国木田「最近佐々木さんと仲いいよね」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 07:54:11.16 ID:dQIeeQav0

キョン「そうか? まあ同じ塾に通ってるからいっしょにいることは多いけどな」

国木田「もしかしてもう付き合ってるの?」

キョン「な、そんなはずないだろ。あいつはただの友達だ」

国木田「本当に?」

キョン「なんだよそれ。嘘ついてどうすんだ」

国木田「ふーんそう…」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 08:08:11.54 ID:dQIeeQav0

キョン「なんで急にそんなこと聞くんだ?」

国木田「んー、べつに。ちょっと気になっただけだよ」

国木田「佐々木さんと仲よくなってから、キョン全然遊んでくれないからさー」

キョン「おまえな…俺はおまえと違って頭良くないから、いつまでも遊んでるわけにはいかないんだよ」

国木田「佐々木さんとは遊ぶのに?」

キョン「だから遊んでないっつうの」

佐々木「なんの話だい?」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 08:38:07.41 ID:dQIeeQav0

国木田「あ…佐々木さん」

佐々木「楽しそうだね。なんの話?」

キョン「おう。こいつが俺とおまえが付き合ってるんじゃないかとかわけのわからんことを疑ってるんだ。何とか言ってやってくれ」

佐々木「へえ…さすが国木田だ。観察眼がするどいね」

国木田「え?」

キョン「は?」

国木田「ってことはキョン、やっぱり…!」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 08:41:57.20 ID:dQIeeQav0

キョン「おい! おまえ何言ってんだ!」

佐々木「くっくっ。冗談だよ。ムキになるなよキョン」

キョン「この野郎…」

国木田「えっ。つまり…どういうことなの?」

キョン「嘘に決まってんだろ嘘に。そんなわけあるか」

国木田「なんだ…」

佐々木「…でもキョン。そんなに激しく否定されるとさすがに僕でも傷つくな。一応僕は君と親しくしている女子の一人じゃないか」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 10:59:21.75 ID:dQIeeQav0

キョン「何言ってんだ。おまえまで」

佐々木「僕はいつでも君と付き合う用意はできているつもりだよ。むしろそれを望んでいる。
     だけど告白というのは一般的な考えでみれば男性からするものだろう? だから待っているんだよ」

国木田「…!!」

キョン「んな…」


佐々木「…冗談だよ。前にも言ったけど、僕は恋愛なんて精神病に過ぎないと思っているからね。そんなことは考えてもいないさ」

キョン「…おまえなぁ」

佐々木「くっくっ。君は本当にからかいがいがあるな」

国木田「……」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 11:04:28.53 ID:dQIeeQav0

キョン「おまえ冗談にもほどがあるぞ。ちょっと」

佐々木「冗談? 本当に冗談だと思ったのかい?」

キョン「だからいい加減にしろって」

佐々木「くっくっ」

 ガタッ

キョン「? おい国木田? どうした?」

国木田「……」

キョン「おいどうしたんだよ。トイレか? おい」


佐々木「…どうしたんだい彼は?」

キョン「さあ…なんなんだ」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 11:11:33.17 ID:dQIeeQav0

 キーンコーンカーンコーン

国木田「…ふう」

キョン「おーい国木田ー。待てよー」

国木田「? えっ…キョン?」

キョン「おう。もう帰るのか? だったらいっしょに帰らないか?」

国木田「え…ほ、本当に?」

キョン「何がだ」

国木田「だってキョン、今日は塾の日じゃ…」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 11:13:49.77 ID:dQIeeQav0

キョン「あー…なんかめんどくさいな。今日はサボるよ。」

国木田「い、いいの?」

キョン「いいんだよ。俺にしては珍しくほぼ毎日サボらず律儀に通ってるんだ。たまに休養を取ったってバチはあたらないだろ」

国木田「……」


国木田「…もう。あいかわらずいい加減だなぁ」

キョン「はっはっは」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 11:21:29.04 ID:dQIeeQav0

 テクテクテク

キョン「なあ」

国木田「ん? なに?」

キョン「おまえさっきなんで急にいなくなったんだ?」

国木田「えっ…ああ。いや、別にたいした理由はないよ」

キョン「なんか怒ってるように見えたけどな。俺の勘違いか?」

国木田「怒ってなんかないよ」

キョン「そうか。ならいいんだけどな。もしかしておまえ、佐々木のこと好きなのかと一瞬思っちまったよ」

国木田「まさか。僕はキョンと違って変わった女の子を好きになったりしないから」

キョン「おいなんだそれ。そんなことないぞ。俺はいたって普通の可愛らしい子が好きなんだ」

国木田「ははは」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 11:29:31.33 ID:dQIeeQav0

国木田「でもさ、本当に佐々木さんと仲いいんだね、キョン。ちょっとビックリしたよ。いや、付き合ってなくてもさ」

キョン「そうだな…まあ、話しやすいヤツではあるよな」

国木田「…佐々木さん、可愛いしね」

キョン「俺にはそこんとこがよくわからんな。そんな風に見たことはない」

国木田「本当に?」

キョン「ああ」

国木田「ふーん…」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 11:30:16.27 ID:dQIeeQav0

キョン「…しかし、こうやっておまえと二人で帰るのも、なんかちょっと久し振りだな」

国木田「…そうだね」

キョン「いつ以来だ?」

国木田「キョンが塾に通うようになってからは、キョンはずっと佐々木さんと帰ってるよ」

キョン「寂しかったか?」

国木田「な、なんだよそれ」

キョン「はは。冗談だ冗談。真に受けるなよ」

国木田「……」


国木田「…寂しかったよ」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 11:35:36.64 ID:dQIeeQav0

キョン「は?」

国木田「寂しかったよ。あたり前じゃん」

国木田「だって、キョンと僕はずっと二人で帰ってたんだよ? 中一の時からずっと。それなのに、急にそうじゃなくなったら寂しいに決まってるじゃん」

国木田「……」

国木田「なんだよ。キョンだけたまたま佐々木さんと仲良くなったからってさ。僕はそれからずっと一人で帰ってたんだ」

キョン「く、国木田?」

国木田「それなのに全然キョンは気付いてもくれなかったじゃん。ほったらかしだったじゃん。なんだよそれ」

国木田「ひどくないか? だって中学に入って一番最初に友達になったの僕たちだろ? それなのに佐々木さんと帰るの? ねえ」

キョン「く…」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 11:51:58.14 ID:dQIeeQav0

国木田「……」

キョン「ど、どうしたんだよ急に…」

国木田「…やっぱり一人で帰る」

キョン「お、おい国木田っ」


キョン「国木田…」

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 19:37:35.30 ID:dQIeeQav0

─────

キョン「……」

佐々木「やあ、キョン。おはよう。いい朝だね」

キョン「おう。佐々木か」

佐々木「昨日はどうして塾に来なかったんだい? 僕はいつも通り君が迎えに来てくれるを待って時間ギリギリまで家で待機していたんだよ」

キョン「ああ、悪い…」

佐々木「もしかして風邪ても引いた?」

キョン「いやそういうわけじゃないんだ。ただなんとなく、昨日は急にめんどくさくなったから」

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 19:46:03.59 ID:dQIeeQav0

佐々木「はあ…君というヤツは。今だに受験生としての自覚が足りないようだね。北高目指してるんだろ? そんな不明瞭な理由で休んじゃマズいんじゃないかい」

キョン「いいだろ一日くらい。たまには羽伸ばさないとやってらんねえよ」

佐々木「…それだったら僕を誘ってくれたってよかったじゃないか。いくらでも付き合ってあげたのに」

キョン「真面目に勉強しておまえまで巻き込むつもりはないさ。それより国木田は…」

佐々木「国木田がどうかしたの?」

キョン「いや、昨日ちょっとな…まだ来てないのか」

 ガラガラッ

国木田「……」

キョン「あ」

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 19:55:01.78 ID:dQIeeQav0

キョン「国木田…」

国木田「……」

キョン「あ…のさ。昨日は…っていうか、今まですまんかった。俺、おまえの気持ち、なんにも考えてなかった」

国木田「…キョン」

キョン「そうだよな。おまえからすれば俺は裏切ったも同然だ。すまん。許してくれとは言わないけど、謝る」

国木田「……」


国木田「…うん、いいんだ。僕の方こそ昨日はごめんよ。なんか興奮しちゃって」

123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 19:59:07.55 ID:dQIeeQav0

キョン「いや、そんな」

国木田「…ごめんね」

キョン「いいよ。でも、よかったぜ。おまえが許してくれて」

キョン「…国木田、今日放課後、暇か? よかったら久し振りに俺んち、遊びに来ないか」

国木田「えっ、いいの?」

キョン「ああ。今日は塾もないしな。来てくれよ」

国木田「うんっ、喜んでいくよ」

佐々木「僕も行っていいかな」

176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 00:19:49.10 ID:T7TaSaxR0

国木田「えっ」

佐々木「そういえば君のうちには何度か訪ねたことがあるが、まだ中に入ったという経験はないからね。
     君たち二人との親交も深めたいと思うし、僕も参加して構わないだろう?」

キョン「んー、そうだな。俺は構わないけど」

国木田「!」

佐々木「君はどうかな、国木田」

国木田「…うん、僕もべつに、いいよ…」

佐々木「……」


佐々木「そうか。それじゃあ、これからの授業の時間は放課後を楽しみにしながら過ごすとしよう」

181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 00:24:26.81 ID:T7TaSaxR0

佐々木「キョン」

キョン「ん、なんだ佐々木?」

佐々木「さっきの君と国木田の会話を聞いていた限り、君たちはどうやらケンカをしたみたいだったね。いったい何があったんだい?」

キョン「あー。別にたいしたことじゃねえよ」

佐々木「教えてくれないかな」

キョン「いや、前はずっと帰りは国木田といっしょだったのに、最近は全然帰ってなかったからさ、それであいつがちょっと怒ったんだ」

佐々木「…へえ。そんなことで?」

キョン「ああ。驚いたけどな。まさかあの国木田が怒るとは思わなかったからな」

佐々木「ふーん…」

184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 00:27:59.03 ID:T7TaSaxR0

佐々木(……)

佐々木(前々から少し怪しいとは思っていたけど…)

佐々木(なるほど、そういうことか…)

キョン「佐々木? どうした?」

佐々木「え? ああ、いや。なんでもないさ。少し考え事をしていただけだよ」

キョン「考え事?」

佐々木「ふふ。君とはまったく関係のないことさ。心配しないでくれたまえ」

189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 00:34:37.90 ID:T7TaSaxR0

─────


 ガチャ

国木田「おじゃましまーす」

佐々木「失礼します」

妹「わーささちゃんに国木田くんだ〜。いらっしゃーい」

佐々木「やあ妹さん。元気だったかな。くっくっ、君はあいかわらず実に愛らしいね。キョンにも少しその可愛らしさを分けてあげたらどうだい」

キョン「余計なお世話だ。じゃ、上がってくれ。俺飲み物取ってくるから。国木田俺の部屋わかるよな?」

国木田「あ、うん。もちろん」

191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 00:40:25.41 ID:T7TaSaxR0

佐々木「ふーん…これがキョンの部屋か。なかなか綺麗に片付いているじゃないか。感心したよ」

キョン「汚いのは好きじゃないからな」

国木田「……」

キョン「? どうした国木田」

国木田「あ、いや。全然変わってないなーと思って」

キョン「? まあ変わっちゃいないけど、そんな感傷に浸るようなもんでもないぞ、俺の部屋なんか」

国木田「そうだけどさ。なんか懐かしくなっちゃったよ」

キョン「そういや前は毎日のように来てたもんな。まったく飽きずによく遊んだもんだ」

国木田「そうだねー」

佐々木「……」

195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 00:56:35.04 ID:T7TaSaxR0

佐々木「おや、キョン。机の上にテキストが出されているね。家に帰ってからも勉強しているのかい。熱心だな」

キョン「ん? ああ、まあ軽く復習くらいはな。じゃなきゃいっさい頭に残らんし、塾行ってる意味もなくなっちまうからな」

佐々木「ほうほう。それは感心だ。それで勉強ははかどっているのかい?」

キョン「んー…まあ、ボチボチな」

佐々木「もし、わからないことがあったらいつでも僕に電話してくれたまえ。塾が終わった後でもいつでも付き合うよ」

キョン「本当か? 悪いな佐々木」

佐々木「いいんだ。僕も君の成績が伸びてくれたら嬉しいよ。いっしょの塾に行ってる仲間どうし、頑張ろうじゃないか」

キョン「? ああ」

国木田「……」

253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 10:19:47.13 ID:T7TaSaxR0

佐々木「それじゃあ、せっかくキョンが飲み物を持ってきてくれたことだし、乾杯といこうか」

キョン「オレンジジュースで乾杯も何もあったもんじゃねえだろ」

佐々木「いいじゃないか。僕はこの乾杯というのが実に好きでね。心の中に思い出を残すための重要な作業なのだよ」

キョン「ま、いいけど。で、何に乾杯する?」

佐々木「そうだな。では、僕たちの変わらない永遠の友情を願って。乾杯」

キョン「やれやれ。乾杯」

国木田「…乾杯」

255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 10:22:51.36 ID:T7TaSaxR0

─────

キョン「よっ、ほっ。よっしゃーまた一位だ」

国木田「くっそーキョンには敵わないなぁ」

キョン「相変わらず下手くそだなぁ国木田。成長が見られないぜ」

佐々木「……」

キョン「しかし意外だな。なんでもこなす佐々木でもマリオカートはダメだったか」

佐々木「僕はゲームはあまりやらないからね」

国木田「そうだよね。佐々木さんは女の子だもんね。しかたないさ」

佐々木「……」

256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 10:26:12.03 ID:T7TaSaxR0

国木田「ね。も一回やろキョン。次は勝つから」

キョン「ふっ。無駄な努力だな国木田。いくらでも受けて立ってやろうじゃないか」

佐々木「…僕はちょっと見学してるよ」

キョン「そうか。よしんじゃ…だから国木田、ワリオなんか使ってるからおまえは遅いんだぞ」

国木田「いいじゃんか。僕この声好きなんだよ」

佐々木「……」


佐々木「……」

 ゴソゴソ

佐々木「…おや? これは…」

257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 10:29:59.64 ID:T7TaSaxR0

キョン「オラオラオラっ。遅いぞ」

国木田「くそーっ」

キョン「ほい勝ちー…って、んなあーー!!」

国木田「え?」

佐々木「……」

キョン「お、おい佐々木! 何見てやがんだ! それどっから見つけてきた!」

佐々木「おやキョン。これはすまない。くっくっ。でも君もこういう本を見るんだね」

258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 10:34:29.46 ID:T7TaSaxR0

キョン「馬鹿返せ!! 見るな!!」

佐々木「いいじゃないか。健康な男子だったらこれくらい見るの普通だよ。でもキョン、隠すならもう少しわかりずらい所に隠したほうがいい。
     ベッドの下なんて誰でも思いつくような場所に隠していたら、母親や妹さんにまで見つかってしまうかもしれないよ」

キョン「やかましい返せっ!」

佐々木「もう少し見せてくれよ。僕はこういう本見たことないから興味があるんだ。…へえこれは過激だな。漫画もあるのか」

キョン「やめてくれ! 俺が悪かった!」

佐々木「国木田。どう思うこういう本。君は見たことあるかな」

 バッ

国木田「…!!」

259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 10:37:52.27 ID:T7TaSaxR0

キョン「やめぇーーー!!」

佐々木「ほらほら。これなんてすごいよ。輪姦ものだ」

国木田「や、やめてよ…」

佐々木「? おや、君はこういう本に慣れてないのかい。珍しいね」

国木田「しまってよ…」

キョン「そうだしまえ! ていうか没収だ!!」

 バッ

佐々木「おや残念」

260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 10:43:26.75 ID:T7TaSaxR0

キョン「はあはあはあ」

佐々木「そんなに興奮しなくてもいいじゃないかキョン。さっきも言ったけど、これくらい普通のことなんだよ。僕らの歳で自慰をしない男子なんて一割にも満たないんだ」

佐々木「それに比べて国木田、君は本当にウブだな。まるで汚れをしらない少女のようだよ」

国木田「……」

キョン「佐々木…頼むから、他の女子には言うなよ」

佐々木「くっくっ。心配しなくてもそんなことは言わないさ。でも、安心したよ。君は、女の子が好きなんだね?」

キョン「は? 何言ってんだ。あたり前だろうが」

佐々木「そうか。いや、同性愛者というのは意外と多くいると聞いたことがあるからさ。君がそうじゃなくてよかった」

キョン「何言ってんだおまえ」

国木田「……」

佐々木「くっくっ」

264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 10:52:05.47 ID:T7TaSaxR0

─────

キョン「そういや佐々木、おまえまだ志望校決まってないって言ってたけど、結局どうなったんだ?」

佐々木「ああ…実はね。親に市外の私立の高校を受けろと言われてしまったんだ。おそらくそこに行くことになると思う」

キョン「ああ。あの頭いい学校か。まあ佐々木なら楽勝だろ」

佐々木「そうでもないよ。と、いうより…僕も本当は北高に行きたかったんだけどね」

キョン「北高? おまえがそんなとこ行ってどうすんだよ。もったいないだろ」

佐々木「くっくっ。君は本当に鈍いんだな。まあいいさ。高校が違えど、僕たちの友情は変わらないよ、キョン」

キョン「? ああ」

佐々木「君はもう志望校は決まったのかい? 国木田」

国木田「えっ、僕?」


国木田「…僕は、多分…北高を受けると…思う」

265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 10:56:38.92 ID:T7TaSaxR0

佐々木「!? なっ…!」

キョン「は? 国木田が北高? なんでだよ。おまえだってもっと上のとこ行けるだろ」

国木田「…いいんだ。自分のペースでやっていきたいから。頭のいい学校には行きたくないんだ」

キョン「ふーん、そうか。でも仲のいいヤツがいっしょの所目指してくれるとありがたいぜ、頑張ろうな国木田。おまえは楽勝だろうが」

国木田「う、うん…」

佐々木「ちょ、ちょっと待ってくれ国木田」

国木田「何?」

佐々木「ぼ、僕はそういうのはどうかと思うな。卑怯だと思わないのかい」

267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 11:08:19.26 ID:T7TaSaxR0

国木田「な、なんだよそれ」

佐々木「僕はね、しかたないけど、自分の学力に見合った学校へ行くことを決めたんだ。しかたないけどね。でもそれが正しい姿だろう。
     それなのに君はずるしてまで北高へ行こうって言うのかい。卑怯だよそれは」

国木田「な、なんだよ。なんで佐々木さんにそんなこと言われなきゃなんないんだ。それにどこが卑怯なんだよ」

佐々木「自分の胸に手を当てて考えてごらんよ。君の考えていることはもう僕にはわかってるんだ。どうして北高を選んだかもね」

国木田「!? なっ…」

佐々木「キョン。僕は決めたよ。今決心した。僕は意地でもあと4か月で君の学力を今の倍まで引き上げる。そして僕といっしょの高校に行こう」

キョン「あ!? 何言ってんだそんなの無理に決まってんだろ! 内申点だってあるし」

佐々木「いやできる。勉強時間を今の3倍にすればいいんだ。塾が終わった後いくらでも面倒を見る。国木田、君は望みどおり自分のペースで北高に行くとすればいい」

国木田「ちょ、ちょっと待ってよ!!」

キョン(なぜいきなりこんな険悪なムードになっているんだ?)

271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 11:22:44.87 ID:T7TaSaxR0

国木田「卑怯卑怯って言うけどさ、そんなの佐々木さんの方がずっと卑怯じゃないか!」

佐々木「それは君の方だろう!」

国木田「佐々木さんの方が卑怯だよ! 僕たちはずっといっしょだったんだ! それをいきなり出てきて横から奪おうっていうの!? なんだよそれ!」

佐々木「時間なんて関係ないね。問題は気持ちだろう」

国木田「気持ち!? 気持ちだって僕の方が佐々木さんよりよっぽど強いよ! それなのに行く学校にまで文句つけられるなんて冗談じゃないよ!」

佐々木「何お!!」

キョン「……」

272 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 11:25:04.63 ID:T7TaSaxR0

キョン「…あ、あの…そのですね」

キョン「話がさっぱり見えないんだが…とりあえず一旦落ち着かないか?」

国木田「キョンは黙ってて」

佐々木「君には関係のないことだよ」

キョン「あ、はい…」


キョン「……」

キョン「お、おれ、ちょっと飲み物取ってくるわ」

274 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 11:28:42.30 ID:T7TaSaxR0

キョン「…すまん、ちょうど飲み物切れちまった。妹がガブ飲みしてやがったみたいでな」

キョン「ちょっとコンビニ行ってついでにお菓子とかも買ってこようと思うんだが、おまえらも行かないか?」

佐々木「君一人で行ってきてくれ。僕は彼と少し話したいことがある」

キョン「あ、そう…じゃ、なんか欲しいものはあるか?」

国木田「キョンにまかせるよ」

キョン「あ、そう…」


キョン(なんだってんだいったい…)

283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 12:13:45.27 ID:T7TaSaxR0

─────

佐々木「……」

国木田「……」

佐々木「正直に言ってくれ」

国木田「…何」

佐々木「君はキョンのことが好きなんだね?」

国木田「……」


国木田「…そうだよ。悪い?」

284 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 12:14:26.40 ID:T7TaSaxR0

佐々木「ふう。開き直ったか。前々から君のキョンに対する態度はどこかおかしいとは思っていたけど…」

国木田「それは佐々木さんだって同じことでしょ」

佐々木「くっくっ。それは確かにそうだな。しかし、これで君と僕はライバルということになってしまった」

佐々木「…悪いけど、引くつもりはない。それに僕は男に負けるとも思っていない」

国木田「……」

佐々木「今のうちに諦めておいた方が身のためだと思うけどね、いくら中性的な顔立ちをしていても君は男なんだよ? そして彼ももまた男だ。わかっているのかい」

国木田「……」


国木田「…男だったら…どうしてダメなんだよ」

289 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 12:18:19.96 ID:T7TaSaxR0

佐々木「どうしてって…それは当然のことだろう。常識の問題だ」

国木田「僕とキョンはずっといっしょだったんだ…佐々木さんなんかよりもっと前から…」

佐々木「さっきも言ったけどね。時間は関係ないよ。それに君がいくら思っていようと、キョンは君のことをただの友達としか見ていないだろう」

国木田「……」

キョン「なにせ君は男なんだからね。これは大きなハンディだよ。君にとって」

国木田「……」


国木田「…うっ」

国木田「…グスッ…ズズッ…ひっく…」

290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 12:22:12.90 ID:T7TaSaxR0

佐々木「…泣いたって何も許されないし、君が男だという事実も変わりはしないよ」

国木田「うう…グスッ…ヒック…うううう」


 ガチャ

キョン「ただいま…ってちょ」

キョン「おい国木田、どうした!? なんで泣いてんだよ!」

国木田「ああああああああああん」

キョン「大丈夫かよ! おい佐々木、まさかおまえがいじめたのか!」

佐々木「…違うよ、キョン」

294 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 12:27:39.35 ID:T7TaSaxR0

キョン「じゃあなんで国木田泣いてんだよ! 説明しろ!」

佐々木「ちょっと言い合いになっただけさ。別にケンカってほどのことでもない」

国木田「ひっく…ひっく…」

キョン「おい大丈夫か国木田…泣くなよ…」

国木田「…グスッ…」


国木田「…ご…めん、キョン…」

キョン「どうしたんだ?」

国木田「なんでもない…ごめんよ…本当になんでもないんだ…」

キョン「国木田…」

佐々木「……」

302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 12:49:24.96 ID:T7TaSaxR0

国木田「ズズッ」

国木田「…あ、キョン、ジュース買ってきてくれたんだ。飲んでもいい?」

キョン「えっ? あ、ああ」

国木田「ありがとー。お金後で払うね」

キョン「いいよ、それくらい」

佐々木「僕も頂いて構わないかな」

キョン「ああ、好きなだけ飲んでくれ」

国木田「キョン、ゲームやろうゲーム。今度はスマブラやろうよ、ね」

キョン「いいけど…おまえ大丈夫なのかよ?」

国木田「平気だよ。ほら早くぅ」

キョン「……」

308 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 13:20:03.58 ID:T7TaSaxR0

─────

佐々木「ふう。すっかり遅くなってしまったね」

キョン「そうだな。そろそろ帰るか?」

佐々木「うん。あまり遅くまでいては君のご両親や妹さんにも迷惑をかけてしまうしね。夕食もそろそろできる時間だろう」

キョン「いや、今日は親いないし、妹は迷惑どころかいてくれたら喜ぶだろうからいいんだけどな」

国木田「えっそうなの?」

キョン「ああ。旅行に行ってるんだ」

国木田「ねっ、ねえじゃあ今日僕泊まっていってもいい? 久し振りに」

キョン「ああ、別に構わないぞ」

佐々木「ちょ、ちょっと待った」

310 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 13:24:06.13 ID:T7TaSaxR0

佐々木「国木田、君ってヤツは…」

国木田「なんだよ…」

キョン「?」

佐々木「それなら僕も泊まらせてもらうとしよう。監視が必要になりそうだからね」

キョン「は!? 何言ってんだおまえ、そんなことできるわけねーだろっ」

佐々木「どうしてだい? 僕たちは友達だろ? 何も問題はないじゃないか」

キョン「いや、でもおまえは女だろ…」

佐々木「僕は君や国木田のことは信頼しているよ。何も間違いは起こらないさ。別に起こっても構わないがね」

キョン「何を言ってんだおまえは」

313 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 13:27:02.87 ID:T7TaSaxR0

キョン「だいたいおまえの親が許さないだろうそんなの」

佐々木「大丈夫、女子の友達の家に泊まるとでも言っておくよ。ちょっと電話貸してもらえるかな」

キョン「でもなぁ…」

国木田「……」

佐々木「夕飯は僕が腕によりをかけて作らせてもらうとするよ。二人とも楽しみにしていてくれたまえ」

キョン「うーむ。いいのか本当に?」

国木田「……」

314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 13:31:31.28 ID:T7TaSaxR0

─────

佐々木「さて、では夕飯の用意にかからせてもらおうかな。キョン、冷蔵庫の中のもの、使わせてもらってもいいかい」

キョン「好きに使ってくれ。その代わりうまいメシ作ってくれよ」

佐々木「君は僕の料理の腕を知らないな? くっくっ。これは楽しみだ。きっと君は僕のことを劇的に見直すと思うよ」

キョン「そうかいそうかい」

佐々木「さてと…ん?」

国木田「…僕も手伝うよ」

佐々木「国木田…君に手伝ってもらわなくても一人で十分だ。キョンと妹さんとテレビでも見ていてくれ」

国木田「そういうわけにはいかないよ。一人だけ点数稼ぎなんてマネはさせない」

佐々木「……」

318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 13:36:14.69 ID:T7TaSaxR0

佐々木「君もなかなかにしつこい男のようだね。では、せっかくだし勝負というこうか?」

国木田「勝負?」

佐々木「君なら当然料理の一つくらい作れるんだろう? 二人で違うものを作って、それをキョンに判定してもらうのさ」

佐々木「別にこの勝負に負けたら彼から手を引け…なんて大人気ないことを言うつもりはないよ。ただ、お互いのプライドをかけた勝負といこう」

国木田「……」

国木田「いいよ。望むところじゃないか。受けて立つよ」

佐々木「くっくっ。すぐにまた泣きを見るはめになると思うけどね」

国木田「ふん」

322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 13:40:45.00 ID:T7TaSaxR0

 ジュウウウウウウウウウ…

佐々木「さてと…あとはこれを盛り付けて…」

国木田「……」

国木田(…目薬…目薬はどこだろう…多分冷蔵庫に入ってると思うんだけど…)

国木田(…あった)

佐々木「何をしているんだい? 国木田」

国木田「えっ? い、いや、なんでもないよ」

佐々木「そうか。ところで僕の料理はすでに完成した。早く君にも作ってもらわないと、冷めて味が落ちてしまうんだがね」

国木田「うん大丈夫。もう僕のもできるよ」

326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 13:45:24.72 ID:T7TaSaxR0

 ゴト

佐々木「おまちどうさま」

キョン「おうっ。こいつは旨そうだな。さすが佐々木だ」

妹「ささちゃんすご〜い」

佐々木「ふふ。見た目だけじゃないことは保障しよう。さあ食べてくれたまえ」

キョン「じゃ、いただき…」

国木田「あ、ちょっと待って。僕も佐々木さんとは別に作ってみたんだ。食べてよ」

キョン「えっ、おまえ佐々木の料理手伝ってただけじゃなかったのか?」

国木田「違うよ。僕は僕で作った。いいからどっちも食べてみて」

キョン「お、おう。んじゃ…」

329 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 13:48:20.21 ID:T7TaSaxR0

キョン「ムグムグ」

妹「おいじいい〜〜」

佐々木「……」

国木田「……」

キョン「…な、なんだよ。二人してじっと見んなよ」

佐々木「…どっちがおいしい?」

キョン「え、どっちって…おまえと国木田の料理のことか?」

佐々木「そう」

キョン「なんだおまえら、勝負でもしてんのか? うーんそうだなぁ…」

338 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 13:52:28.37 ID:T7TaSaxR0

佐々木「……」

国木田「……」

キョン「…ど、どっちも旨い…よ」

国木田「なんだよそれ」

佐々木「はあ…君はいつもそうやって優柔不断だからダメなんだ。きっと将来大変な目に会うよ」

キョン「いや…本当にもどっちも旨いから…決められねえよそんなの…」

国木田「ハッキリしてよ」

キョン「そんなこと言ったって」

344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 13:56:35.91 ID:T7TaSaxR0

国木田「もう…しょうがないな。僕らも食べようか、佐々木さん」

佐々木「むう…そうするとしようか。じゃあ、いただきます」

 パクパク

国木田「……」

佐々木「…ねえ、妹さんはどう思うかな。こっちとこっち、どっちがおいしいと思う?」

妹「え〜? うーんとねー。こっちかなぁ」

佐々木「!!!!」

国木田「えっ、本当? やったぁ」

キョン(うん、そうだな…国木田のヤツの方がちょっと旨い)

349 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 14:01:18.54 ID:T7TaSaxR0

佐々木「そ、そんなまさか…」

国木田「素直に負けを認めなよ、佐々木さん」

佐々木「く…でも今のは妹さんの意見だよ。キョンの意見はまだ聞いていない。キョン、どうなんだ。正直に言ってくれ」

キョン「あー、実はな…俺も国木田の方が旨いと思う。ちょっとだけな」

佐々木「!!!!」

キョン「いや、本当に少しだけだぞ? 佐々木のも十分すぎるほど旨いんだ。でも国木田のもおいしいから、な」

国木田「嬉しいよ。キョンにそう言ってもらえて」

佐々木「……」

352 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 14:05:07.39 ID:T7TaSaxR0

─────

佐々木「…国木田」

国木田「何?」

佐々木「今回は負けたけど、次はこうはいかない。覚えておいてくれ」

国木田「ふふ。わかった。覚えておくよ」

佐々木「くっくっ…余裕の笑みだな。でも君は……っ!?」

佐々木「あ、あれ…な、なんだ…?」

国木田「どうしたの、佐々木さん」

佐々木「…? わ、わからない…けど、なぜか急に眠く…」

 バタッ

佐々木「…くー…くー…」

国木田「……」

358 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 14:09:03.53 ID:T7TaSaxR0

キョン「ん、どうしたんだ」

国木田「…佐々木さん、寝ちゃった」

キョン「なにぃ!? ったく、こんなところでいきなり寝やがって。まだ10時前だぞ」

国木田「疲れたんじゃないかな。今日は結構遊んだもんね」

キョン「まったくだらしねえな…よっと」

国木田「!! あっ、いいよ! 佐々木さんは僕が運ぶから!」

キョン「そうか? 悪いな」

国木田「んしょっと…」

佐々木「くーくー」

388 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 14:47:13.36 ID:T7TaSaxR0

─────

キョン「そいつベッドに寝かせてくれ。俺らの分の布団も敷くから」

国木田「ん、わかった。…よいしょっと」

 ドサッ

国木田「ふう…女の子って結構思いんだね。知らなかったよ」

キョン「はっはっは。それ、佐々木が聞いてたら怒るぞ多分」

佐々木「くーくー」

389 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 14:47:57.52 ID:T7TaSaxR0

キョン「よっと。とりあえず用意はできたな。狭いけど簡便してくれ」

国木田「うん、いいよ全然」

キョン「どうする? うるさくしたら佐々木起こしちゃいそうだし、俺達ももう寝るか? まあしゃべるくらいなら平気だろうけど」

国木田「うーん…もう寝ようか。僕もちょっと疲れちゃったよ」

キョン「そうか。わかった。じゃあ電気消すぞ」

国木田「うん」

 パチパチ

キョン「…おやすみ国木田」

国木田「……」


国木田「…おやすみ、キョン」

390 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 14:49:43.58 ID:T7TaSaxR0

─────

キョン「かー…かー…」

 モゾモゾ

キョン「かー…う…うーん…」

 モゾモゾ

キョン「…んん? なんだ…」

キョン「……」

キョン「おわあ!!!」

国木田「……」

394 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 14:52:08.88 ID:T7TaSaxR0

キョン「く、くにっ…お、おまえ何やってんだ!!」

国木田「……」

キョン「な、なんで俺の布団の中にいるんだ。おい、寝ぼけてるのか?」

国木田「…キョン」


国木田「いっしょに寝ちゃ…ダメ…?」

キョン「は…?」

395 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 14:53:40.92 ID:T7TaSaxR0

キョン「な、何言ってんだ…?」

国木田「お願い…」

キョン「いやお願いって…意味がわからないんだが…」

国木田「キョンと寝たい…」

 ピタッ

キョン「…!!!」

キョン「お、おい…!!」

国木田「……」

400 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 14:57:46.64 ID:T7TaSaxR0

キョン(こ、こいつなんでこんなにいい匂いするんだ…しかも柔らかい…)

キョン「…あっ」ムクムク

国木田「あっ」

キョン「いやっ、ちがっ。これは違うんだ国木田。頼む誤解しないでくれ」

国木田「…いいよ。嬉しい」

キョン「な、何が…」


国木田「…キョン…」

キョン「く…」

キョン「くに…きだ…」

401 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 14:58:10.59 ID:T7TaSaxR0

佐々木「くーくー」

佐々木「くー…う…」

佐々木「うう…ううーーん…」

佐々木「くっ…ギリギリギリ」


佐々木「カッ!!」

403 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 14:58:45.50 ID:T7TaSaxR0

 ガバッッ

国木田「!!」

キョン「!!」

佐々木「……」


佐々木「…な…」

佐々木「何…を…してるんだい…?」

408 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 15:01:23.88 ID:T7TaSaxR0

キョン「さっ、佐々木…!!」

国木田(な、なんで?)

佐々木「何…してるの? 二人とも…」

キョン「あっ、違う!! 違う違う違う! 勘違いすんなよ、これは…」

佐々木「……」


佐々木「うっ」

佐々木「うあ…グスッ…ひっく」

佐々木「あああああああああああん」

412 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 15:04:23.49 ID:T7TaSaxR0

キョン「!!!」

佐々木「あああああああああああああああん」

キョン「佐々木、違うんだって、泣くな!!」

キョン(ていうかなんでこいつが泣くんだ?)

佐々木「ううっ…ひっぐ…あううう…グスッ」

佐々木「ひ…どい…よ…キョン…なんで…あたしじゃなくて…国木田…」

キョン「何言ってんのかわかんねえよ!」

佐々木「あああああああああああん」

418 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 15:07:05.63 ID:T7TaSaxR0

キョン「さ、佐々木。頼む、頼むから落ち着いてくれ」

 ガチャ

妹「…どうしたのぉ?」

キョン「な、なんでもないんだ。おまえは寝てなさい」

妹「ささちゃん大丈夫ぅ?」

キョン「大丈夫大丈夫。ほら自分の部屋に戻った戻った」

妹「ぷーん」

佐々木「ひっぐ…ひっぐ…」

国木田「……」

420 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 15:09:56.99 ID:T7TaSaxR0

─────

佐々木「……」

キョン「…落ち着いたか」

佐々木「…うん」

キョン「はあ…なんかよくわかんねえけど、今日はもう寝ろ。国木田も」

国木田「…うん…」

国木田(ちぇっ)

佐々木「……」


佐々木「…ズルい…」

424 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 15:12:58.76 ID:T7TaSaxR0

キョン「? 何がだ」

佐々木「あたしもキョンと寝る」

国木田「!!」

キョン「おまえら…さっきからちょっとおかしいぞ。なんなんだいったい」

国木田「ダメだよそんなの」

佐々木「どうして? 国木田だけズルいよ、そんなの」

国木田「君が寝てたから悪いんだ」

佐々木「関係ないよそれは」

国木田「関係あるよ」

キョン「頭痛くなってきた…」

430 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 15:18:33.36 ID:T7TaSaxR0

佐々木「キョン。いっしょに布団に入ろう。いいよねそれくらい? 僕たちは親友なんだから」

キョン「ダメに決まってんだろ」

佐々木「どうして? さっき国木田とはいっしょに布団に入っていたじゃないか」

キョン「あ、あれは…」

国木田「わかった。じゃあこうしよう」

キョン「?」

国木田「三人でいっしょのベッドで眠ることにしようよ。それで同条件だ」

キョン「おい何をわけのわかんないことを」

佐々木「それじゃあさっきいっしょに布団にいた分君が得してるじゃないか。何をしたかは知らないけど」

国木田「だからさっきも言ったけど、あれは先に眠った君が悪い。これは僕からの最大限の譲歩だ。これ以上を望むなら、僕も引けないね」

佐々木「……」

439 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 15:23:29.69 ID:T7TaSaxR0

─────

キョン「…あの」

佐々木「なんだい、キョン」

キョン「すっごく狭い…ていうか重たいんだけど…」

佐々木「しかたないじゃないか。このベッドは狭いからしょうがないんだ。それとも何か、君は僕や国木田を下にしようと言うのかい」

キョン「いや…別々に寝れば済むんことなんじゃ…」

国木田「そういうわけにはいかないんだよ。我慢してよキョン」

佐々木「キョン…君は暖かいな。それにいい匂いがするよ。それに…意外と逞しい体をしているね」

 きゅっ

国木田「ちょっと」

佐々木「なんだい」

キョン「腰が…」

442 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 15:26:43.44 ID:T7TaSaxR0

─────

 チュンチュン…

キョン「…ん…」

キョン「…おい、朝だぞ。どけ、どいてくれ」

佐々木「…ん…」

国木田「…よっと」

キョン「はあ…」


佐々国(結局一睡もできなかった…)

446 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 15:28:32.52 ID:T7TaSaxR0

キョン「…朝飯食ったら帰ってくれ」

佐々木「…怒ってるのかい? キョン」

キョン「べつに…」

国木田「楽しかったよ。ありがとうね、キョン」

キョン「ああ…俺は疲れたけどな…」

国木田「ふふ」

452 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 15:35:06.32 ID:T7TaSaxR0

佐々木「おじゃましました」

国木田「おじゃましましたー」

キョン「…あ、佐々木。今日の塾は午後からだよな?」

佐々木「そうだよ。この前のようにサボったりはしないようにね」

キョン「ああ…じゃあな」

国木田「……」

佐々木「くっくっ。そう睨むなよ。こればっかりはしかたないだろう。もし嫌なら君も僕たちと同じ塾に来ることだね」


佐々木「でも、昨日は醜態を見られたりもしたが、楽しかったよ。これからもよきライバルとしてやっていこう、国木田」

454 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 15:37:55.22 ID:T7TaSaxR0

─────

 一年後

国木田「……」

佐々木「やあ、久しぶり。待たせてしまったかな」

国木田「あ、やあ佐々木さん。久しぶり。別に待ってないよ。でも、どうしたの急に?」

佐々木「ん、少しね。今の君たちの近況を知りたくてね。話がしたかったんだ」

佐々木「どうだい高校生活の方は?」

460 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 15:40:44.72 ID:T7TaSaxR0

国木田「…ん、まあそこそこ楽しいよ。佐々木さんは?」

佐々木「くっくっ。僕も似たようなものかな。つまらないわけもないし、でも、劇的におもしろいことがあるわけでもない」

国木田「そっか」

佐々木「…ところで、キョンはどうしてる、かな」

国木田「ははは。やっぱりキョンのことが聞きたかっただけなんだね。だったら直接キョンを呼び出せばよかったのに」

佐々木「それは…ちょっとね。僕は彼からの連絡が来ることに賭けていたんだけど、いっさい何もないんだ」

463 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 15:43:51.07 ID:T7TaSaxR0

国木田「そう…」

佐々木「と、いうことはだ。間接的にだけど、やはり僕はフラれてしまったみたいだ。というか、最初から何とも思われていなかったのかな」

佐々木「…君たちはどうなんだ? あれから何か進展はあったのかい」

国木田「んーん。まったく」

佐々木「どうして。せっかく彼といっしょに高校に入学したんじゃないか」

国木田「…キョンは今ね、部活動に忙しいみたいで、僕なんかを相手にしている暇なんかないんだよ」

佐々木「部活? キョンが?」

466 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 15:47:24.73 ID:T7TaSaxR0

佐々木「…ふーん…なるほど。そんなにおもしろそうなクラブに、彼がね…」

国木田「キョンはそのクラブの団長でもある涼宮さんって子に夢中みたいだよ」

佐々木「そうか…」

国木田「見てたらわかるよ…いつもめんどくさそうにしてるけど、涼宮さんといっしょにいる時のキョンの目、輝いてるんだ。きっと本当に好きなんだと思う」

佐々木「……」


佐々木「…と、いうことは、僕らは結局二人とも、彼にフラれてしまったというわけか」

国木田「…ま、そういうことになるのかな…」

469 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 15:49:52.97 ID:T7TaSaxR0

佐々木「……」

国木田「……」

佐々木「くっくっ…くくく」

国木田「はは…ははは」

佐々木「…どうやら君とは本当の友情を築いていくことができそうだね、国木田」

国木田「僕もそんな気がしてきたよ。昔は佐々木さんのこと大っ嫌いだったけどね」

佐々木「くっくっ。それはお互い様さ」

472 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 15:52:41.59 ID:T7TaSaxR0

佐々木「さてと…じゃあ、この200円のコーヒーで乾杯するとしようか」

国木田「ん〜…この場面で乾杯するのはなんかおかしいと思うけど」

佐々木「いいじゃないか。前も言ったけど、僕はこの乾杯というのが大好きなんだよ」

国木田「わかったよ。それじゃ、何に乾杯する?」

佐々木「そうだな…それじゃあ」


佐々木「負け犬二人に生まれた新たな友情に、乾杯」

473 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 15:53:19.76 ID:T7TaSaxR0





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