1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 01:58:13.65 ID:iHCKl/5n0
シールケ「なんでこんな場所にいるの?」
長門「・・・」
シールケは東方の魔術師と戦っている最中
狂戦士の甲冑で正気を失っているガッツを元に戻す為
幽体離脱し、甲冑の中へ入り込んでいた。
シールケ「そう、ガッツは?ガッツはどうなったの?!」
その後の事がまったく思い出せない。
シールケは、必死に思い出そうとするが
その時、後ろから声をかけられた。
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 02:02:17.09 ID:iHCKl/5n0
長門「・・・」パタンッ
シールケ「え!あ、あなた何時からそこにいたの」
本を閉じた音でシールケは長門に気付いた。
長門「ずっと」
シールケ「え?」
気配が感じられなかった。
いや、今もそこに居る者が人間には見えなかった
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 02:10:51.04 ID:iHCKl/5n0
シールケ「あなたは・・・人間?」
長門「違う。私は、対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェース」
シールケ「ここは、なんという世界なの?」
人間じゃないと言う事が分かり、
少ない情報を頼りに元の世界に戻ろうとシールケは考えた。
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 02:16:29.52 ID:iHCKl/5n0
長門「ここは、日本。ただし、あなたの問いに正確に答えるとするならば
太陽系第三惑星地球と呼ばれている」
シールケ「やっぱり・・・」
シールケはここが自分の居た世界ではないことを理解した。
と、同時に戻る為の手段を模索する。
シールケ「では、単刀直入に言わせて貰います。私は、この世界の
・・・いや、この次元の人間ではないんです」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 02:21:30.70 ID:iHCKl/5n0
長門「そう」
シールケは、思った以上に驚かれず不審に思った。
いや、もしかしたらこの世界では異世界からの住人がいるのが普通なのだろうか。
しかし、長門は意外なことを言った。
長門「あなたが、最後の一人」
シールケ「え?」
その言葉の意味が分からない。
私が、最後の一人?
シールケ「それってどういう・・・」
ハルヒ「全員揃ってるーー??」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 02:28:27.97 ID:iHCKl/5n0
部屋の扉が威勢のいい音とともに開き
容姿端麗な女性が現れた。
ハルヒ「って、有希しかいないじゃない・・・」
ハルヒの目がシールケに注がれる。
その目は、誰だろう、この魔女っ娘は?
という不審感が滲み出ていた。
ハルヒ「有希!この娘だれ?」
長門「知らない」
ハルヒ「どういうこと?有希が知らないってことは不法侵入じゃない」
シールケは危険を察知していた。
この女性はなにか危ないと。
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 02:34:50.01 ID:iHCKl/5n0
シールケ「いえ、あやしい者ではありません」
とりあえず平静を装い、誤解を解こうと試みる。
ハルヒ「あやしくないって、あなたまだ十歳かそこらでしょ?なんで高校にいるのよ」
シールケ「こうこう?」
聞き慣れない言葉だ。この世界の言葉だろう。
話の流れだと、この歳だと入ってはいけない場所なのだろうか。
ハルヒ「やっぱりそうなのね。勝手に入っちゃダメじゃない」
段々と彼女の目から不審感は消えていった。
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 02:39:30.37 ID:iHCKl/5n0
ハルヒ「そんで?なんで高校に入ってきたのよ。お友達でもいるの?」
シールケ「実は、私はこの世界の人間では、ウグッ」
長門「私の友達。だから、少しあちらで話してくる」
ハルヒ「え?さっき知らないって」
長門「今、思い出した」
シールケ「んーっ!(手を離しなさい!)」
長門「話がある。ちょっと来て」ボソッ
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 02:46:35.91 ID:iHCKl/5n0
教室から一時撤退した私達は、
廊下で向かい合って話している。
シールケ「なにするんですか!」
長門「あなたこそ、今何をしようとしたの?」
シールケ「私は自分の状況を把握したいだけです」
長門「急進派ではなく?」
シールケ「急進派?なんですか、それは」
長門「違うならいい。気にしないで」
古泉「んふっ、長門さん何を話してるんですか?」
長門「異世界人」
古泉「なんと、そのかわいらしい少女が異世界人なんですか?」
長門「そのはず」
古泉「長門さんにしては歯切れが悪いですね」
シールケ「あの、あなたは」
古泉「僕も同類ですよ」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 02:56:42.10 ID:iHCKl/5n0
同類?なにか、この二人は私と違う話をしている節がある。
シールケ「すみません。状況が分からないのですが、説明してもらえますか?」
その言葉に、長門と呼ばれた女性は表情を変えず、
男性の方は苦笑いを浮かべた。
古泉「状況・・・とは、どういった意味ですかね」
長門「彼女は、あなたでいう組織などが無い、と思われる。
よって、自分がなぜここい居るのか理解できていない」
古泉「そうなんですか?」
シールケ「は、はい」
意味の分からない部分があったが、後半部分はあっているので一応頷く。
古泉「なるほど」
彼からは、人間としての気配がある。
少し魔力のようなものを感じるがにんげんではあることは間違いなかった。
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 03:13:12.94 ID:iHCKl/5n0
古泉「どうです、こちらの世界は?」
シールケ「科学の進歩が数段上ですね。魔術がないぶん、そうなったんでしょうが」
古泉「魔術ですか。たいへん興味深いですね」
カランコロン
キョン「おう、古泉。待たせたな」
古泉「いえいえ、キョンくんも座ってください」
こちらの席に近づいてきた。
そしてキョンと呼ばれた男性と目が合う。
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 03:17:53.76 ID:iHCKl/5n0
キョン「古泉。犯罪はイカンだろ」
古泉「僕が、そんなことをするとお思いですか?」
古泉の微笑が引きつっている。
キョン「スマン、冗談だ。で、この子がどうしたよ?
見たところ普通の小学生だが」
古泉「異世界人です」
キョン「もうちょっとマシな嘘吐け」
長門「異世界人」
キョン「ほ、本当か。長門!」
古泉「この信頼度の差はなんでしょうね」
シールケ(・・・可哀そう)
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 03:22:20.79 ID:iHCKl/5n0
キョン「それで、異世界人がどうしたんだよ。
見たところ普通の女の子だから、お前らと同じような任務か?」
古泉「それが、よく分からないのです」
キョン「おい、そりゃ、どういうことだ?」
長門「彼女にはバックアップや組織のようなものが感じられない。
加えて、彼女自身がこの世界に来た意味も方法も理解していない」
キョン「それじゃ、思いっきりハルヒの能力による被害者じゃないか」
長門「否定は、しない」
古泉「まさか、無理やりこの世界に引き込む程とは思っても見ませんでしたよ」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 03:29:40.49 ID:iHCKl/5n0
キョン「んじゃ、どうすんだ?この子・・・ええと、」
シールケ「私の名前はシールケです。コッチは、あ・・・!」
頭の上を見てから、シールケの顔が曇った。
キョン「どうした?」
シールケ「イバレラ・・・」
キョン「いばれら?」
キョンが、聞き返す。暗い表情をしたので心配させてしまったようだ。
せっかく、元の世界に戻れるかもしれないのだ。こんなところで一喜一憂してる暇は無い
シールケ「いえ、なんでもありません」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 03:39:59.61 ID:iHCKl/5n0
キョン「シールケ。お前、元の世界に帰りたいんだろう?」
シールケ「はい」
キョン「分かった。古泉、長門」
古泉「分かってますよ。全力でバックアップさせていただきます」
長門「異論は無い」
シールケ「ありがとうございます!!」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 03:48:26.66 ID:iHCKl/5n0
キョン「そんじゃ、古泉パス」
古泉「んふっ、そうですね。まず、シールケさんにお聞きしたいのですが、
この世界と異世界を繋ぐことは、理論上は可能ですか?」
シールケ「出来ないと思います。この世界には魔力がほとんどありません。
だから、そんな魔術は簡単に出来ません」
長門「情報統合思念体も答えを出した」
キョン「お前の親玉はなんだって?」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 03:52:37.60 ID:iHCKl/5n0
長門「―――不可能」
空気が重くなる。頼みの綱である長門の力でさえも
異世界への扉を開けるのは無理だなんて。
シールケ「・・・」
いや、ここで暗くなってちゃダメだ。
他にも、策はあるはずだからな。
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 03:54:50.86 ID:iHCKl/5n0
キョン「しょうがない。持久戦になりそうだし、
シールケの寝床くらい確保しよう。そんでだな・・・」
ちらりと長門に目をやる。長門はこくりと頷いた。
頼むぞ、お前だけが頼りだ。
長門「キョンの居住スペースを貸すべき」
キョン「なぜ、そーなる!!」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 04:01:55.96 ID:iHCKl/5n0
キョン「ここは唯一の女である長門が優しさを垣間見せるところだろーが」
長門「こうして欲しそうな顔をしていた」
対する長門はシレっとしてやがる。なんの恨みだ。
シールケを見ると、指をもじもじとさせていた。
キョン「ほら、シールケだって嫌そうだろうよ。こんなむさい男の家なんざ」
長門「異議あり」
キョン「は?」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 04:10:43.51 ID:iHCKl/5n0
すると、意を決したようにシールケは袖を引っ張り耳元に口を寄せた。
シールケ「私も、長門さんはちょっと」
キョン「なんでだよ」
シールケ「なんといいますか。気配が感じられないんです。
人間はおろか幽界のモノでさえ気配はあるというのに
長門さんにはそれがまるで無い」
キョン「それで、怖いのか?」
シールケ「いえ、そうではないんですが・・・」
慌てたように訂正するが、こりゃ、ダメだろう。
朝比奈さんと同じく苦手意識ができちまってる。
キョン「なら、古「キョンくんの家でいいではないですか」
横からセリフを被せるな。それに、俺の家に賛同するな。
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 04:42:31.22 ID:iHCKl/5n0
シールケ「私からもお願いします。家に泊まらせてください」
キョン「うーむ、そういわれても、親と妹が居るからな」
シールケ「大丈夫です!簡単な魔術なら使えそうなので
私の姿に気付かせないで入れますから」
古泉「んふっ、これで大丈夫ですね。
僕はこれから組織の方に連絡しないといけませんので、これで失礼」
長門「じゃあ」ノシ
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 04:49:32.99 ID:iHCKl/5n0
俺の家になってしまった。決まっちまったからには腹を決めるか。
キョン「よし、家に帰るぞ」
シールケ「はい!」
その後、家に着くとシールケが
どこからか取り出した杖をクルクルと回した。
効果は絶大なようで、
俺の家族は誰もシールケに気付かなかった。
やはり自分の部屋は安らぐ。例え女の子が隣にいたとしてもだ。
それに、シールケは先程から魔術がこっちの世界で
どの程度影響を及ぼすのか試していた。
こちらは、気を使わずに済む。
ベッドに寝っ転がると、今日一日の疲れがドッと出てしまい
ついつい睡魔に負けてしまった。
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 04:53:40.08 ID:iHCKl/5n0
キョン「んっ・・・」
朝日が窓から射し込んでいる。
昨日はいつの間にか眠ってしまっていたようだ。
どうも、疲れているのか腕が重い。
腕を天井に向けて上げようとするが何かに阻まれる。なんか、柔らかい。
キョン「・・・柔らかい?」
横を見る。
シールケがすやすやと寝息を立てていた。
キョン「!!!!!」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 04:58:35.08 ID:iHCKl/5n0
俺よ、落ち着け。
目を瞑り、考えろ。
今、隣でシールケさんは何をしている?
平常心だ。平常心を保てば怖くない。
眼を開けた。
シールケ「zzz」ギュッ
かわいい。・・・と、そうではなくこの状況は非常にマズイ。
何がマズイって、俺も男だ。察してくれ。
ゆっくりとシールケの腕と俺の腕を引き離す。
すると、シールケはうわ言の様に呟いた。
シールケ「ガッツ・・・」
キョン「?!」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 05:04:42.10 ID:iHCKl/5n0
シールケ「ダメ・・・、それ以上、狂戦士の甲冑の力を使ったら・・・」
シールケの目許から一筋の涙がツーと流れる。
怖い夢でも見ているのだろうか、そのくらいしかキョンには分からない。
だから、何も言わずに腕を貸してやる事にした。
「腕貸してやるから、良い夢見ろよな」
そして、
キョンはまた眠りについた。
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 05:10:12.97 ID:iHCKl/5n0
古泉「そうも言ってられません」
キョンはバッと目を開ける。
そして、シールケがいるので声を抑え気味にして毒吐く。
キョン「お前は空気というもんが読めないのか」
古泉「そうはいいますが」
長門「私もいる」
キョン「ふむ、仕方ないな」
古泉「なんでしょうか、この気持ち。ゾクゾクしますね」
長門「ドM」
キョン「とりあえず、その漫談は無視の方向でいいんだな。
それと、長門はそんなこと言っちゃいけません」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 05:18:10.48 ID:iHCKl/5n0
キョン「んで、こんな朝っぱらからなんだ?」
古泉「いえ、長門さんが来たいと申しまして」
キョン「なんだ、長門が用か。なんだ?」
長門「とても難しいが元の世界に戻す方法がある」
キョン「ホントか!」
長門 コクッ
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 05:24:41.40 ID:iHCKl/5n0
キョン「よし、その方法とやらを教えてくれ。シールケ!起きろ」
キョンがシールケを左手で揺する。
右手は抱きつかれていて、動かせそうに無い
長門は、その一部始終を観察したあと呟く。
長門「その前にパーソナルネーム・シールケを敵性と判断」
キュイィィィィィン!!!!!!
キョン「ちょっと、待て。長門!
お前の手の中で渦巻いてるモノはなんだ!!」
シールケ「ん、むにゃ?・・・きゃぁぁ!!!」
長門「不可視の小型ブラックホール。今は私の制御下にある」
キョン「なぜ、そーなった?!」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 05:29:05.64 ID:iHCKl/5n0
古泉「ふぅ、長門さん今回は流石に肝が冷えましたよ」
長門「問題ない」
キョン「死ぬかと思ったぞ」
シールケ「・・・それで、さっきのは一体?」
古泉「んふっ、まぁ、いいじゃないですか。話を戻しましょう」
キョン「あぁ、長門が戻る方法見つけたんだよな」
シールケ「本当ですか!教えてください!!」
長門「分かった」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 05:35:25.70 ID:iHCKl/5n0
長門「まず、貴女の世界の魔術という概念は、
こちらの世界における超能力に近い」
シールケ「そうですね。古泉さんからは魔力が感じられます」
古泉「ということは、僕も魔法を?」
長門「無理」
シールケ「そ、そうですね。難しいと思います。古泉さんの身体には
一つの魔術のみを使えるように回路が組み込まれています」
長門「だから、無理」
古泉「そうなんですか。シールケさん分かり易い説明ありがとうございます」
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 05:42:54.21 ID:iHCKl/5n0
キョン「それで、超能力と魔術が似てるから、ってどうなるんだ?」
長門「昨日、シールケは魔力がコチラの世界には無いと言った。
ならば、超能力者の力を借りて高等な魔法を使えば良い」
シールケ「理論上は出来そうですが、
コチラの魔力と完全に一致するかは分かりませんよ?」
長門「男は度胸。なんでもやってみるもの」
古泉「んふっ、面白そうですね。やってみましょうか」
シールケ「分かりました。やってみましょう」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 05:47:43.35 ID:iHCKl/5n0
キョン「どうだ?」
古泉「僕に言われましても」
肩をすくめる定番のポーズだ。
こりゃ、古泉はどうしようもないな。
シールケ「・・・」
キョン「幽界に入るとか言ってたけど」
長門「大丈夫。古泉の内に眠る力へと直進している」
古泉「なんだかカッコいいですね」
長門「黙った方が良い」
キュィィィィン!!!!
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 05:51:03.10 ID:iHCKl/5n0
シールケ(深い・・・いくら潜っても力に辿り着けない)
シールケ(・・・これは?)
シールケ(こんなものは幽界には無い。こんな大きな扉開けられない)
シールケ(一旦、戻ろう)
シールケ「ハッ!」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 05:56:56.48 ID:iHCKl/5n0
キュィィィィン!!!!
シールケ「きゃあ!」
キョン「止めろ、長門。ストップ、ストップ!」
古泉「まさか、縄で身体を縛られるとは思っても見ませんでしたよ」
キョン「お前はなぜ抵抗しなかった!!」
シールケ(どうしよう。喋り始めるタイミングが・・・)
長門「どうだった?」
シールケ「あ、はい。大きな扉があって入れませんでした」
長門「そう」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 05:59:59.41 ID:iHCKl/5n0
キョン「扉って、どんなだ?」
シールケ「不思議なマークが施された扉でした」
長門「描いてみて」
シールケ「えーっと、確かこんな形をした・・・」
宙に杖で絵を描くとマークが浮かび上がった。
魔術ってのは便利なもんだ。
キョン「って、これは?!」
古泉「SOS団のシンボルマークですね」
キョン「ハルヒの力か」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 06:08:47.19 ID:iHCKl/5n0
ハルヒも随分と面倒な仕掛けをしてくれたもんだ。
こりゃ、ちょっとやそっとじゃ解除できないんだろうな。
長門「Sの形が4m小さい。
これにより防御結界の役割を果たしている。
解除は、条件が揃わない限り不可能」
キョン「条件?それは、なんだ」
長門「閉鎖空間の中にいること。その場合のみ、力を発揮できる」
古泉「そういうことですか」
シールケ「では、その閉鎖空間という場所に行きましょう」
キョン「今はあるか?」
古泉「バイトの連絡はありませんね」
そう言い肩をすくめる。
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 06:15:35.56 ID:iHCKl/5n0
そんじゃ、待つしかないか。俺も、肩をすくめる。
古泉だけの専売特許じゃないからな。俺にも使わせろ。
古泉「んふっ、今日は土曜日ですが涼宮さんから集合もありません。
今日は、ゆっくりなさってはいかがでしょう?
では、これで失礼します」
長門「じゃあ」ノシ
キョン「おう、って平然と窓から出て行くな!」
キョン「・・・行っちまった」
シールケ「あの、ちょっといいですか」
キョン「どうした」
シールケ「コチラの世界を見ておきたいな、と思いまして」
キョン「あぁ、分かった。行こう」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 06:21:49.43 ID:iHCKl/5n0
どうやらたわ言で言っていたガッツって人の事も忘れてるんだろう。
アチラの世界は過酷みたいだからな、今だけでも楽しい思いをさせてやろう。
キョン「んじゃ、どこ行くよ?」
シールケ「この世界の歴史が分かる場所、はありますか?」
ううむ、歴史が分かる場所?
博物館とかか?それとも、ウチの歴史の先生んとこに行くか。
・・・あぁ、あったじゃないか。
キョン「図書館に行くか」
シールケ「図書館ですね。分かりました」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 06:27:13.25 ID:iHCKl/5n0
図書館は、長門としか行ってない。
もしかして、長門とかち合うかもしれんな。
シールケ「わぁ、沢山の本ですね」
キョン「たしか、ここの図書館は県内でも大きい部類に入る所だからな」
シールケ「では、読む本を見つけたら戻ってきます」
キョン「あぁ、アッチの席に座ってるよ」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 06:30:46.42 ID:iHCKl/5n0
席に座ってしばしボーっとする。
至福の時だ。このままずっとボーっとしていたい。
キョン「そうも言ってられんな」
ブルルルル、ピッ
古泉「閉鎖空間が発生しました。今、どこにいらっしゃいますか?」
キョン「図書館だ」
古泉「分かりました」
ブツ・・・
キョン(残念ながらゆっくり本を読む暇はないようだ)
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 06:35:57.23 ID:iHCKl/5n0
長門「キョン」
キョン「おう、長門。お前も読書か」
長門「閉鎖空間の発生が確認された」
キョン「今、古泉から聞いたぞ」
長門「そう・・・」
古泉「おやおや、長門さんまで揃ってるとは準備万端ですね。では、行きましょうか」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 06:46:47.27 ID:iHCKl/5n0
シールケ「本いっぱい持ってきました。これで、今日一日退屈しないで済みます」
キョン「シールケ。本は無理だ。閉鎖空間が開いたってよ」
シールケ「そうですか!」
古泉「んふっ、付いて来て下さい。仲間が戦っているはずです」
俺達は黒塗りのベンツに乗り込み、発生地点に向かった。
ものの数分で目的地に着くと、そこから閉鎖空間へと古泉たちの力で入った。
ここまで、何も問題はない。
キョン「今日の神人はまた一段と大きいな」
古泉「困りましたね。これでは、シールケさんに力を分ける時間がありません」
長門「問題ない」
え?長門、お前は何をするつもりだ。
長門「少し時間を稼ぐ。あとは、頼んだ」
そういうと、神人に向かって飛んでいく。
流石の長門でも神人には打つ手が無いんじゃ・・・。
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 06:56:12.70 ID:iHCKl/5n0
古泉「全員、シールケさんの周りに集まってください」
古泉の合図で、いくつかの赤い球体が近くまで飛んでくる。
そして、人の姿に戻った。その中には、森さんの姿なども見れた。
俺を見ると、軽く会釈して微笑んだ。
シールケ「全員の力をお借りします」
シールケ(※※※※※※、開け、異界の門!!)
呪文の詠唱が終わった、と同時に凄まじい風が辺りを包み込む、
幽界の世界に入ってしまったシールケは、その風に合わせてふらふらと揺れる。
まるで、風と一体化してしまったようだ。
その直後、
ドゴンッ!という鈍い音と共に巨大な門が姿を現した。
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 07:04:10.45 ID:iHCKl/5n0
シールケ「で、出ました。元の世界へと繋がる門。あとは、開ける・・・だ・・け」
今ので力を使い果たしてしまったのか、シールケは倒れてしまった。
キョン「おい、大丈夫かよ」
古泉「これは、いけませんね」
ズササッ
神人の横殴りの拳が長門に当たり、吹き飛ばされてきた。
キョン「長門・・・お前までやられちまうのかよ!」
古泉「全員、神人に攻撃です!」
古泉自身も赤い玉となり、神人に向かっていく。
だが、力はシールケに分けちまった。勝てるのか?
古泉(んふっ、策はちゃんとありますよ)
古泉が向かうと同時に周りから最初の3倍以上の赤い玉が飛び出した。
援軍を用意してるとは流石、古泉だな。
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 07:08:52.44 ID:iHCKl/5n0
そうとなったら、俺も頑張らねばな。
キョン「シールケ、起きろ!門を開けられるのはお前だけなんだろ!」
長門「無理。彼女は自分の能力以上の魔術を使用したことによる反動で
昏倒状態。起きる確立は極めて低い」
キョン「だが、1%くらいは起きる可能性・・・あるんだろ?」
長門「もっと低いと思われる」
キョン「十分だ」
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 07:13:10.83 ID:iHCKl/5n0
キョン「シールケ!良く聞け!!
お前には、会いたい人間が元の世界に居るんだろ!!!」
キョン「名前は、ガッツ・・・だったな。
ガッツがお前を待ってるんじゃないのか?」
キョン「狂戦士の甲冑からガッツを助けるんだろ!!」
キョン「起きやがれーーー!!!!!」
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 07:16:24.45 ID:iHCKl/5n0
キョン「シールケ!良く聞け!!
お前には、会いたい人間が元の世界に居るんだろ!!!」
シールケ(何?この声。良く聞こえない・・・)
キョン「名前は、ガッツ・・・だったな。
ガッツがお前を待ってるんじゃないのか?」
シールケ(え?・・・ガッツ?)
キョン「狂戦士の甲冑からガッツを助けるんだろ!!」
シールケ(そう!ガッツがあのまま戦ったら死んじゃう!!)
キョン「起きやがれーーー!!!!!」
シールケ「・・・大丈夫です。起きました!」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 07:21:58.88 ID:iHCKl/5n0
大丈夫といって立ち上がるシールケ。
しかし、誰の目から見ても彼女は満身創痍だった。
キョン「肩貸すぞ」
今までなんにもしてないからな。
シールケ「ありがとう・・・ございます」
長門「私も、手伝う」
キョン「お前、まだ神人にやられた傷が・・・」
長門「肩を貸すだけ、問題ない」
シールケ「あr」
長門「感謝の言葉はいらない。それよりも、門を開けるのが大事」
シールケ「・・・分かりました」
目許には感謝の印か、涙が溜まっていた。
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 07:29:27.46 ID:iHCKl/5n0
古泉「んふっ、力は残ってるんですか」
シールケ「あ、もう無い!」
古泉「そうだろうと思いました、僕の力を使ってください」
キョン「お前、さっきも分けただろ。顔色も悪いぞ」
古泉「大丈夫です。この力が無くなるならそれに越したことはありません」
キョン「な・・・、力が無くなる前にお前が死んじまうだろ!」
森園生「私の力も使ってください」
キョン「森さん」
長門「彼女の力を使えば、安全」
シールケ「では、力をお借りします」
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 07:38:12.50 ID:iHCKl/5n0
シールケ「※※※※※、門よ、開きたまえ!!」
ギギッという錆びた戸を開けるかのような音がする。
しかし、以外にも扉はスムーズに開いていく。
シールケ「キョンさん、古泉さん、長門さん、
本当にありがとうございました。
皆さんの好意、一生忘れません!」
扉の中に、シールケが吸い込まれていく。
扉の先は真っ暗で何も見えない。
いや、ずっと遠くに一点の光が見える。
そこが、シールケの世界。
キョン「俺も、お前のことは忘れんよ」
シールケは、やがて点となり見えなくなった。
そっちの世界でも頑張れよ・・・。
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 07:49:33.39 ID:iHCKl/5n0
キョン「はぁ〜あ」
俺は、大きなあくびを一つかます。
すると、我らが団長涼宮ハルヒが怒号をとばす。
ハルヒ「こら、キョン!弛み過ぎよ!!」
キョン「そんなこといってもなぁ」
長門「偶には、緩くてもいい」
ハルヒ「もう〜、有希までそんなこと言って、
こうなったら今日は外に出て不思議探しに行くわよ!!」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 07:49:57.67 ID:iHCKl/5n0
古泉「んふっ、いい考えかと」
長門「・・・」スックと立つ
みくる「ふぁ、この格好のままですかぁ〜」
ハルヒ「勿論よ。みくるちゃんのメイド姿に人々は皆、振り返るわ!!」
キョン「おいおい、制服でいいじゃないか」
(朝比奈さんのメイド服は俺だけの眼の癒しだ)
ハルヒ「ふんっ、バカキョンは黙ってなさい」
ハルヒ「ほら、行くわよ!」
キョン「へいへい」
―了―
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/11(土) 07:51:40.89 ID:iHCKl/5n0
終わりです
突発的にカッとなってやったので
シールケが来たことに意味がまったく無いです
何ぞこれ
なんつーか、スマソ