1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/11(水) 04:18:34.04 ID:6mhG52IK0
ハルヒ「よくわかんなくなってきたわ……」
キョン「何をぶつぶつ言ってんだ、お前は」
ハルヒ「……」
キョン「?」
ハルヒ「さすがにいきなりは抵抗があるわね」
キョン「なんだ?」
ハルヒ「大体こんな奴になんであたしが」
キョン「よくわからんが馬鹿にされてることくらいはわかるぞ、失礼なやつめ」
ハルヒ「明日よ!明日にはマスターしてきてみせるわ!」
キョン「?」
ハルヒ「首を洗って待ってなさい!」
キョン「……また変な病気にかかったか」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/11(水) 04:26:47.73 ID:6mhG52IK0
〜その晩〜
ハルヒ「有希にもらった資料で勉強よ!」
ハルヒ「……うわぁ」
ハルヒ「なにこれ……プライドとか理性とか、そういった概念は存在しないの?」
ハルヒ「こんなの傍から見れたもんじゃないわよ」
ハルヒ「ポイントは二人だけの世界に埋没、と……」
ハルヒ「……」
ハルヒ「これをあたしとキョンに置き換えて……」
ハルヒ「……」
ハルヒ「……」
ハルヒ「……んふ……えへへ」
ハルヒ「……た、たいしたことないわね」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/11(水) 04:35:10.85 ID:6mhG52IK0
〜翌朝〜
キョン「おーす」
ハルヒ「……」
キョン「うー、冷えるなあ今日も」
ハルヒ「……」
キョン「……返事くらいしてくれたっていいだろう」
ハルヒ「だぁぁぁーーー!」
キョン「!?」
ハルヒ「無理よ!やっぱり無理!」
キョン「な、なんだなんだ!」
ハルヒ「もうそ……想像と現実じゃ別なのよ!」
キョン「どうした、金属片でも埋め込まれたのか!」
ハルヒ「ぐぐぐ……明日よ!明日!」
キョン「どこ行くんだ、おい……あー、行っちまった」
キョン「まだ一時限目も始まってないというのに」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/11(水) 04:45:16.73 ID:6mhG52IK0
ハルヒ「古典的だと思ってたけど、思いのほか高度の技術を要するわ……」
ハルヒ「鍛錬しかないわね」
ハルヒ「昨日の資料からは粗方要点は掴んだから、あとはイメトレね」
ハルヒ「せっかく学校も早く終わったことだし、今日は一日中イメトレよ!」
〜〜
ハルヒ「普段のようにソファでゴロゴロTVを見ながらも」
ハルヒ「キョンが隣にいることをイメージ……」
ハルヒ「……んふ……んふふ」
ハルヒ「ベッドでお昼寝しつつも……」
ハルヒ「布団をキョンに見立てて……ぎゅー」
ハルヒ「………はぁ」
ハルヒ「きゅんきゅんしてきた……」
ハルヒ「お風呂の中でも……」
ハルヒ「(ちょっと、キョンったらまた勝手に入ってきて……もー、変態!)」
ハルヒ「あ……だめ……きょん……そんなことしたら……んんっ」
ハルヒ「……わ、悪くないわね」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/11(水) 04:53:29.82 ID:6mhG52IK0
〜翌朝〜
キョン「おーす」
ハルヒ「……」
キョン「嫌な予感がする」
ハルヒ「……」
キョン「(今日は話しかけないでおこう、うん)」
ハルヒ「(なんで……?あんなに練習したのに)」
ハルヒ「(喋るどころか恥ずかしくて顔を上げられないなんて……!)」
キョン「♪〜」
〜放課後〜
キョン「あれ、谷口、俺のジャージ知らないか?」
谷口「なーんで俺が知ってるんだよ、馬鹿かお前は。さっさと帰るぞ!」
キョン「そうだよなあ……仕方ない、明日また探そう。おい、待ってくれ二人とも!」
ハルヒ「……」
ハルヒ「やってしまった……」
ハルヒ「キョンの……ジャージ……」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/11(水) 04:59:48.78 ID:6mhG52IK0
〜その晩〜
ハルヒ「あたしなんでこんな汚いもん持って帰ってきちゃったのかしら」
ハルヒ「自分でも意味がわからないわ」
ハルヒ「……」
ハルヒ「でも、せっかく持って帰ってきたのにただ置いといても邪魔なだけね」
ハルヒ「……」
くんくん
ハルヒ「すー、はー」
ハルヒ「ふぁ……何よ、思ってたよりいい匂いじゃない」
ハルヒ「すー、すー」
ハルヒ「……ちょっとやばいわね」
ハルヒ「……」
ハルヒ「なんだか趣旨がずれてきてる気がするわ」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/11(水) 05:04:54.38 ID:6mhG52IK0
〜一週間後〜
キョン「なぁ、長門」
長門「なに」
キョン「もしかして、今異常事態か?」
長門「そんなことはない。むしろ状況は良好」
キョン「あいつが一週間も学校に来てないのにか」
長門「大丈夫、何も問題はない」
キョン「そうか」
キョン「……」
長門「……」
キョン「で、なんでお前は俺のひざの上で本を読んでるんだ?」
長門「椅子よりもこちらの方が読書に適していることを発見した」
キョン「……嘘をつけ」
長門「嘘ではない。先日読んだ資料からの情報を元に試験的に移動したまで」
キョン「お、お前は一体どんな本を読んでるんだ……?」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/11(水) 05:11:41.25 ID:6mhG52IK0
〜翌朝〜
キョン「お、なんだ学校来たのか」
ハルヒ「不登校なんか今時流行らないでしょ」
キョン「ふーん、ま、なんでもいいけどな」
ハルヒ「フフフ」
キョン「?」
ハルヒ「会えなくて寂しかったよぉ……きょん」
ぎゅー
キョン「!?!?!?」
ハルヒ「キョンの背中あったかい……ぎゅー」
キョン「まてまてまてまて!!ちょっとまてなんだこれはいった」
ハルヒ「えへへ」
すりすり
キョン「ええい、頬ずりするな!なんだってんだ!」
ハルヒ「きょん……すきだよぉ……」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/11(水) 05:22:15.70 ID:6mhG52IK0
〜昼休み〜
キョン「……」
谷口「おーい、昼飯行くぞ……って誘っても無駄みたいだな」
国木田「だね」
谷口「あーあ、うざいうざい」
国木田「ま、仲悪いよりはいいんじゃない?」
キョン「……これは夢だ」
ハルヒ「ぎゅー」
キョン「夢だからハルヒは休み時間のたびに抱きついてくるんだ」
ハルヒ「あー、キョンの匂い嗅いでると落ち着くわ……んん」
キョン「お前は犬か」
ハルヒ「もー、ひどいな……ねぇ、キョン?」
キョン「な、なんだ」
ハルヒ「んふふー……なんでもないよー」
キョン「なん……だと……?」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/11(水) 05:30:03.80 ID:6mhG52IK0
〜放課後〜
ハルヒ「えへへ、えへへ」
キョン「なあ、ハルヒ。頼むから廊下で腕組むのはよしてくれ」
ハルヒ「やーだー」
キョン「くそ!俺が何したってんだ!!」
生徒「ざわざわ」
キョン「……ぐ!頼むハルヒこれだけは勘弁!」
ハルヒ「……そんなに言うなら一個お願い聞いて?」
キョン「何でもする!土地と金ならやれないが何でもするから!」
ハルヒ「えっとねー、んとねー、へへへ」
ごにょごにょ
キョン「……それはひょっとしてギャグで言っているのか?」
ハルヒ「ぎゅー」
生徒「ざわざわ」
キョン「わかった!わかったから離してくれ!」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/11(水) 05:39:17.54 ID:6mhG52IK0
〜SOS団部室〜
バタン
キョン「くそ……なんでこんなときに限って誰もいないんだ……わかってはいたが」
ハルヒ「約束よ!さっき言ったのやって!」
キョン「ぐ……ど、どうしてもか」
ハルヒ「団長の命令は絶対よ!」
キョン「……」
ハルヒ「ニヤニヤ」
キョン「……くそう、わかった。ほら、こっち来い」
ハルヒ「んふふ」
ぎゅー
キョン「(椅子に座ったままハルヒを抱きかかえる体勢……これだけでもやばいってのに)」
ハルヒ「こっちの耳に、ふー、って」
キョン「……フー」
ハルヒ「ふぁ……っ!?うぁ……すご……ぞくぞくきちゃった……」
キョン「ああ、何やってんだ俺は……」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/11(水) 05:48:50.78 ID:6mhG52IK0
ハルヒ「あー……」
キョン「も、もう満足しただろ」
ハルヒ「やばいー、これ絶対クセになるよぉ……」
キョン「あのな」
ハルヒ「ねぇ、今度は」
キョン「もう勘弁してくれ……」
ハルヒ「耳元で今度はハルヒ、って囁いて」
キョン「アホか!」
ハルヒ「むー」
キョン「大体なんなんだお前今日はおかs……」
ハルヒ「じゃあこうしてやる」
ちゅ、ちゅ
キョン「おぉう!?やめんか!首を吸うな!」
ハルヒ「じゃあやってくれる?」
キョン「助けてくれ、誰でもいいから……」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/11(水) 05:58:05.14 ID:6mhG52IK0
そっ
キョン「……ハルヒ」
ハルヒ「はぅ……」
キョン「こ、これでいいだろ!」
ぎゅー
ハルヒ「もー……ダメ、きゅんきゅんくるよぉ……」
キョン「おい、苦しいって!」
ハルヒ「もー、何よこれ……こんなのズルい」
キョン「何よこれってそりゃ俺の台詞で……」
ハルヒ「きょん……こっち向いて?」
キョン「な、なんだ?お、おいまさかおま……むっ」
ちゅ
ハルヒ「んん……」
ちゅ、ちゅ、ちゅ
ハルヒ「んんっ、ちゅ……ぷぁ……ごめん、我慢できなかった」
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/11(水) 06:07:35.19 ID:6mhG52IK0
キョン「(もしかして俺は既に閉鎖空間の中にいるんじゃないだろうか)」
ハルヒ「ねぇちょっと」
キョン「……」
ハルヒ「キョン、聞いてる?なにぽけーっとしてるのよ」
キョン「あ、ああ、すまん」
ハルヒ「あ、あたし、その」
キョン「?」
ハルヒ「なんか……変な気分になってきちゃって」
キョン「(随分前から変だが)」
ハルヒ「……きょん」
すりすり
キョン「お、お前まさか」
ハルヒ「ねぇ……」
キョン「だだだ、ダメだ!それは絶対にまずい!俺は帰る、帰るぞ!」
ハルヒ「あ、ちょっと……もう、置いてかないでよ」
122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/11(水) 09:57:22.57 ID:6mhG52IK0
〜その晩〜
ハルヒ「あー、今日が人生で一番幸せだったかも」
ハルヒ「思い出すとまだぞくぞくする……」
ハルヒ「……きょん」
ハルヒ「全然寝付けないわね……」
ハルヒ「い、一回だけしちゃおっかな」
ごそごそ
ハルヒ「ジャージ結局返しそびれてたことだし……」
くんくん
ハルヒ「ん……洗ってもまだキョンのにおいが残ってる気がする」
ハルヒ「ふぁ……あ……んんっ」
ビクン
ハルヒ「はー……はー……」
ハルヒ「うつ伏せでクッションに擦り付けるの気持ちよすぎ……」
ハルヒ「きょん……」
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/11(水) 10:03:43.83 ID:6mhG52IK0
〜一方その頃〜
キョン「うっ」
キョン「どうして俺はこんな無駄な時間を過ごしちまったんだ……」
キョン「しかし、健康な男子なんだ、俺だって」
キョン「あー、いかん。もう思い出すのはよそう」
キョン「……」
キョン「でも」
キョン「冷静に考えると明日ハルヒに合わせる顔が……」
キョン「ああああああああああああ」
妹「キョンくんうるさいよー」
キョン「!?」
キョン「いいいいい、いつからそこにいた!」
妹「今来たんだけど?」
キョン「ノックしろって言ってるだろう」
妹「はさみー」
キョン「もはや会話が成立してないぞ、それ」
134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/11(水) 10:11:58.62 ID:6mhG52IK0
〜翌朝〜
ハルヒ「おはよ、キョン!」
キョン「……」
ハルヒ「どうしたの?」
キョン「そりゃこっちの台詞だ」
ハルヒ「?」
キョン「なんでお前が俺んちの前に」
ハルヒ「一緒に学校行きたかったから……だめ?」
キョン「う……」
キョン「(昨晩のことを思い出すとどうもこいつに引け目を感じてしまう……)」
ハルヒ「……ごめん」
キョン「い、いや、別に謝らなくても」
ハルヒ「……」
キョン「……あー、遅刻してもアレだしな、行くぞ」
ぎゅ
ハルヒ「(あ……キョンから手繋いでくれた……)」
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/11(水) 10:18:32.38 ID:6mhG52IK0
ハルヒ「えへへ……」
すりすり
キョン「が、学校の前の坂道までだからな」
ハルヒ「やだー」
キョン「あのなあ」
ハルヒ「んー……ずっといっしょー」
キョン「(しかしなんでこいつはこんな変貌を遂げたんだ……)」
キョン「(そろそろ問いただしてみなくちゃなるまい、連中に……)」
ハルヒ「……」
じー
キョン「ど、どうした」
ハルヒ「なんでさっきから目合わせないの?」
キョン「……きき、気のせいだろ」
ハルヒ「そう?」
キョン「(昨日のオカズを直視しろと言う方が酷だ!)」
191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/11(水) 10:38:17.85 ID:6mhG52IK0
キョン「なあ」
ハルヒ「なに?」
キョン「お前ほんとはハルヒじゃないな?」
ハルヒ「俺佐藤裕也(`ェ´)ピャー」
キョン「やっぱりな」
おしまい
257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/11(水) 11:02:34.17 ID:6mhG52IK0
続き待ってる人には悪いがおしまいです
今度また平日の深夜とかに立ててまったり書くので
見かけたら開いてみてくれると嬉しいです。ピャー