鶴屋「キョン君、お願いがあるんだけど…」


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84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 11:05:54.42 ID:KqED+aFw0

キョン「お願いってなんですか?鶴屋さん?」

鶴屋「うん、あのね…その…」

キョン「はい?」

鶴屋「私と付き合ってほ―」

ハルヒ「こらっ!キョン!何やってるのよ、SOS団を始めるよ!」

鶴屋「!!」

キョン「ああ、今行くよ…それで鶴屋さん、お願いというのは…?」

鶴屋「ううん、大した用じゃないからいいんだよ」

キョン「はぁ…そうなんですか」

ハルヒ「ほらっキョン、さっさと部室に行くわよ」グイッ

キョン「おいっ、腕をひっぱるなよ」


鶴屋「アハハ…そうだよね、キョン君にはハルにゃんがいるんだよね」


保守

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 11:32:04.68 ID:KqED+aFw0

ハルヒ「ねぇ、あんたさっき鶴屋さんとなに話してたの?」

キョン「ああ、お願いしたいことがあるって言われてな」

ハルヒ「お願い…?それってどんな内容のお願いだったのよ」

キョン「ん〜分からん。」

ハルヒ「もしかして告白だったりして」

キョン「まさか!俺みたいな奴、ありえんだろう」

ハルヒ「ふふっ、そうね、あんたと鶴屋さんって釣り合わないもんね」

キョン「それはそれで凹むな…」

キョン「(しかし、鶴屋さんのお願いって、結局、なんだったんだ…)」


保守

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 11:47:30.42 ID:KqED+aFw0

鶴屋「はぁ…やっぱりキョン君はハルにゃんが好きなのかな…」

鶴屋「アハハ…私みたいな年上の女の子は嫌いだよね…」

鶴屋「それに私ってがさつだし…グスン…きっとキョン君も…」

鶴屋「うっうっ…キョン君…きみのこと…めがっさ好きだよ…」

鶴屋「大好きだよ…キョンくん…」


鶴屋「……髪、切ろうかな」



保守

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 12:03:34.49 ID:KqED+aFw0

みくる「あれ〜鶴屋さん、そんなところで何してるんですか〜?」

鶴屋「みっみくる!なっなんでもないさ〜」ゴシゴシ

みくる「もしかして泣いていたんですか?」

鶴屋「やだな〜私が泣くわけないじゃないか」

鶴屋「もう、みくるはほんと勘違いさんだね〜アハハ」

みくる「鶴屋さん…私でよければ相談にのりますよ?」

鶴屋「みくる…?」

みくる「鶴屋さん…泣いてますよ。私には分かります。」

鶴屋「………」

みくる「私たち、友達ですよね?私でよければ力になりますよ、鶴屋さん」

鶴屋「みっみくる〜!!うわぁぁぁん」ガバッ


保守

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 12:11:44.50 ID:KqED+aFw0

鶴屋「みくる〜私…私…どうすればいいか分からないよ!」

みくる「ふぇ〜鶴屋さん!落ち着いてください」

鶴屋「苦しいよ…めがっさ心が苦しいよ、みくる…グスン」

みくる「鶴屋さん…まずは落ち着きましょ?ねっ?」ナデナデ

鶴屋「ごっごめんよ…」


みくる「え〜と、それでまず何があったんですか?そこから教えてください」

鶴屋「あのね…私、自分勝手なことしちゃったんだ…」

みくる「それはどんなことですか?」

鶴屋「ハルにゃんがいるのに…私、キョン君に告白しようとしたんだ」

みくる「ふぇ!?」


保守


95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 12:19:21.67 ID:KqED+aFw0

みくる「鶴屋さん、キョン君のことが好きだったんですか?」

鶴屋「うん…でも最初は好きでもなんでもなかったんだよ」

鶴屋「最初はね、自分に弟がいたらこんな感じなのかな〜って…」

みくる「あっそれ私も分かります。キョン君って母性本能くすぐるとこありますよね」

鶴屋「アハハ、みくるもそう思うかい。そうなんだよ〜そしたらいつの間にか
    キョン君を意識するようになっちゃったんだよ…」

みくる「そうだったんですか…でもそれがどうして自分勝手なんですか?」

鶴屋「だってそうだろ?キョン君にはハルにゃんがいるのに…分かってたことなのに」

鶴屋「それなのに告白なんかしたら、きっとキョン君に迷惑かけちゃうよ…」



なんかごめん。

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 12:36:02.44 ID:KqED+aFw0

鶴屋「酷い女だよね!自分勝手な女だよね!キョン君を傷つけるだけなのにさ」

みくる「鶴屋さん…そこまで思いつめてたんですか」

鶴屋「でもね…でも、好きなんだよ…キョン君のこと大好きなんだよ」ポロッ

鶴屋「嫌われてもいいよ…それでもキョン君の側に居たいよ…」ポロポロ

鶴屋「それでも…諦めるなんてできないよ!みくる!うわぁぁん!!」

みくる「鶴屋さん…」ナデナデ



保守

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 12:47:08.96 ID:KqED+aFw0

みくる「頑張りましょうよ!鶴屋さん!」

鶴屋「でも…」

みくる「キョン君が言ったんですか?鶴屋さんのこと迷惑だって言いました?」

鶴屋「言ってないよ…でもあの二人を見てたら分かるよ。私の自分勝手だよ」

みくる「ならキョン君に“迷惑です”って言われるまで頑張りましょうよ!」

みくる「キョン君の口からきっぱりと否定されるまで…戦うんですよ、鶴屋さん」

みくる「嫌われるようになるまで、好きでいるのは自由じゃないですか」

鶴屋「みくる…」

みくる「それに、鶴屋さんならキョン君に嫌われたりしません。きっとうまくいきますよ」

鶴屋「グスン…私はいい友達を持って幸せ者だね…」

鶴屋「うん、わたし頑張ってみるよ。きっとキョン君のこと振り向かせてみるよ!」


保守



101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 12:58:29.10 ID:KqED+aFw0

鶴屋「でもみくる、どうやってキョン君を振り向かしたらいいかな?」

みくる「それならデートに誘ってみるのが、いいんじゃないですか?」

鶴屋「ええっ!?でっデートかい!?」

みくる「そうです。デートなら二人の距離がぐっと縮まりますよ」

鶴屋「でも私、デートなんて一度もしたことがないから、何をすればいいか分からないよ」

みくる「ふぇっ!?もしかして鶴屋さん、一度も付き合ったことないんですか?」

鶴屋「うっうん…キョン君が初恋さ」

みくる「(意外と鶴屋さんって奥手なんですね…)」

みくる「(それなのに勇気を振り絞った初めての告白があんなことに…)」

みくる「大丈夫です鶴屋さん!私に任せてください!」

鶴屋「みくる…?」



102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 13:10:48.75 ID:KqED+aFw0

みくる「すみませ〜ん、遅れました〜!」

ハルヒ「何やってたのよ!みくるちゃん!とっくに活動は始まってるのよ!」

みくる「すっすいません。ところで今日の活動は…?」

キョン「ああ、今週の日曜日にSOS団の親睦会を開くことを話し合ってたんですよ」

みくる「親睦会…ですか?」

キョン「まぁ単にうまい料理を食べて騒ぎたい、そういうことですよ」

みくる「なるほど……!?」

みくる「涼宮さん!親睦会なら鶴屋さんを呼んでもいいですか?」

ハルヒ「鶴屋さんを?どうしてよ?彼女は関係ないじゃない」

キョン「おいおい、ハルヒ、お前忘れたのか?鶴屋さんはSOS団の
     名誉顧問じゃないか…」

みくる「そうですよ!だから鶴屋さんも誘ってもいいですよね」

108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 13:23:21.32 ID:KqED+aFw0

ハルヒ「でもすでに5人で予約を取ってるのよ…」

みくる「場所はどこなんですか?」

古泉「僕の知り合いがやってるレストランです」

ハルヒ「そうよ、急に一人分増えたら迷惑かけちゃうんじゃないかしら?」

古泉「いえいえ、大丈夫ですよ。一人追加なら問題はありません」

ハルヒ「そう…」

キョン「良かったですね、朝比奈さん」

みくる「はい、きっと鶴屋さんも喜ぶと思います!」

ハルヒ「………」



>>1が戻ってくるまで駄文失礼

112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 13:33:51.13 ID:KqED+aFw0

みくる「もしもし、鶴屋さんですか?」

鶴屋「みくるじゃないか。こんな時間にどうしたのさ?」

みくる「えへへ…じつはですね〜鶴屋さんに朗報です」

鶴屋「朗報…?」

みくる「はい、ちなみにキョンくん関係の朗報です」

鶴屋「キョンくんだって!?」

みくる「気になりますか〜?」

鶴屋「あぁん!イジワルしないで教えてくれよ!めがっさ気になるよ」

みくる「今週の日曜日にSOS団で親睦会をすることになったんです」

みくる「その席に鶴屋さんも呼ばれてるんですよ」

鶴屋「私がかい!?」


113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 13:46:41.81 ID:KqED+aFw0

みくる「そうですよ。キョンくんと仲良くなるチャンスですよ」

鶴屋「仲良くなるだなんて…なんだか緊張してきたよ〜」

みくる「(うふふ…鶴屋さんったら可愛い)」

鶴屋「とっところでみくる、当日は何を着ていけばいいかな…?」

鶴屋「キョン君、どんな服なら可愛いって言ってくれるだろ」

みくる「キョン君ならきっと、どんな服でも可愛いと言ってくれますよ」

鶴屋「え〜それじゃあアドバイスになってないよ〜」

みくる「なら年上の女性を意識してみたらどうですか?」

鶴屋「年上の女性…?」

みくる「はい、きっといつもと違う鶴屋さんの魅力にコロッと落ちてしまいますよ。」

鶴屋「そうか〜年上のお姉さんか。うん、考えてみるよ、みくる!」

みくる「はい、頑張ってくださいね」



117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 13:59:25.48 ID:KqED+aFw0

―当日―

ハルヒ「遅いわね…もう20分も待たされてるわよ」

古泉「確かに遅いですね。彼ならともかく、鶴屋さんが待ち合わせに
    遅刻とは何かあったんでしょうか?」

キョン「お前、さらっと失礼なこと言っただろ?」

キョン「しかし、気になるな…朝比奈さん、待ち合わせ場所は
     教えたんですよね?」

みくる「はい、ちゃんと時間と場所は教えたんですけど…」

ハルヒ「じゃあなんで、こんなに遅いのよ!すでに予約時間は過ぎてるのよ!」

ハルヒ「遅れるなら連絡くらいあってもしかるべきじゃない!」

みくる「きっと待ち合わせ場所が分からなくなったのかもしれません」

みくる「鶴屋さん、この辺は来たことないって言ってましたから…」

ハルヒ「あ〜もう!このままだとご飯を食べる時間がなくなっちゃうわ!」

長門「それは困る…」

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 14:11:20.17 ID:KqED+aFw0

キョン「おいおい、そんなにカリカリするなよ…事情があるんだよ、きっと」

ハルヒ「でもこのままだと、古泉くんにも迷惑をかけちゃうのよ!?」

キョン「ならこうしよう。お前たちは先に店に行っててくれ。俺はここで鶴屋さんが
     来るまで待ってるよ」

みくる「キョンくんそれは悪いですよ。鶴屋さんを誘ったのは私ですから、私が残ります」

ハルヒ「そうね、鶴屋さんを誘ったみくるちゃんの責任でもあるから、そうしましょう」

キョン「いや、朝比奈さん、ここは俺が残りますよ」

キョン「こういうのはSOS団の雑用係たる俺の仕事です…」

みくる「でも…」

キョン「それに女の子を一人で残しておくわけにはいきませんよ。いいだろ?ハルヒ」

ハルヒ「分かったわよ…勝手にしなさい」

キョン「悪いな…」

121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 14:20:17.91 ID:KqED+aFw0

ハルヒ「ねぇ古泉くん…」

古泉「はい?どうなされました?」

ハルヒ「キョンが自分から残りたいって言ったの…もしかして」

古泉「……」

ハルヒ「ううん、ごめん、なんでもないわ。忘れてちょうだい」

古泉「……涼宮さん、それはたぶんあなたの思い過ごしだと思いますよ」

ハルヒ「そう、かしら…」

古泉「ええ、きっと涼宮さんが遅刻しても、彼は同じような態度を取ったと思います」

ハルヒ「そっそうよね…ありがとう、古泉くん」

古泉「はい、気にしないことです。(ほんとにそうだといいのですが…)」



124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 14:31:14.39 ID:KqED+aFw0

鶴屋「キョンく〜ん!ハァハァ…」

キョン「鶴屋さん!どうしたんですか!?息を切らして…」

鶴屋「遅れてごめんね…この辺来たことないから道が分かんなくて」

キョン「ああ、やっぱりそうだったんですか。たぶんそうだと思いましたよ」

鶴屋「ほんとごめんね…ところで皆にも謝りたいんだけど…」

キョン「ああ、先にお店の方に行ってますよ。僕たちも急ぎましょう」

鶴屋「ううん、私はここで帰ることにするよ…」

キョン「えっ?鶴屋さん…どうしてですか?」

鶴屋「だって私、みんなにすごい迷惑かけちゃったんだよ?」

鶴屋「部員でもないのに押しかけて…それなのに遅刻して…」

鶴屋「みんなに合わせる顔がないよ…」

130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 14:48:33.18 ID:KqED+aFw0

キョン「大丈夫ですよ。誰も怒ってませんから…行きましょう?」

鶴屋「……やっぱり無理だよ」

キョン「どうしてですか?」

鶴屋「だって…キョンくん、私に幻滅したはずだよ…」

鶴屋「キョンくんより年上なのに遅刻してさ…すごく恥かしいよ」

キョン「なんだ、そんなことで悩んでたんですか?」

キョン「なら問題ないですよ。俺なんか遅刻の常習犯ですし…
     それに俺は鶴屋さんに幻滅なんてしません」

鶴屋「………」

キョン「ならこうしましょうか。鶴屋さんは遅刻して皆に迷惑をかけた。そうですね?」

鶴屋「うん…」

キョン「なら今からお店に行って皆に謝りましょう。迷惑かけたと思うならそうするべきです」


133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 14:56:09.87 ID:KqED+aFw0

鶴屋「そうだよね…皆に迷惑かけたんだもんね。謝るのが筋だよね…」

鶴屋「そっか…ごめんね、キョンくん。何度も迷惑ばかりかけて…」

キョン「いえ、いいんですよ」

鶴屋「キョン君は私よりも大人なんだね〜。私もキョン君を見習わなきゃ」

キョン「そうですか?今日の鶴屋さんも大人っぽいと思いますよ。」

鶴屋「えっ!?そっそんなことないよ…」

キョン「ほんと大人っぽいですよ。鶴屋さんってファッションセンスがいいんですね」

鶴屋「やっやめておくれよ〜鶴屋さん恥かしいよ〜!」

キョン「なんだかいつもの元気な鶴屋さんに戻ったみたいですね」

鶴屋「キョンくん…」



135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 15:05:48.65 ID:KqED+aFw0

キョン「じゃあお店に行きましょうか?」

鶴屋「うん…」


鶴屋「(ねぇキョン君、どうしてキョン君はそんなにも優しいんだい?)」

鶴屋「(もしかして私がキョン君にとって特別だから?それとも単に誰にでも優しいのかな?)」

鶴屋「(どっちでもいいよ…だって、今は、今だけはキョン君とこうして二人っきりなんだから…)」

鶴屋「(ずっ〜と、こうしていたいな…キョン君の隣に、キョン君の側にいたいな…)」


キョン「鶴屋さん、どうしました?」

鶴屋「えっ!?あっ?ううん、なんでもないよ」

キョン「そうですか?なんだが上の空だったみたいで」

鶴屋「アハハっ、ちょっと考え事をね」

147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 15:58:06.32 ID:KqED+aFw0

キョン「もしかしてまだ気にしてました?」

鶴屋「アハハ、違うよ〜どんなご馳走が出てくるのか想像してたんだよ」

キョン「そうですか。じつは俺も楽しみなんですよ。」

鶴屋「そうだよね〜みくるからはイタリアンだって聞いたんだけど、すごい楽しみさ」

キョン「ん〜料理もそうなんですが、俺は今日の親睦会自体がすごく楽しみでした」

鶴屋「え〜と、それはどういう意味だい?」

キョン「親睦会ってお互いの仲を深めるものじゃないですか」

鶴屋「うん、そうだね〜」

キョン「だから今日は鶴屋さんともっと仲良くなれるんじゃないかと、期待したんですよ」

鶴屋「!!」



150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 16:09:39.19 ID:KqED+aFw0

キョン「ほらっ鶴屋さんってウチの名誉顧問ですけど、
    特別な行事以外は顔を会わすことがないじゃないですか」

キョン「だからもっと親睦を深めれたらなぁ〜なんて」

鶴屋「キョンくん!!」

キョン「はっはい?」

鶴屋「今の言葉…めがっさうれしかったよ!」

鶴屋「私ね、さっきも言ったようにちょっとだけ疎外感があったんだ…」

鶴屋「SOS団の正式メンバーでもないのに、来てもいいのかなって」

鶴屋「だからね、キョン君のその一言がすごいうれしかったよ!」

キョン「そうですかね…俺、大したこと言ってませんけど」

鶴屋「ううん、キョン君は私のことSOS団のメンバーだって言ってくれたんだ。」

鶴屋「それはね、鶴屋さんをめがっさ励ましてくれたんだよ!ありがとう、キョンくん!」



151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 16:19:45.53 ID:KqED+aFw0

キョン「いえいえ…ところで鶴屋さん、聞いてもいいですか?」

鶴屋「ん〜?キョン君は私に何が聞きたいのかな〜?」

キョン「この前のお願いって、なんだったんですか?」

鶴屋「えっ!?」

キョン「ほらっ、俺にお願いがあるって言ってましたよね?
     鶴屋さん、ハルヒが来たから言いよどんだみたいですけど…」

キョン「もしよければ今、聞かせてもらえませんか?」

鶴屋「え〜と…(どうしよう、もしかして今がチャンスなのかな?)」

鶴屋「(そうだよね、キョン君と二人っきりなんてこんなチャンスもうないよ…)」

鶴屋「(でも告白してダメだったら……)」

鶴屋「(うわぁぁ〜〜ん!みくる〜私はどうすればいいのさ〜!?)」



みくる「ふぇっくち!」

ハルヒ「あらっ?みくるちゃん風邪引いたの?」

みくる「すみましぇ〜ん」


154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 16:31:00.31 ID:KqED+aFw0

鶴屋「うぐぐ……(どうしよう、告白するべき?しないべき?)」

キョン「あのう…鶴屋さん?」

鶴屋「うぇっ!?あっ、はいにょろ!?」

キョン「(にょろ?)あのう、すみません、鶴屋さん。」

キョン「べつに困らせるつもりじゃなかったんですよ…なんかすみません」

鶴屋「ちっ違うよ!そうじゃなくて、その…(私に意気地が足りないから)」

キョン「………」

鶴屋「………」


キョン「なら、こうしましょう。もし俺が必要だったらいつでも言ってください」

キョン「いつでも鶴屋さんの力になりますから。…それでいいですか?」

鶴屋「キョンくん…」




156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 16:39:59.69 ID:KqED+aFw0

鶴屋「うん、気を使ってくれてありがとうね、キョン君」

キョン「いいんですよ。あっそうだ、ならついでにメルアド交換しませんか?」

鶴屋「メルアド…?」

キョン「あっいえ、違いますよ!いわゆる不純な動機からじゃなくて、その…」

キョン「いつでも鶴屋さんの力になれるよう、互いの番号を知ってた方がいいかなと」

鶴屋「ぷっ…アハハハ!キョンくん焦りすぎ〜」

キョン「すっすみません…」

鶴屋「いいよ、交換しよう。」

キョン「じゃあお願いします」

鶴屋「ふふふっ、これでいつでもキョン君とメールができるね」

キョン「そうですね。いつかけても大丈夫ですから」





158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 16:52:24.54 ID:KqED+aFw0

キョン「ようやく店に着いたみたいですよ」

鶴屋「おお〜!なかなか洒落たお店じゃないか〜!」

鶴屋「さすがは古泉くんだね〜うんうん」

キョン「じゃあ、皆が待ってますから入りましょう」

鶴屋「あっ、その前に一ついいかな?キョンくん」

キョン「んっ?なんですか?」


鶴屋「キョンくん、色々励ましてくれてどうもありがとう!」ペコッ



正直に告白しよう。俺は鶴屋さんの姿にドキッとしてしまった。
なぜだ?鶴屋さんは俺にとって単なる先輩の一人なのに、
それなのにペコリと頭を下げる鶴屋さんが可愛いと思ってしまった…



160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 17:02:40.23 ID:KqED+aFw0

鶴屋「みんな遅れてごめんよ〜」

みくる「あっ鶴屋さん!」

ハルヒ「ちょっとキョン!ずい分遅かったじゃない!」

キョン「すまん、途中俺が話し込んでしまってな…」

ハルヒ「話し込んでた?あんたね!私たちを待たせといて良い度胸じゃない!」

ハルヒ「あんたが鶴屋さんとイチャイチャしてる間、私たちはずっと待ってたのよ!」

キョン「だからすまん…」

ハルヒ「見なさい!有希なんて我慢のしすぎてよだれが止まらないんだから!」

長門「…料理はまだ?」ジュルルル

ハルヒ「罰として今日の会費は全部、あんたが払うことね。分かった?キョン」

鶴屋「ちょっと待ってよ!ハルにゃん!キョン君は悪くないよ…」

鶴屋「悪いのは遅刻してきた私の責任だよ」

164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 17:17:15.22 ID:KqED+aFw0

鶴屋「みんな今日は本当にごめんなさい!先輩なのに迷惑かけて恥かしいよ…」

鶴屋「全部悪いのは私なんだ。だからキョン君を責めないでやって…」ペコッ

みくる「鶴屋さん…」

キョン「頭をあげてください、鶴屋さん」

古泉「そうです。我々は誰も怒ったりなどしていませんよ。ねぇ涼宮さん」

ハルヒ「そっそうね…」

鶴屋「ハルにゃんもお願いします…会費なら私がキョン君の代わりに払うから」

ハルヒ「ううん、もういいわ。ちゃんと遅れた事を謝ってくれたし、この件はこれでお終いよ」

鶴屋「みんなほんとに迷惑かけてごめんなさい!」

キョン「ほっ…良かった、良かった」

ハルヒ「ただしキョン!あんたには聞きたいことがあるわ!後で付き合いなさいよ!」


166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 17:26:19.68 ID:KqED+aFw0

ハルヒ「それじゃあみんなグラスは持った?乾杯するわよ」

一同「かんぱ〜い!」


鶴屋「(ん〜やっぱりキョン君の隣はハルにゃんか…)」

鶴屋「(私もキョン君の隣になりたかったな…)」

鶴屋「(それに皆、SOS団の話ばかりで会話に入れないよ)」


ハルヒ「それであの時のキョンには笑ったわ」

古泉「まさか焙煎ニンニクだとは思いませんでした」

キョン「なんだよ!べつにいいじゃないかよ!」

みくる「今でも思い出し笑いしそうです〜」

長門「ユニーク…」

キョン「長門もかよ!」


鶴屋「(アハハ…ほんと楽しそうだな…)」

168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 17:35:52.26 ID:KqED+aFw0

キョン「さてと…」

ハルヒ「あらっ?どこ行くのよ?」

キョン「んっ?いや、せっかくの親睦会なんだ、接待をしようと思ってな」

ハルヒ「接待…?誰によ」

キョン「悪いが長門、そこの席代わってもらえるか?」

長門「……」コクリ

キョン「すみません、鶴屋さん。知らない話ばかりで盛り上がってしまって」

鶴屋「アハハ、鶴屋さんを接待するのかい?」

キョン「ええ、せっかくの機会です。名誉顧問である鶴屋さんを接待させて下さい」

ハルヒ「!!」


みくる「(キョンくん、ナイスですぅ!)」

古泉「(これは困りましたね…)」

171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 17:48:45.65 ID:KqED+aFw0

鶴屋「それで〜キョン君は鶴屋さんにどんな接待をしてくれるのかな〜?」

キョン「じゃあ、とりあえず日頃の感謝を込めてお酌(ジュース)をします」

キョン「ささっ、どうぞどうぞ」

鶴屋「アハハっなんだかキョン君、上司にペコペコするサラリーマンみたい」

キョン「ペコペコしているという意味なら、当たってるかもしれませんね」チラッ

ハルヒ「…!!…」

鶴屋「そうかい、そうかい。キョン君も大変なんだね〜私でよければ愚痴を聞いてあげるよ」

キョン「愚痴なんてつもるほどありますよ。休日出勤は当たり前…おまけに手当てが支給される
     どころか出費として出て行く…」

キョン「ほんと…正直疲れますよ」

ハルヒ「……」

古泉「涼宮さん?」

ハルヒ「ごめん、ちょっとトイレに行ってくる…」





177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 17:59:28.70 ID:KqED+aFw0

古泉「まずいですね…」

みくる「古泉くん、わたし涼宮さんの様子を見てきます」

古泉「すみませんが、お願いします…」

鶴屋「う〜ん、キョン君も大変なんだね〜」

キョン「そうなんですよ、おかげで少し痩せましたよ」

古泉「…困ったものです」


〜〜〜〜

ハルヒ「なによ…キョンの奴、あんなこと言わなくてもいいじゃない…」

ハルヒ「グスン…キョンのバカ…」ポロッ

みくる「涼宮さん…?」

ハルヒ「なっなによ、みくるちゃん、いたならさっさと言いなさいよ!」グシグシ



178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 18:05:29.35 ID:KqED+aFw0

みくる「もしかして涼宮さん、泣いてたんですか…?」

ハルヒ「なっ泣いてないわよ!なんで私が…あんな奴のせいで…」

ハルヒ「泣かなきゃ…グジュ…いけないのよ…」

みくる「涼宮さん…私もキョン君のあの態度はないと思います」

ハルヒ「みくるちゃん…」

みくる「男ってほんと何も分かってないですよね。」

ハルヒ「うわぁぁぁぁん!みくるちゃぁぁん!!」

みくる「涼宮さん…もう大丈夫ですよ」ナデナデ

184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 18:16:29.46 ID:KqED+aFw0

ハルヒ「分かってるわよ、私がキョンに意地悪してることを…」

ハルヒ「だけどそれをあからさまに言わなくてもいいじゃない…」

みくる「そうですね…アレはちょっと酷いですよね〜」ナデナデ

ハルヒ「ねぇみくるちゃん…やっぱりキョンって鶴屋さんのこと好きなのかな?」

みくる「う〜ん…どうでしょうか。キョン君はちょっと解りづらいですね…」

ハルヒ「そう…なら鶴屋さんは?鶴屋さんはキョンのこと…どう思ってるのかしら」

みくる「涼宮さん」

ハルヒ「はい…?」

みくる「鶴屋さんはキョン君のことが好きです。心の底から大好きです」

ハルヒ「あぁ…やっぱり…」

189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 18:24:37.13 ID:KqED+aFw0

ハルヒ「だからみくるちゃん、親睦会に鶴屋さんを呼んだりしたのね…」

みくる「はい、なので涼宮さんには申し訳ないと思ってます…」

ハルヒ「それはいいのよ…友達だから協力してたんでしょ」

みくる「ごめんなさい…」

ハルヒ「でも一つだけ聞いてもいい?鶴屋さんに協力してるなら、
     どうして私に鶴屋さんの気持ちを教えてくれたの?」


みくる「それは…ちょっとだけ嫉妬したからです」

ハルヒ「嫉妬…?」

みくる「はい、だって自分に素直な鶴屋さんが羨ましくて嫉妬しちゃったんです」

ハルヒ「鶴屋さんが羨ましい…から?」


みくる「だってわたしも…キョン君が好きですから」

194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 18:32:01.77 ID:KqED+aFw0

みくる「でも安心してください。私は二人の間に割り込む気はありませんから」

ハルヒ「どうして…?みくるちゃんもキョンが好きなんでしょ?」

みくる「はい、でもキョン君は私のこと…見ていませんから」

ハルヒ「そっそんなことないでしょ。あのスケベ、みくるちゃんの身体ばかり…」

みくる「うふふ、涼宮さんもまだまだですね」

ハルヒ「ちょっと、それってどういう意味よ」

みくる「私に対するキョン君の気持ちは、単なる憧れです…それ以上でも以下でもありません」

みくる「それに私は…(いつかは未来に…)」

ハルヒ「それに?」

みくる「ううん、なんでもないです。とにかく、涼宮さん!鶴屋さんは強敵ですよ」

みくる「キョン君を取られないように頑張ってくださいね」

197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 18:43:35.22 ID:KqED+aFw0

みくる「それでは私は先に戻ってますね…」


ハルヒ「頑張って下さいって…勝てるわけないじゃない!」

ハルヒ「私は…キョンにこれまで散々酷いことをしてきたのよ…」

ハルヒ「きっと私よりも鶴屋さんを選ぶに決まってるわ」

ハルヒ「それなのに…頑張れって無理よ!無理なのよ…!」



朝比奈みくるの行動はあまりにも軽率であった。それはやがて
彼女が自ら後悔するよう、涼宮ハルヒに鶴屋の気持ちを伝えた
ことは、あまりにも軽率な性質であり、それぞれの人生を狂わせる
ものであった。否、狂わされたのは鶴屋一人が正しいであろう…

199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 18:45:44.88 ID:KqED+aFw0

ご飯食べてきます。

203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 19:16:29.32 ID:KqED+aFw0

ハルヒ「はぁ…結局、どうすればキョンは振り向くのかしら…」

ハルヒ「!!」

鶴屋「んんっどうにょろ?キョン君の注文どおりポニテは似合ってるかな?」

キョン「はい!すごく可愛いです!グットです!」

鶴屋「アハハ〜もう、照れるな〜」

ハルヒ「いやだ…いや、キョンを取らないで…お願い…お願い」


鶴屋「じゃあ、今日は本当にご馳走さま!また誘ってね」

古泉「ええ、是非そうしたいものです」

キョン「そうだな、またこのメンバーで食事したいものだ」

鶴屋「それじゃあ、また明日ね。バイバイ〜」

ハルヒ「あっ鶴屋さん!ちょっと話したいことがあるんだけど…」

鶴屋「うん?」


206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 19:23:52.17 ID:KqED+aFw0

ハルヒ「あのう…鶴屋さん、お願いです!キョンを取らないで下さい!」

鶴屋「ハルにゃ…ん?」

ハルヒ「私、鶴屋さんがキョンのこと好きなのは知ってます…だから」

ハルヒ「だからお願いします!キョンを諦めてください!」

鶴屋「ちょっと待ってよ、ハルにゃん!それはフェアじゃないよ…」

ハルヒ「だって私はこうするしかないのよ!あなたにキョンを諦めてもらうには
     こうするしかないのよ!」

ハルヒ「お願い…グスン…キョンを取らないで…鶴屋さん!」


鶴屋「(ずるいよ…ハルにゃん、ずるいよ…)」

209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 19:31:31.97 ID:KqED+aFw0

鶴屋「やめてよ…そんなのフェアじゃない。やめて、“涼宮さん”」

ハルヒ「いや!鶴屋さんがキョンを諦めるまで私、譲らないわ!」

ハルヒ「酷い女だって言いたいんでしょ?なんと思われたっていいわ、
     だって私にはキョンが、キョンが大切なんだから!」

鶴屋「………」

ハルヒ「ねぇ?どうしてキョンなの?どうしてキョンなんかを好きなったよ!」

ハルヒ「あいつはバカでグズで鈍感で…あなたみたいなキレイな人とは釣り合わないわよ!」

ハルヒ「ねぇ…なのにどうしてキョンなの?どうしてよ…答えなさいよ!」


鶴屋「理由なんかないよ!」

鶴屋「私は…気づいたらいつの間にかキョン君を好きになってたんだよ…」

214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 19:43:17.80 ID:KqED+aFw0

ハルヒ「私は理由があるわよ!あなたと違ってちゃんと!」

ハルヒ「あいつのどこを好きになったか、全部、全部、言えるんだから!」

鶴屋「……」ググッ

ハルヒ「だから、だから…キョンを諦めてよぉぉぉぉぉ!!!」

ハルヒ「うわぁぁぁぁっぁん!!!」

鶴屋「ハルにゃん…!?」



もはやこの時、鶴屋さんの感情を支配していたのは、涼宮ハルヒに
対する怒りというよりは、同じ女としての悲しさだけであった。
この哀れな女と向き合うことで、鶴屋さんの心は大いに動揺することに
なってしまった。もし自分が彼女と同じ立場なら?あるいはまた、
彼女を振り切ったとしても、彼は自分を好きになるのか?
いったい、自分に、そして彼にとって最善の選択は何か、鶴屋さんは悩んだ。


そして悩んだ末の彼女の選択こそ―


鶴屋「分かったよ…キョン君のこと…あきらめるよ」

217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 19:49:45.23 ID:KqED+aFw0

ハルヒ「ほんと!?鶴屋さん、今の言葉…ほんと?」

鶴屋「うん、ほんとだよ。わたしあきらめてあげるよ。その代わり…」

鶴屋「涼宮さんとはもう絶交するね…SOS団にも関わらないから」

ハルヒ「ありがとう!鶴屋さん!ほんとにありがとう…」ポロポロ

鶴屋「いいからもう行ってよ!悪いけど涼宮さんの顔、二度見たくない!」

ハルヒ「ごめんなさい…ごめんなさい、鶴屋さん」


鶴屋「泣きたいのは…こっちだよ。まったく…」

鶴屋「ハルにゃん…ずるいよ。キョン君…もうさようならだね」

鶴屋「せっかくメルアド交換したのに…もう君に会えないよ」




223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 19:56:52.17 ID:KqED+aFw0


そう、それは完全に誤った選択であった。鶴屋さんの決断は
彼女のその後の人生を狂わせてしまった。初恋の相手である
キョンのことを忘れられず、結局、彼女は女としての幸せを
掴むことなく、寂しい一生を送るのであった。

だから彼女の決断は、同情にほだされた決断は…
彼女を不幸をもたらしただけであったのだ。



鶴屋「キョン君…キョン君…さようなら…」ポロリ




―だが、もし彼女の不幸な未来を変えることができたなら?―



227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 20:02:59.49 ID:KqED+aFw0

鶴屋さんの不幸を、彼女の幸せを願える存在が
この世にいたなら、その時は、あるいはもしかして―


みくる「あ〜!ようやく見つけました!鶴屋さんですね!」

鶴屋「みくる!?帰ったんじゃないのかい?」

みくる「帰った?ああ、この時代の私はもう帰ったんですね…」

鶴屋「この時代…!?」

みくる「それよりも鶴屋さん!もしかして涼宮さんに、キョン君を
     諦めると言ってしまいましたか?」

鶴屋「ハハッ…みくる、聞いてたのか。」

みくる「いいから答えてください!」

鶴屋「うっうん…諦めるって言ったよ…」

みくる「ああっ!やっぱり!」


236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 20:13:09.20 ID:KqED+aFw0

みくる「ごめんなさい、鶴屋さん…私が迂闊なことを言ったばかりに…」

鶴屋「???」

みくる「いいですか、よ〜く聞いてください。」

みくる「鶴屋さん、キョンくんをあきらめたらダメです!」

鶴屋「アハハ…なんだ、そのことかい…」

鶴屋「もういいよ、みくる…結局、私にはキョン君は合わないんだよ」

みくる「どうしてそんなこと言いうんです?」

鶴屋「だって涼宮さんには、いいよって言ったしさ…もう遅いよ」

みくる「ほんとに諦めきれますか?キョン君のこと?」

鶴屋「無理だよ!無理に決まってるじゃない!でも…もうしょうがないんだよ」

鶴屋「もう遅いんだよ…」

248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 20:21:58.06 ID:KqED+aFw0

みくる「鶴屋さん…女って恐ろしいと思いませんか?」

鶴屋「突然、なんだい…?」

みくる「まさか涼宮さんが、あんなアンフェアなことをするなんて」

鶴屋「うん、それはちょっと思ったかも…」

みくる「そうです。女はみんな恐い一面を持ってるんですよ。特に
     男の人が絡むと…」

鶴屋「そうだね…恋が絡むと友情もなにもないんだね…学ばされたよ」

みくる「なら、鶴屋さんもそうするべきです!」

鶴屋「はい〜?」

みくる「涼宮さんからキョンくんを奪い返すんですよ!」


260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 20:33:47.83 ID:KqED+aFw0

鶴屋「ハハッ…いいよ、みくる…」

鶴屋「私はそんなことできないよ…ううん、涼宮さんみたいな
    人にはなりたくないんだ…ごめんね」

みくる「鶴屋さん、鶴屋さんは涼宮さんと絶交したじゃないですか…
    なら何も問題ないはずです!」

鶴屋「みくる…お願い、もうやめて。このままだとみくるも嫌いになりそうだよ」

みくる「でっでも…」

鶴屋「うん、みくるの気持ちは分かるんだ。応援してくれてるんだろ?」

鶴屋「でもね…やっぱり私には無理だよ。ごめんね…」

みくる「そうですか…分かりました。このまま私は帰ります」

みくる「何もできなくてすみませんでした…でもこれだけは言わせてください」


鶴屋「未来はいつでも変えることができます…か」

鶴屋「アハハっ…みくるは面白いことを言うね…アレッ?メールだ?」

鶴屋「キョンくん!?」



262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 20:40:49.31 ID:KqED+aFw0


本文

親睦会お疲れ様でした。ところで先ほど、
ハルヒに呼び止められたみたいですけど
…もしかして遅刻のことで何か言われま
した?すみません、気になったもので…



鶴屋「キョンくん…」

鶴屋「ごめんね…これで最後にするから…」



本文

会いたい

265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 20:45:35.43 ID:KqED+aFw0

キョン「すみません、鶴屋さん…遅れました!」

鶴屋「……」

キョン「鶴屋さん…?もしかしてハルヒに何か言われたんですか?」

鶴屋「……」

キョン「どうしたんですか?鶴屋さん!?」

鶴屋「うわぁぁぁん!ごめんよ!ハルにゃん!キョン君、ごめんよ!」

鶴屋「わたし…もう会わないって決めたのに…酷い女だよ!」

キョン「鶴屋さん…?」

270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 20:53:16.23 ID:KqED+aFw0

キョン「落ち着きましたか…?」

鶴屋「うん、ごめんよ…」

キョン「そうですか…ハルヒがそんな事を…」

鶴屋「(ごめんね、ハルにゃん…)」

キョン「すみません、俺、二人の好意に気づけなくて…」

キョン「結局、俺が優柔不断だから二人に迷惑をかけてしまったんですね…」

鶴屋「ううん、もう、いいんだよ…私はキョン君のことを諦めたんだから」

鶴屋「ハルにゃんと幸せになっておくれよ」

キョン「……鶴屋さん」

272 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 20:56:40.29 ID:KqED+aFw0

鶴屋「じゃあこれでほんとにお別れだね。」

鶴屋「今までどうもありがとう、キョンくん。お幸せにね♪」

キョン「待ってください!鶴屋さん!」

キョン「忘れてしまいましたか?」

キョン「俺、鶴屋さんのお願い、聞くっていいましたよね?」

鶴屋「えっ?」

キョン「いつでも聞くといいましたよね。」

キョン「おれ、今なら鶴屋さんのお願い、どんなことでも聞きます!」

274 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/09(月) 20:59:47.59 ID:KqED+aFw0

キョン「言ってください!あなたが俺に望むこと!」

鶴屋「キョンくん…?」

キョン「鶴屋さんが、心から俺に望むこと!言ってください!」

鶴屋「キョンくん!」

鶴屋「いいのかい!?私なんかでいいのかい!?」

キョン「はい、言ってください。鶴屋さん!」

鶴屋「ありがとう…キョンくん。なら言うね…」

鶴屋「キョン君、お願いがあるんだけど…」





鶴屋「IDの数だけ腹筋してくれないかな?」


おしまい

53 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 00:07:01.08 ID:8./m8UI0

ここで書き手が変わります



キョン「言ってください。あなたが俺に望むこと」
鶴屋「キョンくん…?」
キョン「鶴屋さんが心から俺に望むこと、言ってください。俺に出来ることなら何だって…」
鶴屋「キョンくん……わたし、わたし」

鶴屋さんは声を震わせながら、眼尻に涙を溜めながら、しかしやがてポツポツと告白してくれた。

54 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 00:08:06.38 ID:8./m8UI0

鶴屋「わたし、あなたの事が好きなの」
鶴屋「ずっと、ずっと好きだった。好きだったんだよ」
鶴屋「でも勇気が出なくて。だってキョン君には、はるにゃんが居るから」
鶴屋「だから、諦めようと頑張ったんだよ?」
鶴屋「それなのに。それなのに私やっぱり弱い人間だから」
鶴屋「キョン君の事がやっぱり好きなの。御免よ?御免ね。ゴメンナサイ」

55 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 00:08:37.48 ID:8./m8UI0

鶴屋「だから、だから……一度でいい。嘘だっていい。あなたに、あなたに好きだって言って欲しい」
鶴屋「もう二度と会えなくても、私の事、嫌いになっても良いから。お願い…してもいい?」

俺はそんな彼女を抱きしめて耳元で囁く。

キョン「俺も……鶴屋さんの事、大好きですよ」
キョン「世界中の誰よりも、あなたの事を愛してるって宣言しても良い」

嘘偽りない本心を。自分の気持ちを。

鶴屋「…キョン君。ありg…と…」
鶴屋「あり…ェック。が、ひっ」
鶴屋「うわぁぁぁぁあああああああああんんんん」


鶴屋さんは俺の腕の中で泣いた。今まで抑えてきたものがどっと溢れ出てきたんだと思う。
俺は鶴屋さんが泣きやむまで、彼女をずっと抱きしめていた。

56 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 00:09:47.18 ID:8./m8UI0

鶴屋「わたし…嫌な女だよね?」
キョン「鶴屋さんが嫌な女なら世界中の女性は嫌な人になっちゃいますよ」
鶴屋「だって、ハルニャンと、キョン君とはもう合わないって約束したのに」
キョン「俺と会わないのを約束するなら、約束する相手はハルヒじゃなくて俺ですよ」
鶴屋「……でも」
キョン「それに、その約束だと鶴屋さんは俺に会いに来ちゃダメって意味でも、俺が
    鶴屋さんに会いに行くのはOKですよね?」
鶴屋「それは…」

ハルヒ「それは子供のへ理屈じゃないかしら?」

キョン「ハルヒ!?」 鶴屋「はるにゃん?」

突然のハルヒの登場に俺たちの声は思わず裏返る。そんな俺たちを尻目にハルヒは続ける。

ハルヒ「途中から聞かせてもらってたわ。鶴屋さん、よくも騙してくれたわね」
キョン「おい、ハルヒ!」

ハルヒ「あんたは黙ってなさい!!!!!!」

57 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 00:10:36.86 ID:8./m8UI0

鶴屋「…はるにゃん」

ハルヒ「何よ、その目は。約束したじゃない!!!キョンとはもう会わないって!」

キョン「ハルヒ」

ハルヒ「だから黙っててよ!何で?何でよ?何で私を選んでくれないの?私だって
    こんなにキョンが好きなのに!!!どうして私じゃなくて鶴屋さんなのよ!
    好きなのに。私だってキョンの事が好きなのに!」

鶴屋「…はるにゃん」 キョン「…ハルヒ」

58 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 00:11:13.71 ID:8./m8UI0

ハルヒ「…何?やめてよ。二人ともそんな目で私を見て。ねぇやめてってば、同情なんて
    いらないのよ!同情なんて!憐みなんて!私が欲しいのはキョンだけなのに!」

ハルヒ「やめなさいよ。やめなさいよ。やめて、やめてやめてやめて! その目で!そんな目で!
    私を憐れんだ目で見ないでぇぇぇえええええええ」

ハルヒがもう何を言っているのか俺たちには分からなかった。ただひたすらに、ただ 支離滅裂に
言葉を繰り出し、嗚咽を漏らしていた…。

この時ほど、俺は自分がどうして良いかが分からなくなった事は無かった。

59 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 00:11:41.32 ID:8./m8UI0

と、ここで泣き叫ぶハルヒを茫然自失と見ている俺に鶴屋さんが話しかけてきた。

鶴屋 「…キョン君」
キョン「何ですか?」
鶴屋 「もう一つだけ、私の我儘聞いてくれるかな?」
キョン「えっ?」
鶴屋 「はるにゃんを…助けてあげて」
キョン「……………………」
鶴屋 「キョン君にしか出来ないの」
キョン「でもどうやって?」
鶴屋 「…………………………………………さっきの私にしてくれたみたいに
    ”涼宮さん”を抱きしめてあげて」

キョン「……………………」

鶴屋「お願い」

60 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 00:12:15.98 ID:8./m8UI0

俺には本当にハルヒを救えれるかなんて自信はこれっぽっちも無かったが、 鶴屋さんの
真剣な顔を見て即答した。

キョン「分かりました」

俺の返答に満足したのか、鶴屋さんは「流石キョン君」と、いつもの 笑顔を俺に向けたくれた。
でも何処か陰りのある笑顔だった…。

61 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 00:12:59.34 ID:8./m8UI0

俺はそんな鶴屋さんに軽く微笑み返して、ハルヒの方に向って歩く。
                 :
                 :
ハルヒ「やめて、来ないで!近寄らないでよ。あんたは鶴屋さんが好きなんでしょ?
    だったら、私の事なんて放っておきなさいよぉぉぉおおお!!!!!!」

ハルヒは俺が向かって行くと、駄々をこねる子供の様に手を振り回して、妨害しようとする。

62 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 00:13:26.63 ID:8./m8UI0

しかし俺は、ハルヒの手や爪で叩かれたり引っ掻かれたりしても歩みを止めなかった。鶴屋さんの
お願いでもあるがこいつがこんなに苦しんでいるのは、恐らく鶴屋さんの所為ではなく、俺の所為
であるに違いないからだ。
そして、なるべく優しく微笑んでハルヒに手を差し伸べた。

キョン「…ハルヒ」
ハルヒ「うっく、っう、う、う、ううううう」

63 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 00:14:07.72 ID:8./m8UI0

キョン「ハルヒ」
ハルヒ「何よ、ぅっく」
キョン「お前は勘違いしている」
ハルヒ「勘違い?」
キョン「ああ、そうだ。それも大きな大きな勘違いだ」
ハルヒ「してないわよ!どこが勘違いなのよ?あんたは鶴屋さんが好きなんでしょ?
    私じゃなくて鶴屋さんが…」
キョン「違うんだ。そこが、そのお前の思い込みが、そもそもその前提が間違ってるんだ。
    確かに俺は鶴屋さんが好きだ。でもな、ハルヒ、俺はお前のことだって同じ位好きだぞ?」
ハルヒ「……えっ?」

64 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 00:15:00.25 ID:8./m8UI0

ハルヒの妨害が止むと同時に俺はハルヒを抱きしめる。抵抗しないように。安心できるように。
信じてもらえるように。そして先ほどと同様にハルヒの耳元で囁く。

キョン「俺は古泉も朝比奈さんも長門も鶴屋さんも」
キョン「そして勿論お前も、俺は同じ位大好きだ」
キョン「俺はまだ誰も選んじゃいないよ。まだ誰も選んでなんかいないんだ」
キョン「お前が勝手に、俺が鶴屋さんの事だけを好きだと思い込んでるだけだ」

65 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 00:15:32.74 ID:8./m8UI0

ハルヒ「私が…勝手に?」
キョン「そうだ。お前が勝手にだ」
ハルヒ「でもさっき鶴屋さんに愛してるって…」
キョン「お前の事も愛してるさ。負けない位」
ハルヒ「本当?」
キョン「本当だ。だから、一旦落ち着け。せっかく今日の為におめかししてきたのに
    顔がぐちゃぐちゃだぞ」


ハルヒ「…うん」   鶴屋「……………………」

66 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 00:16:28.13 ID:8./m8UI0

キョン「さて、もうすっかり遅くなったし今日はもう帰ろう」
ハルヒ「なっ、まだ答えをk」
キョン「その答えはまた明日だ。今日はとりあえず帰ろう。心配しなくても
    ちゃんと答えてやる。逃げも隠れもしない」
鶴屋「……………………」
キョン「鶴屋さんも、それで良いですか?」
鶴屋「うん」コクッ
ハルヒ「…分かったわよ。でも明日逃げないでよ?」
キョン「大丈夫だ」

もう、時間が待ってくれそうもないからな

67 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 00:17:05.56 ID:8./m8UI0

朝比奈さんと古泉に連絡して、二人をそれぞれ送ってもらった。
今の精神状態だと俺が二人を送るのはまずいと感じたからだ。

俺が送っちまうと、どうしても先に送った方が疑心暗鬼になってしまう。
折角二人とも落ち着いて今の状態になったのに、ぶり返したくはない。

それに…何よりも俺にはこいつに聞かなければならないことが有るからだ。

キョン「なぁ?長門」

68 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 00:17:43.22 ID:8./m8UI0

長門 「……」

キョン「おかしいとは思ったんだ。いつもなら真先にハルヒの為に動くはずのお前なのに
    今回はちっとも動こうとしなかった。お前たちのボスは現状を静観するはずだろ?
    なのに、ハルヒがここまで苦しんでるのに、お前は動かなかった」
キョン「また世界が破滅する危機が迫っていたにも、関わらず、だ」
長門 「それだけでは説明にn」
キョン「確かにこれだけじゃ説明にはなってないな」
キョン「古泉も朝比奈さんも今回の事件には全くと言って良いほどにフォローが無い」
キョン「朝比奈さんに至っては、彼女こそがそもそもの原因だとも言える位だ」

長門「だったら」

キョン「でもな、長門…」

69 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 00:18:25.53 ID:8./m8UI0

キョン「タイミングが良すぎるんだ」

キョン「いくら朝比奈さんが未来の情報を持っていたって今回の事件は タイミングが良すぎる」
キョン「しかも、ハルヒの状態があのまま続いたら、世界は壊れていたかもしれないんだ」

長門「……………」

キョン「世界が壊れるって事は、つまり未来の改ざんにつながる。そして未来は揺らいでいて
    いつでも変わる可能性がある。いつか、他の誰でもないお前が言った言葉だ」
キョン「だったら、だったらさ…」

一呼吸置いて俺は長門を見つめながら言った。

キョン「壊れた世界から…朝比奈さんはどうやって来れるんだよ!?」

長門「…………………………………ふふふふ」

長門は俺が見たこともないような表情で笑いだした。

73 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/16(月) 00:04:22.08 ID:2DMpS960

>>69の続きです


長門 「興味深い話だけど……その話には大きな矛盾点がある」

キョン「そうかな?」

長門 「そう。仮に、あなたの言うとおり私が黒幕だとする。朝比奈みくると古泉一樹
    は私に操られていた、そう仮定したとする」
長門 「だとしたら、あなたは朝比奈みくると古泉一樹にあの二人を家まで送らせては
    いけない。危険すぎる」
長門 「しかし、あなたはわざわざ送らせた。何故?」

キョン「……」

74 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/16(月) 00:07:45.66 ID:2DMpS960

長門 「しかも、あなたの虚言妄想が正しいとすると、あなたは涼宮ハルヒは当然、
    朝比奈みくる、古泉一樹、朝比奈みくるの友人、そして私の観察を行わな
    ければならない」

長門 「しかしあなたはただの人間。人間一人にそこまでの能力は備わっていない。
    それこそ現時点、この地球上でそんな能力者は涼宮ハルヒ位のもの」

75 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/16(月) 00:08:39.04 ID:2DMpS960

キョン「…………」

長門 「さらに、今現在でそこまで分かっていたならば、もっと前から私の行動に
    気が付いていてもおかしくない。あなたは今回の騒動を未然に防げた筈」

長門 「しかし実際にはここまでの騒ぎになってしまった」

長門 「むしろ、これではまるであなたが黒幕のパートナー、もしくは黒幕その人だと
    言っても過言ではない」

76 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/16(月) 00:10:07.39 ID:2DMpS960



長門 「この矛盾点をあなたは説明できる?」



キョン「………残念だが、説明できるんだよ、長門」

77 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/16(月) 00:18:35.15 ID:2DMpS960

さーて来週の鶴屋さんは?

作者です。ここからしばらくかったるい説明になるので、読み飛ばしてくれて構いません。

後、まだ20レス分位は投下できるのですが何回もスレを落としてしまったので、お詫びと
していろいろ書き直しています。毎日少しずつ投下して行く予定なので、まとまった物
が読みたい人はもうしばらくお待ちになってからこのスレを開いてください。

では本日はこれで

79 名前: ◆gxdvW/8acs[sage] 投稿日:2009/03/16(月) 18:49:44.73 ID:dwhvro60

>>76 続きです

キョン「お前とはハルヒ関連で結構一緒っだったからな。お前の能力については多少理解
    してるつもりだ」
長門 「……」

キョン「順番に答えてやる。まず何故ハルヒと鶴屋さんに朝比奈さんと古泉を付けたか?」

キョン「それは朝比奈さんと古泉に頼んだ方が安全だからだ」

80 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/16(月) 18:51:26.01 ID:dwhvro60

キョン「理由その@ お前の情報操作ってのは遠距離に向いていない」

キョン「もっと突き詰めて言えば、お前の見える範囲でしか情報操作は行えないって所か」
長門 「…………」
キョン「証明はいたってシンプル。もしお前が遠距離で情報操作出来るんだったら、今まで
    のハルヒ絡みの事件で、わざわざ現場に赴く必要なんてなかった。遠隔で事件を
    解決出来るからな」

81 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/16(月) 18:53:09.82 ID:dwhvro60

キョン「理由そのA まぁ、理由@と若干かぶるが、この状況下ではお前は二人いっぺん
    に操作しないといけないって事だ」

キョン「何故なら、どちらか片方だけ操って行動を起こそうとすると、もう片方に気づか
    れて邪魔される可能性が出てきてしまうからな」

キョン「もし俺が二人を送り届けていたら、一人ずつ送る形になっただろうから、お前が
    操る隙は幾らでも有る。が、今の状況ではそれも不可能」

82 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/16(月) 18:53:43.89 ID:dwhvro60


キョン「そして理由そのB 何より今、俺に足止めされてそれ所じゃないだろうしな」

長門 「…………」


83 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/16(月) 18:54:18.07 ID:dwhvro60

キョン「次の質問にも答えてやる。『俺がハルヒは当然、朝比奈さん、古泉、鶴屋さん、
    そして長門の観察を行わなければならない』

   『さらに、何故そこまで分かっていて今まで動かなかったのか』だったか」

長門 「……………………」

84 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/16(月) 18:54:43.07 ID:dwhvro60

キョン「こっちは逆に二つ目の質問から答えた方が良いな」
キョン「何故そこまで分かっていて今まで動かなかったのか?」

キョン「そんなの決まってるじゃないか。つい先程、全てを知ったからだ」

長門 「……?どういう意味?」

85 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/16(月) 18:55:37.12 ID:dwhvro60

キョン「そのままの意味さ」

長門 「……………………もしかして、からかってる?」

キョン「いいや、からかってなんてないさ。真実、俺はさっきまで何も
    知らなかったんだからな」

86 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/16(月) 18:56:22.91 ID:dwhvro60

長門 「?言ってる意味が分からない」

キョン「そうか?お前は自分で答えを言っていたじゃないか。『人間一人に
    そこまでの能力は備わっていない。それこそそんな能力は涼宮ハルヒ
    位のもの』ってな」

長門 「だから何を……!!!!! まさか…」

キョン「ああ、多分お前が今考えてる通りだ」

長門 「……協力者」

キョン「御名答」
キョン「お前の言うとおり、俺一人じゃ複数の人間を同時に観測するなんて不可能だ」
キョン「俺一人だったらな」

87 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/16(月) 18:57:36.14 ID:dwhvro60

長門 「……でも、すぐにあなたに協力出来る人物なんてあの二人だけ。他
    に協力が求められる相手なんて……」

キョン「ま、否定はしないさ。だからこんなに時間食っちまったしな」

長門 「あの二人だけじゃない。超能力者の集団も未来人の集団も、現状に手いっぱい。
    あなたは一人でしか動けない筈…」

キョン「それも正解だ、長門」

長門 「だったら…協力者なんて存在は」

88 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/16(月) 18:58:15.37 ID:dwhvro60

キョン「そこが間違えてんだよ長門」

長門 「?」

キョン「お前は超能力者や未来人なんて特殊な奴にこだわり過ぎている」
キョン「確かに超能力者や未来人の集団はお前たち宇宙人が重要視する存在だ。
    彼らが何らかの妨害工作を受けていても不思議じゃ無い。事実、
    超能力者のグループも未来人達も今回これほどの事件が起こっている
    のに未だに姿すら見かけない」

長門 「……………………」

キョン「だが、一般人ならどうだ?」

長門 「!!!」

89 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/16(月) 19:00:22.53 ID:dwhvro60

キョン「お前は古泉や朝比奈さんを危険視し、いろいろ手を回したんだろう」
キョン「でも、そっちにばっかり目が行って、そこら辺に居る普通の人間に
    は無関心だった」

キョン「結果、肝心のお前自身を隠し切れてなかったって訳さ」

長門 「…そんな」

キョン「さっき、トイレで谷口と国木田に会ったんだ」

キョン「どうやら谷口がまた女に振られたらしく、国木田が谷口の為に、慰め
    パーティーをこのレストランで開いていたみたいでな」

90 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/16(月) 19:07:14.38 ID:dwhvro60

さーて次回の鶴屋さんは?

作者です。まだまだかったるい説明になるので、相変わらず読み飛ばしてくれて
構いません。

あと、一応今回トリップ入れました。次回から、出だしのレスにはトリ入れようと思います
のでそれで判断してくれたら幸いです

92 名前:すまん。続ける[] 投稿日:2009/03/16(月) 21:06:58.21 ID:dwhvro60

キョン「俺はちっとも気がつかなかったが、向こうは気付いていたらしい」
キョン「まぁ、俺がSOS団のメンバーと居たから気を使って黙っていたっぽい
    んだが、ここで一つ看過できない場面に遭遇した」

キョン「谷口がトイレに行こうとしたら、ハルヒと朝比奈さんを目撃したんだ」
キョン「あいつは朝比奈みたいな美人に目が無いからな。こっそり聞き耳を
    立てたらしい」

長門 「……」

93 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/16(月) 21:07:50.36 ID:dwhvro60

キョン「ここまで説明すればもう良いだろう」

キョン「朝比奈さんの不自然な行動。古泉のスルー具合」

キョン「しかもその時、何時もお前が二人のそばに居て何やら呪文を呟いて
    いたのが確認されている」

長門 「……」

94 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/16(月) 21:08:16.29 ID:dwhvro60

長門 「だから私が黒幕だと……そう思う?」

キョン「ああ、そうだ。出来ればこの推理が間違っていて欲しい。だが今回ばかりは
    正解であると感じてるよ」

キョン「それとも、まだお前の後ろに糸を引いてる奴が居るってのか?」

?? 「うん。その通り」

キョン「!!!!!!」

唐突に聞こえた長門以外の声に俺はのけ反った。長門は相変わらず不気味な笑顔のまま
こちらを見ている。口元は動いてはいない。

95 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/16(月) 21:08:54.77 ID:dwhvro60

??「中々鋭いよね。普段はボケッーとしてるのに」

キョン「誰だ?何処に居る?」

??「分からないかしら?ここまで正解を導けたあなたなら、もう分かると思うけど」

誰だ誰だ誰だだれだだれだだれだだれだだれだダレダダレダダレダダレダダレダ?

俺は足りない頭を精一杯使って考える。長門じゃない?じゃあ誰なんだよ?朝比奈さんか?
いや、違う。さっき俺が証明して見せた通りじゃないか。それにこいつも今言ったじゃないか。
正解だって!!!

じゃあ古泉や機関の人間か?馬鹿!!!古泉はハルヒを送り届けている最中だ。
しかもあいつ等は閉鎖空間の外ではただの人間!!!こんな風に長門を操れるのか?

96 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/16(月) 21:09:19.72 ID:dwhvro60

長門じゃないなら一体?おいおいおいおいおいおい。誰なんだ?だれだ?ダレダ?


キョン「お前はいったい誰なんだよぉぉおおおおおおおおおお?」

恐怖に押し潰されそうになるのを必死に堪えながら、俺は力いっぱい叫んだ

97 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/16(月) 21:09:51.60 ID:dwhvro60

?? 「しょうがないなぁ」

?? 「まぁ、いっか。本当ならこのまま気付かれずに様子を見たかったんだけど。
    長門さんまで 辿り着けたご褒美として教えてあげるわ。どうせあなたにここ
    まで知られちゃってたら この先、思い通りにならないし……それに、どっち
    にしろそろそろ退屈で飽きてきちゃったし」

「そいつ」は、「その声の主」は、そう言うと長門の体の中からぬぅっと、這いずる
ように出てきた。

98 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/16(月) 21:10:15.26 ID:dwhvro60

朝倉「久しぶりね、キョン君」


キョン「あ、ああさくら?」

見間違えるはずもない。長門の体から出てきたのは、かつて俺を殺そうとした長門の
バックアップ。 朝倉涼子だった。

99 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/16(月) 21:44:01.62 ID:dwhvro60

キョン「お前は長門に消されたはずじゃ…?」
朝倉 「そうよ」
キョン「だったら何で…」

朝倉 「………ふふっ」

キョン「何時から長門の中に…?」
朝倉は先ほどの長門同様、不気味な笑みで俺を見る。

朝倉 「何処だ?誰だ?何故だ?何時だ?随分質問が多いのね。キョン君」

そして長門の腹から半分出た状態のまま朝倉は冷たく俺に言い放つ。

朝倉 「少しは自分で考えたら?さっきみたいに」

100 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/16(月) 21:44:33.29 ID:dwhvro60

考える?何を?何を考えたらいいんだ、俺は!

分からない。分からない、分からない分からない分からない分からない。

教えてくれよ?何を?
全てだ!俺の目の前で何が起きてる?何故朝倉が居るんだ?長門の中に!

キョン「何なんだよ。何なんだよお前?分かんねぇよ!」

朝倉 「あら分からないの?」

朝倉 「…ああ、そっか。さっきのは自分で考えたんじゃなくて教えて貰った
    だけもんね。ゴメン、ゴメン」

101 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/16(月) 21:51:08.48 ID:dwhvro60

朝倉 「まぁ良いわ。教えてあげる」
朝倉 「確かに私はあの時、長門さんに情報連結を解除された」
朝倉 「でもね?私は長門さんのバックアップよ?」
朝倉 「つまり長門さんと私は情報交換のやり取りをする…という事」

キョン「……」

朝倉 「以前情報交換した時にね、私の分身となるコードを侵入させといたの」
朝倉 「あなた達の言葉で一番分かりやすいのは、コンピュータウイルスかな?」

キョン「………………」

朝倉 「ま、私が長門さんに侵入させたのはそんなちゃちな物じゃなくて長門
    さん自身が私に成っちゃうような代物だけどね」

キョン「……それで長門が」

朝倉 「うん♪私の支配下になったってわけ。お分かり頂けたかしら」

102 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/16(月) 22:19:43.45 ID:dwhvro60

ナルホド、理解できた。

何故長門はちっとも今回の一件に手を出そうとしなかったのか?
当たり前だ。長門は朝倉に乗っ取られていたんだから。

朝倉は以前もハルヒに積極的にアプローチを仕掛けようとしていた。
俺を殺してハルヒの出方を見ると言ってたくらいの奴だ。ハルヒを
傷つけて情報爆発の観測をしようとしたって不思議じゃない。

今回の黒幕がこいつなら全ての筋が通る。

だが…

キョン「この状況は不味いよな」

103 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/16(月) 22:20:20.96 ID:dwhvro60

以前、朝倉と対峙した時は長門が居てくれたから助かったようなものだ。
しかし、今長門は朝倉に取り込まれている。機関の連中の多くは未だに
閉鎖空間で戦闘中。

未来からの助けも来ないだろう。谷口や国木田は巻き込めないし……
そもそも巻き込んだところで状況は変わらん!!!

104 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/16(月) 22:21:38.86 ID:dwhvro60

どう考えたって、状況が不利だ。
いささか冷静さを取り戻しつつあるが、それでも頭も未だに半分パニック。


現在の俺に出来るのはやっぱり……逃げる事だけ!!!

105 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/16(月) 22:22:42.97 ID:dwhvro60





なんて俺の策はお見通しらしい。前回と同じく、あっさり別空間に隔離
されてしまった。

朝倉 「もう、逃げちゃ駄目じゃない。メッ」

いつの間に移動したのか、少女の腹から半身を乗り出した化物がすぐ背後
に迫っていた。

106 名前: ◆gxdvW/8acs[] 投稿日:2009/03/17(火) 19:04:39.77 ID:0LrkJMQ0

朝倉を目で確認するや否や、反射的に俺はその場から一目散に逃げ出していた。
ここが別空間で逃げ場が無いなんて分かりきっちゃいるが、ただ、純粋に一生物
として、狩られる心境だったからだ。恐怖で足が竦むとは良く聞くが、俺の場合
本能が体を動かしていた。


逃げなきゃ殺られる逃げなくちゃ殺られる逃げなければ殺される


本能は実に的確な判断を下し、それを実行する。とにかく遠くへ。出来るだけ遠くへ。
可能な限りの速度で、俺を逃がそうとした。

107 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/17(火) 19:06:11.39 ID:0LrkJMQ0

だが、

朝倉 「ねぇ、キョン君?逃げるのって良くないと思うんだ」
             ジャリ
朝倉 「折角ここまで来たっていうのに」
             ジャリ
一歩ずつ
朝倉 「折角私まで辿り着いたっていうのに」
             ジャリ
一歩ずつ
朝倉 「逃げ出すなんて……」
             ジャリ

やはりここは朝倉の作った別空間。

まるで走った距離なんて無視するかのように、まるで俺がちっともその場から
動いていないように、まるで俺自身があいつに近づいているんじゃないかと思
えるくらい、朝倉と俺との距離は広がらない。

108 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/17(火) 19:07:07.51 ID:0LrkJMQ0

そして

朝倉 「だから、お仕置きしてあげる」
キョン「何言って…ぐっ?」

心臓が張り裂けそうな位に懸命に逃げている俺とは対照的に、朝倉は淡々とした
口調で言い、そう言い終わると同時に俺の体の動きが固定される。

109 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/17(火) 19:08:14.42 ID:0LrkJMQ0

朝倉 「あなたの周りにある空間の時間を止めさせて頂いたわ」
朝倉 「これで身動き一つ取れないでしょう?」
朝倉 「あっ、サービスとして顔の周りは固定してないから呼吸は出来るからね。
    私って優しい♪」

キョン「……」

朝倉 「君とはいろいろあったよねぇ。感慨深いわ」
朝倉 「でも、私も仕事だから」

110 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/17(火) 19:09:02.30 ID:0LrkJMQ0

そう言いながら、近づいてくる朝倉。そして笑顔で

朝倉「キョン君。今度こそ、死んでね?」

笑顔のままで未だに長門の体から半分出ているだけの状態の朝倉がナイフを振り上げる。

そして無情にもナイフは………振り下ろ…

キョン「うわあああああああぁぁぁあぁあぁぁぁぁああああああああ
    ああぁあぁぁああああぁぁぁああああああぁぁぁぁぁぁぁあ
    ぁああああああぁあああああああああああああああああああ
    ぉぉぉああぁおあぁおあおあぁおぁおぁおあぉあぁおあぁぁ
    あああああああああああああああああああああああああああ
    あああああああああああああああああああああああああああ
    あああああああああああああああああああああああああああ
    あああああああああああああああああああああああああああ
    あああああああああああああああああああああああああああ
    あああああああああああああああああああああああああああ
    あああああああああああああああああああああああああああ
    あああああああああああああああああああああああああああ
    あああああああああああああああああああああああああああ
    あああああああああああああああああああああああああああ
    あああああああああああああああああああああああああああ
    あああああああああああああああああああああああああああ
    あああああああああああああああああああああああああああ
    あああああああああああああああああああああああああああ
    あああああああああああああああああああああああああああああああ」


死ぬ?死ぬのか?俺は、おれはオレハおれは俺は……俺は、ここ、で…死……ん

111 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/17(火) 19:10:05.34 ID:0LrkJMQ0


















112 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/17(火) 19:12:08.63 ID:0LrkJMQ0









俺はここで死んだ、筈だった。
だが、実際にはそうは成らずに生きており、いつの間にか俺と朝倉との距離
がずいぶん離れていた。

キョン「!?」  朝倉「ちょっと、どうして動けるの?」

どうやら事象が飲み込めていないのは俺だけじゃなく朝倉も同じの様だ。そして
そんな俺達をよそに、意外な奴が口を開く。

長門 「私が、情報を書き換えた」

キョン・朝倉「!!!!!!」

113 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/17(火) 19:13:09.37 ID:0LrkJMQ0

長門 「朝倉涼子。私のバックアップでありながら、私の許可なく涼宮ハルヒに
    接近し、本来の役目である領分を遥かに越えて行動した。これよりあなた
    を処分する」

朝倉 「そんな!あなたは完全に私が乗っ取ったはず」

長門 「侵入してきた一つ一つのプログラムが甘い。あの程度で私は殺せない」

朝倉 「嘘でしょ?」
長門 「嘘ではない。それが理由。それが原因。それが敗因。そしてこれが結果。
    これが結末。これがあなたの終着駅」

朝倉 「……」
長門 「あなたは甘い。だから私に逆に侵入を許した。だからこうも容易く乗っ取り
    返される。だから私に……負ける」

114 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/17(火) 19:14:19.63 ID:0LrkJMQ0

あまりにも突然の展開に朝倉は半狂乱気味に尋ねる。

朝倉 「そんなそんなそんなそんな…私は完璧にあなたを消した筈。手抜かりなんて
    無かった。手落ちなんて無かった。何で?どうして?」

しかし長門は相手にしようとはせず

長門 「少しは自分で考えたら?」

と、さっき朝倉が言った台詞を繰り返す。ちっとも答える気が無いみたいに。いや、
実際答える気なんて無いのだろう。何故かと聞かれたら困るが、そんな気がする。

115 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/17(火) 19:15:51.38 ID:0LrkJMQ0

けれどその答えで満足したのか朝倉は呟きながら微笑む。

朝倉 「まっ、いっか。どっち道、私の負けは確定したみたいだし」
長門 「……」
朝倉 「そっか。また私の負け…か」
長門 「……」
朝倉 「あと一歩だったのに…やられたわ。流石長門さんね」
長門 「褒めても何も出ない。あなたは消える」
朝倉 「そう、そうね。悔しいな。あたしは何時もあなた…に、……かn」

朝倉は最後まで言い切ることなく塵になって消えた。後には俺と普段通りの長門
だけが残された。

116 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/17(火) 19:16:42.78 ID:0LrkJMQ0

……
…………
………………

あまりの急展開。あまりの呆気ない決着劇に俺はしばらく呆けていた。そんな俺に
自己修復が完了した長門が声を掛ける。

長門 「今回の事件は私の不注意が招いた。謝る」

キョン「いや、俺も長門を信じてた筈なのに、疑っちまって悪かった」

長門 「問題ない。むしろ、あなたが時間を稼いで朝倉涼子の意識を体の外に集中
    させてくれたおかげで、体の主導権を奪い返せた。礼を言う」
キョン「そっか」
長門 「そう」

そして俺も長門に尋ねる。今一番聞きたい事を。

キョン「なぁ、長門」
長門 「何?」
キョン「これで……全部終わったのか?」
長門 「……………………まだ」

117 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/17(火) 19:17:26.38 ID:0LrkJMQ0

キョン「やっぱりか」
長門 「……」コクッ
長門 「まだ、後始末が残っている」
キョン「鶴屋さんとハルヒに明日答えるって言っちまったからな」
長門 「……」コクッ
キョン「どうしたらいい?」
長門 「?」
キョン「俺はあの二人になんて答えれば良いかな?」
長門 「……あなたの好きにすれば良い」
キョン「そっか」
長門 「そう」

118 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/17(火) 19:18:16.13 ID:0LrkJMQ0

まぁ、今更ながら今更だ。もう答えは決まっているんだ。

キョン「多少ややこしい事に成るかもしれんが、協力してくれるか?」
長門 「あなたが望むなら、私に出来る範囲なら、協力する」

キョン「ありがとう。長門」
長門 「……」コクッ


そう言って長門と俺は別れる。また明日ってな感じで。

こうして、俺の長い一日は幕を閉じた。明日に大きな後始末を残して。

119 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/17(火) 19:29:34.93 ID:0LrkJMQ0

さーて次回の鶴屋さんは?

作者です。相変わらず誰も見てなさそうなスレですが、次回で漸く終わりそうです。
実は今かなり忙しい状態で、手直しすると言ったもののほとんど即興で書いていた頃の
レスを乗せている状態です。すんません

それにしても当初はエンディングだけを書くつもりだったのに、いつの間にか結構な量
になっていて驚いています(深夜に即興で終わらせるのには今考えると無謀でした)

作者の文才のなさがより一層窺えて辛いですが、このまま突っ走ります。
(なんせ来週からネットが使えない状態になりますから)

120 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/17(火) 19:38:25.17 ID:0LrkJMQ0

しかし自分の文章を見ていると本当に良くこんなので「SSを書こう!」
等と考えたものです。この作品を書き終えたらまた唯の読者に戻ろうと思います

では本日はこれで

122 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/20(金) 22:30:57.91 ID:trsbH3I0

翌日


俺は鶴屋さんとハルヒに昨夜の答えを伝えるため、二人を放課後、教室に呼び出
していた。

二人は俺の正面でじっとこちらを見て、微動だにしない。
有るのは静寂。ピンとした空気で張り詰められた静寂だけ。教室は赤い夕陽に彩
られ、如何にもな雰囲気を更に醸し出している。

123 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/20(金) 22:31:25.71 ID:trsbH3I0

まさか自分がこんな漫画でしか見た事のないシーンに居るなんて、少しむず痒い
気持ちになるが、こうなっちまったのも俺に原因が有ったんだろうし、そもそも
の原因は俺にしか無かったんだろう。仕方ないよな。

そんな感慨に耽りながら、俺が意を決し二人に声を掛けようとした所、ハルヒが
静寂を先に破った。

ハルヒ「……ちゃんと答えてくれるんでしょうね?」 鶴屋「……」

上ずった声が教室に響く。緊張しているみたいだ。無理もない。そんなハルヒに
俺も迷うことなく即答する。

キョン「ああ」

124 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/20(金) 22:31:53.82 ID:trsbH3I0

ハルヒ「…そう。で、結局私と鶴屋さんのどっちを選ぶの?」鶴屋「…………」

さっきから俯いたままの鶴屋さんの方を見ながら俺は答える。

キョン「鶴屋さん」

ハルヒ「!!!!!」 鶴屋「!!!!!」

二人ともビクッとしながら、目に涙を浮かべている。しかし俺は構わず続ける。
きっとこれが俺の仕事だから。俺がやらなくてはいけない仕事だから。だから、
続ける。

125 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/20(金) 22:32:35.27 ID:trsbH3I0

キョン「鶴屋さん。俺、あなたの事が好きでした」
ハルヒ「………」
鶴屋 「………」
キョン「いえ、今でも好きです」
キョン「あなたに初めて会った時から、憧れていました。理想の先輩だって」
キョン「だから、鶴屋さんに告白された時、嬉しかったです」
キョン「とうとう、憧れの先輩と付き合えると思うと…」
ハルヒ「………………」
鶴屋 「………………」

126 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/20(金) 22:33:20.27 ID:trsbH3I0

キョン「でも、その後にハルヒが俺の事好きだって言ってくれた時、
    気付いたんです」
キョン「俺、ハルヒの事が好きなんだって」
キョン「本当にハルヒの事が好きだったんだって。心の底から、
    こいつを守りたい、守ってやりたいって」
ハルヒ「…………キョン」
鶴屋 「………………………………」
キョン「そして、同時に分かっちゃったんです。鶴屋さんの事を好き
    だって気持ちは、後輩が先輩に憧れの眼差しを向けるのと同じ
    で、俺が鶴屋さんを尊敬していただけなんだって」
鶴屋 「………………………………」
キョン「だから、……すみません。俺は、鶴屋さんの気持ちに応える事は
    出来ません」

127 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/20(金) 22:33:58.33 ID:trsbH3I0

俺が言い終わり、その後しばらくまた静寂に包まれていたが、やがて
鶴屋さんが話し始めた。

鶴屋 「…そっか、うん。そうだね」

いや、話し始めたと言いよりは、独白に、自分に言い聞かせていると
表現した方が近いのかもしれない。

鶴屋 「そうだよ。…そうなんだよ。分かってた。分かりきってた」
鶴屋 「キョン君ははるにゃんが好きだって。はるにゃんもキョン君
    が好きで、私が二人の間に入る事は無理だって」
鶴屋 「だから……だから、この結末は私にぴったり」

128 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/20(金) 22:34:54.93 ID:trsbH3I0

鶴屋さんのあまりにも切なそうな顔を見て、思わず声を掛けそうになる…が、
それも鶴屋さんに阻まれる。

鶴屋 「キョン君、ゴメンよ?失望させちゃって。最後まで理想の先輩でいた
    かったけど、どうやら私には無理だったみたい」
キョン「……鶴屋さん」

鶴屋 「ゴメンよ、はるにゃん?」
ハルヒ「……」

俺とハルヒにそう言う鶴屋さんの顔は、とても悲しそうで、辛そうで、切なそ
うだった。そして、鶴屋さんはもう一度俺の方に向き直って「ゴメンネ」と言
い残して、教室を後にする。

夕焼けに染まる教室に、俺とハルヒだけが残された。

129 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/20(金) 22:36:27.96 ID:trsbH3I0

……
…………
………………

その後、俺とハルヒは二人揃って帰宅した。勿論、俺がハルヒをあいつの家
まで送るって形で。

帰り道の途中、何回か「私って最低よね」とか「鶴屋さんに酷い事しちゃったな」
とか「本当に私で良かったの?」と尋ねてくるので、その度に俺は握った手を強く
握りしめて「俺はお前のそんな所も含めて好きなんだ」と耳元で、他の誰にも聞か
れないように、ハルヒだけに聞こえるように囁いた。

それでまぁ、あいつの家の前で

ハルヒ「じゃ、じゃあ私の家ここだから」
キョン「ああ」
ハルヒ「また明日、学校で」
キョン「そうだな。また明日な」

なんて初々しいカップルの様な会話をし、俺とハルヒは別れた。

131 名前: ◆gxdvW/8acs[] 投稿日:2009/03/21(土) 11:36:45.35 ID:rIp0jhQ0

で、現在に至るって訳だが……

あぁ、現在の時刻はPM10:27 俺がハルヒを家に送り届けてから3時間程
経っている。

俺は今、以前長門と待合わせに使った公園に来ている。で、何で公園に
来ているのかと言うと、

長門 「待たせた」
古泉 「どうも」
みくる「お待たせしました〜」

おっと、どうやら解説する前に来たみたいだな。

132 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/21(土) 11:37:35.53 ID:rIp0jhQ0

キョン「うんにゃ、俺も今来たところだ」

普段と同じ挨拶に、ほっとしたと言うか、何と言うか思わず笑みが零れる。
良かった。皆いつも通りだ。操られている気配はまるで無い。

キョン「こんな時間に呼び出してすまなかったな。さてと、まず何から説明
    したら良いかな?えーっと」
古泉 「大丈夫ですよ」

キョン「?」

古泉 「既に長門さんから説明は受けています」
みくる「私も説明して貰いましたから大丈夫ですよ。キョン君」
キョン「そうか、ありがとな長門」
長門 「……礼を言われるほどじゃ無い」

キョン「…そうかい」

133 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/21(土) 11:38:04.97 ID:rIp0jhQ0

キョン「説明が済んでいるなら話は早い」
キョン「早速で悪いんだが、協力して貰いたい事がある。良いか?」

古泉 「構いませんよ。僕はその為に来たんですから」
みくる「良いですよ」
長門 「問題ない」

キョン「よし、じゃあ、っとその前に」
キョン「朝比奈さん」
みくる「何ですか?」
キョン「未来は本当にもう大丈夫なんですか?」
みくる「はい、お陰さまで。それに未来が壊れてたら私はここには居ませんよ?」
キョン「ははっ。そりゃそうだ……じゃあ、遠慮なく頼みごとが出来そうですね」

みくる「………」

134 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/21(土) 11:38:37.84 ID:rIp0jhQ0

キョン「さてと、ではぐだぐだ話してもしょうがないので率直に言います。
    朝比奈さん。……未来の技術で、俺たちを過去に連れて行って下さい」

みくる「……」

キョン「お願いします」

みくる「……本来なら、本来なら未来の技術を現代、つまりこの時代で使う事
    は禁止されています」

キョン「はい」

みくる「長門さんから説明を受けて、上司に連絡をとりました。私は当初、いくら
    今回の事件が仕組まれていた物だとしても許可が下りるなんて思いません
    でした。……なぜなら、今回の事件、この事件はその本来の時代に無かっ
    た筈の事件で、しかも、宇宙人、未来人、超能力者達が涼宮さんに直接的
    に関わってしまった…」
みくる「キョン君」
キョン「はい」

みくる「それでも、未来の技術は使ってはいけないからなんです」

135 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/21(土) 11:39:02.63 ID:rIp0jhQ0

みくる「もっと端的に言うと、ほとんど時間が経っていない過去に戻るのはご法度
    という訳です」
みくる「理由はお分かりだと思いますが、原因はタイムパラドックスに帰結します」

キョン「……」

みくる「多くの方がキョン君をあの日、鶴屋さんが『お願いがあるから来て欲しい』
    とキョン君に頼んだあの時間に、今のこの時間軸上に居るキョン君を連れて
    行けば万事解決するのではないか?と思うかもしれませんが、そこには大き
    な問題が有ります」

136 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/21(土) 11:39:44.64 ID:rIp0jhQ0

みくる「現代のキョン君と過去のキョン君をすり替えて、あの日の鶴屋さんと涼宮さん
    の邂逅をうまくやり過ごしたとしても結局、過去のキョン君は今回の事件を何
    も把握できていません。当然です。事件は起こらなかった事になるんですから」

みくる「仮に、私達が過去のキョン君にどんなに説明したとしても伝えきれるとは思え
    ませんし、しかも今回のケースだと、その時間帯に戻ると長門さんは朝倉さん
    に乗っ取られた状態のままですので、また事件が起こる可能性が拭い切れませ
    ん。そうなると結局同じ結果になります」

137 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/21(土) 11:40:08.50 ID:rIp0jhQ0

みくる「また、涼宮さんをあの場所から遠ざけても、やはり日を改めて同じ場面がいつか
    再現される可能性があります」

みくる「そして何より、過去に戻りやり直しをすると、今の私達の存在が消えると言う事
    です」

古泉 「!!!!!」

138 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/21(土) 11:40:39.03 ID:rIp0jhQ0

古泉 「…どういう事です?」

みくる「キョン君には以前少しだけお話ししましたが、時間というのは川の流れの様な物
    です。つまるところ、未来というのはその川が何処を流れているか、とか、どの
    様に流れているのか、位の大雑把な位置付け、意味合いしか持ちません」

みくる「長門さんも仰った事の有るように、未来はいつも揺れています。今出されている
    選択肢にYesと答えるかNoと答えるかで未来は全く違う方向に変わっていくのです」

139 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/21(土) 11:41:09.01 ID:rIp0jhQ0

みくる「そもそも私達未来人は、私達の未来がより明るく、良い方向に発展する事を願い、
    時間を飛び、多くの出来事を改編しようとしていました」

みくる「その途中、涼宮さんという存在に出会い、彼女を観測、観察し今に至ります」
みくる「そしてその観測、観察の仕事を任されたのが私、朝比奈みくるです。私の事情を詳
    しく話すのは禁則事項になるのでお話しできませんが、少なくとも私は先ほどの話
    に出てきたタイムパラドックスの条件をクリアしているというわけです」

140 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/21(土) 11:41:36.09 ID:rIp0jhQ0

みくる「ですが、今回の事件を解決するために過去に飛ぶという事は、大きなタイムパラド
    ックスが生じ、大変危険です。仮に、もし仮に全てが上手くいったとしても、この
    改変は非常に大きな改変となります。つまり、今の私達の未来が全く別の未来に上
    書きされてしまうって事です」

古泉 「成程…文字通り」
みくる「消えるわけです……」

141 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/21(土) 11:41:57.72 ID:rIp0jhQ0

みくる「まぁ、消えると言っても、それは本来の在るべき姿に戻るだけですから、
    どちらかと言うと”消える”よりも”統合される”と表現した方が近い
    ですね」
みくる「けれど、統合された未来が本当に良い未来なのか、私達にそれを知る術
    はありません。何せ全く違う結末が用意されるんですから、予測の仕様
    が無いからです」

キョン・古泉「……」

みくる「ですから、未来の技術の使用許可は取れる筈がないと思っていました…
    しかし」

142 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/21(土) 11:42:22.34 ID:rIp0jhQ0

キョン「取れたんですね?許可が」

みくる「……はい、私にも何故かは分からないんですが、私の上司が全ての責任を
    取ると言って、許可してくれました」

俺には何となく分かった。朝比奈さんの上司が何故過去に戻るのを、過去をやり直す
許可をくれた理由を。

きっと。救いたいんだ、鶴屋さんを。例え大きなリスクが有ったとしても。例え今より
未来が悪くなったとしても、救いたいんだ。友達だから。親友だから。だって、朝比奈
さんの上司は、未来の朝比奈さんなんだから。

143 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/21(土) 11:42:49.92 ID:rIp0jhQ0

みくる「覚悟は…おありですか?未来を捻じ曲げてしまうかもしれない、どんな未来に
    なってしまうか予想もできない、そんなタイムトラベルに」
キョン「朝比奈さん」
みくる「はい」
キョン「実は俺、その話昨日の時点で、長門に聞いていました」
みくる「……そうでしたか」
キョン「悩みましたよ。そんな事して良いのか?って」
キョン「でも、決めたんです。鶴屋さんにもう悲しい顔させないって」

キョン「覚悟は…あります!だから、連れて行って下さい、過去に」

144 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/21(土) 11:43:17.83 ID:rIp0jhQ0

みくる「分かりました。そこまで仰るのなら」
みくる「ですが、覚えておいてください。過去の出来事を変えると言う事は
    私達の存続できる時間もまた限られた物になってしまいます」
みくる「過去に干渉できる時間は持って数分。それ以上は無理です」

キョン「胸に刻んでおきます」

みくる「…良いでしょう。それでは、過去に行って私達が実行すべき課題ですが」
長門 「それは私から説明する」
みくる「お願いします」
長門 「……」コクッ

145 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/21(土) 11:43:44.92 ID:rIp0jhQ0

長門 「私達は過去の自分達と遭遇しないように、それぞれ少しずつ戻る時間を
    ずらして過去に飛ぶ」

長門 「まず古泉一樹と朝比奈みくるには、それぞれ過去の”彼”と”涼宮ハルヒ”
    があの教室で出会うのを防いでもらう。方法は各自に任せるが、その時、
    その時間軸上に居る自分たちに出会っては駄目」

みくる・古泉「はい」

長門 「私は、当時朝倉涼子に乗っ取られていた自分自身を現場に近づけさせず、
    邪魔をさせない。また、現在の私の情報データを情報統合思念体の本部
    にリークさせ、朝倉涼子の危険性を知らせる。…しかし、その後思念体
    がどういう判断を下すかは私にも分からない。これは…賭け。仕方ない」

長門 「……そして、あなた」
キョン「ああ」

146 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/21(土) 11:44:15.20 ID:rIp0jhQ0

長門 「何も言わなくても…分かってるとは思う」
キョン「勿論だ」
キョン「全部にケリを着けてくる。皆が笑顔でいられる未来にする為に」
みくる「キョン君」
長門 「そう」
古泉 「……」

みくる「それでは…ここでいつまでも議論していても始まりませんし、
    そろそろ過去に飛びましょうか?皆が笑顔でいられる未来に
    する為に」
キョン「ええ!」

みくる「では…」


シュン

……
…………
………………
……………………
………………
…………
……

148 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/21(土) 14:40:03.44 ID:rIp0jhQ0

夕暮れに染まる教室。私はSOS団の部室でキョン君を待っていた。
キョン君に告白するために…。キョン君にはハルニャンが居るの
は分かってる。でも、どうしても自分の気持ちを彼に伝えたいから、
だから。

チッチッチッチッチッチッチッチッチッ

気持ちを伝えられれば、どんなに心が軽くなるだろう?
心の内に溜め込んでいる物を全て吐き出せたら、どんなに楽になる
だろう?

自分が嫌な女だって事は十分、分かってるつもり。でも、どうしても
伝えたい。そんな思いで、待っていた。

チッチッチッチッチッチッチッチッチッ

さっきから時計の秒針が刻む音がやけに耳に残る。

緊張してるのかな?私。
…そうかも、なんたって初恋だもんね。初恋は叶わないって良く言われてるし。

チッチッチッチッチッチッチッチッチッ

149 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/21(土) 14:40:45.70 ID:rIp0jhQ0

チッ
   チッ
      チッ
          チ…

             ガラッ

一瞬、時間が止まったような感覚に襲われた次の瞬間、部室の扉が開いた。
入ってきたのは…キョン君だった。

でも、何処か雰囲気がいつもの彼と違う。焦ってる感じだ。

150 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/21(土) 14:41:34.68 ID:rIp0jhQ0

鶴屋 「や、やぁキョンk」

なるべく平静を装いながら話しかけたが、キョン君は私を見るや否や、
抱きしめる。

鶴屋 「キョ、キョン君?」
キョン「鶴屋さん、すみませんでした」

すみませんでした?何を謝っているんだろう?私は気が動転していて上手く
頭が回らない。

でも、彼は真剣な表情で見つめながら、続ける。

151 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/21(土) 14:42:12.65 ID:rIp0jhQ0

キョン「今のあなたには、俺が言ってる事は理解出来ないと思います」
キョン「それでも、言わせて下さい」

キョン「すみませんでした」
鶴屋 「ど、どうしたの?」
キョン「残念ですが、全ての説明をするには、あまりにも時間が足りません」

キョン「ですが、これだけは知っておいて下さい」

鶴屋 「う、うん」

キョン「俺はあなたが好きです」

152 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/21(土) 14:43:05.31 ID:rIp0jhQ0

鶴屋 「えっ?」

キョン「この鶴屋さんの事を好きだって気持ちは、後輩が先輩に憧れの眼差
    しを向けるのと同じ物なんかじゃ、絶対にありません。ありえません」

鶴屋 「キョン君?」

キョン「あなたが好きです」
キョン「世界中の誰よりも、あなたの事を愛してるって宣言しても良い」

見ると、キョン君の体が淡く光っている。

153 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/21(土) 14:44:32.34 ID:rIp0jhQ0

キョン「もう時間か。思ったよりずいぶん早い。いや、それだけ先に来ている
    長門や古泉達が上手くやってくれてるって事か」

鶴屋 「時間?時間って何さ?」

キョン「すみません。でも鶴屋さん、どうか忘れないで」
キョン「俺が鶴屋さんを大好きだって思ってること」

キョン「この瞬間の俺は、この時間に居る俺は、まだまだガキで鶴屋さんの
    気持ちにちっとも気が付いていなくて、ハルヒの気持ちにも気付いて
    いなくて…」
キョン「鈍感で、臆病で、自分の事しか考えていなくて、…」
キョン「きっとまた同じ場面に遭遇したら、二人になんて答えたら良いのか
    なんて分かって無いだろうけれど」

キョン「それでも、あなたを好きだって気持ちだけは、本当だから…」

彼はそう言って、私の唇に甘い口付をする。

154 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/21(土) 14:45:35.95 ID:rIp0jhQ0

鶴屋 「んっ?はっ、んんんん」

頭の芯にジーンとくる痺れに少しボウッとなりかける。唇を離した
後もキョン君は喋ってくれているけど、熱の所為か正直ほとんど頭
に入って来ない。そういえばさっきからキョン君が霞んで見える。

これって夢なのかな?それとも私の妄想?…どっちでも良いか。
今、すっごく幸せだし。

155 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/21(土) 14:46:38.29 ID:rIp0jhQ0

………………
…………
……

鶴屋 「あ、あれっ?」

意識が再びはっきりした頃には、キョン君の姿は既に無かった。
本当に私の妄想だったのかな?

そっと唇に指を当ててみる。

鶴屋 「………………」

156 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/21(土) 14:47:26.26 ID:rIp0jhQ0

辺りはすっかり暗くなっていた。結構な時間部室に居たみたい。
私はいろんな思想を巡らしながら、教室を出る。

私の事、キョン君の事、ハルニャンの事…

グルグルグルグル、ぐるぐるぐるぐる思想は巡る。
どうやら直には答えは出せないみたい

157 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/21(土) 14:48:07.82 ID:rIp0jhQ0

そういえば私はまだ何にもキョン君の事知らない。ハルニャンの事も。

あちゃ〜
告白までしようとしていたのに、今頃準備不足に気づかされる。
まだお互いの名前すら知らないのに告白なんて。

告白まではやっぱりステップが重要だよね?うん!

オヤ?校門に目をやるとキョン君が居た。
丁度良かった。もっともっとキョン君の事教えて貰おう!
いつかハッピーエンドが迎えられるように。


幾分気持ちが楽になった私は彼に声を掛ける。

       「キョン君、お願いがあるんだけど…」

158 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/21(土) 14:48:50.80 ID:rIp0jhQ0



     鶴屋「キョン君、お願いがあるんだけど…」

              完

159 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/21(土) 14:50:49.52 ID:rIp0jhQ0

終わったぁぁあぁああああああああああ。…ふぅ、漸く完結です。長かった。
(最後の方しんどくなって丸投げしましたが…)

俺の書いた文では一応、視点は、キョン→鶴屋さんの順番です。
出来れば全部鶴屋さんで統一したかったのですが、ネタ的にキョン視点が無いと
事件が解決しないので、キョンに語り部になって貰いました。

同時進行で鶴屋さんの心境も書きたかったのですが、時間的に無理でした。
というより、無駄にぐだぐだ長くなりそうだったので割愛しました。すんません

160 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/21(土) 14:52:02.45 ID:rIp0jhQ0

えぇと、まぁ後は、ネタは当時即興で考えていた物ですので、おかしい点もやや
見受けられますが、そこら辺は御愛嬌という事で…一つよろしくお願いします。

本作の作者は元々只の読者で、SS作者には成りきれない奴ですので、あまり叩かない
でやって下さい。以前も言ったと思いますが、どう頑張ってもSS書いてる本当の作者
さん達には足元も及びません。本作の作者と比べるだけ失礼です。

これからは作品は書かずに読者としてSSを楽しんでいくつもりなので、この作品(後半
から)を読んでつまらないと感じた人は心配しないでください。

161 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/21(土) 14:53:12.71 ID:rIp0jhQ0

では最後に

読んで下さった方、どうも有難うございました。それと勝手に続きを書いてしまって
ゴメンよ保守の人!

前スレ>>1が御送りしました(それにしても説明文だらけでうぜぇw)

162 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/21(土) 15:10:14.87 ID:rIp0jhQ0

おまけ


長門 「……やっぱりあなたの仕業」
喜緑 「さあ?どうかしら」
長門 「いくら彼の勘が鋭いと言っても、あそこまで的確に推理できる
    とは思えない」
長門 「それに証拠を挙げるタイミングが良すぎる」
長門 「ここまで綺麗にはまってしまえば、過去に戻り朝倉涼子を救う
    ためにあなたが情報操作し、一芝居打ったと考えるのが自然」
朝倉 「…ふん!誰も頼んでないわ」
長門 「あなたは黙って」
喜緑 「まぁ、良いじゃない。皆が笑顔の結末なんですから」
長門 「……」

キョン「おーい長門ー」
キョン「ん?誰かと喋ってたのか?」

長門 「………宇宙人と」

165 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 00:43:28.92 ID:7BgOKOU0

おまけ2

本当は>>146

みくる「では…」

          ←ここ

シュン

……
…………
………………
……………………
………………
…………
……

矢印部分に入れる予定だったのですが冗長になりすぎたので
削った部分が…次のレスからのです

166 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 00:44:15.05 ID:7BgOKOU0

古泉 「ちょっと待って下さい!」

キョン「どうした?古泉」

古泉 「すみません。ですがどうしても確認しておきたい事が…。朝比奈さん、
    僕たちが過去に行って未来を改竄すると、僕達自身が消える。そうです
    よね?」
みくる「はい、その通りです」
古泉 「そうして僕達は事件に遭遇せず、新しく用意された未来を歩む事になる。
    間違っていますか?」
みくる「いいえ、間違っていません」
古泉 「ならば、事件が起こった未来に居る僕達が消えるのであれば、事件を解決
    する役の人間が居なくなる。つまり、事件の解決役の不在、故に事件の解
    決は不可能、と言う事にはならないのですか?僕はタイムパラドックスと
    はむしろこちらの方を指しているのかと思いましたが」

167 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 00:44:57.47 ID:7BgOKOU0

みくる「あぁ、その点でしたらご心配いりません」
みくる「そのような小さな矛盾は、大きな時間の流れによって押し流されて
    しまいます」

古泉 「小さな矛盾?」

みくる「簡単に説明してしまいますが、未来から来た人間によって変わった
    過去は、その未来から来た者達のさらに未来を飲み込んだ方向に流れ
    を変えるという意味ですね」
みくる「まあ、分かり辛いかもしれませんが、その証拠として私達未来人が、
    この世界に存在出来ているので…」

古泉 「いえ、貴重なお話有難うございました。ナルホド、…そうでしたか。
    これは失礼しました」
みくる「いえいえ、そう思われて当然です。気にしないで下さい」
古泉 「ともあれすっきりしました。有難うございます」

168 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 00:45:36.72 ID:7BgOKOU0

キョン「よし、じゃあ改めて」
みくる「そうですね。過去に飛びます」
古泉 「不安材料も消えましたし、行きましょうか」
長門 「行く」


みくる「では改めて…」

169 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 00:51:29.28 ID:7BgOKOU0

ってのを本当は3月の時点で入れたかったんだけど……
まぁ、もう完璧にこれ以上ない位に終わってるスレなので
見てる人は本当に皆無だろうと思いますが一応、ここまでで

    鶴屋「キョン君、お願いがあるんだけど…」

のおまけを含めた完全なENDです

お付き合い頂いた>>72>>163には心よりお礼申し上げます
有難うございました



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