1 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/14(土) 16:49:34.91 ID:nRDv+oWGO
いつもの放課後。いつもの部室。そしていつものメンバー……いや、一人足りない。
キョン「長門が来ないな」
古泉「変ですね。昼間お見掛けしたんですが。なにかあったんでしょうか?」
みくる「ちょっと心配ですぅ……」
ハルヒ「キョン! 今すぐ有希を捜しに行きなさい! なんかの事件に巻き込まれたのかもしれないわ!」
キョン「そんな馬鹿な。学校で事件なんて起こらんだろ……」
???「胸〜に つけ〜てる マークは流星〜♪」
キョン「ん?」
みくる「部室の外で誰かが歌ってますぅ……」
5 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/14(土) 16:53:29.72 ID:nRDv+oWGO
バーン!!
キョン「!!!」
長門?「シュワッ!」バッ
キョン「うおっ!?」
ゴロゴロゴロ……
長門?「ヘアッ!」スタッ
みくる「な、なんなんですか!?」
古泉「これは……」
ハルヒ「ちょ、ちょっと有希!? 変なお面なんか被ってどうしたのよ?」
キョン「な、長門……? これは一体……」
長門?「私は長門ではない。ナガトラマンだ!」コホー
キョン「は?」
ナガトラマン「…………」コホー
6 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/14(土) 16:56:14.68 ID:nRDv+oWGO
キョン「訳が分からない。とりあえず、なぜウルトラマンのお面を被ってるんだ?」
ナガマン「……私は地球にウルトラマンというヒーローが存在することを知った」コホー
キョン「……それで?」
マン「……遠い異星の出身でありながら、地球のため、人類のために戦う彼に対して私は……」コホー
キョン「私は?」
マン「人間の感情でいうところの『憧れ』のようなものを抱いた……」コホー
古泉「なるほど。それでウルトラマンの真似事をしてみようと?」
マン「そう……」
キョン「理由は分かった。ところで、そのお面はどっから持ってきたんだ?」
マン「……近所に住んでいる子供から強だt……借りた」
キョン「返してきなさい!」
10 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/14(土) 16:59:36.71 ID:nRDv+oWGO
古泉「長門さんはウルトラマンのことをどこで知ったんですか?」
マン「……数日前、お面をくれた……貸してくれた子供が近所の公園でごっこ遊びをしていた」コホー
ハルヒ「今どき珍しいわね」
マン「それに興味を持った私は、その子供を捕えて尋もn……ウルトラマンについて教えてもらった」コホー
キョン「長門が被ってるのは初代マンのお面だろ? 小さな子供が知ってるのか?」
マン「……子供からは詳細な情報を得られなかった。
そこで私は近所に住んでいる大きなお友達からDVDセットを強だt……借りた」
キョン「それも返してきなさい!」
11 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/14(土) 17:03:03.64 ID:nRDv+oWGO
キョン「やれやれ……」
マン「シュワッ! ヘアッ!」
やや猫背気味の中腰になり、初代マン特有のファイティングポーズを取りながら長門が叫んでいる。
ハルヒ「有希、そういう遊びは小学生で卒業するものよ? 特に女の子はもっと早い段階でね」
マン「ダーッ!」
ハルヒ「聞いてないわね……」
キョン「まあ、高校生にもなって不思議探索だなんだと言ってるおまえには言われたくないわな」
ハルヒ「なんか言った? キョン」
キョン「い、いや別に」
みくる「それにしても長門さん、なんだかとっても楽しそうですぅ〜」
マン「……」ギロリ
みくる「!?」ビクッ
マン「……超乳怪獣・オパイドン」
みくる「ふぇ!?」
12 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/14(土) 17:05:36.36 ID:nRDv+oWGO
マン「ダーッ!」バッ
みくる「ひぇ!?」
マン「シュワッ!」ズビシ
みくる「い、痛いですぅ! 長門さん、やめてくださぁい!」
古泉「どうやら朝比奈さんがターゲットにされてしまったようですね」
キョン「オパイドン……。なんて安直なネーミングだ」
ハルヒ「ちょっとキョン! ぼーっと見てないで有希を止めなさい!」
キョン「なんで俺が……」
みくる「キョンくぅ〜ん! 早く助けてくださぁい!」
キョン「待っててください朝比奈さん!
今、真のヒーローであるキョン・ザ・グレートが助けに行きますからね!」
ハルヒ「…………」
14 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/14(土) 17:08:06.62 ID:nRDv+oWGO
キョン「こら長門! 朝比奈さんに暴力を振るうんじゃない!」
マン「シュワッ!」ボインボイン
みくる「きゃあ!? 変なところ触らないでくださぁい!」
キョン「や、やめなさ……い……」
マン「ヘアッ!」モミモミ
みくる「あんっ!? やめてくだ……ひゃい!!」
キョン「…………」
マン「ダーッ!」クリクリクリクリクリ
みくる「ら、らめぇぇぇぇぇぇぇええ!!!」
キョン「…………」ゴクリ
15 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/14(土) 17:10:32.29 ID:nRDv+oWGO
ハルヒ「ちょっとキョン! なに座り込んでるのよ! 早く有希を!」
キョン「い、いや、それが……俺の体がちょっとうかつには動けない状態に……」
ハルヒ「?」
マン「……フルボッキ宇宙人・エロキョン星人」
キョン「ぶっ」
19 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/14(土) 17:13:47.06 ID:nRDv+oWGO
ハルヒ「フルボッキ?」
マン「……雄の性的興奮が昂まると、海綿体に血液が集まり、陰茎が膨張する。
その膨張が最大限に達した状態を俗に……」
キョン「らめぇ! 詳しく説明しちゃらめぇ!」
ハルヒ「サイテーね……」
古泉「おやおや。なにやら別のバトルが始まりそうですね」
キョン「くっ! 余裕そうなツラしやがって! そういうおまえはどうなんだよ!?」
古泉「もちろんカティンコティンですがなにか?」
マン「怪獣モチロンだよ」
キョン「また古いネタを……」
20 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/14(土) 17:15:53.48 ID:nRDv+oWGO
マン「シュワッ!」ズビシ
みくる「痛っ!」
マン「ヘアッ!」デュクシデュクシ
みくる「ひぇぇぇえん! もう許してくださぁい」
マン「……攻撃して」ボソッ
みくる「ひゃい?」
マン「……ウルトラマンは敵を倒す前にピンチにならなければならない。それがお約束。だから攻撃して」
みくる「……なんだかよく分かりませんが、攻撃すれば許してくれるんですね?
いきますよ? えいっ!」ペチッ
マン「ヘアッ!」バッ
ガツッ!
マン「はひょ!?」
みくる「あ……」
マン「ふがっ! ……ふむっ……フーッ……」ゴロゴロゴロ……
22 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/14(土) 17:18:40.80 ID:nRDv+oWGO
朝比奈さんに軽く肩を叩かれた長門は横っ飛びに自分で吹っ飛び、
その拍子に団長の机の角でしたたか脛を打った。
キョン「あちゃ〜」
古泉「あれは相当痛いですね」
みくる「だ、大丈夫ですか!?」
ハルヒ「こんな狭い場所で暴れるからよ。これに懲りたらこんな遊びはもう……」
しばらくの間、ぶつけた方の脛を抱えて床中を転げ回っていた長門だが、
肩で息をしながらも、やがてゆっくりと立ち上がってきた。
マン「ハヒー……ハヒー……シュ、シュワッ!」ムクリ
ハルヒ「ま、まだ続けるの?」
みくる「ひぇぇぇえん! もう終りじゃなかったんですかぁ?」
キョン「いや……」
古泉「ウルトラマンには必殺技がありますからね。あれが出ないうちは終らないでしょう」
みくる「ひ、必殺技!?」
25 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/14(土) 17:21:52.73 ID:nRDv+oWGO
マン「……ティコン……ティコン……ティコン……シュワッ!」ハァハァ
古泉「カラータイマーが点滅し始めましたね」
キョン「音を自分の口で言ってるから息切れしてるな」
長門の胸元を見ると、おそらくは自分の手作りであろうカラータイマーが本当に点滅している。
しかし、長門の力をもってすれば一緒に音が出るようにすることも可能だったろうに……。
みくる「あれが点滅するとどうなるんですかぁ?」
古泉「そろそろ来ますよ。必殺技が」
みくる「えぇぇぇ!?」
マン「ティコン……ティコン……ティシュン!」
キョン「あ、間違った」
古泉「音を口で表現しなければならない弊害ですね」
マン「…………ダーッ!」ボカッ
キョン「いてっ! 八つ当たりはやめて」
28 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/14(土) 17:26:05.73 ID:nRDv+oWGO
ハルヒ「ちょっとあんた達! のんきに見てるけど大丈夫なの? 必殺技なんて……」
キョン「それは多分心配ない」
みくる「どうしてですかぁ? わたしとっても怖いんですけど……」
古泉「ウルトラマンの必殺技は光線技です。実際に蹴ったり殴ったりする訳ではありません」
キョン「カラータイマーの点滅音を自分で表現するぐらいだからな。光線技も声だよ、多分」
マン「…………」ピクッ
キョン「ん?」
バッ
古泉「来ます!」
みくる「なんだかとっても嫌な予感がしますぅ……」
30 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/14(土) 17:29:06.96 ID:nRDv+oWGO
朝比奈さんから距離を取るため、長門は側転で移動した。
辺りかまわず回っているため、周囲にある物があちこちに散乱する。
俺とハルヒはとっさに避けたが、逃げ遅れた古泉が回転する長門に側頭部をおもいきり蹴られた。
古泉「ぐえっ」
長門はスカートを穿いていることなどまったく気にせずに側転しているので、パンツが丸見えになっている。
その様子をじっくりと観察していたかったが、こちらをじとーっとした目付きで見ているハルヒに気付いた。
ハルヒの痛い視線から逃れるため、俺は仕方なく古泉に声を掛けた。
キョン「大丈夫か、古泉」
古泉「痛つつ……。僕としたことが避けそこねてしまいした」
俺の思惑など露ほどにも知らんらしく、爽やかな微笑をこちらに向けてくる。
すまん、古泉……。
光線を放つベストポジションまで移動したらしい長門は、
朝比奈さんのいる方向に向き直ると、手の平を開いた状態で右手を高く宙に掲げた。
みくる「ひっ!?」
32 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/14(土) 17:31:59.97 ID:nRDv+oWGO
左手も同じように掲げ、頭上で右手と合わせる。
すると、合わせた両手が光を放ち始めた。
ハルヒ「なにコレ!? どうなってるの?」
古泉「……長門さんの親戚に特撮関係の会社に勤めている方がいらっしゃるそうなんです。
おそらく、その方の協力ではないかと……」
ハルヒ「へぇー。最近の特撮技術って凄いのね」
すかさずフォローを入れる古泉と、まんまと騙され感心するハルヒ。
こんなの信じるなよ……。
いや、今は信じてくれた方がありがたいか。
マン「フンッ!」
長門が気合いの込もった声を上げ、頭上に掲げた両手をそれぞれ腰の位置に持っていき、拳を握った。
その瞬間、長門の全身が七色に輝きだした。
キョン「やりすぎだろ……」
みくる「どうなるんですか!? どうなるんですか!?」
36 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/14(土) 17:34:02.83 ID:nRDv+oWGO
キョン「心配いりませんよ、朝比奈さん。さっきも言ったように光線は声真似です、きっと」
みくる「きっとじゃ安心できません!」
そうこう言っているうちに長門のエネルギー充填が完了したらしく、全身の発光が止み、発射態勢へ移行していく。
左拳を顎の付近に持っていき、次に右手の平を左拳の上に乗せ、ちょうどこんな形(┓)で組んだ。
古泉「あの態勢は……」
キョン「なぜ光線はタロウなんだ」
マン「ナガトリウム光線!」ズビィィィィィィィィィイッ!!
キョン「!! 本当に出した!」
みくる「え!? え!?」
キョン「よけろオッパイ!」
みくる「きゃぁぁあああああああ!!!」
38 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/14(土) 17:37:41.53 ID:nRDv+oWGO
みくる「あああああぁぁぁぁ…………って、あれ? なんともないですぅ」
マン「ヘアッ!?」
キョン「本当になんともないですか? 体が火照ったり、下半身がムズムズしたりは?」
ハルヒ「このエロキョン星人!」
朝比奈さんの体をよく見ると、なにやら胸の辺りが光線の色で光っていたが、やがて収まった。
どうやら朝比奈さんの胸には光線を吸収するなにか不思議な力があるという設定らしい。
ナイスな設定だ、ナガトラマン!
一方の長門はというと、必殺の光線を吸収されたためか、
体を小刻みに震わせ(自分でやった演出のくせに)動揺している様子だ。
ハルヒ「凄い特撮技術ね。CGかしら?」
キョン「……そうだな」
39 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/14(土) 17:40:16.76 ID:nRDv+oWGO
しばらくその場でジリジリと相手の出方を窺っていた長門だが、
意を決したのか朝比奈さんの懐へ飛び込んだ。
マン「シュワッ!」バッ
みくる「きゃあ!? まだ終らないんですかぁ?」
マン「……さっき吸収した光線を撃ち返して」ボソッ
みくる「ふぇ!? そ、そんなのどうやるんですかぁ?」
マン「……それっぽい態勢からそれっぽい技の名前を叫んで。あとは私が旨くやる」
みくる「わ、分かりましたぁ。それはいつやればいいんですかぁ?」
マン「私が側転で離れてファイティングポーズを取ったあと」
みくる「ひゃ、ひゃい!」
45 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/14(土) 17:42:48.47 ID:nRDv+oWGO
ちょっとの間、接近した長門と朝比奈さんは小競り合い(打ち合わせ)をしていた。
ややあって、長門が朝比奈さんのオ、オッパイをパーンと一発張ってから再び側転を始めた。
羨ましいぞ、ナガトラマン!
ドタバタ移動する長門を俺とハルヒは避けたが、古泉はまた、今度は後頭部に蹴りを食らった。
古泉「ぐえっ」
俺は今度は長門のパンツを見なかった。
ハルヒになにを言われるか分からんからな。
それに、二度も見なくても、俺のキョンズ・メモリーにはしっかりとインプットされている!
水色の縞パンがな!
しかし、なぜかハルヒが物凄い形相で睨んでくる。
なぜだ!
ハルヒ「このエロキョン星人!」
どうやら俺は思い出し笑いをしていたらしい。
キョン君一生の不覚!
46 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/14(土) 17:45:09.91 ID:nRDv+oWGO
再び朝比奈さんから離れた長門がファイティングポーズを取る。
マン「シュワッ!」
すると、朝比奈さんがなにやらモジモジし始めた。
さながら、好きな男子を呼び出したはいいが、なかなか告白できずにいる乙女のような風情だ。
すごく……天使です……。
と、その様子を見ていた長門が、いかにも苛立っているとでも言いたげに大音量で叫んだ。
マン「シュワァァッ!!!」
みくる「はひぃ!? 今やります! 今やります!」
長門に威嚇された朝比奈さんは、急速に顔を赤くしながらなにかのポーズを取り始めた。
真っ赤になった顔を隠すかのように、両腕を顔の前でバッテンにクロスさせる。
みくる「み、ミクルビーム!」
朝比奈さんがそう叫んだ瞬間、恥ずかしがりながら取ったポーズとはまったく関係ない場所、
なんと朝比奈さんの両ち、ち、……ティクビの辺りから光線が発射されたではないか!
ハルヒ「プッ」
古泉「これはひどい」
みくる「へ!? い、いやぁぁあああああ!! こんなの嫌ですぅぅぅ!」
48 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/14(土) 17:48:07.78 ID:nRDv+oWGO
朝比奈さんがポーズを解き、慌てて胸を隠す。
が、胸を隠した腕を透過して光線は出続けている。
アッパレ! アッパレよ、ナガトラマン!
みくる「ふぁれ!? な、長門さん! これ止めてくださぁぁい! 恥ずかしすぎますぅぅぅ!」
古泉「恥ずかし乙女」
朝比奈さんに懇願された長門だが、なにか様子がおかしい。
微動だにしていない。
よく見ると、朝比奈さんのち、ティクビから発射されたビームがカラータイマーに直撃している。
マン「……………………」
ビームが直撃したカラータイマーは光を失って暗い灰色になってしまっている。
しばらく同じ姿勢のままその場に立ち尽くしていた長門だが、やがてゆっくりと前方に倒れた。
が、次の瞬間、不思議な現象が起こった。
長門は前に倒れたのだからうつ伏せになっていなければならないはずなのに、なぜか仰向けで寝ている。
ハルヒ「あれ? 今……」
キョン「細かいことはあまり気にしない方がいいぞ」
49 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/14(土) 17:51:15.28 ID:nRDv+oWGO
みくる「な、長門さん? 大丈夫ですか?」
心配そうに声を掛ける朝比奈さんを無視して、長門はゾフィーがどうのと一人でブツブツ言っている。
古泉「朝比奈さん。ウルトラマンごっこはおそらくもう終りです」
キョン「ペンシル爆弾の件はウルトラマン関係ないからな」
みくる「本当ですかぁ? あー、よかった。わたしこれでようやく解放されるんですね」
キョン「そうですよ。また平和な日常が戻ってきます。よかったよかった。じゃあ、今日はもう解散……」
ハルヒ「ちっともよくないわよ! 有希が暴れまわったおかげで部室が散らかり放題じゃない!
キョンが責任持って片付けなさい! これは団長命令よ!」
キョン「また俺か……」
古泉「僕も手伝いますから。これ以上涼宮さんの機嫌をそこねないようにお願いします」
ハルヒ「あー、有希が暴れるのを見てたら喉が渇いちゃったわ。みくるちゃん! お茶をいれてちょうだい!」
みくる「ひゃ、ひゃい!」
ハルヒ「……ふー。なんだかお腹も空いてきたわね」
マン「僕の顔をお食べ」
キョン「そのマン違う」
50 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/14(土) 17:54:07.04 ID:nRDv+oWGO
ハルヒ「有希もあれだけ暴れて喉渇いたでしょ?
そんなお面いつまでも被ってないで、一緒にお茶にしましょう?」パカッ
長門「……正体を知られてしまった。ここには居られなくなる」
キョン「え? そういう設定だったのか?
全然バレバレだし、正体を隠してるんだかどうだかも分からなかったぞ」
長門「……正体を知られてしまった以上、私は光の国……情報統合思念体の元へ帰らなければ……」
キョン「あーあーあー」
長門「……私がいなくなっても、私という存在、私との思い出は忘れないで……」
キョン「突然なにを言い出すんだ……。それじゃあまるで本当のお別れみたいじゃないか」
長門「……さようなら。シュワッ!」ゴロゴロゴロ……
バターン!!
みくる「帰っちゃいましたね……」
ハルヒ「……変な有希」
キョン「…………」
52 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/14(土) 17:57:14.07 ID:nRDv+oWGO
ハルヒ「あたしもなんだか疲れちゃったから帰るわ。部室の片付けは任せたわよ」
バタン
古泉「……長門さんの最後の言葉……気になりませんか?」
みくる「……はい。お別れの挨拶みたいな……。もしかして本当に……!」
キョン「そ、そんな訳……ないですよ! 長門流のジョークですよ、ジョーク!
きっと明日には『……ユニーク』とかなんとか言いながら部室でいつものように本を読んで……」
みくる「そ、そうですよね! 考えすぎですよね……。ごめんなさい、わたし変なこと言っちゃって」
古泉「だといいんですが……」
キ・み・古「……………………」
54 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/14(土) 17:59:59.52 ID:nRDv+oWGO
ああは言ったものの、やっぱり長門のことが気になった俺は学校帰りに長門のマンションへ寄ってみることにした。
ピポピポピポピポーン……
キョン「おーい長門ー。いるなら返事をしてくれー。おーい」
駄目だ、返事がない……。もしかして本当に長門は情報統合なんちゃらのところへ帰ってしまったのか?
その時、俺の中である一つの考えが浮かんだ。
あのウルトラマンごっこは、お別れを言って俺達を悲しませないための長門の芝居だったんじゃあ……?
キョン「クソッ!」
俺は長門の部屋のドアにおもいきり拳を叩き付けると、無我夢中で走り出していた。
その後自分の家までどうやって帰ったのか憶えていない。
気が付いた時には、ベッドに突っ伏してひたすら枕を殴っていた。
キョン「なんで……なんで言ってくれなかったんだよ……!」
55 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/14(土) 18:02:41.39 ID:nRDv+oWGO
〜〜翌日〜〜
いつもの部室。いつもの放課後。そしていつものメンバー……いや、一人足りない。
キョン「…………」
古泉「長門さん……来ませんね……」
みくる「グスッ……ヒック……」
ハルヒ「ちょっとみんな! 元気ないわよ! 今日は週末の不思議探索の計画を立てるんだから!」
キョン「そんなこと言ったって長門が……」
ハルヒ「有希ならきっと昨日はしゃぎすぎたせいで疲れて寝てるのよ。今日は休ませてあげましょう」
キョン「! おまっ、長門は……!」
俺が今にもハルヒに掴みかかろうとした時、古泉が俺の肩に手を置き首を横に振った。
そうだ、ハルヒに当たってもしょうがない。
ハルヒはなんの事情も知らないんだ。
???「君〜にも 見え〜る ナガトラの星〜♪」
キ・み・古「!!!」
57 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/14(土) 18:06:54.73 ID:nRDv+oWGO
バーン!!
長門?「シュワッ!」
ハルヒ「ちょっと有希、また今日も……」
キョン「な、長門!! おまえ帰ったんじゃなかったのか!?」
長門?「? ……帰らない。むしろ帰ってきた」コホー
キョン「ええい、お面は外せ! 昨日どこに行ってたんだ?
学校帰りにマンションへ行ったが出なかったぞ?」
長門「……昨日からずっと部屋でDVDを観ていた。
ヘッドフォンをしていたため、あなたが訪ねて来たことに気付かなかった」
キョン「なん……だと……?」
古泉「どうやら杞憂だったみたいですね」
みくる「よ、よかったですぅ。長門さん、本当に帰っちゃったのかと……」
長門「…………」ギロリ
みくる「はひぃ!?」
58 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/14(土) 18:09:12.90 ID:nRDv+oWGO
ハルヒ「ちょっと待ちなさい! みくるちゃんは昨日のダメージが残ってるだろうから、
今日はあ、あたしが有希の相手をしてあげるわ!」
キョン「おいおい……」
長門「…………」
ハルヒ「ちょ、超乳怪獣……オ、オパイドンだっけ……///
いくわよ!? あんぎゃぁあああ! がぉおおお!」
長門「駄目」
ハルヒ「が、がお?」
長門「あなたは超乳ではない」
ハルヒ「な!?」
59 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/14(土) 18:14:48.85 ID:nRDv+oWGO
ハルヒ「そ、そりゃあみくるちゃんほどじゃないけど、あたしのだってそれなりに……」フニフニ
長門に超乳ではないと言われたハルヒは、なにを思ったのか自分のオ、オパーイを上下左右に揺らしている。
ゴクリ……。
長門「……フルボッキ宇宙人・エロキョン星人」
キョン「ぶっ」
ハルヒ「!! このエロキョン! 団長をいやらしい眼で見た罰よ! あんたがウルトラマンやりなさい!」
キョン「なんで俺が……」
古泉「おやおや」
みくる「わたしは怪獣やらなくていいんですよね? ね?」
……こうしてSOS団の騒々しくも平和な日常が今日も過ぎていく。
昨日今日と長門に振り回されっぱなしだったが、まあ、良い物見せてもらったから良しとしよう。
それにしてもハルヒのやつ、いやらしい眼で見るなとか言っときながら、なんだか嬉しそうだったような……。
いや、多分気のせいだろう。そう、気のせい気のせい!
〜〜おわり〜〜