ハルヒ「大学生活…つまんないな」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 02:57:46.26 ID:iNTIIkpR0

北高を卒業して早や3ヶ月、私はSOS団の皆とは違う大学に進学した。
大学なんて退屈なもので、毎日をなんとなく過ごしていた。

ハルヒ「(探検サークル入ってみたけど、結局ヤリサーじゃない。デカけりゃいいと思って。)」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 03:03:34.86 ID:iNTIIkpR0

ハルヒ「何か新しいことないかしら―」

ヒラリ

足元に、まるで私の心を読んだかのようなタイミングでチラシが舞い込んできた。

ハルヒ「スーパー・・・フリー・・・?」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 03:06:43.65 ID:iNTIIkpR0

ハルヒ「どこかで聞いた名前ね・・・確か」

「よっ、ハルヒじゃないか」

平日の昼間の、人気の少ない駅のホームに、どこか懐かしい声が響く。

ハルヒ「キョン!・・・久しぶり!」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 03:10:13.51 ID:iNTIIkpR0

キョン「俺な、実はお前の大学のサークルに入ったんだ。」

ハルヒ「へえ。うちの学校にしかないサークルなんかあったかしら?」

キョン「まあ、な。俺が高校の時からやりたいと思ってたサークルだ。」

キョン「あ・・・お前、それだよ。お前が持ってるチラシ。それが今俺が所属してるサークルだ。」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 03:15:47.13 ID:iNTIIkpR0

息を呑んだ。
思いだした、スーフリだ。主催者が逮捕されたヤリサーだ・・・!
なんでキョンはこんなものに?って言うか、なんでまだ存在してるの?
私は頭が混乱して、言葉を失ってしまった。

キョン「あ、お前。疑ってるだろう。ヤリサーとかってさ。」

ハルヒ「だ・・・だって ニュースで見たことあるわよ!このサークル!」

キョン「お前なあ、そんなもん潰れたに決まってるだろうが。俺がやってるのは別物。名前がかぶっただけだろう」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 03:22:21.65 ID:iNTIIkpR0

ハルヒ「そ・・・そうだよね」

キョン「そうそう」

正直、安心した。
キョンがそんなことする訳ない。きっと暇人サークルか何かだろう。

キョン「そうそう。お前も遊びに来いよ。どうせ、面白いことがなくて退屈してるんだろう?それに長門や朝比奈さんも居るぞ」

ハルヒ「え、有希とみくるちゃんも・・・?」

すっかりキョンに心を見透かされてしまった私は、早速翌日のサークル活動―といっても飲み会だけど―に参加することになった。
またSOS団の皆に会える・・・。大学では特に仲のいい友人もできなかった私は、もうどうしようもなくそれが楽しみだった。

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 03:28:44.85 ID:iNTIIkpR0

―翌日
講義の後の雑談を早々に切り抜けた私は、冒険サークルの活動なんて完全に忘れて、待ち合わせの駅まで飛んでいった。
夕方まで授業があったため、もう飲み会は始まっているらしい。私は途中参加という形でキョンに駅まで迎えに来てもらった。
キョンは、昨日のだらしないTシャツから一転、派手目なドレスシャツを着て、ボタンを真ん中ぐらいまで開けていた。

ハルヒ「ちょっと、キョン・・・飲み会なのにそんなハデな格好なの?」

キョン「ああ、これな。飲み会っていうか、パーティだな。俺らのサークルではいつもこんなんだ。」

少し、いやな予感が脳裏を過ぎったが気にしないことにした。
有希やみくるちゃんがいるんだから大丈夫―そう自分に言い聞かせて。

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 03:33:36.58 ID:iNTIIkpR0

私がキョンに連れて行かれた先は、とある雑居ビルの地下にあるクラブだった。
厚い扉を開けて中に入ると、そこには多くの人―100人ぐらいは居るだろうか―が、思い思いに「パーティ」を楽しんでいるようだった。

キョン「今日は貸切だからな、みんな仲間だ。」

キョンはニヤリと妖しい笑みを浮かべて、挨拶をしようと言って私を奥に連れて行った。
―私の腰に、手を回して。

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 03:40:38.13 ID:iNTIIkpR0

だんだん不安になってきた私を尻目に、キョンは調子よさそうにすれ違ったメンバーに挨拶をする。
私はただ、キョンを信じるしかなくて、少しうつむきながら連れられていった。
私たちは何回か扉をくぐり、どんどん奥へ奥へと進んでいった。

キョン「ほら、ご対面だぞ」

キョンの言葉で顔をあげると、そこはまるで高級ホテルのスイートルームみたいな豪華な部屋だった。
その真ん中、フカフカのソファーに男が腰掛けていた。

ハルヒ「(…こわい…)」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 03:44:37.46 ID:iNTIIkpR0

私が怖くなって肩をすくめていると、男は立ち上がり、すぐ目の前にやってきた。
「お久しぶりです、涼宮さん。」

・・・あれ?
ハッっとして男の顔を見ると、懐かしい笑顔が私を見下ろしていた。

ハルヒ「古泉くん!」

キョン「だから緊張することないだろ。こいうことだ。」

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 03:51:58.84 ID:iNTIIkpR0

話によると、私を除くSOS団の皆はそれぞれ違う進路を選んだものの、
偶然参加したこのサークルにて再開したというのだ。
その中でも古泉君は1年生ながらに光るものがあり、たちまちパーティを仕切るまでになったのだった。

ハルヒ「じゃあ・・・これはただのパーティなのね」

キョン「そういう事。何だと思ってたんだいったい。」

古泉「ええ。涼宮さんも羽を伸ばして楽しんでくださいね。」

いったいなんのサークルなのかは明確にならなかったが、あまり危険を感じなかった。
日ごろのストレスもあったし、私はキョンや、初めて会う男子たちと乾杯をし、パーティを楽しむことにした。

ハルヒ「ところでキョン、有希やみくるちゃんは?」

キョン「フフ、あとで会えるよ。今はちょっとアレだ、取り込み中というやつだ」

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 03:58:55.26 ID:iNTIIkpR0

まあ、そのうちやって来るだろうと思いつつ、私は久々の感覚に身を委ねた。
流れる音楽に身をゆらし、久々に会う仲間や新たな仲間と楽しいひと時を過ごした。
どれぐらい時間がたったのか、私はラウンジにあったソファーで目を覚ました。どうやら寝てしまったらしい。
今何時だろう…そんなことを考えながら体を起こした瞬間、誰かに手首を引かれて再びソファーに転がった。

キョン「ハルヒ…もっと寝顔見せろよ」


あのSOS団で雑用としてパシリにされていたキョンが今、はだけたシャツから素肌を露出させ横で寝ている。
―獣のような目をしながら。

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 04:04:01.12 ID:iNTIIkpR0

「  こわい  」
素直にそう思った。
正直、キョンには好意を寄せていた。高校時代も、昨日も今日も。
でも、いま目の前にいるキョンは、私のわがままにツッコミを入れてくれる、いつものキョンじゃない。
いつだって眠そうにして、だるいだるいと言っているキョンなんかじゃない。

ハルヒ「ちょ・・・!やめなさ

言うより早く、私はキョン抑えつけられてしまった。
なにかこう、絶対的な力で抑え込まれたような感じがした。

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 04:08:12.60 ID:iNTIIkpR0

キョン「なぁ・・・いいだろ」

ハルヒ「離しなさい・・・!」

キョンが耳元で呟く。その吐息が耳にかかり、とても気持ち悪い。
やがてキョンはゆっくりと、やらしげに私の耳をなぞり始めた。

ハルヒ「・・・!!」

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 04:12:06.27 ID:iNTIIkpR0

今まで感じたことのない感覚が背筋を緊張させた。
私はそれが悔しくて、無理やり体を反転させてキョンの顔を睨み付けてやった。

ハルヒ「・・・?」

そこには、さっきのキョンじゃなくて、いつものキョンの顔があった。しかも今にも泣き出しそうな顔で。

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 04:15:47.07 ID:iNTIIkpR0

意味が分からない。なんでキョンはこんな顔をしだしたのだろう?

キョン「ごめんな・・・ハルヒ」

ポっと出たキョンの言葉に、ますます私は混乱する。

ハルヒ「な・・・!」

キョン「俺な、ハルヒ。聞いてくれ。お前のことが好きだよ。いや、今に始まったことじゃなくて」

すっかりキョンだ・・・口調も、その表情も。
私は夢でも見ているのか、見ていたのか。もうまったく区別がつかなかった。

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 04:21:08.35 ID:iNTIIkpR0

キョン「だから昨日会ったとき・・・つい誘っちまって。ほんとにここはただの飲みサーだから、普通に飲んで話せればなって」

キョン「でも昨日の晩から一緒に居て、お前いきなり寝始めるし…」

キョン「最初は眺めてるだけで幸せだったんだが…俺、もうガマンできなくて…独り占めしたくて…」

ここまで言って、キョンは泣きべそをかきはじめた。
いつもなら壁まで吹っ飛ばすほどの顔の近さだったが、今はキョンがそう、

愛しかった

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 04:24:19.75 ID:iNTIIkpR0

私は間違いなくキョンが好きだ。たった今、再確認した。
キョンの目は純粋で、ウソなんかついていなかった。

「・・・許すわ」

「・・・え?」

「…許すわよ…キョン・・・なら」

104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 04:27:58.54 ID:iNTIIkpR0

キョン「だって俺…お前にあんなこと…」

キョン「俺…最悪だよ…?」

ハルヒ「あんたが最低なの…知ってるよ。だからもういい」

キョン「ハルヒ…」

ハルヒ「………」

私はキョンの髪を引っ張って、顔を密着するほど近づける。

ハルヒ「……いいよ」

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 04:31:19.72 ID:iNTIIkpR0

キョン「ハルヒ…ほんとにいいのか…?」

キョンの声に抑揚が戻った気が。
だけどそんなことはよかった。
私がキョンとつながりたかったから。

ハルヒ「いいってば・・・」

キョンはいきなり上半身を起こし、うれしそうに言った。

キョン「それじゃ、
     お ー い 、 み ん な ー 」

(完)

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 04:34:33.79 ID:iNTIIkpR0

エピローグ

「「やられた」」その言葉が頭を完全に貫いた瞬間。
最後に聞いた音は、ドアが派手に開く音、
最後に見たものは、
そのドアの向こうの部屋の、大きなベッドの上でボーっとこちらを見る、髪の乱れた、全裸の有希とみくるちゃん。

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 04:39:16.76 ID:iNTIIkpR0

おわりです
なんか大衆受けしないとはいえ、少し嫌になったので無難に終わらせました
その後の憶測はどうぞご自由に、ただ危険な思考はやめてくれww

※このSSはフィクションです。実在する団体・人名には一切関係ありません。



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