長門「…パーソナルネーム、朝倉涼子の属性情報を変換」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 21:35:37.77 ID:ZXiX4Xxe0

朝倉「あーあ、私の負けかぁ。涼宮さんとお幸せにね、キョンくん」ニコッ

………

……



朝倉「…あ、あれ?にゃんで私消えてにゃいのかしら…」

朝倉「…にゃっ!?」

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 21:40:57.32 ID:ZXiX4Xxe0

朝倉「…にゃんか、喋り方が…」

キョン「…おい、朝倉…耳が…」

朝倉「え?」

サワッ

朝倉「…ッ!?み、耳が…ネコミミににゃってるっ!?」

長門「…朝倉涼子をネコミミモードに属性変換した」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 21:42:42.70 ID:ZXiX4Xxe0

朝倉「にゃ、にゃんで…こんにゃことを…」

フリフリ

キョン「…おい、朝倉…そのスカートから出ているものはなんだ?」

朝倉「…え?」

フリフリ

朝倉「…しっぽ、かしら…」

朝倉「ええええええええええっ!!!?」

長門「…オプションでしっぽも付けた」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 21:44:35.46 ID:ZXiX4Xxe0

朝倉「う、うそ…」

長門「…嘘ではない、アナタは今、ネコミミとネコしっぽを手に入れた」

朝倉「そんにゃもの、欲しくないわよ!」

キョン「…おい、朝倉」

朝倉「今度はにゃによ!?」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 21:47:40.16 ID:ZXiX4Xxe0

キョン「…可愛いぞ」

朝倉「…にゃっ!?」

長門「…そう、今のあなたは可愛い、抱きしめたい」

朝倉「…にゃ、にゃがとさんまで…にゃに言ってるのよ!元に戻してよ!」

フリフリ

キョン「…そう言いつつ、しっぽはしっかりと振られているな」

朝倉「…ハッ!?」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 21:50:24.29 ID:ZXiX4Xxe0

朝倉「…こ、これは…」

長門「…これを」スッ

キョン「…なるほど、まかせろ」

朝倉「…こ、今度はにゃによ?」

キョン「…ほーれ、朝倉、猫じゃらしだぞー」

朝倉「ッ!?…ふ、ふふん、そ、そんにゃものに釣られるわけにゃいじゃなーい」

タタタッ

テシッ テシッ

キョン「…目がうっとりしているぞ」

朝倉「…ハッ!?」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 21:53:41.24 ID:ZXiX4Xxe0

朝倉「これは…か、体が勝手に…!」

テシッ テシッ

キョン「ほーれ、ほーれ」

長門「…てい」

コロコロ

朝倉「…ッ!?んにゃあっ!」ダダッ

コロコロ コロコロ

キョン「…ボールで遊んでる…」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/12(月) 22:04:15.49 ID:ZXiX4Xxe0

勢いで立ててみたけど続きが思いつかなかった

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 22:22:48.18 ID:3WiaENMq0

少しでいいなら続きをかくよ

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 22:27:08.81 ID:3WiaENMq0

たった今俺を刺し殺そうとしたこの学級委員長も、こうなってしまえばかわいいもんだ。
もちろん文字通りの意味で。

元来俺は動物が嫌いな方じゃないし……、あー、そもそもこいつは動物なのか?
いや、人間も動物であることは間違いないんだがそういう意味じゃなくてだな。
ん?こいつ宇宙人なんだっけ?あ、そういや人じゃなかった。宇宙猫?

「属性情報が変更されただけ。彼女は今も対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェース」

悲しいほどに無意味な迷宮に陥りかけていた俺を、静かな声が現実に引き戻した。
長門はその透き通った見透かすような目で朝倉を見ている。
ちなみにその視線の先で、朝倉は右手……だったのだが今は右前足と化しているそれでボールをいじっていた。

にゃあにゃあ言ってるよ。
……癒されるなぁ。

と、突然教室の扉が開いた。
そこには――

誰が来た?>>55

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 22:29:21.02 ID:Io341zO60

無難に谷口

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 22:35:24.61 ID:3WiaENMq0

そこには谷口がいた。

「うぃーっす。WAWAWA忘れ物……」

現在、長門が再構成を施してくれたおかげで辺りは元の景観を取り戻している。
茜色に染め上げられた教室。友人が立っている横で少女が倒れ、
そして学級委員長が床に伏せってボールで遊んでいる。

なんともシュールな光景だ。

「……え?」

うん、え?ってなるのもわかるさ。同じ状況に出くわせば俺でもそうなるだろう。
だがこれは俺にもよく分からん力が行使された結果なんだよ。
だからその可愛そうな集団を見るような目つきを止めるんだ谷口。

「キョン、お前……」

まずい。何か言い訳をせねばなるまい。


なんと言い訳する?

>>59

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 22:36:37.18 ID:YSLoloDhO

言い訳せず谷口をころす朝倉

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 22:51:48.65 ID:3WiaENMq0

「ああ、谷口。落ち着け。な?」

諭すように谷口に声をかける。
だが、落ち着けるべき相手は他にいた。

「あ、にゃ、にゃあああああ!!」

職員室まで響いたんじゃないかと思うくらいの叫び声を上げて、朝倉が動く。
すぐあとに、ガシャーンという大きな音が聞こえ、俺は体をこわばらせる。
何が起きたのか分かるまで数秒かかった。

朝倉が立ち上がっている。ボールが無い。谷口もいない。
そして俺は、その数秒の間に逃げ出しておかなかったことを後悔することになる。

「あ、朝倉……?」

簡単に言えば、朝倉は今の今まで遊具にしていた小さなボールを谷口に投げつけていたのだった。
猫になってもあの反則的パワーは衰えていないらしい。
哀れ谷口は……どうなったのやら知りたくも無い。
それにしても俺の友人を……どうしてくれるんだ。

「おい朝倉、お前なんてことを……」
「は、恥ずかしかったから……」

そんな理由で?ふざけてるのか?

「……にゃ、にゃん♪」


――かわいいは正義。

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 22:52:29.49 ID:3WiaENMq0

いつまでもここにとどまっているわけにもいかない。
しかたないので俺とりあえず、朝倉を連れて――

1:長門のマンションに向かった。
2:自分の家に帰ることにした。

>>73

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 22:54:31.01 ID:YSLoloDhO

谷口にザオリク

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 23:06:43.55 ID:3WiaENMq0

しかたないので俺はとりあえず、朝倉を連れて谷口の蘇生を試みた。
といっても蘇るべき死体が無い。

「ザオリク!ザオリク!」

気が動転して思わず某ゲームの呪文を何度も叫ぶ。
しかしどうやらMPが足りないようだ。現実は非情である。

ここでふと気づく。今の衝撃的な事件で目がいっていなかったが、
朝倉は体が大分小さくなっていて、なんというか……つまりいわゆる普通の猫サイズになっていた。
朝倉の容姿に加えて猫耳、猫語(?)、猫サイズ。簡潔に言おう。究極生命体である。
……ってそんな場合じゃねぇ。

「長門、谷口のことなんだが……」
「大丈夫。情報操作は得意。彼は転校したことにする」

そうじゃなくてだな。

「冗談。ザオリクは得意。彼はなんとなさけない!」

朝倉が猫になったことよりも数倍大きな属性変更が行われているように思われたが、
ここであえてスルーを選ぶ自分の冷静さに我ながら感嘆する。

「にゃがとさん?ドラクエ好きにゃの?」
「ドラクエは人生。FFは神話」

おい、俺がせっかくスルーしたのに。

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 23:07:26.59 ID:3WiaENMq0

ひと段落着いたところで、俺は朝倉を連れて――

1:長門のマンションに向かった。
2:自分の家に帰ることにした。

>>85

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 23:09:32.90 ID:TXw1e9lXO



92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 23:32:38.22 ID:3WiaENMq0

ひと段落着いたところで、俺は朝倉を連れて長門のマンションに向かうことにした。
長門によれば、谷口はあとで情報操作で復活させてくれるみたいだしな。

「情報操作ではない。ザオリク」

いやそれはどうなんだ。
お前さっき自分で『属性情報を変換』とかいってただろ。

「さっきのも本当は属性情報の変換ではない。あれはモシャス」

そうかわかった。もうそれでいい。


春だというのに空気はいやに冷えていて、二ヶ月ほど前に終わりを告げた冬が、
今日だけその勢力を取り戻しているかのようだった。
なんやかんやですっかりおりてしまった夜の帳の中を、三人で……、
いや、二人と一匹で並んで行く。

ちなみに朝倉はというと、四足歩行をしていないことと見た目以外はもう猫そのものだった。
時折振られる尻尾は、普通の猫にしては少々豊かで、なんともさわり心地がよさそうだ。

「にゃがとさん、にゃがとさん、元に戻して欲しいにゃん」

ついに語尾に『にゃん』までつけ始めた。
まさかキャラ作りじゃないよな?

「わ、わたしだってこんな喋り方したくにゃいにゃん!でもなぜかこうなってしまうにゃん!」

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 23:33:39.68 ID:3WiaENMq0

「これは罰。しばらく再変換……もとい、モシャスはしない」

長門に冷たく言い放たれる。朝倉は、

「にゅぅ〜」

ああ、困ってる朝倉もかわいいなぁ。
そんな思いを春風にのせつつ、俺は歩き続ける。

「あと、さっきのはにゃしの続きだけど、
 私のキャラはもう確立されているからいいにゃん。学級委員長としてにょね」

今じゃクラスのマスコットがいいところだな。
飼育委員でも作るか?
つーか結局キャラ作ってんじゃねーか。

「い、いじわるしにゃいでほしいにゃん!」

必死な朝倉もかわいいなぁ。そんな風にまた思いを馳せていると、

「そうだ!」

いきなり朝倉が叫んだ。

「途中で>>に寄ってほしいにゃん」

1:コンビニ
2:ペットショップ

>>98

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 23:36:39.71 ID:1MwsjeCW0

1

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 23:49:12.45 ID:3WiaENMq0

「途中でコンビニに寄ってほしいにゃん」

かわいらしい両耳をぴくぴくと動かしながら、朝倉はこちらに顔を向けて言った。

「なんでだ?」
「おなかがすいたにゃん。エ……、食べ物が欲しいにゃん」

エサと言いそうになるのをやっとのことでこらえたらしい。
ここまできたならもうそんな安っぽいプライドなんて捨てちまったらどうだ?

「いやにゃん!人の心を忘れたらおしまいにゃにょにゃん!」

いやお前人じゃねーだろ。
しかも『にゃにょにゃん』ってな行が多すぎてもはや日本語の体を
なしてねーじゃねーかっていうかつまり何が言いたいかというとかわいいなぁ。


コンビニにこの謎の生命体を連れて入るわけにも行かないので、
長門と共に外に待たせておくことにした。
一人コンビニに入り、俺は逡巡する。

さて、エサ以外にも何かかってやろーかなー。


何を買う?

>>107
>>109
>>111

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 23:51:13.65 ID:uMehhFM10

ワイン

109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/12(月) 23:51:17.37 ID:4BdFDVYK0

イボ付近藤さん

111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/12(月) 23:51:51.79 ID:4BdFDVYK0

スマイル

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 00:14:00.62 ID:5m9NDkqL0

景気付けに酒でもいくか。
でも俺日本酒嫌いなんだよな。ここは一つ、おしゃれにワインといこう。
え?別におしゃれじゃない?黙れ。安価は絶対だ。

ククク……さて、猫はまたたびをかぐと酩酊するというが、ワインではどうなんだろうな。

あとは……と。
お、いいものを見つけてしまったよ。これはこれは……俗に言うムサシではないか。
コジロウはいないがニャースはいるぜ。買いだな、うん。

さて、エサも買ってと……さあ清算だな。あれ?あの店員……。

「あれ?キョンじゃないか。こんなところで何してるの?」

国木田よ。商品を持ってレジの前にいる客がすることなんて一つだろう?
ところでお前こそなんでここに?

「高校に無事入れたし、これを機にバイトすることにしたんだ」
「そうなのか。ちょうど良かった。実は酒が欲しいんだよ。ここは見逃してくれ」
「お酒は見逃してもいいけど……これは何につかうのかな?」

……あっ、ムサシ!

123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 00:15:26.16 ID:5m9NDkqL0

うかつ……。知り合いだからこそ買えるものと知り合いだからこそ買いづらいものが
入り混じっているということを忘れていたぜ。

「ああ、そうか。こういうものを買う客がすることも一つだよね」

清算を行いながら国木田が言う。

「え、ああそうなんだよ。俺のニャースがさびしがっててな」
「え……」

国木田は俺が何かをニャースと例えていると勘違いしたらしい。
すがすがしいほどに引いている。
となりでは買い物客らしき女性が、明らかにかわいそうなものを見るような目つきで俺を見ている。

「おいおいそんなに引くなよ。笑って笑って!」

カメラマンのようなセリフで笑うよう促す。国木田は曖昧に笑って俺に袋を押し付けた。
これ以上ここにいるとポリスマンを呼ばれそうなので、ここらで退散することにしよう。

外に出る。
待たせていた場所に目をやると、そこには長門だけがたたずんでいた。

「おい、朝倉はどうしたんだ?」
「彼女は――」

どうなった?

>>128

128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 00:18:53.19 ID:kS8u+ecB0

長門に食べられた

134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 00:33:14.41 ID:5m9NDkqL0

「彼女はわたしが食べた」
「な……」

衝撃の宣告が、俺の頭を貫いた。
長門が朝倉を……食べた?

「おいおい、意味が分からない。なんでそんなことをした?」

先ほどよりもさらに冷えた風があざ笑うかのように頬を撫でたが、
そんなことは谷口に聞かされるナンパ体験談よりもどうでもいいことだった。

まるで毎日手入れを怠っていないかのような艶を以ってして輝く豊かな尻尾。
時折動く、見るものを思わず和ませるふっくらとした小さな耳。
古代ギリシアの詩人達の奏でるうたの数々のごとき洗練された猫語。
今まで一回も触れてなかったけどやっぱり忘れてはならない眉毛。

殺されそうになるという恐怖と偶然から得られた究極生命体が消えたとなれば、
その損失は世界にとって余りに大きい。

風が暴れる。木の葉が枯れる。地震が起こる。津波が寄せる。
砂漠が広がる。経済が崩れる。戦争が始まる。俺が泣く。

「どういうことだ。説明しろ長門!!」

気づけば俺は、長門の小さな肩を両手でつかんで激しく揺さぶっていた。

135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 00:34:03.77 ID:5m9NDkqL0

「……すまん」

少し冷静さを取り戻しす。

「だが事情を聞かせてくれないか」
「それは――」


>>139

136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 00:36:12.53 ID:Hs57mg/E0

スク水を装備するため

139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 00:38:36.50 ID:Hs57mg/E0

>>136

144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 00:54:19.91 ID:5m9NDkqL0

「それは、スクール水着を装備するため」

……?
三点リーダーにクエスチョンマークを添える。
今長門はなんと言った?スク水?そのために朝倉を食べた?Why?なぜ?

「スクール水着
 (スク水から転送)
 (スクールみずぎ)とは、日本の小学校から高等学校までの体育教育における水泳用に使われている
 水泳着(水着)を指す俗称である。一部では「スク水」(スクみず)と略されることもある」

こんなところで情報分析能力を発揮するんじゃない。

「これは情報分析能力ではない。ライブラ」

それ、FFだぞ。

「……うかつ。とにかく、わたしはスクール水着を装備したかった。武器・防具は持っているだけではダメ。
 装備しなければ意味が無い」

どこの武器屋のおっさんだ。
そんなことより朝倉を食べることとの関連性を教えてくれ。

「彼女のプロポーションはわたしよりも……ずっといい。猫になっても基本構成情報は一緒。
 彼女を吸収すれば、わたしは彼女と同じような体型を手に入れられると考えた。
 しかしバックアップといえど、普段の彼女を吸収することなどわたしにはできない。
 彼女を吸収するにはまず彼女を弱体化させる必要があった」

壮大でくだらない計画の全貌が明らかになっていく。

147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 01:06:59.32 ID:5m9NDkqL0

「計画は綿密に練った。彼女の所属派閥である情報統合思念体の強硬派に働きかけて
 彼女にあなたを殺すようけしかけさせ、ギリギリのところでわたしが間にとびこむ。あなたを殺すことに
 集中している彼女は、わたしが彼女に弱体化因子を仕込んだことに気づけない」
「ちょっと待ってくれ。弱体化因子だと?属性情報の……あーいや、モシャスじゃなかったのか?」

ここは長門流にあわせておく。それにしても情報を猫に書き換えたのはなぜなんだ。

「実際は吸収できる程度に弱体化させられればなんでも良かった。しかし朝倉涼子はあなたを殺そうとした。
 ゆえに、あなたは彼女を抹殺処理するようわたしに頼むと考えた。吸収するには完全に消失されては困る。
 つまりザキを使うわけにはいかない」

消失ならザキ系よりニフラムのほうが……いや、朝倉はアンデッドじゃないしそんなことはどうでもいいか。

「あなたに朝倉涼子の抹殺処理をあきらめさせる方法は一つ。あなたが消したくないとおもうような存在に
 朝倉涼子を変えてしまえばいい」
「で、なんで猫なんだ?」

まさかとは思うが……。

「朝比奈みくるの様々なコスチュームプレイにもあなたは普通の男子学生程度の反応しかしなかった。
 消したくないと思わせるにはもっと強力な理由が必要。そしてわたしは知っている。
 あなたはメイドでもナースでもなく、猫耳萌え」

馬鹿な……これは……ライブラ!?

151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 01:18:07.47 ID:5m9NDkqL0

確かに朝倉のかわいさに心を奪われていた俺は、
さっきまで朝倉に殺されかけていたというのにのんきに下校まで一緒にしてしまった。

「じゃあ谷口が現れたのは……」
「あれは想定外。朝倉涼子がなんらかの対処をするとは考えていたが、
 まさか消し去ってしまうとは思わなかった」

長門にも行動が予測出来ない男、谷口。ある意味大物かもしれん。

「しばらく一緒に行動を共にしていたのは……」
「あなたと別れる機会を待っていた。あなたの前でこの朝倉涼子を吸収すれば、
 あなたは殺さかけるよりも深い心的外傷ストレスを負うことになる」

たしかに長門がにゃんにゃん言ってる朝倉を容赦なく喰らい尽くす光景は見たくない。

「幸運なことに、朝倉涼子自らそのチャンスを与えてくれた。
 わたしはあなたがコンビニに入った後、速やかにことを実行した。
 そして今こそ、その成果が現れるとき」

突如、長門の体がバイーンとなる。
それはもうバイーンとだ。

「そしていざ、装備」

どこから取り出したのか、長門はスク水を着始める。
目の前で裸を晒されているにもかかわらず、俺は不思議と落ち着いていた。
徐々にスク水を纏っていく長門の肢体は、官能を通り越してもはや芸術の域に達していた。

しかし……。

153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 01:26:02.09 ID:5m9NDkqL0

「これこそ究極の美」

普段の液体ヘリウムのような目に、今は明るい光が宿っていた。
それは美を究極的な位置にまで昇華したもののみが得られる光だったのかもしれない。

だがしかし、だ。

「長門」
「なに?」

首を傾げて俺を見る。

「……他人を殺して食う飯はうまいか」
「!!」

長門の顔にかすかな影がさす。

「仲間を食って美を得て本当に嬉しいのかって聞いてるんだよ!」

俺は吠える。
いなくなった朝倉。目の前の長門。
融合と吸収。犠牲と昇華。芸術には常に変遷がつきものだ。
だけどよ……。

「お前が欲しかった美しさは……そんなものじゃなかったはずだ!」

なおも俺は猛る。
ちなみに覚えておいでだろうか。実はここ、コンビニ前なのである。

155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 01:38:49.24 ID:5m9NDkqL0

「長門、お前はどうして朝倉のプロポーションになりたいと思ったんだ?」
「それは……それが綺麗だったから」

そうなんだ。長門。そうなんだよ。

「そう、それが『うらやましい』って感情だ。『憧れ』だ。
 お前は知らないうちに、自律進化の鍵を手に入れていたんだよ」
「……!!!それが……『最後の鍵』……」

いやそれは違うんだけどな。

「とにかくお前はさ、立派に『感情』ってやつを持ち始めているんだよ」
「感情……」

長門はしばらく考え込むように顔を下に向けた後、静かにこう言った。

「……ごめんなさい」

まったく、今日はめったに見れない長門の一面が見れまくる日だな。


そうなんだよ長門。お前は――。

157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 01:51:35.49 ID:5m9NDkqL0

――その後のことを少しだけ語ろう。

そのあと俺たちは長門の家に一緒に向かい、そこで長門は朝倉の再構成申請を行った。
朝倉はちゃんと戻ってこれたよ。自分が猫になっていたことをすごく恥ずかしがっていたけどな。

朝倉はその後も普通に登校を続けることになった。
ちなみに長門がおとがめなしなのは、俺が長門を通して親玉に頼んだからだ。
条件?ああ、こっそり携帯でとっといた写真一枚ですんだよ。誰のとは言わないがな。
あと長門の体型も元に戻った。これからは自分の力で美を追求していくってさ。
ところでどうして情報統合思念体がお前に情報再構成させないのかを
考えると……いや、これ以上は言わないでおこう。

つくづく思うのだが、猫の状態の朝倉をハルヒに見られなくて本当に良かった。
あんな姿を見られたら、即座にSOS団に入れられていただろうからな。

ああそうそう、谷口も晴れて学校に復帰した。といっても一時的に消えてしまっていたことなど
まわりも本人も知らないのだが。


そして俺は今、駅前のいつもの集合場所にいる。不思議探索だというのに、
古泉と朝比奈さんどころか言いだしっぺのハルヒにまで急用が出来たらしい。
そういうわけで俺は、一人長門を待っている。

長門の顔が横断歩道の向こうに見える。
表情に、光は無いが陰りも無い。
長門のおごりなど珍しいにもほどがあるが、せっかくの機会なのでありがたく与ることにしよう。

158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 01:53:59.73 ID:5m9NDkqL0

そのときには、俺はいろいろなことを話してやろうと思っている。
SOS団の活動、文芸部の活動、最近読んだ本についてなどなど。

でも、一番最初に話すことは決まっているんだ。
そう、『感情』、その大切さ。
これからあの顔に少しずつ、『感情』という光が宿ってくれればそれだけでいいと、俺は思っている。












なんてのはうそぴょんで、朝倉をもう一度猫にしてくれるように頼もうと、俺は思っている。





160 名前: ◆Mene.OWFJw [] 投稿日:2009/01/13(火) 01:56:42.49 ID:5m9NDkqL0

おかしいな…こんな風になる予定ではなかったんだけど…
安価は久々にやったけどなかなかカオスで書いてるのは面白かったです

結局回収できなかった安価もあるけど許してくれ

こんな時間までお付き合いありがとう

165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 02:03:22.01 ID:5m9NDkqL0

>>161
一番最近に書いたのは『ハルヒがクリスマスに不満のようです』
あとは『キョン「ハルヒに暇を出された」 』とか



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