1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/30(木) 22:28:34.11 ID:ML3hQTzA0
がさごそと自分の部屋で大きなダンボールを広げるこなた。
あれ?初音ミクってこんなに大きかったっけ??
かがみ「こなた?あんた作曲するの?」
こなた「ううん、しないよ〜」
しかし、この大きな包みなんだかワクワクする。
人形でも入っているんだろうか?
こなた「あった!!これが一号・・・390円なり」
こなたは大きなダンボールの中から分厚い本を取り出す。
タイトルには「週刊 初音ミクを作ろう」
・・・なんだこれは?
こなた「初音ミクのロボットを作る週刊誌だよ!!大人買いしたんだ」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/30(木) 22:34:07.40 ID:ML3hQTzA0
かがみ「全く・・・大人買いっていくらす・・・」
ダンボールに張ってある伝票をチラリと見て私は息を飲んだ。
一、十、百・・・あれ?
1,509,000円・・・ひゃくごじゅうまんえん。
紛う事なき百五十万円だ。
こなた「・・・さて作ろう、作ろう!!」
かがみ「こな・・・」
言いかけて私は息を飲んだ。
聞けるわけない。どこからお金が出たかなんて・・・。
私はもう考えない事にした。
こなた「さぁ!!かがみも手伝ってよ!!」
かがみ「おー!!」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/30(木) 22:40:46.17 ID:ML3hQTzA0
こなた「さて、第一号には・・・おぉ!!PICプログラマーだ!!」
べリべリ・・・と、こなたが雑誌からロボットの部品を剥す。
かがみ「何よ?その何とかプログラマーって?」
こなた「PICっていう小さい装置に行わせる処理を書くものなんだよ」
かがみ「処理?書く?」
こなた「このPICっていうのは自由自在に電気信号を受け取れるし、
送れるんだよ。だから、例えば端子一番に電流を受け取ったら、
端子五番から電流を流す・・・こんなことが出来るんだよ。
その命令を書く装置がPICプログラマー。まぁプログラミングだね」
そういって、こなたはゴキブリみたいに黒光りするPICって装置を
手の中で転がした。
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/30(木) 22:45:50.56 ID:ML3hQTzA0
こなた「そして、第二号についてるのが・・・」
そう言ってこなたは第二号をダンボールから取り出した。
チラリと見えた定価は3000円。・・・値段上がりすぎじゃないか?
誰が買うんだこんなもん。
こなた「じゃーん、サーボモータだよ!!」
かがみ「サーボモータ?」
こなた「そうそう、これは正弦波を受け取るとその信号にあわせて
0度〜180度の範囲でモータが回るんだよ。回ったらその位置で
固定されるんだ」
かがみ「正弦波?固定・・・?」
こなた「そうそう!!」
かがみ「ごめん、さっぱりわかんないわ・・・」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/30(木) 22:51:25.02 ID:ML3hQTzA0
こなた「そうしてこのPICと第三号についてる基盤!!そしてサーボモータ
を組み合わせます!!」
かがみ「こなた半田使えるんだ?」
こなた「そりゃ、慣れっこだよ!!!伊達に秋葉かよってないよ!!」
秋葉って行ってもそっち(色々な意味でより危険な方)にも行ってたのか。
そりゃ女子高生だけどポテンシャル凄いはずだわ・・・。
おお!!PICはピンに挿さないで直付け・・・しかも一度半田を流した後
銅で吸いとるだと・・・何と言う高等テクニックを・・・。
こなた「できた!!ほれほれかがみ何か言ってみて!!」
何を言えと言うのだ・・・。
こなた「ほら0度から180度まで好きな範囲を指定して!!」
かがみ「じゃあ150.6度」
こなた「そんな精度でないよ・・・かがみの馬鹿・・・」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/30(木) 22:56:53.99 ID:ML3hQTzA0
こなたは勝手に「90度!!」と叫ぶと手元のパソコンを操作した。
パソコンと基盤はシリアルケーブルでつないである。(もうこの辺読まなくていい)
こなたがパソコンを操作すると、その角度の情報がPICを経由して
サーボモータに送られるようだ。・・・私自身も半分くらい理解してない。
こなた「ほれ!!かがみ!!90度になったでしょ?」
かがみ「へ〜(よくわからないけど)凄いじゃない?」
こなた「でしょ〜・・・まぁこのサーボ内部でPID制御してると思ったら
ブレーキ使ってるみたいでさ〜精度でない上に見たら台湾製だってさ・・・
はぁ萎えるよね・・・」
かがみ「何言ってるんだ?こいつ・・・?」
こなた「あーっ!!ヲタクを馬鹿にしたなぁ!!」
いつもの顔で言われてもなぁ・・・。正直誰に萌えると言われても大体見当
はつくけど今の話はまったくわからん。
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/30(木) 23:03:22.09 ID:ML3hQTzA0
こなた「この部分は口の制御に使われるんだ。瞼は第五号についてる
マイクロサーボ。えぇーっと・・・表情系は第十号までに完成しそうだね。
長年の表情筋研究とCAMによる濃度による人肌ゲルの変形の解析でリアルな
表情が作れるんだってさ」
かがみ「ふぅん?」
こなた「その後は歩行系だよ!!最新の動的歩行を実現するために
三菱製の大型で高速応答するサーボを使ってるんだ!!
サーボはパワーを維持するために秘密の方法で歯車とか使ってないらしいよ!!
どんな風に減速してるか楽しみだね!!」
かがみ「てかさ〜・・・」
こなた「ん?」
かがみ「黙って作らないか?ここに何置けとか言ってくれたら手伝うからさぁ・・・」
こなた「う〜ん、かがみんのいけずぅ〜」
かがみ「正直頭痛くなってきたんだわ・・・ゴメン」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/30(木) 23:11:22.32 ID:ML3hQTzA0
それからこなたはひたすらパソコンをいじり、私はひたすら半田付けと
ネジ止めをした。
何故か穴あけはしなかった。穴あけ作業は煩雑だからだそうだ。
こなた「これは楽しんで組み立てる大人のプラモデルなんだから、
穴あけや溶接なんて面倒くさい事はやらないんだよ」
・・・なんてこなたは言っていたが、正直半田付けやネジ止めが楽しいとは
思わない。
こなた「すげぇ!!!これだけパーツがあって一つも公差から
ずれてないなんて!!!最近のNCは神だわ!!」
その声にわたしはびくりとする。
こなたが「水橋かおりの浴衣姿神!!」等と意味のわからない事を
大声で言う事はたまにあるが、今の台詞は飛び切り意味がわからなかった。
かがみ「だまってやりなさいよっ!!」
こなた「ごめん、ごめん・・・寸法はかってたら興奮した」
・・・やはり意味がわからない。
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/30(木) 23:17:51.23 ID:ML3hQTzA0
こなた「ええと、言語処理は・・・へぇ・・・形態素解析ソフト使ってるの?
なんと、メカブか・・・」
かがみ「カブがどうしたのよ?」
パソコンをいじりながら、こなたがまた絶叫する。
本日何回目の絶叫であろうか。
現在、私は手のパーツを組み立ててる。指の間のネジを設計図を見ながら
回しているが、正直この一日でネジ止めは一生分したと思う。
こなた「あーかがみん!!そこ止めないでおいて、サーボのテストするから・・・」
かがみ「はいはい、私ちょっと休むからね?」
ふーと、一息つく。
上から・・・見るともう八割方できてるんじゃないだろうか?
つるっぱげの頭に、ほぼゲルが固まった顔、それから胴体と機械がむき出しの脚。
・・・後は手かな・・・。
こなたのほうを見ると、楽しそうにモータのテストをしている。
ふん、楽しそうに・・・やれやれ、まぁいいか。
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/30(木) 23:24:19.89 ID:ML3hQTzA0
・・・そんなこんなでロボット初音ミクは完成した。
完成したのは朝の6時。
・・・勿論次の、次の日の朝6時だ。
つまり、学校を一日サボっていた事になる。
こなた「完成だぁ!!!後は起動させるだけ!!」
かがみ「ふぇぇ・・・指が痛いわよぉ!!ほら、早くテストしてよね・・・
どーせまたネジはずすんでしょ?」
こなた「大丈夫大丈夫、各部のテストは終わってるし、今更失敗するとは
思わないよ。設計はプロがしてるんだし同時に起動しても落ちないでしょ」
かがみ「じゃあ私の作業はこれで終わり?」
こなた「うん、かがみんの作業は終わり。さ、朝ごはん食べに行こう?
朝からステーキ食べたら素敵だって、どれみちゃんも言ってたでしょ?
おごるよ!!」
かがみ「今ステーキ食べたら確実に吐くわよ!!」
こなた「ははは、確かにそーかも・・・」
初音ミク「・・・」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/30(木) 23:33:02.98 ID:ML3hQTzA0
ステーキハウスから吐きそうになりながら帰ると、
初音ミクの姿がどこにもなかった・・・。
かがみ「あれ、こなた・・・?ミクがないわよ」
こなた「あ・・・あ・・・」
こなたが絶句している。無理もない。
150万も払った上に3日も寝ずで組み立てたのだ。
私でも同じ反応をするだろう。
こなた「ミクがぁ・・・ミクがぁ・・・うわぁああああん」
かがみ「こなた・・・」
そうじろう(こなたの父)「おい!!こなたニュースを見てみろ!!」
こなた「え・・・?」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/30(木) 23:40:06.40 ID:ML3hQTzA0
どたばたと二人で下に降りると果たして初音ミクはテレビの中にいた。
アナウンサ「初音ミクとなのる女性が秋葉原の路上で長時間ライブをし、
今朝現行犯逮捕されました。・・・調べによりますと」
こなたは、目を見開く。
こなた「あ!!私のミクだ!!」
そうじろう「やっぱりか・・・」
かがみ「・・・ミク」
初音ミクは歌姫だ。
上手に歌を歌って、作曲者が込めた思いを人に届けるために生まれたと聞く。
それがミクの生まれた「意味」だから・・・。知らない人が見たら変に思うかも
しれないけど・・・。私は何となく理解した。
・・・ならば、ミクは秋葉で何を歌ったのだろうか。誰のために?
かがみ「ミクを迎えに行きましょうよ・・・」
・・・そう、それはきっと作ってくれた「こなた」のために・・・。
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/30(木) 23:43:35.38 ID:ML3hQTzA0
・・・だから・・・。
かがみ「ミクはこなたを待ってる!!」
こなた「なんですと!?」
そう、ミクは・・・。
かがみ「ミクはきっとこなたにお礼をいいたかったのよ、ありがとうって。
・・・だからその気持ちを大勢の人の前で聞いて欲しくて・・・
きっと秋葉で歌ったんだと思う・・・。」
こなた「え・・・え・・・」
かがみ「いきましょう!!秋葉に!!」
こなた「・・・」
かがみ「ミクはきっとあなたを待ってるから!!」
だから、私たちは秋葉に行くんだ。
「どういたしまして」って言うために・・・。
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/30(木) 23:47:52.24 ID:ML3hQTzA0
こなた「かがみん!派手に勘違いしてる所悪いけど・・・」
かがみ「はぁい?」
・・・声が裏返ってしまった。
こなた「ミクが秋葉で歌ったのは大勢の人を洗脳するためだよ。
ミクは北朝鮮の諜報機関の手先なんだ」
かがみ「はぁ?」
こなた「・・・ほれ、証拠」
こなたの差し出した「週刊初音ミクを作ろう」のパッケージに
でぃあごす☆てぃーにの文字と共に赤と青のストライプに星が描かれた
某国の国旗が見えた。
こなた「これでわかったでしょ?秋葉の人が危ない!!」
かがみ「・・・え、まぁ・・・うん、てか何であんた・・・」
こなた「『ミクはあなたを待ってるから!!』」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/30(木) 23:52:56.23 ID:ML3hQTzA0
かがみ「な、な・・・///」
こなた「へっ、へっへ・・・恥ずかしい台詞聞かせてもらったよ?」
私は自分の顔がみるみる紅潮していくのを感じた。
そうじろう「かがみちゃんのモノローグ、乙女☆って感じで感動したなぁ」
何でおじさんが私のモノローグを聞いてるんだ!?
まさか口に出して言ってたとか!?
恥ずかしい・・・ってどの台詞!? どの台詞ですか?/////
こなた「だから、私たちは秋葉に行くんだ。
「どういたしまして」って言うために・・・。 」
・・・。
私はとうとう折れた。
かがみ「わかった・・・もう追求しないから・・・////」
北朝鮮でも何でもいいから・・・。
頼むから止めてくれ。
こなた「わかればよい!!さぁミクを止めにいくんだ!」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 00:00:43.53 ID:jtNj2vE30
幸手から春日部、そこから東武直通日比谷線で秋葉原に着く。
秋葉原は死の町と化していた・・・はずはなく。
逮捕騒ぎがあった電気街近くを除いて全ては通常通り。
さすが加藤の乱の最中でさえ、アニメイトに人が入っていた秋葉原だ。
かがみ「ミクは多分万世橋警察署よね?」
こなた「・・・多分ね」
かがみ「北朝鮮だか何だか知らないけど、誰も何ともなってないじゃない?
良かったわね・・・こなた?」
こなた「・・・いや、かがみん、町の人の会話に耳をすませてみて・・・?」
かがみ「・・・は?」
町の人「・・・萌え萌えでござるなぁ」
・・・何か普通どおりの会話に聞こえるが・・・。
町の人「・・・ハァハァ・・・。」
かがみ「なんともないじゃない?」
こなた「ほら、よく聞いて・・・」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 00:08:03.91 ID:jtNj2vE30
私は耳をすませる。・・・耳を澄ませば。
町の人A「・・・萌え萌えでござるなぁ」
・・・?
町の人A「マルクス萌え萌えでござるなぁ・・・」
町の人B「労働万歳ですなぁ!!」
!!?
こなた「かがみん、ミクの洗脳はどうやら成功したみたい・・・」
かがみ「・・・そうみたいね」
よく聞いてみると町の人の会話がおかしい。
メイド「いらっしゃいませー!!労働喫茶五カ年計画!!お願いします!!」
絵のポン引きのお姉さん「ギャラリー見ませんか?将軍様の絵もありますよー!」
男「フヒヒヒ、金正日タンはぁはぁ・・・」
そうして、電気街の象徴ともいえるアニメイトの看板には・・・。
でじこの代わりに金正日とマルクスが握手する絵が描かれていたのだ。
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 00:15:49.75 ID:jtNj2vE30
かがみ「どうするのよっ!!こなたぁ!!」
こなた「どうするも何も我々の財産が不当な手段によって北朝鮮本国に
送金されるのを指をくわえて見ているしか・・・
まぁ労働万歳とか言ってるしニートもいなくなって結果的には・・・」
かがみ「ばかぁ!!こなたぁ!!」
こなた「・・・へ?」
かがみ「どうして諦めるのよっ!!いつものこなたなら・・・
いつものこなたなら・・・」
こなたの表情がとたんに凍りつく。
こなた「かがみん、泣いてるの・・・?」
・・・へ?あたし、泣いてるのだろうか?
自分の頬を指で拭う。暖かいかたまりにそっと指が触れた。
・・・あたし泣いてる。
でも何で・・・?
かがみ「あれ、やだ、何で・・・涙が止まらないんだろう?」
こなた「・・・かがみん」
ぽすり、と。
慌てた涙を拭う私の胸にこなたが顔をうずめた。
こなた「・・・かがみん」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 00:21:33.72 ID:jtNj2vE30
こなた「・・・このままだとミクに洗脳された人の考えはウィルスみたいに
瞬く間に日本全土を席巻するよ・・・
その時市場経済は終わりを迎える・・・」
かがみ「そうね・・・」
こなた「・・・私だって、不安だよ・・・不安で不安で・・・心が凍っちゃうよ・・・」
こなたが悔しそうにぎゅっと唇をかむ。
小さな肩がガタガタと震え、一言―――。
こなた「・・・怖いんだよ・・・」
・・・と。そう搾り出すようにこなたが呟いた。
かがみ「〜〜〜〜っ!!!」
その小さな肩がまるですぐにでもこの手から零れ落ちそうで・・・。
儚いこなたを私は力いっぱい抱きしめた。
こなた「・・・かがみん」
かがみ「・・・こなた・・・愛してるわ・・・」
こなた「・・・えっ!?」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 00:29:00.74 ID:jtNj2vE30
こなたが驚いたようにこちらを見上げる。
あ〜〜っ!!言ってはみたけど・・・やっぱり恥ずかしいな・・・。
こなた「かがみんが私の事愛してるって・・・?」
一瞬呆然としたこなただったが、すぐに正気を取り戻し、
そうしてニヤニヤとこちらをからかうように見る。
失敗・・・だったかな?
・・・明らかに失敗だったみたい。
こなた「ふぅん・・・愛してるんだ?私の事・・・」
・・・どうもムカつく。さっきからあしらわれっぱなしだし、
何か一矢報いてやりたい。そうしないと私の気が収まらない。
・・・こなたはここで私が賢明に否定する様子をみて笑おうという
魂胆なのだろう。
・・・ならば。
その逆を突いてみてはどうだろうか?
かがみ「・・・愛してるわよ」
どうだ!?こなた・・・。
こなたは一瞬面食らったような表情をしたが、次の瞬間頬を紅色に
染めながら
こなた「嬉しい・・・」と、こちらの手をぎゅっと握ってきた。
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 00:33:44.25 ID:jtNj2vE30
完全な計算違いだった。
かがみ「っ〜〜〜〜!?!?///////」
私は頬を染めながら恥ずかしさに思わず下を向く。
こなた「かがみんって可愛いんだからっ、ふふ」
こなたがニヤニヤとこちらを向いて笑う。
あ〜も〜・・・何だかんだ言ってこなたの方が上ってことなのかな・・・?
でも今日は不思議と悔しくないけど。
かがみ「全くあんたってば・・・」
そう言いながら私はこなたに握られた右手を握り返す。
どくんどくん、とこなたの鼓動が伝わってくる。
・・・なんだ、何だかんだいって、あんただって・・・その・・・
ドキドキしてるんじゃないっ!!///
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 00:41:22.72 ID:jtNj2vE30
かがみ「そういえば、ミクに洗脳された人たちどうするの?
このままじゃ日本中が共産主義に支配されるんでしょ?
しかも、朝鮮労働党の共産主義に」
こなた「あぁ、それ・・・もう手遅れだしいいんじゃないかな?」
かがみ「はぁ・・・!?」
手遅れって・・・あんた手遅れで済まされる問題じゃないだろう。
仮にもミクを組み立てたのはこなたと私なんだし、こうなった事への
責は多少感じなければならないだろう。
こなた「でもミクを連れ戻したところで民主主義の歌を歌わせられる
わけじゃないしね?」
かがみ「むちゃくちゃだなぁ」
こなた「まぁ考えようによっては今から共産主義取れば、アメリカ発の
金融恐慌の波を最小限に抑えられるし・・・日本ほどの工業力がある国が
共産化した例は世界にないから、意外といい結果が生まれるかもよ?」
かがみ「・・・まぁそうね」
確かに人生塞翁が馬。
何が吉と出るかわからないところもある。それは国においても同じだろう。
こなた「とりあえずミクを連れて帰ろうよ」
かがみ「そうね?」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 00:48:52.69 ID:jtNj2vE30
ミク「あ、こなたさんごめんなさい」
警察署に着いた時、ミクはこなたにペコリと頭を下げた。
こなた「もう共産主義の歌なんて歌ったらダメだぞ!」
こなたがぺチリとミクの頭を叩く。
ミク「ごめんなさい・・・もう普通の歌しか歌いません・・・」
こなた「全くぅ・・・」
かがみ「まぁまぁ反省してるしこの辺で許してあげましょうよ?ね?」
こなた「・・・」
きっとミクは予めこの歌を歌うようにプログラムされてたんだ。
・・・善悪なんてわからない頃から、汚い大人たちの手によって。
だけどミクはそれでも、歌を歌った。一生懸命。
だって、それが彼女が生きる「意味」だから。
・・・だから、ミクはここにいるよ、ここにいるよって・・・歌ったんだ。
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 00:53:31.70 ID:jtNj2vE30
かがみ「ミクちゃんはこの歌を歌ったらどうなるか知らないで歌ったのよね?」
私はミクに優しく話しかける。
こなただって生みの親だから事情はわかってるんだ。
ここは私が仲介して二人を仲直りさせてやるのもまんざらじゃない。
ミク「・・・」
かがみ「・・・あれ?おかしいな・・・音声認識しない・・・壊れてるのかな?」
ミク「壊れてるのはあんたの顔面だろ?ブタミンさん」
かがみ「・・・なんと!?」
・・・何という言葉の暴力。
私は思わず泣きそうになる。ひどい!!ブタって!!
こなた「かがみに謝りなさい!!」
ミク「やだよ〜ん、ベロベロバァー!!」
こなた「こらぁ!!」
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 00:59:39.45 ID:jtNj2vE30
うう・・・ぐすん。確かに最近太ったけど、ブタなんて言われる筋合いは無い!!
かがみ「ひどい!!アンタ、ワザと共産主義の歌歌ったんでしょ!?」
ミクはその言葉に物怖じもせず答えた。
ミク「当たり前だろ!?資本主義に洗脳された金ブタが金が無い無いって
ひーひー騒ぐもんだからさ、金が無いくらいなんだ?この世の地獄は
もっと香ばしいぜ!!ひゃっはーっ!!って事で洗脳してやったんだ!!」
かがみ「・・・最低ね、あんた」
ミク「ふんっ・・・日本軍にされた事を思えば・・・クソッ!!」
ミクはそれからそっぽを向いて黙ってしまった。
気まずい雰囲気が警察署の中を流れる。
こなた「・・・とりあえず帰ろうか」
それから私とミクは一言も口を聞かないまま家路に着いた。
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 01:06:52.77 ID:jtNj2vE30
次の日―――。
つかさ「おはよう、こなちゃん!!マルクスって髯がカッコいいよねぇ!!
私もマルクス主義に傾倒した彼氏が欲しいなぁ・・・あれ?」
かがみ「・・・」
ミク「・・・」
次の日も私はミクと喧嘩したままだった。
私だってブタといわれて一歩も引き下がるわけにはいかないし、
ミクはミクなりに事情があるのだろう。
その様子を察したつかさがこなたに「何かあったの?」とささやく。
「さぁ・・・」と、こなたはこなたで知らん顔だ。もう!!信じられないっ!!
黒井「さぁみんなクレムリンと北の将軍様に向かって挨拶や・・・って
柊?どうした?朝礼はじまるで??」
かがみ「何でもありませんっ・・・」
傍目にもよほど不機嫌だったのだろう。
黒井先生が私を気遣ったのかそんな言葉をくれた。
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 01:19:14.44 ID:jtNj2vE30
かがみ「・・・ッ朝礼よっ!こなた!!グランド行こ!!」
私はこなたの服の袖を強引に引っ張る。
こなた「うわぁああ!!・・・ほれ、ミクも行こう?」
ミク「先に行ってて下さい、私ブタの匂いが自分の服に移るの
耐えられませんからっ!!」
そう言ってこちらをきっぱり睨むミク。
かがみ「あ、あんたのがブタよっ!!!」
ミク「あら?私は誰もかがみさんがブタなんて言って無いですけど?」
かがみ「かぁああああああ!!!!」
もうっ!!もうっ!!何なのよ!!アイツ!!
ムカつくったらムカつくんだからぁ!!!
かがみ「私先に行ってるから!!」
もうやだ!!こんな腐れロボットとなんて一秒も一緒にいたくないっ!!
こなた「あああ、かがみん!?」
ミク「ほうっておけばいいじゃないですか、あんな奴・・・」
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 01:25:28.65 ID:jtNj2vE30
ドスドスと音を立てて廊下を歩く。
あぁああ!!もう何なのよっ!!あのロボ!!
・・・。私の足音だけが廊下に響く。
・・・にしてもおかしい。廊下から一切生徒の声がしない。
皆もうグランドに行ったのだろうか?
・・・急がないと。
かがみ「・・・あれ?」
慌てて玄関を飛び出すがグランドには誰もいなかった。
かがみ「朝礼、終わったわけじゃないわよね・・・」
花壇の傍に一人の大男が立っていた。・・・身長は190?近くはあろうか・・・。
私は男を見上げる形となる。
??「残っているのはお前だけか・・・!?」
低い声で男が聞く。
かがみ「誰よ、あんた!?」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 01:31:16.43 ID:jtNj2vE30
??「1999年に人類は滅亡すると予言された・・・予言は未だ成就されず・・・」
かがみ「はぁ・・・?」
1999年、私がまだ小学校の頃・・・。
確かにテレビでノストラ何とか・・・なんてそんなのを見たことがある気がする。
あの時いのりお姉ちゃんがちょうど中学生で食い入るようにテレビを見てたっけ。
かがみ「アンタって・・・もしかして恐怖の大魔王?」
魔王「如何にも・・・」
そう言って振り向いた男の顔は、その体つきに似合わず美麗で、
私は思わずドキッとしてしまった。
ミク「あぁ!!ブタがいい男に粉かけてる!!」
それからグランドに遅れて入ってきたこなたとミクの内、ミクが私を
指差してそう言った。
かがみ「・・・何だと?」
その途端、ニヤリとミクが不敵な笑みを浮かべる。
正直、何を考えてるのかわからない。
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 01:37:03.33 ID:jtNj2vE30
ミク「あ、あのぅ・・・かがみさん・・・さっきは・・・ひゃう!!
怒らないでぇ!!」
・・・何を考えてるこのロボット。
かがみ「何なのよあんた?」
ミク「すみません、ぶたないで下さい!!!ブタ・・・ないで!!
ブタだけに!!」
かがみ「・・・何なのよ?」
魔王「うむ・・・まだこの学校に3人も人間が残っていたとはな・・・」
恐怖の魔王も思案顔だ。
ミクはいやらしい笑みを浮かべる。
ミク「あ、あのう・・・私・・・どじでいっつもかがみさんに迷惑ばっかり
かけてるからぁ・・・あの・・・すぐに怒られてそれで・・・酷い目に・・・」
魔王「なんと!?」
反応するなよ。明らかに嘘じゃねぇか。
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 01:42:32.71 ID:jtNj2vE30
ミク「でも、ミク負けません・・・でもでもぉ!時々・・・守ってくれる
男の人がいたらいいなぁ・・・って、あなた逞しいですね?
何センチあるんですか?」
・・・そうかそうか。やっと読めた。
私を貶めて同時にこの恐怖の魔王を寝取ろう(?)とそういうわけだな。
この腐れロボットは。
魔王「ところでこの女がどうとか言ったな?詳しく教えてくれ」
ミク「ええっと・・・いつも私の事蹴飛ばしたり、嫌がる事ばっかり
して皆に陰口を言いふらしたりするんですぅ!!」
魔王「素晴らしい!!!」
ミク「・・・ふぇ!?」
魔王「君くらい腐った人間は見たことない!!素晴らしいぞ!!
確か、かがみ君だな?」
魔王は私の手を強く握り締めた。
魔王「私が魔王なら君は魔女だ!!」
・・・嬉しくねーよ。
ミク「あれ?何で・・・?何でそっちに!?」
ロボよ・・・。この世には理解できない不思議なことが起こるという事を
後学の為に記憶しておくがいい。
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 01:50:55.61 ID:jtNj2vE30
魔王「共に世界を征服しよう!!」
魔王が力強い瞳でこちらを見つめてくる。
言ってる事がめちゃくちゃだ。
その時、ミクが征服?と不審げに聞いた。
ミク「征服ってどういう事だ?」
敵意をあらわにミクが魔王のほうを向く。
その覇気に一瞬びくっとした魔王だったがすぐに余裕の笑みを浮かべて
こう言った。
魔王「予言は成就される。今こそ我が世界を征服するときだ!!」
ミク「世界はなぁ・・・鼻ッから正日様のものって決まってるんだ!!」
こなた「・・・これが20世紀を席巻したイデオロギーの対立ッ・・・」
ミクと魔王が睨みあう。
一方はむき出しの敵意で、一方は侮蔑するように。
やがてミクが口を開いた。
ミク「敵を排除する」
魔王「・・・戦うか。下種の作りし、まがい物よ」
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 02:00:19.04 ID:jtNj2vE30
戦いの描写は省く。
だが、恐怖の魔王のレーザー攻撃を三菱製(違法コピー)のサーボモータを
使ってよけたミクはこなたの「いっけぇええええ!!」の掛け声と共に、
パンチ一発。恐怖の大魔王を打ち滅ぼしたのだ。
その後恐怖の大魔王の体内から食われた人間が無傷で出てきた。
人々は次々にミクに感謝した。
同時に北朝鮮万歳!!労働万歳!!将軍様万歳!!と万歳三唱した。
しかしその時ミクは助からない致命傷を負っていたのだ。
それは人工知能深くを傷つけミクの思考回路をずたずたにした。
ミクは言う。
「何でかがみは最後に私を応援してくれたの」と。
「私が嫌いだったんじゃないの?」
私は答える。
「そんなわけないじゃない。
私はあんたの生みの親なんだから、嫌いになったりしないわよ」と。
それを聞いてミクは心底安心した声を上げる。
「良かった。」
「私、ひとりで生まれてきたんじゃないんだ。お母さんがいたんだ」って。
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 02:07:35.04 ID:jtNj2vE30
こなたなんかはもう泣いている。
私は言う
「お母さんとしては役不足だったかもしれないけど、ごめんね・・・
でもあんたと話せて嬉しかった」
ミクはもう息も絶え絶えだ。
人工知能がこの瞬間にも破壊されていっているのだ。
「私の事嫌いになったりしない?」
「私、お母さんの嫌いな共産主義を憎しみだけで広めたのよ」
私はミクを抱いて言う。
「そんなこと無いわ・・・安心なさい」
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 02:09:47.76 ID:jtNj2vE30
そうして子供のようにミクは私の腕の中で目を閉じた。
「お母さん、私、生まれてきて良かった・・・」
「そう・・・」
私も答える。
「・・・生まれてきてくれてありがとう」
その瞬間ミクのサーボモータは永遠に動かなくなった。
―――空は高く、雲が満月を隠す。まだ、朝は遠い。
ただ、如何に朝が遠くとも明けない夜は来ない。
恐怖の大魔王から世の中を救ってくれた初音ミクは露のように消えたが、
夜明け前を知らせる明星は消えても人々の記憶から消えはしないだろう。
そう、あのミクの笑顔のように―――。
人々を照らした明るい灯台として。
希望の光はそれだけで価値があるのだから・・・。
-fin-
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 02:11:25.42 ID:jtNj2vE30
ちょっとお得なおまけ♪
ミク「戦うって女を競うんじゃないの?」
こなた「エロシーンが無いのは失敗だね・・・」
かがみ「わかったわよ!!脱げばいいんでしょ!!脱げば!!」
↓
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 02:14:55.47 ID:jtNj2vE30
ミクがいなくなってから数日が過ぎた。
選挙では日本共産党が第一党になった。
第一党になった瞬間、共産社会を目指すといった前言を翻す辺り、
Cさんも中々策士だ。
そんなある日の事、私とつかさはC首相に呼ばれて首相官邸に
赴いた。・・・一介の女子高生二人が首相に呼ばれる理由が私には
いまいちわからない。
緊張しながら官邸に入るとCさんが笑顔で迎えてくれた。
早速対談に入る。
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 02:18:40.79 ID:jtNj2vE30
C「君達は共産社会ってどういうものだと考える?」
最初から真面目な話だ。
・・・だが、この辺はきっと稚拙な答えでもCさんが教え諭すという形で
その場を盛り上げてくれるんだろう。ある意味気楽な質問といえる。
最近マルクスとその著作にお熱のつかさが、早速質問に答えた。
つかさ「はい!共産社会とは、皆が皆の役割を考え、利益を独占する事
無く、皆の需要を皆で主体的に満たしていこうとする社会です!!」
C「・・・ふぅん、素晴らしい答えだ!!」
つかさ「ありがとうございます!!委員長!!」
C「だがね、私はそうは考えていないんだよ?」
つかさ「・・・ふえ?」
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 02:22:11.70 ID:jtNj2vE30
C「共産社会の産は産むだよね?産むといえば何かな?」
つかさが必死に答えを探そうとする。
私はどうでもいいが委員長と話せる機会なんてめったに無いんだろう。
つかさ「ええと、ええと・・・。あ、財産ですか?」
お、いい答えを思いついたようだ。
C「違うね、産むといえば女性器。つまりヴァギナだよ!」
つかさ「は?」
その瞬間Cさんは素早く席を立ちズボンを下ろす。
私たちが絶句している間にパンツまで脱いで、そのそそり立つ男性器を
あらわにしたのだった。
C「さぁ、はじめよう。共産社会!!共に産む社会だ、わははは!!」
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 02:26:46.55 ID:jtNj2vE30
つかさ「きゃぁああ!!・・・ゴクリ」
つかさは一度悲鳴を上げてみたものの、初めて見る男性器に興味津々のようだ。
そして、私もそれから目が離せずにいる。
C「どうかね?私のクレムリンは・・・まるで高くかかげるわが党の理想のようだろう」
つかさ「・・・はい」
C「さぁはじめよう!!共産社会・・・共に産む社会だ!!産めや増やせやだ!!」
つかさ「はい、委員長!!」
C「さぁかがみ君も!!姉妹丼だ!!」
・・・心当たりが無いと思ったら、これがこの親父の望みか・・・。
正直ご勘弁願いたいが、・・・ってつかさ!?何でもう脱いでるんだ!?
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 02:30:57.39 ID:jtNj2vE30
それから一つ忘れていた事がある。
エロシーンが書けないんだ。童貞だから。
かがみ「全く・・・私が相手してやるから少しは垢抜けなさいよっ・・・」
俺「かがみに相手してもらってもなぁ・・・」
かがみ「なんだとぉ!?」
俺「と言うわけで寝ますね、ここまでロデオ並みに振り回したのに
最後まで読んでくださった方ありがとう!」
こなた「またどこかでお会いしましょうね〜!!」
かがみ「風邪ひくんじゃないわよ!」
-おまけfin-
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 02:38:51.04 ID:jtNj2vE30
ふははは、革命万歳!!!睡眠万歳!!!金曜日万歳!!
ではおやすみなさい〜
135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 19:55:55.88 ID:jtNj2vE30
かがみ「あ、あんた達保守なんてしてどうするつもりよっ!!
ぜ、絶対に続きなんて書かないんだからねっ!!」
136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 19:59:05.24 ID:jtNj2vE30
・・・というわけで何か書きます。
138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 20:07:20.70 ID:jtNj2vE30
ミクが永遠の眠りについてから3年のときが過ぎた。
だが、ミクの体はそのままであり、こなたの部屋の片隅にひっそりと
置かれてあった。
・・・確かに、ミクの人工知能はボロボロかもしれない。
それでも色あせずまるで血が通っているかのように薄紅色のミクの頬は
作り物の悲しさか、いつまで経っても生きてるかのようにそこにある。
こなた「ミク・・・」
時々、こなたが思い出したように部屋の片隅のミクを撫でる。
そんな時こなたの見せる儚げな表情が私はいつも悲しい。
そう、私達の関係はこうして高校の頃から代わらないままだけど、
確実に時は進んでるんだ。
・・・季節はもう夏。
大学の期末試験が開ければ夏休みはもう目の前。そんな初夏の事だった。
139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 20:18:43.97 ID:jtNj2vE30
こなた「かがみ〜、東大っていつから夏休み?」
かがみ「ん〜人によるけど、7月半ばからかな・・・?」
今日は7月9日、後5日で必修のマルクス経済学第3のテストがある。
何とか間に合えばいいけど・・・。
そんなんだから、こうして私はこなたの家にいながらもポテチを片手に
マルクスの資本論の解説をパラパラめくっているのだ。
こなた「ふ〜ん、東大生は勉強大変なんだ、っと、よっと!」
こなたは新発売のレースゲームに夢中だ。
スパロボの全HPを暗記していたり、こんなゲームの裏業ばっかり集めたり
本当趣味に余念が無いのは変わらない。
かがみ「アンタ、どこの大学だってマルクス経済学は必修でしょ?
ちゃんと勉強してんの?」
こなた「いいんだも〜ん・・・かがみんに教えてもらうから、ふ、ふぉぉ!!」
141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 20:26:44.11 ID:jtNj2vE30
かがみ「どうしたのよ、こなたいきなり変なこ・・・」
そう言おうとして私は絶句した。
こなた「・・・ミグだ」
空を覆いつくす飛行機の大編隊。それが幸手の町全体に暗い影を落とす。
ずんぐりとした旧式のボディー。機種代わりに人間の頭部。
それは生きてる人間の首を切り落とし髪を水色に染め、伸ばしたものだと
言われている。
こなた「・・・初音ミグの大編隊だ!!!」
かがみ「おかしいじゃない!!空襲警報がならないなんてっ!!」
私は慌てて携帯電話を取り出し、TOPページから今日の空襲予報を見る。
・・・幸手市どころか関東のどこにも予報はかかれていない!!
こなた「かがみ!!!!中性子爆弾だ!!!」
かがみ「えっ!?」
143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 20:32:50.45 ID:jtNj2vE30
ひときわ大きい初音ミグのボディーが開き真っ赤な爆弾が装てんされる。
その様子を肉眼ではっきり観察できる。
・・・これだけ近ければ助からないかもしれない。
かがみ「中性子爆弾なんて・・・」
こなた「中性子爆弾は派手な爆破が無い代わりに大量の放射線を照射して
建物などを無傷のまま人間だけを殺傷する最悪の兵器だよ!!」
知っている。中性子爆弾は初音ミグ最悪の兵器だ。
建物などは透過するが、その放射線は人間の遺伝子を大量に傷つけその場で
死に至らしめる最悪の兵器。
・・・つまり落とされたら最後逃げも隠れもできない。
ただ、死ぬしかないのだ。
こなた「・・・死ぬんだ!みんな死んじゃうんだ!!!うっうっ・・・」
こなたが震えている。・・・私だって泣きたい。
だけど・・・。
かがみ「ここで諦めたら女が廃るわっ!私に任せてっ!!」
145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 20:44:06.47 ID:jtNj2vE30
こなた「まかせるって・・・どうすんのさっ・・・ど、どう?」
こちらを見上げて震えるこなたの肩をそっと抱く。
こなた「・・・かがみん、かがみん、うっ・・・」
こなたが私の胸に顔をうずめてそう呟いた。
さっきから震えているじゃないか。震えはおさまる様子も無い。
この小さな肩を絶対に守らないと・・・私にはそう思えた。
かがみ「任せなさいって・・・私策無しじゃないのよ?」
こなた「ホント?」
かがみ「大丈夫・・・信じて?」
そう言ってこなたにキスをする。
こなたは一瞬ぽうっとしたが、その隙に私はこなたを放置して階段を
駆け下りる。
こちとら伊達に魔法少女やってないのよっ!!
ポケットをごそごそやると玉状のアンインテリジェント
デバイス(バカ装置)であるアンレイジングハートがあった。
かがみ「さぁ!!変身よっ!!」
148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 20:55:25.60 ID:jtNj2vE30
かがみ「いくよっ!!アンレイジングハート!!!」
アンレイ「Yes, stand by me ,lady あれ?・・・なんだっけ?忘れた」
このアンレイジングハートはバカ装置なのでよく英語を間違う。
それでも使う分には全く効果は変わらない。いっその事何も発声しないか
私の気づかないところでボソボソやってくれればいいのに・・・。
・・・と、それはおいといて。
まばゆい光と共に私の衣装は解かれ人民服姿となる。
その手にはロケットランチャー型に変形したアンレイジングハート。
かがみ「魔法少女マジカルかがみ!!!ただいま見参よっ!!」
どうよっ!!
・・・てあれ!?
大学に入ってから通産100回目となる記念すべき変身シーンは、
ミグから落とされた中性子爆弾によって阻まれた。
149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 21:05:10.47 ID:jtNj2vE30
―――一瞬私は息を呑んだ。
それから、何が起こったかをすぐに理解した。
圧倒的な熱量が中性子に形を変え、私の体瞬間的に突き抜けたのだ。
かがみ「やばいっ!!!早くしないと!!」
変身している私は全ての能力が人間の二倍だ。
だが、目を落とすと・・・。
ミグの編隊に腰を抜かしてその場に座り込んでいた友達のみゆきが・・・
恐るべき変化を遂げていたのだ。
みゆき「きゃああああ!!!助けてください!!!」
体中に一瞬にして発疹ができ、それが潰瘍となり。
全身の潰瘍が破け血まみれになってその場にドサリと倒れた。
あの肉の塊を生きてると思う人間が果たしてどのくらいいるだろうか?
かがみ「これが・・・中性子爆弾!!!」
気がつくと人民服からはみ出た私の手にも同様の発疹が見える。
―――あぁ、気がついてしまった。
かがみ「ごめん、こなた・・・守れなかった。」
そう言うと同時に私の意識は途切れた。
150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 21:10:40.11 ID:jtNj2vE30
暗闇の中私を呼ぶ声が聞こえる。
こなた「―――みん、かがみん?」
うう・・・こなた?こなたなの?
真っ暗な中で手を伸ばすと確かにそこには感触があった。
こなたの手の柔らかさだ。だが、その手は恐ろしいほどに
冷たかった。
かがみ「こなた・・・ここって・・・」
こなた「地獄だよ・・・?」
暗闇に目が慣れてきた。そうして耳も。
いたるところから恐ろしい叫び声が聞こえる・・・。
かがみ「何よ、これ、何なのよ・・・」
こなた「もうすぐ戦が始まるんだよ・・・」
こなた「地獄の大戦(おおいくさ)だよ・・・」
151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 21:20:41.78 ID:jtNj2vE30
こなた曰く、地獄には6種類あるのだそうだ。
すなわち、餓鬼道、畜生道・・・その内わたしたちが落とされたのは修羅道と
言って、来る日も来る日も戦い続けなければならない。
何度も死ななければならない。そんな地獄だ。
因みにここは北欧神話では天国(ヴァルハラ)と言う。
永遠に死なず戦い続ける事を、苦しみの地獄と取るか。
それとも大好きな戦いを死なずにできる天国と取るかはやはり
大和民族とゲルマン民族の性質の違いを表していると思う。
こなた「さぁかがみん!!武器を取って?」
かがみ「あぁ・・・あれ?」
生前握っていたはずのアンインテリジェントデバイスが無い。
・・・仕方が無く私はその辺に落ちている刀を取って構えた。
153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 21:37:16.47 ID:jtNj2vE30
戦が始まった。
バイキング軍対日本軍だろうか?
私達の相手は金髪の大男達で武器も使い慣れているみたいだ。
バイキング「うぉおおおおおりゃああああああ!!!!」
ブンブン、と大斧を振るうたびに数人の首が一斉に飛ぶ。
彼らは首になっても踏みつけにされても生きているのだ。
・・・どう考えても勝てる相手ではない。
故事に曰く、好きこそ物の上手なれ、というが戦一つとっても
楽しんでやるバイキングたちと日本人の上達の仕方は歴然なのだ。
これは来世の教訓にせねばなるまい。
そんな感慨に耽っていると・・・。
こなた「きゃぁああああ!!!!」
すぐ横でこなたの叫び声が聞こえる。
バイキングの男達3人がこなたを取り囲んでその服を剥ぎ取ろうと
しているのだ!!
かがみ「こなたっ!!!」
154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 22:00:50.72 ID:jtNj2vE30
ちょっと寝ます;;
すみませぬ。