90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/14(月) 11:12:34.45 ID:PI0vA5D+0
みくる「雨……ですね」
古泉「そうですね」
みくる「皆さん遅いですよねぇ」
古泉「涼宮さんなら、先ほどお二人で帰って行かれましたよ?」
みくる「お二人って……キョンくんと?」
古泉「ええ、それも一つの傘でね」
みくる「へぇー……あの二人、最近はそんな感じなんですかぁー……」
古泉「はい、そんな感じのようですね」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/14(月) 11:18:09.01 ID:PI0vA5D+0
みくる「はい、どうぞ」
コトッ
古泉「これはこれは……すみません」
ズズズ……
みくる「それで古泉くんは涼宮さんが来ないとわかっているのに、どうしてここへ?」
ズズズ……
みくる「あつっ」
古泉「なんとなく、でしょうか? それよりお茶の葉を変えられましたか?」
みくる「あ、わかります? 少し余裕があったので、古茶から新茶へと切り替えてみたんです」
古泉「なるほど、どうりで味わい深い訳ですね」
みくる「サヨーでございます」
古泉「結構なお手前で」
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/14(月) 11:29:10.94 ID:PI0vA5D+0
古泉「長門さんはまだなのでしょうか?」
みくる「どうだろー? 彼女の目的は観察だから、まだまだ忙しいんじゃないのかなぁ?」
古泉「ふむふむ。僕は閉鎖空間がまるっきり発生しなくなったので、暇を持て余しているくらいですよ」
みくる「そうなんですか。あたしの方も最近は特に何も無いんですよね」
古泉「平和が一番、という事ですね」
みくる「そういう事ですね」
古泉「という訳で、バックギャモンでも如何でしょう?」
みくる「ええっとぉ……ルールがわかりませぇん……」
古泉「では、囲碁はどうでしょう?」
みくる「それもちょっとぉ……」
古泉「困りましたね……他には道具が無いので……」
みくる「オセロなら何とかぁ……それオセロに似てますし、それでオセロをしましょう」
古泉「いい案だと思います」
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/14(月) 11:37:55.17 ID:PI0vA5D+0
ガチャリ
長門「……」
古泉「あ、どうも」
みくる「あれ? 長門さんは忙しいんじゃ?」
長門「……暇」
古泉「朝比奈さんの予想は外れてしまいましたね」
みくる「ふーんだ。あ、今お茶入れますね」
コトッ
長門「ごくり」
古泉「なんと、一息で飲み干すとは……」
みくる「熱くないんですかぁー?」
長門「………………全然」
古泉「妙に溜めましたね」
みくる「正直に言いましょうよー、ちょっと目が潤んでますよぉ?」
長門「そんな事は無い」
みくる「では御代りを――」
長門「必要無い」
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/14(月) 11:48:32.58 ID:PI0vA5D+0
カランカラン
みくる「はい、麦茶です」
古泉「これはまた、いい感じに冷えていますね」
長門「ごくり」
みくる「そして密かにプリンも作ってましたー!」
古泉「これはこれは」
長門「……」 パチパチパチパチ……
10分後。
みくる「さて、問題はここからです」
古泉「五人分のプリンだったので、二つ余ってしまいましたね」
長門「……」
みくる「残しておいても仕方がないので、くじ引きで決めたいと思います」
古泉「僕は囲碁で決めるに一票を投じたいと思います」
長門「私も古泉一樹の意見に同意する。これは情報統合思念体の総意」
みくる「わがまま言わないの」
古泉「すみません」
長門「……」
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/14(月) 12:04:19.35 ID:PI0vA5D+0
古泉「ふーむ、雨が一向に止みませんね」
長門「それはこの国の気候上、仕方のない事」
みくる「あたし傘を忘れちゃったからなぁ……」
古泉「実は僕も……なので雨が止むまで部室にでも居ようかと」
みくる「そうだったんですかぁ、実はあたしもそうなんですけどぉ」
長門「……」
古泉「長門さんは?」
みくる「もしかして長門さんも傘を?」
長門「それは無い。この通り鞄の中に……」
ガサゴソ
長門「……」
ガサゴソガサゴソ
長門「……」
ガサ……
長門「私はそろそろ帰らなければならない」
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/14(月) 12:13:02.52 ID:PI0vA5D+0
古泉「まあまあ、傘なら部室備え付けの物がありますから」
みくる「そうですよー」
長門「忘れたわけではない」
みくる「はいはい、わかってますぅー」
長門「信じて」
古泉「ええ、僕も信じますよ」
古泉「そうだ、折角3人居るのでモノポリーでも如何でしょうか?」
長門「受けて立つ」
みくる「人生ゲームですかぁ?」
古泉「サイコロを振って先へ進むボードゲームですよ」
みくる「なるほどー」
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/14(月) 12:24:03.79 ID:PI0vA5D+0
みくる「長門さんがサイコロを振ると6ばかり出ますぅー」
長門「たまたま」
古泉「そうですよ」
みくる「でも、あたしがサイコロを振ると1ばかりなんですよぉ? みるみる内にお金が無くなってますぅ」
長門「たまたま」
古泉「ナッシーにしんかするぞ」
1時間後。
長門「これで全独占完成」
みくる「ふえぇ、地図が全部長門さん一色に染まってます……」
古泉「実に手に汗握るいい勝負だったと思いますね」
みくる「では、またお茶でもいれましょうね」
長門「……」
古泉「では僕が……」
みくる「いいえ、これはあたしの役目です」
古泉「いえいえ、たまには僕が」
みくる「あたしがやります」
古泉「いやいや、僕が……」
長門「……ならば、私も」
古泉「どうぞどうぞ」
みくる「どうぞどうぞ」
長門「……」
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/14(月) 12:32:16.18 ID:PI0vA5D+0
古泉「さて、辺りも暗くなり始めていますしそろそろお開きと……」
みくる「雨、止んでませんね」
長門「ロッカーの中に傘がある」
カパッ
古泉「おや、困りましたね」
みくる「傘が1本だけしか……」
長門「……」
古泉「僕には必要ありませんよ、自力で何とかなるので」
みくる「あたしも大丈夫かな」
長門「私も必要ない」
パタン
古泉「……」
みくる「……」
長門「……」
みくる「では、くじ引きで決めましょう」
古泉「面白い案だと思います」
長門「私もその意見に同意する」
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/14(月) 12:45:25.19 ID:PI0vA5D+0
長門「赤色」
みくる「おめでとーございますぅー」
古泉「おめでとうございます、はいどうぞ」
長門「……」
みくる「それじゃあ、今日は帰りましょう」
古泉「そうしましょう」
パチン、パタン、カチャリ
長門「待って」
みくる「……はい?」
古泉「どうかされましたか?」
長門「この傘は結構大きい」
みくる「はぁ」
長門「私一人で扱うには、少し無駄がある」
古泉「……なるほど」
長門「だから――」
みくる「うふふっ」
古泉「はいはい」
長門「もし良いのなら――」
みくる「そういのも、」
古泉「楽しそうですね」
「一緒に帰ろうよ」
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/14(月) 12:47:08.51 ID:PI0vA5D+0
以上、ヤマなしオチなし意味は薄味な保守でした