1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 00:56:57.16 ID:UYRJlV1C0
佐々木「…(ふにふに)」
佐々木「…負けた…」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 01:00:44.25 ID:UYRJlV1C0
佐々木「っと…こんなことしてる場合じゃなかった、何でだ?」
佐々木「…昨日寝た時は僕の体だった、うん」
佐々木「つまり、涼宮さんの超パワーが働いてこうなったってことか…?」
佐々木「…僕が涼宮さんの体になっているってことは、涼宮さんは僕の体になってるって訳で…でもそのメリットは?」
佐々木「考えても仕方ない、とりあえず僕の家に行こう」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 01:05:13.73 ID:UYRJlV1C0
佐々木(ハルヒ)「ん?ケータイ…?」
to:有希
状況は把握している。
学校へ行く必要は無い、混乱を招くだけ。
1時間後、駅前に集合。
以上。
佐々木(ハルヒ)「お見通しってことか…とりあえず駅前か」
佐々木(ハルヒ)「…(あ、同じ下着…結構普通なんだ…)」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 01:08:48.93 ID:UYRJlV1C0
1時間後 〜駅前〜
佐々木(ハルヒ)「あ、いたいた。長門さん、こっち」
長門「ごめんなさい」
佐々木(ハルヒ)「へ?」
長門「私は嘘をついた。いや、正確には状況が常に変化している。つい先程まで把握していた状況が著しく変化し過ぎていて既に私や情報統合思念体の演算能力を超えている、ごめんなさい」
佐々木(ハルヒ)「いや、謝る必要は無いよ…とりあえず、みんなを待つ?」
長門「(こくん)」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 01:12:36.19 ID:UYRJlV1C0
〜30分後〜
長門「っ!」
佐々木(ハルヒ)「…長門さん?どうしたんだい?」
長門「生命反応が消えた…」
佐々木(ハルヒ)「…どういうこと?」
長門「朝比奈みくる、古泉一樹、涼宮ハルヒ、…そして彼の生命反応が突然消えた」
佐々木(ハルヒ)「…そんな…」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 01:16:48.58 ID:UYRJlV1C0
佐々木(H)「他の私達の関係者は?」
長門「問題ない。全員の生命反応が観測可能。」
佐々木(H)「SOS団の反応だけが消えた、ということ?」
長門「そう。誰の、どの組織がこの問題に関与しているかはまだわからない。けれど今までの涼宮ハルヒが起こしてきた事件とは違う。」
佐々木(H)「他の誰かの干渉…まさか…天蓋領域?」
長門「可能性はある。理由は目的は不明にしても」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 01:23:48.47 ID:UYRJlV1C0
長門「…反応が戻った」
ハルヒ(佐々木)「全員の?」
長門「違う。一人だけ」
ハルヒ(佐々木)「なら急ごう、また反応が消える可能性もあるからね。場所は?」
長門「…貴女の家。」
ハルヒ(佐々木)「…!つまり…」
長門「そう。反応が回復したのは貴女」
ハルヒ(佐々木)「中身は?涼宮さん?」
長門「わからない。情報フィルターがかけられていてそこまでの把握ができない。現時点で私が把握できるのは【誰の体が】【どこにあるか】だけ」
ハルヒ(佐々木)「十分さ。とりあえず僕の家に行こう」
逆にしてみた
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 01:29:35.07 ID:UYRJlV1C0
…佐々木家前…
ハルヒ(佐々木)「とりあえずこの時間両親はいないから…大丈夫なはず」
長門「インターホンを押したが反応はない。私は玄関を開ける。同行して。」
ハルヒ(佐々木)「いや、僕は二階から。自宅に忍び込むのは慣れっこなんだよね。昨日のままなら…僕の部屋の窓は鍵が掛かってない」
長門「わかった。何があるかはわからない、用心して」
ハルヒ(佐々木)「了解。よっと…」
長門「…下着」
ハルヒ(佐々木)「…こんなことになるなんて思ってなかったんだ。勢いでスカート履いてみたのを後悔してるよ」
長門「…くr」
ハルヒ(佐々木)「あーもう、行くよ!?」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 01:34:40.42 ID:UYRJlV1C0
ハルヒ(佐々木)「…さて、と」
長門【喋らないで】
ハルヒ(佐々木)【長門さん?テレパシー…?】
長門【そう。すぐに行く、待っていて】
ハルヒ(佐々木)【僕の部屋には―】
長門【違う、いる。押入の中】
ハルヒ(佐々木)【…押入…?】
長門【開けて。攻撃準備をする】
ハルヒ(佐々木)【いや、でも…】
長門【もしもの為。いい?】
ハルヒ(佐々木)【…うん、行くよ…せーの!】
佐々木「ひっ!!!あっ、あのっ、私っ、あ、えっと、えっと…長門…さん?」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 01:40:09.66 ID:UYRJlV1C0
佐々木「ひっ!!!あっ、あのっ、私っ、あ、えっと、えっと…長門…さん?」
ハルヒ(佐)「…涼宮さん…じゃない…?」
佐々木「あ、えっと、涼宮…さん?」
長門「…朝比奈みくる」
ハルヒ(佐)「…え?」
長門「この中にいるのは朝比奈みくる。涼宮ハルヒではない」
〜〜〜
ハルヒ(佐)「で、僕と同じように起きたら入れ替わっていて」
長門「怖くなって隠れていた。…らしいといえばらしい」
佐々木(み)「…ごめんなさい、えっと…あの、私何にもわからなくて」
長門「いい。私も把握できていないのだから、無理は無い」
ハルヒ(佐)「となると、次の手がかりは朝比奈さんの体、か。ちゃんと家で寝たよね、朝比奈さん?」
佐々木(み)「は、はいっ、もちろんでしゅっ!」
ハルヒ(佐)「あはは、びっくりしないでよ、冗談だよ、冗談」
長門「とりあえず着替えて、まずはそれから」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 01:46:38.76 ID:UYRJlV1C0
〜佐々木家前〜
佐々木(み)「遅れてごめんなさいっ」
ハルヒ(佐)「いや、大丈夫だよ?長門さん、反応は?」
長門「まだ。ただ今は朝比奈みくるの家に行くしかない」
佐々木(み)「…えっと…どっちに行けばいいんでしょう…」
ハルヒ(佐)「…長門さん」
長門「こっち。来て」
佐々木(み)「…ごめんなさい」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 01:49:17.18 ID:UYRJlV1C0
ハルヒ(佐「なんというか…妙な感じだ」
佐々木(み「あ、やっぱりそうですか?」
ハルヒ(佐「うん、なんか僕じゃないみたいだよ。こんなに女の子女の子してるとさ」
佐々木(み「あ、で、でも涼宮…佐々木さんも変な感じ…なんか、やっぱり美人だなあって」
ハルヒ(佐「(…なんか自分に言われると妙な感じだな…)朝比奈さんこそ、「すっきりしてて」肩、凝らないんじゃないかな?」
佐々木(み「あ、はい、とっても!…あ」
ハルヒ(佐「…」
佐々木(み「…」
長門「…」
………
現在の状況
体:中身
ハルヒ:佐々木
佐々木:みくる
長門:長門
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 01:56:50.88 ID:UYRJlV1C0
〜朝比奈家前〜
長門「到着。まだ朝比奈みくるの反応は無し」
ハルヒ(佐「でも行くしか無いね、手掛かりくらいはあるんじゃないかな」
佐々木(み「鍵も長門さんが開けてくれたしじゃあ…行きましょう」
ハルヒ(佐「人気はないね」
佐々木(み「あ」
ハルヒ(佐「どうしたんだい?」
佐々木(み「制服が無い…でも携帯電話はそのままあります!」
長門「恐らくそれが連絡が行き届いていない原因」
ハルヒ(佐「なら北高…でも今は制服じゃないし…」
長門「私が行く」
佐々木(み「そっか、長門さん今制服だから…」
長門「貴女達はここで待機していて、すぐに帰る」
ハルヒ(佐「わかった。気を付けて、長門さん」
長門「…(こくん」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 01:59:59.87 ID:UYRJlV1C0
〜20分後〜
佐々木(み「あ、メールです、…キョン君から!」
ハルヒ(佐「キョンから?文面は」
to:キョン君
help
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 02:08:28.51 ID:UYRJlV1C0
ああ、fromだな
/////////////
佐々木(み「…これ…」
ハルヒ(佐「…行ってくる!」
佐々木(み「ダメです佐々木さん、長門さんが待っているようにって!」
ハルヒ(佐「ここからすぐなんだろう、行くよ、僕なら大丈夫だ!」
佐々木(み「…どうしても行くんですか…?」
ハルヒ(佐「当たり前だ、また彼の反応が消えたら…」
佐々木(み「…なら、私が行きます」
ハルヒ(佐「…朝比奈さん…」
佐々木(み「私、さっきも役に立てなくて…今も長門さんみたいな能力も佐々木さんみたいな行動力も無いし…だから…行かせてください。私、頑張りますから!」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 02:10:39.75 ID:UYRJlV1C0
〜〜〜
ハルヒ(佐「…結局行かせてしまった…けど大丈夫だろうか…やっぱり僕が行くべきだったのかも…」
【聴こえる?】
ハルヒ(佐「長門さん?」
長門【そう。しかし、問題が生じた】
ハルヒ(佐「問題?」
長門【周防九曜、橘京子、藤原の生命反応が消えた】
ハルヒ(佐「そんな…それじゃ、今回の原因は天蓋領域じゃない…?」
長門【そう。「そちらの」朝比奈みくるは?】
ハルヒ(佐「それが…」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 02:16:11.20 ID:UYRJlV1C0
〜〜〜
長門【それは不味い、彼女を一人にさせたのは危険】
ハルヒ(佐「…すまない」
長門【朝比奈みくるは確保した。そのまま私が迎えに行く、貴女はそこで―】
ハルヒ(佐「…長門さん?」
長門【逃げてっ!!!】
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 02:18:21.55 ID:UYRJlV1C0
ハルヒ(佐「っ!長門さんっ!?」
長門【済まない、こちらの問題、貴女はそこにいて、動かな―】
ハルヒ(佐「長門さん?長門さんっ!?」
ハルヒ(佐「っ…どうすれば…北高…行く…べきか?」
〜(着信音)
ハルヒ(佐「自宅電話?もしもし?」
佐々木(み「あ、えっと、佐々木さんっ」
ハルヒ(佐「朝比奈さん、よかった、そこから絶対に動かないようにs」
佐々木(み「どうしよう…えっと…」
【誰呼んでるんだ!?来させるな、絶対に来させるな!】
佐々木(み「あ、ごっごめんなさいっ…」
ハルヒ(佐「彼の声ー朝比奈さん、一体…」
佐々木(み「あっ…あの、来ないでください、絶対来ないでっ!(ガチャ)」
ハルヒ(佐「朝比奈さ―朝比奈さんっ!」
ハルヒ(佐「クソっ…一体どうしたら…!」
A:長門の所へ向かう
B:みくるの所へ向かう
C:その場で待ち続ける
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/10(火) 02:20:44.91 ID:Htl1IkRj0
℃
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 02:22:52.84 ID:UYRJlV1C0
>>54
じゃあCで
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 02:25:19.14 ID:UYRJlV1C0
C:その場で待ち続ける
ハルヒ(佐「でも…長門さんですらどうしようもない相手にどう戦う?周防も、橘も、藤原もいない…朝比奈さんの体だって、確保できたままとは限らない…」
ハルヒ(佐「…待とう。朝比奈さんと長門さんを信じるしかない…」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 02:29:51.51 ID:UYRJlV1C0
〜数十分後〜
ドサッ
ハルヒ(佐「っ!…玄関…?」
ハルヒ(佐「敵…いや、誰かが倒れる音…長門さん!?」
ガチャ
ハルヒ(佐「…これは…朝比奈さん(の体)…?気を失ってる…」
ハルヒ(佐「握っているのは…長門さんのカーディガン…?とりあえず部屋に運ぼう…」
〜更に数十分〜
朝比奈「…ここは…」
ハルヒ(佐「一応、貴女の家。…貴女は誰」
朝比奈「涼宮さん…?」
ハルヒ(佐「中身は佐々木。貴女と同じように入れ替わったんだ。さあ、貴女は?」
朝比奈「…古泉です。古泉一樹。」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 02:35:17.57 ID:UYRJlV1C0
〜〜〜
朝比奈(古「成る程、そういうことですか。それで、朝比奈さんからの連絡は?」
ハルヒ(佐「まだない。こちらとしてはかなり心配なんだが…超能力は?」
朝比奈(古「まったくダメです。朝比奈さんのTPDDも恐らく同じでしょう」
ハルヒ(佐「そう…なら何故助かったんだい?敵は見えた?どんな姿だった、長門さんは!?」
朝比奈(古「落ち着いてください、佐々木さん。かなり衝撃が強かったみたいで…合流してからここに来るまでの記憶が欠落していて…でも、立って動くことくらいはできます。行きましょう、彼の家に」
ハルヒ(佐「ああ、無理はしないでくれ?」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 02:41:16.92 ID:UYRJlV1C0
〜キョンの家前〜
ハルヒ(佐「さあ…行こう」
朝比奈(古「ええ、朝比奈さんが無事ならいいんですが…」
ガチャ
佐々木(み「佐々木さんっ、なんでここに…ええっ…私!?」
朝比奈(古「正確には古泉です。古泉一樹」
佐々木(み「ええっ、古泉君が私…ですかぁ?」
朝比奈(古「ええ、朝気付いたらこの体になっていて…とりあえず北高に行って情報を集めようとしたんですが…」
佐々木(み「…私の真似、したんですか」
朝比奈(古「…ええ、まあ、精一杯」
佐々木(み「…着替えたんですよね、制服」
朝比奈(古「…目隠ししました、ちゃんと」
佐々木(み「…」
朝比奈(古「言わないでください、何も。不可抗力です。不可抗力」
ハルヒ(佐「(…どうしよう、僕も人のこと言えない…)」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 02:46:09.77 ID:UYRJlV1C0
ハルヒ(佐「そうだ、彼だ、朝比奈さん、どんな状況なんだい?」
佐々木(み「えっと…あの…あ、そうだ!古泉君、出番ですよ、出番っ!」
朝比奈(古「は、はいっ?」
佐々木(み「いいから行ってください、早くっ!」
朝比奈(古「は…はあ」
朝比奈(古「…あ、あの…キョン君…?」
キョン「…みk…あ、朝比奈さん?」
朝比奈(古「あ…えっと、中身は古泉なんです、入っても良いですか?」
キョン「古泉君っ!?よかった、すぐ入ってちょうだい!」
朝比奈(古「…えっと…あの、その口調、まさか…」
キョン「何よ、団長様の命令が聴けないっての!?」
朝比奈(古「…あの、男口調でお願いします、なんか…その…」
キョン(ハルヒ)「あ…ご、ごめん、つい…えっと、古泉、中、入れ!」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 02:49:44.65 ID:UYRJlV1C0
朝比奈(古「で…えっと、何があったんですか?」
キョン(ハ)「いや、えっと…起きたら、ってか「起こされたら」キョンになってて…それで、有希、えっと、長門から連絡があって行こうと思ったんだけど…」
朝比奈(古「けど?」
キョン(ハ「…着替えるの…恥ずかしくて…その、佐々木さん来てくれたけど…中身みくるちゃ…朝比奈さんでしょ?…ねえ、うん」
朝比奈(古「…目隠し、しましょう。僕もそうやって着替えたので…」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 02:56:18.40 ID:UYRJlV1C0
〜〜〜
キョン(ハ「よし、確認。今の所こうなってるわけ…だな」
意識:体
佐々木:涼宮
みくる:佐々木
古泉:みくる
涼宮:キョン
朝比奈(古「…残るは彼の意識と僕の体」
ハルヒ(佐「つまり、古泉君の体でキョンの意識なのがどこかにいる、と」
佐々木(み「ですね、でも【敵】の存在…どうしたら」
朝比奈(古「長門さんは…何かにやられたのか行方がわからない」
キョン(ハ「長門のケータイと連絡もつかない?」
佐々木(み「はい…まったく反応が無くて…」
キョン(ハ「とりあえずみんなで長門の家に行こう。とりあえずそれから。ひょっとしたら帰ってきてるかもしれないし」
ハルヒ(佐「だね。じゃあ…行こうか」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 03:12:16.78 ID:UYRJlV1C0
〜長門家〜
ハルヒ(佐「長門さんは無し、か」
朝比奈(古「彼の手掛かりも無し、ですね。僕の自宅にも、携帯にも連絡はしましたが反応はありません」
佐々木(み「…どん詰まり、ですね…」
キョン(ハ「あー、もう、キョンってばどこにいるのよ!」
佐々木(み「涼宮さん、女言葉に戻ってますよ!」
キョン(ハ「あ…ごめ…悪い。」
(着信音)
ハルヒ(佐「電話、キョンの携帯だ!」
キョン(ハ「もしもしっ!?」
長門「私」
ハルヒ(佐「長門さん!?心配した、今どこに」
長門「北高、軟禁状態」
ハルヒ(佐「北高に…軟禁?」
佐々木(み「この時間ならまだ部活、やってる最中ですよ?」
長門「とにかく北高前まで来て、話はそれから。」
121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 16:41:28.28 ID:UYRJlV1C0
〜北高前〜
キョン(ハ「…人気がまるでない…」
ハルヒ(佐「ああ…妙にしても妙だ…」
佐々木(み「…なんか怖いです…」
朝比奈(古「…入りますか?」
キョン(ハ「入るしか無いだろ、行くぞ」
ハルヒ(佐「中にも…誰も見当たらないね」
佐々木(み「どこにいるんでしょう…長門さん」
朝比奈(古「一部屋一部屋探すしかないですね、二手に分かれるのは危険ですし…」
キョン(ハ「みたいだな。とりあえず一階から行こう」
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 16:52:54.41 ID:UYRJlV1C0
〜side:ハルヒ(佐)〜
妙な感じだ。
人気は無いんだけれど、誰かに見られている。確実に。
天葢領域、機関、未来人、情報統合思念体…どれも違うとすれば「敵」は何者?
…ダメだ、考えれば考えるほどどうしようもなくなる。
一つ一つ整理しよう。
・起きたら体が入れ替わっていた
・全員の生命反応が一度消えた
・橘達は消えたまま
・長門さんは何かに捕まった
…待て。
「いいように進み過ぎて」いないか?
僕の家に行こうとしたところに「偶然」長門さんからメールが来て、
二人でいる時に「偶然」生命反応が消えて。
朝比奈さんがキョンの家に向かった時に「偶然」長門さんが捕らえられ、
四人が長門さんの自宅に戻ってきた時に「偶然」長門さんから連絡…
…本当に「生命反応は消えた?」
本当に「橘達は消えた?」
本当に「長門さんは彼と軟禁されている?」
「…朝比奈さん、僕の電話…貸してもらえるかな」
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 16:57:16.14 ID:UYRJlV1C0
〜〜〜
何を怖がってる?
そうだ、全て偶然。
長門さんのカーディガンがあったのも偶然だし、古泉君が戻ってくる前にキョンの家に行かなかったのも偶然。
偶然だ。そう、偶然。
なら何故この指は震えている?
何故橘に連絡しようとしている?
何故着信音の度にこの胸の鼓動が増してゆく?
なz「もしもし、橘です。佐々木さん、どうしました?」
罠だ、逃げろー
―僕の周りには、誰もいなかった。
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 17:03:28.79 ID:UYRJlV1C0
―僕の周りには、誰もいなかった。
いや、いる。
僕の後ろ、全てを見通されるような目、小柄な体。
なんだ。
バカみたい。
零れてから気付いた。
涙が零れている。
本当の敵は最初から僕の横にいたんだ。
本当の敵は「残念」
何かが弾ける音、体が熱くなって。
何かが流れる。温かい。
いや、冷たい。
膝から崩れ落ちた。
誰が?
僕が。
―痛い、寒い。
見上げたそこにいたのは―
ううん。
もう何も見えなかった。
もう、真っ暗で。
そこで僕の記憶は―
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 17:09:18.33 ID:UYRJlV1C0
〜side:キョン(ハ)〜
なんでこうなったの?
どうして?
なんで?
佐々木さん、ううん。「私の体の佐々木さん」が消えた。
突然佐々木さんが何か言ったような気がして、私達三人が振り返ると、誰もいなかった。
突然みくるちゃんの古泉君が何かに気付いたようで、先の階段を駆け上がって行って。
呆気にとられていた私とみくるちゃんが階段を駆け上がって行くと、もう二階には誰もいない。
もうわかっていたんだと思う。
認めたくないだけで。
みくるちゃんは気が動転して―声にならない声と涙を浮かべて、古泉君や佐々木さんの名前を呟いて。
走って、目の前の教室の中に逃げ込んでしまった。
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 17:15:38.79 ID:UYRJlV1C0
しばらくして。
我に返った。
横の水道の鏡を見ると、私はもうキョンじゃなかった。
元の「涼宮ハルヒ」に戻っていて。
でもそんなことはもうどうだっていい。
みくるちゃん、「いるよね」?
佐々木さんの体でもいい、元のみくるちゃんの体でもいい。
扉、開けるよ?
「いるよね」?
「そこで怯えているよね」?
わかってた。
誰もいないことも。
―元凶が誰かも。
131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 17:25:41.40 ID:UYRJlV1C0
何時間経ったろう。
ううん、外が夕焼けのままだから時間なんて経っていないのかもしれない。
死体を見た。
最初は佐々木さん。
次は古泉君。
みくるちゃん。
キョン。
廊下の端。
手に血が付いていた。
誰のかはわからない。
もう乾いていて黒く。
…いるんでしょ?
もうでてきてよ。
もういいよ。
殺してよ。
132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 17:28:07.67 ID:UYRJlV1C0
「…貴女が許せなかった」
「違う。彼が貴女に惹かれる事が許せなかった」
「エラーだということは理解していた。感情のエラーとして処理し続けた」
「彼への感情も」
「貴女への嫉妬も」
「それももう限界。自分で自分を制御できない」
「彼は私の暴走にいち早く気がついて、止めようとした」
「私の為だと言った。嘘。貴女との平穏を壊されるのが嫌なんだという真理が手に取るように見えた」
「そこで私の中の何かが壊れた。箍が外れた」
「手に入れられずに辛い想いを続けるなら…もう消してしまえ、と」
「何故だかはわからない。快感だった。壊す事で全て手に入れる事が出来たような気がして」
「―貴女を壊したくなった、徹底的に、どん底まで落として」
134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 17:30:38.52 ID:UYRJlV1C0
私の後ろから聞こえる声。
耳に入って、すぐ抜けてしまう。
…何故体を入れ替えたの?
「簡単な話、貴女は「不思議」と「スリル」を求めていた。そして、彼の事をもっと知りたがっていた。楽しかった?その分どん底まで落ちた時の絶望は深かった筈」
…佐々木さんを巻き込んだ理由は?
「彼女は思慮深い。洞察力と行動力がある。それは自他共に認める事実…良いリーダーになる。…操るには適任だった。まるでピエロ。滑稽で―ユニーク」
「それだけ?」
…もういい。
…殺してよ。
殺してよ、有希。
「じゃあ―死んで」
「な…長門さん、流石にそれはやり過ぎ…というか、言い過ぎなんじゃ…」
「構わない。強いショックを与えろと言ったのは貴女」
「た…確かに私はそう言ったけど…ここまでやれとは…ほら、朝比奈さんも気絶してないで、重い…胸が」
138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 17:37:00.80 ID:UYRJlV1C0
〜side:佐々木(佐)〜
ええと…どこから話すべきだろうか。
金曜から?
土曜の朝から?
それとも…今うなされてる涼宮さんの事を話すべきかな?
順に?
わかった。じゃあまず事の発端からかな?
でも私は北高内での事はわからないから…長門さん…いいかな?
139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 17:40:26.72 ID:UYRJlV1C0
〜Side:長門〜
了解した。
金曜日、文芸部室での事。
ここ数週間、涼宮ハルヒの精神状態は観測史上稀に見る程安定していた。
理由は簡単。
テスト週間。
「勉強」の理由に託つけて彼の家に入り浸っていたから。
…表現が粗野になった、ごめんなさい。
当然、その反動というのは大きい物で。
涼宮ハルヒのフラストレーションは久々に上昇。
が、以前苛立ち故に朝比奈みくるに辛辣にあたった事を彼に咎められて以来なんとか感情の高まりを自消させるように努力していた涼宮ハルヒは読書に勤しもうと私に本を貸すよう頼んだ。
…その時に本棚から渡した本。
迂闊だった。
142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 17:45:11.17 ID:UYRJlV1C0
重ねて言う。本当に迂闊だった。
愛する二人の人格が入れ替わってしまう小説。
一通り読み終えた彼女はぼそりと呟いた。
「…みんなの性格が入れ替わったら面白いのになあ…」
空気が凍った。
…ここだけの話だが、かなり焦った。
そして土曜日の校外活動、午後に繋がる。
午後の組み合わせは彼と涼宮ハルヒ二人。そして私達。
…勘違いしないで。妬いてはいない。…何故笑うの?
すぐに喫茶店に入って昨日の問題について話し合っていた。
…そこに貴女が偶然に来た。
148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 17:58:44.21 ID:UYRJlV1C0
〜side:佐々木〜
成る程ね。
僕が買い物帰りに休もうとして喫茶店に入ったら君たちがいて、何やら神妙そうな顔していたからね。
話を聞いたらかなり大変な事になっていたね。
超パワーで地球人全ての性格を入れ替えかねない、そうしたら流石に対処できない。それはそうだ。
…まあ、僕もここで迂闊な事を言ったんだけど。
「なら、性格が変わる事にトラウマを持たせればいいんじゃないかい?例えば、そういう夢を見せるとか…なんてね」
156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 18:09:31.00 ID:UYRJlV1C0
結局
・涼宮ハルヒに長門さんが作った夢を見せる
・夢の中での影響で現れる神人については情報統合思念体が引き受ける
・夢の内容は即時記憶操作により消去して翌朝には「人格が変わる夢」「なんだか怖かった、嫌だ」という記憶のみが残る
・ただし、夢の操作と神人の転送は情報統合思念体も対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースも試した事が無いので遠隔的に行う事は出来ない、少なくとも涼宮さんの家の前、できれば涼宮さんの部屋のなかで行う必要がある
なんて結論にたどり着いたわけだね。
そして土曜の夜。不可視フィルターに包まれた僕たち(古泉君は涼宮家前で待機。レディーの部屋には入る訳にはいかないんだそうだよ)は涼宮さんの寝室に忍び込んで、作戦開始という訳だ。
まあ、僕も発案者の責任はあるからね、とりあえず着いて来た。
さて、三つ目の迂闊はここ。
「長門さんに任せ過ぎた」。
160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 18:19:34.02 ID:UYRJlV1C0
「長門さんに任せ過ぎた」。
…長門さんはいまいち把握していないというか、まあ…把握はしてるんだろうけど、「理解を間違えた」というか…
うん、わかった。言おう。
やり過ぎだよ、長門さん。
夢の内容を僕らに見せてくれたのは良いけど、これはやり過ぎというか…その、結構グロテスクというか…絶望的すぎやしないかな?
演算に時間が掛かりすぎたみたいでシナリオも結構突貫工事だったかな、色々現実と違う。
僕が書いた方がよかったかな、やっぱり。
「見張り、頑張りますっ」なんて言ってた朝比奈さんは真っ先に気絶してしまうし…その、僕もあまりこういうのは…
…長門さん、あの時うなされてる涼宮さんを見て随分楽しそうだったね。…ジェラシ「断じて違う、別に日頃彼と仲良くしているのが癇に障る訳では無い」
ふふ、随分人間らしくなったんじゃないかな、長門さん。
九曜も見習って欲しい…かな。
162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 18:22:09.88 ID:UYRJlV1C0
〜明け方、機関の車の中〜
佐々木「実をいうと、着いてきた理由は他にもあるんだ」
古泉「他にも、ですか?」
佐々木「うん。…SOS団に入りたかった、っていうのかな。もっと非現実の世界に浸ってみたかったのかもしれない」
古泉「佐々木さん…失礼ですが」
佐々木「ん?」
古泉「涼宮さんに妬いているのでは?時に学生らしく遊び、時に非現実の中で冒険をし…彼の側にいる。自分が世界の全てを動かす能力を持ちながら、それに気付かず、日々を足掻く。言葉にすると辛い印象になりますね、結構」
佐々木「ふふっ…かも、しれないね」
朝日が昇る。
右肩には気絶したままの朝比奈さん。
左肩には熱くなりすぎた結果オーバーヒートして寝てしまった長門さん。
両肩に華…なんてね。
まあ、こんなのもたまにはいいかもしれないと思えた、冬のとある日曜日の朝。
そうそう。
後々電話で知ったんだけど、彼の日曜日は突然押し掛けてきた涼宮さんの「構って」で丸つぶれだったそうだ。
少し妬いたのは、ここだけの秘密。
…Fin…
167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 18:26:56.59 ID:UYRJlV1C0
ふぃー
プロット通りに作るの難しい
175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/10(火) 18:53:08.95 ID:UYRJlV1C0
ハルヒ(佐「…(ふにふに)」
ハルヒ(佐「…意外に…あるんだなあ…涼宮さん…(ふにふに)」
ハルヒ(佐「…(なんだろ…体が熱い…)」
ハルヒ(佐「ふあっ…」
ハルヒ(佐「…(なんだ今の声…うぁ…)」
続かない