33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/30(木) 10:47:12.11 ID:UWqQbNCcO
保守がわりに
>>16の続き
社会人になりOLの仕事にしては収入に安定のある会社で勤めている
「…ふぅ」
この頃はとくに疲れているわけでもなく息をつく回数が増えた気がする
同期のOL「涼宮さん?今夜〜課の男の子と合コンするんだけど一緒に来ない?」
「ごめん!今日は用事があるの!」
唯一声をかけてくれる同期の子にも心は開くことができない…
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/30(木) 10:56:17.09 ID:UWqQbNCcO
夜7:00私が帰宅している最中、普段なら一直線に帰路を目指すはずだが、その夜は何故か周り道をしたい気分だった
ぼーっとなにも考えず散歩をしているような、そんなような感じで道を歩いていた
公園のほうをふと見ると、高校生ぐらいの彼は鳩が豆鉄砲を食らったみたいな顔をして缶コーヒーをにぎりしめ、こちらを見ている
「何してるの?」
ふと彼に懐かしさを感じ声をかけてしまった
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/30(木) 11:07:44.56 ID:UWqQbNCcO
公園のベンチに腰掛けている彼はしばらく何も口にだせなかった
そして少しの時間が過ぎ思い立ったかのように質問をしてきた
「今日っていつです?」
「10月30日よ」
「ああ…そうじゃなくて西暦から教えてくれませんか?」
「…?20XX年10月30日よ」
「……」
彼はその言葉を聞くとまた黙りこんでしまった
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/30(木) 11:16:12.34 ID:UWqQbNCcO
「…すみませんが…あなたの年齢を聞かせてもらえませんか?」
「な!?」
彼の思わずのぶしつけな質問に少し焦りと動揺が出てしまった
「27よ」
「…やはりそうか」
「やはりってなによ!」
「ははっ…変わらないな」
「…??わたしはあなたよりお姉さんなのよ!ちゃんとわかってるの?タメ口きくならもっと親しい仲か、立場が自分より下の子じゃないとダメよ!!」
仕事のストレスかもしれないが、社会のルールをこんなところで高校生に説教するなんて私らしくないなと思い、つい言い切ったあと顔を背けてしまった
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/30(木) 11:25:32.63 ID:UWqQbNCcO
「…疲れてるんですね」
「疲れてないわよ…ただあなたみたいに若い人を見ると嫉妬しちゃうだけ…」
「会社で働いてるのか?…すみません…会社で働いてるんですか?」
「…別に良いわよタメ口で、ちゃんと高校卒業して大学出て今はOLやってるわ…」
「…彼氏はいないのか?」
「早速タメ口?ふふふっ…いないわよ。いつぐらいだろうな、本気で恋することができなくなったのは…」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/30(木) 11:32:38.14 ID:UWqQbNCcO
「今はひとりで暮らしているのか?」
「ええ。てなによ…今はっていうのは?」
「…とくに深い意味はない…気にしないでくれ」
「…人に質問ばっかで変なやつ…あんたこそこんなところで何やってるの?」
「…暇つぶしだ」
「へえ…青春の時期にもったいないわね…」
「……」
「わたし…帰るわ」
まだ少し彼と話をしていたかったが、彼に深く関わるとまたすごく傷つくような気がして恐かった
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/30(木) 11:35:53.84 ID:UWqQbNCcO
マンションにたどりつくと途端に胸が裂けるような苦しみを覚えた
初めて見たはずの彼の顔がずっと頭のなかに浮かんでいる
とりあえずわたしはシャワーを浴び頭を落ち着け彼を忘れるよう試みることにした
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/30(木) 11:40:01.11 ID:UWqQbNCcO
夜の00:00コンビニでなにかおやつを買おうと私は外に出かけた
この時期の夜は寒い…少し遠くにあるコンビニまで小走りで行くことにした
「ハア…ハア…」
この時期でも息は若干白い
この角を曲がると彼がいた公園が見える…
…驚いたことに彼はまだそこにいた
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/30(木) 11:44:38.38 ID:UWqQbNCcO
自販機から暖かいほうのコーヒーを買い、後ろから忍び込み彼の首筋に当てた
半分寝ている感じの彼はびくっと驚いた反応を見せ、私のほうにゆっくり振り向いた
「ははっ!高校生ははやく家に帰りなさいよ?それともあんた家出してるの?」
私はらしくなく再び彼に会えたことに興奮していた
「…そんなところだ」
「え!?ほんとに泊まるところないの?」
「ああ」
「…どうしよ…どうしよ…しかたないわね…今夜は私んところ泊まる?高校生って多感な時期だからね…はやく親と仲直りしなさいよ!」
「…」
「好意は素直に受けとっておくの!…あっ!コンビニ行くんだった!なんか欲しいものあったら買ってあげるわよ!」
彼は少し嬉しそうな、でもなにか陰りのある笑みで私の問いに応じた
『涼宮ハルヒの同棲生活』プロローグ
終わり
続きはもういいだろ…