1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/23(木) 14:02:12.29 ID:CZfNAOM80
マッシュ「困るぜお嬢さん」
セリス「wwwだっせwww」
長門「ティナ・・攻撃目標・・セリス・・」
ティナ「了解」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/23(木) 14:10:53.77 ID:CZfNAOM80
ティナのラグナロクが一閃。
セリスに直撃。
セリス「wwあんま痛くないしwwってか何仲間割れさせてんの長門さんww」
長門「まだ」
セリス「え・・?」
マッシュ「フレアだ!フハハハハハハハハハ!!!」
セリス「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁせsdfygふごうっふ」
長門「すっきり」
ティナ「・・(もうイヤ!!)」
4 名前:sage[] 投稿日:2008/10/23(木) 14:15:31.21 ID:CZfNAOM80
長門「戦闘終了。引き続き、レベル上げを行う。」
マッシュ「了解!でもここの恐竜も少し飽きてきたなぁ」
ティナ「あの・・長門さん・・セリスが・・その・・死んだので・・
誰か補充しなければ・・その・・」
長門「失念していた。飛空挺へ戻る」
−−−−飛空挺内−−−−
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 14:22:43.52 ID:CZfNAOM80
マッシュ「長門!誰を使うんだ?」
長門「・・攻略本を確認中・・狂信者の塔は・・モグ。貴方を使う」
モグ「クポッ?!も、モグでいいクポか?」
長門「貴方のそのお守りには特別な力がある。
貴方はその力を隠している。」
モグ「・・べっ別に隠していたわけでは・・ない・・クポ・・」
長門「マッシュ・モグ・ティナ・カイエン。準備をして。」
カイエン「・・・・・。」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 14:28:32.51 ID:CZfNAOM80
狂信者の塔に着く。
マッシュ「あ・・あれは・・!ストラゴスのじじいじゃねぇか?!」
ティナ「本当だ・・!生きて・・生きていたんですね!!」
ストラゴス「・・・リルム・・・リルム・・ハァハァ・・」
マッシュ「な・・なんだ・・?気持ち悪いなーじいさん!!俺だよ!ボケたのか?!」
ストラゴス「・・リルム・・リルム・・フヒ・・」
マッシュ「ダメだこいつ・・早くなんとかしないと・・長門!どうしたらいいと思う?!」
長門「・・いい。そいつは放っておく。進行を開始する。」
ティナ「(そんな・・!ひどいよ・・)」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 14:37:02.08 ID:CZfNAOM80
カイエン「ティナ殿・・心中お察しするが・・私たちはプレイヤーの意志には
逆らえないのでござる。きっといつかストラゴス殿を助ける機会が
やってきましょう。それまでは・・変な気を起こさぬよう・・」
ティナ「・・・・。」
マッシュ「で、モグ。お前のお守りってどういう役目があるんだ?」
モグ「邪悪なものを追い払う力が宿っているクポ。モグの大事な・・
とても大事な人が残してくれたものクポ・・」
マッシュ「あっそ。どうせ俺たちは長門には逆らえないんだ。
セリスやエドガーにようになりたくなかったら そんな思い入れなんて捨てたほうがいいぜ。」
モグ「(今までのプレイヤーの中でも長門は最低だクポ・・!)」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 14:48:27.47 ID:CZfNAOM80
エドガーを殺されたときのことは、思い出したくもない。
俺の実の兄貴であり、幼少の頃から一緒に遊んでいた一番の親友でもあり、
頼れるリーダーとして本当に信頼できる人を、俺は・・守れなかった・・
あの時、エドガーを殺す手筈を整えたセリスを、この手で葬れなかったのは
少々残念だったが、それでも兄さんの死に一矢報いたように思う。
モグのお守りのおかげで敵に余計な邪魔をされることなく、
俺は考えを巡らすこともできたし、塔の頂上付近まで一気にやって来れた。
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 15:05:04.72 ID:CZfNAOM80
マッシュ「また宝箱発見だぜ!」
長門「・・まって・・貴方達ではまだ無理」
マッシュ「敵でも潜んでるってか?せいぜいホーリードラゴンが関の山だろ!
開けるぜ!!」
長門「・・・・・・」
勢いよく開け、いつものメッセージが現れる。
---宝箱の中にモンスターが!!---
・・そこにいたのは・・誰もが予想していた、ホーリードラゴンではなく・・
ティナ「な・・なんで・・カイザードラゴンが・・」
長門「命令違反。マッシュを敵性と判断。」
マッシュにバーサクがかけられた。
明らかに私達以外の存在によって。
長門「残りの3名は部屋から退却。階上へ非難、急ぎなさい」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 15:19:36.47 ID:CZfNAOM80
カイエン「くっ・・!!マッシュ殿・・!!ティナ殿!!何をやっているのでござるか?!
早く逃げなければ!」
ティナ「マッシュ!!どうして・・っ?!」
私達は愚直に直接攻撃を繰り返すマッシュを尻目に・・逃げ出した。
いつも明るくバカみたいに私達を盛り上げてくれたマッシュを・・
見殺しにしたのだ。
竜の帝王の雄叫びが1回、2回聞こえて・・戦闘の音はしなくなった。
長門さんは・・フェニックスの尾、レイズ系封印プレイしているため、
もうこの世界でマッシュと会うことは叶わない・・
いつもならすぐに生き返る仲間も、今ではもう3人の命が失われたままだ・・
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 15:31:10.24 ID:CZfNAOM80
ティナ「ねぇカイエン・・貴方は何回目の世界なの?」
カイエン「数えることも出来ぬくらいでござる。
何千何万回と、ミナとシュンが殺されて・・それでも拙者は・・
仲間達と旅が出来ることに妙な喜びを見出してきた。
しかし・・このプレイヤーは・・あまりにも・・」
ティナ「ダメよ!・・長門さんに聞こえてしまうわ・・でも長門さんは・・
他のプレイヤーと違う気が・・ううん、絶対に何かが違うわ。
ここまで私達の世界に入ってくるプレイヤーは今までいなかったもの。」
カイエン「・・確かに。いつもならあの宝箱に入っているのはホーリードラゴンの筈。
なぜ今回はあんなドラゴンが・・」
ティナ「こんなに残忍なプレイをしている長門さんだけど・・
ひょっとしたら私達のこの無限輪廻の世界を・・変えてくれるような気がしない・・?」
カイエン「わからぬ・・」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 15:46:18.64 ID:CZfNAOM80
結局、私達のうやむやした気持ちも晴れる事無く、塔の頂上に辿り着いた。
モグ「長門さん、アイツはどうやって倒すクポ?」
長門「・・マジックマスター・・HP5万、MP5千・・」
少女は、暫く手元の本を捲り、特定のページを凝視すると、パタン、と本を閉じた。
長門「全員、リフレクトリングと天使の羽を装備」
多くの先人と同じ戦法で戦うつもりのようだ。
私は長門さんの常軌を逸した行動に期待も不安もあったため、
どこか残念な、とも安堵ともわからない息をついていた。
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 15:57:04.42 ID:CZfNAOM80
長門「戦闘開始」
おそらく長門さんはアスピルとラスピルを行使するだろうと思い、
私は命令が下る前に呪文の詠唱に入っていた。
しかし、その呪文が発動することは無かった。
マジックマスター「 アルテマ 」
目前に綺麗な光があふれ、私達の体を包み込む。
暖かく、とても私達を攻撃するものとは思えなかった。
ふと、右手に何かがぶつかる。
可愛らしいモーグリのぬいぐるみのようだ。
残念なことに、このぬいぐるみは首と体の右半分が無くなっている。
可哀想に・・私が後で縫ってあげよう。
私は光に包まれて、消えるまでの刹那
モーグリのぬいぐるみを抱いて目を閉じた
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 17:05:06.45 ID:CZfNAOM80
ティナ達が帰ってこない・・
この数時間の間に何度の「まさか」と「でも」を繰り返したことか。
このプレイヤーは俺達を生き返らせることをしない。
あの4人のうち、1人か2人は生きて帰って来ないかもしれない。
今、船内にはガウと俺だけだ。
正直、俺はコイツが苦手だ。何が野生児だ。気持ち悪い。
俺の船内をバタバタと走り回る野生児をそろそろ殴って黙らせるか、と行動に移そうとした時、
声が聞こえた。
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 17:05:43.49 ID:CZfNAOM80
長門「セッツァー、ガウ。これから主の戦闘と行動は貴方達に一任する。」
一番、期待していた言葉に胸が躍る。
あいつらが死んで・・ついに俺がレギュラー・・レギュラーだ!!!!
長門「貴方にコレを渡しておく。」
不意に右のポケットが重くなった。
まさか、とは思ったがやはり・・これは・・
手に取ると、それは正六面体の一般的なサイコロが3つ。
しかし、俺にはそれが一般的なただのサイコロではないことがわかる。
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 17:06:45.57 ID:CZfNAOM80
今までの世界では、このダイスが無ければ俺はクズ扱いだった。
しかし、この世界では、中盤にして俺の最強装備が手に入った!
正直、最終ダンジョンでしか手に入らないものがなぜ?という疑問もあるが・・
それは全く気にならないので放っておこう。
長門「貴方達2人にはこれから仲間を求めて各所に行ってもらう。
まずはジドール」
仲間が4人以上になれば、またレギュラーから外れてしまう可能性もあるが、
イカサマのダイスがある俺様にそんな心配は不要だろう。
俺は舵を取り、オークションと富豪の街、ジドールへ向かった。
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 17:08:09.95 ID:CZfNAOM80
街に着くと早速、長門から指令が入る。
街の北端の屋敷にいるリルムを仲間にしろとの事。
リルム?あぁあのチンチクリンか。
俺はそこら辺で転がり回っているガウを引っ掴んで、屋敷の門をくぐった。
ピーンポーン・・
誰も出ない。むしろ、呼び鈴を鳴らすこと自体が珍しい行為なのでいつも通り勝手にお邪魔する。
セッツァー「何だ・・この空気・・」
思わず独り言を言ってしまう。まるで、物語の主人公にでもなったような気分だ。
とにかく、薄暗いのが気味悪いので電気をつける。
ふと、ガウがいないことに気づく。
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 17:10:51.20 ID:CZfNAOM80
全く・・勝手な行動を・・
ようやく見つけた、と思ったら一枚の絵に向かって呪文を詠唱しているようだ。
セッツァー「お、おいお前何やっt」
瞬く間に絵は燃え上がり、絵からは死にゆく者の叫びが聞こえた。
セッツァー「おい!火が移ったらどうすんだ?!」
ガウ「問題ない。今、この屋敷は私の情報制御下にある。」
強烈な違和感を感じる。
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 17:11:42.05 ID:CZfNAOM80
こいつ、こんなキャラだったっけか・・?
それに、なんでこいつがあんな魔法を使えるんだ・・
この屋敷に入ってからのガウは、明らかにおかしかった。
立ち居振る舞いが、野生児のそれとは全く異なり、
むしろ真逆である、機械的な印象を受ける。
一体なんなんだと、悠長に考える暇も大して無いまま、屋敷の一番奥まで来た。
そこにいたのは、一枚の絵を一心不乱に描き続けている少女だった。
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 17:18:09.11 ID:CZfNAOM80
セッツァー「リ、リルムじゃないか?!お前こんな所で何をやっているんだ?!」
自分で言っていてまたもや強烈な違和感を感じる。
俺はここにリルムがいることを知っていたような気が・・する。
何か・・この屋敷に入ってから・・何かおかしい・・
ガウ「あの少女は異質なものに取り憑かれている。媒介としている者を排除する。」
そう言うと、もの凄い速さで呪文を詠唱した。
と、次の瞬間にはリルムに憑いている者が断末魔をあげながら消えていった。
セッツァー「お前・・一体・・」
ガウ「バニシュ&デジョン。この世界のルールに則って消去を実行した。」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 18:11:41.04 ID:CZfNAOM80
セッツァー「お前は・・誰・・だ・・?」
ガウ「今この少年の人格は存在しない。別の世界で待機している。
私はこの世界を先程まで操っていた者。貴方達にとって私はいささか評判が悪いようだった。
私は、ただ純粋にこの世界を楽しみたい。だからこの世界で空気・・いえ、あまり活躍が芳しくない
この少年と入れ替わった。そして、それまでの貴方達の記憶は消去させてもらった。
今ある貴方の記憶は、この世界が初めから持ち合わせている記憶。
初めから設定されている記憶。
そして、この屋敷はそれだけのために利用させてもらった。」
セッツァー「すまん、全然意味がわからない。」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/23(木) 18:12:31.07 ID:CZfNAOM80
ガウ「今はわからなくても良い。でもいずれ、わかるときがくる。」
その頃。
キョン「今日もまた長門は休みか。おいハルヒ、お前何か聞いてるか?」
ハルヒ「私が知るわけないじゃない!バカキョン!じゃあ私はもう帰るわね!」
キョン「おう。またな。(古泉にでも聞いてみるか)」
ガチャ
古泉「おや、涼宮さんはもうお帰りになられたのですか。」
キョン「ちょうど良いタイミングだ。お前、長門について何か知ってることあるか?」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/23(木) 18:13:11.09 ID:CZfNAOM80
古泉「と、言いますと・・?」
キョン「長門が学校休み始めてからもう3日目だ。何かあったのか」
古泉「いえ・・ですが、彼女が最近読んでいる本が・・これです。」
キョン「ファイナルファンタジー6・・の攻略本だな・・」
古泉「面白いですよね〜これ。私はなんと言ってもシャドウのあの渋いk」
キョン「ちょっと長門の家に行ってくる!」
古泉「・・・」
長門のマンションに着いた。
ピンポーン
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/23(木) 18:13:38.94 ID:CZfNAOM80
キョン「おーい長門ー。いるのか?おーい。」
反応がない。申し訳ないが、勝手にお邪魔させて頂く。幸い、鍵は掛かっていない。
ガチャ
キョン「!!!」
長門は、ゲームをしている途中で眠ってしまったのだろうか。
テレビ画面の前で倒れているようにも見えるが・・
長門「・・う・・うう・・・」
キョン「!!おい!長門!!しっかりしろ!大丈夫か?!」
長門「・・うう・・腹減ったぁ・・」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/23(木) 18:15:01.72 ID:CZfNAOM80
キョン「?!・・は・・腹が・・減ったのか・・?」
俺は、お弁当の干し肉がマズすぎて残していたのを思い出した。
キョン「長門!これで良ければ食え!」
長門「・・モグモグ・・」
干し肉にがっつく長門。この様子だと2,3日何も口にしていなかったのではないだろうか、と
心配になる。
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/23(木) 18:21:23.40 ID:CZfNAOM80
長門「ここ、どこだ!お前、誰!でも、お前、助けてくれた!
仲間!ガウとお前!仲間!」
キョン「・・・長門・・さん・・?」
暫く「仲間!仲間!」と暴れまわる長門を眺めて呆然としていると、
いつの間に隣にいたのか、と驚く暇もないくらいに突然喜緑さんが語りだした。
喜緑「長門さんは今、ゲームの中にいます。」
これまた面倒くせぇーっというリアクションもとれず、
俺はただただ喜緑さんの話を聞いた。
というより浴びせられた。
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/23(木) 18:29:40.95 ID:CZfNAOM80
喜緑さん曰く、長門はどうやらこのゲームによって人間関係についての
お勉強をしようとしていたようだ。
そして、RPGにありがちな「生き返らせる」行為を禁止とし、
よりリアルな世界観とそこに渦巻く人間の感情を、
それはもう本っ当に丁寧に、そしてリアルに再現させた、とのこと。
そのせいで、ゲームの中のキャラクターに自我が生まれ、
たかだか200数キロバイトのゲームの中では有り得ないほどの
情報量があふれ、こりゃ面白そうだ、
と思わず飛び込んでしまったとかなんとか。
そして、この少年は長門と入れ替わりでこっちに来た。と
一通りの説明を受け、俺はいつも通り頭が痛くなってきた。
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/23(木) 18:34:46.59 ID:CZfNAOM80
キョン「で、長門をこっちの世界に呼び戻すにはどうしたらいいんです?」
喜緑「ありきたりで申し訳ないのですが、
誰かがこのゲームをクリアしなければなりません。」
キョン「なんだかもの凄いありきたりだな・・
で、喜緑さんはそのためにここに?」
喜緑「はい、でも私こういったゲームは初めてなので・・
貴方にもご協力して頂けたら・・」
キョン「・・わかりました。俺でよければ・・」
こうして、また俺の非日常な冒険が始まった。
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/23(木) 18:41:12.99 ID:CZfNAOM80
幸い、FF6は小学生の時に経験済みだった。
今は・・ジドールか・・
次は・・ゴゴでも仲間にしに行くか・・
しかし、ある異変に気づいた。
キョン「喜緑さん・・死んでいるキャラが生き返らないんですけど・・」
喜緑「えっ?そ・・そんなはずは無いんですけど・・
もう縛りは解除したはずなのに・・」
何回レイズをしても死んだキャラは生き返らなかった。
ということは・・このガウというキャラが死んだら・・
長門も死ぬ・・ということなのだろうか・・・?
そのことを尋ねた時、わずかに喜緑さんの口元が歪んだように・・見えた。
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/23(木) 18:54:02.22 ID:CZfNAOM80
モノマネ士ゴゴがいるという島へ向かう道中、飛空挺の中でガウから
色々な話が聞けた。
セッツァー「それで、貴方はこっちの世界に来ても良かったのですか?」
ガウ「問題は無い。きっと彼なら来てくれるとも思っていた。」
リルム「かれ?かれってだれぇ?」
ガウ「私が・・このゲームを始めようと思ったきっかけの人。」
セッツァー「その『彼』が今は俺達の世界を操っている、ということですか?」
ガウ「そう。彼ならきっとそつなくクリアーしてくれる」
元の世界のこの少女−今は野生児の身なりだが−はどんな姿をして、
どんな生き方をしているのだろう。セッツァーは事態を把握できてきた
余裕からか、ゆっくりとガウの横顔を眺めながら飛空挺の舵を取った。
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/23(木) 19:09:21.62 ID:CZfNAOM80
―――――12時間後――――
キョン「ふぅ・・これで全員仲間にし終わりました。
後はラスとダンジョンだけですよ!喜緑さん!」
なぜだかプレイが進むほどに元気が無くなっていく喜緑さんに声をかける。
しかし、返ってくるのは気の無い返事ばかりだ。
いよいよラストダンジョンに突入、というときに喜緑さんが
意を決したように口を開いた。
「あっあの・・っ!!さ・・最後の面だけ・・
私にやらせてもらえませんか・・?!」
普段控えめな印象だっただけに、この大事な局面での申し出は
とても驚いた。
キョン「えうっと・・べっ別に構いませんが・・そんなにやりたいんですか?
そんなに・・身を乗り出して・・・むっ胸が・・当たって・・ますよ・・?」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/23(木) 19:14:09.19 ID:CZfNAOM80
喜緑「ダメ・・ですか・・?///」
押し付ける胸の感触がさらに強くなる。
キョン「いっいえ、俺もアドバイスとかできますし・・一向に構いませんよよ!」
そういってコントローラーを渡す。
暫く、この素敵な感触のリフレインを楽しもう、そう心に決めた。
喜緑「・・・」
――――瓦礫の塔内部――――
ガウ「・・!!??」
セッツァー「どうしました?」
ガウ「プレイヤーが・・変わった・・」
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/23(木) 19:23:22.76 ID:CZfNAOM80
瓦礫の塔は、パーティを3つに分けて進む。
私は、セッツァーとウーマロの3人パーティ。
残る2つは、「ストラゴス・リルム・ロック」と、
「シャドウ・ゴゴ」である。
少々偏り過ぎ、とも思ったが、他ならぬ『彼』が組んだパーティだ。
信頼して問題無いだろう。
しかし、あれ以降誰一人死なさずにここまで来るのには骨が折れた。
だが、『彼』の指示の元、レベルも装備も十分な状態で
ラストダンジョンを迎えることができた。
私達の最初の試練は「魔神」だった。
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/23(木) 19:33:26.63 ID:CZfNAOM80
プレイヤーが変わったときはどうなるかと思ったが、魔神に続き、鬼神も
なんとか倒せた。他のパーティはどうだろうか。
私はスイッチの上に乗り、他のパーティが無事に辿り着くことを願った。
そして。
どうやら他のパーティも辿り着いたらしい。
機械的な音と共に、瓦礫の塔最上部へ押し上げられる。
そこで待っていたのは、この世界の最後の敵。ケフカ。
こいつを倒せば元の世界に戻る。
私はこの世界で実に多くのことを学んだ。
死の概念。仲間との絆。失ってしまったものの大きさ。
そして・・『彼』への想いの強さ。
確認できたことも、学べたことも、全てを持ち帰ってこれからの生活に活かそう。
だから・・必ず倒す。誰も死なさずに。
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/23(木) 19:41:48.00 ID:CZfNAOM80
特にこれという挨拶もなく、いきなり戦いは始まった。
ケフカの体の一部であろうか、もの凄い醜い形だ。
長い腕が振りかざされた、と思った瞬間には・・
もう攻撃されていた。攻撃を受けたロックは・・
ロックはもう体の一部を残して消えていた。
怒りを伴っているのかわからないが、ゴゴが反撃を試みる。
凄い。ゴゴは今まで力を隠していたのか。
見る見る内にケフカの顔・短い腕・長い腕を倒した。
でも、代償は大きかった。
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/23(木) 19:47:23.07 ID:CZfNAOM80
ゴゴは苦しそうに顔を歪めている。
腹を数箇所、刺されていて出血が夥しい。
回復は?!
なぜかプレイヤーは回復をしようとしない。
『彼』は何をしているのだろう?!
こんなにも苦しそうな彼に出された命令は
残酷なものだった。
青魔法「じばく」
瞬間、ゴゴはこちらを見て微笑んだように見えた。
ケフカの第2段階である、「機械・虎・殴る・魔法」を大爆発が包む。
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/23(木) 19:59:40.55 ID:CZfNAOM80
「ゴゴ・・」
頬を伝う涙が熱い。
最終決戦で泣いている暇は無いというのに。
ゴゴの命を賭した大攻撃は、ケフカの第2段階を跡形も無く吹き飛ばしていた。
第3段階に以降するにつれて、新たな仲間が最上部へやってくる。
ウーマロとセッツァーが、怒りに満ちた表情で。
ケフカの第3段階である、「マリア・眠り」がいきなり全体魔法の詠唱を始める。
しかも発動が早い。
眩い光が放たれる瞬間、セッツァーが飛び込んで攻撃をしていた。
ウーマロは・・なぜかこちらに走ってきていた。
一瞬の静寂の後、邪悪な光が全方位に飛び散る。
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/23(木) 20:11:58.08 ID:CZfNAOM80
気がつくと、私はふかふかの毛布に包まって、冬の朝を迎えたような
心地よさに包まれていた。ただ、血の匂いがすぐにそれを忘れさせた。
セッツァー「長門さん・・大丈夫ですか・・?」
少し離れたところに、ひどくアンバランスな状態で立っているセッツァーがいた。
あぁ・・この旅をいつも支えてくれていた彼までもが・・
セッツァー「ウーマロ・・アイツ・・貴方のことが好きだったみたいですよ。
雪男のクセに・・いっちょまえに恋しやがって・・」
そういえばウーマロは?!私の所まで走ってきて・・それで・・
近くにキレイな白と赤に染まった毛布のようなものがあった。
「なんで・・どうして・・」
セッツァー「長門さん、貴方だ・・けは・・生きてくださ・・い」
そう言うと、彼は最後の力を振り絞って、ダイスをケフカに向けて投げる。
彼のギャンブル人生最後の出目は・・ケフカ第3段階に引導を渡した。
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/23(木) 20:27:06.23 ID:CZfNAOM80
遂に最終段階。ケフカの本体が姿を現す。
同じタイミングで、シャドウ・ストラゴス・リルムが隣に立つ。
ストラゴス「リルム、見るな!敵だけを見ていなさい。」
仲間達の遺骸は、リルムには残酷すぎて、悲しすぎて、心を乱すには
十分過ぎるものであった。
リルム「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
みんな!!みんな死んじゃったの?!!そんなのいやぁぁ!!!」
ストラゴス「リルム!!落ち着きなさい!」
悲しむ時間も与えないぞ、と言わんばかりにケフカの「心ない天使」が
私達にまとわりつく。
シャドウ「くっ・・・!!!!」
リルム「うぅ・・・・・・」
ストラゴス「かはっ」
体中の力が抜けたような、目を閉じればそのまま死んでしまうような、
そんな感覚と絶望感に襲われる。
長門「なぜ・・回復を・・どうして・・?」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/23(木) 20:36:15.99 ID:CZfNAOM80
プレイヤーの声は届いてこない。私の声も届いていないのだろうか。
そして、仲間達に無残にも繰り出される「攻撃」の命令。
このまま・・死んでしまうのだろうか・・
そして、ケフカの攻撃。
標的は、リルムだった。
リルムは、避けるどころか動く気配も無い。
全てを諦めたような表情で虚空を見つめている。
ストラゴスは迷う事無くリルムを押し倒す。
そして、そのままの姿勢でケフカの攻撃を2度、3度と受け、
リルムとの最後の会話―一方的にだが―をし、絶命した。
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/23(木) 20:46:56.56 ID:CZfNAOM80
リルムは悲しみと怒りの入り混じった叫び声を上げ、呪文の詠唱を始めた。
ただ、ケフカの次の攻撃はすぐに始まった。とてもリルムの呪文まで
間に合いそうにない。
リルムの小さな体を根こそぎ持っていくであろう触手が、
彼女の目前に迫ったとき、触手が何かを嫌がるように退避した。
シャドウだった。もうボロボロで立つことも難しいであろうシャドウが、
ケフカに一撃の刃を投げていた。
著しいダメージを負ったケフカが、標的をシャドウに変え、襲いかかる。
すかさず、もう一本の愛刀影縫を投げる。
苦痛の表情を浮かべ、ますます怒り狂うケフカ。
これでリルムの呪文は間に合うだろう。
シャドウ「リルム・・達者でな・・」
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/23(木) 20:54:04.58 ID:CZfNAOM80
ケフカの触手が、シャドウを跡形も無く切り刻んだ。
そして、リルムの魔法詠唱が終わった。
リルム「みんなの仇だ!! ア ル テ マ !!」
長い間、この空間に空気が無くなったかのような静寂に包まれる。
そして、次の瞬間には光と音と、何もかもが混ざり合ったような爆発が
巻き起こった。
ケフカ「ぐぎゃぁぁぁぁぁがああぁあうあうあ!!!!」
爆発音の中に、ケフカの叫び声を聞いたような気がする。
そして・・
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/23(木) 21:00:47.13 ID:CZfNAOM80
ケフカの残骸・・だろうか・・
かろうじて残っている頭部が何やらブツブツと言っている。
しかし、ケフカにはもう戦闘を続ける力は残っていないだろう。
私はリルムの傍まで何とかにじり寄った。
と、どこかから声が聞こえる。
「・・えますか。聞こえますか、長門さん」
この声は・・喜緑・・
長門「なぜこのような戦い方をした。それに彼は今どこに?」
喜緑「キョンさんには今眠ってもらっています。
それより良いんですか?まだケフカは生きていますよ?」
長門「それならトドメを刺すように命令をすればいいだけのこと。」
喜緑「クスッ・・違いますよ・・まだ戦闘は終わっていないということです。」
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/23(木) 21:09:46.25 ID:CZfNAOM80
長門「・・しまっ・・!!」
リルムから離れた・・つもりだったが体が思うように動かない。
喜緑の命令通り、私はリルムを、リルムは私を攻撃するように構える。
リルムは・・涙を流していた。
無理も無い。幼い心には耐え切れないほど色々あった。
だいぶ前に失った―おそらく喜緑によって制御された―情報操作の力を振り絞る。
もう少し・・あと少しだけ・・
私は、最後の力を使いリルムにリレイズをかけ・・攻撃を開始した。
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/23(木) 21:13:29.38 ID:CZfNAOM80
すみません終わりです。
読んでくれた方ありがとうございました。
適当に話を広げすぎるとこうなるんだな、というのが学べました。