ハルヒ「・・・・・・みくるちゃんが事故にあったみたい」


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トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:朝倉「ね、私なんかどうかな?」

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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 12:55:06.79 ID:/iaa66WsO

キョン「・・・・・・嘘だろ?」

古泉「確かにここ二日間、学校を休んでいましたね」

ハルヒ「それが本当なのよ・・・命に別状はないみたいだけど」

古泉「お見舞いに、行きますか?」

長門「行くべき」

キョン「そうだな、朝比奈さんも心細いかもしれないからな」

ハルヒ「うん、今日のSOS団の活動は、みくるちゃんのお見舞いよ!」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 12:56:06.13 ID:/iaa66WsO

病院 みくるの病室前にて

キョン「ここは病院だ、静かにするんだぞ、特にハルヒ」

ハルヒ「なっ!?なんであたしなのよ!もっとうるさいのいるでしょ!」

キョン「じー」

古泉「ジー」

長門「(¬_¬)ジー」

ハルヒ「わ、悪かったわ、だからそんなに見つめないで」

キョン「わかればよろしい」

長門「早く病室へ」

キョン「っと、そうだな、朝比奈さん、入りますよ」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 12:56:44.10 ID:/iaa66WsO

ガラッ

ハルヒ「みくるちゃぁん!本当に大丈夫?事故でさらにムネが多くなったって聞いたわよ!」

キョン「入って早々なに言ってんだよ、さっき騒がないって言っただろ!」

長門「事故にあうとムネが大きく・・・大きく・・・ビック」

キョン「って、長門もなんで反応してるんだよ!お前はお前のままで十分素敵だ!」

古泉「おやおや、殺し文句ですね」

ハルヒ「こらキョン!有希をたぶらかしちゃダメよ!」

長門「雄はムネが大きい方がいいと聞いた」

キョン「断じてたぶらかしてない!長門もそうじゃない人もいるから」

みくる「・・・・・・・・・・・・」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 12:57:20.28 ID:/iaa66WsO

キョン「ほら朝比奈さんもほうけてしまってるじゃないか」

古泉「あなたのつっこみはいつもキレがありますからね、その才能をいかすべきです」

キョン「欲しくてもらった才能じゃない、第一に、いかしたら余計に大変な人生になりそうだ」

ハルヒ「みくるちゃん、ごめんね?」

みくる「・・・・・・・・・・・・」

ハルヒ「みくるちゃんが喋らない・・・まさか事故のショックで喋れなくなってしまったの!」

長門「キャラ被り発生、エマージェンシー」

キョン「あの朝比奈さん、本当に大丈夫なんですか?」

みくる「・・・・・・・・・あなた達」

みくる「あなた達、誰?」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 12:57:57.84 ID:/iaa66WsO

キョン「誰って言われても・・・朝比奈さん?」

みくる「あ、怪しい人です、出て行ってください、ナースコール押しますよ!」

ハルヒ「冗談はやめて、みくるちゃん」

みくる「冗談じゃないです!本気です、本気と書いてほんきと読むんです!」

キョン「そのまんまじゃないか!」

みくる「ひゃうっ!?こ、恐い!?」

長門「女の子を泣かせた」

古泉「つっこみが厳しすぎなんです、加減というものを知りませんね、これだから近頃の若者は」

キョン「それはお前らがところかまわずボケまくるからだろうが!朝比奈さんがいないと俺しかつっこみがいないんだぞ」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 12:59:41.85 ID:/iaa66WsO

みくる「早く出て行ってください!本当にナースコール押しますよ!」

ハルヒ「うぅ、しかたないわね・・・とりあえず一時撤退よ」

長門「残念」

古泉「それでは、また出直してきます」

みくる「怪しい人はもう来なくていいです!」

キョン「朝比奈さん・・・本当にどうしたんですか?」

みくる「あなたが一番嫌いです!恐い人は大っ嫌いです!」

キョン「・・・・・・・・・・・・」

ガラガラッ

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 13:00:30.22 ID:/iaa66WsO

ハルヒ「一体全体みくるちゃんはどうしちゃったのかしら」

古泉「あの拒絶、そしてあなた達、誰?の言葉、それが示すものとは」

長門「記憶喪失」

ハルヒ「いまいち信じられないけど、それしか考えられないわね」

キョン「・・・・・・そうだな、とりあえず医者に聞いてみるか」

古泉「行きのときはほとんど振り切って来ちゃいましたからね」

長門「大変なことになった」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 13:02:38.68 ID:/iaa66WsO

病院を出て

ハルヒ「・・・・・・やっぱり・・・記憶喪失だったみたいね」

キョン「ああ、事故っていっても頭を打っただけみたいだったらしいな」

ハルヒ「・・・・・・うん」

長門「でも記憶が戻る可能性はあると言った」

古泉「そうですね、医者の方も日常生活に近い方が思い出しやすい、と言っていましたからね」

キョン「とりあえず、通い詰めてみるしかないな」

ハルヒ「問題はみくるちゃんがあたし達が来るのを拒絶してることだわ」

キョン「・・・・・・俺なんか大っ嫌いって言われたからな」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 13:03:23.96 ID:/iaa66WsO

翌日 みくる病室前にて

ハルヒ「さあ、今日もやってきたわよ!」

古泉「SOS団がマムシのようにしつこいところを見せてあげましょうか」

長門「赤マムシ持ってきた」

キョン「ちょっと待て長門、お前はなにをするつもりだ」

長門「朝比奈みくるの記憶を藻どす」

キョン「そうだな、完璧だな、それだけわかっていたら赤まむしがいらないくらいわかるだろ?」

長門「つまりあなたは飲みたいと」

ハルヒ「キョンのスケベッ!ムッチリ助平!」

キョン「違う!そんなこと言ってない!」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 13:03:59.24 ID:/iaa66WsO

古泉「病院では静かにしなくてはいけませんよ」

キョン「・・・くそう、昨日騒いでたくせに言い返せない」

長門「そんなときはこれを飲むべき」

キョン「ありがとうって、これ赤まむしだろ!」

長門「赤まむしといったら赤まむしかもしれない、でもなぜそう断言できる?世の中に絶対はない」

長門「あるのは不確定なものだけ、過ぎ去った事実でさえも時間が経てばねじ曲げられるかもしれない」

長門「つまりなにが言いたいかというと、これを飲んで、私を見て」

キョン「珍しく長い台詞を言ったかと思えば・・・・・・その貯金をこんなときに使うな!」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 13:06:33.50 ID:/iaa66WsO

キョン「・・・・・・病室に入る前にもうギブアップ寸前なんだが」

ハルヒ「シャキットしなさい!みくるちゃんのためよ、気合いを入れていくわよ!」

古泉「そうですよ、がんばりましょう」

キョン「・・・・・・そうだな、今一番つらいのは朝比奈さんだもんな」

ガラッ

ハルヒ「さぁ、みくるちゃん、昨日のリベンジしぐはあぁぁっ!」

キョン「ハルヒっ!?」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 13:07:17.94 ID:/iaa66WsO

古泉「テレビの角が刺さってますね、これは痛そう」

ハルヒ「ぐはぁ・・・ぁぁ・・・」

キョン「こ、これは嫁入り前の娘にはちょっときついな」

古泉「写メとっておきますか?」

キョン「いらねぇよ!」

古泉「え、本気で言ってますか、それ?」

キョン「なんでそんな意外そうに言うんだよ!俺にそんなフェチはねぇよ!」

古泉「まぁ、人間十人十色といいますし、あなたがどんな趣味を持っていようとあなたの勝手です」

キョン「だから持ってねぇよ!」

古泉「付き合い方は変えますけど」

キョン「勝手って言いながら変えちゃうかよっ!」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 13:09:07.56 ID:/iaa66WsO

キョン「とりあえず、ハルヒはイスの上に座らせてっと」

古泉「しかし言葉と裏腹に身体のあちこちを触るのでした、やはり性欲の前では何もかもが無力のようでした」

キョン「って、なにモノローグ調でなんてこと言ってるんだよ、お前は!」

古泉「とくに耳たぶを、耳たぶを念入りにもみしだくのでした」

キョン「それも俺のフェチじゃねぇよ!」

古泉「そんなに福耳にしたいのかっ!松井秀喜が目標なのか!」

キョン「嫌だよあんな福耳!」

みくる「・・・あの・・・私は無視なんですか?」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 13:11:43.04 ID:/iaa66WsO

キョン「・・・・・・すっかり忘れていた」

みくる「・・・やっぱり・・・あなたは最低です、大っ嫌いっです」

キョン「俺だけじゃなくて古泉にも言ってくれよ」

古泉「朝比奈さん、体調はどうですか?」

みくる「ふんっ。あなたたちには答えたくありません!」

キョン「・・・・・・朝比奈さん」

みくる「名前を呼ばないでください!それにもう来ないでって言ったじゃないですか!またテレビ投げますよ!」

キョン「うぅ・・・・・・」

みくる「私は、私はもう大丈夫なんです・・・だから・・・だから・・・来ないでください・・・意地悪しないでください」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 13:16:29.94 ID:/iaa66WsO

病室前

キョン「はぁ・・・今回もダメだったな」

古泉「そうですね、いったい何がダメだったんでしょうか」

キョン「なんつーか、朝比奈さん俺達を怖がっているんだよな」

古泉「確かにそれはありますね、怯えているような様子でした」

キョン「うーん、長門はどう思うって、あれ、長門さっきから何も喋ってないじゃないか?」

長門「・・・・・・・・・・・・・・・」

キョン「ん、どうした?体調でも悪いのか?」

古泉「違いますね、これはさっき喋りすぎて一日分使い果たしてしまったみたいですね」

キョン「・・・だったらなおさらあんな会話で貯金使うなよ」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 13:20:48.88 ID:/iaa66WsO

ハルヒ治療中

キョン「古泉、気になってたことがあるんだけど」

古泉「スリーサイズ以外なら何でも答えますよ、バストに自信がありませんから」

キョン「そんなことはどうでもいいが」

古泉「スルーされました」

キョン「ハルヒのやつが願ってるんだから、朝比奈さんの記憶って戻るもんじゃないのか?」

古泉「それはですね、多分」

キョン「多分?」

古泉「願ってはいるが、どうしても自分達SOS団が治したい、と思っているんじゃないでしょうか」

キョン「あぁ、なるほど」

古泉「とにかく、思ったより大変なことになりそうです」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 13:22:01.62 ID:/iaa66WsO

部室にて

ハルヒ「今日からSOS団の活動はいつも通りし戻ります!」

古泉「・・・・・・・・・・・・」


長門「・・・・・・・・・・・・」

キョン「はぁ・・・?朝比奈さんはどうなるんだよ?」

ハルヒ「正直な話、あたし達では無理よ、本職のお医者さんに任せた方が絶対いいわ」

キョン「お前、ただ単にテレビ投げつけられたのにムカついただけだろ」

長門「痛そう」

ハルヒ「な、なに言ってるねよ!そんなんじゃないわよっ!」

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 13:23:55.89 ID:/iaa66WsO

キョン「・・・・・・本気なのか?」

ハルヒ「ほ、本気よ、本気と書いて」

キョン「マジと読め」

ハルヒ「そっそうよ、マジ、マジンガーにマジよっ!」

長門「意味が分からない」

ハルヒ「さぁ、とにかくこれは部長命令よ、文句は言わせないわ」

キョン(古泉、従っておいた方がいいよな)

古泉(そうですね、拒否したら朝比奈さんに被害が及ぶかもしれませんね)

キョン「・・・・・・・・・わかったよ」

ハルヒ「ホントっ!?キョンならそう言ってくれると思ったわ!」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 13:25:35.46 ID:/iaa66WsO

部活終了後

キョン「ハルヒやつ、しょうもないことに腹立たせやがって、たくっ」

長門「角をぶつけられたら誰だって怒る」

キョン「まぁ、そりゃそうだよな」

古泉「あなたはどうするんですか?」

キョン「そりゃあこれからも見舞いに行くさ、お前らもそうだろ?」

古泉「いえ、僕達は行きませんよ」

長門「行かない」

キョン「・・・なんでだよ?」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 13:30:56.09 ID:/iaa66WsO

古泉「彼女、涼宮さんが望んでいませんからね、それに」

長門「あなたが適任だと思う」

キョン「俺がか?」

古泉「そうです、それに大勢で押し掛けるより一人で行った方が心を開いてくれるかもしれません」

キョン「でも俺は、この中で一番嫌われてるんだぞ、それなのに俺に任すって・・・」

古泉「まぁ、ホントのことを言うとめんどくさいってのもあるますけどね」

長門「がんばって」

キョン「・・・・・・わかったよ、やりますよ」

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 13:32:08.81 ID:/iaa66WsO

キョン「でも、毎日放課後には部活がある、いつ見舞いに行けばいいんだよ」

古泉「確かにそこが問題なんですよね・・・でも、策はあります」

キョン「ほう、教えてくれ」

古泉「なに簡単なことですよ、部活に出れなくなればいいんですよ」

キョン「はあ?部活に出なきゃいけないから、それで今困っているんじゃないのかよ」

古泉「要するに、あなたが怪我でもして入院すれば部活に出なくてもよくなり、なおかついつでも接触できます」

キョン「要するなっ!嫌だよ、そんな痛い思いをするのは!」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 13:37:10.86 ID:/iaa66WsO

古泉「だめですよ、もうそれしか方法がありません」

長門「日本男児たるもの、一度言ったことは責任を持つべき」

キョン「いやいや、俺は一度もそんなこと言ってないぞ!」

古泉「涼宮さんは記憶喪失に関してはどうとでもなれ、的な感情を持っているはず」

長門「あなたしかいない、あなたはゴクウ」

キョン「ゴクウって・・・ドラゴンボール?」

長門「人身御供」

キョン「やっぱり俺は生け贄なのかよっ!」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 13:39:07.76 ID:/iaa66WsO

翌朝、病院にて

キョン「・・・・・・まさか本当に入院させられるとは」

キョン「しかも、しかも、骨折とかその辺で良かったのに、なんで糖尿病なんだよっ!」

キョン「医者がしつこくインシュリンの打ち方教えてくるし・・・はぁ・・・本当に糖尿病の人に失礼だろ」

キョン「・・・・・・でも・・・新種の病原とかじゃなくてよかった・・・あいつら・・・結構マジな顔してたからな」

キョン「・・・・・・とりあえず・・・そんな症状は重くないみたいだし・・・朝比奈さんのところに行ってみるか」

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 13:40:11.88 ID:/iaa66WsO

みくるの病室の前にて

コンコンッ

キョン「すみません、朝比奈さん?」

みくる「そ、その声は、極悪もみあげ魔神さん!?」

キョン「わーい、一日ですっごいかっこいい二つ名がついたよって、そんなわけあるかっ!」

みくる「ひっ!?ご、ごめ、ごごごめんなさいっ!」

キョン「あ、いえ、謝らなくても、突然大声だした俺も悪いですし」

みくる「・・・・・・悪いと思っているなら・・・帰ってください」

キョン「あの、朝比奈さん」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 13:41:46.34 ID:/iaa66WsO

みくる「名前を呼ばないでって、言ったじゃないですか」

キョン「それは無理です」

みくる「ど、どうしてっ!」

キョン「俺はまた、あなたと、朝比奈さんと仲良くなりたいんですよ」

みくる「・・・・・・私はもうあなたの知っている・・・朝比奈みくるじゃないんですよ」

キョン「それがどうしたんですか?」

みくる「どうしたって・・・あなたのことも・・・あなたの友達のこともすべて忘れてしまったんです」

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 13:42:23.36 ID:/iaa66WsO

みくる「あなた達は私を知っている・・・私はあなた達を知らない」

みくる「そんなのあなた達を傷つけるだけです!そうなったら私も悲しい、だから」

みくる「そうなるのだったら、初めからなかったようにした方がいいんです!」

キョン「・・・・・・朝比奈さん」

みくる「それに、このことを抜きにしてもあなたような人は嫌いなんですっ!」

キョン「・・・・・・わかりました」

みくる「わかった・・・なら・・・早く帰ってください」

キョン「だけど、一つ言わせてください」

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 13:42:59.34 ID:/iaa66WsO

みくる「なん・・・です・・・か」

キョン「別に忘れてしまっても、思い出せなくてもいいんですよ」

みくる「・・・・・・え、何を言ってるんですか」

キョン「だったらまた、一から積み立ていけばいい、それだけのことなんです」

みくる「・・・・・・・・・・・・」

キョン「記憶を失っても、あなたは朝比奈みくるです、それは変わることはありません」

みくる「・・・・・・・・・・・・」

キョン「言いたいことはそれだけです、今日のところは帰ります、俺は今、入院してるので毎日来れますから」

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 13:43:57.02 ID:/iaa66WsO

キョンの病室

ハルヒ「キョン、お見舞いに来たわよっ!」

古泉「おじゃまします、元気そうで何よりですね」

長門「安心した」

キョン「元凶であるお前らが言うかそれ」

ハルヒ「なに辛気くさい顔してるのよ、インフルエンザだって聞いたけど、遺伝子も元気そうね」

キョン(古泉、長門、なぜハルヒに嘘を教えてるんだ)

古泉(高校生が糖尿病というのもあまり格好良くないと思いまして、フォローを)

キョン「だったら初めからインフルエンザにしとけよっ!」

ハルヒ「わっ、キョンが突然大声を!?これも病気のせいだって言うの!」

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 13:44:32.04 ID:/iaa66WsO

キョン「大丈夫、落ち着いたから安心してくれハルヒ、だから手に持った数珠をゆっくり俺に渡すんだ」

ハルヒ「なんまんだぶなんまんだぶ」

キョン「聞いちゃいない」

古泉「ふふ、信仰の薄い日本人に珍しく、熱心な教徒さんですね」

長門「もしかしたら涼宮ハルヒの力は、信仰によって生じた可能性がある」

キョン「嫌だよそんな可能性!まるでどっかの新興宗教みたいじゃねぇか!」

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 13:45:06.78 ID:/iaa66WsO

古泉「で、首尾のほうはどうですか?」

キョン「どうしたもこうしたもない、まったく取り付く島もなかった」

長門「ダムも小さな穴から決壊する」

キョン「そうだな、ゆっくりゆっくりやってくか」

長門「欠陥工事はダメ、ダメ絶対」

キョン「・・・・・・って、俺の慰めの言葉じゃなかったのか」

長門「今、あなたは体が欠陥」

キョン「・・・・・・つまり、早く体治せってことか・・・姉歯野郎に言われたくねぇよ」

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 13:54:28.77 ID:/iaa66WsO

翌朝 キョンの病室にて

キョン「・・・・・・・・・あの、とっても気になるんですが」

みくる「っ!?」

キョン「気づかないとでも思っていましたんですか、ドアの隙間から覗いてるのに」

みくる「の、覗いてるんじゃありませんっ!観察してるんです!」

キョン「・・・・・・そうですか」

みくる「そうなんですっ!」

キョン「・・・・・・・・・・・・」

みくる「・・・・・・・・・・・・」

キョン「・・・・・・・・・あの」

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 14:00:33.66 ID:/iaa66WsO

キョン「・・・・・・何か用でもあるんですか?」

みくる「あ、あるわけないじゃないですかっ!?何言ってるんです!」

キョン「いや、だって、そしたらなんで俺の病室に」

みくる「偶然です、偶然なんです!誰が嫌いな人の病室なんかに来るんですかっ!」

キョン「・・・・・・はぁ、そうですか」

みくる「・・・・・・・・・・・・」

キョン「・・・・・・・・・・・・」

みくる「・・・・・・・・・・・・」

キョン「・・・・・・中に入りますか?」

みくる「・・・・・・結構です」

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 14:05:53.23 ID:/iaa66WsO

10分経過

みくる「・・・・・・・・・・・・」

キョン「・・・・・・・・・・・・」

20分経過

みくる「・・・・・・・・・・・・」

キョン「・・・・・・・・・・・・」

みくる「・・・・・・・・・・・・」

キョン「・・・・・・・・・・・・」

30分経過

みくる「・・・・・・・・・・・・」

キョン「・・・・・・朝比奈さん」

みくる「はっ、はひぃっ!?な、な、なな、何ですか!?」

キョン「・・・・・・トイレ行きたいんですけど」

みくる「す、すみませんっ!どきますっ!」

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 14:10:59.77 ID:/iaa66WsO

トイレ

キョン「・・・・・・き・・・気まずかった」

ジャバッー

キョン「ふぅ・・・朝比奈さんもどうしたんだろうか」

キョン「昨日はあんなに俺を嫌がってたのに、でも俺のこと嫌いって言ってたな」

キョン「とりあえず、良い方向には向かっている・・・と、思いたいな」

キョン「・・・・・・・・・ちょっと時間つぶしてから病室に戻ろう」

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 14:18:34.74 ID:/iaa66WsO

20分経ってから病室へ

キョン「あれ、病室の前に朝比奈さんがいない・・・・・・自分の病室に帰ったのか?」

ガラガラッ

キョン「ちょっと疲れたからベッドで休もう、よっこいしょって、あっ!?」

みくる「・・・・・・すぅ・・・すぅ・・・すぅ」

キョン「なぜ朝比奈さんが俺のベッドで寝ているんだ、あんなに警戒していたのに案外図太いかこの人は」

みくる「・・・・・・すぅ・・・う・・・うぅ・・・うぅん」

キョン(やばい起きそうだ!健康的な男女が同じベッドにいる今この状況、確実にアウトだ)

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 14:25:59.59 ID:/iaa66WsO

みくる「・・・・・・うぅ・・・すぅ・・・すぅ」

キョン(よかった、起きなかった!よぅしこのまま、起こさないように抜けだしてっと)

みくる「・・・・・・あぁ・・・うぅ・・・すぅ」

ギュッ

キョン(ぐわぁぁ!?朝比奈さんに服を捕まれた!やばいぞ抜け出せないぞ!)

みくる「・・・・・・すぅ・・・すぅ・・・すぅ」

キョン(大丈夫、捕まれたのはは上着だ、上着を見捨てれば抜け出せる)

キョン(・・・・・・うぅ・・・よしっ、抜け出せたぞ!)

ガラガラッ

キョン「へ?」

看護婦「・・・・・・あらあら、お邪魔しちゃったみたいね」

ガラガラッ

キョン「・・・・・・・・・上半身裸の男と、ベッドの中で眠る女・・・絶対に誤解されたぁぁああ!」

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 14:30:40.61 ID:/iaa66WsO

キョン「・・・・・・・・・・・・」

みくる「・・・・・・・・・・・・」

キョン「・・・・・・・・・あの」

みくる「・・・・・・・・・・・・」

キョン「本当にすみませんでした、俺の不注意でした」

みくる「・・・・・・・・・・・・」

キョン「許してくれとは言いません、いや、言えません、でも」

みくる「・・・・・・・・・・・・」

キョン「・・・・・・無視するのは止めてください」

みくる「・・・・・・・・・・・・」

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 14:36:08.80 ID:/iaa66WsO

みくる「・・・・・・・・・それは」

キョン「・・・・・・なんですか」

みくる「それは、私の記憶を戻すために無視されるのが、嫌なんですか?」

キョン「違います!そんなんじゃありません!」

みくる「じゃあ、なんで」

キョン「昨日もいったように、今の朝比奈さんと向き合いたいからです」

みくる「そう・・・ですか・・・わかりました」

キョン「それじゃあっ!」

みくる「そのかわり、条件があります」

キョン「・・・・・・条件?」

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 14:42:32.22 ID:/iaa66WsO

キョン病室

ハルヒ「またまたお見舞いに来たわよ!」

古泉「聞きましたよ、大活躍だったみたいじゃないですか」

キョン「・・・・・・な、なんのことだ」

古泉「とぼけないでくださいよ、病院中、あなた達の噂で持ちきりですよ」

ハルヒ「古泉君、何の話してるの?」

古泉「いえ、だからですね、彼が人目も気にせず、白昼堂々自分のぐわはぁぁぁっ!」

キョン「はぁ・・・はぁ・・・はぁ」

ハルヒ「キョンっ!?なんでいきなり古泉君を殴るのよ!?」

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 14:51:01.17 ID:/iaa66WsO

古泉治療中

長門「逝ってしまった」

キョン「いやいや、死んでないから」

ハルヒ「それにして何だったのよ、結局、古泉君が言ってたことも聞けなかったわ」

長門(今日の成果は?)

キョン(いろいろあったけど、とりあえず前へは進んでるはずだ)

長門(・・・・・・・・・・・・)

キョン(どうした長門?)

長門(先程、古泉樹が言っていたこと、人目を気にせず白昼堂々、どんな行為をしたのか、知りたい)

キョン(あれは偶然だったんだ!、偶然そうなったんだ!)

長門(痴漢の犯人は大抵そう言う)

キョン(なったく信じられてねぇ!)

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 15:09:16.76 ID:/iaa66WsO

翌日の朝 病院の中庭にて

キョン「・・・・・・ふわぁ・・・眠い・・・でもこれが条件だからな」

みくる「あ、来ましたね」

キョン「おはようございます、遅れてきてすみません」

みくる「時間にルーズな人は嫌いです、でも、一応言っておきます、おはようございます」

キョン「目覚まし設定したんですけど、なかなか起きられなくて」

みくる「そ、それでも、来てくれたので許してあげます」

キョン「ありがとうございます、それでは行きましょうか」

みくる「・・・そうですね、しかたないですけど条件です、一緒に散歩に行きましょう」

キョン「・・・・・・あの、朝比奈さんから条件出したんですが」

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 15:33:40.10 ID:/iaa66WsO

キョン「・・・・・・・・・・・・」

みくる「・・・・・・・・・・・・」

キョン「・・・・・・こっち側ってこうなってたんですね」

みくる「・・・・・・そうですね」

キョン「・・・・・・・・・・・・」

みくる「・・・・・・・・・・・・」

キョン「・・・・・・手をつないでもいいですか」

みくる「・・・・・・ダメです」

キョン「・・・・・・で、ですよね」

みくる「・・・・・・わかってるなら言わないでください」

キョン(・・・・・・ヤバい・・・気まずい・・・あのドア覗きよりもさらに)

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 15:39:21.01 ID:/iaa66WsO

キョン(一緒に散歩できるくらいには進展したと思っていたけど、まさか後退してる?)

みくる「・・・・・・・・・・・・」

キョン(くっ・・・話すどころかこっちすら向いてくれない・・・これじゃあ無視されてるのと同じじゃないか)

みくる「・・・・・・・・・きゃっ!?」

キョン「朝比奈さん!?」

みくる「うぅ・・・こ・・・転んでしまいました」

キョン「大丈夫ですか!血は出てないみたいですけど」

みくる「だ、大丈夫ですっ!だからそんなに近づかないでください!」

キョン「・・・・・・すみません」

みくる「あ、あの、今はちょっと言い過ぎでした、す、少しは、近づいてもいいですっ!」

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 15:50:55.47 ID:/iaa66WsO

みくる「ふぇっ!?」

キョン「また転けたんですかっ!」

みくる「・・・うぅ・・・大丈夫です・・・大丈夫です」

キョン「大丈夫じゃないですよ、ほら、つかまってください」

みくる「えぇっ、で、でも」

キョン「朝比奈さんも痛いですけど、見てる俺も痛いんですよ、人助けだと思って掴んでください」

みくる「・・・・・・うぅ・・・うぅ」

キョン「ほら、早く」

みくる「・・・・・・わかりました・・・はい」

ギュッ

キョン「また転ぶかもしれないので、このまま手をつないで歩いていきましょうか」

みくる「そ、そんな聞いてないですっ!嘘つきは大っ嫌いですなんです!」

キョン「嘘なんかついてないですよ」

137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 22:13:32.96 ID:/iaa66WsO

一週間経ちました

キョン病室にて

ハルヒ「キョン、お見舞いに来たわよ!」

長門「ハロー」

キョン「あんまり来ないから忘れられたかと思ったぞ、ところで古泉はいないのか?」

古泉「いますよ、お久しぶりです」

キョン「いたのか、お見舞いありがとうな」

古泉「いえいえ、二回目のお見舞い遅くなってすみません」

キョン「ん、二回目?いやだって前に・・・」

ハルヒ(キョン、古泉君はあんたに殴られて記憶が飛んじゃったみたいなのよ)

キョン(・・・・・・そんなに強く殴ってはいなかったのに)

ハルヒ(でも、ぐわはあぁぁってすごい悲鳴だったわよ)

138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 22:19:10.10 ID:/iaa66WsO

長門(その時の記憶だけじゃない)

ハルヒ(そうそう、時々自分の名前も思い出せなくなるみたい)

長門(それ、あれ、などを使った会話が多くなった)

キョン(・・・・・・・・・やっぱりこれって、俺の責任だよな)

長門(あなた以外誰がいるの)

ハルヒ(責任持って介護してあげなさいよ、団長命令よ)

キョン(・・・・・・・・・俺の未来予想図が古泉色に染まっていく)

142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 22:27:22.68 ID:/iaa66WsO

古泉「みなさん、何のお話をしているんですか?」

キョン「や、やめてくれ、そんな爽やかな笑顔で俺を見ないでくれっ!」

ハルヒ「これから待ち受ける運命にすっかり弱気になってしまったわね」

古泉「何を言っているんですか?」

キョン「な、何でもないさっ!本当に何でも何でも何でもないさ!」

古泉「ところで、えっと、その・・・・・・あの件について何か進展はありましたか?」

キョン「あの件って、思い出せないのか?」

古泉「そうなんですよ、最近記憶力が弱くなったみたいで」

キョン「ぐわはあぁぁぁ!」

長門「ユニーク」

144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 22:35:08.29 ID:/iaa66WsO

ハルヒ「そういえば、みくるちゃんどうなったのかしら」

キョン「ん、お前はもうお見舞いはしないんじゃなかったのか?」

ハルヒ「それでもやっぱり気になるのよ、団員のことはやっぱり気になるわ」

長門「ほったらかしていたのに」

ハルヒ「うっうるさいわね!ほったらかしていたんじゃないわ」

古泉「ほ・・・ほう・・・ほう・・・奉仕・・・していましたけど」

キョン「それを言うなら放置だ、お前は無理に頑張ってツッコまなくてもいいから」

古泉「ありがとうございます・・・・・・でもあなただれでしたっけ?」

キョン「そんなに酷いのか!?」

145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 22:42:58.24 ID:/iaa66WsO

ハルヒ「というわけで、久しぶりにみくるちゃんの病室に行くわよ!」

キョン「お前、またテレビ投げつけられるぞ」

ハルヒ「うぅ・・・・・・あっそうだわ、今日は外せない用事があったような」

キョン「お前の団員に対する心配はそんなもんなのか」

ハルヒ「わかったわよ、行きますよ、行けばいいんでしょ!」

古泉「僕はここで待っていますよ」

長門「私も」

ハルヒ「そう、じゃあ行くわよキョン」

キョン「はいはい」

古泉「逝ってらっしゃい」

ハルヒ「テレビ如きに私は殺されないわ!」

146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 22:50:00.76 ID:/iaa66WsO

みくる病室前

ハルヒ「さぁ、やってきたわよ」

キョン「なにいきなり柔軟運動を始めているんだ」

ハルヒ「いつテレビが飛んでくるかわからないじゃない」

キョン「心配しなくても、もうテレビなんか飛んでこねぇよ」

ハルヒ「え、どういうことよ?」

キョン「代わりに違うものが飛んでくるが」

ハルヒ「もっとあたしにわかるように説明しなさいよ」

キョン「とりあえず開けてみたらわかる、朝比奈さん、入りますよ」

ガラガラッ

148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 23:00:59.89 ID:/iaa66WsO

みくる「キョンくうぅぅぅん!」

ガバッ

ハルヒ「きゃっ!?み、みくるちゃんがいきなり抱きついてきた!?」

みくる「あ、違う人だ、えい」
ハルヒ「ぐわはぁぁぁあ!」

キョン「ハルヒにまた薄型テレビがっ!」

みくる「キョンくんこっちだったぁ!」

ぎゅっ

キョン「朝比奈さんっ、ちょっと離して!」

みくる「はっなしまっせぇん!」

ハルヒ「・・・・・・なんなのこれは」

151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 23:09:10.30 ID:/iaa66WsO

キョン病室

キョン「・・・・・・なんと説明すればいいのやら」

ハルヒ「きっちり余すことなくすべて説明しなさい!」

みくる「・・・・・・キョン君この人恐いよぅ」

ハルヒ「こらそこっ!キョンの腕に抱きつかないの!」

みくる「うぅ・・・キョン君・・・」

ハルヒ「抱きつかないのって言ったのに、どうしてもっと密着するのよっ!」

キョン(はっ、ムネが!?この感触・・・ましゅまろん)

長門「落ち着くべき」

古泉「そうですよ、まず説明を聞きましょう」

154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 23:19:07.20 ID:/iaa66WsO

ハルヒ「つまり、散歩したら仲良くなったわけね」

キョン「半分くらいはそんな感じだ」

みくる「えへへ、キョン君キョン君」

ハルヒ「それだけでこんな風になるわけないでしょっ!残り半分を教えなさいよ!」

キョン「・・・・・・・・・・・・」

ハルヒ「なによ、言えないの?」

みくる「キョン君お散歩しよぅ、ここには恐い人達がいっぱいいるから」

ハルヒ「・・・キョン、お願いだから言ってよ」

キョン「わかった、言おう」

158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 23:30:14.34 ID:/iaa66WsO

二日前

みくる病室前

キョン「はぁ・・・毎日一緒に散歩できるようになったけど、それだけだもんなぁ」

キョン「まだ心を開いてくれてない、今のままじゃダメだ」

キョン「今日は病室に行こう、初日以来行ってないからな」

キョン「朝比奈さん、入り」

ガッシャァンッ

キョン「どうしたんですか朝比奈さんっ!?」

ガラガラッ

164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 23:44:52.67 ID:/iaa66WsO

ガラガラッ

キョン「朝比奈さ・・・ん?」

みくる「・・・・・・・・・・・・」

キョン「・・・・・・・・・・・・」

みくる「・・・・・・・・・うぅ」

キョン「失礼しましたっ!」

ガラガラッ

みくる「きゃぁぁぁぁぁ!」

キョン(なんで朝比奈さんは上半身裸だったんだ!)

キョン(・・・そうか、きっと服を脱ぐときに、肘かなにかが当たって花瓶を落としてしまったんだ)

キョン(最悪だ、心を開くどころか、鍵を締めてさらに地下シェルターの金庫の中に入れてしまったみたいだ)

キョン(・・・・・・もう取り返しがつかない)

165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 23:49:37.90 ID:/iaa66WsO

キョン「・・・・・・すみません、悪気があったわけではないんです」

みくる「・・・・・・・・・・・・」

キョン「・・・・・・謝ってすむ問題ではないですよね」

みくる「・・・・・・少しだけ」

キョン「え?」

みくる「あなたのこと好きになってきたのに、知りたいと思ってきたのに」

キョン「・・・・・・うぅ」

みくる「本当に最低ですっ!」

キョン「・・・・・・・・・・・・」

みくる「あなたなんか、大大大大大っ嫌いですっ!」

168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/16(土) 23:56:14.19 ID:/iaa66WsO

今に戻る

ハルヒ「そこまではわかったわ」

キョン「わかってくれたか」

みくる「キョン君、大大大大大好きぃ」

ハルヒ「でも、その大を五つつけられるほど嫌われたのになんで今そんな状態なのよ!」

キョン「・・・・・・それはだな、またちょっと予想外の出来事があって」

ハルヒ「予想外?」

みくる「私としてはあなた達が来るのが予想外ですぅ、キョン君と2人っきりだと思ったのに・・・」

ハルヒ「うがぁぁぁぁ!」

キョン「うわ!?ハルヒ落ち着けっ!」

古泉「僕達空気ですね、えっと・・・その・・・あれ・・・あれれ」

長門「私の名前は長門有希」

古泉「そうでした、うっかりしてました」

170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 00:03:12.40 ID:c6/sol3iO

昨日

キョン「い、今なんて言いましたか?」

医者「手術しなければいけない、と言ったんです」

キョン「俺は・・・糖尿病ですよ?」

医者「君、糖尿病をなめてはいけないよ、糖尿病は糖がついてるけどそんなに甘くないから」

キョン「そんなくだらないオヤジギャクはいりません!」

医者「あらら、怒られちゃった、ちょっとした冗談だったのに」

キョン「いい年したおっさんがテヘッとかしないでください、気持ち悪いだけです」

医者「(´・ω・`)しょぼん」

キョン「あんたは人をおちょくってるのか!」

176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 00:11:21.30 ID:c6/sol3iO

キョン「今の話は本当なんですか?」

医者「残念ながら」

キョン「そんな重大なことを話すなら、さっきみたいなフランクなノリは止めてくださいよ」

医者「すまない、少しでもショックを和らげようと思って」

キョン「まあ、別にそこまでショックを受けているわけではないですよ」

キョン(いざとなったらあいつらの力を借りれば)

医者「気丈な子だね、君は」

キョン「そんなんじゃないですよ」

医者「それならば、今、話すべきかもしれないな」

キョン「何ですか改まって、しかも、そんな真面目な顔をして」

181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 00:19:53.73 ID:c6/sol3iO

中庭

キョン「・・・・・・・・・・・・」

キョン「・・・・・・・・・俺は」

キョン「・・・・・・・・・あっ」

みくる「・・・・・・・・・・・・」

キョン「朝比奈さん!」

みくる「・・・・・・・・・・・・」

キョン「・・・いっ・・・ちゃったか」

キョン「当たり前だよな、あんなことしちゃったんだから」

キョン「はは・・・ははは・・・あはははっ」

182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 00:28:50.77 ID:c6/sol3iO

キョン「・・・・・・・・・・・・」

10分経過

キョン「・・・・・・・・・・・・」

30分経過

キョン「・・・・・・・・・・・・」

1時間経過

キョン「・・・・・・あ・・・雨だ・・・風邪ひくかも」

キョン「・・・・・・・・・でも・・・どうだっていいか・・・だって」

バサッ

キョン「・・・・・・傘?」

みくる「・・・・・・なにやっているんですか・・・風邪・・・ひきますよ」

キョン「あ、朝比奈さんどうして」

249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 10:41:23.95 ID:c6/sol3iO

みくる「あのことで、私のせいで風邪なんかひいたら責任感じちゃうじゃないですか」

キョン「・・・・・・別に朝比奈さんの責任では」

みくる「違うんですか?」

キョン「・・・・・・それも少しはあるかもしれません、ただ」

みくる「ただ、なんですか?」

キョン「・・・・・・・・・・・・」

みくる「そうですか、私なんかにはいえないんですか、やっぱりあなたにとって私はそれだけの存在だったんですね」

キョン「そういうわけではありませんっ!」

みくる「それなら、言ってみてください」

258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 11:09:43.50 ID:c6/sol3iO

キョン「・・・・・・というわけなんです」

みくる「それ、本当なんですか?」

キョン「・・・・・・はい」

みくる「ふーん」

キョン「ふーんって、それだけですなんですか!」

みくる「所詮は他人、あなたはそれだけの存在なんです」

キョン「・・・・・・・・・・・・」

みくる「それでは私は帰ります、その傘あげます」

キョン「・・・・・・あぁ・・・あ」

260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 11:22:53.89 ID:c6/sol3iO

今に戻って

ハルヒ「ここまではわかったわ」

キョン「わかってくれたか」

みくる「・・・・・・すぅ・・・すぅ・・・キョン君」

ハルヒ「だからなおさらわからないのよっ!あの流れは完璧に決裂でしょ、なのになんで今はそんな状態なのよ!」

キョン「・・・・・・ここからまた物語は動き出すんだ」

みくる「・・・・・・キョン君・・・そこは・・・ダメです」

ハルヒ「・・・・・・・・・・・・」

キョン「うわぁっ!?ハルヒが無表情に!」

古泉「お昼ご飯はまだですか?」

長門「昼はとうの昔に食べた」

古泉「そうでしたか、ところであなたは誰ですか?」

長門「私の名前は長門有希」

264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 11:37:34.72 ID:c6/sol3iO

昨日に戻って キョン病室

キョン「・・・・・・・・・・・・」

コンコンッ

キョン(医者、看護士か?)

キョン「・・・・・・どうぞ」

ガラッ

長門「ハロー」

キョン「長門!?お前この時間は学校のはずだろ?どうしてここに」

長門「あなたが大変な状態だと知って」

キョン「来てくれたのか?」

長門「・・・・・・・・・コクッ」

キョン「・・・・・・ありがとう」

長門「礼は言わないで、私はあなたに言いたいことがあって来ただけ」

キョン「言いたいことってなんだ?」

267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 11:48:39.82 ID:c6/sol3iO

長門「私はあなたに力を貸すつもりはない」

キョン「なっ!?」

長門「あなたは医者から知らされて、ショックを受けているかもしれない」

長門「だけど心のどこかでは、私達の力を借りればなんとかなると思っている」

キョン「本当に・・・力を・・・貸してくれないのか?」

長門「貸さない」

キョン「なんでだよっ!もし俺がいなくなったらハルヒはどうなるんだよ!」

長門「ちゃんと考えてある」

キョン「・・・嘘・・・だろ・・・?」

長門「自惚れないで、あなたがいなくなっても、何事もなかったかのように世界は回る」

長門「あなたはそんなちっぽけな存在」

269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 11:58:47.02 ID:c6/sol3iO

そう言うと長門はさっさと帰ってしまった

キョン「・・・・・・本当にそれだけ言うために来たのかよ」

キョン「俺に力を貸さないと言った・・・ということは俺は死ぬのか?」

キョン「・・・・・・・・・・・・」

キョン「なんでだろう、別に死んでもいい気がしてきた」

キョン「長門が言ったように俺はちっぽけな存在だ、俺がいなくなってもなにも変わらない」

キョン「悲しんでくれる奴もいるかもしれない、涙を流してくれる人もいるかもしれない」

キョン「でも、いずれは俺のことを忘れていく、記憶の片隅に置かれ、二度と見つかることはないかもしれない」

キョン「・・・・・・俺は、俺はそんな存在なんだ、だったら」

270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 12:07:33.46 ID:c6/sol3iO

屋上

キョン「・・・・・・よし、スリッパを揃えてっと」

キョン「これでいつ飛び降りても大丈夫だな」

キョン「思ったよりも短かった人生、別に悔いが残るほど生きちゃいない」

キョン「気がかりがあるとするなら、朝比奈さんと仲直りしてから死にたかったな」

キョン「・・・・・・それでは逝きますか、フェンスを越えてっと」

キョン「高いな・・・ちょっと恐い」

キョン「・・・・・・覚悟は決めた、よし、今だ」

???「ダメっ!飛び降りちゃダメです!」

275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 12:22:50.56 ID:c6/sol3iO

キョン「あ、朝比奈さん!?」

みくる「死んじゃダメです!自殺なんかダメです!」

キョン「さっき言ったじゃないですか!俺は所詮他人なんだから死んでもかまわないって!」

みくる「確かに・・・確かに言いました・・・」

キョン「だったらいいじゃないですか、俺が死んだって世界は何も変わったりはしないんですよ!」

みくる「そんなことはないですっ!だって、だって!」

キョン「だって、何だっていうんですか!」

みくる「世界は変わらないかもしれません、だけど私は変わってしまいます!」

282 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 12:33:29.66 ID:c6/sol3iO

キョン「・・・・・・え?」

みくる「あなたのこと嫌いって思っていたのに、どうでもいいと思っていたのに」

みくる「あなたが一緒に散歩してくれて嬉しかった、裸を見られてもあなただから許せてまた近づいていこうと思った」

キョン「・・・・・・朝比奈さん」

みくる「中庭であなたの命が危ないと聞いたとき、本当はすごくショックでした」

みくる「でも、でも、あなたにあんな酷いことを言ってしまった、素直になれなかった」

みくる「偶然、窓を見たらあなたが屋上にいるのが見えて、すべてを悟って急いでここまで来ました」

みくる「私はあなたを好きになってしまいました、あなたの命は短いかもしれないけど、今の私を知ってください!」

みくる「私はあなたに今の私を知ってほしい!」

283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 12:38:56.22 ID:c6/sol3iO

キョン「・・・・・・朝比奈さん・・・俺は」

バンパカパーン!

みくる「ふ、ふぇっ!?」

キョン「ん、なんだ今の音は」

パタンっ

長門「ハロー」

キョン「な、長門!?なんでここに?」

みくる「あなたは確か、私のお見舞いに来た人」

長門「これを見て」

キョン「これって看板?何か書いてあるって、あっ!?」

みくる「見せてくださいって、これって!?」

長門「ドッキリ大成功」

287 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 12:47:14.75 ID:c6/sol3iO

キョン「つまり、俺が死ぬうんぬんの話は全部嘘ってことなのか?」

長門「そう」

キョン「でも医者も確かに言っていたぞ!」

長門「あれも私が仕組んだ」

キョン「あの長門の力を貸しません発言も演技だったのか?」

長門「当たり前、私はいつ何時もあなたの味方」

キョン「・・・・・・な・・・なんだよ・・・それ・・・」

長門「崩れ落ちた」

みくる「嘘だったなんて!?なのにそうとは知らず、わ、私はあんなことをっ!?」

長門「顔が真っ赤に」

長門「でも告白までするのは予想GAY」

長門「間違えた、予想ガイ」

291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 13:02:23.04 ID:c6/sol3iO

今に戻る

キョン「というわけなんだ」

ハルヒ「・・・・・・ある程度わかったわ・・・でもみくるちゃんいきなり態度変わり過ぎじゃないかしら」

みくる「キョン君お話終わったの?だったら一緒にお散歩行きたいな」

キョン「いざ心を射止めてみると、本当の性格は甘えたがりだったみたいなんだ」

ハルヒ「とりあえずみくるちゃん!キョンから離れなさい!」

みくる「ムネにキョン君の腕が挟まって抜けなくなっちゃったよぉ」

ハルヒ「そんなことあるかぁっ!」

古泉「茶柱が立ちました」

長門「烏龍茶に茶柱なんかない」

293 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 13:09:26.96 ID:c6/sol3iO

古泉「ところで我門さん」

長門「違う長門」

古泉「すみません、我門さん」

長門「だから長門」

古泉「またまたすみません、会津屋八右衛門さん」

長門「死罪になれと意味で理解した」

古泉「冗談はここまでにして」

長門「冗談だったの?」

古泉「我門と言ったあたりから」

長門「つまり最初からと」

古泉「まあ、そうですね」

長門「デストロイ」

古泉「ぐはあぁぁぁ!」

296 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 13:16:01.09 ID:c6/sol3iO

古泉治療中

キョン「思うに、一番入院したほうがいいのは古泉ではないだろうか」

長門「同意」

キョン「長門も殴っちゃいけないぞ」

長門「あなたに言われたくはない」

キョン「それもそうだが」

長門「それに私は殴ってはいない」

キョン「じゃあ蹴ったのか?」

長門「違う」

キョン「ならどうやったんだ?」

長門「こう」

きゅいぃぃぃぃぃぃぃぃん

キョン「・・・・・・・・・・・・」

長門「名付けて長門ビーム」

キョン「・・・・・・・・・・・・」

298 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 13:33:47.05 ID:c6/sol3iO

古泉「すみません、ちょっと気を失ってしまったみたいで」

キョン「覚えていないのか?」

古泉「最近、記憶力が衰えたみたいで」

キョン「・・・・・・そうか」

みくる「キョン君、ぎゅってして欲しいなぁ」

ハルヒ「だから離れなさいって言ってるじゃないの!」

みくる「もうキョン君と私は一心同体なんです」

ハルヒ「うがぁぁぁあ!」

みくる「きゃぁぁ、キョン君」
長門「どさくさに紛れて私も」

古泉「少し話があります」

キョン「俺にか?」

古泉「そうです」

みくる「キョン君、浮気は許さないよ」

キョン「するとしてもこいつとするわけないだろ!」

306 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 14:12:20.91 ID:c6/sol3iO

キョン「で、話ってなんだ?」

古泉「あ、あ、あさ、あさは、パウエル」

キョン「朝比奈さんだ」

古泉「そうでした、失念してました」

キョン「失念し過ぎた、せめて話題的にもボルトにしろ」

古泉「・・・・・・・・・・・・ふっ」


キョン「見下した、今絶対見下しただろ!」

古泉「その朝比奈さんのせいです、鈴木さんの閉鎖空間が」

キョン「スルーされたし誰なんだよ鈴木って!」

古泉「鈴木太郎、我らSOS団の団長じゃないですか」

キョン「違うよ!そんな役所の書類記入例みたいな個性に乏しい名前じゃねぇ!」

古泉「じゃあ、なんだったらあなたは満足してくれるのですか」

キョン「正解に決まってるだろ!しかもなんでちょっとキレてるんだよ!」

308 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 14:21:39.81 ID:c6/sol3iO

古泉「涼宮さんの閉鎖空間が開きまくりなわけです、あ、あさ、あさひぃなさんのせいで」

キョン「噛みやがったな」

古泉「あさひぃなさんのせいなんですよね、あさひぃなさんは記憶を失って閉鎖空間のことも忘れてしまったみたいですし」

古泉「あさひぃなさんは自覚なしですからね、自覚がないほうが処理が大変です、あさひぃなさん、あさひぃなさん」

キョン「噛んだの誤魔化しきれねぇよ」

古泉「そうですね、やめます」

キョン「それでいい」

古泉「だからあさひぃなさんが」

キョン「もしかしてわざとじゃないのか!?」

310 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 14:31:39.50 ID:c6/sol3iO

古泉「つまり、なにが言いたいかというとですね」

キョン「・・・・・・ようやく本題か」

古泉「あなたは、涼宮ハルヒを選ぶのか、朝比奈みくるを選ぶのか、決断しなければいけないということです」

キョン「・・・・・・いきなり言われても」

古泉「ちなみに、隠しルートで長門コースと、一回も出てきてませんが鶴屋さんコースもあります」

キョン「なに言ってるんだよお前は!」

古泉「残念ながら僕のコースはありません」

キョン「いらねぇよ、まったくもっていらねぇよ!」

古泉「あと、佐々木コースと妹コースは別料金となっております」

キョン「値段次第だなって、違う!さっきからなに意味わかんないこと言ってるんだよ!」

312 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 14:40:17.91 ID:c6/sol3iO

キョン「・・・・・・ハルヒか朝比奈さんを選ぶ」

古泉「今すぐ結論を出せ、とは言いません、ゆっくりの考えてみてください」

古泉「それまではできるだけ僕もフォローしますよ」

キョン「・・・・・・古泉」

古泉「でも、思うんです、朝比奈さんは記憶が戻らない方が幸せなんじゃないかって」

キョン「・・・・・・どういうことだ?」

古泉「記憶が戻ると自分の役目を思い出してしまいます、きっとそれは朝比奈さんの恋路の邪魔になる」

古泉「今の彼女でいることが、彼女にとって、もっとも幸せなんじゃないでしょうか」

キョン「・・・・・・・・・・・・」

古泉「っと、そんなに思い詰めないでください、あなたは自分の気持ちに素直になればいいんですよ」

キョン「自分の気持ち?」

古泉「そうです、自分の気持ちです」

キョン「わかった、考えてみるよ、自分の気持ちを」

314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 14:51:33.00 ID:c6/sol3iO

古泉「考えてみてください、あなたの出した結論に、文句を言うつもりはありません」

キョン「でも本当にいいのか?」

古泉「何がですか?」

キョン「いや、だって、閉鎖空間が発生するかもしれないんだぞ」

古泉「閉鎖空間?なんですかそれは?」

キョン「・・・・・・・・・へ?」

古泉「僕はただ単純に友達として、親友としてあなたの恋を応援しているんです」

キョン「もしかして忘れたのか!?」

古泉「はは、cancanはやっぱりおもしろいですね」

キョン「俺はキョンだよっ!・・・本当に忘れたんだな」

古泉「それでは失礼します、トイレに行きたいので」

キョン「古泉、そっちは女子トイレだっ!まさか自分の性別すら忘れてしまったのか!?」

古泉「ここで死んでも男の本望」

キョン「古泉が変態になっちっまったあぁぁぁ!」

322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 15:11:06.64 ID:c6/sol3iO

翌日 キョンの病室にて

キョン「・・・・・・昨日は疲れたなぁ、でもあの二人のどちらかを選ぶなんて」

キョン「いっそのこと、二人選んでしまったらどうだろうか」

キョン「いや、二股かける奴は大抵女に刺されて死ぬと相場が決まっている」

キョン「・・・・・・どうしたもんかな」

コンコンッ

キョン「ん、誰か来たな、どうぞ」

ガラッ

長門「ハロー」

キョン「長門!?だからお前今学校じゃないのか?」

324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 15:17:55.02 ID:c6/sol3iO

キョン「・・・・・・長門」

長門「なに」

キョン「この時間にお見舞いに来たのは妥協して、妥協しておこう、だけどなぜお前は俺のベッドに腰掛けている」

長門「ダメ?」

キョン「ダメじゃないが、そこに椅子があるんだ、そこに座るのが常識だろ」

長門「常識は破るためにある」

キョン「そんなわけねぇよ!」

長門「ナイスツッコミ」

キョン「ガッツポーズするな」

325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 15:24:20.97 ID:c6/sol3iO

キョン「・・・・・・・・・・・・」

長門「・・・・・・・・・・・・」

キョン(き・・・気まずい・・・しかも長門の手が・・・俺の腹をなでてくる)

長門「・・・・・・・・・・・・」

キョン(しかも、しかもこの無表情!いったい何を考えているんだ長門!)

長門「・・・・・・・・・・・・」

キョン(はっ!?まさか古泉が言っていた裏ルートの長門ルートに入ったとでも言うのかっ!?)

キョン(そうか、そうなら長門の行動にも納得できる、しかし、ひとつだけ疑問がある)

328 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 15:34:01.87 ID:c6/sol3iO

キョン(長門は隠しルートのはず、だけど俺は隠しルートを出現させるようなことをしていない)

長門「・・・・・・・・・・・・・・・」

キョン(・・・・・・そうか、わかったぞ!古泉だ、古泉が鍵を握っていたんだ!)

キョン(あいつが女子トイレに入った、きっとそれが長門ルート出現の鍵だったんだ!)

長門「・・・・・・・・・・・・・・・」

キョン(謎はすべて解けたぞ、考えてみれば簡単なことだったな、長門ルートに入ってしまったのならしょうがない)

キョン「って、そんなわけあるかあぁぁぁぁい!」

長門「ナースコール、もしもし、いきなり奇声をあげました」

330 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 15:39:32.16 ID:c6/sol3iO

キョン「・・・・・・はぁ、看護士さんに怒られてしまった」

長門「あやまる」

キョン「いや、長門は悪くないよ」

長門「誤る」

キョン「そっちの漢字だったのかよ!いったい何を間違えたんだよ!」

長門「今日ここに来たのはあなたの気持ちを聞くためだった」

長門「だけど、何を間違えたのかあなたの腹部を撫でくり回していた」

キョン「・・・・・・本当に何を間違えたんだよ」

長門「改めて聞く、あなたは誰を選ぶの」

332 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 15:47:21.79 ID:c6/sol3iO

キョン(・・・・・・誰を選ぶ?どっちを選ぶじゃないのか?)

長門「さぁ、さぁ、さぁ」

キョン「か、顔が近いぞ」

長門「言わないとさらに近づいていく」

キョン「・・・・・・・・・・・・」

長門「・・・・・・・・・・・・」

キョン「なっなんとなくですよ、別にやましい気持ちがあったわけじゃないんですよ!」

長門「まだなにも言ってない」
キョン「くそうっ!ひっかけだったのか!」

長門「そういうつもりもなかった」

ガラッ

キョン「っ!?」

長門「っ!?」

344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 16:56:32.77 ID:c6/sol3iO

古泉「・・・・・・・・・・・・」

キョン「・・・・・・古泉?何でおまえもここに」

古泉「その女、誰?」

キョン「は?忘れたのか、長門だよ長門」

長門「古泉空気読め」

古泉「・・・・・・・・・・・・」

キョン「どうしたんだ古泉、小刻みにブルブル震えて」

古泉「この浮気者っ!」

バシンッ

キョン「ビ、ビンタっ!?」

345 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 16:57:44.44 ID:c6/sol3iO

古泉「私という女がいながらよその女に手を出してっ!」

キョン「いやいや古泉さん、あんた男だろうが!」

古泉「忘れてしまったの?あの甘い夜の出来事を」

キョン「忘れたのはお前だっ!自分の設定を思い出せ古泉!」

古泉「私の名前は古泉じゃないわ、キャサリンよっ!」

キョン「おまえのどこを見たら外人に見えるんだよ!混じりっけなしのミスター日本人だろ!」

キャサリン「ほら、これで私がキャサリンだと信じてもらえたかしら」

キョン「こいつどんな力を使ったがわからないけど、本当にキャサリンになりやがった!」

348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 17:06:17.91 ID:c6/sol3iO

長門「間男」

キョン「古いし、間男の使いかたがおかしいぞ!」

キャサリン「じゃあ、間男本多よあなたは!」

キョン「人名じゃないぞそれは!」

古泉「本当に忘れてしまったというの?」

キョン「忘れるも何も、もともとそんな出来事などないし、おまえの名前戻ってるぞ」

キャスリン「これでどう!」

キョン「名前変わってる!」

長門「好き」

キョン「そしてここへきての突然の告白、もう俺はついて行けない!」

長門「嘘」

キョン「嘘だった!少し期待した俺がバカだった!」

長門「それも嘘、さらに嘘、もうひとつ嘘、嘘、嘘」

キョン「もうわけがわからない!」

351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 17:14:39.93 ID:c6/sol3iO

キョン「ふぅ、やっとキャサ・・・もとい、古泉が帰ってくれた」

長門「もうあれは手遅れ」

キョン「・・・・・・しかも女走りで走って行きやがって、トラウマができてしまった」

長門「もう会うこともないだろう」

キョン「過ぎ去ったことは置いといて、長門」

長門「何」

キョン「なんでお前は、ベッドで仰向けで寝ている俺の腹ので正座しているんだ」

長門「それは禁則事項です」

キョン「パクるなっ!」

長門「それは金属疲労です」

キョン「似てるけども意味がわからねぇよっ!」

354 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 17:23:14.01 ID:c6/sol3iO

キョン「・・・・・・長門さん」

長門「何」

キョン「そろそろキツいんですが」

長門「それを耐えるのが漢」

キョン「・・・・・・そういうものなのか?」

長門「耐えて耐えて耐えて、絶えるのが漢というもの」

キョン「滅ぶほど耐えるのかよっ!漢ってすごいMしかなれないんだな!」

長門「なのであなたは漢、よっ日本一の漢」

キョン「いやいや、誉められて耐えないから!」

長門「冗談、すでにあなたは日常生活において耐え続けている」

キョン「・・・・・・確かに」

357 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 17:30:15.46 ID:c6/sol3iO

キョン「・・・・・・長門さん」

長門「何」

キョン「・・・・・・お腹が、お腹がヤバいことになってきました」

長門「それは私の体重が重いと、遠回しに言っていると理解した」

キョン「違う、そんな意味じゃないから振り上げたその手を下ろしてくれ!」

長門「わかった、デストロイ」

キョン「ぐふぅっ!?」

長門「言われたとおりに下ろした」

キョン「・・・・・・確かに・・・確かに・・・そうだけども」

362 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 17:42:56.56 ID:c6/sol3iO

キョン「・・・・・・トイレに行きたいんですが」

長門「ダメ」

キョン「なぜ!?」

長門「なんとなく」

キョン「なんとなくでは俺の生理現象は止めることはできない、なので」

長門「なので?」

キョン「強制撤去を敢行する!」

ガバッ

長門「突然立ち上がってっ!?」

キョン「って、うわっ布団が引っかかって!」

365 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 17:53:18.47 ID:c6/sol3iO

長門「・・・・・・・・・やん!」

キョン(なんだこのやたら可愛らしい悲鳴はっ!?)

パタンっ

キョン「・・・・・・つつ・・・痛い」

長門「・・・・・・・・・っ!?」

キョン「どうした長門って、うわっ!?俺、今、長門に覆い被さってるのか!?」

長門「・・・・・・・・・・・・!?」

キョン「長門顔真っ赤だぞ」

長門「ハ、ハ、ハ、ハレンチなり」

キョン「コロスケ!?」

369 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 17:56:42.52 ID:c6/sol3iO

長門「早くどいて・・・欲しくない」

キョン「欲しくないのかっ!?いやまあ、モラル的にどくけど」

長門「ちっ」

キョン「でも、この状況を他人に見られたら絶対誤解されるよな、あはは」

長門「確かに、それは望ましい」

キョン「じょ、冗談だよな」

長門「インディアン、嘘つかない」

キョン「いつからお前はインディアンになったんだ!ほら、誰かに見られる前に退くぞ」

ガラガラッ

キョン(誰か来たっ!?また古泉かっ・・・いや・・・)

みくる「・・・・・・・・・・・・」

キョン「・・・・・・朝比奈さん」

373 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 18:04:48.02 ID:c6/sol3iO

みくる「・・・・・・キョン・・・君?」

キョン「あ、朝比奈さん、こ、これはですね!」

長門「突然、覆い被さってきたなり」

キョン「コ、コロスケ、コロッケあげるから黙ってなさい!」

長門「今のはコロッケを揚げるとものをあげるを掛けた洒落と認識した」

キョン「しなくていい!そんな寒い洒落なんか言わないぞ俺は!」

長門「つまり、あなたが言う洒落は絶対に、腹がねじ切れるほどおもしろいと認識した」

キョン「やめてくれ、ハードルあげないでくれ!」

みくる「私のことを無視していちゃいちゃしないでくださいっ!」

375 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 18:12:21.80 ID:c6/sol3iO

キョン「いちゃいちゃなんかしてるつもりは」

みくる「だったらいつまでそんな体勢でいるんですか!」

キョン「す、すみません、ほら、長門、退くぞ」

長門「ちょっと待って」

キョン「待てって言われても、朝比奈さんにも言われてるし」

長門「あなたは朝比奈みくると私の言うこと、どちらを選ぶの」

キョン「は?どういうことだ」

長門「私はこのままでいて欲しいと言う、朝比奈みくるは退いて欲しいと言う」

長門「あなたはどちらを選ぶのか、と聞いている」

419 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 19:59:20.68 ID:c6/sol3iO

キョン「・・・・・・俺は」

長門「俺は?」

みくる「・・・・・・キョン君」

キョン「朝比奈さんを選ぶよ」

長門「・・・・・・・・・・・・」

みくる「キョン君っ!」

どんっ

キョン「あ、朝比奈さんっ!?いきなり抱きついてこないでください!」

みくる「えへへ、だってうれしくて」

長門「・・・・・・・・・・・・」

423 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 20:10:49.14 ID:c6/sol3iO

キョン「・・・・・・長門、すまないな」

長門「謝る必要はない」

キョン「・・・・・・でも」

長門「なんとなくこうなることはわかっていた」

キョン「・・・・・・・・・・・・」

長門「わかっていたから、包丁を持ってきた」

キョン「な、なにを言っているんだい長門くん」

長門「私を愛してくれないなら、あなたを刺して私も死ぬ」

キョン「長門がヤンデレ化したっ!朝比奈さん、お、俺の背に隠れてください!」

長門「冗談」

キョン「・・・・・・本当にか?」

長門「試しただけ、あなたは迫る危険を前に自分を犠牲にしてまで守ろうとした」

長門「あなたは合格」

426 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 20:19:45.10 ID:c6/sol3iO

長門「でも、安心しないで」

キョン「どういうことだ?」

長門「きっとあなたの前に第二第三の私が現れる」

キョン「・・・・・・・・・・・・」

長門「涼宮ハルヒとその他」

キョン「・・・・・・その他って、他にもいるのか・・・まったく気づかなかった」

長門「ちなみに候補の中にはこいず・・・キャサリンの名前もある」

キョン「言い直さなくていいから!それにあいつを候補に入れるな!」

長門「ふはははっ、私が四天王の中で一番の格下、これからの敵を私なんぞ比べものにならぬほど狭量だ」

キョン「狭量って、どっちかっていうとお前が格上みたいじゃないか!」

長門「間違えた、強力だ、ぶわっはははっ!」

キョン「言い直した時点で、威厳も尊厳も何もねぇよ」

427 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 20:25:17.91 ID:c6/sol3iO

こうして長門は去っていた、武将みたいな笑いとともに

キョン「・・・・・・長門」

みくる「キョン君、ぎゅっ!」

キョン「あ、朝比奈さんっ!?いきなり抱きつかないでくださいよっ!」

みくる「ねぇ、一緒にお散歩しましょ、今日はとっても天気がいいよ!」

キョン「・・・・・・そうですね、行きますか!」

みくる「うんっ!」

長門「しかしこのときの選択が、彼にさらなる苦悩をもたらすとは、このときの彼は知らない」

キョン「うわっ!?長門帰ったんじゃなかったのか!?」

434 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 20:43:43.44 ID:c6/sol3iO

キョン「とりあえず散歩、しましょうか」

みくる「キョン君、手をつないでいいですか?」

キョン「どっどうぞ、お好きなように」

みくる「わぁい、じゃあ恋人繋ぎ!」

キョン「あ、階段です、気をつけてくださいよ」

キョン「み・・・みく・・・みくるさんは・・・よく転び・・・ますから」

みくる「・・・キョン君・・・今なんて」

キョン「こ、こんな感じで過ごしているのに、名字で呼ぶのもへ、変かな・・・っと思いまして・・・嫌ですか?」

435 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 20:44:33.66 ID:c6/sol3iO

みくる「ううん、すっごくうれしいよ!」

キョン「そうですか、でも・・・少し・・・恥ずかしいですね」

みくる「きっとすぐ慣れるよ、ねぇ、もう一度呼んで欲しいな」

キョン「・・・・・・み・・・みくるさん」

みくる「・・・・・・あれ・・・なんだかこっちまで恥ずかしくなっちゃった」

キョン「すぐ慣れますよ」

みくる「うん、そうだね」

キョン「本当に階段、気をつけてくださいよ」

みくる「大丈夫だよ、そんな前ふりみたいなこと言わないで」

キョン「あっ、バナナの皮が!?みくるさん、気をつけてっ!」

みくる「ふぇ?キョン君どうしたの・・・きゃぁっ」

ツルーンッ

キョン「みくるさんっ!」

448 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 21:26:24.01 ID:c6/sol3iO

ハルヒ「・・・・・・みくるちゃん、意識不明状態なの?」

キョン「・・・・・・そうだ・・・くそっ・・・あの時俺が手を離さなければこんなことには!」

ハルヒ「キョン、落ち着いて!」

キョン「五月蝿い、こんな時に落ち着いていられるか!」

古泉「こんな時だからですよ、こんな時だから落ち着くべきなんです」

キョン「・・・・・・くそっ!」

長門「元に戻ったの?」

古泉「何のことですか?そう言えばここに来るまでに、子供達からキャサリンと指を刺されましたけど」

長門「覚えてないならそれでいい」

キョン「そういえば・・・おい、長門!」

450 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 21:34:47.54 ID:c6/sol3iO

長門「何」

キョン「お前確か、俺達が病室から出て行こうとした時、さらなる苦悩が、とか言ってたよな」

長門「確かに言った」

キョン「もしかしてそれって、このことを言ってたのか?」

長門「どういう意味?」

キョン「だから、お前が選ばれなかったのを逆恨みして、それであのバナナを仕掛けたんだろっていう意味だよ」

長門「違う、そんなことはしていない」

キョン「じゃあなんでこうなることを知っていたんだよ!」

長門の首周りの服を掴む

長門「うぅ・・・あ・・・あれは・・・ただ・・・適当に・・・言っただけ」

452 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 21:40:36.30 ID:c6/sol3iO

キョン「嘘なんだろ!本当はお前がやったんだろ?」

長門「うぅ・・・ぐっ・・・違・・・う・・・信じ・・・て」

古泉「やめてください、長門さんが苦しそうじゃないですか!」

ハルヒ「そうよキョン、やめなさい!」

キョン「じゃあ、誰がやったって言うんだよ!教えてくれよ、そしたらそいつをぶっ叩くのに!」

古泉「あれは偶然です、不幸な偶然なんです、誰のせいでもありません」

古泉「もちろん長門さんも、そして、あなたも」

ハルヒ「・・・・・・やめてよキョン・・・そんなキョン・・・私は見たくない」

455 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 21:45:15.81 ID:c6/sol3iO

キョン「・・・・・・・・・・・・」

古泉「落ち着きましたか?」

キョン「ああ、すまない、長門もすまないな」

長門「いい、私の不謹慎な発言のせいであなたに迷惑をかけた」

キョン「ハルヒもすまない」

ハルヒ「いいのよ、だってバカキョンだもの」

古泉「ところで、朝比奈さんの容態はどうなんですか」

長門「容態はどのようだい」

キョン「・・・・・・長門」

長門「今のは全面的に私が悪い、謝罪する」

459 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 21:54:46.30 ID:c6/sol3iO

キョン「・・・・・・いつ目覚めるか、わからないらしい」

キョン「もしかしたら、今目覚めるかもしれないし、もう目覚めないかもしれない」

ハルヒ「・・・・・・・・・そう」

古泉「・・・・・・・・・・・・」

長門「・・・・・・・・・・・・」

キョン「でも希望はあるんだ、真っ暗闇じゃない、少しの光があれば目的地にたどり着くことだってできる」

キョン「今は信じることしかできないけど、朝比奈みくるは強い女の子だから大丈夫だ」

古泉「そうですよね、信じましょう」

長門「信じる」

ハルヒ「・・・・・・・・・私は」

467 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 22:04:31.29 ID:c6/sol3iO

一週間過ぎて

古泉「今日も病院に行くんですか?」

キョン「ああ、もしかしたら今日起きるかもしれないだろ」

長門「私も行く」

キョン「長門も来てくれるのか、古泉はどうする?」

古泉「そうですね、僕も行きましょうか・・・えっと・・・あ・・・あ・・・あさ・・・朝青龍さんのところへ」

キョン「いつからみくるさんは関取になったんだよ!お前まだ完全に直ってないんだな」

古泉「たまに右利きか左利きか忘れてしまうときもありますね」

キョン「重傷過ぎるだろ・・・今更ながらに罪悪感が・・・あっそうだ、ハルヒ、お前も行くか?」

ハルヒ「私は行かないわ、それじゃ、帰るから」

キョン「どうしたんだあいつ?」

470 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 22:10:20.50 ID:c6/sol3iO

病院にて

キョン「みくるさん、来ましたよ」

長門「ハロー」

古泉「今日は僕達も来ましたよ、お邪魔だったかもしれませんが」

みくる「・・・・・・・・・・・・」

キョン「とりあえず、お前らも腰掛けろよ、なんか飲み物持ってくるよ」

古泉「飲み物は龍茶がいいですね」

長門「ペットボトルの烏龍茶は茶柱なんて立たない」

古泉「知ってますよ、何言ってるんですか長門さん」

長門「デストロイ」

古泉「ぐわはぁぁぁ!」

キョン「病院では静かにしろっ!」

474 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 22:17:26.46 ID:c6/sol3iO

キョン「ずっと入院してたからな、もう病院の構造が手に取るようにわかるよ」

古泉「ふふ、それは誇っていいことなのでしょうか」

長門「入院は誇るべきものではない」

キョン「お前らが入院させたんだろうがっ!」

古泉「しっ!病院ではお静かに」

長門「高校生にもなって騒ぐなんて」

キョン「だから、お前らが言えることじゃないだろっ!」

古泉「はて、何のことでしょうか?まったく記憶にありませんね」

キョン「いや絶対その顔は覚えている顔だ!ほら今ちょっと笑っただろ!」

???「ごほんっ」

キョン「ん、誰だ?」

医者「ちょっとそこのもみあげの君、こっちへ来なさい」

476 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 22:22:26.86 ID:c6/sol3iO

キョン「・・・・・・・・・・・・」

古泉「あ、お帰りなさい、思ったより長かったですね」

長門「こってり絞られた」

キョン「・・・・・・・・・・・・」

古泉「ぶつぶつ言ってては聞こえませんよ、もっとはっきり言ってください」

キョン「・・・・・・絶対・・・絶対・・・お前らの名前を・・・赤色の鉛筆で・・・書いてやる・・・早死にさせてやる」

長門「まるで小学生」

古泉「いやいや、今時の小学生だってもっと手の込んだことをしますよ」

480 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 22:30:57.26 ID:c6/sol3iO

古泉「それでは僕はこのへんで帰ります」

長門「私も」

キョン「お前ら帰るのか?俺はもう少しここに残っていくよ」

古泉「そうですか、それではまた明日学校で」

長門「シーユー」

キョン「ああ、それじゃな」

みくる「・・・・・・・・・・・・」

バタンッ

485 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 22:40:21.86 ID:c6/sol3iO

古泉「ふぅ、なんとか目的は果たせましたね」

長門「疲れた」

古泉「・・・・・・本当に良かったんでしょうか」

長門「何」

古泉「もしかしたら、この状態を動かすことによって何か大変なことになってしまうかもしれません」

長門「確かに、でも」

古泉「でも?」

長門「私はいつ何時も彼の力になると言った、そのことに従った、ただそれだけ」

古泉「自分の気持ちを無視しても、ですか?」

長門「そう」

古泉「わかりました、あなたの決意は堅いようですね、我門さん」

長門「だから、私はチャンピョンに連載された余湖裕輝の漫画の登場人物ではない」

490 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 22:48:05.38 ID:c6/sol3iO

キョン「・・・・・・ふぅ・・・花瓶の花の入れ替え完了」

キョン「医者に捕まったせいで、無駄に時間使っちまったからな、本当にあいつらなにしに来たんだよ」

みくる「・・・・・・・・・・・・」

キョン「みくるさん・・・やっぱり今日も起きないか・・・いや、弱気になってどうするんだ、信じるんだろ!」

キョン「でも、何時まで続くんだろうかこんなこと」

キョン「みくるさん・・・早く起きてくださいよ」

みくる「・・・・・・・・・・・・」

493 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 22:55:51.38 ID:c6/sol3iO

翌日 部活の時間終了

キョン「終わったか、それじゃあ俺は病院行ってくるから」

古泉「それではまた明日」

長門「バイバイキーン」

キョン「あれ、お前らは今日は行かないのか?」

古泉「今日は用事がありまして」

長門「私も」

キョン「そうか、じゃあ俺はいくぞ」

ハルヒ「キョン、ちょっと待ちなさい!」

498 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 23:00:56.76 ID:c6/sol3iO

キョン「ん、どうしたんだハルヒ?」

ハルヒ「あの、その・・・」

キョン「用がないなら行くぞ、俺は急いでいるんだ」

ハルヒ「よ、用ならあるわよ!」

キョン「だったら早く言ってくれ」

ハルヒ「その・・・・・・そうよ!キョン、あんた今日あたしの家に泊まりなさい!」

キョン「はぁ?何言ってるんだお前」

長門「用事というのは?」

古泉「頭の病院ですよ、ですが名前と住所を忘れてしまって」

長門「あなたは介護者が必要」

501 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 23:09:21.52 ID:c6/sol3iO

ハルヒ「よし決定ね!喘は急げと言うから急ぎましょう」

キョン「喘って、あえぐことは急いだ方がいいってどんだけ過呼吸になりたいんだお前は!」
ハルヒ「そんなことはどうだっていいから、早く行くわよ!」

キョン「ちょっと待てって、俺はみくるさんのところに行かなくちゃいけないんだよ」

ハルヒ「・・・・・・キョンて・・・いつの間にかみくるさんって下の名前で呼ぶようになったわよね」

キョン「それがどうかしたか?」

ハルヒ「・・・・・・・・・・・・」

古泉(ヤバめな空気になってきましたね)

長門(ここはひとつ、面白いことを言うべき)

古泉(僕がですかっ!?なんですかその無茶ぶりっ!)

504 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 23:18:54.94 ID:c6/sol3iO

長門「まあまあ、落ち着いて」

ハルヒ「有希、邪魔しないで!」

キョン「長門からもハルヒに言ってやってくれ」

長門「二人とも古泉一樹オンステージでも見て、高ぶった心を沈めるべき」

キョン「沈めるって、どんだけ心がブルーになるんだよ」

長門「それでは入場、古泉一樹・・・・・・・・・・・・いない」

ハルヒ「古泉君ならさっき大慌てで出て行っちゃったわよ」

長門「・・・・・・・・・逃げられた」

長門「デストロイ」

キョン「・・・・・・今何したんだ」
長門「それは顰蹙披露です」

キョン「元と似てるけど、そんなしかめっ面披露されてもうれしくねぇ!」


古泉「・・・・・・・・・・・・・・・」

返事がない、ただの屍のようだ

508 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 23:29:34.50 ID:c6/sol3iO

病院にて

キョン「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・やっと病院についた」

キョン「たくっ、なんだったんだハルヒの奴は・・・?」

キョン「ふぅ・・・みくるさん、入りますよ」

ガラッ

みくる「・・・・・・・・・あ・・・キョン君」

キョン「え、え、起きてるっ!?」

みくる「今、目が覚めたみたいで・・・あの・・・私どれくらい眠っていたんでしょうか?」

キョン「はは・・・ははは・・・あはははははっ!」

みくる「・・・・・・キョン君・・・ちょっと恐いですよ」

キョン「すみません、ちょっと気が動転してしまって、それでどこか体調が悪かったりしますか?」

みくる「どこも悪ないみたいです、それに」

キョン「それに?」

みくる「私、記憶が戻ったみたいなんです!」

603 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 09:25:05.90 ID:GyF5I0dJO

キョン「本当に記憶・・・戻ったんですか・・・?」

みくる「そうです戻ったんです!また頭をぶつけて記憶が戻るっかなり古典的な方法ですけど」

キョン「・・・・・・そうですか」

みくる「あれ、キョン君どうしたんですか?元気ないですよ?」

キョン「いや・・・なんでもないですよ」

キョン(前に古泉に言われてことが、みくるさんは記憶が戻らないほうがいいって言われたことが頭を過ぎる)

みくる「・・・・・・もしかして・・・私なんか起きなければいい・・・そんな風に思ってましたか?」

キョン「違いますっ!そんなこと思ってません!」

みくる「じゃあ、なんでそんな暗いんですか?」

605 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 09:31:25.12 ID:GyF5I0dJO

キョン「・・・・・・それは・・・みくるさんが」

みくる「みくるさん?キョン君って私のことそんな風に呼んでしましたっけ?」

キョン「・・・・・・えっ、覚えていないんですか」

みくる「記憶は戻ったみたいです、だけど」

キョン「・・・・・・だけど」

みくる「記憶喪失の時の記憶は思い出せないんです」

キョン「嘘・・・ですよ・・・ね」

みくる「嘘じゃありません、ただ記憶を失っていた時期があるってことだけは覚えているんです」

キョン「・・・・・・・・・・・・」

みくる「その時の記憶はそこだけ穴があいたみたいに何も思い出せないんです」

606 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 09:36:10.81 ID:GyF5I0dJO

病院 待合室

古泉「朝比奈さんの記憶が戻ったというのは、本当なんですか?」

キョン「・・・・・・ああ、本当だ・・・今医者に診てもらっている」

長門「それなのにあなたはなぜ落ち込んでいるの」

キョン「・・・・・・・・・それは」

古泉「前に僕が言ったことについて考えているのですか?」

キョン「いや、そうじゃない、そんなことを考える必要もなかったんだ」

長門「どういうこと」

キョン「みく・・・朝比奈さんは記憶を失っていた時の記憶を忘れてしまったんだ」

古泉「・・・・・・そうなんですか」

長門「・・・・・・・・・・・・」

ハルヒ「キョンっ!みくるちゃんの記憶が戻ったっていうのは本当なの?」

611 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 09:45:45.02 ID:GyF5I0dJO

キョン「・・・・・・ハルヒ・・・来たのか」

ハルヒ「来たのかじゃないわよ、キョンから連絡を受けて急いできたんだから!」

古泉「涼宮さん、記憶が戻ってうれしいですか?」

ハルヒ「何言ってるのよ古泉、うれしいに決まっているじゃない、だってこれで」

ハルヒ「今まで通りの関係に戻ることができるじゃないの!」

長門「今まで通りの関係」

ハルヒ「そう、今まで通りの関係にね」

612 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 09:54:02.63 ID:GyF5I0dJO

みくる病室

みくる「みなさんに迷惑をかけてしまって、本当に何と言っていいか」

古泉「気にしないでください、元気になってよかったです」

長門「そう、記憶が戻ってよかった」

ハルヒ「みくるちゃん、私はうれしいわ!」

みくる「きゃっ!?い、いきなり抱きつかないでください!」

キョン「・・・・・・・・・・・・」

みくる「キョン君?」

ハルヒ「ほらキョンも喜びなさいよ」

キョン「あ、ああ、そうだな、朝比奈さんよかったですね」

613 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 10:00:27.61 ID:GyF5I0dJO

ハルヒ「あっこんな時間!?私もう帰らなくちゃ!」

みくる「涼宮さん、ご迷惑おかけしました」

ハルヒ「いいのよ、これでもう大丈夫だもん」

キョン「俺も帰るよ、それじゃな」

みくる「キョン君も帰っちゃうんですか?」

キョン「・・・・・・それでは」

ハルヒ「ちょっとキョン待ちなさいっ!」

みくる「・・・・・・・・・・・・・・・」

古泉「さて、あのお二人もいなくなってことですし、ここからは嘘は抜きで語るとしましょうか」

616 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 10:06:41.71 ID:GyF5I0dJO

みくる「嘘は抜き・・・?私は嘘なんかついていませんよ」

長門「あなたは本当は忘れてはいない」

みくる「・・・・・・な、なんのことですか?」

古泉「僕達がちょっと細工したんですよ、涼宮さんはあなたが起きることを望んではいなかったですから」

長門「それでも起きるかどうかは賭けだった」

古泉「陳腐な言い方ですが、彼の愛が奇跡を起こしたんでしょう」

長門「臭っ」

620 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 10:12:54.48 ID:GyF5I0dJO

古泉「どうして彼に忘れたと嘘をついたんですか?」

みくる「・・・・・・・・・・・・」

長門「黙秘権はない」

みくる「・・・・・・わかるでしょう、なんで嘘をついたか」

古泉「確かにわかりますけど、それは逃げじゃないんですか?」

みくる「・・・・・・・・・・・・」

長門「見ていればわかる、彼は涼宮ハルヒじゃなくて朝比奈みくるを選んだ」

古泉「それをあなたは無視してあなたは逃げたんですよ」

長門「古泉一樹、格好いいこと言っているが上着が裏表逆」

みくる「好き勝手言って、あなた達に私の気持ちの何がわかるんですかっ!」

626 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 10:24:50.67 ID:GyF5I0dJO

みくる「好きなのに、好きなのに好きになることを許されない、そんな気持ちあなた達にわかるんですかっ!」

古泉「・・・・・・・・・・・・」

長門「・・・・・・・・・・・・」

みくる「わからないですよねあなた達には、だから好き勝手言和内でください!」

長門「・・・・・・あなたはそれを本気で言っているの」

みくる「ほ、本気ですよっ!私の力じゃどうにもならないことなんですっ!」

長門「だったらあなたはこのまま苦しみ続けるといい、あなたみたいな人は救われなくて当然」

628 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 10:33:11.34 ID:GyF5I0dJO

街中にて

ハルヒ「そこであたしは言ってやったのよ、あんたはイグアナかって!」

キョン「・・・・・・あはは・・・おもしろい・・・ガラパゴス諸島」

ハルヒ「キョン、さっきからぼーっとしてあたしの話聞いてるの?」

キョン「・・・・・・聞いてるぞ・・・聞いてる聞いてる・・・運動している物体の電気力学について語っていたんだよな」

ハルヒ「全然違うわよっ!」

キョン「・・・・・・違うのか・・・だったら・・・巣鴨巡りの計画でも立てていたんだっけか」

ハルヒ「私達はどこのおじいちゃんおばあちゃんなのよ!」

631 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 10:38:34.54 ID:GyF5I0dJO

ハルヒ「みくるちゃんのこと考えているんでしょ」

キョン「・・・・・・・・・ちげぇよ」

ハルヒ「別に嘘つかなくてもいいわ、そりゃぁあんなに仲が良かったのに忘れられたらショックよね」

キョン「・・・・・・・・・・・・」

ハルヒ「辛いけどこれが現実なの、夢だったって思うのが一番楽だと思うわ」

キョン「・・・・・・・・・夢か」

ハルヒ「そう、キョンはあの時の、今のみくるちゃんじゃないあの時のみくるちゃんを好きになったのよ」

キョン「・・・・・・・・・・・・」

ハルヒ「だからね、キョン、もうそんな顔しないで、もっとあたしを見て欲しいな」

635 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 10:45:22.19 ID:GyF5I0dJO

キョン「・・・・・・それは告白なのか?」

ハルヒ「こ、告白!?ちっ違うわよっ!?」

キョン「・・・・・・じゃあ、なんだっていうんだよ」

ハルヒ「うぅ・・・・・・告白かも」

キョン「・・・・・・やっぱり」

ハルヒ「告白、キョンの返事が欲しいの」

キョン「・・・・・・・・・・・・」

ハルヒ「みくるちゃんはあの時のこと忘れちゃったのよ、でも、あたしは覚えているわ!これからもずっと忘れない」

キョン「・・・・・・・・・俺は」

639 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 10:53:11.04 ID:GyF5I0dJO

キョン「・・・・・・俺はそれでも朝比奈さんが好きだよ」

ハルヒ「でもキョンっ!みくるちゃんはあんたのこと」

キョン「そんなの関係ないんだ、忘れるとか覚えているとか」

ハルヒ「・・・・・・・・・・・・」

キョン「忘れたならまた思い出をつくればいい、思い出す必要なんかない」

キョン「それにあの時のみくるさんも好きだし、今の朝比奈さんも好きなんだ」

キョン「だからごめんなハルヒ、俺は朝比奈さんを選ぶよ」

641 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 10:59:25.18 ID:GyF5I0dJO

ハルヒ「うぅ・・・キョン・・・キョン・・・やだよぉ」

キョン「お前のことも好きだよ、でも朝比奈さんと決着をつけないうちは、お前に恋することはない」

ハルヒ「うぅ・・・ひっく・・・ひっく・・・えぇん」

キョン「・・・・・・ハルヒ」

ハルヒ「うぅ・・・さ・・・さっさと・・・ひっく・・・行きなさいよ」

キョン「・・・・・・え?」

ハルヒ「ひっく・・・みくるちゃんの・・・うぅ・・・ところ・・・へ・・・好きなんでしょ?」

キョン「あ、ああ」

ハルヒ「だったら今行かなくていつ行くの!さっさと行ってみくるちゃんに思いを伝えてきなさい!」

キョン「ハルヒ・・・お前・・・・・・わかった、行ってくるよ!」

ハルヒ「ふんっ、フられてもあたしがいるって思うんじゃないわよ、あんたはあたしをフったんだからね!」

キョン「そうだな、気合い入れていくよ、それじゃな」

ハルヒ「・・・・・・でも、いっぱいこき使ってからなら、あたしの側にいてもいいわよ」

642 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 11:02:58.75 ID:GyF5I0dJO

病院に戻って

みくる「・・・・・・そんなこと言われたって・・・私の力じゃどうにもならないんですよ」

古泉「もし、どうにかなったら、あなたはどうするんですか?」

みくる「・・・・・・どうにもならないから考えていませんよ」

長門「なら今から考えて」

みくる「・・・・・・もしどうにかなったのなら・・・私は・・・キョン君と一緒にいたいです」

みくる「いたいんです、本当はずっと一緒にいたいんですよ!」

古泉「ふっ、ようやく言ってくれましたね、そのセリフ」

みくる「・・・・・・え、どういうことですか?」

長門「あなただけの力で足りないのなら、私達の力を貸すだけ」

古泉「つまり、三人寄れば文殊の知恵というわけです」

長門「それはぜんぜん違う・・・わけでもない」

645 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 11:07:42.84 ID:GyF5I0dJO

長門「私達も力を貸す、だから諦めないで」

古泉「負けないで〜どんな時も〜」

長門「デストロイ」

古泉「ぐひゃぁっ!」

長門「私も力を貸す、だから諦めないで」

みくる「私もって・・・長門さん・・・そこで白目で倒れてる人は」

長門「返事がない、ただの屍のようだ」

みくる「・・・・・・・・・・・・」

647 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 11:13:09.83 ID:GyF5I0dJO

長門「彼はあなたを選ぶ、だから自信を持って」

みくる「・・・・・・でも」

コンコンッ

キョン「朝比奈さん、ちょっと話したいことがあるんです」

みくる「キョ、キョン君!?帰ったはずなのに!?」

長門「だから彼はあなたを選んだと言った」

みくる「・・・・・・本当にわたしを選んでくれたんだ」

長門「行くの、行かないの?」

みくる「・・・・・・うぅ」

古泉「あと一歩の勇気です、恐くても僕らがついてますから安心して踏み出してください」

みくる「お、起きたんですか」

長門「デストロイ」

古泉「おばまっ!?」

長門「私の見せ場を取らないで」

みくる「・・・・・・・・・・・・」

651 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 11:18:13.41 ID:GyF5I0dJO

キョン「なんですか今の奇声!?朝比奈さん何かあったんですか!?」

みくる「な、何でもないです!人間の弱点の一つである鳩尾を強打された人なんていませんよ!」

キョン「何でもないならいいんですが、朝比奈さん、俺は中庭で待ってます、話を聞いてもいいなら来てください」

みくる「・・・・・・・・・・・・」

長門「どうするの」

みくる「本当に私は行っていいんでしょうか」

長門「良いかどうかはわからない、でもこれは彼が望んでいること」

長門「私は彼にいつ何時も味方になると言った、自分の気持ちを無視しても味方になると言った」

長門「私のためにも、あなたには行って欲しい」

652 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 11:25:03.92 ID:GyF5I0dJO

みくる「・・・・・・わかりました、私キョン君のところへ行ってきます」

長門「そう」

みくる「長門さん、そしてそこの屍さんもありがとうございました」

長門「礼を言われるほどじゃない」

屍「・・・・・・・・・・・・・・・」

みくる「それでは行ってきます」

長門「行ってらっしゃい」

みくる「はいっ!」


古泉「行っちゃいましたね」

長門「ところでなぜあなたは裸なの」

古泉「悟ったんですよ、人間は生まれたままの姿でいることが、もっとも神に近づけるのだと」

長門「あなたは逝ってらっしゃい」

古泉「ひでぶっ!」


終わり

660 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 11:32:47.46 ID:GyF5I0dJO

あれ、自分的には切りよく終わったような気がするんですが
漫画とかだとよくこういう終わり方があるので

664 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 11:36:42.62 ID:GyF5I0dJO

以上、みくる好きの1がお送りしました

697 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 14:27:45.96 ID:GyF5I0dJO

みくるが出て行った後の話

古泉「・・・・・・・・・・・・」

長門「脈なし、死んだ」

古泉「・・・・・・・・・・・・」

長門「やっちまったZE☆」

古泉「・・・・・・・・・・・・」

長門「これは私のキャラじゃない」

古泉「・・・・・・・・・・・・」

長門「きゃっ、古泉君裸なのっ!?」

古泉「・・・・・・・・・・・・」

長門「キャラじゃない、それにそんなこと気にしてる場合じゃない」

700 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 14:30:15.28 ID:GyF5I0dJO

古泉「・・・・・・・・・・・・」

長門「まあいい、ひょっとこ」

古泉「・・・・・・・・・・・・」

長門「間違えた、ほっとこ」

古泉「それはないでしょ」

長門「それは洒落に対して」

古泉「そんなわけないでしょ」

長門「でも、生き返った、作戦通り」

古泉「嘘ですよね」

長門「うるさい、デストロイ」

古泉「ぼんばへっ!?」

長門「根拠もないのに人を責めるのはよくない」

古泉「・・・・・・確かに攻めるのはよくないですね」

704 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 14:39:14.91 ID:GyF5I0dJO

長門「とりあえず服を着たほうがいい」

古泉「そうですか?風通しが良くて気持ちいいですよ」

長門「むしろ今のあなたは風当たりが悪い、社会において」

古泉「そんな小さなことにとらわれるほど、僕って男は小さくないんですよ」

長門「いや、小さい」

古泉「長門さん、どこ見て言っているんですか」

長門「それを聞くとは勇気がある、ならば言ってあげようではないか」

古泉「やっぱり結構です、長門さんのためにも」

長門「なぜ」

古泉「それがわからないようでは、まだ恋なんて早いですよ」

長門「全裸男に言われたくない」

706 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 14:45:36.45 ID:GyF5I0dJO

古泉「ふふ、まだまだ長門もお子ちゃまだってことですよ」

長門「デストロイ(主に下半身に重点をおいて)」

古泉「それはさすがにまずい!」

長門「・・・・・・逃げられた・・・私の攻撃を避けるなんて」

古泉「生殖機能を守るため、体が秘めた力を目覚めさせたようですね」

長門「相手にとって不足なし」

古泉「ここからが本当の勝負です」

長門「いざ」

古泉「参る!」

ガラガラッ

長門「っ!?」

古泉「っ!?」

707 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 14:56:20.40 ID:GyF5I0dJO

みくる「・・・・・・・・・・・・」

長門(全裸の男性と向かいあっているこの状況、他人から見ればどのように映る)

古泉(制服を着た女子高校生の前で全裸状態の男、他人から見ればどのように映るだろうか)

みくる「・・・・・・あはは・・・私・・・お邪魔しちゃったみたいですね」

長門「断じてお邪魔じゃない!」

古泉「そうです、邪魔なんかじゃありません」

みくる「そ、それって、私もその中に加われってことですか?そんなのはいやあぁぁぁぁ!」

古泉「違います朝比奈さん!」

みくる「きゃぁぁぁこないでぇぇぇ!キョン君より早く違う男の人の裸を見るなんて!」

長門「・・・・・・走っていってしまった」

古泉「・・・・・・ただ、誤解を解きたかっただけなんですが」

長門「100%あなたのせい、デストロイ(下半身を以下略)」

古泉「いやんっ!?」

710 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 15:31:09.78 ID:GyF5I0dJO

ハルヒ「ぐすっ・・・うぅ・・・キョンに・・・フられちゃった・・・ひっく」

ハルヒ「・・・涙で・・・ひっく・・・涙で・・・前が見えない・・・ぐすっ」

どんっ

ハルヒ「あっ、痛っ!?」

ハルヒ「何するのよ、ちゃんと前見てたの?」

谷口「す、すみませんって、涼宮!?」

ハルヒ「なっなんでこんなところにいるのよ!?」

谷口「ちょっと買い物をしてたんだ・・・あれ、お前・・・泣いてるのか?」

ハルヒ「ち、違うわよ!これは・・・その・・・たまねぎを切ってたのよ!」

谷口「こんな街中でたまねぎを切るやつがいるわけないだろ」

714 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 15:43:58.10 ID:GyF5I0dJO

谷口「・・・・・・つまりキョンの野郎にフられたってことか?」

ハルヒ「・・・・・・そ・・・そうよ・・・キョンは・・・みくるちゃんが好きだった・・・みたいなの」

谷口「あいつ告ってきたのをフるとか、男の風上にもおけない奴だ!」

谷口「うらやましいぞ、俺もそんなことをしたい!」

ハルヒ「・・・・・・・・・・・・」

谷口「あ、すまん、涼宮の気持ちも考えないで」

ハルヒ「・・・・・・いいのよ」

谷口「・・・・・・そんなにキョンにフられたのがショックだったのか?」

ハルヒ「・・・・・・・・・・・・コクッ」

谷口「俺でよかったら、愚痴ぐらい聞くぜ」

ハルヒ「・・・・・・・・・え?」

谷口「ついでに奢ってやる、俺にしたら珍しいことなんだぜ」

720 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 15:51:36.19 ID:GyF5I0dJO

谷口「店はここでいいか」

ハルヒ「いいの、ここ結構高そうじゃないの」

谷口「いいんだよ、男は女のためなら金に糸目をつけないものなんだよ」

ハルヒ「ふーん」

谷口「ふーんって、今の俺、そこそこかっこいいこと言ったような気がするんだが」

ハルヒ「今のセリフ、貢がされてる人のセリフみたいだったわ」

谷口「なっ!?」

ハルヒ「あっ、そのバックが欲しい、買ってちょうだい」

谷口「なんでっ!?」

ハルヒ「男は女のためなら金に糸目をつけないんでしょ」

谷口「・・・・・・涼宮・・・俺に愚痴らなくても・・・もう復活したんじゃないか?」

721 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 15:57:43.87 ID:GyF5I0dJO

谷口「ほらほら、さっさと店に入るぞ!」

ハルヒ「なんでキレてるのよ」

谷口「いいから、早く入れ」

ガラガラッ

店員「いらっしゃいませー」

谷口「・・・・・・あれ・・・この店」

ハルヒ「・・・・・・スナックみたいな内装」

谷口「・・・・・・外装はそんな感じじゃなかったのに」

ハルヒ「まさかあんた、フられて弱ったあたしにお酒を飲ませて、あんなことやこんなことをさせようとっ!」

谷口「その目つきのどこが弱ったあたしなんだっ!」

???「お客さん、喧嘩なら店の外でやってくれないかにょろ」

ハルヒ「名前隠しても誰だかまるわかりだわっ!」

732 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 16:47:16.90 ID:GyF5I0dJO

街中

古泉「・・・・・・病院・・・追い出されてしまいましたね」

長門「いきなり追い出すなんて病院はなっとらんですたい」

古泉「でも、服はくれましたよ」

長門「それ白衣、服じゃない衣」

古泉「同じですよそれ」

長門「どっちでもいい」

古泉(自分で話ふったくせに・・・)

長門「・・・・・・涼宮ハルヒの臭いがする」

古泉「匂いでしょ、それじゃあまるで涼宮さんがくさいみたいですよ」

長門「間違えた、これが正しい涼宮ハルヒの煮汚いがする」

古泉「どんなにおいなんですかそれは!」

761 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 20:37:41.14 ID:GyF5I0dJO

ハルヒ「鶴屋さんっ!?なんでここにいるの!?」

店員「おいそこのガキ、女将さんになにタメ口で話してるだ!」

鶴屋「おやめなさい、その子は私のお友達っさ」

店員「す、すみません!そうとは知らずに乱暴なまねを!」

鶴屋「私のお友達はそっちの女の子だけにょろ、男の子のほうはしらないさ」

谷口「なっ!?俺たち会ったことあるでしょ!」

鶴屋「・・・・・・谷川・・・・・・にょろ?」

谷口「谷口ですっ!」

店員「おら、うるせぇぞ、女将さん、こいつ連れてきますね」

鶴屋「まかせるっさ」

谷口「WAWAWAWAWAAaaaaa!」

店員「少しは黙れ!」

ハルヒ「な、何がどうなってるのやら」

765 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 20:48:36.94 ID:GyF5I0dJO

古泉「お腹が空きましたね」

長門「同意」

古泉「あ、あそこの店、おいしそうじゃないですか」

長門「確かに涼宮ハルヒの香りがする」

古泉「涼宮さんがおいしいみたいに言わないでくださいよ」

長門「事実、おいしかった」

古泉「食べたことあるんですかっ!?」

長門「性的な意味ではない」

古泉「当たり前です」

長門「SAY的な意味」

古泉「横文字使えば何でもいいってわけではありません」

長門「精的な意味」

古泉「なんかエロいですね」

768 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 21:05:00.00 ID:GyF5I0dJO

古泉「このお店に入りましょう」

長門「あ」

古泉「どうしましたか、長門さん」

長門「何か見覚えのあるものが落ちている」

古泉「そうですか?僕は見覚えないですね」

長門「私もよく覚えているわけではない」

古泉「記憶力悪いですね」

長門「あなたにだけは言われたくない」

769 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 21:06:28.96 ID:GyF5I0dJO

古泉「そんなことないですよ、ところでさっきから気になっていたんですけど、あなただれですか?」

長門「このやりとりも久しぶり、私の名前は長門有希」

古泉「そうでした、長門行きさんでした」

長門「山口県西部・北部へ行くつもりはない」

古泉「間違えました、NAGATOYUKIさん」

長門「そんな邦楽バンドのメンバーの名前みたいではない」

古泉「冗談です、谷口さん」

長門「そんなありきたりな名前ではない」

古泉「ところでこのゴミ、どうしますか」

長門「デストロイ」

谷口「ちゃぱゃっ!?」

長門「なんとなくやってみた」

古泉「では入りましょうか」

長門「くるしゅうない」


谷口「・・・・・・俺は何一つ悪いことなんかしてないはずだ・・・なのになんで」

781 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 22:34:40.68 ID:GyF5I0dJO

キョン「よう長門、今日もいいスカートのめくれ方だな」

長門「変態、見ないで」

キョン「常時めくれてるんだ、嫌でも目につくぞ」

長門「変態は成敗」

キョン「理不尽なっ!?」

長門「ヒップアタックデストロイヤー」

キョン「白色が迫ってくるっ!?」

長門「血がついた、誤解されるかも」

786 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/18(月) 22:53:40.63 ID:GyF5I0dJO

長門「どうしたの」

みくる「いっいえ、な、なんでもないですよっ」

長門「かなり挙動不審」

みくる「す、スカートがい、いつもめく、れ、れてる人に、言われたくないですぅ」

キョン「入るぞ」

どんっ

みくる「きゃっ!?」

キョン「うわっ!?」

みくる「うぅ・・・痛いです・・・あっ!」

キョン「朝比奈さん大丈夫ですか?立てますか?」

みくる「だっ大丈夫ですっ!逆にちょっと気持ちよかったです!」

長門(漏れたな)

キョン「・・・・・・朝比奈さんMだったんですか?」

みくる「そっそうじゃなくて!うわあぁぁぁぁん!」

851 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/19(火) 11:15:18.50 ID:dQBN/BJrO

古泉「まさか、涼宮さんが本当にこの店にいるなんて」

長門「私の言ったとおり」

ハルヒ「知らない人に連れてこられたの」

古泉「それって犯罪のにおいがしますよ」

鶴屋「ささっ、みんな飲んでくれにょろ」

古泉「これってお酒では」

鶴屋「ノンアルコールっさ」

古泉「でも、これを飲んだ長門さんがあんなになってますけど」

長門「うがぁぁぁぁぁあ!キョンのバカやろうぉぉぉ!私は諦めないぞぉぉぉぉぉ!」

ハルヒ「ちょと有希、それってどうゆうことよ!?あたしだって諦めたわけじゃないんだからね!」

古泉「やれやれ、彼の恋はまた一波乱ありそうですね」

鶴屋「格好いいセリフ言ってるけど、ズボンが裏表反対にょろ」

古泉「これがニューファッションですよ、絶対流行ります」

鶴屋「そんなわけないっさ」

終わり



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