1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/23(火) 21:03:03.44 ID:NupOsVQt0
つかさ「今日こなちゃんから借りたゲーム・・・モンスターハンターだって♪
明日までに1回やるんだ〜♪」
かがみ「まったくこなたはロクなもの与えないわね・・・ハマらないでよ?」
つかさ「えへへ、大丈夫。楽しみだな〜」
私は部屋に帰るとPSPにUMDを入れ電源を入れた。
壮大な音楽が響き、スタート画面になる。
ベッドに寝転び、ムービーを見ていると大体ソフトの概要がわかってきた。
つかさ「どうやらこれは狩りをするゲームみたい♪」
しばらくするとキャラクター設定画面になった。
キャラクターは髪の毛や目の色、性別などを設定できる。
つかさ「私と同じ髪の色にしようっと、名前は・・・TSUKASAと・・・」
設定が終わるとゲームが始まった。
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/23(火) 21:08:35.06 ID:NupOsVQt0
お姉さん「アンタは雪の中で倒れてたんだよ・・・」
どうやら主人公TSUKASAは雪の中で倒れている所をこの村の人に助けられた
設定のようだ。
つかさ「私だったら雪の中で埋まってたら死んでるかも・・・というか、
普通の人は死ぬよね、うん・・・」
お姉さんは話を続ける。
お姉さん「あそこに武器や防具があるから使っていいよ・・・」
つかさ「えぇ・・・怪我人なのに看病してくれるどころか、戦わせるつもりなんだ。
何だかひどいよね・・・」
つかさはお姉さんと自分の価値観の違いに辟易した。
つかさはしばらく指定された場所の防具などをみていたがそのうち疲れて
眠ってしまった。
つかさ「」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/23(火) 21:12:12.31 ID:NupOsVQt0
・・・。
・・・・・・。
お姉さん「アンタは雪の中で倒れてたんだよ・・・」
誰だろう。
あ、お姉さん、どこかで見たことがあるけど・・・どこだっけ?
私が目を開けると、そこは汚らしい田舎風の小屋の中で毛皮のベッドで
裸で寝かされていた。
辺りには、昔社会化見学で行った牧場のような匂いが漂う。
お姉さん「あそこに武器や防具があるから使っていいよ・・・」
武器や防具ってなんだろう?
とりあえず、この人は誰か聞いておかないと・・・。
つかさ「あの・・・」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/23(火) 21:15:12.47 ID:NupOsVQt0
お姉さん「ン?なんだい?」
振り向いたお姉さんの顔には無数の細かい傷が残っており、
ヤクザ屋さんみたいだな、と私は一瞬おびえた。
つかさ「・・・あ、あの・・・」
お姉さんの鋭い眼光に私は震えながら聞く。
お姉さん「何?」
つかさ「お姉さんはど、どういう人なんですか?」
お姉さん「どういうって・・・この辺じゃよく見るただのモンスターハンターだよ」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/23(火) 21:20:48.20 ID:NupOsVQt0
つかさ「モ、モンスターハンターってどういう人何ですか・・・。」
とりあえずハンターだから猟師さんっていうのはわかるけど・・・。
お姉さん「あれ?アンタ辺境の人間じゃないの!?・・・まいったな・・・。
助けなきゃよかったよ・・・ギルドが色々煩そうだし・・・。」
私は自分の耳を疑った。助けなきゃよかったって・・・。
それじゃあ雪の中に埋まっていた私はそのまま死んじゃうじゃないの。
つかさ「助けなきゃよかったって・・・私の命は、ど、どうなるんですか・・・?」
涙ながらにたずねると、お姉さんは平気な風にこたえた。
お姉さん「死ぬんじゃないの?雪山で倒れて死ぬなんて普通さ。
私の爺さんも、お父さんも皆雪山で死んだんだ。」
お姉さんは話しながら、私にスープを手渡した。
信じられない・・・。私は受け取ることができなかった。
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/23(火) 21:25:42.22 ID:NupOsVQt0
私は傷だらけの体を何とか起こすことができた。
お姉さん「元気そうじゃん?よかったね・・・。」
不愉快な気持ちで一杯だった。
助けてくれたのは感謝するけど・・・死んでたかもしれないのに助けなきゃなんて・・・。
もうこんな人と一秒も話したくない。
お姉さん「どうしたの?ギルドの話が気に障った?」
ギルドなんて・・・どうでもいい。
つかさ「・・・お世話になりました。」
私は黙ってドアのほうに向かった。後ろからお姉さんが呼び止める。
お姉さん「待ちな、丸腰じゃ死にに行くようなモンだよ?
この箱に入ってる武器は全部ババァからの贈り物だから好きに使いな。
気に入らないなら、私は出て行くさ。」
私がドアを出るより一歩速く、お姉さんが家の外へ出た。
ドアが閉められた後、私は一人部屋に残された。
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/23(火) 21:30:19.02 ID:NupOsVQt0
つかさ「武器って何・・・私暴力って大嫌い・・・。」
そう思いながらも贈り物の響きは甘美だった。
見ず知らないおばあさん(?)が私のために用意してくれたんだ。
そう考えるとこの村の人も案外悪い人でもないのかもしれない。
木箱を開けると、中には毛皮のコートが入っていた。
つかさ「何だろ、うわ、これ・・・高そう・・・。」
何の毛皮を使っているかはわからないが、買ったら何十万円とするだろう。
コートのところどころに金属のパーツが使われており、まるで鎧みたいだな、と感じた。
私は裸だったことを思い出し、あわててコートを着込んだ。
木箱の底には、いくつかの骨細工が隠されていた。
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/23(火) 21:38:43.10 ID:NupOsVQt0
つかさ「刃物だ・・・。」
木箱の底に隠されていた武器は全部刃物だった。
長い骨の先に金属がついているもの、巨大なかみそりのような形状のもの。
弦とスコープがついた使い方のわからないもの。
つかさ「危ない・・・。これ、手を切ったらどうするんだろう・・・。」
とりあえず使い方がわかるのは、この骨の柄がついたナイフのようなものだ。
コートの背中にはちょうどナイフを収める皮製のホルダーがついており、
私はそこに骨のナイフを収めた。
つかさ「さて、外に出てみようかな・・・。私にプレゼントをくれたおばあさんにも
会ってみたいし・・・。」
その時、ふとお姉さんの言葉を思い出した。
―――待ちな、丸腰じゃ死にに行くようなモンだよ?
木箱の底を覗くと骨細工の円盾のようなものが隠されていた。
見るからに頑丈そうで表面が磨き上げられている。
つかさ「一応これも持っていった方がいいかな・・・万が一に備えて・・・。」
私は片手で持てる様な骨の小盾を腰のホルダーに止めて外に出た。
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/23(火) 21:49:00.80 ID:NupOsVQt0
お姉さんの口ぶりじゃ家の外ですぐ戦争が起こっているものかと思ったが、
外の景色は平和そのものだった。
スーパーやコンビニは無いが、家の前には露店が出ており何か売っている。
私は勇気を出して話しかけてみた。
つかさ「あ、あのぅ・・・すみません、何を売っているんですか?」
おじさんは私と同じような毛皮のコートを着込んでいる。所々赤黒く汚れていて、
長年使ったもののようだった。
おじさんは私に気づいてうれしそうな声を上げた。
おじさん「あんたが新しくこの村に来たハンターかい?」
私は困惑した。少なくともハンター(猟師)ではないし、元いた所にすぐに帰りたい
と言う気持ちもあったからだ。
つかさ「ハンター・・・っていうのでは無いんです・・・。」
おじさんは不審そうな顔をした。
おじさん「ハンターでないやつがどうしてこの村にいるんだい?行商かい?」
もしかしてハンターじゃなければ不味いのだろうか?
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/23(火) 21:54:15.06 ID:NupOsVQt0
つかさ「・・・あ、あの・・・行商でも無いんです・・・私、私・・・」
ハンターじゃない奴は、死んでも構わないみたいな事をお姉さんは言っていた・・・。
おじさんも同じ考えだとしたら、私どうなっちゃうんだろう・・・。
辺境って何? もしかして私まずい事言ったのだろうか?
つかさ「ええっと・・・ギルド・・・ギルド・・・の・・・」
おじさん「ギルドォ・・・?」
しまった!助かりたくてつい口から出任せを言ってしまった。
お姉さんの話しぶりではギルドっていうのはハンターより偉いようだった。
―――ギルドが色々煩そうだし・・・。
おじさん「あんたギルドの関係者なのかい?」
私は震えていた。おじさんが殺しても死んでも構わないなんて平気で言う人だとしたら・・・。
自分の頬につーっと涙が流れるのを感じた。
つかさ「あ・・・あの・・・あの・・・」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/23(火) 22:00:46.78 ID:NupOsVQt0
ババァ「その子は今度新しくギルドに入ってもらったハンターなんだ」
後ろから声がして、私は振り返った。
そこには130cmくらいしか無いような小さなおばあさんが立っている。
おじさん「あ、村長・・・いやね、この子が色々言うから・・・。」
ババァ「そうかい、まぁいいや。ほら、私の所においで。」
私はおばあさんに手を引かれ、村の外れの広場に連れて行かれた。
その間、恐怖で何もしゃべる事ができなかった。
村の外れの広場では切り株がちょうど椅子のように焚き火を囲んで二つ置いてあった。
おばあさんは杖で切り株を指差して「ここにお座り」と言った。
私は素直にうなづき、切り株に腰掛けた。
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/23(火) 22:05:08.34 ID:NupOsVQt0
ババァ「ここの人間はね、一生懸命生きてるだけなんだ・・・悪気は無いんだよ?」
私の心を見透かしたような台詞に、一瞬どきっとした。
この人、お姉さんとのやりとりを見てたんだろうか?
ババァ「あの子もね、悪気があったんじゃないんだ。心根は優しいんだよ。
ただ、欠乏は人を荒ませるからねぇ・・・。」
つかさ「見てたんですか?」
ババァ「あぁ、ちょうど様子を見に行った所だったんだ・・・。」
つかさは一瞬裏切られたような気がしておばあさんを睨んだが、
おばあさんはつかさに笑顔で返した。その笑顔に私はすっかり怒りが萎えてしまって、
そのまま黙ってしまった。
ババァ「ここの人間は食うにも困ってるような状況なんだよ」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/23(火) 22:10:52.28 ID:NupOsVQt0
おばあさんは持っている袋から白い米のような虫を取り出した。
ババァ「これは米虫・・・王国の人間は知らないだろう?」
王国・・・とは何のことかわからなかったが、私はとりあえずうなずいた。
おばあさんは私をしばらく見つめた後、おもむろに虫を口の中に放り込んだのだ。
あっけに取られている私を尻目に、おばあさんは次にグロテスクな毛虫を取り出した。
ババァ「これはね、苦虫。飲み物の代わりさ。」
そういって、クネクネ動く芋虫を私の目の前で噛み潰して見せた。
つかさ「あ、あの・・・虫・・・食べ・・・。」
ババァ「王国の人間はこれをやると驚くんだよ、あんた王国の人間だろ?」
私は黙ることしかできなかった。
しゃべってもろくな事にならないだろうし、何より今の光景に腰が引けていた。
おばあさんは私が黙りこくっているのをしばらく見つめた後、おもむろに立ち上がって
話を続けた。
ババァ「まぁいいさ。話したくないことはあるもんだ・・・。だけどね、ここで
生きていくならお金が必要なのさ。」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/23(火) 22:20:18.35 ID:NupOsVQt0
次の日――――。
私はおばあさんの勧めで雪山に雪山草をつみに行った。
雪山草は綺麗な花を咲かせる草で、特産品として王国へ輸出するそうだ。
―――雪山草は、一本50ゼニー。
食事は1回100ゼニーからあるから、6本つめば3食食べられるのさ。
部屋はただで貸すから、自分の分くらい化成でごらん。
やっぱりおばあさんは優しい人だった。
村から雪山までは歩いて2時間程度。
雪山まで他のハンターと一緒に行き、私は一人分かれて、雪山草を摘みに行った。
50分経ったらベースキャンプに戻る約束だ。
ベースキャンプから少しはなれたところには雪山草が群生していた。
つかさ「わぁ、綺麗・・・。」
私は思わず声を上げた。何本かつめれば上等と思っていたが、これだけあれば、
一週間分の食事はまかなえるかもしれない。
私は用意していた籠にせっせと雪山草を摘み始めた。
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/23(火) 22:25:37.27 ID:NupOsVQt0
つかさ「もう100本は摘んだかな・・・ちょっと休憩しよう・・・。」
私は近くの切り株に腰を下ろした。
花の周りにちょうちょも飛んでいる。虫網があればあれも取れたのにな・・・。
約束の50分までは少し時間がある。
私はぼーっとして時間をつぶすことにした。
それにしても、私いつまでこんな生活を続けるんだろう・・・。
バォオオオオ・・・。
―――耳元で、ふと、聞きなれない音がした。
なんだろう・・・。
嫌な予感がして振り向くと、そこに象のような生き物が立っていた。
3mはあろうかという巨大な体躯。そして牙。
私は腰が抜けて、その場に座り込んでしまった。
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/23(火) 22:31:06.85 ID:NupOsVQt0
つかさ「あ・・・あ・・・助け・・・。」
象のような生き物はどんどんこちらに向かってくる。
小さいころ、お姉ちゃん達いった牧場でヤギに追いかけられた事を思い出した。
あの時も泣き叫んで家族中から笑われたが・・・。
今回は、それとは比べ物にならない。踏まれれば一発で死ぬことになるだろう。
つかさ「い、いやぁあ!!」
私はあわてて逃げ出していた。その時、籠の中身を切り株の上にほうりだしてしまう。
あ、私の花が・・・。
平和ボケした体がとっさに反射し、籠を拾うと同時に、自ら象の目の前に身を
ほうり出してしまった。
一瞬―――景色がスローテンポで流れた。
私、死ぬんだ。
象に踏まれて・・・。
お姉ちゃ・・・ん。
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/23(火) 22:37:10.86 ID:NupOsVQt0
象は前足を大きく上げた。・・・同時に私は目をつぶる。
その瞬間、象の動きが止まった。
そうして、私に気を使うように、2、3歩あとずさりした。
バォォオオ、と象が大きく鳴く。
つかさ「・・・あれ?」
籠を抱えてあわてて立ち上がると、私もまじまじと象を見た。
脳裏に、昔お父さんが言った言葉を思い出す。
―――動物をじろじろ見ると襲われるよ。
だが、象は優しい目をしていた。襲うなんてそんなこと考えなさそうは平和な目。
私はそっと象に近づき、その鼻をなでてみた。
象は目をパチクリさせながら、鼻を鳴らした。
つかさ「あれ?この子、可愛い・・・」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/23(火) 22:43:21.54 ID:NupOsVQt0
つかさ「私、花を摘まないとならないからね〜。」
私は象を刺激しないようにそっと動きながら切り株の上の花を籠に戻した。
象は大人しくその様子を見ている。
私は嬉しくなって、象に「こっちへおいで」と手を振ってみた。
人間の訓練を受けているのか、象は素直に私のほうへ向かってくる。
もう、怖くは無かった。
つかさ「じゃあ、私はここで花を摘んでるからあなたはそこで遊んでてね♪」
しばらく花を摘んでいるのに夢中になっていると、背中に大きな気配がした。
あの象が襲いに来たのかもしれない。
やっぱり野生動物を手なづけるなんて無謀だったかも・・・。
そう思い、そっと振り向くと―――。
象の花には花が握られていた。
つかさ「・・・これ私にくれるの?」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/23(火) 22:47:54.04 ID:NupOsVQt0
象は私に花を手渡し、もとい鼻渡すと、一声鳴いてまた草を食べ始めたようだった。
・・・なんて賢い生き物だろう!!
私は嬉しくなった。
私はいそいそと摘んだ雪山草で花輪を作ると、象の頭にかけた。
つかさ「ありがとう。これお礼ね」
賢い象だから感謝の意が伝わったかもしれない。
その証拠かわからないが、象は嬉しそうに一声鳴いた後、私の前から離れて行った。
つかさ「この辺は可愛らしい生き物が一杯いるんだなぁ。キレイな所だし・・・。」
私は嬉しい気持ちで一杯になりながら、残りの時間一杯を雪山草を摘んで
過ごした。
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/23(火) 22:57:14.92 ID:NupOsVQt0
次の日―――。
私はまた村長の依頼を受ける事にした。
数えたら雪山草は300本もあった為、100日は食べるに困らない計算だったが、
昨日の象にも会いたかったし、またお花畑で花を摘みたかった。
村長は「仕事熱心なのはいい事だよ」と言って私にお弁当を作ってくれた。
何の肉かわからないが、大きな焼き肉だった。
お姉さん「今日の依頼は雪山だったから、私も着いていく事になるけど・・・。」
雪山には他のハンターに混じってお姉さんも着いていく事になった。
私は昨日の今日で顔を合わせにくかったけど、お礼だけはキチンといっておかなければならない、
と思っていた。
それに、村長の言ったとおり、この人も必死で生きているだけなんだろう。
事情がわからないときは、あれだけ怒ってしまったが、この人の言動を見て、
そこまで悪い人ではないのだろう、と言うことくらいは私にもわかる。
つかさ「あの・・・。」
お姉さん「ん?」
つかさ「ごめんなさい・・・。後、助けてくれてありがとう。」
お姉さん「あ、うん・・・いいよ、気にしないで。」
お姉さんは気にする風でもなく、そう答えた。
お姉さんがサバサバしている人で助かった。と同時に申しわかない気持ちで一杯になった。
私はおとといの自分の行動を恥じた。
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/23(火) 23:04:11.01 ID:NupOsVQt0
雪山に着くと私たちは2班に分かれ、別々に行動することとなった。
私が雪山草を摘むのをお姉さんは手伝ってくれるとの事で、うまくいけば
昨日よりも多く収穫できるかもしれない、との事だった。
お姉さん「私は後で自分の依頼をこなすけど、あんたが雪山草を摘んでる間見張ってあげる。」
お姉さんは、腰から鋭い刀を抜いて、それをキラリと太陽に反射させた。
つかさ「ありがとう〜♪じゃあ昨日よりも多く摘めるようにがんばるね」
私はニッコリ笑った。お姉さんもつられて笑った。
そのときだけはお姉さんと一瞬関係が改善できたように思えた。
だが、それは一瞬だけの事だった。
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/23(火) 23:11:46.66 ID:NupOsVQt0
私は昨日の象のような生き物がこちらに近づいてくるのを見つけた。
頭には花輪がついている。
あれは、昨日の象だ。
お姉さん「ポポだね・・・」
お姉さんは刀で空を切って、ポポと呼ばれた象を睨みつけた。
つかさ「あ、あの子ね、昨日、私の花摘みを手伝ってくれたんだよ!」
私は昨日の楽しかった思い出を思い出してお姉さんに笑いかけた。
―――と、同時にお姉さんは走り出していた。
つかさ「あれ?どうしたの?ねぇ!!」
私の言葉は全く届かなかった。
お姉さんは素早く刀を振りかぶり、ポポを切りつけた。
真っ赤な血が飛び散り、ポポは苦しそうによろめいた。
お姉さん「やっぱり、鉄刀だと・・・二斬り・・・。」
つかさ「やめて!!」
お姉さんは手元の刀を水平にし、そのまま前に突き出した。
刀身が深々とポポに突き刺さる。
バォオオオ、と呻いて、ポポはその場に倒れた。
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/23(火) 23:16:03.11 ID:NupOsVQt0
つかさ「あ、この子!!まだ息がある!助かるかもしれない!」
私は泣きながら、ポポに駆け寄った。
必死だったから、雪山草も全部ほうり出して駆け寄った。
ポポは大きく息をしていた。
腹に開いた傷口から、赤い臓物がどくどく動いているのが見える。
血がとめどなくあふれ、腹の下の雪山草を濡らした。
つかさ「ねぇ、どうしたら助かるかなぁ?ねぇ・・・。」
お姉さんはつまらなそうにこちらを見つめた。
お姉さん「・・・こうしたら、助かるよ」
おねえさんはポポの首に向けて刀を振り下ろした。
刀がやわらかい首の肉を裂いて、骨の近くで止まった。
もうポポは生きていなかった。
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/23(火) 23:22:59.41 ID:NupOsVQt0
つかさ「何で殺すんだよぉ!!!!」
私は頭に血が上って、腰のナイフを右手に構えた。
お姉さんは一瞬眉をぴくっとさせて私を見た。
お姉さん「じゃあ、あんたが墓でも掘ったらいい。」
つかさ「・・・墓なんて・・・」
私は一瞬たじろいだ。
お姉さん「墓だって、これだけ巨大な生物の墓一人で掘れたもんじゃない。
食べ物だって、武器だって、そう!!
一人で生きていけないんだ!!!」
お姉さんの怒鳴り声だけが響く。私は言い返せなくて黙ってしまった。
お姉さん「誰だって、好きでやってるんじゃないんだ・・・。
今日は肉の剥ぎ方を教えてあげようと思ったけど、気分が悪い。
私、自分の依頼をこなしてくるから・・・。」
お姉さんは刀の血を拭い取ると、洞窟の中へ消えていってしまった。
私は、一人残されて、そっとポポの方へ近づいていった。
「・・・それでも、それでも、殺すなんてまちがってるよ・・・」
涙がすーっと頬を伝わった。
「・・・もうこんな所にいたくないよ・・・お姉ちゃん・・・」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/23(火) 23:34:04.94 ID:NupOsVQt0
村長は私の話を聞くと、大いに納得してくれた。
私は村長からも説教を食らうものだと思っていたので拍子抜けしてしまった。
生きていくためには仕方ない、なんて言われるものだと思っていたのに・・・。
ババァ「それはね、あの子も未熟なんだよ・・・。
わし達は悪さをするモンスターを狩るのであって、つかさの会ったような
良いモンスターは狩らないものさ・・・。」
つかさ「でも、お肉とか食べ物ってモンスターから剥ぎ取るんでしょう?
今日聞きました・・・。」
ババァ「そうだっけねぇ・・・」
村長は知らぬ顔をして、キセルをフーッと吹いた。
ババァ「あの子もそうだけど、ハンターを長年やっているとちょっとずつ感覚が
おかしくなっていくものなのさ。血になれてしまってね。」
つかさ「そうなんですか?」
ババァ「そうさ。中には本当に良いモンスターを狩って迷惑をかける輩もいる。」
つかさ「どうするんですか?」
ババァ「そういう輩を懲らしめるためにギルドにはギルドナイトがいるんだよ」
つかさ「ギルドナイト・・・警察みたいなものかな?」
ババァ「さぁねぇ・・・ケーサツが何かはしらないが、ギルドナイトのお陰で村の平和は
保たれてるといっても過言では無かろうよ。」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/23(火) 23:39:17.43 ID:NupOsVQt0
私はギルドナイトについて興味を持ち始めた。
つかさ「私もギルドナイトになれるかなぁ・・・?」
ババァ「そりゃ本当かい?」
村長はニッコリ笑った。
ババァ「なれるとも!おお助かりさ!!」
私も思わず釣られて笑った。
つかさ「でも私なんかで本当にいいんですか・・・?」
ババァ「おいで、私の家で話そうか・・・」
村長は焚き火をふっと消して切り株から立ちあがり、私を自分の家へと連れて行った。
私は黙って村長の後についていった。
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/23(火) 23:46:16.42 ID:NupOsVQt0
村長の家で私は暖かいスープをご馳走になった。
虫は入ってないからね、と村長はニッコリ笑った。
村長の家の中は外見からは想像できないほどの金銀財宝であふれていた。
このスープの入った皿だって、金の飾りがついている。
ババァ「まぁ楽におしよ・・・」
村長がパイプをふかす。
つかさ「あ、あの・・・それでギルドって何なんですか?」
私は前から思っていた疑問を口にした。
ババァ「ギルドっていうのはね、要は組合のことさ。組合長は私。」
村長の話によると、この「辺境」にはいくつかの村があり、村ごとにギルドと
呼ばれる組合があるそうだ。
中央には王国や共和国と呼ばれる地域があり、辺境の村にたまにモンスター討伐を
依頼するらしい。
ババァ「その時、ギルドが無いとどこの誰に討伐を頼んだら良いかわからないだろ?
ギルドではそれを一括してやってるってわけさ。」
ギルドでは王国から直接仕事を請け負い、その仕事を組合員に回していると言うことだった。
つかさ「なるほど・・・」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/23(火) 23:55:07.01 ID:NupOsVQt0
ババァ「ところがね、最近ギルドの指定してないモンスター・・・
つかさの言う所のいいモンスターだねぇ・・・それを勝手に狩る輩が出てきたんだ・・・」
私はその話に違和感を覚えたが、それはごく小さなものだったので、
そのまま村長に話を続けてもらった。
つかさ「ひどいですね・・・でも、王国が討伐を依頼してくるモンスターって
必ずしも悪いモンスター何ですか・・・?」
ババァ「まぁ王国が金を払って討伐を依頼するんだからね・・・良いモンスターでは
あるまいさ・・・ねぇ?」
つかさ「そ、そうですよね・・・」
ババァ「ほかに質問があるかい?」
つかさ「いえ」
ババァ「食事の心配はしなくてもこの家で毎日食べさせるさ。ギルドナイトには
給料も出るんだからね。それから・・・これは私からのプレゼントだよ、着いてきな?」
私は立ち上がって奥の部屋に向かう村長に黙って従った。
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/24(水) 00:04:00.20 ID:+VEfzkzq0
村長「ギルドガードスーツ、ガードロポス・・・ガードコイル・・・つかさの髪は薄紫だから
紅がいいかねぇ・・・」
それはベルサイユのバラに出てきそうなナイトが着る服だった。
つかさ「もらってちゃっていいんですか?」
ババァ「支給品さ・・・それから、これはね、グランダオラって言って・・・ボタンを押すと
矢が飛び出る銃って奴さ・・・モンスターと出会ったとき使うんだよ?」
つかさ「りっぱな銃ですね・・・」
ババァ「ギルドの奴らが見たら喉から手が出るほど欲しいだろうね・・・だけど、
つかさの本当の武器はこっちさ。」
村長は赤いコートの腰にある拳銃と短剣を指差した。
小さなものでモンスターは殺せそうに無い。
ババァ「これ?モンスター用じゃないよ、人間に向けるものさ。
王国製の対人兵器だよ・・・これがギルドナイトの仕事って奴さ・・・」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/24(水) 00:12:05.63 ID:+VEfzkzq0
初仕事は雪山の中であった。
登山中のハンター一行ギルドの規定を超え5人でモンスター討伐に向かっている。
ギルドナイトに出動の要請が下った。
ババァ「つかさ、奴らはね、雪山の良いモンスターを根絶やしにする計画なのさ。
キチンと罰を加えるんだよ・・・?」
その罰の中身は私には知らされなかった。
私は蒼のスーツを着た男の人と、雪山に出かけた。
つかさ「はぁはぁ・・・疲れたよ・・・。」
ナイト「君はハンターとしての訓練を全く受けてないようだな・・・」
つかさ「そうだよ、やったのは・・・雪山草摘みだけ」
ナイト「そうか・・・」
目的地の雪山の穴の中に隠れる。
どうやら犯人は5人、ギルドを通さず、ティガレックスというモンスターを狩っている。
ナイト「封絶一門・・・まともに相手にするにはかなり厄介だな・・・」
つかさ「あの子も良いモンスターなんだよね・・・」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/24(水) 00:17:11.82 ID:+VEfzkzq0
5人は上位の依頼もこなし、かなり強力な武器を持っていた。
その内ティガレックスは倒れ、男たちは用意していた押し車にティガレックスの
死体を載せ始めた。
男1「いつもは鱗やら牙一本しか手に入らないが、これでギルドに横取りされる事は
なくなるな・・・」
男2「俺たちが命をかけて働いてるのに、ギルドは素材の9割を勝手にうっぱらっちまう」
男3「もう飽き飽きした・・・亡命して俺たちだけの村を作ろう!!」
男たちは意気揚々として、ティガレックスの死体を運び出し始めた。
つかさ「行っちゃうよ!?どうする?」
ナイト「・・・今夜は、雪山で野宿するつもりだろう・・・」
蒼のスーツのギルドナイトは、私に一計を授けてくれた。
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/24(水) 00:22:32.56 ID:+VEfzkzq0
男たちはティガレックスの肉を焼き、持ってきた酒で宴会をしていた。
防具も武器脱いで、シャツだけでわいわい騒いでいる。
ティガレックスの素材は大方剥ぎ取られ、キチンと分類されてポポが引く車に
乗せられていた。
男1「俺たちの独立記念に・・・!」
男2「乾杯!!」
私はギルドナイト装備を脱いで、軽装になり、腰に短剣だけを刺して、
男たちに近づいた。
つかさ「あの・・・すみません・・・」
寒さで凍えそうだったが仕方が無い。これも悪い人を逮捕するためなのだ。
男1「どうした、あれ?女・・・」
つかさ「火に当たらせてください」
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/24(水) 00:28:39.36 ID:+VEfzkzq0
男たちはつかさのために肉を焼き酒を持ってきてくれた。
辺境の男はいい人が多い。厳しい環境だからだろう。
だから凍えそうな幼い私を見て、皆親切にしてくれた。
男1「どうしたって、防具もつけずにこんな所にいるんだい?」
つかさ「あの雪山草を摘んでいたら、こんな高いところまで来てしまって・・・
服を燃やして暖をとるしかなかったんです・・・」
男2「まぁ災難だったな、とりあえずこれでも飲んであったまりなよ・・・」
皆良い人ばかりだった。
しかし任務は任務だ。私はギルドナイトに教えられたとおり、男たちが寝たのを
見計らって、武器や防具を寝室から持ち去り、雪の中に埋めた。
つかさ「これで、後は合図するだけ・・・」
私は男たちに見つからないようにこっそりテントを出て、空に向けて
閃光玉を投げた。
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/24(水) 00:33:49.01 ID:+VEfzkzq0
雪穴の中で待機していたギルドナイトが閃光玉の合図を見て私の所に来てくれた。
彼は綺麗に整理されたティガレックスの素材を見て「これは押収だな」と言い放つ。
私は一瞬違和感を覚えたが何も言えなかった。
彼の持ってきたギルドガードシリーズの防具を素早く身につけて、
私は素早く銃を手に取る。
・・・男たちはまだ寝ているようだった。
つかさ「逮捕だ、密猟者・・・とか言うのかな・・・?」
ナイト「その必要は無い」
ギルドナイトが素早くテントに入る。拳銃の音が2発立て続けに聞こえた。
・・・え?
・・・え?
心臓の鼓動が早まった。
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/24(水) 00:40:04.79 ID:+VEfzkzq0
私もついでテントに入ろうとした・・・ダメだ、足が行くのを拒んでいる。
その内立て続けに、また2発拳銃の音が鳴った。
男が裸のままテントから飛び出してくる。
腹を真っ赤に染めながら・・・。
男1「糞ッ!!剣さえあれば!!剣さえあれば・・・」
剣は・・・私が隠した。
その男は凍えたフリをしていた私を真っ先に迎え入れてくれた男で・・・。
肉と酒を持ってきてくれて・・・見ず知らずの私に親切だった。
男は私を見つけた。
男1「お前か!!お前・・・ギルドナイト・・・。俺の剣・・・返してくれ・・・」
つかさ「ひぃっ・・・」
男1「あれは・・・形見なんだ・・・頼むよ返してくれ・・・」
裸の腹を真っ赤に染めた男がこちらへ近づいてくる。
必死の形相。
・・・一瞬、殺されると思った。
ナイト「刺せ!!つかさ!!!」
次の瞬間、私は持っていた短剣を男の胸に深々と突き刺していた。
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/24(水) 00:46:25.70 ID:+VEfzkzq0
つかさ「ひ、ひぃぃ・・・」
私は、自分のやったことが信じられずに腰が抜けた。
そして這いつくばったままその場から逃げようとする。
男1「ギルドは・・・なんで・・・」
つかさ「は・・・は・・・」
男1「ギルドは何で・・・大事なものを奪っていくんだよォ・・・」
ナイト「・・・死ね」
拳銃の弾の装填を終えたギルドナイトが男の頭に向けて弾丸を放った。
近距離から弾を受けた男の頭は一瞬雪の中でバウンドした後、
辺りの雪の中、じんわりと血が染みこんでいった。
ギルドナイトは素早く弾を装填して、テントの中へ駆け込む。
パーン、パーンと何発か立て続けに銃声が聞こえた。
多分とどめを刺したのだろう。
つかさ「はは・・・ははは・・・」
テントの中からぎゃぁ!という長い声が響き、私はびくっと震えた。
そして直後またパーンという音が聞こえた。
私は目の前の男の死体を見ながらつぶやいた。
つかさ「私のしたいことって・・・こんなことだっけかなぁ・・・」
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/24(水) 00:52:11.25 ID:+VEfzkzq0
ナイト「・・・抜けることは許されない・・・」
いつの間にか背後にいたギルドナイトが私の頭に銃を突きつけていた。
つかさ「・・・そう、なんだ・・・」
ギルドナイトは銃を腰に収めていった。
ナイト「大丈夫だ。こいつらが持っていた武器や防具はギルドの収益になる。
狩ったモンスターも金冠サイズだった。高く売れる。エクストラの給料が
出るかもしれないな・・・。なぁに金は十分入るさ。」
つかさ「ねぇ・・・ギルドって何をしてるの!!?」
ナイト「見ての通りさ、ハンターの統制・・・」
つかさ「・・・そっか」
私は黙ってギルドナイトと共に死体を処理していた。
その日から、一人の私が死んで、血の海の中からもう一人の私が生まれた。
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/24(水) 00:59:23.38 ID:+VEfzkzq0
つかさ「ねぇお兄さん、G級のモンスターなんて本当に狩れるのかなぁ?」
男A「大丈夫、つかさちゃん、いざってときは俺が守ってやるから!」
つかさ「ホント〜?大好きっ!!」
男B「お前、一人だけ抜け駆けなんてずるいぞっ!!」
男C「おいおい、馬鹿はやめてくれよ〜ははは」
その1―――。
―――まず密猟者には必ずモンスターを狩らせてから殺すこと。
・・・その方がギルドの収益が増えるから。
男A「ぐっ・・・つかさちゃん、何で・・・?」
つかさ「馬鹿だねぇ〜・・・こんなことしてギルドがほおって置くわけないじゃん」
男B「じゃあ何で俺たちを泳がせたんだ・・・」
つかさ「どうせ殺すなら素材を手に入れてからのほうが儲かるでしょ?
お話はおしまい・・・バイバイ、人の良いお兄さん方」
パーン、パーン。
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/24(水) 01:03:59.95 ID:+VEfzkzq0
つかさ「ねぇ・・・リオレイアじゃなくてさ、ナルガクルガ狩ってくれたら、
私のこと好きにしていいよ・・・。」
男X「う、うん・・・。」
つかさ「あなたも、ね・・・。」
男Y「うん・・・。」
その2―――。
―――可能ならば王国の依頼モンスターを優先して狩らせること。
・・・これもギルドの儲けのため。
男X「武器がッ!!武器さえ・・・」
つかさ「ハンターの男の人って動物しか相手にしてないから純朴だよねぇ〜。
童貞のまま死ぬんだ、残念、アハハハ」
男Y「貴様ぁ・・・!!」
パーン、パーン。
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/24(水) 01:10:09.42 ID:+VEfzkzq0
―――そうして時が経ち、
私はギルドの死天使と噂されるにいたった。
もちろん、正体はバレていない。
ハンターはますますギルドに従順になり、そのハンターが稼ぐ素材を
転売して得る巨万の富はますますギルドを豊かにさせた。
お姉さん「あんた、まだハンターやってたんだ・・・」
つかさ「うん、今はね、レベルの高い防具をつけられるようになったんだよ」
お姉さん「へ〜凄いじゃん!!」
つかさ「いいでしょ、えへへ・・・」
この日私が処刑するのは最初雪山で拾ってくれたあのお姉さんだった。
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/24(水) 01:16:17.42 ID:+VEfzkzq0
雪山に着き、ベースキャンプを張る。
この日集まったのは4人、私以外の3人は、それぞれ村でG級クエストをこなす
凄腕ハンターだった。
私だって、今まで一度も依頼はしくじったことは無いのだ。
まぁお姉さんとは顔見知りだし、いつもと違って、楽に処刑はできそうだ。
お姉さん「あんたもテント張るの手伝ってよ・・・」
つかさ「あはは、ちょっとぼーっとしてた。ごめんね〜今やるね・・・」
お姉さん「・・・」
お姉さんが鋭い眼光をこちらに浴びせる。
私はそれを笑顔で返した。
つかさ「ん?私の顔になにかついてるかなぁ・・・?」
お姉さん「いや・・・」
ベースキャンプを張ると私たちはいつものようにポポのいる草原へ向かった。
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/24(水) 01:20:55.41 ID:+VEfzkzq0
お姉さんが無言でポポを斬る。
私もいつものようにボウガンでそれを支援した。
お姉さん「昔はこうするとギャアギャア騒いでたのにねぇ・・・」
つかさ「ん?あ〜・・・昔は何もわかってなくて・・・ゴメンね・・・あの時は」
私は誠心誠意手を合わせて謝るふりをした。
つかさ「何もわかってなかったんだよね・・・ゴメン」
お姉さん「私は・・・そのままでいいと思ったんだけどな・・・」
つかさ「でも皆に迷惑かけちゃうし・・・ほら?肉剥ごうよ?」
お姉さんは無言でこちらを睨んで、それから「あぁ」と言って肉を剥ぎ始めた。
だってさ、皆生きるためにやってるんでしょ?しょうがないじゃん。
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/24(水) 01:24:58.00 ID:+VEfzkzq0
お姉さん「つかさ・・・ゴメン、本当はわかってたんだ・・・つかさがギルドナイトだって事・・・」
つかさ「え?」
お姉さんの刀、男たちのボウガンの銃口が一斉にこちらを向く。
男A「だから、テントの時点で殺しとけって行っただろう・・・」
男B「俺たちはお前のわがままにつきあってやったんだからな・・・」
お姉さん「それでも、最後まで・・・確認しておきたかったんだ
・・・ギルドナイトじゃないって事を・・・」
つかさ「・・・私を殺す気?」
男A「あぁ・・・」
ここでゲームオーバーか・・・私、ちょっと調子に乗りすぎちゃったな・・・。
私は黙って目を閉じた。男がボウガンの引き金を引き始めた。
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/24(水) 01:28:52.76 ID:+VEfzkzq0
お姉さん「待って・・・あんた死ぬのが怖くないの・・・?」
つかさ「・・・私を殺しても、ギルドナイトはまだこの雪山に潜伏してるわ」
お姉さん「・・・そうじゃなくて、あんた自身の話・・・」
つかさ「・・・別に」
私は心からそう思っていた。
あの日から、自分のことよりギルドのことを考えて生きてきた。
今更自分のことに考えなんて及ばない。
お姉さん「・・・信念は曲げるべきじゃないんだ」
つかさ「は?」
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/24(水) 01:33:52.11 ID:+VEfzkzq0
お姉さん「あの日、ポポを殺してかわいそうだと思った信念は曲げちゃダメなんだ」
つかさ「・・・あはは、言ってる事がめちゃくちゃだよぉ・・・」
私はこの面倒な問答を終わらせて早く死にたかった。
早く死ねば、他のギルドナイトのチャンスも増える。
時間は限られてるのだ。
お姉さん「あんたはハンターに向いてない・・・それで良かったんだよ・・・」
つかさ「・・・ギルドに逆らった人間がハンターを語るの?」
お姉さん「信念を持ってないと自分が希薄になってどんどん薄れていって・・・
最後には何が好きだったか、何をしたかったか忘れてしまうんだ・・・」
男A「そんな亡骸みたいなやつなら、なおさら殺したって心が痛まないな」
お姉さん「私はつかさにはそうはなって欲しくなかった・・・」
お姉さんは他の二人に銃口をしまうように言った。
私は内心舌打ちした。
お姉さんは私をロープでぐるぐる巻きに縛って、一緒に連れて行くつもりのようだった。
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/24(水) 01:39:53.55 ID:+VEfzkzq0
せまい雪道を通って、私たちは辺境から王国へ抜ける道を通る。
ここは他のギルドナイトが潜伏していない地域だ。私はますます苛立った。
お姉さん「私たちは一度王国の商人に弟子入りして経営術を学ぶ。
その後、もっと村のみんなの利益になるようにギルドを変えるつもりだ。」
男A「もういいから殺そうぜ・・・」
お姉さん「つかさも村がもっと豊かになって皆平和に暮らせればいいと思うだろ?
もう命がけでティガレックスなんて狩らないですむようになる」
つかさ「はいはい、素敵ね〜・・・」
お姉さんは熱心に理想を語るが私はどうでもよかった。
私の尻を男が盾でたたく。
男B「真面目に聞けよ」
つかさ「もう十分だよ!!殺せよ!早く!!」
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/24(水) 01:45:13.40 ID:+VEfzkzq0
雪道が出口に差し掛かって辺境を抜ける頃。
背後からドシン、と響く音がした。
・・・何か大きなものが雪道に落ちる音だ。
私は慌てて背後を振り返る。
そこには、今まで見たことが無いような大きさのティガレックスがいた。
ティガレックスはこちらを睨んでいる。
一行の足がぴたりと止まった。
お姉さん「・・・ラオシャンロンサイズ・・・討伐できるレベルじゃない・・・」
そう言いながらも、お姉さんは背中の刀を抜く。
他の二人もハンターらしく覚悟を決め、背中のボウガンを構えた様だった。
これなら結局ギルドの依頼は果たすことができる。
私も死ぬが、この3人は全滅する。
縄で縛られながらも私は笑いをこらえることができなかった。
122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/24(水) 01:49:16.26 ID:+VEfzkzq0
ふと、お姉さんが私の縄を切ってくれた。
何を考えているんだろう・・・。
お姉さん「ほら、武器・・・自分の身は自分で守って・・・。」
そう言って、デルフダオラを返してくれた。
私は腰の銃に手をかけ、3人を背後から撃とうとした。だが、そんな気分にならなかった。
つかさ「・・・もぅ・・・。」
鈍い鋼色のボウガンを展開する。貫通弾を装填し、リロード。
ティガレックスは私たちの準備が終わったのを見計らったかのように、
大きく吼えた。
129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/24(水) 01:56:34.48 ID:+VEfzkzq0
お姉さんが勇敢にもティガレックスに突っ込む。
尻尾を切り落としておきたいとの事だろう、回転しながら羽根の下を抜け、
後ろ足のほうに回って2撃太刀の洗礼を浴びせる。
だが、全てはじかれてしまう・・・。
それもそのはずだ。ティガレックスの尻尾はお姉さんの体の大きさよりも大きい。
直径3mはあるだろう。それに伴い鱗も硬くなっている。
文字通りのラオシャンロンサイズなのだ。
私を含めた3人のガンナーは分散して、3方向から貫通弾や電撃弾を浴びせる。
ティガレックスは私たち3人を吟味するように見た後、私の方向へ突進してきた。
つかさ「こっち・・・!?」
私は射撃をやめてシールドで突進に備える。
頭からの突進をまともに食らってしまった・・・。
つかさ「ぐぁ・・・がっ・・・」
私は氷の壁に叩き付けられた。
ここはギルドの管轄外で、獣人種の協力は得られていない。
ベースキャンプなど無い・・・つまり、瀕死になれば文字通りの死。
131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/24(水) 02:03:31.78 ID:+VEfzkzq0
つかさ「痛い・・・」
肋骨が折れている。
その痛みは尋常ではない。全身が肋骨の痛みに支配されたようだった。
体を動かすたびの激痛。
その痛みで私に恐怖が呼び起こされた。
・・・動物的な、本能的な恐怖。
私は次の瞬間、泣き出してしまっていた。
ただ意地でも声は立てなかった。
ギルドナイトというよりも私個人の意地だった。
男A「こっちにきたぁ!!うわぁあああ!!!」
男Aのボウガンにはシールドはついていない。
ティガレックスのゴツゴツした頭が、一瞬男にめり込み・・・
次の瞬間男はティガレックスと氷の壁の間に挟まって死んだ。
切断された下半身が上半身から逃げるように雪の深い谷間へ消えていった。
血まみれの上半身がティガレックスの頭に張り付いている。
132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/24(水) 02:08:22.88 ID:+VEfzkzq0
男B「殺される!!殺される!!!」
友達のぐちゃぐちゃになった上半身を見て男Bが取り乱し始めた。
お姉さん「しっかりしな!!シールドをティガレックスに向けるんだ!!」
ティガレックスは容赦なく男Bに向かってほえた。
頭に張り付いた男Aの上半身がぼとりと、男Bの目の前に落ちた。
右手を男Bのほうに向けたその姿は、まるで「助けてくれ・・・」と言っているかのようだった。
男Bはぼとりとボウガンを落とした。
その瞬間ティガレックスが噛み付いた。
男Bの体はおもしろいように3分割され、頭は笑ったような笑顔のままつかさの前に落ちた。
つかさ「ひぃぃ・・・」
つかさは本能的な恐怖から叫び声を上げた。
134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/24(水) 02:13:46.09 ID:+VEfzkzq0
お姉さんは私からマークを外そうと、ティガレックスの目の前に躍り出た。
お姉さん「つかさは強い子だね・・・」
つかさ「お姉さん・・・」
太刀を構えたまま、ティガレックスの方を向くお姉さんの背中に私は話しかけた。
つかさ「ギルドの負けだよ、お姉さん・・・私を置いてここから逃げなよ?
ね?この道の先ギルドナイトは潜伏してない・・・だから、理想でもなんでも
かなえちゃえばいいんじゃないかなぁ・・・?」
お姉さんは後ろも振り向かずに言う。
お姉さん「ギルドの負けだろうと知ったこっちゃ無い・・・。
ここで逃げたら私の負けなんだよ・・・。」
お姉さんがギリと歯をかみ締める。
私はお姉さんの足ががたがた震えてるのを見て取った。
それはそうだ、お姉さんだって怖いのだ。
つかさ「どうして・・・」
135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/24(水) 02:16:57.15 ID:+VEfzkzq0
お姉さん「ハンターの誇りだ。」
つかさ「誇り・・・。」
お姉さん「私のおじいさんはお父さんをモンスターから守って死んだ。
私のお父さんは私をモンスターから守って死んだ。
・・・ハンターは、金儲けの道具なんかじゃない。
モンスターから弱いものを守る剣なんだ!!!
それがモンスターハンターの誇りなんだ!!」
ティガレックスの牙がお姉さんを襲う。お姉さんはそれを前転で回避した。
と、同時に懐に二発太刀を入れる。
だが、とてもじゃないが、ティガレックスにダメージを与えているように見えない。
つかさ「もうわかったよ!!もういいよ!!逃げてよ!!」
139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/24(水) 02:24:25.55 ID:+VEfzkzq0
ティガレックスがお姉さんを徐々に氷の壁の端へ追い詰めていく。
お姉さん「私は私の誇りを守る・・・。
だから、つかさは魂を売るなんて情けない事するなっ!!」
つかさ「・・・後悔しないの?」
お姉さん「しないよ」
私は自分のしたことに心から後悔した。
つかさ「・・・ゴメンナサイ・・・ううっ・・・ゴメンナサイ・・・」
お姉さん「つかさはポポを殺したとき泣いた。そのときのままでいいんだよ。
それがつかさの生き方。それを売るなんて・・・魂を売るなんて・・・そんなことは
ダメだよ・・・」
つかさ「うん・・・わかった・・・」
ティガレックスのお姉さんへのヘイトが減って今度は私をマークし始めた。
お姉さんはよけるので精一杯で、ティガレックスの変化に気づかなかったようだ。
お姉さん「やばいっ!危ないっ!!」
お姉さんが飛び込みで私を助ける。私はお姉さんを見上げる。
間一髪ティガレックスの牙から逃れたが、お姉さんの太刀は谷底へ落ちてしまっていた。
144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/24(水) 02:32:16.42 ID:+VEfzkzq0
お姉さんの兜がごとりと落ちた。
つかさ「あっ・・・。」
お姉さんはツインテールで私と同じ薄紫の髪の毛だった。
ティガレックスが突進を始めた。振り向いて構える余裕はもう無い。
お姉さん「私、つかさが来たとき、妹が生き返ったみたいで嬉しかった・・・。
だけど、妹はハンターとして生きられなかった・・・つかさみたいな子だったの。
だから、つかさを助けたとき、同じ苦しみを味あわせるのかって少し自分を責めた。
でも、そんな事無かったみたいね・・・。」
つかさ「かがみ・・・お姉ちゃん?」
かがみ「つかさ・・・守れなかった・・・ゴメン・・・。」
ティガレックスの突進がまともに当たり、私の体に一瞬ものすごいGがかかる。
一瞬で氷の壁が目に飛び込んできて・・・私は頭から・・・。
―――。
――。
147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/24(水) 02:33:18.80 ID:+VEfzkzq0
・・・。
・・・・・・。
かがみ「・・・つかさ・・・、もう・・・ゲームつけっぱなしにして・・・。」
つかさ「・・・お姉ちゃん・・・」
かがみ「ほら?とっとと起きなさいよ!!」
つかさ「良かった・・・お姉ちゃん・・・」
私はお姉ちゃんにしがみついて泣いてしまった。
かがみ「どうしたの・・・?怖い夢でも見たの?」
つかさ「うん・・・とっても怖い夢・・・。」
150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/24(水) 02:37:37.40 ID:+VEfzkzq0
学校―――。
こなた「つかさ、モンハンやってみた〜?」
朝学校でいつものようにこなちゃんが話しかけてくる。
ゲーム仲間ができて、ゲームの話をしたくてうずうずしているようだ。
つかさ「うん・・・ゴメン、こなちゃん、これ合わないみたい・・・」
こなちゃんは心底不思議そうな顔をした。
こなた「え?うそ?ズバッとか斬ってモンスターをやっつけて気分爽快じゃん??
やりこんだら面白くなるって!!私も手伝うし!」
つかさ「・・・そんな気分にはならないよ、だってかわいそうだもの」
こなた「え?」
つかさ「ポポとか斬ったりするの可愛そうじゃん?
・・・だって何も悪いことしてないんだよ?」
155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/24(水) 02:43:19.07 ID:+VEfzkzq0
こなた「可愛そうって・・・ゲームの話だしさぁ〜・・・」
つかさ「とにかく私は可愛そうだって思うの!!
夢の中でお姉ちゃんと約束したんだもん!!」
こなちゃんは顔に縦線を入れながら、あとずさった。
こなた「かがみ〜夢の中で変なこと吹き込まないでよ〜・・・」
かがみ「はぁ?知らないわよっ!とにかくつかさに変なゲームを薦めるのはやめなさいよ〜
ヲタクはあんた一人で十分・・・」
私は教室を出て、空を見上げた。
これでいいんだよね?お姉ちゃん・・・。
―――。
―――――。
こなた「やれやれそれじゃあ、つかさのカバンから勝手にソフトを返してもらうよ・・・」
ポチッ。
こなた「あれ?つかさキャラクターしか作ってないや・・・。
じゃあどうして、ポポを斬って殺すってこと知ってたんだろう・・・??」
〜END〜
158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/24(水) 02:44:44.67 ID:+VEfzkzq0
遅くまで付き合っていただきありがとうございました。
最初のほう辛かったですが、大学院入試に落ちた後良い励みとなりました。
それでは、おやすみなさい。