95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/12/26(金) 01:37:35.48 ID:pQQzEOfUO
長門 「……良い子にしてたのにプレゼントを貰えなかった」
キョン「は?」
長門 「良い子のところにはサンタクロースが来てくれると聞いた。
だから良い子にしてた」
キョン「あー…いや、あれはだな…」
長門 「きっと私が人間じゃないから、サンタクロースも来なかった」
キョン「……」
長門 「プレゼント…」
キョン(純粋なだけに可哀想にも程があるな…)
キョン「ちょっと待ってろ」
長門 「……?」
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/12/26(金) 01:44:30.95 ID:pQQzEOfUO
キョン(えっと、普通の家庭ならサンタは父親ってのが正体なわけだが…
あいつの場合は……情報統合思念体か?)
キョン「だとすりゃ、あの人だな」
みくる「キョン君、どうかしたんですか?」
キョン「喜緑さん知りませんか?」
みくる「喜緑さんに用事なんて珍しいですね?」
キョン「ええ、ちょっと長門の事で相談が…」
みくる「そうですか…少しここで待っててね」
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/12/26(金) 01:57:30.67 ID:pQQzEOfUO
喜緑 「――プレゼント…ですか?」
キョン「ええ。貴女の親玉から、長門へのプレゼントを貰えませんか?」
喜緑 「えっと、彼らは親と言うより仲間と言うか、私達と同等の存在
と言うべきでしょうか?」
キョン「親ってわけではないんですか?」
喜緑 「生み出されたという点だけを見れば、確かに親なのかもしれま
せんね」
キョン「じゃあ…」
喜緑 「しかし、有機生命体にとっての常識が通用するとは言えません」
キョン「まぁ、宇宙人ですしね」
喜緑 「ですが、彼女に有機生命体の様な感情が生まれたのは、私的に
喜ばしいことだと思います」
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/12/26(金) 02:03:22.88 ID:pQQzEOfUO
キョン「はあ…」
喜緑 「彼らからの贈り物には期待できませんが、現場の私達になら、
貴方と彼女の望みが叶えられるでしょう」
キョン「えっと、つまり…」
喜緑 「私達からプレゼントを渡せばいいんですよ」
キョン「サンタクロースの代わりに?」
喜緑 「むしろ、貴方が彼女のサンタクロースになるべきだと思います」
キョン「……一日遅れでも大丈夫ですかね?」
喜緑 「きっと喜びますよ」
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/12/26(金) 02:08:24.05 ID:pQQzEOfUO
キョン「うーん…」
ハルヒ「なに唸ってるのよ?」
キョン「ん?ああ、ハルヒか。まだ帰ってなかったのか?」
ハルヒ「悪い?」
キョン「いや…うん。ちょうどいいな」
ハルヒ「何がよ?」
キョン「付き合ってくれるか?」
ハルヒ「は!?ちょっ、急に何言い出してんのよ!?」
キョン「やっぱダメか?」
ハルヒ「ダメってことはないけど…その…」
キョン「じゃ、ちょっと来てくれ」
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/12/26(金) 02:16:20.15 ID:pQQzEOfUO
ハルヒ「な、なによ校舎裏になんか連れてきて」
キョン「実はな…」
キョン「――ってな話になった」
ハルヒ「……」
キョン「どうした?そんな不審者を見る様な目をして」
ハルヒ「べつに…」
キョン「うん?まあいい。それでだ、長門のプレゼントには何がいいと
思う?」
ハルヒ「そうね…やっぱり本じゃないかしら?」
キョン「本…っても、図書館に行けば解決しそうだしな…」
ハルヒ「ならぬいぐるみ?」
キョン「長門にぬいぐるみってのもシュールだな」
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/12/26(金) 02:24:47.46 ID:pQQzEOfUO
ハルヒ「否定ばっかりしてないで、あんたも考えなさいよ!」
キョン「いや、流石に俺でもあいつが満足しそうな品は思いつかん」
ハルヒ「有希についての知識なんて似たり寄ったりなんだから私だって
思いつかないわよ」
キョン「そりゃそうか……なら、さり気なく欲しい物を聞いてみてくれ
ないか?」
ハルヒ「私が?」
キョン「俺が聞いたら怪しいだろ」
ハルヒ「私が聞いても同じじゃないの?」
キョン「俺は直接長門に聞いちまってるからな。素知らぬ顔でお前に聞
いてほしい」
ハルヒ「はぁ…ま、団員のためだしね」
キョン「長門はまだ部室にいるから。…ありがとな」
ハルヒ「あ、あんたのためじゃないんだからねっ!」
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/12/26(金) 02:30:12.23 ID:pQQzEOfUO
キョン「――どうだった?」
ハルヒ「特に無いって」
キョン「そりゃまた困った回答だな…」
ハルヒ「……ねぇ」
キョン「ん?」
ハルヒ「何でもいいんじゃない?」
キョン「んな適当な…」
ハルヒ「どうでもいいわけじゃないわよ」
キョン「ならなんだってんだ?」
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/12/26(金) 02:40:12.39 ID:pQQzEOfUO
ハルヒ「福袋ってあるじゃない?」
キョン「唐突だな」
ハルヒ「開けて見るまで何が入ってるか分からない。開ける瞬間は高揚
感でいっぱいよ」
キョン「確かに、ドキドキするな」
ハルヒ「それと同じだと思うのよ」
キョン「…何を貰えたのかって期待感?」
ハルヒ「そ!物によってはガッカリするかもしれないけど、やっぱり貰
えたっていう事実は残るわけじゃない?」
キョン「つまり、気分の問題か」
ハルヒ「きっと、あの子ならなんだって喜ぶわよ」
キョン「そっか…そうだな。やっぱり団長様は頼りになるな」
ハルヒ「とーぜん!」
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/12/26(金) 02:47:53.96 ID:pQQzEOfUO
キョン「――さて、長門はハルヒに言って帰らせてもらったし、もう
一度喜緑さんに会わないとな」
喜緑 「私が渡すんですか?」
キョン「と言うより、夜中にでも長門の部屋にプレゼントを置いてほし
いんです」
喜緑 「貴方の手から渡さなくても?」
キョン「やっぱり、長門にもサンタクロースが来たっていう事実がほし
いんですよ」
喜緑 「……」
キョン「人間も宇宙人も関係ない。良い子にしてたら貰うべきですから」
喜緑 「ふふっ、わかりました。では後ほど」
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/12/26(金) 02:54:26.62 ID:pQQzEOfUO
ー翌日
キョン「よう、長門」
長門 「……」
キョン「ん?どうしたんだ?部屋の中で手袋なんかして」
長門 「…サンタさんに貰った」
キョン「おお、少しばかり遅刻したけど、ちゃんと来たんだな」
長門 「来た」
キョン「嬉しいか?」
長門 「…嬉しい」
キョン「そっか。もっと分かり易く笑ってくれた方がサンタも喜ぶぞ」
長門 「……ありがとう」
おわり
115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/12/26(金) 02:58:52.23 ID:pQQzEOfUO
やっぱ真面目なのを書くなら地文ありのほうがよかったな
>>1マダー?