長門「…一緒に寝たい」


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10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 21:43:41.65 ID:H6iufGV6O

暑さが近づいてくる今日この頃。期末試験という今最大の懸案事項を抱えた俺は、
まだ明けきらない梅雨の雨の中、ひとりこのハイキングコースを下校中である。
今日はめずらしくSOS団の活動は休みだ。俺の成績を、おせっかいにも心配してくれた
ハルヒが気をきかせてくれたらしい。
あいつのことだから「SOS団で勉強会するわよ!」ってなノリになるかと思ったのだが、
どうもあいつはあいつで通販で予約した対朝比奈さん用コスプレをお出迎えしなければ
ならないらしい。ってか、そっちが本当の理由じゃないのか。

ともかく俺が鬱〜な気分で坂を下りきると、少はなれた所に見慣れた小柄な姿を見つけた。
「…長門?」
俺は急いで駆け寄った―なぜならセーラー服を着た宇宙人さんは、傘もささずに
ずぶぬれで歩いてたからな。

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 21:59:57.73 ID:H6iufGV6O

「どうしたんだ、傘忘れたのか?ずぶ濡れだぞ」
言いながら、俺は自分の傘に長門を入れてやった。真っ黒なガラスの瞳が
静かに俺を見上げる。
「…忘れた」
澄んだ声でそれだけ伝える長門。ううん?よく見りゃ薄い夏服が雨でぬれて
その下のキャミソールが透けてしまっているようなそんな気がしないでもないが
目をそらせ、俺。

「珍しいな、長門でも忘れ物するのか」
カクリ、と小さくうなずく長門。なんかいつも以上にかわいく見えるなぁ今日は。
「なぁ長門うちに寄っていくか?俺の家のが近いし。服乾かしたほうがいいだろ?
あ、いや決してやましい気持ちがあるわけでなく…」
しりすぼみになる俺。なおも目をそらさない長門は、小さく尋ねた。
「…いいの?」
「ああ、いいさ。ついでに、試験勉強手伝ってくれると嬉しい」
きょとんとしている長門に俺は微笑みかえした。

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 22:17:17.71 ID:H6iufGV6O

そういうわけで俺の家に向かって二人で同じ傘の下歩きだした。長門は黙って
遠くの景色を見つめている。少し、シャンプーのようないいにおいがした。

しばらくして俺の家の前についた。そういえば今日は母親は出かけてるし、妹もミヨキチのうちに…いや、だからどうしたんだ。
「どうぞ」
俺が玄関のドアを開けてやると、長門は律儀にもお邪魔しますと言って中に入った。
「今親でかけてるし、気つかわないでいいからな」
靴を脱ぎながら声をかける。長門は居間の前で突っ立ったまま俺を見つめていた。
「タオルとドライヤーもってきてやるから、居間で待っててな」
「…いい、私が入ると部屋が濡れ、クシュ」
…最後のクシュってまさかくしゃみか?
肯定する長門。へ〜宇宙人もくしゃみするんだ、とか一瞬思ってしまったが、
まぁこれだけ濡れちゃな。いくら暑くても体も冷えちまうだろう。俺は何を思ったか、

「あのさ…よかったら風呂はいってくか?」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 22:35:04.34 ID:H6iufGV6O

なぜパソコン規制なんだあああああ書くの遅くてスマン。

続き。
うおおおお何言ってんだ俺!相手は宇宙人作といえど一応女の子であって、しかも
家に連れ込んどいて風呂入る?とか、なんか狙いまくってるみたいで変態じゃねぇか!
「あ、いやその…こういうときは体の芯から温まったほうがいいかと…」
フォローか、それはフォローになるのか俺!?
長門はしばし固まって俺の羞恥度をさらに高めてくれたが、どうやらそれはドン引き
して固まっていたわけではなかったようで、
「…いいの?」
と、首を少しだけ傾げた。おいおいそのポーズは反則だろ。うちのシャミセンなんかより
よっぽどかわいい子猫に見えてくる…とか思いつつ、一安心する俺。
「あぁ、いいぞ。タオルとか後で置いとくから、先あったまってこい。
風呂は廊下のつきあたり右な」
長門カクリ。あ、着替えどうしよう…妹とお袋のだったら、お袋の服のほうがサイズ的
には妥当だが、なんかお前に着せるのは、お前に申し訳ないような。
「あなたのは、ダメ?」
なぜそんな台詞をさらりと口に出せる長門!?俺が勝手に変態妄想オンパレードな
だけなのか?

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 22:53:32.50 ID:H6iufGV6O

まぁ俺の服が一番いいかな…妹のはやっぱ無理があるし。
「お前がいいなら俺はかまわないぞ。あ、でも…」
下着はさすがにナッシングなんですが…と俺が一人思案していると、心を読まれたのか
「下着については濡れていないので替えは不要」
さすが長門。俺を安堵させつつも再び恥ずかしさの窮地に立たせてくれるとは。
「そうか。じゃあほら行ってこい」
長門はありがとう、と言って廊下をぺタぺタ歩いていった。あいつの「ありがとう」は
今でも言われる度に心が温かくなる、不思議な響きを持っている。
風邪ひきそうにない俺のほうがあったまってしまった。

「さて、と…タオルタオル」
俺はタンスからバスタオルを取り出し、服のために自室に向かう。う〜ん、長門に貸せるような服ってどんなだ?さすがにカッターシャツは妄想まるだしだしやめておくが。
「お」
タンスの底にしばらく来ていなかったロングTシャツを見つける。これなら、長門が着たら
Tシャツワンピとかいうのになりそうだし、色も薄い水色で見方によったら女物っぽいし。
ふたたび俺は階下に向かった。

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 23:15:04.53 ID:H6iufGV6O

保守トン!次くらいから甘あまな展開になります〜

洗面所の取ってに手をかけたところで、俺の耳に至福のコーラスが流れる。
長門がシャワーしてる音が聞こえてきた。

しゃーざー…きゅっ わしゃわしゃ
ドアを開ける…うお!?そういや浴室のドアすりガラスじゃねえか!今、ぼやけた
ガラスの向こうに淡い肌色が映っていますがそれって…
「お、おい長門、タオルとか洗濯機の上置いとくぞ」
極力見ないようにしながら上ずった声をかける。やばい、なんかドアを開けたいという
野蛮な気持ちがわきあがってきた…

ガチャリ

俺じゃねえぞ!振り向くと長門が浴室のドアを開け、上半身がギリギリ隠れる感じで
首をのぞかせていた。
「わかった…櫛はある?」
頼むから長門、櫛ごときで俺の理性が危なくなるようなことするなよな。
俺は洗面台から櫛を取って長門に渡してやった。左手だけでなくバッチリ左上半身ごと
のりだした長門さんに。
俺は逃げるように自室までダッシュした。勉強だ勉強!言葉とは裏腹に、元気になってしまった俺の一部。白い肌を上品にほてらせ、濡れた髪をうなじに貼り付けて、
あろうことか上半身の…まで見せられてはなぁ。
この後の展開にどぎまぎしつつ、俺はとりあえず教科書を広げた。シャミセンがすりよってくる。長門もこんなふうに家に置いとけたらな。そりゃもう毎日かわいがれるのに。

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 23:33:15.13 ID:H6iufGV6O

働かない頭に数式をおしこんでいると、ようやく長門が風呂から出てきた。
おお、似合ってるぞその服…!俺なんかが着てるよりよっぽど服のためになってる。
「あったまったか?」
「もう平気。…服、ありがとう」
二回もありがとうが聞けるとは感激だ。
「どういたしまして。なぁ長門、こっち来てこの問題教えてくれないか?
俺にはさっぱりでな…」
すすすと歩みよる長門。ちっちゃく俺の隣に座る。
「ここ?」
乾ききってない髪が目にはいる。
「あ〜おまえ、ちゃんと乾かさないと意味ないだろ、タオルかせ」
わしゃわしゃと長門のネコっ毛をふいてやる。目を細めてる長門。ほんとにネコみたいだな。腕のなかにすっぽりおさまりそうだし…

気づいたら本当に長門を抱きしめていた。
「…どうしたの?」
抵抗はしない長門。
「別に…こうしてるの、嫌か?」
嫌、と言われたらどうしようと一瞬不安になる。ぎゅっと抱きしめる力てを強め、しろい首筋に顔をうずめた。
「嫌ではない…わたしも」
「ん?」
「嬉しい」
頭をまわして見つめてくる長門。漆黒の瞳に映っているのは今は、俺だけだ。

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 23:51:02.79 ID:H6iufGV6O

続き。

Tシャツごしに伝わる長門の細い体。壊れないように、でもぎゅっと抱きしめて。
「長門ってネコみたいだな」
そっと髪をなでつける。
「ネコ?」
「そう。俺にはなんかそう見えてさ…離したくないっていうか」
言ってしまった後で気づいた。これは告白…になるのだろうか?まぁもう抱きついたりして今更だが、言葉にするとなんだかとてつもなく恥ずかしく、切なくなった。
「ネコ、好き?」
好き、という言葉にぴくりと反応しながら、
「ああ…おまえみたいなのは、特に」
「……そう」
長門は目をそらし、俺の腕をつかんでそっとどけた。離れてしまうのかと思ったが、
長門はくるんと向かい合うように体制を変えて、俺首筋に、ネコみたいに頬を擦り付けてきた。俺の言葉に応えてくれてるのだろうか。
とにかくそんな長門が愛しいやらかわいらしいやらで、俺は再び細い越しに両手をまわした。

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 00:14:31.45 ID:yBSOpk78O

「なぁ長門…その、さ。キス、とかしてもいいか?」
顔をこちらに向け、じっと見つめてくる長門。やばい、正視できない。
「…なぜ?」
拒否されてるわけじゃないと、長門の目でわかる。
「ん〜いや、好きな人とはそうしたいというのが人間で…お前にも、わかるだろ?」
こういつにだってわかるはずさ。長門だって、俺たちと変わらない心があるんだから。
俺はそう信じてる。…あ、もうカンペキ告白じゃん、これって。しかも長門も俺のことを…って前提だし。図々しいな、俺。

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 00:27:28.95 ID:yBSOpk78O

続き

…でも。
長門の気持ち、ほんとは前からわかってたような気がするんだ。その証拠にほら、長門は静かに目を閉じた。
少しだけ頬を桃色に染めた長門の肩を優しく抱いて、俺は静かに長門の唇にくちづけた。…キスはレモンの味とか言ったやつ出て来い。もっと…甘いだろ。
そっと唇を離すと、長門の吐息が少しだけ震えているのを感じた。髪をなで、目を見つめようとしたら、無表情に、いや正確には無表情を装った顔で―目をそらされた。もしかして照れてるのか?長門。
「わからない。ただ…呼吸が乱れるので目を合わせることが困難」
本当に少し困った表情をしだした。それはそれでかわいい。
「そういうの、照れてるっていうんだぞ」
「…そう」
うつむく長門。薄いTシャツ一枚越しに伝わる、リアルな体の感触を受け止めつつ、俺は静かに長門をカーペットの上に倒した。

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 00:40:42.27 ID:yBSOpk78O

なんかもう止められないな。長門はこういうことしたことあるんだろうか?
…ないだろうな、実年齢3歳だし。まぁ仮にあったとしたら俺発狂するな。
でも、かくいう俺も実は初めてだったりする。頭がぼーっとして、夢のような気も
するが、とにかく夢だろうとなんだろうと、俺は今すごく幸せなものを抱きしめてる。

長門の体がこころもち強張った気がする…胸の前で手クロスさせてるしな。
えっとこれからどうすんだ。日ごろの雑誌とかネットとかの知識ぐらいしかないぞ…

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 00:50:20.63 ID:yBSOpk78O

ふいに、「ミャー」という間の抜けたでかい声がした。シャミセン。かたわらの俺のベッドの上でこっちを見ていた。
「まだいたのか、お前…」
雰囲気壊すなよ、今俺はお前なんかよりかわいい子猫をだな…。しぶしぶ起き上がってシャミセンをはらいのける。長門は少し寂しそうな顔で(俺の希望的観測ふだが)、どこぞのAVよろしく目をちょっと潤ませ頬を赤らめて、床に横たわっていた。

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 00:51:57.94 ID:yBSOpk78O

そんな長門の姿を見て、改めて顔が赤くなる。長門ってSOS団の中で誰よりも働き者で、でもそんなこと口にも出さず黙々と頑張ってるんだよな。そういう健気なところが好きっていうのもある。
でも長門だって普通の女の子な面もあって、俺はどっちかっていうとそういう面で長門が好きなんだ。見た目のかわいさっていうのもあるけど、さりげなく俺を見つめてくれてたり、パソコン楽しんだり、図書館行くの楽しみにしてたり…そういうとこがさ。
まぁその魅力がわかるのは、俺一人で十分だとも思うがな。

「こっちおいで、長門」
俺はベッドに腰掛けて、布団をぽふぽふたたいた。

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 01:06:46.88 ID:yBSOpk78O

眠くなってきたw

続き


まぁ初めてが床の上というのもなんだしな。ここはシャミセンのアドバイスということで受け止めておこう。
長門は軽そうな体で静かにベッドにのぼった。黙って俺の胸あたりに視線をあわせてるようだ。まだ照れてるのか…なんか長門らしからぬ表情で好きだな、俺は。
「長門、何するかわかるか?」
首を横に振るかと思ったが、そうではなかった。いつも以上に固まる長門。やっぱ、あんだけ本とか読んでりゃ中にはそういうのあるわな…行動の意味はわかんなくても、何するかくらいは知っているようだった。
「あ…じゃあまあ、いいか?」
何がだ。長門はちろりと上目づかいで俺を見ると、かくりとうなずいた。

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 01:18:46.77 ID:yBSOpk78O

朝倉に…!朝倉は好きだけど刺されたくない、書く。
長門のTシャツに手をかける。びくっとする長門。そういやせっかく風呂はいったのに
すぐ脱がせてしまうなんて悪いな…という考えが、余計に俺を興奮させた。
長門は何をするか気づいたのか、力なく万歳みたいなポーズをとってくれた。
上下うすピンクの下着。長門がこんな女の子っぽいのを着てたなんて予想外だが、
長門の透き通るような白い肌、華奢だけれど健康的で、大きくはないが綺麗な胸は、どんなグラビアアイドルより可憐で綺麗だった。

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 01:29:47.02 ID:yBSOpk78O

そっとキスしてベッドに寝かせると、長門はんん…と小さく呻いた。背中に手を回す。
俺の異常な心拍数は、きっと長門に伝わってしまってる。でも、俺だって同じように、
普段はきっと乱れないであろう長門の、こんなにもドキドキしてる鼓動を感じてるんだからかまわないさ。
長門は少しだけ体を浮かせてくれた。ブラのホックを外す。とっさに胸を隠しかける長門。
「どうかしたか?」
「胸が無いから、あなたが気分を害する恐れがある」
俺は自然と微笑んでいた。
「そんなの気にしてたのか。俺は長門だから好きなんだし、これはこれで好きだぞ」
また変態っぽいことを口走ってしまったが、長門が穏やかな顔に戻ったので良しということで。
恐る恐る胸をさわる。やわらかい。長門はくすぐったいのか恥ずかしいのか、また固まっていた。
しばらくそのまま胸をさわったり、時折キスしたりしていた。やがて長門の口から、ほんとの
子猫みたいな甘い、切なげな声がもれだした。
「ん…ぁ」
目もぎゅっと閉じて、感じているのか、でもどことなく怖いのか。
「なが…有希。怖くないから。ほら、俺につかまってろ」
長門が細い腕をそっと俺に回した。やばい、冷静を装っているが俺もくらくらしてきた。
ブラとおそろいのパンツに手をかける。
長門はまた少しだけ腰を浮かしてくれた。すすっと脱がす俺、以外に手際いいな。

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 01:44:20.35 ID:yBSOpk78O

見てくれてる人ありがとう。できるだけ早くします。

続き

長門はもう濡れはじめていた。そっと触れてみる。長門がぴくっとして、俺に回した腕に
力をこめる。一瞬エロ小説みたいな言葉を長門にかけそうになったが、思いとどまる。
俺の腕のなかで壊れそうな長門。大切にしたい。
しばらく俺はそこを撫でたりさすったりしていた。長門で染まる俺の右手。
「んんぅ…ふぁ」
長門の貴重すぎる必至な顔。いとおしい俺だけの子猫。
「有希…いいか?」
長門は目を開けるかわりに、きゅっと俺を抱きしめる。不純異性交遊だなんて
言わせないさ。歯の浮くような台詞だが、俺と長門の間にあるのはいわゆる愛とか
いうやつのはずだからな。

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 01:49:05.08 ID:yBSOpk78O

俺はズボンとトランクスをぬいで、慎重に長門の中に入った。一気に、とは
いかなかったが、長門は結構濡れてたし。でも、やっぱり初めては痛かったようで、
一瞬長門の綺麗な顔が悲痛に染まったのを俺は見た。
「ごめん、大丈夫か?」
「…少し痛いけれど、平気」
長門はようやく目を開けて、トリプルAランクの笑顔で言った。
「嬉しい」

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 02:10:37.55 ID:yBSOpk78O

あ、貼るの忘れてた。なんか長くなってしまった…まぁ明日あるし頑張ります!

ぞくっとした。長門にこんな言葉を言わせることのできた奇跡を、この瞬間を、
幸せだと感じず何が幸せだといえるのか。
「俺もだ…好きだ、有希。誰よりも」
頭とあごをなでてやる。目はもうぼんやりとしているが、でも素直に気持ちよさそうに
していた。もっとこんな穏やかな愛とやらをかみしめていたいのだが、そろそろ
限界だ。俺は最後になるかもしれない理性をとどめた深いキスを長門にすると、
本能のままに動き出した。

「あっ…んぅう んっ!」
愛する長門を抱いているという征服感とか幸福とか快楽とか、そういうものがもう
ごっちゃになってよくわからなくて、ただ長門が離れないようしっかりと抱きしめた。
壊れる長門も見たい、けれど大切にしたい。
この思いを声にだしたいのに、俺は荒く呼吸をするだけでいっぱいになってしまう。
もどかしさと喜びのなかで、俺はただ腰をふった。

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 02:21:32.44 ID:yBSOpk78O

あと少しで終わらせますので。


「有希…有希」
俺は熱にうかされた病人のように長門を呼ぶ。なんだかもう視覚では長門を感じ
られなくなってきた。触れ合うからだのほてりと、長門の扇情的で美しい鳴き声
だけが、俺の感じられる全てだった。
「あ…ふっ」
長門のうつろな黒曜石が、でもはっきり俺をとらえる
「きょ…ん」
俺を呼んでくれた。ただそれだけなのに、体中が熱くなった。エロ声もよかったが、
長門の澄んだ声で名前読んでもらえるなんて、もうそれだけで長門が俺のものだって
あかしだ。でもここで少し、かわいさあまってというやつだ、俺はいじわるを言う。
「有希…気持ちよかったら、我慢しなくて…いい…ぞ」
ハァハァ言いながらようやく言葉にできたいじわるだったが、長門には効果抜群だった
ようで、俺をつつんでいる長門自身が、きゅっと締まったのがわかった。
「んあっ!はぁ、ふぁ、んんっ」
たぶん我慢しなくなったんじゃなくて、いじわるしたからだな…声を荒げだす長門。
やばい、結構デカイ声だ…家族いなくてよかった、絶対これ家中聞こえてる。

耳に届く子猫さんの甘い鳴き声が、どうにも俺のストッパーの限界を外しにかかって
きたようで、俺自身時々「うう!」とか間抜けな声を出し始めてしまった。
白い、整った長門の口から、少しよだれがでていた。俺はそれをためらいもなくなめる。
頬をピンクから朱へと染めかえ、生まれてはじめて感じる快楽にもだえつつ、長門の黒曜石はまだ俺を求めていた。頼られるばかりの長門に、頼ってもらっている俺。
長門は俺だけの…

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 02:39:47.01 ID:yBSOpk78O

次ぐらい最後…


気持ちよさが臨界点を越える。力づくなディープキスをしつつ、今までに無く強く
長門を抱きしめる。ここでようやく何の避妊もしてないことに気づく。長門は俺のもの
だし、何してもかまわないという征服感が俺を襲う。でも長門をキズつけてしまったら、
それが長門とのお別れのような気がして。唇を離す。唾液がぼたたっとたれた。
「ゆ…き。一回…やめ…」
もう無理なところまで来つつあった。もうやめよう、あらんかぎりの力で欲望に
打ち勝とうとしたその時
「…だい…じょう…ぶ…ふっ」
長門がぐっと耳元に口を近づけて、ささやいた。どっちの意味で大丈夫なんだとか
聞く前に、もう俺はラストに向けて動き出した。ああ、そうだ、どっちでも大丈夫さ…
俺を一生頼ればいいさ、長門。ずっとずっと、俺が側にいてやる。
「ゆき、ゆき…!」
頭が真っ白になる。この腕のなかで、長門と…
「ふぁ、あああっ!」
長門の抑えきれない声が、俺を導いた。長門は激しく俺を求め、とうとう
俺は全てを長門に注いだ。脳内が快楽でとけていくような、幸福。
俺は長門と深く深くつながった…

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 03:00:40.84 ID:yBSOpk78O

でででできたにょろ!保守トンです。長いからわけます

ようやく意識がはっきりしてきた頃、俺は長門を抱きしめたままなのに気付いた。
ごめんな有希、さっき風呂入ったのに汗とか…でびしょびしょだな。
「平気。…あなたも入るべき」
誘ってるのか、長門?素直じゃない白猫様を、俺は背中をそっとさすってさらに
抱き寄せた。ベッドの下から現れるシャミセン…聞いてたのか、お前。
シャミセンはナーと一声鳴いて部屋をでていった。あいつ、しゃべる猫だっただけに
なんか複雑だ。

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 03:02:20.68 ID:yBSOpk78O

続き

「有、希」
ニヤニヤしながら声をかける
「…なに」
「ん〜?いや、大好きだぞって。それだけ」
「………………そう」
まだ照れという感情があるかこの子は。髪をくしゃくしゃして、そむけられた顔に
キスして。
「…あなたは勉強しなければならないはず」
照れ隠し下手だな長門。んな真っ赤な顔で言われても。
「…少し黙って」
はいはい。あ、でも疲れたし長門ちょっと寝てるか?俺さきシャワーして晩飯
作っといてやるぞ?
「…あなたも、一緒に」
そういって長門は俺の腕を優しくつかんだ。やれやれ、わがままな子猫の拾って
しまったようだ。とてつもなく愛しくて、かわいい、俺だけの猫を。
「わかった、一緒に寝よう、有希」
このぬくもりに出会えたことを俺はただ誰かに感謝していた。
幸せだ。俺。

しばらくして、俺は幸福がひとつ増えたことを知ることになるのだが、それはまた
別のお話。



91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 03:07:51.66 ID:yBSOpk78O

以上です。
駄文ですみません、はじめて書いたし携帯だしで改行がヤバイです…
こんな時間かかるとはorz
なんかエロ描写恥ずかしくてあんま書けませんでした
遅くまで保守してくれた方、読んでくれた方、ありがとうございました!
また近いうち書いたら、読んでやってください。

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 03:34:42.42 ID:yBSOpk78O

寝る前にもっかい。
楽しく読んでいただけてほんとに嬉しいです
キョンってチャリ通だし長門の家のが近いんじゃ?とか後で気づきました…
文章書くの好きなんで、また近いうちに書きます。長門妊娠で実父と思念体に殴られるキョン書いてみたいですw
ではおやすみなさいノシ

113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 13:57:09.72 ID:yBSOpk78O

5時くらいまで残ってたらSS書きます

有佳のお話の方、自分もまた読みたいのでよろしくお願いします〜

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 17:05:28.74 ID:yBSOpk78O

投下。二週間後くらいの話しになってしまった。すみません

『長門と俺との一日』
というわけで、雨の日に長門といわゆる彼氏彼女の関係になった俺は、結局あれから
幸せの余韻にひたりすぎて、ろくに勉強しないまま、期末最終日を迎えた。
5日もぶっ続けで行われた試験だったが、おそらく惨敗だ。もうこうなったら考えるのは
よそう、なんたって俺は今長門の彼氏なんだ、それだけでありとあらゆる不幸をも
無効にできるほど気持ちが輝きだす。

あの日以来、俺たちはSOS団の活動以外ではあまり顔を合わせる機械がなかった。
試験も始まっちまったし、長門とは違うクラスだし。会いに行ってもいいのだが、なぜか
ハルヒの前で堂々とそういった行動を取るのははばかられるような気がした。
俺たちの関係はまだ誰にも言っていない。なんとなく秘密にしておきたかった。
古泉あたりがハルヒがどうのとうだうだ難癖つけてきそうというのもあるが、実際は
俺は漠然と、ハルヒなら黙って認めてくれるように思っていた。
まぁ今はまだこの甘い時間を二人だけで感じていたいのさ、俺は。

128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 17:22:43.50 ID:yBSOpk78O

そういえば今日は試験最終日で、授業が午前で終わりだ。ハルヒは空腹に耐えられ
なくなったのか、試験が終わるとまっさきに教室を飛び出して帰っていった。今日は
学食もしまってるしな。
そうだ、と俺は思いついた。長門はまだ帰ってないだろうか。一緒に下校して、
世間の一般的なカップルがやってるみたいな、普通のデート…とやらに、長門を
誘ってみたくなった。

131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 17:42:21.48 ID:yBSOpk78O

俺は足早に長門のクラスへ向かう。俺んちでゲームしようぜとか叫んでる谷口を
残して。悪いな谷口、お前がひとり寂しくゲームしてる間に、俺は彼女持ち
男子高校生へと進化してしまったんだ。また遊んでやるから、今日は諦めてくれよな。

長門たちのクラスはまだHR中だった…よかった、間に合った。開け放たれた廊下側の
窓から、おずおずと部屋をのぞく。窓側に、華奢な長門の後姿を見つけた。
少し待っていると、HRが終わって生徒たちががやがやと出てきた。ちょっと離れたところで
長門を待つ。
「有希」
ふらふらと教室を出てきた長門に声をかける。黒い目が俺をとらえて、少し驚いた
顔をした。子猫みたいに歩みよってくる長門。
「待ってたんだ、有希。今日、一緒に帰らないか?で、その…うまいもんとか
食いにいこう」
デート、という単語を言えない俺。へたれだな。長門の返事を聞く前に、周りの
ざわつきに気がついた。

133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 18:07:26.05 ID:yBSOpk78O

―今の聞いた!?有希だって!彼氏かな?
―SOS団とかいう部活の人だよね
―え、長門って彼氏いたのかよ…ショック

おお、なんか恥ずかしくなってきた。でも向かいあって甘あまな雰囲気で下校を
共にしようとしている男女二人、どうみても彼氏と彼女だ。
長門のクラスメイトらしき女の子が声をかける。
「有希ちゃんの彼氏?かっこいいね!明日詳しく話しきかせてよ!」
…かっこいい?俺が?光栄だね。かくりと肯定する長門、奇声がとびかう周囲。
長門に彼氏と認めてもらえてるのか…素直に嬉しい。
「あ…じゃあ行こうか、有希」
もうヤケだ。手を引いて歩き出す。そういえば結局返事聞いてないが、時間平気か?
2ミリのうなずき。そうか、じゃあ今日は初デート記念日だな…言っちまった。
なんか気恥ずかしい響きだな。
「デート…」
脳内の辞書で、その項目を引いているような長門。ひとつのことだけ考えてる顔、
すごく真剣そうで、かわいい。
「…そう」
該当単語の意味をひきおえたのか、長門はまんざらでもない顔で歩きだした。
さっきよりちょっとスピードを早めて。それはOKってことでいいんだよな?それに
ちょっと、楽しみにしてくれてるんだよな。
つながれた右手と左手、カップルつなぎに持ち帰る。長門は不思議そうに手を
見つめたあと、これまた満足そうに前へ向き直った。長門の嬉しそうな顔、今日は
いっぱい見れそうだな。


ちょっと課題が…一時間後再開します

142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 19:03:05.15 ID:yBSOpk78O

再開

昼過ぎだし、燃費のいいうちの子猫を空腹のままにしとくのは俺が辛いので、
俺たちは最初に昼食をとることにした。
駅前の、大きなビルの最上階。女の子に人気の、デザートも豊富な食べ放題の
店に、俺は長門を連れていくことにした。ここは以前、妹とミヨキチにねだられて
来たことがある。男が入るのは少しとまどわれるような女性向けのこじゃれた店だが、
値段も妥当だし味も良かったし、長門に女の子女の子させてあげたいしな。
「ここなんだが…いいか?」
ガラスに張り付いて無言で中を見つめる長門。俺のほうを一瞥もせず、
「食べ放題…」
とつぶやき、心をうばわれたのか、きらきらした眼差しで店内の様子を見ている。
「そう、好きなだけ食べていいんだぞ。入るか?」
かっくりと、大きめにうなずく長門。テンション高いな、今日は。
俺たちは手をつないだまま、店内に入った。

143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 19:04:54.82 ID:yBSOpk78O

店内は、9割が女性客だった。大学生らしき女の人のグループ、おしゃべりに夢中な
おばさんたち。そしてこの店に入ることを許された、名誉ある男性の多くは、俺同様
彼女同伴だった。心なしか皆誇らしげに見えるぜ…俺だけかな。
俺たちは奥の小さなかわいらしいテーブルに案内される。向かい合わせで腰掛ける。
「料理取りに行こうか」
長門はいそいそと立ち上がって料理のほうに向かった。わくわく全開の長門。
ただ、システムがわからないのか、ちょっと焦った感じで俺を見上げる。ああもう、そんな
顔して俺を困らせないでくれ。ここの皿に好きなだけよそってきていいぞ?
皿を渡してやると、長門は小柄な体をいかして、すばやく人ごみをかいくぐって行った。
あ、一緒に料理を選ぼうと思っていたんだが…まぁ楽しそうだし、長門ならどのみち
全部の種類を取ってくるだろうし、いいか。ここでの俺の目的は、楽しむ長門を
観察することだ。

146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 19:25:56.83 ID:yBSOpk78O

俺が席に戻ってかなり経ってから長門は戻ってきた。さらに料理をこれでもかと
盛って。長門、バイキングは少しずつとるものなんだぞ?でも長門なら絶対残さない
から、いいとは思うが。
「いただきます」
長門はもくもくと料理を口に運ぶ。うまいか?ときくと肯定。自然とにやける顔で長門を
見つめる俺。
「……あなたは?」
ん?
「…食べないの?」
長門はパスタで口の端を少し汚して尋ねてきた。
「いや、食べるけど…有希がおいしそうにしてるの見るの、俺好きなんだ」
そういってナプキンで口をぬぐってやる。フォークを止めて少し頬をピンクにする
長門…こんなシーンを見られるとは、彼氏の特典だな。

148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 19:29:18.09 ID:yBSOpk78O

ああ、でも向かい合わせは少し距離を感じるな…長門とは言葉より体で、というと
語弊があるが、長門とは存在を側に感じることでコミュニケーションが成立する気が
する。あんまりおしゃべり得意じゃなさそうだし、隣同士でくっついて飯食いたいような…
「どうしたの?」と長門。
「あ、いや…隣同士で食えるような店がよかったかなぁと…」
突然音もなく立ち上がる長門。皿を持ったまま、すすと俺の横にきて、ソファーに
座った。

149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 19:31:11.20 ID:yBSOpk78O

「これでいい?」
首を傾けて尋ねる長門。こういうときは恥ずかしがらない長門に感服する。まぁ、
どれくらい恥ずかしいことかわかってないだけかもしれないが。
「あ、ああ…やっぱ、こっちのがいいな」
赤くなって目をそらした俺とは対照的に、少しだけ唇をあけ嬉しそうにする長門。
俺の右半身がぴったり長門にくっつく。かちゃかちゃと夢中で料理を食べる長門は、
小さい子みたいで俺の庇護欲みたいなものをあおる。周りから見たらバカっぷる
オーラ満載だが、周りは回りだ。今はこのかわいい子猫を眺めていよう

150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 19:35:21.98 ID:yBSOpk78O

しばらくすると、長門は皿の上のものを全て食べつくした。
「料理をとってくる」
かわい気も何もないような言い方だが、俺からしたらかわいくて仕方ない。
バイキングだから料理が無くなる心配はないのに、長門ときたら食べてる間も
ちらちら料理のほうを見てるし、今だって年がいもなく小走りにかけていったし。
いいね、こういう時間も。カップルというよりお父さんと子供みたいだが、俺は
満足だ。コーヒーをすすりながら長門を見つめる。
と、ふいに横から野郎の声がきこえた。

151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 19:43:59.37 ID:yBSOpk78O

「あ〜ナンパしてぇ」
「お前誰か声かけてみろよ、何の為に来たんだよ」
見ると、こんな昼まっから二十歳前後の男三人が、店の雰囲気をぶち壊す
感じで座っていた。か〜こんな時間から野郎三人でこじゃれたバイキング?
何やってんだこいつら。しかも今時ナンパ目的で来てるし…有希、大丈夫かな。
かわいいから
「お〜おまえらあの娘見ろって!めちゃかわいくねぇ?」
嫌な予感がした、やろうの視線のさき、たっていたのは長門だった。言ってる側から!
「女子高生じゃん!ショートで俺好みだし、色めっちゃ白いな」
「おとなしそうだし強引にいけばいけるだろ!」
おいおい、マジかよ。長門は気付かずにいそいそと皿を持ってこちらへ来る。
野郎三人は素早く長門に駆け寄った。
「なぁ〜、俺ら今暇なんだけど、一緒に遊ばない?」
「そうそう、観覧車とかどうよ?俺らおごるよ?」
頭に血がのぼる、瞬間意識がどこかへ飛ぶ。気付けば俺は荒々しく席をたっていた。

153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 19:56:10.95 ID:yBSOpk78O

硬直していた長門をかばうように、半歩前にでる俺。やばい、勢いで出てきたが、
相手は俺よりガタイこそよくないものの、チャラくていかにも悪そうな感じのやつらだ。
しかも三人も…。だが長門にそんな汚い手を触れさせるわけにはいかん。むろん
長門なら一瞬で倒してしまうかもしれないが、俺といるときぐらい、一女子高生
としての長門有希を守ってやりたいのさ。
「すみません、こいつ俺の彼女なんで、やめてもらえますか?」
何かで見たお決まりのカッコいい台詞を勇気200%で言う俺。ポーカーフェイスが
得意でよかった、今俺は少しボコられることを心配している。見えないけれど、
長門が不安げにこちらを見つめる視線を感じる。安心しろ長門、俺だって一応
男だし、お前の彼氏として恥ずかしくない行動をとってやる。
「かっこつけてんじゃねぇよ…」
ひとりが俺につめよる。騒然とする店内。今こいつを殴ったら、俺が悪者になるのか?

と、ふいにそいつが少し引き下がった。黙る野郎三人。どうしたんだ?
「…………」
長門が、俺を見つめるのとは違う、全くの無表情で、野郎どもに刺さるような
視線をむけていた。男たちは間が悪くなったのか、なにか捨て台詞めいた言葉を
残してレジへと去っていった。よ、よかった…俺が守ったのかどうかはかなり怪しいが。
「大丈夫か?有希」
「平気。ただ、あまりいい気分はしなかった」
そうだよな、怖くなかったか?首をふる長門。
「…助けてくれて、ありがとう」
長門なら絶対俺の助けなしでも平気だっただろうが、長門の顔は嬉しそうに少し
ほころんでいて、ああ、彼女扱いされてやっぱ嬉しかったのかなと思わせる。
「いいさ。ほら、座れ」
長門は穏やかに食事を再開する。俺は4杯めのコーヒーをおかわりに行った。

157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 20:13:01.18 ID:yBSOpk78O

食事を終えて時計に目をやると、2時だった。まだまだ遊べるな、有希。
「…そう」
遊んでるいのかは疑問かもしれないが、長門はやっぱり顔をほころばせていて、
俺の顔をもにやけさせる。
「あ、どうだ有希、観覧車のらないか、観覧車。ここの屋上にあるんだ、さっき
見えてたろ?」
俺の目を見てかっくんとする長門。観覧車とか、デート中のデート、至高の彼氏
彼女タイムじゃないか。せっかくここに来たんだし、甘いデートしてみたいもんな。
「よし、じゃあ行こう」
いつのまにか手をつなぐのは、呼吸するみたいに自然なことになっていた。

160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 20:16:21.50 ID:yBSOpk78O

二人分の切符を買う。そう、言ってくと今日は全部俺のおごりのつもりだ。
…だったのだが、長門はいいから、と言ってさきほどの食事代を自分で払って
しまった。俺もバイトしてるわけではないし、一応ありがたく申し出を受けておいた。
でも、観覧車代くらいはさすがに俺のプライドが払えといっていた。
「ようこそ〜♪おふたりですか?」
見たらわかるだろ…と思ったが、うなずいておく。
「お写真入り口でとらさせていただいてます☆お降りの際によろしければ
お買い求めくださぁい」
金とるのかよ結局。長門は強引に赤いハートのクッション(!)をおしつけられ、
俺たちは写真を撮られた。しっかり長門の肩を抱いて。
「ではどうぞ〜♪」
長門は観覧車に乗るのがはじめてなのか、おどおどしていた。
「ほら、こっち来い」
ぐいと長門の肩を寄せて、同じ側の席に並んで座る。カップル座り、最高だね

163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 20:35:39.59 ID:yBSOpk78O

誤字多過ぎワロタ


がたた、と動く観覧車。俺は長門の肩を抱いていたが、長門が興味津々に
目をきらめかせていたので、解放してやった。後ろのガラスから熱心に外を見つめて
いる。
「あれが、テレビ局な。わかるか?」
解説してやる俺の言葉に、いちいちかわいくうなずく長門。やがて長門が完璧な
無言状態になって一点を見つめていた。どうした?
「…なんでもない」
ふいと目をそらして座りなおす長門。何か見えるのか?俺は同じほうを見てみる、と
そこには
キスしまくってるとなりのカップルが見えた……
瞬時に顔がほてる俺。膝の上でぎゅっとこぶしを作ってる長門。これは…
「な、なぁ有希。もうすぐてっぺんに来るけど、てっぺんでキスしたカップルが
どうなるかって話、知ってるか?」
ちっちゃく首をふる長門。潤んだ目が俺を射ぬく

166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 20:47:22.62 ID:yBSOpk78O

これは俺がいつか実行してやると心にきめ、いまだ信じてる日本の都市伝説。
「てっぺんでキスしたカップルは…ずっと幸せでいられるんだと」
そういって俺は長門にキスした。観覧車の頂上、晴れ渡る夏の晴天を背景にして。

軽くキスするつもりだったが、離したあとも長門がおれのシャツをつかんだままだった
ので、いいのかなと深いキスをした。そのまましばらく、乱暴にキスしてみたり(主に
俺が)なめあったり、高校生らしからぬ濃厚な時間を過していたが、やがて地上に
戻ってきた。

169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 21:01:12.64 ID:yBSOpk78O

「お帰りなさいませ〜♪」
メイド喫茶ばりの挨拶をかます店員。
「お写真、いかがですか?」
ちらっと目をやると、大き目のポラロイド写真、にへらと笑う俺と、俺に肩をだかれ、
俺にしかわからない程度の微笑をたたえた長門が写っていた。一枚千円。
結構いい写真だったが、少し高い。ゲーセンあるし、そこでプリクラとかとれば…

長門が、じいっと写真を見つめていた。俺が断ろうとしてる雰囲気を感じたのか、
すぐに目をそらしてしまったが、俺にはわかった。内気な子供が欲しいものを
言い出せずにしてるのと同じだった。本人が隠してるつもりでも、まるわかりなくらいに
もの欲しそうにしている目だった。やれやれ。
「あ、じゃあ…2枚ください」
ばっと俺を見つめる長門、長門にしてはすごいすばやさだった。ああいいさ、結局俺も
欲しくなっちまったし。俺からのプレゼントさ。
「…ありがとう」
長門は手渡された写真を、大事そうに抱えてみつめたあと、慎重にカバンにしまった。
まわりの店員とかカップルも、長門を見て微笑んでいた。


ちょっと保守ヨロ

177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 21:42:26.24 ID:yBSOpk78O

保守トン

続き

写真を買ったからプリクラはもういいが、俺は長門をゲーセンに連れてきた。
こういうとこ来たことなさそうだし、ゲーセンデートは俺の夢のひとつだったんだ。
対戦ゲームをやると、長門は案の定俺より強くて、少しへこむ…メダルゲームでも
長門はコインを稼ぎまくり、早くも無一文になった俺にコインをわけてくれた。
ありがとうな有希、おまえほんとに優しいな。
茶化したつもりだったが、長門は少し顔をあからめて、「いい」といってゲームに
もどった。

178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 21:43:39.01 ID:yBSOpk78O

ふと、俺の目にクレーンゲームがとまる。かわいい小さな白熊のぬいぐるみが並べ
られていた。長門に似合いそうな、かわいいぬいぐるみ。よし。
「有希、こっち来てみ」
つつつと音も無く傍らに来る。
「これとるから、見てろよ」
俺はクレーンゲームには自身がある。100円を投入、狙いをさだめてクレーンを
操作。……どうだあああ!

ポロリ、と白熊くんはクレーンから転げおちた。…失敗、した……
俺がダークなオーラを噴出させたのを見て、何を思ったかさっと100円を入れる長門。
え?動かされたクレーンは正確に白熊をつかみ、気付けば長門の両手に白熊が
おさまっていた。すごいな、長門。
と、長門はずいっと白熊くんを俺に突き出してきた。
「はい」
どうも、俺が欲しがってると思ったらしい。いやいや、確かにそれかわいいけど、
俺なんかが持ってるとヤバイだろ?お前に取ってやりたかったんだよ。ゴメンな
「……そう」
長門はじっと白熊を見つめて、見つめるうちに気に入ったのか、これも大事そうに
カバンにしまった。
「ありがとう」
お礼を言われるようなことできてないが、気持ちだけでももらってくれたようだ。

181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 21:54:33.32 ID:yBSOpk78O

あとちょっと


時計をみる。4時すぎ。
そろそろ帰ろうか?首肯する長門。なかなかデートっぽい一日だった、今日は。
伝わってくる右手のぬくもり。このまま離すのは惜しいようで。
「…わたしの家、来る?」
言い出したのは長門のほうだった。行きたいな。歩きだす俺たち

長門のマンションにつくと、なんだかもういきなり抱きしめてしまう。晩御飯…と
つぶやく長門に、そんなの後でいいだろ、と少し冷たく返す。

困った顔して、でも長門は寝室を指さした。お姫様だっこして、寝室のドアをあける。
驚いたのは、大き目のベッドがあったこと。布団やめたのか?
長門は黙った。これってもしかして俺のために…?ありがたく使わせてもらおう。

186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 22:11:51.89 ID:yBSOpk78O

制服のしたから手を入れて背中をさすり、ついでにブラのホックを外す。顔じゅうに
キスしたら、長門はもうとろんと黙って無抵抗になった。
長門を全部脱がせると、俺はもう思いのままにキスして、いたるところなめまくった。
長門が鳴く。たまに俺の胸に手をあてて俺を離そうとするが、俺はそれを許さない。
俺自身も全て服をぬぐと、ベッドのふちに腰掛、ぐったりしている長門を強引に
つかんで向かい合うよう座らせる。この体勢のまま、長門の秘部に俺を入れる。
あっと小さく呻く長門。気持ちいいのか、少し動くともう俺の足じゅうべたべたに
なった。腰が動かしにくいが、抱きしめあいながらのこの体勢は結構いい。

188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 22:16:55.47 ID:yBSOpk78O

はずかしがる長門の顔をつかんで、目をあけたままキスしていたら、長門がびっくり
するぐらい真っ赤になった。
「…いじわるしないで」
綺麗な音色が耳に届く。が、それは逆効果だ長門。
俺は荒く腰をふる、落ちそうになる長門。ぎゅっと抱き寄せて、耳を優しくかむ。
んんっと体をくねらせる長門。
やばい、でそうだ。でもこの体勢でいくのはもったいない。最後は思うがままに
動きたい。俺はベッドの上に長門を倒そうと、長門とつながったままお姫様を
抱きかかえる。う、やばい気持ちいい、このままは果ててしまいそうになる。

191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 22:20:29.37 ID:yBSOpk78O

が、ここはこらえて。
なんとか長門をベッドにおしたおす。もう長門は少しでも動くと大きな声であんあん
鳴いて、いつもの長門とは別人だった。涙とよだれをなめとってやり、有希?
と聞いたが返事はなかった。聞こえてないのかな。
とはいえ俺ももう余裕がないので、めちゃくちゃに動く。たぶん俺の気色悪い
うめき声が響いてるはずだ。
長門の右手をそっとつかむ。耳元でたずねる
「中で、いいか?」
長門はやっと目を少しあけ、唾液がつたう口を一生懸命うごかして、いい、と短く
答えた。本能のまま、自分でも驚くスピードで腰を動かすと、長門がひときわ
おおきな甘い声をあげ、果てた。俺の下腹部から脳天へ、一気に快感はしる。
びくびくという痙攣を感じながら、俺も力つきた。

194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 22:30:32.67 ID:yBSOpk78O

そのまま寝てしまったのか、俺が気が付いた時には外界からの光はきえかかっていた。
と、ここで長門を下敷きにしてしまっていることに気付く。
「有希!ごめん、苦しかっただろ!?」
あわてて飛び起きる。
「大丈夫、気にしないで」
長門はそういったが、やっぱり苦しかったのだろう、鎖骨とか胸とかが、俺の体重の
せいで真っ赤になっていた。形ついてるし。
「ごめんな、押しのけてくれていいからな」
どれくらい長門に息苦しい思いをさせたのかわからない。赤くなったところをさすさす
すると、長門は静かにされるがままになっていた

195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 22:32:59.75 ID:yBSOpk78O

ラスト!お付き合いありがとうございました


「今日、楽しかったか?」
きいてみる
「……とても」
長門の華奢で白い手が、俺の手をとる。
「また、行ってもいい?」
おねだり上手だ、長門はほんとに。
「お前がのぞむなら、何度でも」
今度はこの手に似合う、綺麗な指輪を買ってやろう。長門が俺の大切なヒトだと
いう証に。
「…晩御飯、どうする?」長門。
「なんでもいいよ、お前と食べられるなら」
じゃあ、カ…と言いかけた長門の唇を、もう一度ふさぐ。もう一回、と言ったら、
長門はぎゅうと俺を抱きしめて、ささやいた。
「あなたがしたいなら」
初デート記念日、たぶん俺はずっと忘れないと思う。幸福の桃色一色の世界に
ふたりまた溺れながら、このデートはまだ続きそうだ。



198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/13(日) 22:38:00.93 ID:yBSOpk78O

保守ありがとうございました、妄想全開でサーセン
エロよりほのぼの部分書くほうが好きです
文章書く練習にもなるし、また書けたらなぁと思ってます



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