1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/16(木) 22:39:27.89 ID:2wc6fgCY0
暗い森の中一人でこなたが歩いている。
こなた「ここってドコだろう・・・?」
こなた「確かちょっと前まで部屋の中にいたはずなのに・・・」
原始人「ウホッウホッ!」
こなた「わぁ!!」
原始人2「ウホッ!ウホッ!!」
こなた「な、何ですか・・・ドキドキ・・・」
原始人3「オマエダレダ?」
こなた「泉こなたです・・・ただの女子高生ですけど・・・」
原始人4「オレタチノムラニコイ」
こなた「ひぇえええ!!ヲタスケェ!!」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/16(木) 22:44:34.12 ID:2wc6fgCY0
こなたは原始人の村に連れ去られた。
村は直径30mほどの巨大な堀に囲まれた形で集落としてあった。
原始人「オマエココニイロ」
こなた「はぁ・・・」
原始人2「オマエドコカラキタ?」
こなた「日本の埼玉県ですけど・・・」
原始人3「ニホンドコダ?」
こなた「あぁ・・・まぁ、わかんないならいいです・・・」
原始人4「ソウカ」
こなた「んで、ここはドコです?」
原始人3「マルコマン二村だ」
こなた「・・・?マンコ?」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/16(木) 22:49:25.29 ID:2wc6fgCY0
原始人「オレタチノ ナカマ ミンナ シンダ」
こなた「死んだんですか?」
原始人2「ソウ オレタチ マワリカラ イジメラレテル」
こなた「どういう事です?」
原始人3「オレタチ ヨワクナッタ ダカラダ。 ナカマ ヘッタ」
こなた「世知辛い世の中ですネェ・・・」
原始人4「オレタチ ナカマ フヤサナイト ホロビル」
原始人5「ソノタメニ オンナ ヒツヨウ」
こなた「そうですか・・・なるほど」
原始人「オマエノコト」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/16(木) 22:54:30.01 ID:2wc6fgCY0
こなた「え・・・」
原始人「オマエ コドモウム オレタチ フエル。 ツヨクナル」
こなた「わ、私をどうするつもりですか?」
原始人2「ミンナデ ナカニ セイシ イレル」
こなた「・・・この歳で妊娠とか・・・勘弁してください」
原始人3「オレタチ セッパツマッテル センシ ヒツヨウ」
こなた「要するに周りから虐められなきゃ良いんですよね?」
原始人4「ソウ イッパイ センシ ヒツヨウ」
こなた「戦士がいなくても虐められない方法知ってますよ?」
原始人「ホントカ?」
こなた「はい・・・もちろん」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/16(木) 22:59:18.42 ID:2wc6fgCY0
こなた(・・・あれ?)
原始人3「オウサマニ アワセテヤル。 ツイテコイ」
こなた「は、はい・・・」
こなた(口からでまかせ言ったら酷いことになっちゃったよ・・・)
村の真ん中にひときわ大きな木製の館があった。
質素だが、それが王様の宮殿らしかった。
コンコン!
原始人「オウサマ ヘンナヤツ ツレテキタ」
王様「そうか、誰だ?」
原始人「オンナ ソノヘン アルイテタ」
王様「入れ」
原始人「コイツダ」
こなた「あ、どうもはじめまして・・・泉こなたです・・・」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/16(木) 23:03:47.16 ID:2wc6fgCY0
原始人「コイツ オレタチ イジメラレナイホウホウ シッテル」
王様「本当か?詳しく話してみろ・・・」
こなた「・・・ええっと・・・」
王様「さぁ早く! 何が望みだ・・・金なら払うぞ」
こなた「・・・本当は知らないです」
王様「どういう事だ?」
こなた「いえ、その・・・レイプされそうな感じだったのでつい口からでまかせを・・・」
王様「・・・そうか、もういい」
原始人「オウサマ・・・」
王様「遅かれ早かれわが一族は滅びる運命だったのだ・・・」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/16(木) 23:07:38.69 ID:2wc6fgCY0
こなた「どうしたんですか?」
王様「お前に事情を話しても仕方がない・・・我々は最悪の敵に目をつけられたのだ・・・」
こなた「敵?」
王様「そうだ・・・我々よりも進んだ文化を持ち、進んだ武器と多くの軍を抱えている」
こなた「それは大変ですね・・・謝ったほうがいいんじゃないですか?」
王様「謝って済む問題じゃない。我々は見せしめの為に抹殺されねばならぬのだ・・・」
こなた「そうですか・・・」
原始人「コイツ ドウスル?」
王様「お前はどこから来たのだ?」
こなた「ええっと・・・日本って言ってもわかんないだろうし・・・う〜ん・・・」
王様「森は危険だ・・・帰り道がわかるまでここにいるがよい」
こなた「そうですか・・・ならお言葉に甘えて・・・」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/16(木) 23:12:40.08 ID:2wc6fgCY0
原始人「ココガ オマエノ イエダ」
こなた「ここですか・・・ウワ汚いな・・・ベッドじゃなくてわらの上で寝るんですか」
原始人「フツウハ ワラナンカ シカナイ」
原始人2「キャクジン ト シテノ モテナシ」
こなた「あはは・・・一応気をつかってくれてるんだ」
原始人「ユックリ シテ イッテネ」
バタン
こなた「さて・・・どうしたものか・・・」
・・・。
・・・ZZZ
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/16(木) 23:17:34.03 ID:2wc6fgCY0
外「うわぁあああ、うわぁあああああ」
こなた「・・・うるさいなぁ・・・何の音だろう?」
・・・バタン。
こなた「・・・あ、燃えてる・・・。家が・・・。森も・・・。」
原始人「イエカラ デテクルナ」
こなた「・・・あ、はい・・・あの、何が起こってるんでしょうか・・・?」
グチャ。
原始人「ア・・・ア・・・」
こなた「・・・あれ?何これ・・・槍が刺さってますよ・・・」
ばたん。ぴくぴく。
こなた「・・・死んじゃった・・・」
原始人2「ギャァ・・・グェ」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/16(木) 23:28:34.99 ID:2wc6fgCY0
こなたは物見の為に村の中心へ向かった。
森の中から村を包囲しているらしき軍隊の野蛮な時の声が聞こえる。
村の周囲を囲っている防衛柵は、次々と火矢によって燃やされていった。
柵が燃え落ちた所では不気味な目を爛々と輝かせた敵軍と村の人々が剣で打ち合っている。
女や子供は小さな村の真ん中の広場に一箇所に集められ恐怖に震えながらことの成り行きを
見守っていた。
きっと敵軍は村人の何十倍もの数がいるのだろう。
ガチャ、ガチャと無数の鎧から鱗ざねを打つ音が夜の村に響く。
木の柵の炎はやがて周囲の家にも燃え移って中から老人が火達磨になって飛び出してきた。
さながら地獄絵図であった。
こなた「あ・・・あ・・・」
原始人3「トウセキキ ガ キタゾォ」
村人の恐怖の叫びが響くと同時に、巨大な石の塊が屋根の上に無数にふってくる。
そうして、小さな子供の抱いた母親の首を、振るえながら神に祈りを捧げる神父を、
また、燃えさかる自分の家を必死で鎮火しようとする老人の腹を次々に粉砕していく。
グチャ。
バキ。
不気味な音を立てて、悲痛な叫びや祈りを求める声が次々に消えていった。
―――これは戦いじゃない。処刑だ。
こなたはそう思った。
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/16(木) 23:36:36.24 ID:2wc6fgCY0
王様「戦士どもいいか!!マルコマン二族の誇りを今こそ見せ付けてやるのだ!!」
大きなあの王様の宮殿から、武装した数十人が出てくる。
村人とは違い金属製の鎖帷子とヘルメット、そして長剣で完全武装していた。
王様の宮殿はイザという時の戦士小屋の役目も兼ねる。
いわゆるロングハウスだった。
馬鹿な・・・。
こなたは思った。
いくら完全武装していても如何せん多勢に無勢。
村を包囲する、多分数千人の軍隊に数十人でぶつかるのは自殺行為と言うもの。
火矢と投石の降り注ぐ中、逃げたいという気持ちと、一宿一飯の恩義が
こなたの中で葛藤した。
今思えばこの時から既に別の勘定が目覚めていたのかも知れないが、こなたには
知る由は無い。
こなたは王様の無謀な突撃を止めようと必死でマントのすそにしがみついた。
こなた「王様!!辞めてください!!無謀すぎます!」
王様「・・・お前か!!包囲されてない道が後方一箇所ある。そこから逃げろ」
こなた「え・・・」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/16(木) 23:44:28.60 ID:2wc6fgCY0
気づかなかった。
中央の広場で死んでいる女や老人は逃げられなくてあそこにいるんじゃない。
逃げるなら道はあるのだ。
わざと固まって戦士たちの背中を支えていたとは・・・。
それなら、なおさら・・・。
こなた「王様!!その道から逃げてください・・・全員殺す気ですか」
王様「そうだ!!マルコマン二族は既に敗れた。最後は誇りを持って立派に死ぬのだ」
こなた「女子供も一緒にですか?」
王様「そうだ!!彼らも男に生まれていればマルコマン二の戦士だったのだ!!
共に誇りを守って死ぬ。」
―――この人は死ぬ気だ。言う事を聞く気配は全く無い。
こなたは一瞬にして悟った。
王様の目が、こなたの短い17年の人生で一度も見たことのないような
壮絶な目をしていたから・・・。
背後では母親に抱かれた子供が震えている。
怖いのだろう。誇りなんて、全くわからずにただこうしてむき出しの暴力に曝されているのだ。
こなたは決心した。そしてこう言った。
こなた「王様!今死ぬのは勿体無いです・・・私は・・・マルコマン二族がもう一度栄光に
浴す術を知っているのです。」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/16(木) 23:54:25.66 ID:2wc6fgCY0
王様「何?本当か・・・?」
王様の目に一瞬希望の光が灯った。
だが、それも本当に一瞬の事で次の瞬間には元のあの死ぬ前に見せるだろう
壮絶な目に戻っていた。
王様「もう遅いのだ。この村を捨ててしまったらマルコマン二族には行くところが無い・・・。
我々はどの道飢えて死ぬしかないのだ。飢えて死んだら天国にすらいけないでは無いか・・・」
聞いたことがある。
ある民族は戦いで死ぬ事を至高の価値としているという事を。
それは戦いで死んだものは皆天国にいけると考えられているからだった。
こなた「天国なんて・・・そんなの無いですよ・・・」
王様「何我らの神を愚弄するか!?」
こなた「そんなことより、今背中で震えてる子供を見て何も思わないんですか!?」
王様「・・・」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/16(木) 23:54:40.38 ID:2wc6fgCY0
王様は一瞬こなたを試すような目で見た。
こなたは自分のした行動をもう一度考えてみる。
確かに良心に誓って間違った事はしていない。
そうして、王様の目をキッと見返した。
王様は一瞬敵のほうを遠く見やって、それから周囲に聞こえるような大きな声でこう言い放った。
王様「この者、泉こなたは私に娘である!」
こなたにはそれがどんな重大な意味を持つかわからなかった。
王様はそのまま軍を敵のほうに進める。
こなた「どうして死ぬんですか・・・?」
王様「未来のマルコマン二族に活路を開くのよ・・・」
そうして王様とその部下は数千人の敵軍に向かって突っ込んでいった。
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/17(金) 00:03:57.28 ID:a8R48gJf0
王様が突っ込んでいった直後、守備兵がこなたの元へ駆け寄った。
守備兵「王様が死んだ今、次の王は貴女です。」
守備兵2「ご命令を・・・。」
はっ、とこなたは気づいた。王様が最後に笑った意味を。
同時に彼女の一言にはどれだけの希望がこめられたのか、それを知った。
こなたは普段からビデオゲームを嗜んでいる。
だから、このような場合一体どうすればいいのか大体の事は考え付いていた。
こなた「後ろにあるまだ包囲の及んでいない一本道に活路を開きます・・・」
燃え盛る村を森はくるりと半月型に囲んでいる。
一本道はその森の中へと続いており、そのため敵軍も兵が配置できないような
構造になっていた。
こなた「女子供を後に続かせて、あの一本道から安全なところまで退却しましょう・・・」
命令と同時に、兵士は迅速に柵を破壊し、森の中の一本道へ通路を確保する。
こなたには王様の館からウマが与えられた。
その背後に何百人という女子供がぞろぞろ続いていった。
背後には王様の館が燃え盛るのが見える。
こうしてこなた達は森の中を逃げていった。
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/17(金) 00:05:11.03 ID:a8R48gJf0
2、ローマへ
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/17(金) 00:14:01.75 ID:a8R48gJf0
こなた率いるマルコマン二族は本拠地を捨ててからドナウ川周辺まで森伝いに移動した。
その間、いくらか定住できそうな豊かな平野もあったが、先住のほかの種族を追い出して
その地をうばうことが出来るほどの戦闘力はもはや無かった。
いるのは数十人の兵士と何百人かの女子供だけ。
この中にいる子供が全員成人になったとしても、総兵士数は数百人に満たないだろう。
とても戦にならない。
それから各種武器を本拠地ごと灰にしたのは痛手だった。
兵士は絶望し、女たちは自らの運命を悟って半ば諦めたかのように日々を明るく過ごしていた。
だが、こなたは違った。こなたの頭の中ではこの衰亡の危機にある民族を如何にして
立て直すか・・・それだけに全思考力が注がれていた。
初めてみた人間の死、それがこなたに自ら大切にしていたものを託すという形でなされた。
如何に義に疎い人間でもその重大さはわかるというものだ。
かつてうつけだった織田信長が、死を賭して諌めた重臣を生涯恐れたように・・・。
きっと、この死の衝撃はきっとこなたの全生涯をまるで暗雲の如く覆うだろうが、その呪いを彼女は
気づいていない。
それがある意味幸せといえた。
こなたはある事実を思い出していた。日本にいる時みwikiが何気なく話していた政治上の構造的欠陥を・・・。
こなた「キャスティングボード作戦か・・・」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/17(金) 00:20:37.81 ID:a8R48gJf0
かつて、こなたは単純であった。
昼食を仲良し四人組でとっている最中に義憤に駆られてこう言ったものだ。
こなた「公明党って宗教の政党でしょ?何で与党にいるの?
宗教て政治に参加したら違法じゃないの?」
かがみは頷いた。つかさはそんな事興味ないという風に関係ない言葉を口走っていた。
こなた「自民党もさ、連立なんて組まなきゃいいのに!いみわかんないよ!」
かがみ「そうね・・・」
こなたがこれだけ煽るのは間違いがある時博識なみwikiが訂正を施してくれると
期待しているからでもある。
案の定、それはすぐになされた。
みwiki「泉さん、キャスティングボードってご存知ですか?」
こなた「何それ?」
みwiki「政治上の重大な欠陥のことなのですが・・・。」
そうしてみwikiは話してくれた。キャスティングボードの概要を。
いまやこのキャスティングボードこそが瀕死のマルコマン二族を救う
唯一の方法なのだ。
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/17(金) 00:29:01.76 ID:a8R48gJf0
キャスティングボードとは・・・。
まだ海戦が兵器の質でなく、船の数で勝敗が決まっていたころに作られた言葉である。
船戦において、重要なのは船の数であるが、大体船の数は国力に比例し、
そのため大国においては同じくらいの数の船しか作れない。
敵味方の船が同数の場合、それよりずっと少数の中立の船群が勝敗に大きな影響を及ぼす事がある。
なぜなら、この少数の船群がどちらかの陣営につく事によって彼我の戦力差が大きくなるからである。
この場合、この少数の船群がもっとも有利な条件で戦や講和を進めることが出来る。
これがキャスティングボードである。
みwikiは自民党における公明党の地位はちょうどキャスティングボードに当たるといった。
つまり、自民党と民主党を含めた野党はほぼ同数であるため、数が勝負である議決においては
如何にして公明党を味方につけるか・・・つまり、翻って公明党がもっとも有利な立場で話をすすめる
ことができるのであった。
こなたはこのキャスティングボードの位置にマルコマン二族をつけようというのである。
そのためにはなるべく同じような力を持った勢力の間で力の均衡を保たねばならない。
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/17(金) 00:35:29.02 ID:a8R48gJf0
だが、しかしこなたにはもっとも重要な事であるべき『この世界の地図』が
全く頭に無かった。
これではどのような勢力を探すべきかの検討もつかない。
部下は無学であった。
マルコマン二族周辺の部族の名前しか知らないようだ。
ただ、一つ気になるのは、前に王様が言った言葉だった。
―――・・・我々は最悪の敵に目をつけられたのだ・・・
―――そうだ・・・我々よりも進んだ文化を持ち、進んだ武器と多くの軍を抱えている
最悪の敵・・・しかしこの最悪の敵はこの世界を全て治めているわけでは無いらしい。
それならば、彼らと同じくらい強力な敵が存在してしかるべきなのだ。
こなたにはそんな強大な権力同士の間で果たしてマルコマン二族がキャスティングボードと
なりえるのかわからなかった。
元々政治に興味は無い。
こなたを動かしているのは全くの義憤である。
・・・だが、義憤によって知恵と勇気が生じるのは才女の証ともいえた。
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/17(金) 00:41:12.33 ID:a8R48gJf0
さて、前に王様が言った敵の名をこなたは部下から聞きだそうとしたが、
誰も名前を知らないらしい。
曰く、彼らは南から来。
曰く、日に輝く鎧といくつもの投石器を持って。
そして最後に、半ズボンをはく民族らしい。
こなたはピンと来なかった。元々歴史が好きなほうではなかったからだ。
だが、次の一節を聞いてその敵が誰なのかを認識した。
軍を率いるのは「カエサル」だと。
かの有名なローマの英雄ユリウスカエサルの名を知らぬものはいない。
この時代カエサルはもはや人名としては使われていなかったのだが・・・。
敵はローマだ。
ならばその相手を担うのは一体誰なのだ。
キャスティングボードとなるべき場所は底にあるように思えた。
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/17(金) 00:49:35.98 ID:a8R48gJf0
数日後、マルコマン二族はドナウ川を南下してある村に入った。
この村はローマの支配下にあるとの事前情報が入っていた。
ここ数日、食料にありついてないためマルコマン二族は男も女も子供も皆飢えている。
だからだろう。こなたは殺人は禁じたが、略奪を禁じなかった。
村は荒らされ金目の物は全て奪われた。
・・・ふと、元の世界にいた時の事を想う。
かつての私だったら、村の人も一生懸命生きてるのに何でそんな事するんだ。人非人の所業じゃないか。
なんて言っただろうな。
事実、村の人々は折角守った財産を奪われ悲しみにくれている。
殺さなかったなんていうのはただの偽善に過ぎない。
こんな状況で村の人はどうやって冬を越す事が出来るのだろう。
それもわかっている。
止めを刺すか刺さないかの違いだった。
こなた「生きることって難しいね・・・」
村人は答える。
村人「難しくなったのです・・・」
こなたは、その時初めて知ったのだ。
無敵に思えたローマももう既に瀕死なのだと。
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/17(金) 00:58:23.81 ID:a8R48gJf0
こなた率いるマルコマン二族は数日間その村で過ごした。
こなたは気づかなかったが、実はこれは危険な事だった。
瀕死だといってもローマ軍は幾らかいるわけで、広大な領土のどこかから
この村に進軍する可能性もあるからだ。
事実数十年前ならとっくに撃破されていただろう。時の運に恵まれた。
マルコマン二族が村にいる間に飢えた村人や若者が幾人かマルコマン二族に参加した。
村人はすぐに守備兵に編成され、形だけでも軍の数が倍加した。
だが、それは実際形だけだった。村人は誰も訓練を受けていないのだ。
キャスティングボートを握るに当たって、こなたは周辺の勢力状況を仔細に確認して
おきたかった。
村人を集めて、情報を集めようとしたが、村の周辺のことを語るだけで後は何も知らない。
インターネットが普及した時代には不思議であろうが、誰も国家レベルのことに関心を
持っていなかったのだ。
日々生きていくので精一杯であり、それが満たされて始めて学究心というのが湧く。
つまり、ローマと言うのはそういう状況であった。
こなたはここでも情報が得られなかった。
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/17(金) 01:07:06.84 ID:a8R48gJf0
さらに数日後、物見に行った兵士から報告が来た。
守備兵「大変です!ローマ軍の一団が村に向かっています。」
こなた「してその数は?」
守備兵「およそ5000かと・・・半日の距離です」
軍略上自然の流れだった。むしろ救援が遅いくらいだ。
だが、こなたには軍略など一切わからない。
降って湧いたような事実に一瞬にして心が凍て付いた。
今から兵をまとめ、どこかに逃げようかとも思った。
しかし、マルコマン二族の進軍の遅さは逃避行で身をもってわかっている。
ならば戦うか・・・。
否。それは自殺行為だ。
―――それは大変ですね・・・謝ったほうがいいんじゃないですか?
謝って済むような世界に生まれられればそれは幸運だったのだ。
一瞬諦めて殺されちゃえばいい、という風に心が動きかけた。
事実、このようなこんな場面に立ち向かうよりは、動物のように逃げて
捕まって殺される事の方が簡単だった。
こなたの瞼にマルコマン二王の壮絶な死に姿が浮かんだ。
そうだ。私は・・・義に答えなければならない。
そうして驚くべき命令が発せられた。
こなた「女子供は村に残して全軍私についてくるように」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/17(金) 01:15:59.30 ID:a8R48gJf0
こなたは恐るべき賭けにでたのだ。
いまや民族の運命はこの賭けが成功するか否かにかかっていた。
二つの軍はドナウ川南岸の平地で会した。
これも危険であった。ローマ軍の基本戦術は歩兵部隊と騎兵部隊の挟み撃ちである。
つまり、このような場所で会戦形式で対峙するのは自殺行為である。
しかし、この時は天はこなたに味方した。
雲のように巨大なローマ軍から、2騎の将官が現れた。
将官「ダキア方面軍総司令官アントニヌス=アッティウスである」
こなたは馬を蹴って前に進み出た。
こなた「マルコマン二指揮官のこなたです」
将官「指揮官?」
こなた「はい、全軍は現在後方の村で待機しています」
こなたは全軍を率いてここに来た。
つまり、この数を支軍とみなさせることによってより強大な軍が
後方に控えている事を暗示させた。
・・・つまり、欺いたのだ。
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/17(金) 01:23:00.23 ID:a8R48gJf0
もちろんローマ軍の方でも物見が村に行っていたし、何より強大なローマ軍を
相手にするのに一支軍で向かってくるなど常識的にありえない。
だが、それは常の戦においては。である。
このアントニヌス将軍は元より戦をする気などなかった。
自らと一族の私服さえ肥やせればローマを裏切ろうと敵を利すことになろうと
全く意に介さないそういう腐った人物だった。
将官「マルコマン二はマルクス賢帝によって滅ぼされたと聞くが・・・」
こなたはそんな事実は知らなかった。
だが、一世一代の大芝居に出たのだ。頭もいつもよりスムーズに回った。
こなた「えぇ・・・森の奥でひたすら勢力を増やしていました」
将官「そうか・・・」
アントニヌスはうまく騙されたようだった。
従姉妹の小早川ゆたか評して曰く「こなたお姉ちゃんは本番に強いタイプ」
なのだそうだ。そういう例は受験以外にもいくつもある。
そのような人物こそそういう時代に求められているに違いなかった。
アントニヌスは何かを考えているようだった。
マルコマン二が強大なのを見て取って、そうしてこのような決断を下した。
将官「そう、マルコマンニは親愛なる我が同盟者である・・・違うか?」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/17(金) 01:31:03.15 ID:a8R48gJf0
こなた「その通りです、閣下・・・」
将官「実に悠長なラテン語だな・・・こなた殿は素晴らしい教養をお持ちのようだ。
ささ、こちらに来て語り合いましょうぞ」
アントニヌスの合図で散会していたローマ軍が撤収を始めた。
がやがやと騎兵や歩兵が縦列隊形に戻っていく。
その様子をマルコマン二の兵士達はまるで魔法でもかけられたかのように
不思議な顔をして見守っていた。
つまり、ローマ支配下にある村を略奪してさえ報復は無いどころか同盟者
として遇される。
こなたはこの状況をつぶさに見て研究してやろうと思った。
ローマ人には悪いが、マルコマン二族にとってこれほど好都合な状況は無い。
アントニヌスに連れられてこなたと数十人の騎兵はダキア総司令部に入った。
残りの軍は全軍に合流させると言って、村に返した。
どうやら同盟者になれば幾らかの金が出るらしい。それを募兵に回せばいいのだった。
実際それでローマ軍を強化すればいいのだろうが、ローマ軍を強化したところで
各地の総司令官の利益にはならない。
こなたの聞いたローマの状況は末期に近いものだった。
どうやら皇帝の擁立をめぐって各地の司令官が激しく対立しているようだ。
しかも、同じ軍の中で戦が起こることすらある。
どうやらこのアントニヌス将軍はマルコマン二を子飼いの兵士として、
別の司令官との戦に使いたいようだった。
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/17(金) 01:39:05.83 ID:a8R48gJf0
話を聞きながら、こなたの中で幾つかの計画が練られた。
このアントニヌスの元でマルコマン二を成長させ、いらなくなったところで
アントニヌスを殺し、この一帯をマルコマン二のものにする。
これが一案。
だが、実際ローマ軍の全容とその敵がわからないうちは行動は起こせない。
それにこの決断すらアントニヌスの資質によっては危険といえた。
凡人だった場合、アントニヌスごとマルコマンニは葬り去られる。
また、そうでなくても使い捨てられる可能性すらあるのだ。
兎にも角にも、こなたはアントニヌスがマルコマン二を潰さない保障が欲しかった。
そのチャンスは向こうのほうからやってきた。
食事の最中(ローマ人の食事はベッドに寝そべって摂る)
アントニヌスがこなたを艶っぽい目つきで見てきたのだ。
その時、こなたは初めて自分の若い肉体を意識した。
そしてこれが武器になるという事も。
アントニヌス「こなた殿は女官にして支軍総司令官と聞くが、一体どのような手段でその地位を手に入れられたのか」
アントニヌスのいやらしい笑みがこぼれた。
こなたは嫌がるそぶりすら見せず答えた。
こなた「閣下の思われるとおりですわ・・・」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/17(金) 01:44:21.67 ID:a8R48gJf0
アントニヌス「ゲルマンの女は実に豊満な肉体を持つと聞くが・・・」
こなた「お試しになりますか?」
こなたはわかっていた。
このように私腹を肥やす事に専念し、理想をあざ笑う人物は結局のところ
保守的なのだ。そうして、よほどの理由が無い限りは一度味方になったものを
むげに見殺したりはしない。
まずは抱かれて、その上で相手を思うがままに操ればいいのだ。
日本にいた時、つかさの醜いと思われた資質を目にしたことがこのような場面で生きた。
アントニヌスがいやらしく手を伸ばしてもこなたは全く拒まなかった。
処女特有の生理的な本能的な恐怖はあったにしろ、それをおくびにも出さず
見事に成熟した女を演じきった才能はさすがといえた。
そして、そのような初めての相手に何の情も交わさない冷酷さもさすがと
いえる資質の一つだった。
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/17(金) 01:47:59.39 ID:a8R48gJf0
こうしてマルコマン二全軍は同盟軍として略奪した村に駐留する事を許され、
更に周辺の土地や数村を与えられた。
俸給は金と言う形で支払われ、鉄製の武器や鎖帷子の鎧も与えられた。
こなたはアントニヌスから兵法のいろはを教わり、その中で使えると思った
散会戦術を全軍に徹底して訓練させた。
来るべきキャスティングボードの日に備えてアントニヌスを徹底的に
利用するつもりだった。
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/17(金) 01:48:27.11 ID:a8R48gJf0
3、ゲルマン族との戦い
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/17(金) 01:56:35.71 ID:a8R48gJf0
こなた率いるマルコマン二族が新たな領土の元で訓練している最中、ドナウ川北方で
新たな動きがあった。
新王に率いられたゲルマン民族の一氏族がローマへの侵入を開始し始めたのだ。
勿論近いのはダキア総司令部であり、ダキア総司令部の守備範囲が侵入の危険に曝された。
こなたは一瞬にしてマルコマン二への危険を悟った。
もし、このゲルマン民族が侵入に成功した場合、総司令官であるアントニヌスが
どのような決断を下すかは火を見るより明らかだ。
元よりアントニヌスは戦う気などない。
マルコマン二から乗り換えて新たな氏族を同盟者にするのだろう。
同盟者はいまや公式の地位でもなんでもない。ただの総司令官の気まぐれと
利益によって決定されるのだ。
きっとその場合こなたは許されてアントニヌスの側女になるのだろうが、
そのような決断をする嫌いなら死んだほうがマシだ、と今ならそう思えた。
次の日、こなたは願い出てマルコマン二を率いてそのゲルマン氏族と
戦う許可を得た。場所はドナウ川北方。
ローマ領内でないのは、もしマルコマン二が負けた場合初めから同盟者という
肩書きが無かった事にされるのと同義だった。
ここが正念場だった。
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/17(金) 02:06:06.81 ID:a8R48gJf0
こなたは散会戦術をつぶさに研究し、その弱点と優秀な点を把握していた。
散会戦術は兵をいくつかに分散し速度を稼ぐ攻撃型の戦術だ。
烏合の衆にはめっぽう強いが、訓練されて固まった軍隊には弱い。
特に盾で武装したローマ歩兵に対しては打撃力不足は否めなかった。
こなたは決戦を森の中で行う事に決めた。
ここなら散会戦術の本来の力を発揮する事が出来る。
森の中に引きずりこんで勝負を決めるのだ。
こなた率いるマルコマン二軍は秋も終わりかけたある日ドナウ川北方に進軍した。
その数およそ2000。
新たな募兵が加わったとはいえ決して十分とはいえない数だった。
対する相手の氏族は最近勢力をのばしつつある強力な連合部族ヴァンダル族だった。
戦は川に囲まれた平地で起こった。
こなたは先行してヴァンダル軍の進路を見て取り、ランデヴーポイントは
3つの平地のどれかだと予想した。
それから巧みに支軍を操り、ヴァンダル軍をこの平地に誘導したのだ。
川のすぐ傍に森がある。
そここそがヴァンダル軍の墓場となるはずだった。
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/17(金) 02:14:01.07 ID:a8R48gJf0
こなたが全軍を率いて平地に着いた時、ヴァンダル軍は既に完全武装して待ち構えていた。
ヴァンダル軍は新天地を目の前にして志気も高く、盾を槍で叩く音が戦場にこだました。
こなたは厄介な敵を前に全軍を三つに分けて配置する。
ヴァンダル軍の攻撃は無い。
ローマの士官教育をうけたのか(アントニヌスからこなたも士官教育を受けた)
あくまで会戦形式にこだわっているようだ。
好都合だ、と二倍以上ある敵の軍隊を前にこなたはほくそえんだ。
指揮官が馬で軍の前に出、こなたに挑戦を申し付ける。
型どおりに戦は始まった。
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/17(金) 02:24:01.71 ID:a8R48gJf0
まずこなたは、三つの軍を散開させ軍の密度を薄くしつつ、面積を確保した。
ヴァンダル軍は両翼に散開させた騎兵を先行させ、型どおりにハンニバル式の
騎兵と歩兵のサンドイッチを行おうとしているらしい。
両翼の歩兵軍と騎兵がぶつかり始め、次第に歩兵が蹴散らされ始めた。
だが、散開しているおかげでそれほど痛手は被っていない。
騎兵の目的はマルコマン二軍背面の確保にあるため、両翼への打撃は拘っていなかった。
これがこなたの狙いだった。
予定よりも早く軍背面に到達した騎兵は、予定通り歩兵と挟み撃ちするはずだったが、
あまりにも早く到達してしまったため肝心の歩兵がマルコマン二軍に到達していなかった。
マルコマン二川の戦い
図1
●● ●● ●●
騎○○○○○○騎
図2
騎 騎
● ● ● ● ● ●
○○○○○○○○○
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/17(金) 02:29:19.20 ID:a8R48gJf0
この時こなたは奇策を用いた。
散開していた軍にそれぞれ背後にある森に逃げるように命令したのだ。
合図と共にマルコマン二軍は盾を捨て、後ろを向いて一斉に背後の森に駆け込む。
驚いた騎兵は今更少数の事を思い出し、追い込まれるように森の中へ入っていく。
騎兵が個別撃破されることを嫌ったヴァンダルの司令官は一瞬にしてこれが
既に追撃戦にうつっている事を悟った。
全軍に盾を捨て、マルコマン二軍の後ろをつく事を命令した。
各支軍司令官は慌てたため全軍に命令が徹底せず、命令を受けた隊は隊列も
組まず個別に森の中へ追撃した。
そのためヴァンダル軍の半数は追撃戦から遅れる事となってしまった。
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/17(金) 02:35:08.73 ID:a8R48gJf0
マルコマン二軍は森の中で新兵器を使った。
狭い森の中では矢がうまく通らない。
このような時は投げナイフの方がリロード速度も速く、有効である。
全軍に訓練させておいた毒投げナイフが効果を発揮するところとなった。
狭い森を剣を持ってキョロキョロ動いているヴァンダル軍を毒を塗った投げナイフが
次々と襲う。
或いは個別戦闘においても一対一となれば訓練も豊富で鋼鉄に身を包んだ
マルコマン二軍のほうが有利であった。
ヴァンダル軍は激減した。それにも関わらず指令を受けた第二軍が追撃のために
森の中に突入したから森の中は同士討ちの阿鼻叫喚で一杯だった。
こなたと全軍はすでに森のから脱出しており、予め用意していた火種を持って
同士討ちをしている敵を火攻めにした。
森の木々がパチパチと燃え、ヴァンダル族を包んでいく。
こうして強大な勢力を誇るヴァンダル族は最後の一兵まで滅亡させられた。
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/17(金) 02:39:07.28 ID:a8R48gJf0
ヴァンダルを倒した事で後背地であるドナウ川北方がマルコマン二の領土となった。
同時にヴァンダルの女もマルコマン二に組み込まれ人口は倍増した。
ヴァンダルの後背地は資源も豊かで定住するには良いところだった。
こなたは本拠地をドナウ川南方に残し、ヴァンダルの旧本拠地を基地化して
ドナウ川北方の支配拠点とした。
ヴァンダルの旧領を手に入れたことは思わぬ副産物をももたらした。
フン族とのつながりである。
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/17(金) 02:40:02.27 ID:a8R48gJf0
4、フン族との会合
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/17(金) 02:46:09.10 ID:a8R48gJf0
もう寝る。なんだかいっつもウケ狙って
こなた「クンニって何?」とからき☆すたのエロゲとか書いてたけど
俺こんなの書きたかったかなぁ・・・って思って歴史もの書いたら
予想通りウケなかった。
この続きの構想はあるけどネタバレすると、こなたのせいでヨーロッパが
この地球上からなくなりましたって事を書きたかった。
まぁもう全然こなたじゃないけどね。
おやすみ