古泉「お疲れ様でーす」


メニュー
トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:次元「怪盗キッドって坊主が、俺達と同じお宝を狙ってるらしいぜ」

ツイート

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 09:46:05.24 ID:J/Bz/nAN0

ハルヒ「お疲れ古泉くん!今日もナイスな「古泉一樹」ぶりだったわ!ねえ、この後一緒に飲みにいかない?」
古泉「ああ、良いですね」
長門「参加を希望する」
みくる「わ、わたしもいいですかぁ?」

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 09:50:01.44 ID:J/Bz/nAN0

居酒屋

ハルヒ「ぷはーーっ!やっぱ収録を終えた後のビールってたまんないわ」
古泉「ええ。いきかえります」
みくる「しかし個室とはいえこんなところで堂々とお酒なんて飲んでていいんでしょうか…
私たち高校生って設定ですし…」
ハルヒ「細かい事は気にしなくていいのよみくるちゃん!」

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 09:53:18.85 ID:J/Bz/nAN0

長門「古泉一樹」
古泉「? 何でしょう長門さん」
長門「お酒。注いであげるからコップを」
古泉「ああ、どうもすみません」
ハルヒ「こらー!有希!抜け駆けは無しよ!」
みくる「あっ…!」
ハルヒ「? 何よみくるちゃん」
みくる「キョ、キョンくんっ…。…誘わなくて良かったんでしょうか…」
全員「!!」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 09:55:45.79 ID:J/Bz/nAN0

ハルヒ「え…?誰か声掛けたりしなかったの…?」
古泉「僕はてっきり朝比奈さんが…」
みくる「私は長門さんが…」
長門「私は涼宮ハルヒが」
ハルヒ「ええー…。えっと…じゃ、じゃあ、今から呼び出す?」
古泉「そ、そうですね」
みくる「そ、それがいいです」
ハルヒ「誰かキョンの携帯番号知ってる人ー」

全員「………」しーん

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 09:58:50.76 ID:J/Bz/nAN0

古泉「わ…悪い事をしましたね…」
みくる「ええ…」
ハルヒ「…まあでもいくら番組で共演してたって…キョンにはキョンの予定もあるでしょ」
みくる「そ、そうですよね!きっとキョンくんも今頃他のスタッフのみなさんととか…」

キョン自宅

キョン「のり弁うめえ」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 10:03:22.39 ID:J/Bz/nAN0

キャスター『えー、人気番組「涼宮ハルヒの憂鬱」の視聴率が遂に30%代に突入…』

キョン「ふっ…当然の結果だろ。何せおれの記念すべき初の主演作なんだ」もぐもぐ

キャスター『視聴率が取りにくいと言われる今のテレビ業界で空前の大ヒットを催している事を伴い巷ではちょっとした社会現象に…』

キョン「うんうん…」うっとり

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 10:07:38.16 ID:J/Bz/nAN0

キャスター『…という訳で「涼宮ハルヒの憂鬱」についてのインタビューを取ってみました。VTRをどうぞ』

リポーター『魅力的な登場人物のキャラは』

男1『やっぱヒロインのハルヒっすよ!あの可愛さマジぱねぇッス』
男2『みくるっすかねー?あの胸やばいっしょ』
男3『長門さんです!口数少ないのにあの存在感とかどんだけ…』

女1『古泉くん!あんなにイケメンなのに演技うまいしー』
女2『てゆーか古泉くん目当てにみてますwwみたいなww』


キョン「…。リア充どもが…」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 10:11:07.61 ID:J/Bz/nAN0

リポーター『では主演のキョンさんについては?』
キョン「ドキっ!」

男A『え?ああ…なんか地味だよね』
男B『視聴者の共感を得ようとして敢えてああいうのを主役に持ってきた〜みたいな感じがしてちょっと…』
女C『なんか無駄に態度大きくてちょっと…』

キョン「…。」
キョン「よるごはんをたべよう」
キョン「ぱくぱくもぐもぐ…」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 10:15:33.08 ID:J/Bz/nAN0

キョン(…っふ…。作品の中ではあほみたいにモテてる俺…)
キョン(なのに何故現実はこうにも冷てえんだよ…)
キョン(何でたかが古泉ごときにこの俺が…)

翌日

みくる「おはようございまーす」
ハルヒ「おはようみくるちゃん!」
古泉「おはようございます」
キョン「おはようございます…」
長門「揃った」
監督「じゃあ撮影いってみよーか!」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 10:19:33.89 ID:J/Bz/nAN0

※みくるとキョンのシーン撮影中

ハルヒ「ね、ねえ古泉くん」
古泉「はい?」
ハルヒ「昨日はみんなで飲みにいったじゃない?確かに楽しかったけど…
でも今度はあたしとその…ふた……」
古泉「ふた?」
長門「…」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 10:21:43.28 ID:J/Bz/nAN0

キョン(…くそ…またあいつら3人は妙な空気出しやがって…外でやれ!!!)
みくる「…ん!」(ぼそっ)
キョン「へ?」
みくる「つ、つぎキョンくんの台詞です!」
キョン「え…あ…やべ…っ」
監督「はいカットカットー!」

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 10:23:21.22 ID:J/Bz/nAN0

監督「駄目じゃない真面目にやんなきゃー」
キョン「す、すみません…少し考え事を…」
監督「役者は集中力ってもんが命なんだよ!頑張って!」
キョン「は…はい…」
キョン(くそ…古泉め………)

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 10:26:20.61 ID:J/Bz/nAN0

みくる「やっと終わりましたねー」
ハルヒ「ええ」(はあ、今日も結局最後まで言えなかったわ…)
古泉「まだ昼過ぎか…。案外今日は早めに終わりましたね」
長門「…」こくり
キョン「…」
キョン(…。まずい、会話に入るってどうやるんだっけな…)

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 10:31:06.70 ID:J/Bz/nAN0

キョン(…くそ、このままじゃ空気野郎になっちまう…)
キョン(…!そうだ!会話に入れなきゃ自分から作りゃいいんだよ!)

キョン「な、なあみんな」
一同「??」
キョン「これからみんなで飯食いにいかないか?」
古泉「すみません…僕このあと他の撮影が…」
ハルヒ「ご、ごめんなさい…あたしはグラビアが…」
みくる「わたしも同じく…」
キョン「………」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 10:34:28.96 ID:J/Bz/nAN0

キョン「…な、長門は?」
長門「今日なら私は空いている」
キョン「…な、なら…」
長門「しかし私はこの後貴重な休みとなる半日を家で寝て過ごす予定」
一同「…」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 10:41:42.91 ID:J/Bz/nAN0

みくる(く…空気がおもいです…)
みくる「と、ところで古泉君の撮影ってなんなんですか?」
古泉「え…?ああ、清算飲料のCMらしいんですが…」
ハルヒ「ええ!古泉くん今流れてるのだけで既に2本出てるじゃない!流石売れっ子ね!」
古泉「それを言うならあなたもですよ。今度今やってる歌番組の以外にバラエティ番組の司会のアシスタント決まったて…」
ハルヒ「みくるちゃんとなの。何だかしらないけどあたしたちセットが受けるみたい」
みくる「そういえば長門さんも今度あの○○監督が手掛ける映画のヒロインやらないかって
オファーきてるみたいですけど…」
長門「…」こくり
ハルヒ「ええー!すごいじゃないの有希!」


キョン「…」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 10:43:40.97 ID:J/Bz/nAN0

ハルヒ(っ!何だかさっきよりキョンを取り巻く空気がどん底に重いわ…!)
ハルヒ「ご…ごめんなさいキョン…」
キョン「ば…、何あやまってんだよ…」
キョン(よけい惨めになるじゃないか…)
古泉「じゃ…じゃあまた今度全員の予定があった時に皆さんで食事しましょう!」
みくる「え、ええ!必ず!」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 10:49:52.84 ID:J/Bz/nAN0

キョン自宅

キャスター『では一旦ここでCMを!』

キョン(何だよ何だよ…みんな揃いも揃って自分の多忙なスケジュール自慢ってか…)
キョン(どうせおれはこの番組以外何の及びも掛かってねえよ…)
キョン(っ…それでもきっとこれが俺の大出世作になる事はちがいねえんだ…その内きっと忙しくなる…)
キョン(…きっと…)

古泉『美味しいところが良い。ペプシ…』
キョン「だまれ!」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 10:54:11.72 ID:J/Bz/nAN0

キョン「…」
キョン(テレビに話しかけるとは…終わってるな俺…)
キョン(…。こんな時は唯一俺にも馬鹿みたいに接してくる谷口にでも電話して…)

キャスター『話題のお馬鹿ユニット「羞恥信」のCDがオリコン1位に…
メンバーの中にはおなじみ「涼宮ハルヒの憂鬱」で好演を見せる谷口…』

ブチッ!

キョン「…ねよう」

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 10:59:36.83 ID:J/Bz/nAN0

数日後

キョン「おはようございまーす…」
ハルヒ「あ…あら、おはよう…」
キョン(…?今日はなんだかよそよそしいな…)
キョン(…っあ!今日の撮影は俺とハルヒのラブシーンがあるではないか!)
みくる「大丈夫ですか涼宮さん?顔色少し悪いですよ?」
ハルヒ「ええ、平気よみくるちゃん」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 11:04:18.87 ID:J/Bz/nAN0

ハルヒ(今日も古泉君きてるのに…その前でキョンとキスするなんて…)
ハルヒ(…何弱気になってるのあたし!…お金貰って演技している以上は甘えは通用しないのよ!)
ハルヒ(それに古泉君は列記としたプロの役者よ…キスシーン一つで考えがかわるわけないわ)
ハルヒ(まあそれ以前にあたしなんか彼の眼中にないかもしれないけど…)

古泉「涼宮さん相当キてますね…大丈夫でしょうか…」
長門「…」

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 11:06:31.65 ID:J/Bz/nAN0

監督「じゃあ2人とも!すたんばってー」
キョン「はい」(キ…キタ――――――――!!)
ハルヒ「はい」
監督「じゃあ準備はいいね?よーい、アクション」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 11:09:36.36 ID:J/Bz/nAN0

キョン「うんたらかんたら…!」
ハルヒ「かんたらうんたら…!」
キョン(え…演技とは言えマジでキスするんだもんなあ…ハルヒの事好きになっちまたらどうしよう)

キョン「うだうだあだあ」
キョン(次ハルヒが台詞を言ったらいよいよだ…!)
ハルヒ「だあだあうだうだ」
キョン(肩に!手を!置くぞ!!)

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 11:12:57.92 ID:J/Bz/nAN0

キョン「…」
ハルヒ「…」ぎゅっ

ちゅっ

ハルヒ(………っ)
キョン(唇柔らけえええ!!!)
キョン(…ハルヒ…こうしてみるとやっぱ美人だよな…)
キョン(…。台本にはキスとしか書いてないけど深い方もありなんだろうか…)
キョン(いやいや流石にそれは…しかし…。)
キョン(エンジンの掛かった車と男はそう簡単には止まらないのだよ!)

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 11:20:04.64 ID:J/Bz/nAN0

監督「はいカーット!オッケーオッケー!濃厚な感じでよかったんでないの?」
キョン「え…あ…?そうっすか…?」
ハルヒ「…」
古泉「…」
長門「…」
みくる「…」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 11:23:00.52 ID:J/Bz/nAN0

ハルヒ「…。監督、すみません。トイレ行きたくなっちゃったんですけど…」
監督「ああいいよいってきなー。じゃあ15分間の休憩って事でー」
ハルヒ「有り難うございます!では…」ダダッ
古泉(…涼宮さん…泣いて?)
古泉「…涼宮さんっ」ダッ

長門「…」
長門「いってしまった…」

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 11:25:22.31 ID:J/Bz/nAN0

ハルヒ(うう…ひどい…台本にはディープキスなんて書いて無かったのに…)
古泉「涼宮さん!」
ハルヒ「! 古泉くん!」
ハルヒ(あなたに合わせる顔がない…)
古泉「…ショックでしたか?」
ハルヒ「ええ…ちょっと…びっくりしちゃって…」

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 11:29:20.94 ID:J/Bz/nAN0

古泉(勢いで追いかけて来てしまったもののこの先どうすれば…)
ハルヒ「…古泉くん、あたしを軽蔑してる?」
古泉「…へ?」
ハルヒ「役者の癖にちょっと予定に無かったことされただけで泣きだすなんて…馬鹿みたいよね…ほんと…」
古泉「涼宮さん…」
ハルヒ「…ほんと…馬鹿みたい…」
古泉「そんな事はないです。あなたは立派な役者ですよ」
ハルヒ「有り難う…」
古泉「そして一人の魅力的な女性でもあると思います」
ハルヒ「!」

124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 19:22:45.16 ID:J/Bz/nAN0

キョン「…」
長門「…」
キョン「…」
長門「…」
キョン「あの…言いたい事があるならなんか言ってくれないか?」
長門「特に」
キョン「ああそう…」
長門「ただ」
キョン「?」
長門「あなたが涼宮ハルヒに好意を抱いているとは思わなかった」
キョン「いや…別に好きとか…そういうのじゃ…まだ…」

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 19:25:32.16 ID:J/Bz/nAN0

長門「では何故先程彼女に」
キョン「いやなんか…なんだろ…。良く分からんがなんとなく…」
長門「さ「最低ですっ!」
キョン「! 朝比奈さん!?」
みくる「…っ最低です…。見損ないました…」

127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 19:27:32.81 ID:J/Bz/nAN0

みくる「キョンくんの…キョンくんの馬鹿っ!」タタッ
キョン「朝比奈さん…」
キョン(うちのキャスト駆け出すの好きだな…)
長門「分かりやすい人」
キョン「何がだ?」
長門「あなたはただの馬鹿」
キョン「がーん…」
長門「口で言う…」

128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 19:31:20.26 ID:J/Bz/nAN0

ハルヒ「み…魅力的?あたしが…?」
古泉「ええ」
ハルヒ「古泉くんの眼に…そう映るの…」
古泉「ええ、はっきりと」
ハルヒ「…」
古泉「…」
ハルヒ「…」
古泉「はは…照れますね、なんか」
ハルヒ「え…ええ///」

130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 19:33:19.84 ID:J/Bz/nAN0

古泉「あの…、彼の事は許してあげて下さい。きっと初のラブシーンで極度の緊張状態に陥っていたのでしょう」
ハルヒ「ええ…。」
古泉「…大丈夫ですか?」
ハルヒ「ふふ、何言ってるの。あたしはそんな心が狭くも脆くもないわ」
古泉「涼宮さん…」

132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 19:35:43.31 ID:J/Bz/nAN0

ハルヒ(はあ…なんか安心したらトイレいきたくなっちゃった)
ハルヒ「じゃあ古泉君、先戻ってて。あたしもすぐ戻るから心配しないで」
古泉「ええ、分かりました」


長門「何故朝比奈みくるを追いかけない」
キョン「え、あそこ俺が追いかける所だったのか…?」
長門「…」
キョン「…」

134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 19:40:52.21 ID:J/Bz/nAN0

古泉(…さて、では戻りますか…)

たったったったった どんっ

みくる「きゃっ!」
古泉「わっ!」
みくる「ご…ごめんなさ……あ…、古泉君…」
古泉「朝比奈さん、どうしたんですか?涙を…」
みくる「いいえ…あの…なんでも…」
古泉「無いわけないでしょう?」

135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 19:42:46.57 ID:J/Bz/nAN0

みくる「……わたし…駄目です…キョンくんに酷い事いっちゃった…」
古泉「…」
古泉「ショックのあまり混乱してたのでしょう。大丈夫ですよ、彼だって鬼じゃない」
みくる「でも…でも…。」
みくる「キョンくんに嫌われたらどうしよう…」
古泉「…」

140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 19:46:51.48 ID:J/Bz/nAN0

古泉「…朝比奈さん…」
みくる「…はい?」
古泉「貴方が彼に恋心を抱いているのは分かっています…でも僕は…」
みくる「! キョンくん!」
古泉「!」
キョン「…あ…」
キョン(長門のオーラが怖くてきちまったが…俺は何をすればいいんだ?)

142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 19:50:05.05 ID:J/Bz/nAN0

キョン「えー…と朝比奈さん…すまんかった…」(とでも言っとくか一応…)
みくる「そ…、そんな…わたしこそ…」
古泉「…」
古泉(僕、先戻ってますね…)

144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 19:51:48.29 ID:J/Bz/nAN0

キョン自宅

キョン「ふー…今日は色々あった…。」
キョン(しかしハルヒのあの唇…不安げに揺れていた瞳…)
キョン「…」

2分後

キョン「最低だ…俺って…」

148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 19:55:08.22 ID:J/Bz/nAN0

キョン「とうとうハルヒをオカズにしちまうとは…」
キョン「つーか夜飯買ってくんの忘れた…」
キョン「おかずはたった今排出したとこだしな…なんちゃって…」
キョン「…」
キョン「パソコンでもするか…」

152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 19:58:52.22 ID:J/Bz/nAN0

キョン「お、ハルヒスレ賑わってんなー…なになに…」
キョン「『長門たんの華奢な背中をぺろぺろしたい』」
キョン「『ハルヒの脱ぎたての汗を吸った体操服くんかくんかしたい』」
キョン「『みくるに気持ち悪いですこんなの嫌ですって泣きながら足コキされたい』」
キョン「…。」
キョン(俺って結構まともじゃないか…)

156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 20:03:00.67 ID:J/Bz/nAN0

キョン(しかしもっとまともな意見はないのだろうが…俺への応援メッセージ的な…)

『古泉普通にカコイイ』
『古泉いいな。良い演技するし』
『私男だけど古泉にならry』

キョン「……」

カタカタカタカタカタ

キョン「でもキョンも結構格好良くないか?…と、」

160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 20:07:25.03 ID:J/Bz/nAN0

『本人乙』
『キョン乙』
『キョンさん何やってんすか』

キョン「こいつら…選ばれし能力者(エスパー)か…」

165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 20:11:56.71 ID:J/Bz/nAN0

キョン「あー…くそ…気分悪ぃな…飯でも食いに行くか…」

とことことことこ

キョン「さて、どの店に入ろうかな…」
キョン(そういや今いくら持ってたっけ…)
キョン(!500円…だと!?仮にも芸能人だぞ俺…)
キョン(…あ、そういや昨日アニメイトで有り金ほとんどはたいちまったっけ…)

169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 20:15:37.09 ID:J/Bz/nAN0

キョン(しょうがね…吉野んちで飯食うか…)

某牛丼屋チェーン店


古泉「恥ずかしい話僕牛丼って初めて食べたんですけどすごくおいしいですね、これ」
長門「好き」
古泉「ええ、好きです」
長門「…そう…。好き…」
古泉「長門さんって意外とジャンクなものを…って聞いてますか?」
長門「///  …え、」

174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 20:20:49.37 ID:J/Bz/nAN0

ウィィーン

店員「エアロスミスーッ」
キョン(混んでるな…。あ、でもカウンター…一席空いてるぞ)


キョン(どっこいしょういち…さあさっさと食って家かえろ…)
古泉「! あれ…」
キョン「ん?…って、古泉…っ。それに長門…!」

176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 20:25:10.84 ID:J/Bz/nAN0

キョン(っち…何だ古泉の奴…長門とハルヒをとっかえひっかえか?良い御身分だな…)
キョン「な、何だよおまえらーデートか?」
長門「そう」
古泉「ええ…!?僕等は帰る時間がたまたま被ったんでこうして食事をとっていたのでは…」
長門「…」
長門「うっかりしてた」

180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 20:29:18.84 ID:J/Bz/nAN0

店員「御注文は?」
キョン「牛丼一つ」
古泉「しかし偶然ですよね」
キョン「あ…ああ。そうだな」
長門「チカン」
キョン「な…なんでだよ!」
長門「この辺りでは良く出没するらしい」
キョン「ああ…そゆこと…」

186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 20:38:11.61 ID:J/Bz/nAN0

長門「そろそろ店を出る」
古泉「そうですか。じゃああの、また後日」
キョン「あ、ああ…」

古泉「会計は僕に払わせて下さい」
長門「いい」ぶんぶん

キョン「…。長門のやつ、古泉といる時はわりと猫かぶってやがるよな…ははは…」

188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 20:44:24.24 ID:J/Bz/nAN0

キョン(俺…こんなとこで何やってんだろう…。もっと他に、ヤるべき事があるんじゃないのか?)

『チカンがこの辺りでは良く出没するらしい』

キョン「…いやいやいや。第一そんな勇気は俺にゃあねえぜ…。せめてもっとこう…盗撮的な軽い物に…」
店員「店長ー…何かさっきからあちらの御客さんブツブツ怪しいんですけど」
店長「マジっすか。つーかあれキョンじゃね?ぱねぇー」

193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 20:49:29.29 ID:J/Bz/nAN0

再び自宅

キョン「さて、ぐだぐだ下らない事考えて無いで寝るか」
カチッカチッ
キョン(何で俺…こんなんなっちまったんだろう…)
キョン(小学校の頃は…バレンタインチョコとかも貰った事あったのに…。いや一個だけど…)
キョン(あの頃は良かった…。友達もいたし…つーかあの頃の俺なんで他人と話すときあんな普通に話題提供出来てたんだろ…)
キョン(高校とかはそういうとこもっと教えた方がいいぜ…本当…)

199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 20:57:45.27 ID:J/Bz/nAN0

キョン(憂鬱の撮影まで時間があるな…たまには事務所に顔出すか)

キョン「おはよーございま…ん?なんだあの人だかりは?」
みくる「おはようございますキョンくん!」
キョン「朝比奈さんもここに。あの人だかりは一体?」
みくる「ああ、聞いて下さい!凄いんですよ古泉くん!
これまだ極秘事項何ですが…実は彼、大河の主演決まったみたいなんです!」
キョン「大…河?」

201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 21:03:44.63 ID:J/Bz/nAN0

キョン「あはは…何ですかそれ?本当に?」
みくる「本当ですって!向こうの監督さんはどの男優さんにオファー掛けるかで酷く悩んでいたらしんですが
何でも憂鬱での演技を見染められたそうで…」
キョン「…へえ…そうなんですか…」
みくる「…キョンくん?」

キョン(主演男優を探していて憂鬱での演技を見染められた…か…)
キョン(じゃあ俺にもっと実力があれば大河の主演に選ばれた可能性があったって事か…)
キョン(何でこう…神様は古泉ばっかに微笑むんだよ…)
キョン(…古泉さえ…)

205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 21:09:27.39 ID:J/Bz/nAN0

キョン(…そういや…この前…。そうだ…あれは確か俺がハルヒディープインパクトを刻んだ日だ…)
キョン(長門の視線に耐えきれず朝比奈さんを追いかけてくと古泉となんか話してて…)
『貴方が彼に恋心を抱いているのは分かっています…でも僕は…』
キョン(…!彼ってのは誰か知らんがつまるところ…古泉は朝比奈さんの事を…?)

207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 21:15:33.91 ID:J/Bz/nAN0

みくる「キョンくん…?」
キョン「…。朝比奈さん…って、あれ…なんだか顔色良くないですね」
みくる「ええ…最近なんだかどこでも誰かに見られてるような気がして…
それに部屋に帰ると微妙に家具の位置が変わっていたり…するんです…」
キョン「な…それってストーカーじゃないですか!」
みくる「やっぱそうなんでしょうか…」

211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 21:18:26.06 ID:J/Bz/nAN0

キョン(ここはストーカー対策を一緒に考えたりしちゃって急接近し古泉を苦しめるか…?)
キョン(いや…待てよ…?)

キョン「分かりました朝比奈さん。これからは貴女が無事に帰宅できるよう家まで送らせます」
みくる「え…/// って…「らせます」???」
キョン「古泉に、ですよ」

214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 21:20:02.29 ID:J/Bz/nAN0

みくる「…え」
キョン「奴には俺から言っておくんで」
みくる「な…なんで古泉君が…」
キョン「心配しないで下さい朝比奈さん。貴女の身の安全はきっと保障されますよ」
みくる「…。キョンくん…」

217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 21:22:20.78 ID:J/Bz/nAN0

古泉「なんですって!?彼女がストーカー被害に!?」
キョン「しっ…。この事は内密に頼むぜ」
古泉「許せませんね…分かりました。彼女は毎晩僕がきっちり家まで送りましょう」
キョン「ああ、これで俺も安心だよ」
キョン「しっかり頼むぜ、古泉…」

220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 21:25:07.98 ID:J/Bz/nAN0

キョン(…ここが朝比奈さんの住むアパート…良いとこだな…)
キョン(しかし震えが止まんねえぜ…全くなんて事しようとしてんだ俺は…)
キョン(でも俺は…何時までも古泉の影で臆病風吹かせてる訳にはいかねえんだ…)

222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 21:28:35.32 ID:J/Bz/nAN0

2時間半後

キョン(…!あの見るからに怪しい男…明らかにこんな高級アパートの住人じゃない…)
キョン(…後を付けるか…)

とことことことこ
とことことことこ

キョン(! 朝比奈さんの部屋の前で止まった…)
キョン(ポケットを弄って…ピッキング道具…ビンゴだな、こりゃ…)

キョン「…ちょ、ちょっとあんた…」
男「!」びくっ

225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 21:31:41.37 ID:J/Bz/nAN0

キョン「あんた…そこの部屋の住人じゃないだろ?」
男「お…おま…お前は…キョ…キョン!」
キョン「落ち着いてくれ。俺はあんたの同士だと思ってくれていい」
男「同士だと…?」
キョン「あんた朝比奈さんに惚れてんだろう?」

229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 21:35:08.95 ID:J/Bz/nAN0

男「っ…」
キョン「俺だってそうさ…顔合わせの時一目彼女を見て以来ずっと彼女に夢中だった」
男「そ…そうだとしてもそんなあんたが一体…」
キョン「最近朝比奈さんがストーカー被害受けてるって悩んでたんだ。これ、あんたの事だろう?」
男「うっ…うう…」
キョン「本来なら彼女の平和を脅かすお前を早々警察に突き出してやりたい所なんだが…
生憎彼女の周囲にはあんたなんか比にならないぐらい厄介な男がいるんだよ」

231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 21:40:29.50 ID:J/Bz/nAN0

男「何だって…誰なんだそいつは!?」
キョン「古泉一樹さ。あいつは彼女とデキてんだ」
男「!!!!? ウ、ウソだ!!!」
キョン「嘘だったら俺だってどんなに嬉しかったか。しかし愛する彼女が愛する男を見つけて
幸せな恋愛を出来るならそれでいい…そう思ってたんだよ、最初は」
男「…?」
キョン「古泉は持ち前の人のよさそうな面と演技力を利用しては彼女から上手い様に金を巻き上げている。
それどころか他にも何人もの女がいて朝比奈さんはあいつにとって唯のセフレの中の一人程度でしかないんだよ…」
男「な…なんだって…!?」

236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 21:43:55.84 ID:J/Bz/nAN0

男「許さねえ…今すぐ奴を殺しにいく!!」
キョン「落ち着け!単体で行動を取れば背負うリスクは大き過ぎる!」
男「じゃ…じゃあ…」
キョン「ああ俺も協力するさ。彼女を救う為だったら牢屋はいたって惜しくはねえよ」
男「…っ。分かった…。お、おれはその…どうも熱くなると周りが見えなくなるみたいで…
これからはお前の言う様に行動するよ。でも出来るだけ早いうちにヤツを…」
キョン「分かってる。じゃあ明日の夜に………」

238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 21:45:37.30 ID:J/Bz/nAN0

キョン「くっくっくっく…ははははははは!」
キョン「面白い程に鵜呑みにしてやがったぜあいつ」
キョン「やっぱり俺には才能があるんだ…役者としての才能が…」

240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 21:48:02.78 ID:J/Bz/nAN0

キョン「お疲れ様でーす」
ハルヒ「お疲れキョン。」
キョン「ああハルヒ…。そういやこの前はすまんかったな、本当に」
ハルヒ「な…何よ今更。どうかしたの?」
キョン「いいや、ただ本当にそう思ってさ」

246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 21:51:48.18 ID:J/Bz/nAN0

古泉「では朝比奈さん、僕は自分の仕事が終わったらそのまま直接貴方の仕事場までいくので
それまで時間が有るようでしたらスタッフの皆さん方と一緒に…」
みくる「は、はい、分かりました。なんだかすみません…ここまでしてもらうなんて…」


キョン(やってるやってる…)
キョン(さっき古泉と朝比奈さんの鞄を漁ってスケジュール帳を確認したがあいつらの帰りは早くても午後十一以降になりそうだな…)
キョン(それまであの馬鹿男と二人ですたんばらなきゃならんのか。全く…憂鬱だぜ、ははっ)

250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 22:00:13.03 ID:J/Bz/nAN0

男「なあ…今、何時だ?」
キョン「十一時を回った。そろそろだな。いいか、もう一度作戦を確認するぞ」
男「あ、ああ。」
キョン「まずお前が古泉と朝比奈さんの前に現れナイフを持って暴れ二人の注意を完全に奪う。
そこで次に俺が登場し無防備な古泉をナイフでぐざり…分かったか」
男「で…でもやっぱそれじゃあお前の背負う物が大き過ぎるぞ?い…いいのか?」
キョン「はは、構わないさ」
キョン「それとお前が持つのは偽物のナイフだぞ。朝比奈さんに傷をつけたりしたら元も子もない」
男「あ…ああ…、分かったぜ…」

253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 22:04:50.67 ID:J/Bz/nAN0

キョン(ははは…ストーカ野郎、悪いが利用させて貰うぜ…)
キョン(飛び出してったお前を背後からこの俺が叩きのめす…)
キョン(ちゃちもんのナイフを持った貧弱な身体付きお前にきっと俺は余裕を持ってボコに出来るだろう…
大体ストーカーをやるような奴って時点でお前みたいなガリガリ男を連想出来た)
キョン(見かけは本物そっくりなナイフに怯えた古泉はきっとその場で腰を抜かすに違いない…
窮地に立った朝比奈さんの前に現れストーカーを倒す俺…その時点で古泉のプライドは死んだもどうぜんだ!)

257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 22:08:21.29 ID:J/Bz/nAN0

男「!来たぞ!」
キョン「声が大きい!…よし、思う存分暴れてこい。お前の演技期待してるぞ」
男「演技何かしなくても十分さ…俺のみくるを汚した罪…とくと味わいやがれ古泉…!!!」だだっ

男「うおおおぉおおーーー!!」
みくる「きゃあああ!!!」
古泉「!!ナイフを!」

キョン「くくく…」

264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 22:13:15.47 ID:J/Bz/nAN0

キョン(さあそろそろ騎士の登場といきますか…ん?)
キョン(!!!! あの馬鹿!!!間違えて本物のナイフ持って行きやがった!!)
キョン(このままじゃ下手したらマジで…っ!!!)


男「みくるぅぅうう!好きなんだよぉおおおおおお」
みくる「いやぁっ!気持ち悪いっ…」
男「!!!」
男「気持ち…悪い…!?」
男「嘘だ…嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ」
男「みくるが俺にそんな事を言う筈が無い!」
男「さてはお前…偽物だろ!?そうなんだろ!?そうにきまってる!!」
男「本物のみくるを出せえええお前なんか消ええおおおおおお」ザッ
みくる「きゃあああああっ!」

キョン「待てーやめろおおおおおお」

古泉「朝比奈さん危ないっ!」

ざくっ

270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 22:18:53.20 ID:J/Bz/nAN0

古泉「あ…!?」
みくる「古泉くん!!!」
キョン「古泉いいいいいいいいいいいい!!!」
男「なっ…なんで…なんでなんで…!?ほんも…っ」ガクッ
古泉「だ…大丈夫です…結構浅ッ…がはっ…」ばたっ
みくる「いやああああああああっ!血っ!古泉君、血があっ」
キョン(う…嘘だろ……)
キョン(違うんだ違うんだ古泉…)
キョン(俺はただちょっとお前に悔しい思いをさせたかっただけで…)
キョン(こんな…こんなこんなこんなこんなっ!!)

284 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 22:25:00.19 ID:J/Bz/nAN0

――

古泉「車椅子…?」
医者「ええ…。残念ですがこれから生きていく上であなたそれなしでは生活できません」
古泉「そうですか…」
医者「…」
古泉「ふふ…やっぱり…大河なんて僕には大きすぎたんですね…」
医者「…」
古泉「しかし命あって何よりですよ。何故医者の貴方がそのように暗い顔をするのです。
患者である僕を元気にして下さるのがあなた方の仕事でしょう?」
医者「え…ええ。ごめんなさい。一緒に頑張っていきましょう」

296 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 22:28:50.83 ID:J/Bz/nAN0

長門「車椅子…一生……」
ハルヒ「古泉くんっ………ああっ…うわああっ…」
みくる「あたしの…あたしのせいで…ううううっ…」
古泉「気にしないで下さい皆さん。僕はこの通り生きてます。生きてりゃいい事あるんです。
それにしたって憂鬱シリーズを降板する事になってしまったのは本当に申し訳無いですね。
撮影に穴を空けてしまって…」

305 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 22:34:16.56 ID:J/Bz/nAN0

ハルヒ「じゃあ…また来るわ…古泉くん…」
長門「毎日でも」
みくる「必ず、必ずきますっ…」
古泉「はは…皆さんそんなに気を使わないでください。どうかお気をつけて」

パタン…

古泉「ふう」

ガチャッ

古泉「鈴宮さん。忘れ物ですか?」
ハルヒ「ええ。似たようなものだわ。」
ハルヒ「…あの…古泉くん…」
古泉「なんでしょう?」
ハルヒ「何時か退院した時…その時はどうかあたしと古泉くん2人だけで飲みにいきましょう!」
古泉「!」
古泉「ええ…必ず」

309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 22:37:19.17 ID:J/Bz/nAN0

ハルヒ「じゃあ今度こそ、さよなら」

パタン

古泉「…」
古泉「もう、本当に帰りましたよ」

ガタッ

キョン「…そうか」
古泉「そんな狭いとこに隠れてて身体痛くなりません?」
キョン「いや、大丈夫だよ」

310 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 22:39:13.85 ID:J/Bz/nAN0

キョン「…。古泉、」
古泉「すまん、はもう聞きあきました。それと「やっぱり出頭する」ってのも」
キョン「…」
古泉「そんな事をしたらそれこそ僕は一生貴方を許しません」
キョン「…。」
古泉「あれは事故だったんですから」

314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 22:43:03.50 ID:J/Bz/nAN0

古泉「それに貴方まで涼宮ハルヒを降板したらそれこそ番組が危くなる」
古泉「そんな事は許しませんよ」
古泉「愛してたんです。あの番組を」
キョン「…朝比奈さんも?」
古泉「…僕が彼女を?何故!」
キョン「え…」

322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 22:47:47.50 ID:J/Bz/nAN0

古泉「僕は彼女を愛したというわけじゃありません」
キョン「じゃ…じゃあ」
古泉「愛されたかっただけです」
キョン「…。何が違うんだ?」
古泉「彼女からはとても魅力的な女性的で母性的な魅力を持ってます。
そんな彼女に僕は甘えたかったのかもしれませんね…なんというかこう、癒されたかったというか…」
古泉「でも考えてみたらそんな求めるばかりのもの、恋愛とはいえないでしょうね」

324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 22:51:02.03 ID:J/Bz/nAN0

古泉「ちょっと不謹慎な話ですけどね。刺された時彼女が僕の為にだぶだぶ泣いてくれて少し嬉しかったんです」
古泉「だけど今はこのまま一生彼女が歩けないようになった僕を自分の責任だと引き摺ると思うと本当に切ないです」
古泉「そんな事はけしてないのに。」
キョン「…」
古泉「あなたにもいえる事なんですよ」

328 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 22:56:01.11 ID:J/Bz/nAN0

キョン「…俺は…一生お前に勝てそうにもないよ…」
古泉「…泣かないで下さいよ、立派な青年が…」
キョン「でも古泉…それは無理な話なんだ。きっとおれはこの先一生お前への罪悪感を胸に抱き続ける。
それがせめてもの誠意だって俺の悪い頭はそう言ってるんだ」
古泉「…そうですか…」
キョン「…」
古泉「じゃあ…それでもあなたはこの先の人生をいっぱいに笑って過ごして下さい。
僕への罪悪感に蝕まれる事無く辛いこと何か吹き飛ばすみたいな笑顔を浮かべていて下さい」
キョン「…」
キョン「ああ…。ああ、必ず」

334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 23:01:16.51 ID:J/Bz/nAN0

ハルヒ「はい古泉くん、りんごが向けたわ!ウサギさんよ!はい、あーん」
長門「私は一度も皮を一度も途切れる事無く向き通した。口を開いて」
ハルヒ「ちょっと有希!あんた昨日も古泉くんに食べさせてたでしょ!今日はあたしの番よ!」
長門「記憶にない」
古泉「ま…まあまあ2人とも…」

みくる「あ、わたし持ってきたお花の水かえてきますねー」
古泉「どうもすみません」

340 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 23:10:37.09 ID:J/Bz/nAN0

じゃーー

みくる「♪」
キョン「朝比奈さん」
みくる「キョンくん!びっくりした…一体いつから…」
キョン「俺、考えたんですけど」
みくる「?」
キョン「泣きたくない時涙を流す事は容易いこと何だと思うんですが
笑いたいとき笑う事ってそれはすごくつらい事だと思うんです。やっぱりあいつは鬼畜ですね」
みくる「…何を?」
キョン「綺麗事言ったって結局俺と貴女の罪の意識は消えない、どうやったって俺達は一生苦しい。そうでしょう?」
みくる「…!」
キョン「だから眼には眼を、歯には歯を、苦しさには苦しさを…罪悪感には罪悪感を」
キョン「今俺達が死ねば一番それを気に病むのは古泉だろうから」
キョン「良い案だとは思いませんか?脚本家になればよかったのかもしれない」
キョン「もう疲れたんです、オレ」
みくる「………キョ…ッ」

351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/12(土) 23:17:52.86 ID:J/Bz/nAN0

パリンッ

ハルヒ「きゃっ!ごめんなさい」
長門「怪我は」
古泉「大丈夫ですか涼宮さん!」
ハルヒ「ええ、有り難う古泉君、有希。」
古泉「あ…そう言えば前に今度5人でご飯食べに行こうって約束してましたよね」
ハルヒ「え…ああ!そうだったわね!」
古泉「ふふ、安心して下さい。あなたとの約束を先に果たしますから」
ハルヒ「え…//////」
長門「…抜け掛け」
ハルヒ「や、やだ有希!そ、そんなんじゃないわよ!」
古泉「あはははっ」






ツイート

メニュー
トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:長門「…私のどらやき」