1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/09(木) 21:12:08.42 ID:I4+cgTDH0
SOS団を創設してそろそろ2周年を迎えようとする3月。
この月の学校行事には最高学年を送り出す卒業式、という最高学年を追い出す行事がある。
そしてそれは今日だ。
いつもはどうでもよい行事なのだが、今年はそうはいかない。
なぜなら見かけは年下だが学年は一つ上の未来人である朝比奈さんが卒業してしまうからだ。
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/09(木) 21:15:49.85 ID:I4+cgTDH0
卒業式後、文芸部室で
みくる「ぐすっ……ひっっく…今まで本当にありがとうございましたぁ…」
ハルヒ「本当にもう1年この学校にいることはできないの?」
キョン「無理だろ。朝比奈さんはちゃんと留年しないだけの成績をとっているんだ、あきらめろ。」
ハルヒ「じゃあ、今からなんか悪いことしなさいよ。万引きとか、放火とか。ひょっとしたら停学で留年するかもしれないわよ。」
馬鹿なことを言うな。この天使に何の汚れをつける気だ。
それに朝比奈さんの場合、どんな悪いことをしても可愛さで許されてしまう気もするが。
バタッ
何の前触れも無く、朝比奈さんがいきなり倒れだした。
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/09(木) 21:18:42.05 ID:I4+cgTDH0
ハルヒ「どうしたの!?みくるちゃん!?」
ハルヒが朝比奈さんを抱きかかえる。
???「その子をこちらに渡してください」
この声は!
ハルヒ「え…?みくるちゃんそっくり!?ひょっとしてお姉さんですか?」
みくる「こんにちは、涼宮さん。」
そう言って朝比奈さん(大)は呆然と立ち尽くすハルヒの手から朝比奈さん(小)を抱き上げた。
キョン「いったい何をしに来たんですか!」
ハルヒ(あたしのことを知ってる…?やはりお姉さんなの?)
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/09(木) 21:23:02.37 ID:I4+cgTDH0
みくる(大)「ふふふ…キョン君、今までありがとうございます。あなたの今までの協力のおかげで任務を達成することができました」
キョン「任務っていったい何なんですか!?」
みくる(大)「それは涼宮さんが持つ情報改変能力をいただくことです。」
そう言って朝比奈さん(大)はポケットから小さなピンク色の容器を取り出した。
みくる(大)「この中に涼宮さんの能力が入っているの」
ハルヒ「へ?私の能力?」
みくる(大)「ええ。気付いてなかったと思いますが、あなたは思ったことを実現させる能力を持っていたんです」
キョン「ハルヒにそんな事を教えていいんですか?」
みくる(大)「大丈夫です。今の涼宮さんにはその能力はありません。もう普通の女の子です。」
ハルヒ(もう普通の女の子って…前は普通じゃなかったの、私!?)
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/09(木) 21:26:39.56 ID:I4+cgTDH0
みくる(大)「この世界にいた私がみなさんに別れを告げた瞬間、涼宮さんからあの能力を発揮するのを探知しました。その瞬間私がこの装置を使って能力を根こそぎ吸い取ったんです。」
キョン「なぜこのタイミングで吸い取ったんですか?前から他にもチャンスはいっぱいあったじゃないですか!」
みくる(大)「この能力を吸い取ることができるのはその能力が使われようとしている相手なんです。この時、涼宮さんは、この世界の私に無意識のうちにわずかながら能力を使おうとしました。その時を見計らって失敬したんです。」
ハルヒ(何がなんだかわからない…)
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/09(木) 21:32:55.74 ID:I4+cgTDH0
キョン「つまり、今まであなたは俺を利用していたんですね!」
みくる(大)「いえ、これでいつ爆発するかわからない危険性を取り除きました。この方があなたにとっても、涼宮さんにとっても良い結果になると思うんです」
キョン「で、その爆発の可能性のある能力を、あなた達はどうするつもりなんですか。」
みくる(大)「大丈夫。あなた達には危害は与えません。これで未来を…」
ズキューン!!
大きな音がした後、朝比奈さん(大)が倒れた。
ハルヒ「きゃっ!!」
キョン「朝比奈さん!!!」
朝比奈さん(大)の胸の辺りが赤く染まっていた。
キョン「大丈夫ですか!?」
みくる(大)「う…こんなことが起こるとは上から聞いては…ゲホッ…」
ズキューン!!
もう1発音がし、弾丸が朝比奈さんの脳天を直撃する。そして朝比奈さんは動かなくなった・・・
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/09(木) 21:36:43.63 ID:I4+cgTDH0
古泉「計画通りです」
キョン「こ、古泉っ!お前!!!」
古泉「実は、我々機関の中に1ヶ月後までの未来を予知できる人がいます。それで今日起こることを予知してもらい、今回の行動を実行することになりました。」
くそっ!やっぱりお前らと未来人は敵対関係にあったのかよ!
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/09(木) 21:41:37.07 ID:I4+cgTDH0
古泉「本来、機関は涼宮さんの監視を目的としていましたが、まさか能力を手に入れる、しかも敵対勢力に当たる未来人から、ということができるとは夢にも思ってませんでした。
これには朝比奈さんに感謝するしかありません。機関の中には高校生の朝比奈さんも殺せとの意見もありましたが、さすがにそれはやめておきましょう。」
キョン「てめぇ…!とんでもないことしやがって、それをどうするつもりだ!」
古泉「それは後々機関の上の人の会議が決めることです。」
キョン「本当にそれでいいのか?」
古泉「え?」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/09(木) 21:51:12.57 ID:I4+cgTDH0
キョン「上の人達のために人殺しまでしてお前はそれでいいのか!?それでお前は幸せになれるのかよ!!!」
古泉「……そうですね…冷静に考えれば、上のものも所詮は自分本位な使い方しかしないかもしれないです。」
キョン「そうだろう。そんな奴らにあげるより…」
古泉「待てよ…僕がやれば…機関を裏切って、私が今使うという手もある…」
キョン「おいっ!?」
古泉「世の中は無駄だらけです…この醜く愚かな世界を誰かが変えなければなりません!それはSOS団副団長である私がやらずに誰が出来るでしょうか!?他の者に出来るわけがないかもしれない!」
駄目だこいつ…早く何とかしないと…
キョン「落ち着け!お前は神じゃないんだ!無駄な超能力を持ってるただの人間なんだ!そんなの出来っこないだろ!!」
パタンッ
と、何の前触れも無く古泉とハルヒが倒れだした!外傷は無い、息はしている。眠っているのか?
???「この超能力者と馬鹿女には眠ってもらっただけだ。」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/09(木) 22:01:10.29 ID:I4+cgTDH0
お前は!去年の2月ごろ、チップ探しの邪魔をしたり、朝比奈さん誘拐事件を企てた奴だ!!名前は…なんだっけ?確かパンジー…
藤原「藤原、とお前には言っておいたはずだ。。」
キョン「ああ…で、何のようだ?」
藤原「この能力は我々の団体が貰って行く。」
ふざけるな。これはハルヒの物だ。
藤原「ふ。まさか自分の持っていた能力に自覚を持ってしまったこの女に返して平和だとは本気で考えていないよな?」
相変わらずイヤな奴だ。とは言ってもあいつに渡しても良くなるとは限らない。むしろ悪化するんじゃないか?
キョン「長門、あいつから奪い返せないか?」
長門「結構前からそうしようと思っている。しかし、なぜか情報統合思念体からストップをかけられている。」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/09(木) 22:12:50.28 ID:I4+cgTDH0
藤原「お前は信じないかもしれないが、朝比奈みくるはとても極めて異端で過激な宗教団体の教祖の孫娘だ。そして彼女は幼少時からその信者達に育てられてきた。そしてこの世界の工作員となっているのだ」
キョン「嘘だ!!!証拠はあるのか?」
藤原「その教団の人達には胸にほくろのようなマイクロチップがついている。なんなら見てみるか?」
キョン「いや、いい…(まさかあれがマイクロチップだったとは…)」
待てよ。大きい朝比奈さんはハルヒの能力を奪おうとして死んでしまった。でも、このままだとこの世界の朝比奈さんが同じ道を辿るとは思えない。ひょっとして違う道をたどることになるのか?
藤原「そうなる。未来といってもいろんな未来がある。戦争だらけの未来や、もう地球が滅亡寸前の未来だってある。私が死んでしまった未来もな。我々はこの能力を研究してできるだけ自分達の未来を良い未来にするつもりだ。」
ほう。誘拐なんかするやつらが本当に良い未来を作れるのか?無理に決まってる。なんとか止めなくては…
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/09(木) 22:17:16.85 ID:I4+cgTDH0
藤原「ではこの女は未来に連れて帰る。異論はないな?」
キョン「無い訳ないだろ!!だいたいおまえの団体がまともかどうかもわからないしな。なあ、長門!」
長門「いや、恐らく彼の団体はまとも。情報統合思念体からストップが来ているのはそのためと思われる。」
キョン「そ、そうなのか?」
長門「私は彼を信じても良いと思う。彼の目には悪意が見えない。」
確かに前に朝比奈さんが「そんなに悪い人には見えなかった」って言ってたしなぁ・・・
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/09(木) 22:26:38.59 ID:I4+cgTDH0
キョン「で、未来に連れ戻して朝比奈さんをどうするつもりだ」
藤原「彼女はまだ自分が何をしでかしているのか分かっていない。だからまだ改善の余地がある。私としては未来の普通の学校に通わせ、普通の生活を送らせてあげたい。」
キョン「ひどく敵対視していた割には優しい対応じゃないか。おまえにもいいところがあるじゃないか」
藤原「もう会うのは最後だろうから教えてやる。実は、朝比奈みくるは僕の父違いの義理の妹だ」
キョン・長門「!!!!」
藤原「ではさらばだ。」
そう言って、藤原と小さい方の朝比奈さんは消えていってしまった…
ちなみに、大きい方の朝比奈さんの遺体は長門がきれいに消し去ってしまった。
なにか切ないものが残る最期だった。
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/09(木) 22:43:48.44 ID:I4+cgTDH0
で、さすがに古泉が殺人罪を負ったままだといろいろとまずいので、長門に頼んでハルヒと古泉の記憶からその部分をカットしてもらうことにした。
そして、朝比奈さんが実は未来人だということを話すと、ハルヒは素直に信じてくれた。
何しろ特盛りサイズのそっくりさんがいきなり現れたからな。ハルヒからは危険物信号が消えたし、それぐらいの事実は知ってもらってもいいだろう。
こうして、俺達はSOS団最後の1年を4人で過ごすことになった。同好会にするには5人以上必要だったが、元々同好会として認められている団体ではないし、良い人材がいないとの団長の言葉で、部員は増やさなかった。
まぁ当然だな。どんな変な人だろうと、朝比奈さんを知らない人を部員に入れるわけにはいかない。
きっとハルヒもそう考えていただろう…
朝比奈さん…元気で幸せに暮らしていますか?良い未来を!
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/09(木) 22:52:54.76 ID:I4+cgTDH0
後日
キョン「やれやれ…」
俺はいつものように文芸部室のドアを開ける。
「こんにちは」
キョン「え…朝比奈さん!!!生きていたんですか!?」
みくる「いえ。私はあなたの知っている死んでしまったみくるではありません。キョン君達と別れてから藤原君に連れられて生活していた別の未来から来たみくるです。」
キョン「で、いったい、な、何の用ですか!?」
みくる「今すぐ未来に来てください!!!私達の未来が危ないんです!!!!!」
キョン「ええ!!!!?」
TO BE CONTINUED...
と言うのは嘘で、これで終わりです。
とんだ駄文ですみません。最後まで読んでくれた方、ありがとうございました。
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/09(木) 23:00:09.82 ID:I4+cgTDH0
>25
最期まで見ていただき、ありがとうございます。
ですが、ここから続けますと「もう少し」になりそうもありませんし、初めてのSS書き込みで、脳内がショート寸前なので今日はここまでにしたいと思います。
しかし、本音を言いますと、続編も書きたいですので、ひょっとしたら続編を書くかもしれません。
その際は是非、ご覧ください。