4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 02:49:01.50 ID:0h78bS3ZO
ある日、橘京子から突然電話がかかってきた。
―――橘「キョンさん。佐々木さんが普通の人間になったのです」
キョン「元からだろ」
佐々木に変な能力が無いのは、機関が既に認定済みのはず。
―――橘「違うのです。閉鎖空間が消えて全くの普通の人間になったのです」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 02:50:07.13 ID:0h78bS3ZO
それは大変な事か?
キョン「元々有って無いような能力だから無くなっても特に…」
―――橘「そんな能天気な話では無いのです」
そういえば、佐々木の健康状態は正常だろうか。心配になったので聞いてみた。
―――橘「今のところは正常です」
キョン「それは良かった。これを機会に佐々木や俺にまとわりつくのは止めて…」
―――橘「そうはいきませんよ。この事態を受け入れるにしても、一度キョンさんと話会う必要があります」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 02:51:18.87 ID:0h78bS3ZO
電話じゃ詳しい話ができないから―――ということで、一時間後に迎えの車がやって来ることになった。
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 03:03:42.59 ID:0h78bS3ZO
迎えが来る前に俺は古泉と長門に電話することにした。
まず古泉だ
―――古泉「こんばんは、早速のお電話ありがとうございます」
キョン「その様子だと、情報は入っているみたいだな」
―――古泉「ええ、その通りですよ」
キョン「どこまで知っている?」
―――古泉「それは…」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 03:06:54.22 ID:0h78bS3ZO
―――古泉「禁則事項」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 03:14:02.64 ID:0h78bS3ZO
思わず携帯を落としてしまった。
キョン「冗談言っている場合か」
全くこんな時に
―――古泉「すいません。実は上の方から何も言うなと命令されていて…」
キョン「異様に非協力的だな」
―――古泉「ですが『僕が会合に参加するという条件ならば、少しは話しても良い』とのことです」
別に古泉が来ても構わない、というより大歓迎だが、何か癪に触る条件だ。
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 03:23:54.22 ID:0h78bS3ZO
―――古泉「僕が嫌なら森さんでも荒川さんでも良いのですがね」
キョン「わかった。古泉お前が来い。しかし、橘の方はOKしているのか?」
―――古泉「橘さんはむしろ来て欲しがっています。むしろあなたが嫌がるのではと心配していたのですが」
キョン「何故俺が嫌がる」
―――古泉「いえ、何でも…それでは会議場で会いましょう」
キョン「どこか決まっているのか?橘からは聞いてないのだが」
―――古泉「マルセイユというフランス料理店の個室です。それでは。ああ、そうそう。長門さんとの連絡も忘れずに」
朝比奈さんとは連絡要らないのか?という突っ込みの前に電話は切れた。
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 03:33:29.08 ID:0h78bS3ZO
長門に電話する。
―――「もしもし喜緑です」
「喜緑くん、誰からかな?」という男の声が聞こえる。
キョン「喜緑さんですか?すいません間違えました」
―――喜緑「いえ、長門さんが留守なので私が代理です」
キョン「長門が留守?」
―――喜緑「人間で言うと人間ドックというところですか」
そんなものがあったなんて初耳だ。
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 03:42:14.32 ID:0h78bS3ZO
キョン「人間ドックって?こんな時に?」
―――喜緑「長門さんは今までかなり無理してましたから」
「喜緑くん、メリケン粉はどこにあるのかね」という声が聞こえる。
―――喜緑「よりによってこんな時にこんな大変な事が起きるなんて」
佐々木のことより長門の方が心配だ。
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 03:50:35.29 ID:0h78bS3ZO
―――喜緑「詳しくは会場で」
―――「会長さん、お仕事行ってくるから留守番よろしくね」
―――「仕事って、急にこんな時間から何かね」
―――「やたらと詮索するのは男らしくないですわ」
どこかで聞いたことあるかも、と思ったら目付きの悪い生徒会長か。
かなりラブラブみたいですね。羨ましい。
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 03:57:11.09 ID:0h78bS3ZO
さて、朝比奈さんへの電話が必要かと悩んでいると、マイシスターがやってきた。
ちなみに、今までの電話は全て俺の携帯からのものだ。
妹「キョンくん。でんわー」
キョン「誰からだ?」
妹は二ヘラと笑って言う。
妹「おんなのひとー」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 08:37:50.29 ID:0h78bS3ZO
朝比奈さん。それも大の方の可能性が高いと思って受話器を取る。
―――「やあキョン。体の方の調子はどうかな?」
キョン「佐々木か。その分だと調子良さそうだな」
―――佐々木「今の所は変化無い」
キョン「それは何よりだが、何か心当たりはないのか?」
―――佐々木「残念ながら皆目見当がつかなくてね。キミの方はどうだね?何か仮説は立ったかな?」
キョン「いや、何も。古泉達もまだ何も言ってない」
―――佐々木「涼宮さんの様子は?何か変わった所は見られたりしないかな?」
キョン「いや、別に」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 08:38:17.26 ID:0h78bS3ZO
キョン「古泉によると、閉鎖空間の発生頻度も少なくなったらしい」
―――佐々木「顔色はどうかね。僕が判断するところ、確か毎日顔を見るのが趣味だったはず」
キョン「ご機嫌そのもの。何も問題ない」
―――佐々木「変化が無いといけない状態で変化が無いのは異常だよ」
キョン「そう言われても、特に変わった事は起きてない」
―――佐々木「新しい友達はできた?下級生の新入部員希望者が出たりはしてないかな?」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 08:44:26.89 ID:0h78bS3ZO
まるで医者が問診するようだ。
キョン「さっきからハルヒの事ばかり聞いているが、ハルヒのせいとは思えないぞ」
―――佐々木「ここでクイズです。キミにとって僕の存在とは?@妻、Aワイフ、B生涯の伴侶」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 08:52:01.95 ID:0h78bS3ZO
答え全部同じじゃん。この場合、わざと間違えるのが作法なのでそうすることにした。
キョン「普通にCの婚約者だろ」
―――佐々木「ピンポーン。正解者には後で豪華賞品が送られます」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 10:14:24.46 ID:0h78bS3ZO
キョン「肩の力が抜けて良いかもしれないが、今はクイズやっている場合じゃねーぞ」
―――佐々木「失礼。本題に戻るが、涼宮さんには僕とキミの関係をどう伝えている?」
キョン「それは、今回のことに関係ある話か?」
―――佐々木「わからないけどね」
何か腹の底がムズムズする。
―――佐々木「無理にキミのプライバシーを暴くつもりは無いよ。言いたく無ければ言わなくても結構」
キョン「ただの元クラスメートで、それ以上の存在ではない。ハルヒにも国木田にも谷口にもそう言ってる」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 10:17:09.41 ID:0h78bS3ZO
佐々木は苦笑いをする。
―――佐々木「僕の予想通りの答えで残念ではある。気を取り直して次の質問に移って良いかな?」
佐々木の声は心なしか残念そうに思えた。
キョン「…ああ」
俺は曖昧に返事する。
ここで、諸君達のために俺と佐々木の今の関係を整理したいと思う。
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 10:51:14.42 ID:0h78bS3ZO
佐々木とは四月に再開した。
黒髪の宇宙人、いけ好かない男未来人、ツインテールの超能力者を従えていた。
超能力者橘の説によると、佐々木はハルヒの代わりに神になるはずだった人間らしい。
佐々木団とは四月にゴタゴタがあったが、今は落ち着いている。
五月から週2で塾に行くようになったが、そこに偶然佐々木がいたので、わからない所を教えて貰ったりして成績は上昇中である。
枝葉を払って簡潔に述べれば、俺と佐々木の関係はその程度のものである。
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 11:03:45.46 ID:0h78bS3ZO
―――佐々木「もしもし、聞いているか?キョン」
キョン「ああ聞いているぞ」
―――佐々木「考え事でもしていたのかな?キミは」
キョン「すまん。お前がちょっと元気無いみたいだから」
あの変な能力も、なくなってしまえば翼を無くした鳥のような気分なのだろうか。
―――佐々木「ちょっと気落ちしたのは事実だが、人の心は良くも悪くも変化するもの。だから、諦めないことにしたのさ」
キョン「そうか、頑張れよ」
―――佐々木「呆れた。毎度のことながら、キミは僕の言う内容を半分も理解してないね」
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 11:26:30.36 ID:0h78bS3ZO
キョン「すまん」
―――佐々木「まあ良いよ、気にしないでくれ。今の話、新学期になってから、涼宮さんに新しい友人はできてないんだよね」
キョン「俺の知っている範囲では。四月に来た新入部員というより入部希望者は全員落とされたし」
―――佐々木「涼宮さんの作った入部試験はどんなのだった?僕もやってみたいな」
それについて語ると面白そうだが、今の時間、脱線できないため、話を戻すことにした。
キョン「今は試験は関係無い。本題に戻るぞ。今のところ、ハルヒが俺と阪中以外のクラスメートと話をしているのを見たことない」
―――佐々木「人の好き嫌いが激しい人だと思ってはいたが、そこまでとは、ちょっと意外だね」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 11:42:08.36 ID:0h78bS3ZO
段々佐々木の心配している内容が朧気につかめてきた。
―――佐々木「それでキミの方はどうなんだ?新しい友達はできたのか?」
キョン「……」
―――佐々木「必要だと思ってしたが、ぶしつけな質問だったかな?」
キョン「そういうお前の方はどうなんだ?」
―――佐々木「キミに聞いておいて、ボクの方が答えないのはフェアじゃないということか?」
ずっと聞きたかったが、聞きたくない質問だった。
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 11:54:29.91 ID:0h78bS3ZO
―――佐々木「進学校は勉強勉強で忙しいからね。普通の友人はできたけれど親友とまでいく人は…一人だけかな…?」
キョン「そいつはどんな奴なんだ?」
俺の胸はやたらと興奮する。
「中学2年の時に同じクラスだった〇〇〇子さん」
中学一年の時に同じクラスだったため、顔は覚えてないが名前だけは思い出した。
ホッとする俺
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 12:13:17.26 ID:0h78bS3ZO
佐々木の親友が女だと聞いて安堵する俺。
佐々木に男の親友ができたなんて聞いたら、ちょっとショックだったかも。
キョン「それで、恋人にしたい人はいるのか?」
これは、さっき以上に聞きたくて聞きたくない質問だ。
―――佐々木「僕は恋人は親友の中から選ぶことにしているからね。ただの友達からの二階級特進は考えてないよ」
それは初耳だ。
その瞬間、俺の股間のマイク・タイソンはムクムクとファイティングポーズを取り始めた。
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 12:23:46.32 ID:0h78bS3ZO
キョン「つまり、俺が塾に行き始めて、朝比奈さんも受験で忙しくなったためハルヒが寂しい思いをしているはず、というお前の説は一理あることは認める」
―――佐々木「キミも勘が鋭くなったね。自分の事のように嬉しいよ」
その時、不意に携帯が鳴る。
71 名前:閑話休題[] 投稿日:2008/10/01(水) 12:35:49.49 ID:0h78bS3ZO
その頃、橘と藤原は必死で九曜を探していた。
橘「全然いないのです」
藤原「どっかの家で、ペットとして飼われているんじゃないのか?」
橘「は?もしかしたら涼宮さんの家に?」
トルルル
橘「はい、橘です。え?九曜さん見つかった?わかりました。すぐ迎えを送ります」
73 名前:閑話休題[] 投稿日:2008/10/01(水) 12:48:35.70 ID:0h78bS3ZO
鶴屋「くーちゃんめがっさかわいいっさ」
九曜「―――ケーキ―――おいしい―――」モグモグ
鶴屋「くーちゃんの髪モフモフしたいっさ」
九曜「―――葬式……饅頭―――おいしい―――」
女中「周防さんが来てくれたので、助かりました。食材もお菓子も全部余らせるところでしたから」
鶴屋「ずっと家にいても良いっさ」
九曜「―――残念――ながら――今日は…会議がある…」
鶴屋「私も一緒に行っても良いっさ?」
九曜「――めがっさ――OK――」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 16:04:57.76 ID:0h78bS3ZO
佐々木とグドグドな会話をしていると、不意に携帯が鳴った。
誰だろうか
携帯は一度切れてまた鳴った。
向こうは、ハルヒだった。
キョン「すまん、ハルヒから電話なんだが」
―――佐々木「それじゃ、また会議場で」
キョン「ああ」
佐々木は電話を切った。
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 16:06:15.68 ID:0h78bS3ZO
キョン「もしもし」
―――ハルヒ「遅い、すぐ出なさい」
キョン「そんな事言ってもな」
―――ハルヒ「有希のアパートに9時集合。今日は天体観測よ」
キョン「今からか?明日も学校あるぞ」
―――ハルヒ「こんな良い夜に天体観測しないなんて勿体ないじゃない。9時集合よ遅れないでね」
おい、ちょっと待て、と言う前に電話が切れた。
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 16:07:24.15 ID:0h78bS3ZO
どうしたものかと思案していると古泉から電話だ。
―――古泉「先程涼宮さんから電話がありましたよね」
キョン「ああ、天体観測らしい」
―――古泉「僕は団の方に出るので、代役として誰がお好きですか?」
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 16:38:20.35 ID:0h78bS3ZO
キョン「森さんで」
―――古泉「了解しました」
これで、荒川さん達の出番ゼロが決まったな。かわいそうに。
―――古泉「それでは、また明日。涼宮さんに断りの電話を入れるのを忘れないで下さい」
古泉に言われるまでもなく、ハルヒにはきっちり「残念だが用があっていけない」と断りのメールを入れた。
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 16:41:54.51 ID:0h78bS3ZO
やれやれ、といった気分で部屋を出ると妹がドアの横で聞耳を立てていたのがわかった。
妹「きょんくん、しゅらばー?」
そんな言葉どこで覚えた?お前はシャミセンとでも遊んでなさい。
台所で飲み物をグイと飲み干し一息ついた頃、7時半の時報と共に玄関のチャイムが鳴った。
扉を開けると、さっきまで電話で会話していた人が立っていた。
佐々木「こんばんはキョン」
キョン「佐々木か。早いな」
靴を履こうとする俺を、佐々木は押し止どめた。
佐々木「僕はご母堂様に挨拶するから、キミはもう少し正装に準じた服装に着替えてくれ」
キョン「正装なんて持ってないぞ」
佐々木「だったら、一番新しくて汚れてない服で良い」
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 16:42:58.56 ID:0h78bS3ZO
母「今晩は佐々木ちゃん」
妹「佐々木ちゃーん。わんばんこー」
和気藹々と語り合う佐々木とマイマザー&マイシスター
もしかしたら、実の息子、兄より慕われてないか?
ちょっと疎外感を感じる。
適当な服を選び、一度着てみたが、よく考えると下着も新しいのに替えた方が良いと思い直した。
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 16:47:59.44 ID:0h78bS3ZO
全裸になったところで、ノック音
「まだダメ」という間もなくドアが開く
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 17:17:13.99 ID:0h78bS3ZO
そこに立っていたのは佐々木だ。
「失礼」と言ってドアを閉める。
当然のことながら、俺のマイク・タイソンことモハメド・アリは佐々木に丸見えだったと記しておこう。
「佐々木ちゃんと夕飯食べるなら作る前に言ってくれれば良いのに」というお袋の声や「お土産買って来てねー」という妹の頼みを受け流しながら俺達は車に乗り込んだ。
あーそうだ。母に「佐々木ちゃんとついでに妹にプレゼント買うように」と言われて2000円貰ったことを付け加えなければならない。
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 17:21:13.41 ID:0h78bS3ZO
キョン「その服似合っているぞ。美人の佐々木が着るからよけい映えるんだな」
こういう時はお世辞でも何でも良いから相手を褒めるのが良い手、というのが佐々木の言葉だった。
佐々木「キミもお世辞が上手くなった。でも、悪い気はしないよ」
車の中で、最初はギクシャクした俺達だが、次第に会話が打ち解けるようになった。
しかし、よく見ると佐々木は少しお疲れのようだった。
キョン「疲れているみたいだな。佐々木」
佐々木「少しね。僕の学校は遠いから行き帰りだけでクタクタだよ」
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 17:35:31.47 ID:0h78bS3ZO
学校や通学の疲れはあるものの、佐々木は
俺のマイク・タイソンことエレファント・ジャンボを見てしまったショックからは取りあえず立ち直ったみたいだ。
運転手「言い忘れてましたけど、機関の方を迎えに行くために寄り道するのでよろしく」
そうなると、到着までだいぶかかるのか。
佐々木「男性は例外なく女性の裸を見るのが好きなのに、女性は男性の裸を見るのが嫌いな場合が多いのは何故なんだろうかな?」
そう言った瞬間。佐々木の顔はリンゴのように真っ赤になる。
さっきは見られたショックでよく見てなかったが、耳まで真っ赤で
こう言っては不謹慎だが、普段の佐々木らしくなくて
佐々木かわいいよ佐々木
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 17:45:27.53 ID:0h78bS3ZO
そんな佐々木なら、世界の男性の96%(注:ノーマルの95%全員とホモの2割)と女性の25%(注:レズ5%全員とノーマルの2割)は思わず抱き締めたくなるはず。
今の佐々木を抱き締めたりなんかしたら、沸騰しそうなのでちょっとできないのが残念。
その時、運転手は叫んだ。
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 17:54:55.40 ID:0h78bS3ZO
運転手「聞こえてますよ」
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 18:09:53.02 ID:0h78bS3ZO
完全に赤面ものの発言である。
佐々木「キョン。そんな恥ずかしいことを。でも嬉しい」
キョン「いや、何」
佐々木「キョンくん。赤くなっちゃって。かわいいんだから」
そう言って俺の頬を人差し指でつっつく。
119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 18:29:44.54 ID:0h78bS3ZO
佐々木の人格が変わった?のを目の当たりにしながらしばらくすると、森さんが乗り込んだ。
森さんは早速今回のことについて話をする。
森「いちゃいちゃするのは2人きりの時にやってもらうとして、本題に入ります」
佐々木「すいません」
森「涼宮さんは4年前、世界を完全に変えれるほどの力を持った。そのことは古泉から聞いているわね」
キョン「はい、それについては」
佐々木「私も」
森「問題は佐々木さんの能力。佐々木さんは4年前から閉鎖空間を生み出す力を持って、橘達は出入りができる」
キョン「それは見ました。トリックではなかったのですよね」
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 19:05:25.35 ID:0h78bS3ZO
佐々木「僕は、自分の閉鎖空間には入ったことないんだ。詳しく教えてよ」
森「えーコホン」
森「機関の公式見解では佐々木さんはただの一般人です」
森「しかし、実際は無視できる程小さな力ですが、涼宮さんと極めてよく似た力を持つことは確認されてます」
キョン「じゃあ、橘の言ったことは本当なのですか?」
森「佐々木さんに力があっても、本当に涼宮さんの力が移るのか、安全に移るのか、移った後佐々木さんの肉体や精神に悪影響がないか確信は持てませんでした」
年齢不詳、メイド服の似合う機関の女工作員はポツリと呟いた。
森「本当は我々は安心したかったのかもしれません。イザとなれば佐々木さんに能力移せば安全だと」
124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[閑話休題] 投稿日:2008/10/01(水) 19:19:27.79 ID:0h78bS3ZO
藤原「眠いよパトラッシュ」
九曜「――負けないで――ネロー――僕が―――暖めて……あげるから―――」
藤原「えーい。なんで僕がこんな三文芝居やらなくちゃならんのだ」
鶴屋「くーちゃんめがっさかわいいっさ」
九曜「―――鶴屋の―――髪は―――とても……綺麗ね―――」
藤原「奴等はまだか?」
橘「もうすぐ着ますよ」
129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 19:54:43.14 ID:0h78bS3ZO
俺と佐々木と森さんは、ようやく会場となっているフランス料理店に着いた。
佐々木「僕はこういう店に来るのは初めてなんだ」
キョン「俺もだ」
機関や鶴屋さん関係でこの店と同じくらい豪華と思われる食事をしたことはあるが、料理店は初めてだ。
森さんが扉を開けた。
(第一部完)
第二部は9時半より開始予定
135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 21:28:59.39 ID:0h78bS3ZO
第二部開始
森さんがレストランのドアを開ける。
豪華なシャンデリアや飾り付けに圧倒される。
俺達は気分を落ち着かせるために深呼吸する。
ウェイターに案内されて入ったVIPルーム
そこはさながら地獄絵図だった。
136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 21:30:20.66 ID:0h78bS3ZO
何故か空中に黒い蛇と黄緑の蛇が飛び交っていた。
喜緑「覚悟しなさい。天蓋のポンコツ」
九曜「―――負けない―――」
色の違う蛇と蛇が絡みあい、互いに食いあう。
何匹かは勝手にテーブルの飲み物の蓋を開け、栄養補給であろうか、ゴキュゴキュとおいしそうに飲み干す。
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 21:31:30.51 ID:0h78bS3ZO
鶴屋「めがっさスペクタクルっさ」
橘「何をお気楽な」
藤原「滅多に見れない珍しい光景。怖くない、怖くないぞ」
蛇の一匹が佐々木の頭をかすめる。
思わず「危ない」と言って俺は佐々木を押し倒す。
俺達はじっと伏せて嵐の去るのを待つしかなかった。
140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 21:43:57.45 ID:0h78bS3ZO
青銅か何かの置物の陰に隠れる鶴屋さん、橘、藤原
俺と佐々木と森さんは地面に伏せたまま。
喜緑「こうなったら奥の手よ」
喜緑さんが皿を投げると竜が表れ、それを九曜が投げた虎が阻止する。
次に九曜が投げた皿はタイガーマスクになり、カンフードラゴンと決闘する。
三度目はタツノオトシゴとブラックタイガー。今度は素通りして、互いの本体をぶっ飛ばす。
九曜「――阻止――」
と言ったとたんタツノオトシゴは消滅、ブラックタイガーもいつの間にかいなくなっていた。
143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 21:59:31.71 ID:0h78bS3ZO
そんな感じで戦いは続いていた。
誰かが俺の体を叩く。
森さん?
森「調子に乗って押し倒して抱き合ってないで、早く二人を止めて下さい」
キョン「俺がですか?」
佐々木の柔らかな体を感じるこの体勢で、もうしばらくいたい、というより俺なんかが止められるわけないですよ。
森「あなた達二人以外に止められる人はいません。早く止めて下さい」
キョン「無理ですよ」
森「早くしなさい」
森さんの顔はあの時以上に怖かった。
145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 22:13:53.09 ID:0h78bS3ZO
何か理不尽を感じるが
俺達以外に適任いないというのは一理あるので、説得を試みることにした。
キョン「お前らいい加減にしろ」
反応なし
キョン「ダメですよ」
森「諦めてはダメ」
佐々木「キョン。すまないがそろそろ降りてくれないか?重いし、恥ずかしい」
しょうがないから降りることにした。
その後佐々木と二人で説得の声かけをしたが、反応なし。
148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 22:39:56.04 ID:0h78bS3ZO
いつの間にか九曜と喜緑は互いに右手と左手を組み合い、レスリングで見られる腕四つの体勢になっている。
蛇はいなくなっていた。
俺達はゆっくり近付いて二人の体を叩き、目を覚まさせることにした。
今考えると無謀で意味不明ね作戦だが、あの時は大まじめだった。
キョン「森さんも付き合って下さいよ」
森「わかりました。三人でいきましょう」
151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 23:04:43.16 ID:0h78bS3ZO
ゆっくり歩く俺達、恐怖で膝が震える。
喧嘩四つの宇宙人二人からはもう蛇は出ない。髪もだいぶ短くなっている。
…と思った矢先、コンブの髪から一匹の蛇が表れ、ワカメを攻撃
難なく額で蛇が弾かれ、黒い蛇が佐々木の胸を貫いた。
153 名前:閑話休題[] 投稿日:2008/10/01(水) 23:17:05.94 ID:0h78bS3ZO
ハルヒ達は長門のアパートにいた。
ハルヒ「今日はバッチシ天体観測するわよ。来なかったキョンを羨ましがらせるのよ」
古泉「長門さん大丈夫ですか?」
長門「……日常生活には支障はない」
ハルヒ「古泉くんに有希。何ヒソヒソ話しているのよ」
古泉「長門さんが体調悪そうに見られたので心配になって」
ハルヒ「有希、しんどいの?」
長門「……少し」
ハルヒ「じゃあ、一時間だけ集中して遊んで、解散」
みくる「えーと、どう使うのでしたっけ?」
同時刻
会長「暇だ…。しかし、屋上が騒がしいな」
157 名前:閑話休題[] 投稿日:2008/10/01(水) 23:36:05.47 ID:0h78bS3ZO
会長「やれやれ、やっと屋上が静かになった」
喜緑「ただいま」
会長「おかえり」
喜緑「ちょっと会長聞いて下さいよ。今日仕事で接待したカップル人前でいちゃいちゃいちゃいちゃ」
会長「それは災難だったな」
喜緑「でも、あんなのになりたい自分がちょっと嫌になるのよ」
会長「今のように二人きりなら良いではないか」
喜緑「会長…」
見つめあう二人である
160 名前:閑話休題[] 投稿日:2008/10/01(水) 23:50:54.64 ID:0h78bS3ZO
喜緑「会長…」
会長「喜緑くん…」
喜緑「キスして良いですか?」
キスをする二人
その時…
162 名前:閑話休題[] 投稿日:2008/10/02(木) 00:08:33.85 ID:QXkd4OuAO
谷口「WAWAWA忘れ物」
ハルヒ、古泉、みくるの三人と谷口がアパート前で会った。
谷口「よう、涼宮。長門いるか?」
ハルヒ「有希に何の用よ?」
谷口「長門の忘れ物を届けるように長門の担任に頼まれたんだ」
ハルヒ「貸しなさい。届けてあげるわ」
谷口「俺が頼まれたんだから、俺が届けるのが筋だろーが常考」
ハルヒ「しょうがないわね。ついてきなさい。古泉くんみくるちゃんを頼むわね」
古泉「了解です」
ハルヒ「えーとこの部屋だったはず」
玄関入ったすぐで、喜緑×会長の愛の営みが…
谷口「GOGOGOごゆっくりー」
会長「こ、これはだな…」
ハルヒ「みーちゃったみーちゃった。生徒会長の不純異性行為みーちゃった」
ハルヒ「どうしよーっかなー。ま、我がSOSの言いなりになるというのなら、黙ってあげても良いけどね」
175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/10/02(木) 02:03:40.76 ID:QXkd4OuAO
黒い蛇が佐々木の胸を貫いた。
佐々木の胸の辺りは爆発して粉々に…
キョン「佐々木ー」
前後不覚になった俺は粉々になった肉体をかきあつめようとするが、体が全く動かない。
そして…
177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/02(木) 02:06:13.23 ID:QXkd4OuAO
気が付いたら佐々木の体は元通りだった
正確には、上半身の服だけが細かい破片となり、体は傷一つなく無事だった。
キョン「大丈夫か?佐々木」
惚ける佐々木の胸や腹や背中を触ってみたが、幸い何の異常もなかった。
キョン「大丈夫そうだな。うん?」
佐々木「キョンのエッチー」
パシーン。真っ赤になった佐々木に状況から当然のごとく平手で殴られた。
橘「佐々木さんに何をする。この変態」
ダッシュしてきた橘のジャンピングキックを受けた俺は、1メートル近く飛ばされる。
178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/02(木) 02:08:35.31 ID:QXkd4OuAO
「雨が降っている」と思いながら目を覚ますと、佐々木に抱き上げられる体勢になっていた。
気絶してたのか俺は。
佐々木「気が付いた。良かったよキョン」
佐々木は涙に濡れていた。
喜緑「一時はどうなることかと思いました」
九曜「――ご飯――」
鶴屋「今度喧嘩したらご飯あげないにょろよ」
九曜「――もう――しない――」
橘「良かったのです。思わずやりすぎてしまったのです」
藤原「ここでお前が死んだら規程事項違反だから心配してやったんだぞ」
森「佐々木さんの方も大丈夫ですよね」
179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/02(木) 02:09:28.23 ID:QXkd4OuAO
食事を兼ねた会議だが、喧嘩の後ということもあり、盛り上がりに欠けるものだった。
橘「以上が状況説明ですが、良い意見があればドンドン言って下さいです」
森「良い意見があれば言って下さいね」
鶴屋「良い意見があればめがっさ言うにょろ」
藤原「良い意見は言うように。規程事項だ」
朝比奈(大)「良い意見は大歓迎ですわ」
特盛の人もいつの間にか来ていた。
そういや佐々木の胸は意外とでかかった。
ハルヒと同じくらいかな?
3年後には朝比奈さん(大)のごとく特盛になったり、はないな。
180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/02(木) 02:10:41.23 ID:QXkd4OuAO
喜緑「キョンさんの意見は?」
キョン「いやーそれにしてもX染色体比率が高いですなー」
―…―…―…―…―
場が白けるのが鈍い俺にもわかった。
何故か鶴屋さんだけが、いつかの宴会芸の時のように笑っていた。
橘「佐々木さん。笑えないジョークばかりキョンさんに教えるのは止めて下さい」
佐々木「すみません」
181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/02(木) 02:18:40.38 ID:QXkd4OuAO
佐々木「真面目な話、僕のような神候補はあと何人いるのですか?」
橘「違反事項なのです」
森「御法度ですわ」
朝比奈「禁則事項です」
藤原「フン禁則だ」
喜緑「キョンさんと佐々木さんが思念体のお願いを全部聞いてくれるなら、話しても良いわね」
九曜「―――ご飯―――おいしい―――」
鶴屋「くーちゃん。こぼしているっさ」
182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/02(木) 02:26:26.17 ID:QXkd4OuAO
佐々木「神候補が普通の人間になったり、普通の人間が神候補になったことは?」
橘「…」
森「今までのところありません。だからこそ今度のことが問題になっているのです」
185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/02(木) 02:52:58.72 ID:QXkd4OuAO
実りが多いとはちょっと言えない会議が終わり、皆は家路につく。
それぞれの胸に、後味の悪い感覚を残して。
俺と佐々木は森さんの上司の指令で、簡単な診察を受けた後病院に泊ることになった。
万が一の容態急変に備えてのことだ。
そして、次の日精密検査を受けることになった。
188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/02(木) 03:52:32.49 ID:QXkd4OuAO
病院のベットに寝転がりながら、今日のことを考える。
佐々木のおっぱいだけを記憶していれば、どんなに幸せだったろうか。
佐々木「やあキョン」
キョン「まだ寝れないのか?」
佐々木「そうだね。少し話をしたいから隣に入っても良いかな?」
201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/02(木) 09:42:34.38 ID:QXkd4OuAO
谷口みたいに、頭の中がおっぱい、おっぱい、おっぱいで満たされれば幸せなんだろうが、そうはいかないのが俺が俺である所以
考えたくない嫌な事を考えていると、佐々木がやってきた
隣に入るって、この展開はもしかしたら…
4倍、4倍、4倍、4倍、4倍、4倍、4倍、4倍、4倍、4倍、4倍、4倍、4倍
胸のモヤモヤは雲散霧消していた。
佐々木「今日のことで話がしたいんだ」
204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/02(木) 11:28:38.80 ID:QXkd4OuAO
キョン「ああ良いぜ」
突然の4倍展開に俺のマイク・タイソンは戦闘準備完了いつでも本番可能
佐々木「柵が邪魔だね。よいしょっと」
そう言ってベットの柵を退けた。そんな事をしたら落ちるぞ。
212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/02(木) 12:44:59.27 ID:QXkd4OuAO
どうやって我がマイク・タイソン氏をリングに連れ込みフィニッシュブローを叩き込むか
そのためのスパーリングプログラムをどうするかが悩みの種だ。
佐々木「いつものように断ったりしないのだね」
OKしたこともないが、こんな展開初めてなだけで断ったこともねーぞ。
佐々木「閉鎖空間を作るから神なのだろうか。情報爆発や時空の歪みを発生させるから神なのだろうか」
難しい話のために、俺の60兆の細胞を代表する乱暴者のマイク・タイソンはカウンターアタックを食らったボクサーのごとくだ。
キョン「それができねー奴が神とは言わんだろ」
227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/02(木) 18:06:53.99 ID:QXkd4OuAO
ちょっとだけ萎えた我がマイク・タイソンであるが、佐々木の顔を見ているうちにすぐムクムクと起き上がり、再びファイティングポーズをとる。
佐々木「閉鎖空間作るから神なのか、情報爆発や時空の歪みだから特別なのだろうか」
キョン「わけわからんぞ。それより」
キョン「佐々木大好きだ」
俺は佐々木を抱き寄せ、キスしようとした。
228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/02(木) 18:09:36.50 ID:QXkd4OuAO
しかし、その瞬間佐々木の体がスルリと抜け、ストンと音を立てて佐々木は地面に落ちる。
キョン「佐々木大丈夫か?柵なんか退けるからだぞ。どっか打ってないか?」
頭を打ってたりしたら一大事だ。
佐々木「思った通りだよ。キミは急に僕のことを好きになった自分に違和感を感じないのかな?」
キョン「急に?俺はずっと前から佐々木を好きだったが」
佐々木「細かい所は明日議論するとして、今日はもう寝よう。おやすみキョン」
そう言って佐々木は俺の病室を出ていった。本当にどっか打ってないか?
229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/02(木) 18:15:29.49 ID:QXkd4OuAO
その後、佐々木というリングでタイトルマッチを戦いたがっていたマイク・タイソン氏を沈めるのに苦労した。
何度考えても、佐々木が言った内容を理解することはできなかった。
俺がさっきまで心配していたのは、俺にハルヒみたいな能力があるということ(森さん達は隠している)。
そして、佐々木の能力喪失と同時に俺の能力が佐々木に働き、佐々木が俺にベタ惚れ、性格も俺好みになりエッチな事も許してくれるという
極めて俺に都合の良い性格になった。以上が俺の仮説だった。
230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/02(木) 18:16:37.49 ID:QXkd4OuAO
佐々木はそうは思っていないことだけは理解した。
眠れぬ夜を過ごし、あっという間に朝になり、精密検査も無事に済み。
俺と佐々木は某食堂で昼食をとることになった。
232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/02(木) 18:26:28.10 ID:QXkd4OuAO
佐々木「吠える犬は噛付かない。それが今回の真理だよ」
キョン「その諺は知っているが、今回とどう関係するんだ?」
佐々木「涼宮さんのようにあからさまに危険そうに見えるのは、実は吠えるだけで安全なんだ。今の僕のように閉鎖空間も出てない方が、とたんにガブリといく」
キョン「消えたように見えたお前の能力は、透明人間のように見えなくなっただけということか?」
佐々木「その通りだよ。くつくつ」
昨日や午前中の予習もあったため、すんなり理解できた。
234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/02(木) 18:41:22.27 ID:QXkd4OuAO
佐々木「キミも見ただろ。僕の体が砕け散り、次の瞬間には元通りになるのを」
キョン「ああ、見た」
佐々木「あれを見て、僕が普通の人間と思うかな?」
キョン「元々服だけに作用する魔法じゃなかったのか?九曜は何も言ってないから不明だが」
必死に否定する俺
佐々木「キミが急に僕に恋心らしきもの、恋愛感情という精神病にかかったのも、僕の力の作用と思われる」
237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/02(木) 19:20:09.25 ID:QXkd4OuAO
俺はいろいろ反論するが、全て佐々木に論破される。しかし、議論に勝った方が正しいと言えないのは佐々木自身が言ったこと。
佐々木「だからキミは涼宮さんの所に行き、真実の愛を貫くべき」
キョン「真実の愛とは何だよ?弓矢持った妖精がもたらすものか?」
キョン「恋愛成就の神社も、試験合格のお寺も、本当に効果あるのなら不正行為だが、効果が少しはあると思っているから皆行くのだろーが」
佐々木「キミは頭に血が昇っているみたいだ。少し冷やした方が良い」
既にバスの待ち合い所まで来ていた。
佐々木はバスに乗り込み、俺達はそこで別れた。
238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/02(木) 19:32:59.55 ID:QXkd4OuAO
次の日の塾に、佐々木の姿はなかった。
241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/02(木) 19:57:09.33 ID:QXkd4OuAO
俺は塾をサボり、佐々木の家まで自転車でいく。
チャイムを鳴らすと佐々木の母親が出る。
佐々木母「今日は休みではなかったのですか?」
佐々木「塾はどうしたのかな?キョン」
キョン「ズル休みはいかんぞ」
佐々木「キミの学力だと、僕と違って少しでも休む余裕などないはずだが」
キョン「細かいことはどうでも良い。今なら遅い方に間に合う。乗れ」
242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/02(木) 20:04:05.81 ID:QXkd4OuAO
俺達は自転車で塾に行き、塾で勉強し、二人で塾から帰る。
佐々木の家の玄関で俺達は別れることになった。
243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/02(木) 20:25:10.93 ID:QXkd4OuAO
キョン「すまん。喉が渇いた一杯飲ませてくれ」
佐々木「もう父がいる時間だけど」
佐々木の父を俺は昔から苦手にしていた。
キョン「ちょうど良かった。まだ起きているよな」
佐々木父「またキミかね。娘に手を出すなとあれ程…」
キョン「お義父さん。娘さんを俺に下さい」
佐々木父「何を言ってるんだキミは。まだ高校生だろキミは」
佐々木「キョン。ちょっと…」
キョン「嫌なのか?佐々木」
佐々木「嫌じゃないけど…」
245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/02(木) 20:31:51.56 ID:QXkd4OuAO
佐々木父「けしからん。キミの人となりを判断してやるから、ここに座りなさい」
そして娘にはしっかり部屋の鍵をかけて、夜中には俺を入れないように注意する。
248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/02(木) 21:19:51.34 ID:QXkd4OuAO
1ヶ月後
キョン「家に着いたぞ」
塾の無い日の駅への送り迎えは俺の仕事になっている。
佐々木「飲み物をご馳走するから上がっていきなよ」
キョン「サンキュー」
その日、佐々木父は出張、母は親戚に病人が出たので急遽看病しに行ったらしい。
佐々木「今から料理を作るから、キミはお風呂を沸かしてくれ」
キョン「了解」
今夜はチャンスだ。マイク・タイソンよ。ファイティングポーズとるのはまだ早い。
251 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/02(木) 21:43:23.75 ID:QXkd4OuAO
食事も終わり
キョン「食器の後片付け終わり」
佐々木「お風呂に入ってきてくれ。キョン?この手は?」
キョン「一緒に入ろうぜ」
佐々木「先に入っててくれ。後で合流するから」
しばらく考えていた佐々木はそう言って俺の手を振りほどく。
254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/02(木) 22:05:55.97 ID:QXkd4OuAO
体を石鹸でゴシゴシ洗い、湯船につかっていても佐々木は来ない。期待外れだと思っていると。
佐々木「お待たせ」
佐々木がやっと入ってきた。
キョン「おいおい、バスタオル巻いたままで入るつもりか?」
佐々木「それもそうだね」
バスタオルの下はスクール水着だった。
その後のことは後日エロパロで記述するが、我がマイク・タイソンが佐々木の中にフィニッシュブローを叩き込み、初防衛に性交したことを記しておこう。
(完)