボソボソと話し声が聞こえてくる。

魅音(また、梨花ちゃんの独り言が聞こえるよ。何話してんだろ?)

魅音は足音をしのばせ、部屋に近づき、聞き耳を立てる。

梨花「…えぇ後、数時間で昭和58年の6月を乗り越える事ができる…。でも沙都子が…。
   それに…。……」

9 名前:亀田ひぐらし ◆XIzTPt6b42 [] 投稿日:2009/03/11(水) 17:11:09.64 ID:r/aqFpoW0

魅音(58年6月を乗り越える?…あれ?急にしゃべらなくなったね。
   あっ、私が聞いてることがばれたかな?)

魅音は、梨花のいる部屋のドアを開け部屋に入った。

魅音「…あ、あぁ、お風呂入ってきたからさ。梨花ちゃんお風呂に入りなよ」

梨花「どうもなのです。それじゃあお風呂をいただくのです」

そういって梨花は立ち上がり、風呂場に向かおうとする。

魅音「あっ、あのさあ、梨花ちゃん」

梨花「何ですか?魅音」

魅音「また、独り言いってたよね?…あれ…何なの?」

梨花「ただの独り言なのです。気にしないで欲しいのです」

魅音「…そっかぁ」

梨花はそのまま部屋を出て行った。

梨花が風呂に入り終わり、戻って来てから、二人で魅音の部屋まで行きその日は眠りについた。

10 名前:亀田ひぐらし ◆XIzTPt6b42 [] 投稿日:2009/03/11(水) 17:13:21.28 ID:r/aqFpoW0

朝。
魅音が起きて、家の中を見て回るが、まだ、魅音の家族は家に帰っていなかった。

魅音(何でまだ、誰も帰ってきていないんだろ?なんかあったのかな?)

魅音は梨花を起こすと、一緒に朝ごはんを食べた。

梨花「ごちそうさまなのです。…あの魅音の家の人はまだ帰ってこないのですか?」

魅音「ああ…うん。まだみたい」

梨花「ちょっと様子を見に行ってみませんか?」

魅音「そうだね。そうしよっか」

魅音は梨花と一緒に自転車で神社の集会所に向かって走り始めた。

魅音「ねえ、あの黒い霧なんだろうね?」

梨花「ボクもあんなのは初めてです」

魅音「そうだねえ。……あっ、ちょっと止まって!」

梨花「ん?どうしたのですか?」

梨花が自転車を止めた。

魅音「ねえ、おかしくない?」

12 名前:亀田ひぐらし ◆XIzTPt6b42 [] 投稿日:2009/03/11(水) 17:16:06.46 ID:r/aqFpoW0

梨花「えっ?」

魅音「何か、静かすぎるよ。セミの鳴き声すらしない。」

梨花「…たしかに」

魅音「なんか、妙だよ」

梨花「…はい」

魅音「…とりあえず、集会所に向か」

梨花「わぁっ!!」

魅音「どうしたの梨花ちゃん?」

梨花が大きく目を見開き驚愕の表情を浮かべている。
魅音が梨花の視線の先に目を向けると、
十数メートル先の草むらから、魅音を見つめる沙都子の顔が覗いていた。

魅音「えっ…さ、沙都子…?」

梨花「な、なんで…?どうなってるの?」

魅音(何で沙都子が?あんな状態で生きてるわけ無いのに…。
   ん?なんか沙都子の頭のある位置がおかしい…地面に近すぎるような…)

14 名前:亀田ひぐらし ◆XIzTPt6b42 [] 投稿日:2009/03/11(水) 17:18:42.69 ID:r/aqFpoW0

その時、頭だけの沙都子がコロコロと草むらから転がり出て魅音の方に近づいてきた。

魅音「うわっ!何あれ?!梨花ちゃんっ!とりあえず逃げるよ!」

梨花「わぁー!」

魅音と梨花は自転車は急いでこいで走り出すが、
魅音のMTBに比べ梨花の子供用の自転車はスピードが出ず、
ぐんぐんと転がる沙都子の頭に差を縮められてしまう。

梨花「羽入ー!羽入ー!なっ何なのよアレはぁー!!」
と梨花が叫び後ろを振り向くと、沙都子の頭は数メートル後ろまで迫っていた。
そして、そのさらに後方に、それとは別の沙都子の頭が数個こちらに向かって転がってきているのが目に映った。

梨花「うわぁああああ!」

魅音「はぁはぁっ!梨花ちゃんっ急いでっ!」

魅音がそう叫んだとほぼ同時に、
梨花の背後にまで迫っていた沙都子の頭が飛び上がり梨花の太ももに噛み付いた。

梨花「いぐゅふああああああぁぁぁぁぁっっ!!!」

梨花の自転車が転倒した。

魅音「梨花ちゃんっ!!」

魅音が梨花の叫び声を聞いて後ろを振り向くと、
倒れた梨花の身体に数個の沙都子の頭が群がっているのが見えた。

16 名前:亀田ひぐらし ◆XIzTPt6b42 [] 投稿日:2009/03/11(水) 17:22:21.88 ID:r/aqFpoW0

魅音「ひぃいいいいいっ!何あれ!何あれ!増えてるよっ!!ひぃいいい!!」

魅音は、前を向くと、そのまま後ろを振り返らずに、自分の家まで必死に自転車をこいだ。
屋敷の前に着くと転ぶようにして自転車から降り、あわてて家の中に入り玄関の鍵を閉めると、
そのまま玄関に倒れこんだ。

魅音「ぜぇぜぇっ!はぁはぁっ!はぁーっ!はぁっ!はぁ!」

魅音(あっ!…すごく怖くて梨花ちゃん置いて逃げてきちゃった!。
   あぁっ!…梨花ちゃん…ごめんね。ごめんっ。ごめんねっ)

その後、魅音は屋敷で、一ヶ月近く一人で暮らしていたのである。
幸い、食料の備蓄は豊富にあり、水道も一週間したら出なくなったが、
風呂に水をためていたため、それほど困ることはなかった。
しかし、ある日、どこからか屋敷内に入り込んでいた沙都子の頭と遭遇し、
何とか自分の部屋まで逃げ切ることができた。
しかし沙都子の頭は部屋に入る力はないようだが、部屋の外からずっとドアに体当たりし続けているため、
魅音は部屋の外に出ることができなくなってしまった。
それから数日がたった。沙都子の頭は依然としてドアへの体当たりを続けている。
部屋の中には、ペットボトルに入った少量の水と、菓子があるのみだった。
水は一日で飲み干し、その後は高い湿気のために部屋内にできる水滴を舐めて渇きを癒した。
菓子は空腹に耐え節約しながら食べていたので、まだ、残っているが、
もう残りわずかである。
もはや、魅音は精神的にも体力的にも限界に近づいていた…。

                                ┼ヽ  -|r‐、. レ |
                                d⌒) ./| _ノ  __ノ

20 名前:亀田ひぐらし ◆XIzTPt6b42 [] 投稿日:2009/03/11(水) 17:24:33.82 ID:r/aqFpoW0

ここまでが出題編です。さあ推理してください。

正解率1%です。



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