キョン「実は俺…………」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 16:33:33.30 ID:A0980zGg0

キョン「長門……」

長門「何」

キョン「ちょっと、相談事があるんだが……」

長門「何」

キョン「いや、でも流石に女の子にこんなことを言うのは……」

長門「そう」

キョン「もうちょっと食い下がるとかしてくれないのか」

長門「興味対象でない」

キョン「そんな冷たいこと言うなよ」

長門「……」

キョン「冷たいことを言うなって言っただけで、黙れって言ったわけじゃないんだぞ」

長門「そう」

キョン「……実は俺、異常性癖なんだ……」

長門「そう」

キョン「そんなあっさり……」

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 16:36:17.02 ID:A0980zGg0

キョン「もうちょっと詳しく聞くとかはしてくれないのか」

長門「興味が沸かない」

キョン「そんな冷たいこと言うなよ。フラグを立てて行こうぜ」

長門「フラグとは」

キョン「俺とお前が異常プレイをするというフラグだ」

長門「そう」

キョン「さらりと流すなよ」

長門「読書中」

キョン「俺より本が大切なのか、長門」

長門「そう」

キョン「……こういうSSでは、長門が人間的で献身的だと相場が決まってるんだぞ」

長門「よそはよそ、うちはうち」

キョン「……そんなお袋みたいなことを」

長門「お袋とは」

キョン「股間についてるもののことだぞ、長門」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 16:39:26.68 ID:A0980zGg0

キョン「嘘だよ、黙り込むなよ。ちょっとした冗談じゃないか」

長門「そう」

キョン「そうだ。それで、本題に戻るんだが」

長門「本題?」

キョン「そうだ。俺はお前に頼みたいことがあったんだ」

長門「何」

キョン「俺の異常性癖をお前の力で治してくれないか」

長門「不可能」

キョン「ホワイ? なぜ?」

長門「そのような改ざんは認められていない」

キョン「それをなんとか、頼むよ」

長門「不可能」

キョン「そんな……」

キョン「いや、……あなたのためにやってみせる」

キョン「流石、長門だな!

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 16:42:03.61 ID:A0980zGg0

長門「……」

キョン「嘘だよ、黙り込むなよ。ちょっとした冗談じゃないか」

長門「不可能」

キョン「分かったよ。分かった。でも、相談に乗ってくれるぐらいはしてくれるだろ?」

長門「可能」

キョン「よし、じゃあとりあえずその本をちょっとおいてくれないか」

長門「何故」

キョン「お前の眼を見て話したいからだ」

長門「何故」

キョン「その方が気持ちが楽になるんだ」

長門「そう」

キョン「ああ、ありがとう、長門」

長門「……」

キョン「……うん、お前は綺麗な目をしているな」

長門「用件を言って」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 16:47:24.73 ID:A0980zGg0

キョン「嘘だよ、ちょっとした冗談だ。あ、いや、嘘ではないが」

長門「本題に突入して」

キョン「分かったよ。……実は、最近コンセントを見ると勃起するんだ」

長門「何故」

キョン「いや、何故かは分からないが……多分、あの小さな穴を見ると興奮するんだろうな」

長門「そう」

キョン「あの、小さな穴から電力やら何やらが送り込まれているのだと思うと……ハアハア」

長門「息が荒い」

キョン「ん、ああ、すまん。ちょっと取り乱してしまった」

長門「そう。けれど、それだけならさして異常ではないと言える」

キョン「これだけならな。……獣姦にもハマってるんだ……」

長門「まさかシャミセンに」

キョン「ああ、俺の性器にバターを塗りつけて舐めさせている」

長門「動物虐待」

キョン「そんな酷いこと言うなよ」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 16:53:03.66 ID:A0980zGg0

キョン「流石に挿入するのは可哀想だし、猫で童貞を棄てるのは癪に障るしで犯してはないがな」

長門「弁明のつもり」

キョン「そんな目で見るなよ。シャミセンだって美味しそうに食べてるんだからさ」

長門「……」

キョン「これで終わりだと思うだろ?」

長門「何」

キョン「俺の異常性癖だよ。実はまだあるんだ」

長門「そう」

キョン「そうだよ。とにかくアブノーマルなプレイを好んでるらしいんだ、俺は」

長門「例えば」

キョン「そうだな……昨日は、パチスロ雑誌を見ながら抜いたな」

長門「そう」

キョン「ああ。あの機械に性器をなすりつけたらさぞ気持ちよかろうなと考えながら、大当たりが来る前辺りとか最強だろうな、ランプがテカテカして俺の性器が鮮明に映し出されてハアハア」

長門「息が荒い」

キョン「すまん、あ。勃起してしまった」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 16:55:55.49 ID:A0980zGg0

キョン「……長門」

長門「何」

キョン「勃起してしまった」

長門「そう」

キョン「舐めてくれないか」

長門「拒否する」

キョン「何故だ」

長門「嫌悪を感じる」

キョン「そんな酷いこと言うなよ……シャミセンと間接キスできるんだぞ?」

長門「不要」

キョン「なあ、長門……俺、異常性癖だって言ったろ……ハアハア」

長門「息が荒い」

キョン「俺って異常性癖だから、長門みたいな宇宙人を犯してみたいとも思うんだよ」

長門「何」

キョン「宇宙人を犯すだなんて異常なこと……ハアハア」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 16:58:57.49 ID:A0980zGg0

長門「あなたは異常性癖ではない」

キョン「長門……」

長門「異常性癖だと自分で自身を称して、そしてそれに酔っているだけ」

キョン「長門……」

長門「つまり、宇宙人を犯す必要もない」

キョン「長門……」

長門「読書を再開する」

キョン「違う! 俺の気持ちはそんな思春期的なものじゃない! ものじゃないんだ!」

長門「そう」

キョン「本を読まないで俺の話を聞いてくれ、長門!」

長門「不要」

キョン「俺はお前を必要としているんだ!」

長門「そう」

キョン「聞き流すなよ!」


古泉「おや、どうしたんですか。喧嘩ですか?」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 17:01:45.06 ID:A0980zGg0

長門「喧嘩」

キョン「二人の愛を確かめていただけだ」

古泉「そうですか。お邪魔だったようですね」

長門「別に」

古泉「そうですか」

キョン「……」

古泉「今日は涼宮さんは」

キョン「掃除当番で遅れるらしい」

古泉「そうですか」

長門「……」

キョン「……」

古泉「……」

古泉「すみません、僕が来た所為で空気が気まずいですね」

長門「そんなことはない」

古泉「そうですか」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 17:04:17.50 ID:A0980zGg0

キョン「長門、さっきの話の続きだ」

長門「不要」

キョン「不要じゃない! 大切なことだ!」

古泉「どうかしたんですか」

長門「何も無い」

キョン「長門!!!」

長門「じゃあ、証明して」

キョン「ん?」

長門「あなたが異常性癖だと言うのなら、古泉一樹を犯せる筈」

キョン「そ、それは……」

長門「不可能?」

古泉「え、あの……」

長門「不可能。よって異常性癖ではない」

キョン「出来る! 出来るが、3Pだ!」

長門「何」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 17:07:45.46 ID:A0980zGg0

キョン「別に古泉とヤるくらい造作ないからな。そんなもの異常性癖でもなんでもない。長門、お前も加わり3Pになることによって初めて異常になる」

長門「屁理屈」

キョン「そうじゃない! 真実だ!」

古泉「すみません。バイトがあるのを忘れていました。先に帰らせていただきま」

長門「嘘」

キョン「嘘は良くないな」

長門「よくない」

古泉「いえ、あの……」

キョン「良いじゃないか、今更そんな初心ぶらなくても。お前専らガチホモって噂だぞ」

長門「そう」

古泉「いえ、あの……」

キョン「長門とヤりたいんだよ、頼むよ。お前の力が必要なんだ」

長門「……」

古泉「いえ、それは無理です」

キョン「どうしてだ」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 17:11:17.30 ID:A0980zGg0

古泉「僕は……」

長門「……」

キョン「なんだ……」

古泉「僕はガチホモではなく、ロリコンだからです」

長門「そう」

キョン「なん……だと……?」

古泉「僕がガチホモだと言う噂が立ったのは、女性に告白されてもそれを悉く断っていたからだと思います。それで、あいつは男が好きなのではないか、と。けれど、本当は違います。僕は幼女が好きなんです」

長門「そう」

キョン「……」

古泉「確かにロリ顔の女性も数多く居ました。けれど、騙されてはいけません。奴らはもう高校生なのです」

長門「そう」

キョン「……」

古泉「中学生でもロリかどうか危ういのに、高校生! そんなのただの婆です。いえ、老人の方を否定しているわけではありません。現に僕はおばあちゃんっ子です」

長門「そう」

キョン「……」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 17:17:00.27 ID:A0980zGg0

古泉「大人の色気で勝負とでも言わんばかりに保険医にも迫られました。あのときの気持ち悪さと言ったら、浜辺に打ち上げられている大量の魚を見たときとほぼ同等のものです」

長門「そう」

キョン「……」

古泉「皺が多い。香水が臭い。化粧が濃い。自然と言える所が一つもない。甘ったるい声で『古泉くぅん、大人の恋をしてみなぁい?』気持ち悪い」

長門「そう」

キョン「保険医……狙ってたんだが……」

古泉「毎日高校に通うのは苦痛でした。どうして涼宮さんが小学二年生ではないのかとも思いました。僕はその辺の歳が好きなんです」

長門「そう」

キョン「……」

古泉「涼宮さんが小学二年生だったならば、僕もその小学校に行くことができ、幼女たちとトゥギャザー出来たのにハアハア」

長門「息が荒い」

キョン「……」

古泉「というわけです。いえ、本当はもっと語りたいです。語って、あなた方をロリコンの世界へ引き込みたい。幼女がどれだけ素敵なものなのか。歳を取るというのがどれほど罪深いものなのかを教えて差し上げたい」

長門「そう」

キョン「……」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 17:20:27.41 ID:A0980zGg0

古泉「けれど、自分を抑えます。とにかく、こういうわけですので、僕は3Pは出来ません」

長門「そう」

キョン「仕方無いな」

古泉「幼女について語っていたら勃起してしまいました。家に帰って幼女の写真を見ることにします。さようなら」

長門「そう」

キョン「ああ、……じゃあな」





キョン「……まあ、なんだ、長門」

長門「何」

キョン「俺は、普通のやつだったな」





こうして、古泉のロリコンぶりを目の当たりにし、キョンは自分が正常であることに気付く。
コンセントや自身の猫への虐待もやめ、ハルヒの良さに気付くようになったとき、世界はとても幸せになっていた。
そう、古泉一樹がこの危機を救ったのだ。これを、大化の改心という。テストに出るので、覚えておくように。
                                               (完)

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 18:24:57.15 ID:A0980zGg0

書き込めたんで、古泉サイドの物語でも書きます。

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 18:30:17.49 ID:A0980zGg0

古泉「……ふぅ」

やよい「うっうー」

古泉「やよい……やっぱり可愛いな……でも、ちょっと老けてるな……」

やよい「みてれぅー」

古泉「ぽにょ歌ってる女の子がぎりちょんで一位だな……」

携帯「ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜」

古泉「ん……ああ、また閉鎖空間か……涼宮さんも三年前はまあまあ可愛い女の子だったけどな、いやそれでも老けてたけど、それでも今よりかは可愛い女の子だったのにな、もう今なんか高校一年生だからな……」

携帯「ぴぴるぴ」

古泉「はい、古泉です」

森「あ、古泉? 出るのが遅いじゃない」

古泉「すみません。ぼーっとしまいました」

森「そう。疲れてるの?」

古泉「そうかもしれません」

森「そう。……でも、閉鎖空間には来てもらわないと、ちょっと困るわ」

古泉「分かってます。大丈夫です」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 18:35:11.21 ID:A0980zGg0

古泉「はあ、今日も大量ですね」

森「そうね。彼女、数学のテストの点数が少し良くなかったから」

古泉「そうなんですか」

森「怪我しないようにね」

古泉「大丈夫ですよ」

神人「うっうー」

古泉「へへ、神人がやよいに見えてきた。いけるいける」

森「……」







古泉「倒しました」

森「……ええ、お疲れ様」

古泉「僕だけの力ではないですけどね。新川さんも、光が消えかけながらも頑張っていましたし」

森「……そうね」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 18:41:21.89 ID:A0980zGg0

森「ねえ、古泉」

古泉「なんですか」

森「ちょっと休んだ方がいいわよ」

古泉「仰ってる意味が分かりませんが」

森「ずっと思ってたのよ、あなた日増しにおかしくなっていくわ」

古泉「はは、僕はおかしくなんかありませんよ。毎日やよいのPVを見てれぅしてますし、
    ああ、とかちも若いですけど、こぶしが効いてるんでちょっと好みじゃないんですよね、
  そして、サザエさんで、ワカメちゃんのパンチラを見ては、ハアハアしていますし……うん、普通の高校一年生です」

森「古泉……悪いことは言わないから、一週間休みなさい」

古泉「休めませんよ」

森「いえ、私から上の方に頼んで許可してもらうわ。とにかく、明日から一週間、あなたはゆっくり休みなさい」

古泉「どうしてですか」

森「どうしてもよ」

古泉「幼女を愛しているということは、いけないことなのでしょうか」

森「……少なくとも、神人がうっうーしてるように見えてきたら、末期だと思うけど」

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 18:44:51.17 ID:A0980zGg0

古泉「一週間の休みか……」

森『ゆっくり休みなさい』

古泉「森さんはああ言ってたし、消えかけの光で頑張る新川さんを思うと罪悪感は沸くけど、やよいのPVでも見てうっうーするか」

携帯「ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜」

古泉「う? 誰だろう」

古泉「はい、もしもし」

キョン「あ、ああ、もしもし」

古泉「珍しいですね。どうかされたんですか」

キョン「明日、緊急でSOS団で俺の家に集まることになったんだが……」

古泉「そうなんですか」

キョン「ああ、というわけで、九時に俺の家に頼む」

古泉「分かりました。おやすみなさい」

キョン「ああ……あったかくして寝ろよ」

古泉「ありがとうございます」


古泉「……これで明日彼の家に行ったら、森さんに怒られるんだろうか……まあ、いっか。うっうー」

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 18:47:43.24 ID:A0980zGg0

古泉「おはようございます」

キョン「お、早いな。まだ八時半だぞ」

古泉「すみません。やはり流石にまだ迷惑ですよね」

キョン「いや、別に構わんが……ま、上がってくれ」

妹「わー! 古泉くんだー!」

古泉「おはようございます」

妹「ほら! シャミセンも、挨拶して!」

シャミセン「にゃー」

古泉「? シャミセンの口の中が、ちょっと粘粘しているようですが……」

キョン「あ、ああ、いや、それは……」

妹「多分バターじゃないかなー? 最近、よく食べてるんだよねー。キョンくん」

キョン「あ、ああ」

古泉「そうなんですか。お腹いっぱいですね」

妹「うん! シャミセン嬉しいねー!」

シャミセン「にゃー」

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 18:50:18.16 ID:A0980zGg0

キョン「俺はジュースを用意するから、お前は古泉と部屋で待ってろ」

妹「はーい!」

古泉「あ、そんな気を使わなくても」

キョン「そろそろハルヒ達も来るだろうからな。別に気を使ってるわけじゃない」

古泉「そうですか」

シャミセン「にゃー」

妹「シャミもミルクがほしいってー」

キョン「全く……ミルクならさっきあげたのにな……」

妹「そうなのー?」

キョン「いや……分かった。ミルクだな。じゃあ、古泉。頼む」

古泉「ええ。ありがとうございます」


妹「古泉くん、朝ご飯食べてきたー?」

古泉「ええ、食べてきましたよ」

妹「何食べたのー?」

古泉「十秒飯です」

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 18:53:12.06 ID:A0980zGg0

妹「そんなのご飯って言わないよ!」

古泉「でも、栄養補給は出来ました」

妹「古泉くん、ちゃんとご飯食べてるのー?」

古泉「食べてますよ」

妹「じゃあ、昨日のおかずはー?」

古泉「昨日のオカズは、やよいですね……」

妹「やよい?」

古泉「いえ、こちらの話です」

妹「うー、古泉くんよりシャミの方が良いもの食べてる気がして怖いよー」

シャミ「にゃー」

古泉「そんなことないですよ」

妹「そうだ! 私の家の朝ごはん食べなよ!」

古泉「いえ、そんな」

妹「駄目だよー! キョンくんに頼んでくるから、ちょっと待っててー!」

古泉「あ……」

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 18:56:16.78 ID:A0980zGg0

古泉「行っちゃいましたね……」

シャミ「にゃー」

古泉「……それにしても、妹さん……改めてみると、可愛いな……」

シャミ「にゃー」

古泉「あれで小学五年生……ごくり」

シャミ「にゃー!」

古泉「いえ、狙ってませんから。範囲外ですから。ちょっと心が揺らいだだけですから」

シャミ「にゃー」

古泉「それにしても、あなた、それ、粘粘してるのバターっていうか……」

シャミ「にゃー」

古泉「……良いモノ食べてるんですか……」

シャミ「にゃー」

妹「古泉くーん! 下に下りてきてー!」

古泉「ああ、呼ばれてます。それじゃあ、僕はこれで」

シャミ「にゃー」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 18:59:20.09 ID:A0980zGg0

キョン「お前は朝ご飯を食べてから上に上がって来い。ああ、食べるのはゆっくりでいいからな」

古泉「すみません」

キョン「謝ることはないだろ。それにしても、ちゃんと飯は食えよ」

古泉「食べているんですが」

妹「食べてないよー!」

キョン「とにかく、おかわりとかも自由にしていいから」

妹「私がご飯よそってあげるよー!」

キョン「というわけで、妹と一緒に朝ごはんを食べてくれ。じゃあな」

古泉「あ、ちょっと……」

妹「古泉くん! ここに座って! いま朝ご飯持ってくるから!」

古泉「いえ、僕も手伝いますよ」

妹「いいの! 古泉くんはお客さんなんだから!」

古泉「そうですか」

妹「うん! ちょっと待っててねー!」

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 19:02:02.81 ID:A0980zGg0

妹「うんしょ、よいしょ……」

古泉「……」

妹「えっと……うー、届かないよー」

古泉「……」

妹「くっ……うっ……」

古泉「あのー、やっぱり手伝いますよ」

妹「だめー! 古泉くんはお客さんだからー! あっ」

古泉「!」

妹「うー……あ、あれ?」

古泉「大丈夫ですか?」

妹「あ、うん……凄い、古泉くん足速いんだねー」

古泉「……こういうのは慣れてますから」

妹「そうなんだー。でも、お客さんなんだから、じっとしてなきゃだめだよー」

古泉「お客さんを、心配させるのも駄目ですよ」

妹「うー」

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 19:04:47.92 ID:A0980zGg0

古泉「あの、お皿ですか? 僕が取りますから」

妹「うー、ごめんねー」

古泉「どうして謝るんですか」

妹「だって、古泉くん、疲れた顔してるのに、手伝わせちゃって」

古泉「疲れた顔ですか?」

妹「うん」

古泉「僕がですか?」

妹「そうだよー!」

古泉「そうですか……」

妹「だから、朝ごはんを食べて、元気になってね!」

古泉「……ありがとうございます」






キョン「……てっきり、俺の妹に手を出すのかと思ったが、そんなことはなかったな」

長門「のぞき最低」

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 19:08:16.26 ID:A0980zGg0

古泉「ごちそうさまでした」

妹「おいしかった? おいしかった?」

古泉「はい。とてもおいしかったです」

妹「えへへ、よかったー」

古泉「ありがとうございます」

妹「じゃあ、一緒に上に行こっかー」

古泉「あ、いえ、お皿を洗います」

妹「だめー! 古泉くん、疲れた顔してるのに、そんなことしちゃ駄目なんだよ!」

古泉「……そうですか」

妹「そうだよ! 無理するのだめだよ!」

古泉「では、上に上がりましょうか」

妹「うん!」

古泉(彼の妹は小学五年生なのに……。老けてる方なのに……。やよいみたいな二次元ならともかく、三次元なのに……)

妹「古泉くん?」

古泉「いえ……なんでもありません」

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 19:12:27.88 ID:A0980zGg0

古泉「ごちそうさまでした」

キョン「おお、食べたか」

ハルヒ「おはよう、古泉くん!」

古泉「おはようございます」

妹「ハルにゃん、おはよー!」

ハルヒ「うんうん、皆元気ね! じゃあ、ミーティングをはじめるわよ!」

キョン「はあ」

ハルヒ「こら、そこ! 溜息を吐かない!」

長門「すぅ」

ハルヒ「うんうん。キョンの溜息を有希が吸ったわね!」

古泉「ナイスプレイですね」

キョン「ハアハア」

ハルヒ「ちょっと、キョン。息が荒いわよ」

キョン「で、何のミーティングなんだ」

ハルヒ「え? えっと、それは……あの……不思議探しよ……」

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 19:15:03.15 ID:A0980zGg0

キョン「? やけに歯切れが悪いな」

ハルヒ「そんなことないわよ……」

みくる「わー、シャミ、可愛いなぁ」

シャミ「にゃー」

ハルヒ「……」

古泉「涼宮さん?」

みくる「ほわほわー」

シャミ「にゃー」

キョン「で、そのミーティングとやらを、はじめてくれないか?」

ハルヒ「それは、その……」

長門「……」

妹「ハルにゃんは、遊びたかっただけじゃないのかなー?」

ハルヒ「!!!」

妹「ミーティングとかそんな難しいことがしたかったんじゃなくて、遊びたかったんじゃないのー?」

キョン「そうなのか?」

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 19:18:43.79 ID:A0980zGg0

ハルヒ「……そ、そうよ。悪かったわね、何の用事もないのに、皆を集めたりして」

みくる「悪くないですよぅ。ねー、シャミセン」

シャミ「にゃー」

キョン「まあ、そういうのも悪くないな」

古泉「ええ、大変面白そうかと」

長門「ユニーク」

妹「ハルにゃん真っ赤になってるよー」

ハルヒ「な、なってない!」

キョン「はは、じゃあ、何して遊ぶかー……人生ゲームかな」

みくる「いいですねぇ」

長門「興味深い」

古泉「ええ、大変良いかと思いま」

ハルヒ「古泉くん?」

キョン「古泉?」

妹「古泉くんが倒れたー! キョンくん、救急車ー!」

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 19:25:24.64 ID:A0980zGg0

古泉「う……」

妹「あ、古泉くん! 起きた? 起きた?」

古泉「ここは……」

妹「病室だよー!」

キョン「起きたか……」

みくる「良かったですぅ」

長門「そう」

古泉「僕は……」

キョン「過労だってよ……ちゃんと休め……」

ハルヒ「ごめんね、古泉くん、疲れてたのに呼び出したりして……」

古泉「涼宮さんの所為じゃありませんよ。寧ろ、僕の方こそすみません。せっかく、楽しく人生ゲームをするところだったのに」

ハルヒ「ばか! 古泉くんのが人生ゲームより大切なんだから!」

キョン「そうだぞ、古泉。早く元気になってくれよ」

みくる「元気は損気ですぅ」

長門「そう」

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 19:34:26.01 ID:A0980zGg0

古泉「あれ、ここ相部屋ですか」

キョン「ああ、そうらしいな。隣の奴に挨拶でもしておけ」

古泉「こんにちは、はじめまして。相部屋相手の古泉と申しま……」

やよい「うっうー。よろしくー!」

古泉「や……よい……」












こうして古泉一樹は同室に入院する高槻やよいと大恋愛をする。
アイドルの高槻やよいと古泉一樹の恋愛をマスコミは大袈裟に報道する。
負けそうな日もあった。しかし、二人は決して負けなかった。
そのうち、顔が整っている古泉自身も芸能界に進出することとなる。
顔が整っている彼は、最初の頃はバッシングを受けるものの、真摯な態度と姿勢が評価され、トップ俳優へと変身を遂げる。
因みに、彼のファンクラブの第一番目は森、その人だ。森は語る。
「彼は少しだけ可哀想な境遇でした。幸せになれればと思っていました。だから、今心から笑っている彼を見ることが出来て嬉しいです」
尚、古泉一樹はこの春。大河ドラマ「大化の改心」にて、中大兄皇子役を演じる。
                                            (完)

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 20:17:34.83 ID:A0980zGg0

みくる「やよいさん、可愛かったですねー」

長門「そう」

みくる「あれ? 長門さんは、可愛いと思いませんでしたか?」

長門「別に」

みくる「うーん、そうなんですかぁ」

長門「あなたの方が」

みくる「う?」

長門「……何もない」

みくる「そうですかー、えへへ。あ、猫さんだー、にゃー」

長門「……」

みくる「あれ? 長門さん、いま笑いましたか?」

長門「別に」

みくる「あれー? 気の所為かなー? うーん」

長門「気の所為」

みくる「そっかー」

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 20:19:57.37 ID:A0980zGg0

長門「ただいま」

朝倉「おかえりー、って、うわ。凄いニヤニヤしてる」

長門「してない」

朝倉「してるわよ。何? 良い事でもあったの?」

長門「古泉一樹が倒れた」

朝倉「何それ。長門さん、古泉くんのこと嫌いだったっけ?」

長門「別に」

朝倉「それでニヤニヤしてたの?」

長門「していない」

朝倉「してたわよ。因みに今日の晩御飯おでんだから」

長門「またおでん」

朝倉「うるさいわねー。いいでしょ。冬だし、美味しいじゃない、おでん」

長門「そう」

朝倉「そんな目しないでよ。ほら、長門さんの好きな美鈴も入れといたから」

長門「あ……」

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 20:22:08.59 ID:A0980zGg0

長門「美鈴……」

朝倉「ふふ、そんな嬉しそうな顔しないでよ。ほら、食べましょ」

長門「美鈴……」

朝倉「長門さん?」

長門「美鈴……」

朝倉「ど、どうしたの?」

長門「嫌がらせ?」

朝倉「え……」

長門「常識的に考えれば、おでんに美鈴のフィギュアを入れるなんてことはしない筈」

朝倉「そんな……長門さんが喜ぶと思って……」

長門「また粒子にされたいの?」

朝倉「そ、それだけは!」

長門「……一人にして」

朝倉「長門さん、ごめんね……」

長門「いい、私が出て行く。あなたはその美鈴でも食べてて」

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 20:25:02.50 ID:A0980zGg0

長門「美鈴……」

みくる「あれー? 長門さんじゃないですかー」

長門「どうしてあなたがここに」

みくる「それは私の台詞ですよぅ。どうして、長門さんがここに居るんですかぁ?」

長門「私は……」

みくる「あ、長門さん、夜ご飯食べましたかぁ?」

長門「まだ」

みくる「えへへー、私も今からなんです。材料買いに行くところなんですけど、長門さんも来ませんかぁ?」

長門「行く」

みくる「じゃあ、長門さんの好きなもの作っちゃおっと。何が良いですか?」

長門「カレー」

みくる「へへ、カレーですね。私、頑張っちゃいますね」

長門「そう」

みくる「隠し味にりんごとかも入れちゃおうかな」

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 20:27:15.43 ID:A0980zGg0

長門「……」

みくる「あれ? 長門さん、いま笑いましたかぁ?」

長門「別に」

みくる「そうですかぁ? うーん、そっかぁ」

長門「寒い」

みくる「そうですねぇ。長門さん、やけに薄着ですもんねぇ」

長門「あなたは」

みくる「私は寒くないですよぅ。あ、そうだ」

長門「……」

みくる「えへへ、手を繋いだら寒くないですよ。ね」

長門「そう」

みくる「あれ? もしかして、長門さん照れてますか?」

長門「別に」

みくる「えへへ、カレーにはちみつも入れちゃおう」

長門「甘いのは、あまり好みではない」

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 20:29:51.82 ID:A0980zGg0

みくる「ふぅ、なんとか買ってこれましたねぇ」

長門「そう」

みくる「えへへ、財布の中身が五十円だったときはびっくりしましたけどねぇ」

長門「そう」

みくる「でも、なんとかカレー味のうまいぼう五本買うことが出来ましたぁ」

長門「そう」

みくる「……怒ってますかぁ?」

長門「どうして」

みくる「だって、カレー作るって言ったのに、うまいぼうで……」

長門「怒っていない」

みくる「でも……」

長門「大切なのは、何を食べるかではなく、誰と食べるか」

みくる「長門さん……」

長門「うまい棒、食べてもいい? あなたも食べて」

みくる「えへへ、うん。いただきます」

99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 20:33:40.24 ID:A0980zGg0

長門「おいしい」

みくる「おいしいですねぇ」

長門「一人?」

みくる「え?」

長門「一人暮らし?」

みくる「そうなんですよぅ。えへへ、長門さんも一人暮らしですよね?」

長門「いまは違う」

みくる「そうなんですかぁ」

長門「でも、同居者は変」

みくる「そうなんですかぁ?」

長門「私の大切なものをおでんに入れたりする」

みくる「うーん」

長門「この間は私の布団の中におでんを入れてきた」

みくる「うーん」

長門「もう離れて暮らしたい」

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 20:36:31.27 ID:A0980zGg0

長門「きっと、私は嫌われてる」

みくる「うーん」

長門「嫌がらせに耐えられない」

みくる「……違うと思うけどなぁ」

長門「何」

みくる「大切なものをおでんに入れたのは、長門さんに大切なものを食べてほしいと思ったからじゃないのかなぁ」

長門「常識的に考えれば」

みくる「常識でものを考えられなくなっちゃうくらい、長門さんのことが好きなんですよぅ」

長門「布団におでんを入れたのは」

みくる「ほら、最近冬になってきて寒いじゃないですかぁ。だから、温かくしたかったんじゃないかなぁ」

長門「……」

みくる「きっと、その同居者の方は長門さんのことが好きで好きでしょうがないんですねぇ」

長門「……お邪魔した」

みくる「えへへ、全然。また来てください。今度はその同居者の方も一緒に。美味しいカレー作りますから」

長門「ありがとう」

101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 20:38:40.01 ID:A0980zGg0

朝倉「ぐすぐす……うっ……」

長門「ただいま」

朝倉「お、おかえり……ぐす」

長門「泣いてたの」

朝倉「泣いてない……ぐす」

長門「そう」

朝倉「……ごめんね……私、酷いことしちゃった……」

長門「どうして」

朝倉「……長門さんの喜ぶ顔が見たくて……」

長門「……」

朝倉「私、おでんしか作れないから……だから、長門さんも嫌だろうな、って……」

長門「……」

朝倉「長門さん、よくあのフィギュアに笑いかけてたから……あのフィギュア入れたら、おでん美味しくなるかなって」

長門「……」

朝倉「ごめんね……ごめんね……」

103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 20:40:59.84 ID:A0980zGg0

朝倉「私のこと嫌いになったよね……嫌になったよね……」

長門「……」

朝倉「私、知ってるよ……長門さんが朝比奈さんのこと好きなこと……」

長門「……」

朝倉「今だって、朝比奈さんと遊んでたんでしょ?」

長門「……」

朝倉「全然、邪魔とかするつもりないよ! でも……私、長門さんのこと好きだから……」

長門「……」

朝倉「せめて、一緒に暮らしたい……」

長門「……」

朝倉「長門さんは学校で朝比奈さんとイチャイチャしていいよ! でも、家では……」

長門「……」

朝倉「嘘でもいいから、家では私のことを一番って思っててほしい……」

長門「……」

朝倉「えへへ、なんてね。ちょっと都合良すぎよね」

104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 20:43:22.28 ID:A0980zGg0

朝倉「長門さんの迷惑になるなら、消えるから……」

長門「……」

朝倉「って言っても、自分で消える勇気もないから、長門さんの手で粒子にしてくれると嬉しいな」

長門「パーソナルネーム朝倉涼子を敵性と判定」

朝倉「……」

長門「…………不可能」

朝倉「え」

長門「あなたを消せない」

朝倉「長門……さん……」

長門「私はてっきりあなたに嫌われているとばかり思っていた」

朝倉「そんな、そんなこと!」

長門「朝比奈みくるに対する感情は恋愛感情ではない」

朝倉「……」

長門「彼女は少し美鈴に似ている」

朝倉「……そうなの……」

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 20:44:47.01 ID:A0980zGg0

長門「私が好きなのは、寧ろ……」

朝倉「長門……さん……?」

長門「私が好きなのは、寧ろ、あなた」

朝倉「長門さん!」

長門「名前で呼んで、涼子」

朝倉「ゆ、有希……」

長門「おでん、まだ残ってる?」

朝倉「! う、うん! 食べてくれるの?」

長門「勿論」

109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 20:52:20.95 ID:A0980zGg0

みくる「えへへー、手紙が届いてる。誰からだろー?
      えっと、……あ、長門さんからだ……懐かしいな……。
      どうしたんだろ……ん……?
      …………そっか、長門さん結婚したんだ……。
      朝倉有希になったんだ……。

      そっかぁ……そうなんだぁ……。
      えへへ、今度、またカレー食べに来てくれるかな。
      ね、タマー」

タマ「にゃー」

みくる「えへへ、私も、長門さんのこと、好きだったんだけどな」








朝比奈みくるは涙ぐみながらチャンネルをザッピングする。
と、そのとき、あるドラマが目についた。「大化の改心」
主演を演じているのは古泉一樹。
彼は高槻やよいと結婚して、そして自身も俳優になり、幸せになった。
昨年、涼宮ハルヒとキョンもめでたく結婚をした。
あぶれものは自分だけか、と溜息をつきながら、みじめさに笑えた。
尚、ドラマ「大化の改心」は、その日、視聴率97.3%を記録し、ギネスブックに載ることとなった。
                                              (完)

123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 21:35:23.22 ID:A0980zGg0

古泉「はは、随分と老けましたね」

キョン「お互い様だろ」

ハルヒ「本当ね……もう、四十年も経つのね……」

長門「そう」

みくる「不思議ですねぇ」

ハルヒ「有希は? ちゃんと、朝倉とうまいことやってんの?」

みくる「ラブラブですよぅ。こないだもここに来てくれましたもんねぇ」

長門「そう」

キョン「お熱いな」

古泉「そういう二人だって、ラブラブじゃないですか」

みくる「古泉くんとやよいさんも、ですよ」

ハルヒ「そして、みくるちゃんはこの喫茶店とラブラブなわけね」

みくる「えへへ、私だけ一人身ですぅ」

長門「あなたが望むなら一緒に」

みくる「そんなの朝倉さんに失礼ですよぅ」

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 21:38:31.52 ID:A0980zGg0

ハルヒ「朝倉、連れて来れば良かったのに」

長門「今日はSOS団の集まり」

キョン「そうだな……」

古泉「こうしていると、あの頃に戻ったみたいですね」

みくる「そうですねぇ……」

ハルヒ「まさか、古泉くんがギネスに載るとは思ってもみなかったわ」

古泉「あれは僕が載ったんじゃないですよ。ドラマが載ったんです」

キョン「でも、殆どお前の力だろ」

みくる「私も見ましたよ、あの回。凄く感動的で泣いちゃいました」

長門「私も見た」

ハルヒ「私もよ。ね、キョン。ってか、毎回見てたわよね」

キョン「まあな。俺の妹も見てたぞ」

古泉「はは、97.3%、恐るべしですね」

キョン「そうだな、国民の殆どがお前に釘付けだったってことだろ」

みくる「本当に色々ありましたねぇ」

126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 21:41:26.58 ID:A0980zGg0

古泉「朝比奈さんだって凄いじゃないですか。ここ、ミシュランに載ったんでしょう?」

みくる「えへへ、そんなこと言われると照れちゃうな……」

ハルヒ「だって美味しいもの! みくるちゃんの料理」

長門「美味」

みくる「そんなことないですよぅ」

長門「あなたのカレーは世界で一番美味」

キョン「あんまり言うと、朝倉が嫉妬するぞ? 長門」

長門「涼子も認めている」

みくる「えへへ、やだ、本当に照れちゃうな」

古泉「こんなに料理が上手なんだから、すぐに旦那さんも見つかりますよ」

ハルヒ「そうよ、みくるちゃん。それにみくるちゃん美人だしね」

みくる「結婚はしないんです。ずっと好きな人が居ますから」

キョン「その人は……」

みくる「結婚してます。すごく幸せそうです」

長門「そう」

128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 21:46:58.39 ID:A0980zGg0

古泉「本当に色々ありましたねぇ」

キョン「そうだな……この間、森さんも亡くなったしな」

ハルヒ「……森さん、まるで古泉くんのお母さんみたいだったわね」

古泉「彼女は僕の支えでした」

みくる「ファンの会員番号、一番ですもんね」

長門「性癖事件」

キョン「ぶっ」

ハルヒ「ん? 何? 何よ」

キョン「い、いや、何もない! な、長門!」

長門「ユニーク」





三丁目にあるその喫茶店から、その日笑い声が途絶えることは無かった。
美人のママが作る料理はどれも絶品で、一押しはうまい棒カレーである。
五百六十円で買えるそのカレーは、うまい棒を刻みスパイスにして作っている。
あなたも一度、この喫茶店に来てみては如何だろうか?
営業時間は午前九時から午後十時まで。定休日は毎週水曜日。喫茶店の名前は、「大化の改心」だ。
                                                 (完)

131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 21:48:52.05 ID:A0980zGg0

ご愛読有難う御座いました。
まさかこんな所までもつれこむとは思ってもみませんでした。
全ての物語はこれで終わりました。
毎回毎回やる気のない終わり方にも怒ることなく保守まがいのことをしてくれた方々に感謝します。
皆さんに大化の改心が起こりますように。もう更新はないです。おやすみなさい。



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