ハルヒ「バレンタインね、キョン」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/17(火) 04:58:59.83 ID:p5H0epjZ0

キョン「? あぁ、そうだな」
ハルヒ「そうだな。って、なによ興味なし?」
キョン「別に」

ハルヒ「興味ないわけないわよね。男の子なんだし」
キョン「だから、別にって」
ハルヒ「あんた今日登校するの早かったわよね」
キョン「…」
ハルヒ「いつもギリギリに来る癖に、あたしが教室についたらもう居た」
キョン「……そ、それは」
ハルヒ「なにか期待したんでしょ? したんでしょ〜?」
キョン「お前だって、俺の次に来たじゃないか。二番目に」
ハルヒ「!」
キョン「いつもあんな早く登校してるのか」
ハルヒ「そそっ、そうよ! あ、あたしは朝は早いの!」
キョン「そうか」

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/17(火) 05:02:27.48 ID:p5H0epjZ0

ハルヒ「あたしはいつも通りだとして、あんたは違うわけじゃない?」
キョン「……だからなんだよ」
ハルヒ「わくわくしてたんでしょ。誰かチョコくれないのかな〜って」
キョン「するわけないだろ」

ハルヒ「靴箱開けるとき、ちょっと緊張してたじゃない」
キョン「してない」
ハルヒ「はぁっ、って小さいため息ついてたわよ?」
キョン「…」
ハルヒ「そんで机の中もチェックしてたわよね」
キョン「おい」
ハルヒ「?」
キョン「何故知ってる」
ハルヒ「!!! ひっ、ひっかかったわね! やっ、やっぱり期待してたんじゃない!」
キョン「いやだから」
ハルヒ「バカ! あんたなんかにチョコあげる女の子いるわけないでしょバカキョン!」
キョン「声がでかいって。静かにしろアホハルヒ」


3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/17(火) 05:05:58.60 ID:p5H0epjZ0

ハルヒ「逆チョコって知ってる?」
キョン「男が渡すってのだろ。くだらん」
ハルヒ「なによ! くだらなくはないわよ!」
キョン「?」

ハルヒ「あ……いや、ほら? いいじゃないそういうのも」
キョン「じゃあホワイトデーがなんのタメにあるんだってなるだろ?」
ハルヒ「それは」
キョン「あ、そうなるとアレか。ホワイトデーに逆アメというか」
ハルヒ「あるわね。絶対ある! 絶対あるわよ! だから逆チョコもOK!」
キョン「……?」
ハルヒ「あるわよ〜、逆はあるわ。だから……わ、渡されてもいいのよ?」
キョン「へぇ、欲しいのか」
ハルヒ「ほっ、欲しくないわよ! っとにくだらないわね!」
キョン「何が言いたいんだお前は」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/17(火) 05:10:02.77 ID:p5H0epjZ0

国木田「おはようキョン」
キョン「あぁ、おはよう国木田」
ハルヒ「…」

国木田「はい、涼宮さん」コトン
ハルヒ「え?」
国木田「逆チョコってやつだよ、あげる」
ハルヒ「!?」
キョン「お、よかったなハルヒ」
ハルヒ「えっ、ちょっ、ええっ!?」
国木田「キョンのもあるよ」
キョン「……お前なぁ」
国木田「あはは、たまにはいいじゃない。こういうのも」
ハルヒ「…」
国木田「キョンは涼宮さんにあげないの?」
ハルヒ「!」
キョン「ん、あげないな。ハルヒはそういうの嫌いらしい」
ハルヒ「!」

ハルヒ「…」
キョン「おい、俺のチョコ返せよ。折角国木田がくれたのに」
ハルヒ「うるさい。同姓からチョコ貰って喜んでんじゃないわよハゲキョン」
キョン「ハゲてねぇよ」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/17(火) 05:14:29.86 ID:p5H0epjZ0

谷口「おいっす!」
キョン「よう」
谷口「いやー、いい天気だな今日は! いい天気だ!」
キョン「うるさい」

谷口「なぁ涼宮」
ハルヒ「はっ?」
谷口「……なんでもないです」
国木田「はい、チョコあげる」
谷口「なんだお前! 自慢か!」
国木田「逆チョコってやつ?」
谷口「……男から貰って嬉しいわけないだろ……」
キョン「そりゃそうだ」
国木田「えー、うけると思ったんだけどなぁ」
キョン「バレンタインってのは、女の子からチョコ貰って喜ぶ日だろ?」
ハルヒ「はい、チョコあげるわキョン」
谷口「!?」
キョン「……勘違いするな。これは国木田がくれたやつだ。ハルヒが奪いやがった」
谷口「あぁ、なんだ」
ハルヒ「なっ、勘違いしなさいよ!」
キョン「えっ?」
ハルヒ「!!」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/17(火) 05:17:05.82 ID:p5H0epjZ0

谷口「朝倉がいれば……俺にも一筋の希望はあったんだ」
国木田「どうだろうねぇ」
キョン「希望は誰にだったあるだろ。現実がないだけで」

国木田「え? 僕に? はは、うん。ありがとう」
キョン「…」
国木田「まいったなぁ……逆チョコ、三人分しか用意してないんだけどなぁ」
谷口「おいキョン」
キョン「なんだ」
谷口「今日一日、こいつを無視しようと思うんだが」
キョン「それはいい考えだ」
国木田「えー、チョコあげたのにー」
ハルヒ「……あたしも同姓なら……」ブツブツ
キョン「なに?」
ハルヒ「うっさい!」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/17(火) 05:22:11.25 ID:p5H0epjZ0

ハルヒ「でも寂しいわねキョン。いまのとこ国木田のチョコだけね?」
キョン「……これからだ。俺は尻上がりなんだよ」
ハルヒ「意味わかんないわよ」

ハルヒ「バレンタインにチョコを一個も貰えないなんて可哀想ねぇ」
キョン「うるさいな」
ハルヒ「……し、仕方ないから――」
みくる「あ、キョン君」
キョン「朝比奈さん」
ハルヒ「――えっ?」
みくる「はい。チョコです」スッ
キョン「……ありがとうございます!」
みくる「いぇいぇ。美味しくできてるかわかりませんけど……」
ハルヒ「…」
みくる「涼宮さんもど」
ハルヒ「みくるちゃん、後で部室に来なさい」
みくる「……ふぇぇっ」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/17(火) 05:24:54.32 ID:p5H0epjZ0

キョン「おぉ、ホワイトチョコか」
ハルヒ「……ふんっ」
キョン「しかもなんか、やわらかっ」

キョン「甘い、美味い、可愛い……幸せだ」
ハルヒ「なにそれ」
キョン「あんなにパーフェクトな女性からチョコを貰えたんだぞ?」
ハルヒ「あくまでも 義! 理! でしょうけどね!!」
キョン「……なにも強調しなくてもいいだろ」
ハルヒ「いーわよいーわよ、喜んでなさいよ」
キョン「何怒ってるんだよ」
ハルヒ「怒ってないわよ!」パクッ
キョン「あ、こら! これは俺のだ!」
ハルヒ「あーあー! 甘ったるくて美味しすぎよこれ!」ムグムグ

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/17(火) 05:44:56.37 ID:ul+Wccm+0

ハルヒ「あれ、鶴屋さん」
鶴屋「お〜いっすぅ!」
キョン「今日も元気ですねぇ」

鶴屋「ねぇねぇキョン君? 今日は何の日かなぁ?」
キョン「今日ですか……今日はその」
鶴屋「なんの日かわかったらいいものあげるよ!」
キョン「……バレンタ」
ハルヒ「バレンタインデーね」
鶴屋「正解にょろ! 正解したハルにゃんにはハッピーバレンタインだよっ!」チョイ
ハルヒ「ありがとう!」
キョン「……おーい」
ハルヒ「なによっ」
鶴屋「残念ながら二位のキョン君にも、残念賞のミニミニチョコ〜♪」チョコン
キョン「あっ、どうも」
鶴屋「二人で仲良く食べるっさ! そいじゃーねーぇ!」タタタ…

キョン「…」
ハルヒ「はむっ……」ポリポリ
キョン「ちょっとくれよ。二人で食べろって」
ハルヒ「それ食べればいいでしょ!」
キョン「いいなぁおっきいチョコ……あむっ」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/17(火) 05:49:31.66 ID:ul+Wccm+0

ハルヒ「どいつもこいつもチョコチョコチョコ……だらしない!」
キョン「なにがどうだらしないんだ」
ハルヒ「あんたのそのにやけた顔がよ! なによ、ったく」
キョン「なんでお前が怒るんだよ」

長門「…」
ハルヒ「有希」
キョン「長門はさすがに……ん?」
長門「重い」ズリズリ
キョン「なんだその袋」
長門「貰った。チョコレート」
ハルヒ「!?」
キョン「……わかるよ。なんかお前、チョコあげたくなるわ」
長門「…」
キョン「なぁハルヒ」
ハルヒ「そ、そうね!」
長門「至福」モグモグ

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/17(火) 05:52:32.31 ID:ul+Wccm+0

ハルヒ「放課後ね」
キョン「放課後だな」

ハルヒ「…」
キョン「…」
ハルヒ「部室、行かないの?」
キョン「行くよ」
ハルヒ「…」
キョン「先行ってていいぞ」
ハルヒ「教室に残っててももう皆帰ってるわよ」
キョン「!」
ハルヒ「なにをまだ期待してるのよ」
キョン「べっ、別に。大体俺一杯チョコ貰ってるしな」
ハルヒ「義! 理! をね!」
キョン「嫌な奴だな」
ハルヒ「うっさい!」

ハルヒ「…」
国木田「ねぇ、もう帰ろうよ。今日から新しく格ゲー入ったんだよ」
谷口「も、もうすこし」
ハルヒ「帰れ!」
谷口「!?」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/17(火) 05:56:25.86 ID:ul+Wccm+0

ハルヒ「……も、もう誰もいないわよ」
キョン「いないな」
ハルヒ「まだ期待してるの?」
キョン「そういうわけじゃないよ」

ハルヒ「…」
キョン「……そろそろ行くか」
ハルヒ「あの」
キョン「ん?」
古泉「おや、ここにいましたか」
キョン「あ、古泉」
ハルヒ「ああああああっ!!!!」
キョン「!?」
ハルヒ「ごめん古泉君、顔でいいから殴らせて!」ダッ
キョン「おいハルヒ! なんか知らんが落ち着け!」


25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/17(火) 05:59:01.77 ID:ul+Wccm+0

キョン「落ち着けと」ギュー
ハルヒ「……冗談よ冗談、放しなさいよ!」
キョン「目がマジだったぞ」

古泉「今日はもう帰られたのかと」
キョン「いやまあ、ちょっとな」
古泉「あっ、そうだ」ゴソゴソ
キョン「?」
古泉「お二人共、これどうぞ」
ハルヒ「……チョコ」
古泉「沢山頂いたんですが、甘いもの苦手でして」
キョン「いけハルヒ。せめて顔だけにしてやれ」
ハルヒ「とりゃー!」ダッ
古泉「ふんもっふ!?」

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/17(火) 06:03:07.49 ID:ul+Wccm+0

ガチャ

みくる「あ、遅かったですねキョ……どうしたんですか! 古泉君!?」
古泉「いえその、ははっ」
みくる「頬真っ赤ですよ? テレてるんですか?」
ハルヒ「恐らくね」
キョン「あぁ、たぶんな」
古泉「あはは……はぁ」
みくる「?」

みくる「はい、あーん」
長門「…」ポリポリ
キョン「なにやってるんですか?」
みくる「長門さん、可愛いんですよ? こうやって顔の前にチョコ出してあげると」スッ
長門「…」パクッ
ハルヒ「……あたしも」
キョン「待て、次は俺だ」
長門「甘い」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/17(火) 06:05:59.62 ID:ul+Wccm+0

ハルヒ「沢山あるわね、チョコ」
みくる「私も何人かに貰いました」
ハルヒ「?」
みくる「逆チョコって言うんでしょうか……お断りするのも失礼かなぁって」
ハルヒ「ふーん」

古泉「でも凄いですね。こんなに沢山」
キョン「お前と朝比奈さんと長門と……けっ」
ハルヒ「寂しいわねぇキョン」
キョン「お前もそんなに貰ってないじゃないか」
ハルヒ「あ、あたしはいいのよ! 女の子だし!」
長門「……次」
ハルヒ「あぁ、はいはい」スッ
長門「あむっ」

ハルヒ「……もうなくなった」
古泉「幾らなんでも食べすぎですよ長門さん」
長門「……やめられない、止まらない」
キョン「すげぇ」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/17(火) 06:09:21.91 ID:ul+Wccm+0

長門「……?」
ハルヒ「もうないわよ」フリフリ
長門「…」
ハルヒ「チョコ好きなのね、有希」
長門「らしい」ハァッ
ハルヒ「甘っ! 息甘い!」

キョン「やれやれ、なんだかんだで今年も義理チョコばっかりか」
ハルヒ「はは、いい様ね!」
キョン「うっさいな」
ハルヒ「……ぎ、義理ならもらえるんだからいいんじゃない?」
キョン「?」
ハルヒ「本命とかほしいわけ?」
キョン「そりゃ、いらなくはないな」
ハルヒ「…」
古泉「涼宮さんは誰かに渡しましたか?」
ハルヒ「有希、古泉君の前で吐息」
長門「…」ハァー
古泉「おおおぉっ……zzz」
キョン「どういうことだよ」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/17(火) 06:12:11.93 ID:ul+Wccm+0

みくる「あたしのチョコ、食べてくれましたか?」
キョン「えぇ、美味しかったです。なあハルヒ」
ハルヒ「そ、そうね」

みくる「やっぱりああいうの作るのは楽しいです」
キョン「そうですか」
みくる「普通の料理よりワクワクするっていうか……」
ハルヒ「なにが楽しいのよ。楽かと思ったらすっごい手間と時間が掛かったわよ」
みくる「え?」
ハルヒ「?」
キョン「作ったのか?」
ハルヒ「!」
みくる「わぁ、それはいったい誰に――」
ハルヒ「有希!」
長門「…」フゥー
みくる「zzzz」
キョン「だからなんなんだよそれは」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/17(火) 06:15:22.57 ID:ul+Wccm+0

キョン「で、作ったのか」
ハルヒ「……作ってないわよ」

キョン「じゃあなんで」
ハルヒ「あ」
キョン「?」
ハルヒ「…」(今なら……皆眠ってるじゃない)
キョン「おーい」
ハルヒ「…」(有希はこういうの反応しなさそうだし……今ね!)
キョン「どうした」
ハルヒ「あ、あのキョン」
キョン「!」
ハルヒ「あのね、あの」
キョン「長門!?」
ハルヒ「えっ?」

長門「…」ボタボタッ
キョン「おまっ! なんだそれ、鼻血!?」
長門「おかしい、止まらない」
キョン「ちょっ、拭け! あと横になれ」
長門「……止まらない」
キョン「息甘っ!」
ハルヒ「……もぉやだぁー」モジモジ

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/17(火) 06:20:21.18 ID:ul+Wccm+0

キョン「いやぁ、驚いたな」
ハルヒ「血の海になってたわね」
キョン「チョコは食べ過ぎると毒になるのかもしれんな」

ハルヒ「…」
キョン「しかし危なかった。俺も眠るとこだったよ、長門の甘い息」
ハルヒ「そのまま永眠しちゃえばよかったのに」
キョン「酷いな」
ハルヒ「うっさいわね!」
キョン「?」
ハルヒ「……ほら、早く帰るわよ」
キョン「え? なんでお前と」
ハルヒ「いいから付いてきなさいよ! 団長命令よ!」
キョン「わ、わかったよ」
ハルヒ「ふんっ」トコトコ

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/17(火) 06:27:26.19 ID:ul+Wccm+0

ハルヒ「…」
キョン「おいハルヒ、なんでさっきからずっと黙ってるんだ」
ハルヒ「…」
キョン「なんか喋れよ」

ハルヒ「……キョン」
キョン「?」
ハルヒ「今、誰か周りにいるかしら?」
キョン「周り? 誰もいないな」
ハルヒ「本当に?」
キョン「あぁ、誰も」
ハルヒ「……黙って人気のないトコまで歩いた甲斐があったわね」
キョン「なんだって?」
ハルヒ「なんでもないわよ!」
キョン「なんだよ?」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/17(火) 06:30:42.57 ID:ul+Wccm+0

キョン「なんもないなら帰るぞ。家と真逆じゃないかこの方向」
ハルヒ「まっ、待ちなさいよっ」
キョン「?」

ハルヒ「……あの」
キョン「ん」
ハルヒ「その、なんていうか」
キョン「…」
ハルヒ「ちょ、チョコ」
キョン妹「あー! キョン君!」
キョン「? あ、なんだ。帰りか?」
ハルヒ「!!??」
キョン妹「うん! 友達の家行ってた!」
キョン「そうか。なら一緒に帰るか?」
キョン妹「そうだねー」
ハルヒ「……もういい」トコトコ
キョン「え? あ、おいハルヒ!」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/17(火) 06:33:21.02 ID:ul+Wccm+0

キョン「しまった……ドコ行ったあいつ」
キョン妹「なに? ハルにゃんドコ?」
キョン「さぁな。どっか走っていっちゃった」

キョン妹「かくれんぼ?」
キョン「多分違うな」
キョン妹「探そうよ! 先に見つけたほうの勝ち!」
キョン「お、いいぞ。でも危ないから道路にでちゃダメだぞ?」
キョン妹「はぁーい!」

ハルヒ「バカバカ、キョンのバカ!」
ハルヒ「みくるちゃんのバカ! 有希のバカ! 古泉君のボケ!」
ハルヒ「……あたしのアホ。あたしの……いくじなし」

ハルヒ「ただ渡せばいいだけじゃない。みんながしてるように」
ハルヒ「……はぁ」トボトボ

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/17(火) 06:35:55.83 ID:ul+Wccm+0

ハルヒ「折角作ったのに……」ガサガサ
ハルヒ「……変なかたち」

ハルヒ「でもいいわ。どうせ美味しくないし」
ハルヒ「どう考えても、みくるちゃんの手作りには敵わないし……」
ハルヒ「…」
ハルヒ「……気持ちなら、負けてないってば」
ハルヒ「ふんっ。もういいわ……帰ろ」
キョン「ハルヒー?」
ハルヒ「!」
キョン妹「ハルにゃーん!」
ハルヒ「あ……」
キョン妹「んー、いないねー」
キョン「いないなぁ、ドコ行ったんだろうな?」



47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/17(火) 06:40:12.79 ID:ul+Wccm+0

キョン「もう帰ったのかな」
キョン妹「んー」
キョン「…」
キョン「あ、キョン君チョコ!」
キョン「おっ」

ハルヒ「……い、妹ちゃんにまで貰ってるの?」
キョン「おぉ、ちゃんとみんなにあげたか?」
ハルヒ「?」
キョン妹「うん! みんな美味しいって!」
キョン「そうか」
キョン妹「キョン君はあげた?」
キョン「うっ……うん。あげたぞ」
ハルヒ「!」
キョン妹「ほんとうに? ハルにゃん美味しいって?」
キョン「あぁ、あいつ逆チョコなんてくだらないって言ってたけど、美味しいってさ」
キョン妹「そっか! 頑張って一緒に作ってよかったねキョン君!」
キョン「そうだな」
ハルヒ「一緒に……作った? って」

ハルヒ「貰ってないわよそんなの!!」
キョン「!? ハッ、ハルヒッ!?」
キョン妹「あ、ハルにゃんみっけ!」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/17(火) 06:43:06.03 ID:ul+Wccm+0

ハルヒ「あっ……し、しまった」
キョン「おまっ」
キョン妹「どこ行ってたのハルにゃん?」

ハルヒ「…」
キョン「あの、もしかして今の」
キョン妹「ねぇねぇ? キョン君、ハルにゃんからチョコ貰った?」
キョン「! いや……えーと」
ハルヒ「あげてないわね」
キョン妹「えー、残念だったねキョン君」
キョン「よしよし、ハルにゃん見つけたごほうびだ。百円あげるからお菓子買ってきな」
キョン妹「! やったー!」タタタタ…
キョン「……あの、ハルヒ」
ハルヒ「…」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/17(火) 06:46:39.63 ID:ul+Wccm+0

キョン「えーと、その」
ハルヒ「あたし、あんたにはなんにも貰ってないんだけど」
キョン「……やっぱり聞いてたのか」

ハルヒ「どういうことよ」
キョン「いやその、あいつがな? 学校で皆と手作りチョコを交換するって言うから」
ハルヒ「一緒に作ってたの?」
キョン「そうそう。でまあ、折角だから……お前にも、渡そうかと」
ハルヒ「…」
キョン「だけどなんていうか、恥ずかしくてなぁ」
ハルヒ「……根性なし」
キョン「なっ」
ハルヒ「そんぐらいパッと渡しなさいよ。なによ男らしくない!」
キョン「そんなこと言われてもだな」
ハルヒ「こうやって渡せばいいのよ! ほら」グイッ
キョン「! ……これは」
ハルヒ「……ぶ、物々交換。ほら、あんたが作ったのもよこしなさい」
キョン「あ、あぁ。はい、ありがとうハルヒ」スッ

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/17(火) 06:53:59.02 ID:ul+Wccm+0

ハルヒ「なにこれ、なんの形?」
キョン「おまえのだって。なんだよ、ブーメランか?」
ハルヒ「ハートに決まってるじゃない!」

ハルヒ「……普通ね。普通にチョコの味」
キョン「なんかジャリっていうんだけど」モグモグ
ハルヒ「だ、黙って食べなさいよ!」
キョン「…」
ハルヒ「ど、どうなのよ? 感想ぐらい言いなさいよ」
キョン「黙ってろって」
ハルヒ「それはそれ!」
キョン「んー……なんか、甘すぎるような」
ハルヒ「…」
キョン「でも、その、アレだ」
ハルヒ「?」
キョン「今日貰ったのなら……一番嬉しい、かもな」
ハルヒ「……あ、あたしもその……逆チョコってのも、悪くないかもね」
キョン「そっか」
ハルヒ「うん」ポリポリ

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/17(火) 06:57:42.98 ID:ul+Wccm+0

キョン「しかし甘いぞ。砂糖入れすぎじゃ……あ、ボリボリいってるのは砂糖か?」
ハルヒ「これだって、人のこと言えないわよ? なんとも普通なチョコね」

キョン「文句ばっか言うなよ」
ハルヒ「そっちこそ」
キョン「じゃあ食べてみろよ」
ハルヒ「あんたも」
キョン「ほら」スッ
ハルヒ「はい」スッ
キョン「…」
ハルヒ「なによ」
キョン「いやあの、普通に手渡しでいいじゃないか」
ハルヒ「……! べっ、別にいいじゃない! じゃなくて! いいから食えバカ!」
キョン「わ、わかったようるさいな。……あむっ」
ハルヒ「きゃっ、指まで食べないでよ?」
キョン「わかってるって……んんっ」モグモグ
ハルヒ「ね? 普通でしょ?」
キョン「……普通だな」


58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/17(火) 07:00:20.20 ID:ul+Wccm+0

ハルヒ「あたしも」
キョン「ほら」
ハルヒ「……へぇ。人に食べさせてもらっといて、自分はそうするの?」
キョン「なんだ、あーんってしてほしいのか」
ハルヒ「! そ、そうじゃなくて礼儀の問題よ! バカにしないでよね!」
キョン「いや、なんか違うだろそれは」

キョン「ほら」
ハルヒ「あーん」
キョン「あむっ」
ハルヒ「ちょっ、なんで自分で食べもがっ」
キョン「フェイント」
ハルヒ「……ふんっ……なによ、丁度いい甘さじゃない」
キョン「そうか?」
ハルヒ「ちょっと甘すぎるぐらいが丁度いいの。そういうもんなんだから」
キョン「……まあいいや。うん、ありがとう」
ハルヒ「感謝しなさいよね。あんたにしかあげてないんだからっ」
キョン「俺もそうだよ」
ハルヒ「……ありがと」
キョン「どういたしまして」


60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/17(火) 07:03:15.64 ID:ul+Wccm+0

キョン妹「キョンくーん、きなこ棒すっごい当たった……あー!」
キョン「!」
ハルヒ「!?」
キョン妹「手繋いでた!」
キョン「ははっ、なに言ってるんだ?」
ハルヒ「そうよ。ほら妹ちゃん、あーん」

キョン妹「んー。美味しいねこのチョコ」
ハルヒ「ほら、言ったじゃない」
キョン「えぇ? 甘すぎないか?」
キョン妹「そうかな?」
ハルヒ「キョンは無駄に大人びてるのよ」
キョン「失礼な」
キョン妹「ねーねー、私達が作ったのは美味しかった?」
ハルヒ「美味しかったわよ。すっごい美味しかった!」
キョン「……言ってること違うじゃないか」
ハルヒ「いいのいいの。本当に美味しかったんだからっ」
キョン「?」

62 名前:ハルヒはキョンの嫁 ◆UBgxfb/oXY [] 投稿日:2009/02/17(火) 07:05:02.54 ID:ul+Wccm+0

バレンタイン? あぁ、犬に食われたのが兄貴の奴ですよね。
そういうわけ。

俺もハルにゃんとチョコ食べあいっこしたいけど、そこはこれキョン君のお仕事。
おやすみ。
ノシ



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