1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/08(木) 21:45:26.20 ID:W2a3wDlFO
キョン「いや、今日はもう寝るわ。疲れた」
長門「……ご飯、作った…」
キョン「悪いな、明日の朝食べる」
長門「……お風呂、沸いてる…」
キョン「明日朝シャワーで済ます」
長門「……………最近、別々に寝てる」
キョン「子供じゃないんだから、一人で寝ろ。…おやすみ」
長門「…………」
長門(………シャツ、アイロンあてないと…)
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/08(木) 21:53:57.62 ID:W2a3wDlFO
長門「…………」
長門(…………仕方ない)ポイッ
長門(……洗いものしてから寝る)
…………………
キョン「ぐがー……」
長門「………寝た?」
長門(……たまになら、横に寝てもいい…)
ギシッ……
長門(………背中、あったかい)
キョン「暑いんだが」
長門「………」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/08(木) 22:00:11.70 ID:W2a3wDlFO
朝
長門「………」(ユサユサ)
キョン「…うーん……」
長門「……起きて」
キョン「まだ……」
長門(……あと五分だけなら寝かせてあげてもいい)
………………
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/08(木) 22:00:55.68 ID:W2a3wDlFO
………………
キョン「なっ!もうこんな時間か!!」
長門「…………ぁ、朝ご飯」
キョン「この時間じゃ食べられないだろ!!もっと早く起こしてくれ!!」
長門「…………ごめんなさい」
キョン「ったく…。行ってくる」
ガチャッ バタン!!!
長門「…………」
長門(朝ご飯……彼の好きなものなのに)
ポイッ
長門(彼はお仕事頑張ってる……。これは仕方の無いこと…)
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/08(木) 22:10:03.51 ID:W2a3wDlFO
ガチャッ
みくる「いってらっしゃいませぇー♪」
古泉「はっは、僕は公務員ですからね。朝のアニメ劇場を見てから出勤してもまだまだ間に合いますね。あ、ゴミは私が出しておきますよ」
みくる「やーん、いっちゃん優しすぎですよぉー☆」
ガチャッ
長門(今日はゴミの日……)ズルズル
みくる「あら、お隣の長門さん
どうかされました?そんな重そうなゴミ袋を持って」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/08(木) 22:16:23.84 ID:W2a3wDlFO
長門「今日はゴミの日だから…」
みくる「そうなんですかぁ♪あらら、重そうですねぇ☆」
古泉「こんな重いものを女性に持たせるとはとんだ甲斐性なしですね」
みくる「ほんとほんと」
長門(……彼はお仕事を頑張っている。家のことは私の仕事)
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/08(木) 22:22:36.44 ID:W2a3wDlFO
時計「チッ、チッ、チッ、チッ、チッ」
長門「…………」
長門(もうそろそろ帰ってくる)
ブルブルブル、ブルブルブル
長門(……電話。彼から…)
長門「……もしもし」
キョン『俺だけど』
長門「……ご飯なら出来てる。あなたの好きな」
キョン『俺谷口とのんれんだけろーwwwwwwwwもう一軒いくわwwwwwww』
谷口『おいキョンwwwwwww風俗いこうへwwwwwww』
キョン『ちょwwwwwwwおまwwwwwww電話中wwwwwww』
ブツッ
ツー、ツー、ツー
長門(これもお付き合いだから……仕事のうち)
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/08(木) 22:29:21.76 ID:W2a3wDlFO
キョン「ただいまー」
ハルヒ「ちょっとキョン!!今何時だと思ってんの?」
キョン「会社の付き合いだ。仕方ないだろ」
ハルヒ「会社の付き合い付き合いって…!…もういいわ。ご飯できてるわよ!」
キョン「食って来た」
ハルヒ「はぁ?食ってきたって…!!あたし食べないで待ってたのよ?」
キョン「別に待たなくていいって言ってるだろ。…寝る」
ハルヒ「ちょ、ちょっと待ちなさい!風呂は…」
キョン「うるさい」
ハルヒ「え?」
キョン「人が働いてヘロヘロになって帰ってきてるんだ。ギャーギャー騒がないでもらえるか?…おやすみ」
バタンッ
ハルヒ「…………」
ハルヒ「バブルバスで遊ぼうと思ったのに……」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/08(木) 22:39:04.58 ID:W2a3wDlFO
キョン「遅刻だ!やばいぞ!もっと早く起こせっていっただろ!!」
ハルヒ「なによ!!あんたが気持ち良さそうに寝てたから…!!」
キョン「ちっ、いってくる!」
バァン!!!
ハルヒ「………なによ…」
みくる「ちょっといっちゃん、隣またやってますよぅ」
古泉「まったく喧嘩以外やることはないのでしょうか。よく飽きないものです」
たかた社長「こちらの商品はですね!!!」
みくる「あ、これ欲しい♪」
古泉「みくるは欲張りさんですね♪(ピポパ)…あーもしもしたかたさん?」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/08(木) 22:45:27.90 ID:W2a3wDlFO
ハルヒ「……買い物いこうかしらね」
ガチャッ
みくる「あ、おとなりの涼宮さん」
ハルヒ「みくるちゃん…!」
みくる「あらら…。ちょっと駄目じゃないですか!こんなヨレヨレの服着て!」
ハルヒ「あ、あたしはいいのよ」
ハルヒ(キョンにはいいスーツを着てもらわないといけないから…)
みくる「鞄もこれって手作りじゃないですか!女の子はやっぱり良い鞄は一つは必要ですよ?」
ハルヒ「いいのよ……」
古泉「これはこれは、おとなりの涼宮さん。隣人、そして公務員の古泉です」
みくる「あ、おかえりなさい♪」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/08(木) 22:51:40.62 ID:W2a3wDlFO
ハルヒ「こ、こんにちは。お帰り早いんですね……」
古泉「それはもう。定時上がりが原則の公務員ですから。五時以降は家族との愛を育む時間です」
みくる「恥ずかしいですぅ♪」
古泉「そうだ。ここからダイエーは遠いでしょう。僕が車で送りましょう。僕の愛車のポルポル君(カラーは赤・オープンカー)でね」
みくる「いっちゃんかっこいいです☆」
ブロロロロ…
ハルヒ「………」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/08(木) 22:55:04.82 ID:W2a3wDlFO
スーパー店員「ありゃしたwwwww」
ハルヒ(…昨日はキョンに悪いことしちゃったから、今日はちょっと奮発しないとね!)
ハルヒ「う……重い……!買いすぎたかしら」
ハルヒ(でも、仲直りするために頑張るわよ!!)
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/08(木) 22:59:39.31 ID:W2a3wDlFO
キョン「ただいま」
ハルヒ「おかえり!…あの、昨日は……」
キョン「昨日?なんのことだ?あぁそうだ。明日早いから風呂入って寝るわ」
ハルヒ「お風呂?ああ、じゃあ私も……」
キョン「一緒に入るって?はは、かんべんしてくれ。新婚じゃあるまいし」
バタン
ハルヒ「…………」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/08(木) 23:04:41.47 ID:W2a3wDlFO
時計『チッ、チッ、チッ、チッ』
長門「……………」
長門(もう夜中の二時……)
長門「………(うつらうつら)」
………
長門「(はっ)………寝ては駄目…」
長門(彼は疲れて帰ってくる。私だけ先に寝るわけにはいかない)
キョン「やっべ気持ちいいwwwwwww嫁じゃこうはいかんwwwwwwwあwwwwwwwいwwwwくwwwwwww」
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/08(木) 23:12:02.77 ID:W2a3wDlFO
長門「………(うつらうつら)」
長門「(はっ)……寝てしまった」
長門「………」
キョン「ぐがー……」
長門「………おかえり」
キョン「ぐがー……ぐひっ」
長門(…スーツがぐしゃぐしゃ……)
長門「…………」
長門(スーツをプレスしてから寝よう)
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/08(木) 23:17:19.21 ID:W2a3wDlFO
朝
ジリリリリリ
キョン「朝か……ん?」
長門「くー……すー………」
キョン「…………」ユサユサ
長門「……ぅ……朝?」
キョン「飯」
長門「……え?」
キョン「飯は?」
長門「………………まだ」
キョン「じゃあいい。いってくる」
バタンッ!!!
長門「………」
長門(………帰ってきたら謝ろう)
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/08(木) 23:21:57.03 ID:W2a3wDlFO
キョン「ただいま。飯は」
長門「………ごめんなさい、まだ」
キョン「…………チッ」
長門「……………」
キョン「(スーツぬぎぬぎ)」
長門「………風呂は沸いてる」
キョン「……………」
長門「……………?」
キョン「…………」
長門「………(くいっくいっ)」
キョン「……何?」
長門「……セリフ」
ハルヒ「ちょっとキョン!!!真面目にやりなさいよ!!」ぼかっ
キョン「ぐあっ!」
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/08(木) 23:27:34.83 ID:W2a3wDlFO
キョン「……おい、もうやめようぜ。こんなの意味ないって」
ハルヒ「なに言ってんの!あんたたちのためにやってんでしょ!」グイグイ
キョン「ぐお……!ネクタイを引っ張るな!」
古泉「…そうですね、こればっかりは彼に賛成です。シミュレーションとはいえ、あのような役回りはちょっと……」
みくる「私もその……あんな人じゃないです……」
長門「………」
……まぁ、見ての通り、俺たちはこの涼宮ハルヒに馬鹿な寸劇をさせられているのだが、それはなぜかというと、学校の進路希望調査に遡る
121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/08(木) 23:31:22.69 ID:W2a3wDlFO
ハルヒ「キョン、あんた進路希望調査書出したの?」
キョン「ん?まだ締切じゃないだろ」
ハルヒ「なに言ってんの!あーいうのはさっさと出しておいたほうがいいの!」
キョン「何も思い浮かばん。会社員とか?」
ハルヒ「……あんたバカ?会社員でもどんな企業の会社員がいいのよ?」
キョン「ん?うーむ、東証一部上場企業とか?」
ハルヒ「………」
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/08(木) 23:35:42.86 ID:W2a3wDlFO
ハルヒ「……あんた駄目すぎるわね。有希、あなたの進路志望調査書見せてあげなさい!」
長門「………(ぺらっ)」
キョン「……えーっとどれどれ?
……家事手伝い?」
長門「………」
ハルヒ「………」
キョン「………」
長門「……家事手伝いはセレブ。本に書いてあった」
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/08(木) 23:37:40.88 ID:W2a3wDlFO
ハルヒ「あ、あのね有希。家事手伝いは職業じゃないの」
長門「……では、自宅警備員とは?」
ハルヒ「………」
ハルヒ「とにかく自宅警備員も家事手伝いも職業には入らないの」
長門「……基準が分からない」
古泉「その二つは何の利益も生み出してないんですよ。まぁ家事手伝いは旦那さんの代わりに家事を全て請負っているという点で利益は生み出していると言えますが、進路志望という観点からは不適切でしょうね。」
長門「………」
131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/08(木) 23:39:40.29 ID:W2a3wDlFO
キョン「…とりあえず適当に三校挙げて進学しますって言っていればいいんじゃないのか?」
ハルヒ「だめだめ!夢があって進路があるんだから!文系理系の選択だってあるし」
古泉「そうですね。人生においてのターニングポイントはたくさんありますが、文理選択はその一つと言えます」
キョン「……そーいうお前はもう決めたのか?」
古泉「ええ、もちろん」
139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/08(木) 23:45:11.77 ID:W2a3wDlFO
ハルヒ「SOS団の団員である以上は、こーいうのも人並み以上に出来るようにならないとね。
有希とキョンは明日までに職業について研究してくること!」
キョン「なぜそうなる!いきなりは無理だろ」
ハルヒ「まぁ聞きなさい。あんたのノロマっぷりは団長であるあたしが一番把握しているわ」
キョン「………」
ハルヒ「だから今からここで色んな職業をシミュレートしてあげる」
キョン「……は?」
かくして、この職業シミュレーションとはかけ離れた、馬鹿げた寸劇の幕が開けたのである。
だがこの寸劇が大きな事件の始まりとは、当時の俺は知る由も無かった
157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 00:13:18.92 ID:YIxfD2KZO
ハルヒ(…………)
ハルヒ「あ、私用事があるんだった!
有希は大丈夫だと思うけど、キョン!問題はあんたよ!今日のシミュレーションを踏まえてきっちりと進路を決めなさい!」
キョン(……あんなのに意味ないだろ)
ハルヒ「じゃあ、また明日ね!」
バタンッ
みくる「…………はぁ、疲れました」
古泉「慣れないキャラは難しいですね。
それはそうとキョンさんの駄目男ぶり、なかなか見事でしたよ」
キョン「やってて気分が悪いな、あーいうのは」
みくる「それが社会のつらさなのかもしれませんね」
160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 00:21:41.75 ID:YIxfD2KZO
夜、キョンの部屋にて
キョン「………だめだ。何も思いうかばん」
キョン(結局体良くハルヒに遊ばれただけじゃないのか…?)
キョン「だいたいシミュレートしてるのは職業じゃなくて職に就いた人間の生活じゃないかアレは。
……全く………」
ピンポ〜ン
キョン「ん?こんな時間に誰だ?」
162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 00:25:12.20 ID:YIxfD2KZO
ドタドタドタ……
キョン「はーい」
ガチャッ
長門「………」
キョン「おう長門か。どうした?」
長門「涼宮ハルヒの宿題」
キョン「あぁ、あれが?長門はできたのか?」
長門「……まだ。だからここへ来た。
一人よりも、二人のほうが早い」
キョン「………」
166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 00:30:25.37 ID:YIxfD2KZO
キョンの部屋
長門「………」
キョン(……親が留守だとはいえ、女の子をこの時間に自室に入れるのはいかがなもなか)
長門「………そろそろ開始めたい」
キョン「あ、あぁ」(まぁ相手はあの長門だし、問題ないか)
長門「………」ドサッ
キョン「おわっ!?なんだこの紙の量は!?」
長門「給与水準等から優れた職業をピックアップした資料。あなたの力になる」
キョン「…そ、それはどうも」
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 00:37:05.75 ID:YIxfD2KZO
………
……
…
キョン(これだけの資料があっても浮かばんもんは浮かばん)
長門「………」
キョン(…潜在意識として働くことを拒否してるのか?)
長門「……私のデータは」
キョン「いや、役に立ってるんだが、俺には荷が重すぎる職業ばかりだ」
キョン「弁護士は給与は高いが、司法試験は狭き門。会計士はそれより難しい。医者なんか生きた人の腹を切るなんてことは俺にはできない」
長門「……そう?」
キョン「あぁ」
長門「……私からも質問がある」
176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 00:45:15.34 ID:YIxfD2KZO
誤字は脳内で補完してくれ。マジ多いから…
長門「あなたと行なったシミュレート」
キョン「あぁ、あれか。あれが?」
長門「………私の役割だったあの女性は、あなたたちから見るとどう感じるの…?」
キョン「…?
あぁ、そりゃ不幸な女性さ。旦那にあんな扱いされて」
長門「何故」
キョン「何故って……飯作って待ってるのに帰ってきて『いらん』とか言われたり」
長門「………」
キョン「あと、その……女遊びが激しかったり」
178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 00:50:52.63 ID:YIxfD2KZO
長門「………幸せじゃ……ないの?」
キョン「それはないと思うけどなぁ」
長門「………理解した」
ガタン
キョン「あれ?長門……。帰るのか?」
長門「私が長時間ここにいることは、あなたにとって問題かと思われる」
キョン(………否定はしない)
キョン「進路志望調査、書けてないだろ?いいのか?」
長門「……涼宮ハルヒはあなたをマークしている。私が書かなくてもしばらくは問題ないと推測する」
キョン「……なるほどね」
182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 00:54:20.00 ID:YIxfD2KZO
キョン「ありがとうな。データ、助かる」
長門「問題ない」
キョン「……送ろうか?夜道は危ないし」
長門「……ここでいい」
キョン「……わかった。じゃ、また明日な」
長門「……(こくん)」
バタンッ
長門「……………」
187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 01:01:58.24 ID:YIxfD2KZO
次の朝 教室にて
ハルヒ「おはようキョン。早いわね」
キョン「お、おう…」
ハルヒ「進路希望調査、書き終わった?」
キョン「……残念ながら」
ハルヒ「……ふーん。ま、そういうと思ってたわ
……よし、あんたには特別サービスよ」
キョン「何だ?」
ハルヒ「今日の放課後、マンツーマンで進路考えてあげる?」
キョン「はぁ?」
195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 01:11:13.14 ID:YIxfD2KZO
キョン「いらん」
ハルヒ「いらんって…、これはあんたの問題なのよ?しかも人生を左右するかもしれない問題…。
あんたそれ分かってる?」
キョン「分かってる分かってる」
ハルヒ「分かってないわね」
キョン「…もういいよ。……あんま寝てないんだから騒がないでくれ」
ハルヒ「な!なによ!その言い方…!」
俺机に突っ伏すと、昨日の疲れがあったのかそのまま意識を埋没させた。
俺はどこにでもいる普通の高校生だ。それ以上でもそれ以下でもない。
お前や長門みたいな特別な人間じゃないんだ、ハルヒ。
俺は平凡な職につき、平凡な家庭を築き、平凡な生活を送る。
それでいい。
進路なんて今考えても仕方がない。
この時の俺はそう思った
199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 01:21:15.22 ID:YIxfD2KZO
俺は眠たい授業をのらりくらりとかわし続け、気付けば放課後だ。
SOS団部室に行くと、パソコンを難しい顔で眺めるハルヒと、窓際で置物のように本をよむ長門。ボードゲームをがちゃがちゃとイジる古泉に、美味しそうなお茶を淹れる朝比奈さん。
なんら変らない毎日の連鎖。このなかに人生のターニングポイントなんてものが存在しているとは全くもって思えない。
俺は思う。つまらない毎日の連鎖はごめんこうむるが、楽しい毎日の連鎖は素晴らしいものじゃないか。
SOS団がくれる非日常。それは迷惑なものだが、正直スリリングなんだ。俺の中で。
連鎖は連鎖でも、楽しい連鎖ならいいじゃないか。
俺はこのSOS団が紡ぐ連鎖の中に、ずっといたい。
ハルヒ「………!」ガタン
キョン「…どうした、急に立ち上がったりして」
ハルヒ「…私、用事があるんだったわ!」
201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 01:27:27.81 ID:YIxfD2KZO
キョン「ま、またかよ!」
ハルヒ「ごめん!あたし帰るね!」
古泉「はい、お気をつけて」
ハルヒ「あとキョン!」
キョン「うん?」
ハルヒ「明日暇でしょ?」
キョン「あぁ」
ハルヒ「じゃあ明日図書館に来なさい!
進路指導してあげるわ!!」
キョン「行かんぞ」
ハルヒ「図書館前に11時に集合ね!」
キョン(休みの日にハルヒに絞られにわざわざ図書館まづ行くやつがどこにいるんだ)
ハルヒ「あたしは行ったわよ!じゃ、急いでるから!」
バタンッ
キョン「俺は行かんって言ったからなー!?」
204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 01:33:32.45 ID:YIxfD2KZO
キョン「……なんであいつはあんなにも勝手なんだ」
古泉「それが彼女の魅力でもありますね」
キョン「……ごめんだね」
みくる「……それにしても涼宮さん」
キョン「ん?」
みくる「すっごく眠そうにしていたような……」
長門「………」
みくる「あ、あの、パソコンで何してらっしゃいましたけど……」
長門「………(じーっ)」
みくる「!……い、いえ、なんでもありません…」
キョン(図書館…か)
206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 01:41:59.98 ID:YIxfD2KZO
次の日
キョンの妹「キョンくーん!おひるだよー!」
キョン(……お昼?)
キョンの妹「おーきーてー!」
どすんどすん!!
キョン「ぐおあ!……は、腹の上で……」
キョン(そうだ、今日は休日か………ん!?)ガババッ
キョンの妹「ひゃあ!」
時計「チッ、チッ、チッ、チッ」
キョン(まだ朝の10時か……。
いまから光の速さで準備すればまだハルヒとの約束に……)
キョンの妹「キョンくんいーたーいー!急に起きないでー!」
208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 01:47:40.81 ID:YIxfD2KZO
キョン(いや、でも俺…約束はしなかったよな…?)
キョン(そうだ。あいつがいつものように勝手にとりつけただけじゃないか)
キョン(行く義務はないよな……)
キョン「……寝る」ドサッ
キョンの妹「ちょっと、キョンくーん!」
キョン「まだ昼まで二時間あるだろ?二時間たったら起こしてくれ」
俺のターニングポイントはまさに、この時だった
212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 01:52:05.79 ID:YIxfD2KZO
………
……
…
時計「チッ、チッ、チッ、チッ」
キョン「…………」
キョン(………気になって寝れん)
キョン(……12時か。
ハルヒのやつ、帰ったのかな?)
キョン(………)
キョン(………)
キョン(………)
バッ、ババハッ
キョン「いってきまーす」
213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 01:55:33.89 ID:YIxfD2KZO
チリンチリン…!
キョン(自転車で飛ばせばなんとか……って)
キョン「……じゃあ初めから行けばよかったのか」
キョン(………まぁいいか。ハルヒよ。昼飯くらいは甘んじて弾んでやる)
…………
………
……
…
217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 02:00:57.04 ID:YIxfD2KZO
図書館前にて
キョン「着いたぞ!…ん?」
ザワザワ……ドヨドヨ……
一般人A「ひどいもんだわ」
一般人B「……可哀想に…」
警察官「こら!あんたら!下がりなさい!ブルーシート!ブルーシート!!」
救急隊員「はいはーい!邪魔になるんで下がって下さーい!!」
キョン(なんだなんだ?事故か?物騒だな……)
キョン「っと、こうしちゃおれん」
スタスタスタ……
225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 02:03:39.97 ID:YIxfD2KZO
自動ドア『ウィーン』
キョン(ふう、冷房がきいてて気持ちいいじゃないか。
……さて、ハルヒは…)キョロキョロ
キョン(見当たらんな。奥の方か?)
228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 02:07:10.94 ID:YIxfD2KZO
………
……
…
キョン「おかしいな…。だいたい探したハズなんだが……ん?」
キョン(これ…ハルヒの筆箱だ)
キョン「あと、なんだ?この大量の紙。……何かのデータっぽいが…」
230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 02:13:16.79 ID:YIxfD2KZO
キョン(………それに、なんだこれ)
キョン「『夢をつかむ!なりたい職業百選』。『高校生から考える、僕の進路』…。」
キョン(………!ってことは……)
散らばったプリント。
それは給与や待遇などの水準から見た、良い職業のリストだった。
でもそれは長門の作ったリストのような整然としたリストではない。
ところどころ誤字があったり、そしてハルヒ本人のものと思しき字で「要チェック!」などと書いてあった
236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 02:18:26.52 ID:YIxfD2KZO
キョン(あいつ…こんなことを……)
キョン「でも当の本人は一体」
ン……
キョン「何処」
クン……
キョン「二」
ドクン……
キョン「イッタんだ?」
自動ドア「ウィーン」
「キョーン!!」
249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 02:45:37.70 ID:YIxfD2KZO
谷口「キョン!!なにやってんだこんなとこで!」
キョン「谷口…。お前こそ慌ててなにやってんだよ」
谷口「いますぐこい!お前、すぐそこで涼宮が」
キョン「ハルヒが?」
谷口「トラックと
俺はそこから何をきいたか覚えていない。
ただ図書館を出て目に入った光景を見て、意識が遠のいたのは覚えている。
アスファルトを染めている赤い血は誰のものだ?
考えたくもない。目を逸らしたい。
朦朧とした意識をムチうって、俺は全速力で病院へ向かった。
254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 02:50:59.29 ID:YIxfD2KZO
タッタッタッタ……バァン!
医師「こらこら、そんなドアを勢いよく開けては」
キョン「は、ハルヒ!!」
医師「……ん…?」
キョン「は、ハルヒはどこなんだ!知ってるのか!?ハルヒは!?」ガバッ
医師「ぅ……く……お、落ち着いて下さい!」
キョン「(はっ)…あ、す、すみません……」パッ
医師「………ゲホッ、ゲホッ…。……ハルヒさんとは、涼宮ハルヒさんのことでしょうか?」
キョン「……はい!」
257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 02:54:40.75 ID:YIxfD2KZO
眠くなるまでいきます
医師「……先ほどこちらの病院に運ばれました。今、手術中です」
キョン「……ここで」
医師「………はい?」
キョン「………ここで待たせてもらっていいですか」
医師「……恐らく、深夜になると思いますが……。それでも待ちますか?」
キョン「……いつまでも待ちます…っ」
261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 02:59:36.10 ID:YIxfD2KZO
夕方、手術室前にて
キョン「…………っ……!」
タッタッタッタ…
みくる「キョンくん!」
古泉「図書館に置きっ放しだった荷物を持ってきました。
……涼宮さんは?」
キョン「…………」
古泉「………あの」
谷口「まだ、なにも聞かされてねぇ」
長門「………」
古泉「そうですか……」
みくる「……キョンくん…」
264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 03:05:04.85 ID:YIxfD2KZO
ガチャン……
みくる「キョンくん、手術中のランプが消えましたよ」
キョン「…!」(終わったのか!?)
ガチャ…
執刀医「………」
キョン「(!!)あ、あの、先生…!」
執刀医「……お友達の方ですか。……申し訳ありませんが両親の方から先に説明させて頂きますね。あなたがたはその後という形で」
キョン「いや!待ってくれ!!だめだ!まず……」
古泉(がしっ)「いえ、僕たちは後で」
キョン「古泉っ!
お前…!!離せよ!!」
執刀医「………失礼します」
269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 03:12:02.63 ID:YIxfD2KZO
俺の体は騒いで見せるが
俺の脳はその現実を受け入れたくないのか、
この状況がまるでリアリティがないように感じる
いや、わかるんだ。おれの頭はよく出来てるよ。
そうだ。この現実を受け入れたら、きっと俺は……。
この日から、俺の生活はがらりと一変した。
そう、まさに人生のターニングポイント。
271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 03:13:18.59 ID:YIxfD2KZO
月日は流れる
「あの日」から一か月……
277 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 03:18:39.87 ID:YIxfD2KZO
…
……
………
…………
タッタッタッタ…!
受付「あら、キョンくん。こんにちは」
キョン「こんにちは。涼宮ハルヒの面会なんですが」
受付「はい」
キョン「……あの、あいつ……」
受付「……?」
キョン「部屋でおとなしくしてますかね?」
受付「あぁそのことですか!キョン君、部屋であなたのことを待ってますよ」
キョン「すみません、ありがとう御座います!」
285 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 03:23:47.98 ID:YIxfD2KZO
受付B「…………」
受付A「……また来たの?あの子」
受付B「はい」
受付A「ハルヒはいますか、って?」
受付B「……えぇ」
受付A「………健気ね。あの子が部屋から出ることは……」
受付B「先輩」
受付A「………」
受付B「それ以上は、どうか……」
受付A「……ごめんなさい」
291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 03:26:51.24 ID:YIxfD2KZO
ガラガラガラッ!
キョン「ようハルヒ。今日も来たぞ」
ハルヒ「」
心電図『ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、』
呼吸器『シュー……コー……』
キョン「今日はな、綺麗な花を持って来た。SOS団みんなで探したんだ」
ハルヒ「」
キョン「良い匂いだぞー!」
ハルヒ「」
キョン「……お前花粉症だっけか?」
ハルヒ「」
キョン「んなわけないか。はははw」
299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 03:31:44.03 ID:YIxfD2KZO
…………
………
……
ハルヒの親とあの執刀医の話が終わったあと、俺たちも話を聞いた。
執刀医は「手はつくしましたが」と言葉を濁した。はっ、馬鹿いえよ藪医者め。医者ってんなら人間の一人や二人救ってみろよ。
そう思ったねあの時は。だけどその人は何時間も汗だくになりながらも集中してハルヒを助けてくれようとした人だ。
祈ることしかできない無力な俺に代わって…
316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 03:49:52.67 ID:YIxfD2KZO
俺たちSOS団はローテーションを組んでハルヒの看病をした。ハルヒの親にはひどく感謝されたが、俺には感謝の言葉には聞こえてなかった。…いや、ハルヒの親は感謝の気持ちを表していたんだろうが、受け手の俺がどうかしてたから…。
図書館司書の話によるとハルヒは11時には図書館についていたらしかった。そしてひとしきり調べもの(恐らく進路の資料の整理だろう)をしたあと、すっと図書館を後にしたらしい。
ハルヒは何度も時計を眺めていた。
……俺と待ち合わせの時間を気にしていたんだろう
これを聞いたとき、急に俺の足に力が入らなくなったのを覚えてる。
覚えていたくもない。…でもそれが現実。
覚えていなくてはならない。俺の最大の、一番してはいけない失敗だった。
322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 03:57:02.11 ID:YIxfD2KZO
俺たちは来る日も来る日も眠り続けるハルヒに話しかけた。
寝ているハルヒを見るといきなり起きだして「今日も不思議を探すわよ!」とか言い出しそうな気がして、ひたすら話しかけた。まるで病人の気がしない。……ハルヒへ伸びる禍々しい医療機器どもの管やコードが目に入るまでは。
ハルヒは良い夢を見てるのか悪い夢を見ているのかすら分からない、いつも変らぬ表情で眠り続ける。でもきっと俺たちの声はとどいてるよな。なぁ、団長。
俺たちはお前が目をさますまでずっとこうやってるよ。ずっとだ。だから早く起きろ。
楽しいことの連鎖。ずっと繋がっていくんだ。SOS団の連鎖は。
だが……俺が信ずるそんなささやかなものも、脆くも崩れ去るのだ。
324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 04:00:50.89 ID:YIxfD2KZO
>>314
描写が足りんかな?映画をとったあとです
病院、廊下にて
キョン「……なんだって?」
古泉「ですから、涼宮さんがこの状態なので僕はしばらく内勤に回されることが機関の上の意向で決定しました」
キョン「…………」
古泉「不本意ですが、今日でみなさんとお別れです」
キョン「…………」
古泉「それでは、お世話になりました」
326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 04:05:09.42 ID:YIxfD2KZO
キョン「………それだけか」
古泉「……はい?」
キョン「言いたいことはそれだけか?」
古泉「…………」
キョン「うおああああっ!!」
古泉「!!!」
ガラガラガッシャーン!!
キョン「おおあ!この!この野郎!!」
ガッ!ガツッ!
古泉「………ぐっ!………ぐぁ……くっ!……」
331 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 04:10:18.02 ID:YIxfD2KZO
医師「君達!やめなさい!」(がしっ)
キョン「…はぁ、はぁ……」
古泉「…………」(ヨロ…)
キョン「…反撃も防御もなしかい」
古泉「………僕にはあなたを殴る権利も、いや、その拳を防ぐ権利すらありません」
キョン「………っ!」
古泉「こんな形でお別れとは………残酷なものです」
キョン「顔あげやがれ……!もう一発殴ってやる…!」
医師「や、やめなさい!」
古泉「……それでは、さようなら」
キョン「待て!!逃げんのか!!」
古泉「……あなたは」
キョン「…!?」
337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 04:16:18.64 ID:YIxfD2KZO
古泉「……信じてもらえないかもしれませんが……」
キョン「……?」
古泉「……幼少のころから機関に属していた私の、初めての友人といえる存在でした」
キョン「…!」
古泉「……そんな人達をおいて、私は」
キョン「言い訳なんかするな!!」
古泉「…………」
キョン「……ハァッ、……ハァッ、…」
古泉「………失礼します」
スタスタスタ……
キョン「………畜生」
医師「あの、大丈……」
キョン「馬鹿……野郎……」
345 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 04:21:16.01 ID:YIxfD2KZO
ハルヒ「」
人口呼吸器「シュー……コー……」
キョン「………ようハルヒ」
ハルヒ「」
キョン「さっき古泉と喧嘩したんだ」
ハルヒ「」
キョン「あいつがわけわからんこと言うもんだからぶん殴ってやった」
ハルヒ「」
348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 04:23:15.33 ID:YIxfD2KZO
キョン「ははは」
ハルヒ「」
キョン「はは………は…………」
ハルヒ「」
キョン「…………うっ……うぅ……」
……不幸ってのは、続いてくるもんだ。
まるで数珠のように、ジャラジャラと
古泉のやつがあんなことを言い出したんだ。
頭の良くない俺にだってわかる。
その予感は、古泉が消えた数日中に的中する。
352 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 04:26:27.69 ID:YIxfD2KZO
みくる「……キョンくん」
キョン「何ですか?」
みくる「大切なお話があります」
キョン「………愛の告白だったらすごく嬉しいです」
みくる「…………」
キョン「……だいたい分かります」
みくる「……本日付でここを離れなくてはならなくなりました」
354 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 04:29:26.65 ID:YIxfD2KZO
キョン「……訳すら教えていただけませんか?」
みくる「ごめんなさい……禁則事項なんです」
キョン「…………」
キョン「俺は今までSOS団ってのは任務とか組織とか機関とか……
根っこの部分はそういうのナシで集まってる、仲間だと思ってました」
みくる「…………はい」
キョン「……なんか俺、裏切られた気分です」
みくる「……………」
355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 04:30:28.71 ID:YIxfD2KZO
キョン「分かりました。これからは俺と長門でローテーション組みますんで」
みくる「…っ!あ、あのっ!」
キョン「…………なんですか?」
みくる「えっと……その………」
キョン「……………」
みくる「…………」
キョン「……俺、ハルヒのとこ行かなくちゃならないんで」
ッカツカツカ…
みくる「………………」
みくる「………最低ですね、私って……」
360 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 04:36:26.73 ID:YIxfD2KZO
病院、深夜、廊下にて
キョン「…………」
ツカツカツカ……
長門「……なにをしているの?」
キョン「…………」
長門「………ここで寝るのは風邪をはじめとする症候群に冒される危険がある」
キョン「…………寝ないさ」
長門「…………?」
キョン「寝れない。不安で不安でたまらなくて……」
366 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 04:42:31.75 ID:YIxfD2KZO
キョン「……みんなSOS団から消える夢を見るんだ」
長門「…………」
キョン「古泉が消えて、朝比奈さんが消えて、長門が消えて……
んで……………」
長門「…………?」
キョン「……こっから先は言いたくない」
長門「……あなたが不安になるなら、言わないほうがいい」
キョン「………あぁ」
長門「私は消えない」
キョン「……!」
長門「ずっと、あなたたちのそばにいる」
キョン「………」
長門「ずっと」
キョン「な………が…と…………」
キョン「zzz...」
373 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 04:50:03.00 ID:YIxfD2KZO
俺と長門は二人で看病を続けた。くる日もくる日も。
いつか、ハルヒが元気に起きることを信じて
それが、ちょうど事件から一か月の日だ
タッタッタッタ…!
受付「あら、キョンくん。こんにちは」
キョン「こんにちは。涼宮ハルヒの面会なんですが」
受付「はい」
キョン「……あの、あいつ……」
受付「……?」
キョン「部屋でおとなしくしてますかね?」
376 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 04:53:31.13 ID:YIxfD2KZO
ガラガラガラッ!
キョン「ようハルヒ。今日も来たぞ」
ハルヒ「」
心電図『ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、』
呼吸器『シュー……コー……』
キョン「今日はな、綺麗な花を持って来た。SOS団みんなで探したんだ」
ハルヒ「」
キョン「良い匂いだぞー!」
ハルヒ「」
キョン「……お前花粉症だっけか?」
ハルヒ「」
キョン「んなわけないか。はははw」
キョン「…なぁ!長門!」
長門「……(こくん)」
378 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 04:57:00.31 ID:YIxfD2KZO
そうさ。SOS団の団員は今や二人だけ。でも今のハルヒには知らなくてもいいことだ
俺は……実のところ、古泉や朝比奈さんがいなくなって寂しい。だがな、お前は寂しがる必要はないぞ。
お前が元気になった暁には、閉鎖空間の一つでも作ってやって、悠々自適にデスクワークしてやがる古泉を引っ張りだしてくればいい。それだけだ。
朝比奈さんもぶったまげて今の仕事をほっぽりだして来てくれるだろうぜ
……そん時は俺も二人に謝るよ。
389 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 05:04:49.95 ID:YIxfD2KZO
そこからが長かった。俺は教師のはらかいで無事に三年生なった。ハルヒもいっしょだ。
そして花見シーズン。病床から見える桜も綺麗だった。
ゴールデンウィーク。俺は嬉しかった。ハルヒの看病に専念できるから。
そして梅雨の時期………
月日は流れる。無情なほど早く
そして俺たちの中でも何かが変わったのかもしれない
そんな時期の話だ
391 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 05:06:05.97 ID:YIxfD2KZO
キョン「………(うつら、うつら)」
長門「……寝てるの?」
キョン「(はっ!)…い、いや、起きてる!」
長門「……あなたには休息が必要」
キョン「んなわけあるか。元気バリバリだぞ」
長門「……」
キョン「はっはっは!」
長門「……今日は私にまかせて」
キョン「今日は俺の番だ」
長門「あなたはほとんど毎日来てる。何か月も前から」
キョン「それは長門もだろ」
393 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 05:08:13.46 ID:YIxfD2KZO
キョン「それは俺が勝手にやってるだけだ」
長門「……駄目、休んで」
キョン「……放っておいてくれ…!」
長門「……!!」
キョン「………ごめん」
長門「………問題ない」
キョン「…………」
長門「…………」
キョン「なぁ長門」
長門「………何?」
キョン「…ハルヒは、お前の力でなんとかならないのか?」
俺の中で、何かが壊れた
394 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 05:15:21.90 ID:YIxfD2KZO
長門「……それはできない。私の任務は涼宮ハルヒの観察。こちらからの極度の関与は宇宙にとって致命的な歪みを発生させる可能性があるため、禁止されている」
俺はやっぱりなと思うと同時に大きな失望感を覚えた。
それは長門がハルヒを元気にさせることができやかったから?違う。
俺は自分に失望したんだ。また俺は長門に頼った。他力本願。……己の無力さに失望したんだ。
あの執刀医の話を聞いた時の感覚……。
395 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 05:16:49.55 ID:YIxfD2KZO
ねみぃいいいいい!!!
多分文おかしい
そのころからだったか。心にどす黒いものが住み着いたのは。
夜、寝るとき奴は俺にささやくんだ。
「もういいだろ」「無駄だ」って。
俺ははなっから長門に頼りっ放しだったんだ。そのとき理解した。
ハルヒだって長門がその気になれば……
何かが崩れた。その何か。
心の支えだった。
その支えが長門だったなんて。
自分で自分を失望するのもわかる気がするよ
398 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 05:19:54.88 ID:YIxfD2KZO
ガチャッ…
キョン「ただいまー…」
シャミセン「……にゃ」
キョンの妹「キョンくんおかえり!ご飯食べるー?」
キョン「いい…。とりあえず寝る」
キョンの妹「……あ、ぅ、うん……」
シャミセン「……くるるる……」
俺はまるで力の入らない足をひきずるような足取りで自分の部屋に行き、ベッドに倒れこんだ。
布団に顔を突っ込んだ瞬間、疲れがどっと体の奥から滲みだして来て、俺はあがなうことなく深い眠りの闇に落ちていった。
399 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 05:21:40.12 ID:YIxfD2KZO
キョンの妹「キョンくーん!朝だよー!」
どすんどすん
キョン「(う……)」
キョンの妹「あーさーだーよー!!」
どすんどすん
キョン「わ、分かった分かった…。分かったからやめてくれ」
401 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 05:23:19.25 ID:YIxfD2KZO
キョンの妹「あ、そうだ!キョンくん宿題できてないよ!」
キョン「なにが?」
キョンの妹「このプリント、今日ていしゅつ!」
キョン「うん?どれどれ…。
……ってこれは宿題じゃないじゃないか」
キョンの妹「でも今日ていしゅつって……」
キョン「それは進路志望調査のプリントだ」
キョンの妹「出さなくていいの?」
キョン「構わん。
……学校行ってくる」
キョンの妹「……はーい」
628 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 22:39:31.91 ID:YIxfD2KZO
数学教師「だからなー、この数列がこうなってだなー!」
キョン(………ハルヒ……)
キョン「………」
キョン(………気になって授業もまともに……)
…コツッ!
キョン「いてっ!?………なんだ?消しゴム?」
谷口(……お前あてられてんぞ!答えろ!)
キョン「……え?」
634 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 22:41:39.74 ID:YIxfD2KZO
数学教師「……(じーっ)ビキビキ」
クラスメート「………(じーっ)」
キョン「あ、いや、その……わかりません。聞いてませんでした」
どッ…!!
数学教師「はぁ、お前高校生にもなってまだ廊下に立たされたいのか?」
キョン「いえ、すみません……」
数学「……顔洗ってこい」
キョン「…はい」
637 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 22:48:18.26 ID:YIxfD2KZO
キョン「………(ぼーっ……)」
ハルヒ「…」
長門「…………」チラッ
時計「チッ、チッ、チッ、チッ」
長門(………そろそろ)
長門「………(くいっくいっ)」
キョン「……んぁ?どうした長門?」
長門「………夕ご飯」
キョン「……俺はいい。ここにいる」
長門「………体に悪い」
キョン「…………」
長門「………無理にでも、連れて行く」
キョン「…………」
639 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 22:50:27.15 ID:YIxfD2KZO
ウェイター「いらっしゃいませ。2名様でよろしいですか?」
キョン「はい」
ウェイター「おタバコは…?」
キョン「吸わないです」
ウェイター「では、こちらに」
642 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 22:55:35.08 ID:YIxfD2KZO
キョン「……ファミレスなんで久し振りだなぁ。ちょうど一年振りくらいか」
長門「……(こくん)」
キョン「みんなで色んなとこで飯食べたよな」
長門「…………」
キョン「…あ、あぁー、すまん。あ、好きなの食べるんだぞ」
長門「……(こくん)
……じゃあ、五目チャーハン」
キョン「……ん?それだけでいいのか?」
長門「……大丈夫」
キョン「そっか、んじゃ俺は……」
キョン(……………)
キョン「コーヒーでいいや」
長門「駄目…!」
645 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 22:58:40.13 ID:YIxfD2KZO
キョン「あ、あんまり腹へってないんだ……」
長門「あなたは昼も食べていなかった。ちゃんと食べないと、駄目」
キョン「……………」
長門「……あなたまで病気になる」
キョン「…わかったよ。じゃあ俺はオムライスにする」
長門「……(こくん)」
648 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 23:03:23.01 ID:YIxfD2KZO
ウェイター「おまたせしました。オムライスと五目チャーハンです。
オムライスの方は…?」
キョン「……(ぼーっ)」
ウェイター「…?あ、あの」
キョン「(はっ)…あ、」
長門「五目チャーハンが、私」
ウェイター「かしこまりました」ゴト…
キョン「や、やっと来たな!さ、食べろ、長門」
長門「……あなたは?」
キョン「え?あ、あぁ……食べるよ」
キョン(…………)
652 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 23:07:59.03 ID:YIxfD2KZO
長門「………頂きます」
キョン「…………」
長門「………(ムシャムシャ)」
キョン「………(チビチビ)」
長門「…入らない?」
キョン「そ、そんなわけないだろ。い、いただきます!ハムッハフ!バクバク」
長門「……」
ぐにゃあっ……!
キョン(う……!!)
653 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 23:10:24.82 ID:YIxfD2KZO
キョン「う……ぐ…………!!」
長門「!!!」ガタンッ
キョン「おぅ、おええぇええ!!!!」
ウェイトレス「きゃあああ!!」
長門「…大丈夫…!?」
660 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 23:14:56.81 ID:YIxfD2KZO
キョン「おぇえっ!ぺっ!!げほっ!!!」
ウェイター「いかがなさいました!?大丈夫ですか!?」
キョン「ごほっ…!い、いや、ごめんなさい。なんでもないです…」
ウェイター「すぐ、布巾を持って来ますので!」
キョン「……すみませ…げほっ!!」
長門「………!」
キョン「お、おかしいな……。腹はへってるんだが……ぅ…!おぇ……」
長門(………まずい)
664 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 23:21:14.23 ID:YIxfD2KZO
………
……
…
ウェイター「ありがとうございましたー」
ガランガラン…
キョン「すまんな、汚いもの見せちまって」
長門「……問題ない」
キョン「んじゃ、ハルヒんとこにもどるか」
長門「………待って」
キョン「…?」
長門「あの公園で、休憩したい」
キョン「もう暗くなるぞ?」
長門「お願い」
キョン「………」
667 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 23:25:45.66 ID:YIxfD2KZO
夜、公園にて
キョン「……夏直前とはいえ、夜はすずしいもんだね」
長門「……(こくん)」
キョン「あのベンチに座るか」
ドスン… トスン…
キョン「ふう……」
長門「………(くいっくいっ)」
キョン「なんだ?」
長門「…………大切な話がある」
キョン「なんだよ、あらたまって?」
長門「明日からもう来ないで」
685 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 23:44:36.10 ID:YIxfD2KZO
長門「…………あなたは抜けて」
キョン「……あ?」
長門「……あなたをこれ以上涼宮ハルヒのそばにおいておくわけにはいかない」
キョン「…………どういうことだ?」
長門「………」
キョン「……理由を言え」
長門「あなたの精神と肉体は、もう崩壊寸前」
キョン「………」
長門「……食事もろくにうけつけていない」
690 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 23:48:24.33 ID:YIxfD2KZO
長門「…食事はいつからとってないの?」
キョン「知らん」
長門「…………」
長門「……この一連の事件であなたはもう疲弊しきっている」
キョン「…………」
長門「……特にあなたの精神は、もうボロボロ。拒食症の兆候も出ている」
キョン「…………」
長門「あなたまで大変なことになる」
キョン「…………」
長門「お願い」
長門「…………あなたはもうこないで」
694 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 23:53:30.16 ID:YIxfD2KZO
キョン「…………嫌だ」
長門「駄目」
キョン「明日は俺の当番だ。長門は来なくていいからな」
長門「駄目」
キョン「よーし!飯も食ったし戻ろうか。ハルヒも一人じゃ寂しいだろうしな!ははは」
長門「駄目…!」ガシッ
キョン「……離してくれ」
長門「駄目…!」ギュ
キョン「離せよ!!」ぶんっ
長門「!!」
701 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/09(金) 23:59:20.17 ID:YIxfD2KZO
長門「……っ!」ドサッ
キョン「…………ぁ……」
長門「………平気」
キョン「す、すまん…!…な、なにやってんだ俺は…!」
長門「大丈夫。……問題ない」
キョン「も、問題ないって、あ、アザが……」
長門「……本当に平気」
長門「でもここまで抵抗があるとは、予想外」
キョン「…………」
長門「…………」
長門「………涼宮ハルヒはもう助からない」
714 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 00:04:51.82 ID:X5xL4IH0O
長門「………彼女はずっとあの状態のまま、生涯を終える。それはもうほぼ間違いない」
長門「彼女の今の状態は脳死状態」
長門「……体だけが生きている状態。機械を使って」
長門「…………死んだものは」
長門「……………蘇らない」
721 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 00:07:55.75 ID:X5xL4IH0O
キョン「……………」
キョン「……………そうか」
長門「…………その反応も、予想外」
730 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 00:11:19.12 ID:X5xL4IH0O
キョン「………こころのどこかで予防線……、いや、整理をつけてたのかもしれない」
長門「……整理を………つけていたの?」
キョン「………あぁ」
……多分分かっていたんだ。頭の中では。
ハルヒは助からないって。
ただ、考えようとしてなかっただけだ。
ほら……思い出してきた…………
738 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 00:17:49.50 ID:X5xL4IH0O
記憶の海の中に、重しをつけて沈めた記憶。
二度と思い出したくもないから、俺は沈めた。
深く、深く……!
谷口「涼宮がトラックに跳ねられたんだよ!!」
キョン「な、なにを言って……!?」
谷口「カーブを猛スピードで入ってきたトラックに……!!」
キョン「え、演技でもない冗談はよせよ!!」
谷口「早く病院へ行ってやれ!!俺はお前のダチに連絡いれておいてやる!!」
キョン「……!!」
谷口「だから携帯を置いて…!!あ、おい!待て!!」
745 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 00:22:38.00 ID:X5xL4IH0O
執刀医「………手はつくしましたが」
古泉「………」
執刀医「………ほぼ、延命措置と言っても差し支えありません」
みくる「………」
執刀医「………………回復はほぼ絶望的です」
長門「………」
執刀医「…………気長に、頑張りましょう」
キョン「………」
執刀医「………奇跡を、信じて……」
751 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 00:28:21.52 ID:X5xL4IH0O
キョン「ただ、俺は現実から目を背けてただけか……」
長門「………」
キョン「心の隅では分かってたんだよな。奇跡なんておきないんだって」
長門「………」
キョン「奇跡なんてハナから信じてなかったんだ。俺は…」
長門「………そう」
長門「………じゃあ」
長門「………何故、泣いているの?」
キョン「…………………ぅっ……!……ううぅ………」
754 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 00:32:43.04 ID:X5xL4IH0O
長門「何故、泣くの……?」
キョン「俺は……なにもあげてないんだ」
長門「………?」
キョン「もらいっぱなしだった…!くだらないSOS団の活動も!!夏の思い出も!!鍋だってしたよな……!!あれだってそうだ!!楽しい時間も!仲間を思う気持ちも!!!……俺はもらいっぱなしだった……!!」
長門「…………」
キョン「……飽食してたんだ。惰性でダラダラと……」
長門「…………」
762 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 00:38:06.82 ID:X5xL4IH0O
キョン「………俺はありがとうって言ってないんだ」
長門「………」
キョン「馬鹿げてるけど、こんなにも楽しい生活をくれるあいつに…」
長門「………」
キョン「涼宮ハルヒに、まだ一言も礼を言ってないんだ」
長門「………」
キョン「………だから、ちょっとだけ」
キョン「…………本当は、ちょっとだけ、奇跡を信じた」
キョン「あいつに、ありがとうが言いたいから……」
769 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 00:42:27.77 ID:X5xL4IH0O
キョン「………奇跡ってのは99%のなかの1%だよな。……だから無くて当然なんだけど」
長門「……………」
キョン「その1%がなくなることが、こんなにも不安………うっ……………なんて……………っ……!」
長門「……………」
長門「………あなたがくれたものはたくさんある」
773 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 00:46:22.82 ID:X5xL4IH0O
キョン「…………!」
長門「今の私は、たくさん持ってる」
キョン「…長門………」
長門「たくさん」
キョン「………やめてくれ。身のないフォローなんか……」
長門「……違う…!!」
キョン「……!!」
長門「…………あなたはたくさんくれた」
長門「……何もない私に、感動をくれた」
788 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 00:52:13.04 ID:X5xL4IH0O
長門「……あなたに見て欲しいものがある」
キョン「………?」
長門「…………これ」
渡されたのは、忘れもしないあの用紙。……俺の運命を変えたあの紙だ
一年前渡された、第一回目進路志望。風化で少し色褪せていたが、これを見まがうことはない
795 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 00:57:20.59 ID:X5xL4IH0O
俺は風化した紙に目を落とす
そこには長門特有の、あのパソコンで打ったような文字はなかった。
一見すれば長門のいつものあの文字だ。明朝体フォントのような。
でも俺にはわかる。いつもの一辺の滞りもない一本一本の線が不安に揺れていた。細かく、小さく。
第二志望、第三志望は空欄……。
第一志望の欄の片隅に、遠慮がちに………
小さく「お嫁さん」と書かれていた。
814 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 01:04:09.73 ID:X5xL4IH0O
長門「………あなたはもう苦しまなくていい。……苦しまないでほしい」
長門「私が、サポートする。ずっと」
長門「……私は、あなたのそばにいたい」
長門「職業シミュレーション…。確かに劣悪な生活環境と認識した。だけど、不幸じゃなかった」
長門「ずっと、あなたのそばにいられるから」
長門「………あなたのそばが、私の居場所たがら……」
827 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 01:10:22.23 ID:X5xL4IH0O
ぐにゃあ………。
あ、まただ…。
だけど今回は心地いい。
ここまでしてくれるのか長門……。
俺はそんなイイ男じゃないぞ。
はは。
ハルヒは……こんな俺を許すのか。
お前は俺を待っててくれたんだよな。
最期のときまで、俺を待ち続けるのか……?
でもな、俺はわかるんだ。
お前は多分笑って許してくれるんだ。
いつもギャーギャーうるさいお前が、こういう時だけは……
831 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 01:12:11.96 ID:X5xL4IH0O
でも、俺は………
「悪い。それは、受け取れない」
843 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 01:14:54.11 ID:X5xL4IH0O
長門「…………」
キョン「その気持ちは、受け取れん」
長門「………!」
キョン「俺は奇跡を信じて、今まであいつの看病をしてきた」
キョン「でも、それを信じるあまり見失ってた」
キョン「……俺自身は、まだ何もしていない……!!」
863 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 01:19:26.26 ID:X5xL4IH0O
キョン「………長門」
長門「………何?」
キョン「すまん」
長門「……………」
キョン「………また長門からもらってしまったな。懲りないな、俺も」
……ありがとう。
長門「………問題ない」
長門「………これは、予想の範囲内だった」
長門の顔がほころんだ気がした。
……きっと俺しか、分からないくらいに……
871 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 01:22:22.33 ID:X5xL4IH0O
深夜、キョンの自宅にて
ドタドタドタドタドタドタ!
キョンの妹「うーん……今何時ぃ……?」
ギッタンバッタン!!
キョンの妹「キョンくんの部屋ぁ……?」
879 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 01:27:02.93 ID:X5xL4IH0O
キョンの妹「……キョンくぅん……こんな時間になにやってるのぉ…?」
キョン「あれだあれ!進路志望調査の紙!!あれどこいった?」
キョンの妹「えー…?しらなぁい…」
ガサゴソガサゴソ!!
キョンの妹「……もう寝ようよぅ……」
キョン「あ!!」
キョン「あったぞ!!!!!」
シャミセン「にゃっ!?(びくっ)」
896 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 01:35:03.06 ID:X5xL4IH0O
次の日 職員室にて
ガラガラガラっ!
キョン「失礼します」
数学教師「はいはい、って君は……」
キョン「岡部先生の机は?」
数学教師「あぁ、そこだが……」
キョン「……提出、と。(ペラッ)…失礼しました!」
ガラガラガラッ ピシャッ
数学教師「……何を提出したんだ?
………進路志望調査?……なんだいまごろ提出して」
数学教師「……しかも志望が『医師(脳外科)』だと?」
910 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 01:39:09.69 ID:X5xL4IH0O
俺はなにもかもに頼りきりだった。
さっきの奇跡の話だってそうだし、長門にも頼りきりだった。
それゆえに、一番簡単なことを見失っていた。
待つんじゃない。俺が行くんだ。
奇跡がハルヒを助けるのか?
長門がハルヒを助けるのか?
……違う
……俺以外に誰が助けるんだ!!
915 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 01:42:38.83 ID:X5xL4IH0O
昼休み、教室にて
国木田「…………」
谷口「…………どうなってやがる…?」
キョン「カリカリカリカリカリカリカリカリ」
924 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 01:48:00.63 ID:X5xL4IH0O
ある日、昼休みにて
キョン「………ふぅ、チャートもやってみるもんだな。慣れればなんとかなりそうだ」
長門「…………」
キョン「おう長門!どうした?」
長門「………お弁当」
キョン「俺にか?」
長門「………(こくん)」
キョン「…助かる。すごく助かる。今ちょうど腹の虫たちが騒ぎ始めたところだ。
…で、弁当のメニューは?」
長門「カレー」
キョン「………なるほどね」
932 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 01:52:21.18 ID:X5xL4IH0O
ある日、自宅にて
キョンの妹「まてー!!シャミー!!」
ドタドタドタ
シャミセン「………!!!」
ガチャッ
キョン「ただいまー」
キョンの妹「おかえりー!」
キョンの妹「だめだよー…?キョンくんはいまからお勉強するの。だからシャミセンは騒いじゃだめ」
シャミセン「…にゃ」
939 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 01:59:39.77 ID:X5xL4IH0O
ある夏休みの晴れた日
谷口「二人で遊んでてもつまんねーな」
国木田「…毎日だからね」
谷口「仕方ないだろ。高校最後の夏休みなんだからよ。……ってことであいつも呼ぶ(ピポパ)」
国木田「…えぇ!?キョンを呼ぶの!?」
谷口「あいつ急に勉強しだしたり、おかしいからな最近。ここはひとつ景気づけに(ガチャッ)あ、もしもし?」
キョン『谷口か。どうした?今予備校なんだが』
谷口「………あいつ、金払って勉強してるぞ?」
国木田「…人間変わるもんだね」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 02:03:13.09 ID:X5xL4IH0O
そして、月日は流れ、
ある秋の日……
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 02:07:44.95 ID:X5xL4IH0O
キョン「数学は完璧かな?あとは物理を潰せば……」
ブルブルブル、ブルブルブル!
キョン「………なんだ?公衆電話?」
(ピッ)
キョン「もしもし」
電話『キョンさんのお電話でお間違えないでしょうか?』
キョン「は、はい?どちらさまですか?」
電話『早く病院へ来て下さい!涼宮さんが危篤状態に…!!』
キョン「なんだって!?」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 02:10:37.44 ID:X5xL4IH0O
チリンチリン!!チリンチリン!!
キョン「すみません!どいて下さい!!」
通行人「ゴラァ坊主!!歩道で自転車飛ばすな!!!」
キョン(危篤だと…!!なにやってんだよ!ハルヒ、もう少し頑張れ!!すぐ俺が助けてやるから!!だから、まだ死ぬな!!)
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 02:13:42.68 ID:X5xL4IH0O
自動ドア『ウィーン』
受付B「こんにちは。受付はこちら…」
キョン「ハルヒ!!待ってろ!すぐ行く!!」
タッタッタッタ…!!
受付B「いまの…キョンくん?」
受付A「…どうかしたの?」
受付B「……いえ」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 02:17:26.50 ID:X5xL4IH0O
ハルヒ…!!もうすぐなんだ!!
俺は気付いた。お前を救うのは俺なんだ!
深い闇からお前を引っ張り上げるのは俺だけなんだ!!
俺は力をつける。だからもう少しまて!
もう少しだけ
待っててくれ!!!
ガラガラガラっ!!
キョン「ハルヒ!!!」
「……ばーか。だまされてやんの。
あんたはいつまでたってもノロマね…」
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 02:24:01.78 ID:X5xL4IH0O
キョン「ハル…………」
ハルヒ「あら?あんたヒゲなんか生やしてんの?
……言っとくけど似合ってないわよ?」
キョン「ハルヒ……なのか?」
ハルヒ「………あたしの顔も忘れたの?あたしは正真正銘、涼宮ハルヒよ」
キョン「そんな、ことが………は、はは……」
ハルヒ「あんたその様子だとあたしの見舞いもさぼってたわね!
罰として売店に行ってケーキでも…」
キョン「ハルヒ!!!」
ハルヒ「きゃあ!?ちょ、ちょっと!ド変態!なに抱き付いてんの!?」
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 02:30:44.12 ID:X5xL4IH0O
キョン「ば、馬鹿野郎…!!俺は……っ!俺は毎日見舞いに来てたっ……!!
来る日も来る日も…!!ずっとお前のそばにいたっ…!!
うっ……えぐっ………!
何度も葛藤した…!
逃げようともした…!!
だけど、やっぱり結論は一つだった…!お前のそばから離れられない…!いや、
お前を離したくないんだ…っ!!
馬鹿野郎…!この馬鹿野郎…!」
ハルヒ「………そう」
キョン「うわあああああああああぁぁぁぁ!!!」
149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 02:38:21.23 ID:X5xL4IH0O
多分俺もうすぐ寝るw
書き溜め?するかよそんなもんwwwwwwwwwwwwww
ガチャッ
医師「うおっ!?」
ハルヒ「きゃあ!ちょ、バカキョン!!いいかげんはなれなさい!!」
キョン「おわっ!ご、ごめんなさい、お見苦しいところを…」
医師「いえいえ、おかまいなく(…ごほん)」
ハルヒ「スケベ、死ねっ」
キョン「…………」
164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 02:45:36.56 ID:X5xL4IH0O
………
……
…
ハルヒ「zzz……」
医師「実は一昨日あたりから意識の方は戻っておりまして。
真っ先に貴方に知らせようと思ったんですが、涼宮さんに強くひきとめられまして」
キョン「で、ああやって呼び付けたわけですか。
……とんでもないことを考えますよほんと。寿命が縮みました」
医師「はっはっは!それを言うなら、私があなたに突然組み付かれたときの方こそ縮みましたよ」
キョン「や、やめてくださいよ!」
174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 02:52:54.21 ID:X5xL4IH0O
医師「それにしても不思議なこともあったもんです」
キョン「………?」
医師「………涼宮さん、意識が戻る前日は、本当に危篤状態だったんです」
キョン「なんですって!?」
医師「…はい。私どもも最悪の事態を想定しました。…ですが」
キョン「?」
医師「……私たちが立ち去った後です。なんと息を吹き返されまして。まるで神のご加護があったように、なんの前触れもなく、です」
189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 03:00:16.62 ID:X5xL4IH0O
キョン「はぁ…」
医師「検査をしたところ、まだ脳内に血腫は存在するものの、脳の機能は完全に回復していました」
キョン「………」
ドクン……
医師「不思議なこともあるものですね。あ、不思議といえば」
ドクン……
医師「あなたのお連れさんの女の子、毎日来ていたのに、涼宮さんの意識がもどったと思ったらパタリと来なくなりましたね」
ドクン……
キョン「すみません!!急用を思い出しました!!」
207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 03:06:34.73 ID:X5xL4IH0O
医師「…………」
ハルヒ「……行きました?あいつ」
医師「……はい」
ハルヒ「………ふぅ。全くもう、相変わらず世話がやけるんだから…」
医師「あんまり無茶をされないで下さい」
ハルヒ「…………」
医師「意識が戻られたのは本当に奇跡です。ですが、奇跡は奇跡であることをお忘れなく。
……現実は……」
ハルヒ「………分かってます」
ハルヒ「あたしはもうキョンに心配かけたくない……」
504 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 19:46:38.53 ID:X5xL4IH0O
チリンチリン!!
通行人「おわっ!?あぶねぇぞゴラァ!!自転車は車道走れ車道!!」
キョン「すみません!すみません!」
キョン(長門……!あいつ、まさか……!)
長門はハルヒはもう助からないと断言していた
にも関わらず、ハルヒは奇跡的に息を吹き返した……
そして、その時を境に病院にこなくなった長門 ……
……俺はこの時、最悪の状況が組み上がっていくのを感じていた。
508 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 19:55:58.93 ID:X5xL4IH0O
長門「……それはできない。私の任務は涼宮ハルヒの観察。
こちらからの極度の関与は
宇宙にとって致命的な歪みを発生させる可能性があるため、禁止されている」
長門はたしかにそう言っていた。
そうだ、そんな危険なことなら長門がするはずないじゃないか。
そうも思った。
……だけど、奇跡なんてものはこうも都合よくおこるのか?
……おこらないさ。都合よくは。
これは長門が起こした「意図的な」奇跡だ。
509 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 19:57:22.53 ID:X5xL4IH0O
キョン「……馬鹿野郎!!勝手なことしやがって…!」
キョン(……無事でいてくれ!!)
511 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 20:00:58.76 ID:X5xL4IH0O
長門の家の前
ドンドンドン!ドンドンドン!
キョン「長門!いるか!?開けるぞ!!」
ガチャッ!
キョン「………!!」
キョン(……こたつがない)
キョロキョロ
キョン(鍋も、やかんも……。生活の必需品がなにもない……!!)
キョン「………くそっ!」
ダッ
513 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 20:02:09.85 ID:X5xL4IH0O
図書館にて
キョン「すみません!」
図書館司書「はーい。
……!!あなたは……」
キョン「すみません、今日、ここに女の子は来ませんでしたか…!?」
図書館司書「お、女の子といっても女性はたくさんご来館なさるので…」
キョン「ショートカットで、このくらいの背の、ちょっと大人しそうな女の子です!」
図書館司書「うーん、そんな子は今の所見てないですが……」
キョン「くっ…!分かりました…!どうもすみません」
キョン(くそ……!何処なんだ、長門…!!)
514 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 20:04:13.94 ID:X5xL4IH0O
公園にて
キョン「長門ー!!どこだー!?」
電話『お客様のおかけになった電話番号は、現在使われておりません』
キョン「……くそっ!」
キョン(……電話もだめか………!)
野良犬「ガルル……」
キョン(…………!)
野良犬「グルルル……!!」
キョン(……これは嫌な予感が)
野良犬「ワウワウワゥ!!!」
キョン「うわあっ!」
518 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 20:10:29.80 ID:X5xL4IH0O
チリンチリン、チリンチリン!
キョン「すみません!通ります!通ります!」
キョン(あとはどこだ?どこを探してない!?)
ギャル男A「……でよwwwwwwwその合コンで知り合った女がかなりしつこいのwwwwwww」
ギャル男B「それマジで?wwwwwwwマジKYwwwwwwwパネェwwwwwwwwwwwwww」
キョン「………!!」
キョン(歩行者!!こっちに気付いてないのか!?)
キョン「ぶ!ぶつかる!!うわああ!!」
キキーッ!!
ドンガラガッシャーン!!!
522 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 20:13:39.43 ID:X5xL4IH0O
キョン「いたたた………」
ギャル男A「お、おい、やばくね?」
ギャル男B「壁と正面衝突だよオイ……」
ギャル男A「……あのー。大丈夫ッスか?」
キョン「……くっそ……。……うわっ!?」
ギャル男B「!?」
コロコロコロ……
キョン「前輪が外れた…」
キョン(………こうなったら走るしか…!)
タッタッタッタ…!
ギャル男A「………」
ギャル男B「………」
527 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 20:19:01.80 ID:X5xL4IH0O
結局その日は町中をかたっぱしから走ってまわった。
図書館
公園
川辺
商店街
喫茶店……。
キョン「ハアッ……!ハアッ……!」
529 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 20:25:51.15 ID:X5xL4IH0O
キョン「ハァッ……ハァッ………」
キョン(くっそ……。町の中はもうほとんど見てまわった…)
キョン(……探すところはもう………。)
キョン「………まだだ!……あともう一周…!」
ズキン……
キョン「痛っ…!?」
キョン(足が……!)
537 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 20:34:35.71 ID:X5xL4IH0O
キョン(さっき壁と正面衝突した時に…!)
キョン「くっ……」フラフラ
通行人A「………?(じろじろ)」
通行人B「……あの、大丈夫ですか?」
キョン「…………っ……!」
キョン(この足だとどこまでいけるか…。くそっ…!)
キョン「……もう一度だ!もう一度考えよう」
…長門の行きそうな場所だ。
…長門が好きな場所だ。
分かるだろ?キョン…!
お前は誰よりも長門を知ってるんだろ?
543 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 20:37:59.55 ID:X5xL4IH0O
キョン「考えろ!!気付くんだ!キョン!!!」
−−−−−…………!!
549 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 20:42:16.95 ID:X5xL4IH0O
夜、学校にて
警備員「〜♪……ん?」
ササッ…!
警備員(今なにか通った…?)
警備員「………ゴクリ」
警備員「だ、だれかいるのかっ!?」
552 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 20:48:25.66 ID:X5xL4IH0O
ガサッ……
警備員「…………!!」
警備員(…確実に誰かいるぞ…!)
警備員「で、出てきなさい!いるのはわかってるぞ!!」
???「………!!」
バッ!!
警備員「…!!!(ほんとに出て来た!?うわあああああ!!)」
猫「…にゃおー」
警備員「………」
警備員(………なんだ猫か)
猫「にゃ」
警備員「……お前可愛いな。ソーセージ食うか?」
キョン(………猫と遊んでるのか?…まぁいいや。いまのうちに…)
554 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 20:50:12.63 ID:X5xL4IH0O
夜、部室前にて
キョン(……………)
キョン(そういやここに来るのも一年ぶりくらいか)
558 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 20:55:51.16 ID:X5xL4IH0O
ガチャッ……
キョン「…………」
キョン(………開いてる…)
キョン(……………)
キョン「…………俺たちの、部室だ」
564 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 21:04:09.91 ID:X5xL4IH0O
ドアの向こうは、一年前のままだった。
ホコリの積った長机
黄ばんだカーテン
ネズミやゴキブリの死骸たち
床に散らばった蛍光灯の破片
一年という歳月を感じさせる変化はたしかにあった。
だけど、そこはまぎれもなく、俺たちの部室のままだった。
まるで、ハルヒが眠り続けていたことで、時が止まっていたかのように。
そして、彼女はいた。
窓際の、あの席に
572 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 21:09:12.43 ID:X5xL4IH0O
長門「……………」
キョン「……………」
長門「……………」
キョン「………また、本読んでたのか?」
長門「……(こくん)」
キョン「………俺も一冊かりていいか?」
長門「……(こくん)」
590 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 21:14:36.23 ID:X5xL4IH0O
キョン「…………」
長門「…………」
キョン「……なんかさ、思い出さないか?」
長門「……何を?」
キョン「授業が終ってさ、俺が部室に来る」
長門「………」
キョン「んじゃ長門が絶対いて、ここで本を読んでる」
長門「………」
キョン「んで俺は聞くんだ。『あれ?みんなは?』って」
長門「………」
キョン「そしたら長門は答えるんだ。『まだ』ってな具合で」
610 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 21:23:46.71 ID:X5xL4IH0O
長門「………」
キョン「んで次は朝比奈さんが入ってくるんだ。お疲れ様ですーってな。
朝比奈が着替えるから、俺は外に出る」
長門「………」
キョン「んで俺が外で衣擦れの音を聞いて性欲をもてあま……じゃなかった。外で窓のそとを眺めていると、古泉が来る。
遅れて申し訳ありませんーとか言うんだが、顔がニヤけてやがるもんだから、全く申し訳なさそうに見えないんだな。これがさ」
長門「…………」
627 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 21:31:43.69 ID:X5xL4IH0O
キョン「朝比奈さんがお茶を淹れてくれて、俺と古泉はゲームして、長門はずっと本をよんでる」
長門「………」
キョン「そしたらな、とびきりうるさいのが入ってくるんだ。
乱暴にドアを蹴って開けて、耳を貫きかねん声で『おまたせー!!』ってな」
長門「…………」
キョン「…………俺はいまにも、あいつらがそのドアから入ってきそうな気がする」
長門「…………」
キョン「俺と長門が、こうやって一年ごしに、ここにいるように」
644 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 21:38:36.26 ID:X5xL4IH0O
長門「…………」
キョン「……俺はな、確信してるよ」
長門「……何を?」
キョン「……みんな、ここが好きだから、戻ってくる」
長門「………」
キョン「いつになるかは分からん。明日かもしらんし、もしかしたら爺さん婆さんになってからかもしれない」
長門「………」
キョン「……俺は確信してるよ」
長門「………」
キョン「………だから長門」
キョン「………お前は行くな…!!」
660 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 21:47:53.42 ID:X5xL4IH0O
キョン「みんなを待つんだよ!俺たち二人で!!」
長門「………」
キョン「まずは俺たち二人でハルヒの看病をするんだ…!ハルヒは俺が医師になって必ず助ける!!
ハルヒが元気になったら……ほら、もう三人だ!!」
長門「………」
キョン「三人で待とう!!
三人になったらまずこの部室の掃除だ!
……ってあれ?そんときは俺は医者になってるから卒業……?
あああっ!まぁいいや!卒業してもここを使おう!!
だから、三人で大掃除だ!」
長門「……」
キョン「それから三人で、みんなが集まってから何をするか決めよう!
そうだな…!再結成第一弾は、やっぱオーソドックスに不思議探索かな!」
668 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 21:52:16.12 ID:X5xL4IH0O
キョン「ははは、なんかこうやって話してたら楽しいな」
長門「………」
キョン「………楽しいだろ?」
長門「………」
キョン「…………………楽しいって言ってくれ……」
長門「…………ごめんなさい。その気持ちは、受け取れない……」
681 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 21:56:59.03 ID:X5xL4IH0O
キョン「……………なんでだよ」
長門「………あなたはもう分かっているはず」
キョン「………………」
長門「私は本日の12時をもって削除、破棄される」
キョン「……嘘だろ」
長門「……聞いて。……これはもう決まったこと、仕方がない」
キョン「……仕方ないってなんだよ……。」
長門「………」
キョン「人が一人消えるのが、仕方ないってのか……!?」
長門「………」
695 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 22:01:36.97 ID:X5xL4IH0O
長門「…………」パタン…
キョン「…………」
長門「読み終わった」
キョン「…………」
長門「………もう、行かないと」
キョン「………だめだ」
長門「もう決まったこと」
キョン「だめだ!!行くな!行かないでくれ!!長門!!」
長門「……聞いて」
キョン「嫌だ!誰が聞くか!!聞きたくないぞ俺は!!」
長門「聞いて…!!」
キョン「………!!」
711 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 22:07:43.96 ID:X5xL4IH0O
長門「……あなたが本当に必要としているのは私じゃない」
キョン「何言ってんだ!!俺はお前を……!!」
長門「お願い聞いて。もう時間がない」
キョン「……くっ…!!」
長門「あなたが本当に必要としているのは涼宮ハルヒ。私じゃない」
キョン「でも!!」
長門「……涼宮ハルヒは三日前、死ぬ予定だった。それは、宇宙の調和が決めた決定事項」
キョン「…………」
長門「………それを私が変えた。
あなたが、幸せに生きるために」
732 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 22:16:45.75 ID:X5xL4IH0O
長門「……あなたには、悲しんで欲しくない」
キョン「でも!!長門が!!長門はどうするんだ!?お前が不幸なら俺も不幸だ!!」
長門「……私は幸せ」
キョン「……嘘だ……!嘘つけ!!」
長門「………もう、そろそろ」
ガシッ…!
長門「……!」
キョン「うわあああああ!!な゙がとぉ!!い゙ぐなァァ!!いがな゙い゙で!……いがないでくれ!!」
長門「…………」
745 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 22:21:31.74 ID:X5xL4IH0O
長門「…………泣いては、駄目」
キョン「……うっ…!ううぅ……えぐっ……!」
長門「……最後は」
キョン「!!?」
長門「……最後は笑ってお別れしたい」
キョン「…………出来るわ゙げ……!ない゙だろ゙……!!」
760 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 22:25:59.69 ID:X5xL4IH0O
長門「……お願い」
キョン「………ぐすっ…ぐすっ…!」
ゴシゴシゴシ…!
キョン「………じゃあ、一つだけ約束しろ」
長門「…約束?」
キョン「……俺はハルヒと二人でみんなを待つ!!だから長門」
長門「………」
キョン「お前も絶対戻って来い!」
長門「………!」
774 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 22:30:27.82 ID:X5xL4IH0O
長門「……でも」
キョン「動けるSOS団は俺だけになってしまった」
長門「………」
キョン「だから俺が、今から団長代行だ!!」
長門「………」
キョン「団長の命令は絶対だ!」
キョン「長門!!」
キョン「待ってるから、絶対にもどってこい!」
長門「…………」
長門「…わかった」
801 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/10(土) 22:38:08.30 ID:X5xL4IH0O
次の瞬間、部室ないに閃光がほとばしった。
目を貫いて、脳の奥の方まで突き刺さりそうな鋭い光
でも俺はそのなかで、目をこらし、満面の笑みを浮かべた。
眩い閃光の中で、長門もほんのちょっぴり、俺にしか分からないくらいの笑みを浮かべていたに違いない。
―――あなたはここで立ち止まっては駄目。
そうだ。長門は帰ってくる。約束したんだ。
あいつは出来ない約束はしない。
だから、長門は帰ってくる。絶対に
だってほら、長門が最後に読んでいた本。
スタンドバイミー。
あなたのそばに立つ。
19 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/10(土) 23:22:45.18 ID:LjG27cSO
ハルヒ「急な事情で……か」
キョン「あぁ。お前が寝てる間にいろいろあったんだよ」
ハルヒ「気持ち悪い偶然よね。三人とも急な事情で引越しなんて」
キョン「ま、長門に関してはそのうち戻ってくるってさ」
ハルヒ「そっか。んじゃそれまで二人でSOS団を運営していかないとね」
キョン「あぁ」
ハルヒ「こきつかってあげるから、覚悟しておきなさい」
キョン「あいよ」
43 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/10(土) 23:40:27.89 ID:LjG27cSO
新スレで残りレス気にしないでいいから気が楽だわ
………
……
…
二人だけのSOS団。
二人だけなのに団ってのもおかしい話だが、俺はほっとした。
ハルヒの中でも、きっとあいつらの籍を残しているんだろう。
5人でSOS団。
ちなみに、俺は未だに雑用の平団員だ。
なぜかって?……それはもちろん団長代行の就任が却下されたからだ。
64 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/11(日) 00:06:40.68 ID:c6CXrESO
…………
ハルヒ「………よいしょ……っと(ぬぎぬぎ)」
ガラガラガラ…
キョン「おいハルヒ、頼まれてたもん買って来」
ハルヒ「え?」
キョン(……!!!)
ドンガラガッシャーン!!
キョン「す、すまん!俺が悪かった!!見てない!見てないぞ!!…って、おわっ!?物を投げるな!」
ハルヒ「このスケベ魔神!![ピーーー]っ!!」ブンッ
バキッ
キョン「ぐほぁ!!」
お爺さん「おやおや、あんなに元気になって」
66 名前:1 ◆i0Q8b6c6VI[] 投稿日:2008/05/11(日) 00:11:27.87 ID:c6CXrESO
……………
ハルヒ「…………」
キョン「カリカリカリカリカリカリ……」
ハルヒ「……(じーっ)」
キョン「…?なんだ?」
ハルヒ「あ、いや、なんかあんたが勉強してるのってちょっと違和感あって」
キョン「……失礼なやつだな」
ハルヒ「ほんと、似合ってないわよ?あんたに医者とか」
キョン「ほっとけ」
ハルヒ「……ま、体壊さない程度にほどほどにしときなさい」
キョン「へいへい」
70 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/11(日) 00:20:29.04 ID:c6CXrESO
……………
ハルヒ「……キョン。起きて!キョン!」ユサユサ
キョン「………んぁっ!?…なんだこんな深夜に……」
ハルヒ「病院から出るご飯は薄くて食べた気しないのよ。だから……」ゴソゴソ
キョン「……?…おわっ!!なんだこれ!!」
ハルヒ「なんだこれって、見たら分かるでしょ。鍋セットよ。最近寒くなってきたし、食べ頃よー?」
キョン「ば、馬鹿!院内は火気厳禁だ!!」
ハルヒ「少しくらいいいじゃない」
キョン「駄目だって…!」
医者「涼宮さん、何を…?ビキビキ」
ハルヒ「…!!」
キョン「…!!」
76 名前:1 ◆i0Q8b6c6VI[] 投稿日:2008/05/11(日) 00:24:42.44 ID:c6CXrESO
二人だけの団員。
だけど俺たちは精一杯楽しんだ
狭い病室のなかで、力一杯活動した
古泉!朝比奈さん!長門!
SOS団はこんなにも楽しいんだ。
だから早く戻ってこいよ…!
84 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/11(日) 00:31:58.77 ID:c6CXrESO
キョン「カリカリカリカリカリカリ…」
キョン「……ふぅ」
キョン(これでセンター対策は完璧だな)
ぴゅんぴゅんぴゅん
ちゅどーん!!!
TV『GAME OVER』
ハルヒ「あー!!もう!またやられた!!なによこのゲーム!全然面白く……」
キョン(センターはなんとかいけそうだから、もう先に二次試験対策に移っても大丈夫そうか……)
ハルヒ「……!!……っつ……!!」
キョン「ん?…おい!ハルヒ!頭が痛いのか!?大丈夫か!?」
ハルヒ「あ…あはは、平気平気、ちょっと古傷が痛んだだけ」
88 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/11(日) 00:37:18.75 ID:c6CXrESO
キョン「古傷ってお前、一年前のキズだろ!?」
ハルヒ「た、たまにあるのよ。本当に問題ないから……」
キョン「…………」
ハルヒ「…ちょ、ちょっと!深刻な顔しないでよ!大丈夫っていってんでしょ?」
キョン「……ほんとか?」
ハルヒ「…ほんと」
キョン「…ならいいんだ」ナデナデ
ハルヒ「ちょ、ちょっと!なに勝手に人の頭を……!」
キョン「ダメか?」
ハルヒ「……いや、まぁ………………いいけど」ボソボソ
92 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/11(日) 00:43:13.53 ID:c6CXrESO
ハルヒ「あ、そうだ!」
キョン「…なんだ?」
ハルヒ「今度映画つれてってよ!」
キョン「はぁ?」
ハルヒ「どうしても映画館ど見たい映画があるのよ!ね?いいでしょ?」
キョン「いいわけあるか」
ハルヒ「…だって来る日も来る日も同じゲームばっかりでつまんない」
キョン「……買って来てやるから」
ハルヒ「ゲームはいらない。映画が見たいの!」
キョン「わがままいうな」
98 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/11(日) 00:48:31.18 ID:c6CXrESO
ハルヒ「だいたい病院から映画館近いじゃない!少しくらいいいでしょ!」
キョン「…怒られるのは俺だ」
ハルヒ「……本当にお願い!このチャンスだけは見逃したくないの!」
キョン(……そんなに見たい映画なのか…。
まぁ病院内には娯楽は少ないし……)
キョン「分かった、今回だけな」
ハルヒ「!!(ぱぁっ)」
キョン「向こうでもおとなしくしてろよ?」
109 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/11(日) 00:53:32.98 ID:c6CXrESO
もうちょい
このスレで確実に終わる
ハルヒ「じゃ!早速明日行くわよ!」
キョン「明日!?」
ハルヒ「善は急げっていうじゃない」
キョン「…でもなぁ」
ハルヒ「……あ、でもよくよく考えたら、誰にも気付かれずに受付の前を通るのは至難の技ね」
キョン「………?」
ハルヒ「…うーん、なにか良い方法は……。
………あ!」
ハルヒ「今日あんたの家に泊まればいいんだわ!」
キョン「ぶっ!!?」
115 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/11(日) 00:58:12.52 ID:c6CXrESO
…………
シャミセン「………むにゃむにゃ」
カラカラカラ……
キョン(なんで自宅、しかも自室なのにこんな窓から入るなどという泥棒まがいのことをせにゃならんのだ……)
ハルヒ「ちょっとキョン…!早く入りなさいよ!後がつかえてんのよ!」ボソボソ
キョン「……へいへい」
ぶにゅっ
キョン(…ん?なんか踏んだ?)
シャミセン「ぶみゃあっ!?」
126 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/11(日) 01:04:15.67 ID:c6CXrESO
ハルヒ「……しばらくみないうちに、えらく優等生な部屋になったわね。赤チャートとかもあるし…」
キョン「おいハルヒ。もう一度言っておくがな
さ わ が ず に 寝 ろ よ ?」
ハルヒ「わ、分かってるわよ!……じゃあほら、明日に備えて早く寝ましょ」
キョン「おう」ゴロン
ハルヒ「……あんた床で寝んの?」
キョン「仕方ないだろ」
ハルヒ「この時期床は寒すぎるわよ」
キョン「……お前がベッド使うから仕方ない」
ハルヒ「ま、それもそうね」
キョン「………」
135 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/11(日) 01:10:30.19 ID:c6CXrESO
時計「チッ、チッ、チッ、チッ」
ハルヒ「zzz……」
キョン「…………」
キョン(格好つけたはいいが、寒すぎて寝れん…!!)
スック……
キョン(仕方ない。起きて英単語でも覚えておこうか)
ハルヒ「………………キョン?」
キョン「…なんだ?」
ハルヒ「……やっぱ寒くて寝れないとか?」
キョン「…………」
ハルヒ「………こっち来なさい」
キョン「あ?」
ハルヒ「さ、寒いんでしよ!?仕方ないから布団にいれてあげるわよっ…!」
キョン「!?」
147 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/11(日) 01:17:48.89 ID:c6CXrESO
ハルヒ「………………」
キョン「……………ゴクリ……」
キョン(……なんで俺はハルヒと同じ布団で寝てるんだ?)
ハルヒ「………暖かい?」
キョン「……そりゃあもう」
ハルヒ「………あんた足冷えてるわね。ちょっと貸しなさい」
ぷにゅ
キョン「!!!」
キョン(なんだこの絡み付く柔らかい感触は…!足なのか!?ハルヒの生足なのか!??)
155 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/11(日) 01:21:48.57 ID:c6CXrESO
ハルヒ「……暖かくなってきた?」
すりすり
キョン「!!?」
キョン(この血流の感触……)
┣¨┣¨┣¨┣¨ドドド…………
キョン(これは、マズイぞ…!かなりマズイ…!)
キョン(俺のマイサンが、怒っている!!)
ハルヒ「……あんた何モゾモゾしてんの?」
163 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/11(日) 01:28:06.41 ID:c6CXrESO
キョン「べ、べつにモゾモゾしてないだろ…!」
ハルヒ「………………」
キョン「……な、なんだ?黙って…」
ハルヒ「……ドスケベ」
キョン「!!?」
キョン「ま、待て。これは人間の生理的現象で……」
ハルヒ「…………もういい、寝る(プイッ)」
キョン(不可抗力だろ……)
ハルヒ「…………」
168 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/11(日) 01:34:15.71 ID:c6CXrESO
次の日、映画館にて
ブルース・リー「ほわっちゃあ!!!ホアーッ!!ホ、ホアーッ!!」
キョン(…………)チラッ
ハルヒ「…………ボリボリ」
キョン(……今のうちに寝るか。昨日はあまり寝てないし)
ハルヒ「……………ボリボリ」
ブルース・リー「ホアァ!!」バキッ
ハルヒ「そう!そこよ!そこ!!」ぶんっ!
バキッ
キョン「ぐはっ!?」
174 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/11(日) 01:38:58.67 ID:c6CXrESO
ハルヒ「ふーっ!楽しかった!」
キョン(結局寝れんかった……)
キョン「よし、じゃあ帰るぞ」
ハルヒ「……………ぇ……?」
キョン「……え?ってお前…。まだどこか行きたいのか?」
ハルヒ「ぁ、いやいや!そうじゃないんだけど。そうね、帰りましょう」
キョン「あ、あぁ…」
ハルヒ「…………」
178 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/11(日) 01:44:14.44 ID:c6CXrESO
俺たちは映画を終えた後こっそり部屋にもどろうとしたが、
結局バレて、担当医にお灸をすえられるのだった
…………
………
……
…
キョン「カリカリカリカリカリカリ……」
ハルヒ「……あんたがノロマすぎるからばれちゃったじゃないの…!」
キョン「すまんすまん」
182 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/11(日) 01:48:53.25 ID:c6CXrESO
ハルヒ「……………」
キョン「カリカリカリカリカリカリ……」
ハルヒ「……どうなの?」
キョン「ん?なにが?」
ハルヒ「…勉強よ。最近どうなの?」
キョン「……?順調だぞ」
ハルヒ「……。ふーん。ひょっとすると、ひょっとするかもしれないわね」
キョン「なにが?」
ハルヒ「うちから、SOS団から有名なお医者さんが出ちゃうかもね!」
キョン「…………」
189 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/11(日) 01:54:27.98 ID:c6CXrESO
キョン「……いや、俺は有名になるとかならないとか、そんなのには興味ないんだ」
ハルヒ「………どうして?」
キョン「俺にとって医者になることは手段でしかない」
ハルヒ「………?」
キョン「ハルヒ、お前を救うための手段だ」
ハルヒ「……………」
ハルヒ「…………そっか、ありがとう。素直に嬉しいわ」
キョン「な、なんだよ気持ち悪い。素直なハルヒなんてハルヒじゃないだろうが」
ハルヒ「なんですって!?」
192 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/11(日) 02:00:18.96 ID:c6CXrESO
キョン「冗談だって、怒るなよ(パタン)…じゃ、そろそろ寝るか」
ハルヒ「あ、待って」
キョン「ん?どうした?トイレか?」
ハルヒ「違うわよ!……今日は帰ってほしいの」
キョン「え?何故?」
ハルヒ「……最近ちょっと病室が散らかって来たから掃除でもしようかと思って」
キョン「ほう、突然だな。で、何故俺は帰らなくちゃならん?」
ハルヒ「…そりゃ、掃除してる課程で見られたくないものがあるからでしょ…!」
キョン「なるほど」
202 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/11(日) 02:06:45.33 ID:c6CXrESO
キョン「明日掃除するのか?」
ハルヒ「うん」
キョン「………ま、そう言われたら仕方ないか。……俺もちょっと物理見直したいとこあったし、今日は帰るとするかね」
ハルヒ「………うん、お願い」
キョン「おう、じゃあまた明後日来るからな」
ハルヒ「………………」
キョン「……ハルヒ?」
ハルヒ「え?あ、あぁ……うん」
466 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/11(日) 23:14:49.27 ID:c6CXrESO
キョン「じゃあ……次俺が来るのは明後日でいいのか?」
ハルヒ「……うん、そうね」
キョン「わかった。んじゃ、早く寝ろよ」
ガラガラガラ…
ハルヒ「………ま、待って!!」
キョン「…?なんだ?」
ハルヒ「……やっぱりもう少し話そ?」
キョン「もう時間的にも遅い」
ハルヒ「お願い!」
キョン「……うーん、
……少しだけだぞ?
479 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/11(日) 23:24:21.80 ID:c6CXrESO
………
ハルヒ「もう高校生活も終わりね」
キョン「そうだな。あと半年……もないか」
ハルヒ「……名残惜しいわね」
キョン「あぁ」
ハルヒ「……最後の最後でみんなちりぢりになっちゃってさ、それもちょっと残念」
キョン「………お前が望んだら、みんな帰ってきてくれるさ。きっと」
ハルヒ「あはは、そうだといいわね」
キョン「………」
ハルヒ「……最高の高校生活だったわ」
482 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/11(日) 23:29:45.35 ID:c6CXrESO
キョン「…………あのさ」
ハルヒ「何?」
キョン「……こんなときでもなかったら多分言えないだろうから、言っておく」
ハルヒ「何よ?」
キョン「『約束破って、すまなかった』」
ハルヒ「約束?」
キョン「………図書館の」
ハルヒ「え?あ、あぁ……あれね」
キョン「……お前、俺のために色々データを…」
ハルヒ「そ、そんなことしたっけ?覚えてないわそんなこと!!」
キョン「………ありがとうな」
ハルヒ「………!
べ、別にどおってことないわよ、あんなの……」
490 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/11(日) 23:38:21.98 ID:c6CXrESO
ハルヒ「…別に事故のことも謝らなくったっていいわ」
キョン「なんで?」
ハルヒ「あんたはその分、ずっとあたしのそばにいてくれたじゃない」
キョン「そ、そうなのか?」
ハルヒ「今だって、最後までこうやって私のそばにいてくれてる」
キョン「あ、あいつらは仕方ないんだ。急な事情で引越しを……」
ハルヒ「そ、そうなんだけどね。それでもあんたが最後まで残ってくれてて嬉しかった」
キョン「………そうか」
ハルヒ「………。
ねぇキョン、ちょっとへんなこと聞いていい?」
キョン「……?あぁ」
ハルヒ「もしあたしが………ずうーっと遠くの場所に行ったら、どうする?」
500 名前:1 ◆i0Q8b6c6VI[] 投稿日:2008/05/11(日) 23:46:29.15 ID:c6CXrESO
キョン「遠く?………もう今日みたいに病院抜け出したりは…」
ハルヒ「違う。あたしだけ、ずっとずっと……遠い場所に行っちゃうの」
キョン「遠い場所ってどこだよ?」
ハルヒ「え?ぁ、あー……うーんと……。
あああっ!もう!!とにかく遠い場所」
キョン「……………」
ハルヒ「……あんたは、どうする?」
キョン「……もうおいてけぼりはたくさんだ」
ハルヒ「…………」
キョン「……俺もついていく」
ハルヒ「…………」
508 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/11(日) 23:55:39.26 ID:c6CXrESO
ハルヒ「……それは駄目よ」
キョン「………」
ハルヒ「あんたはあんたのやることがあるでしょ」
キョン「………」
ハルヒ「……医者になりたいんじゃないの?」
キョン「だからそれはお前を助ける……!」
ハルヒ「そんなのいらない」
キョン「……え?」
ハルヒ「そんなの、あたしにはいらない」
534 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 00:28:17.05 ID:VWlxUASO
ハルヒ「……それじゃあんたがあたしのために何でもやってるみたいじゃない」
キョン「お前の為だ。こうやって勉強してるのも全部」
ハルヒ「……あんたはあたしのために人生棒にふんの?」
キョン「ああ。やろうと思えば」
ハルヒ「絶対駄目。そんなの嬉しくない」
キョン「……?なんで?」
ハルヒ「そしたらあんたが不幸になるでしょ」
ハルヒ「あんたが不幸なら、あたしも嬉しくない」
544 名前:1 ◆i0Q8b6c6VI[] 投稿日:2008/05/12(月) 00:37:21.81 ID:VWlxUASO
キョン「……何が言いたいんだ?」
ハルヒ「……医者ってね、そうそうなれる職業じゃないのよ」
キョン「そうだな」
ハルヒ「でもあんたはこの短時間で、大きな一歩を踏み出せた」
キョン「…………」
ハルヒ「……大学ももうほとんど合格確実なんでしょ?」
キョン「……あぁ」
ハルヒ「……気持ちはうれしいわ。だけどあんたのその可能性をあたしで潰して欲しくない」
キョン「…………」
ハルヒ「……あたしの話はそれだけ。だから」
ハルヒ「あたしについてくるなんて言うのはやめて」
549 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 00:45:47.65 ID:VWlxUASO
ハルヒ「ご、ごめん暗い話しちゃって!……あはは、なにやってるんだろ」
キョン「………」
ハルヒ「ふ、深い意味はないのよ!あんたが医者になったら団長であるあたしも鼻が高いんだから頑張りなさいってこと!」
キョン「……あ、あぁ」
ハルヒ「話はそんだけ!!はい、終わったから暗い顔はナシね」
キョン「………」
ハルヒ「暗い顔はナ・シ!!」バシッ
キョン「うぉあ!」
553 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 00:53:31.53 ID:VWlxUASO
…………
ガラガラガラ…
キョン「見送りサンキュー」
ハルヒ「とは言っても、病室のドア出ただけだけどね」
キョン「はは、そうだな。……んじゃ、帰るな」
ハルヒ「………う、うん」
キョン「どうした?」
ハルヒ「な、なんでもないわよ!!」
キョン「……じゃあまた明後日来る。それまで大人しくしてろよ」
ハルヒ「……………」
キョン「じゃあな」
ハルヒ「………………」
ハルヒ「ま、待ちなさい!」
キョン「…まだ何かあんのか?」
ハルヒ「そ、そのっ………!あ、あたしに………キっ………」
キョン「………?」
ハルヒ「キ、キスしても……い、いいわよ…?」
559 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 00:58:23.83 ID:VWlxUASO
キョン「………は?」
ハルヒ「だっ……だから、キス……していいって……言ってんのよ……!」
キョン「な、何言って……」
ハルヒ「目瞑るわ」
キョン「!?」
ハルヒ「…………」
キョン「な、なにやってんださっきから」
ハルヒ「……早く」
キョン「!?」
ハルヒ「……早くして」
キョン「…………!」
ドクン……
566 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 01:04:40.48 ID:VWlxUASO
キョン(ゴクリ……)
ドクン…!
ハルヒ「………っ……!」
ドクン…!
キョン「………」
ドクン…!
………
……
…
ナデナデ…
ハルヒ「……!??」
キョン「……馬鹿。するわけないだろ」
574 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 01:11:14.16 ID:VWlxUASO
ハルヒ「………ぇ…?」
キョン「……キスってのは恋人どうしがするもんさ、それに」
キョン「雰囲気も大事だ。こんなとこでキスなんて俺にはできん」
ハルヒ「……………」
キョン「………ハルヒ?」
ハルヒ「かっ、勝ち誇った顔してんじゃないわよ!あ、あたしだってあんたが鼻のした延ばして顔近付けてきたところをからかってやろうと思ってたんだから!!」
キョン「ははは、そりゃ危なかった!
んじゃ、ほんとに帰るから。ちゃんと寝るんだぞ」
ハルヒ「……ぇ?…あ、う、うん……」
581 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 01:17:21.33 ID:VWlxUASO
キョン「また、明後日な」
ハルヒ「う、うん。バイバイ…」
キョン「……お前は」
ハルヒ「…………うん?」
キョン「どこにも行かないでくれ」
ハルヒ「……………」
ハルヒ「………わかった」
591 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 01:23:57.02 ID:VWlxUASO
次の日
物理教師「ここはなぁ、こうなるからこうでなぁー」
キョン「………(ぼーっ)」
谷口「…………」
谷口(……あいつ、またぼーっとしてやがるな)
谷口(よし、ここは俺がこの愛の消しゴム砲で……)
キョン「……あ、先生」
物理教師「なんだ?」
キョン「そこ、間違ってます」
物理教師「え?どこだ?」
キョン「その右下の式です。そこは……」
谷口(…………)
595 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 01:27:45.59 ID:VWlxUASO
夜、キョン自室にて
キョン「……ふぅ」
パチン
キョン(電気も消したし、早く寝るか)
キョン「………」
キョン(……今日は勉強に集中できんかったな。
…いかんいかん。本番までは油断しちゃダメだぞ、俺……!)
キョン(……明日は、ハルヒに会える。だから、頑張るんだ!)
603 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 01:32:35.97 ID:VWlxUASO
チュンチュン、チュンチュン
ジリ
バッ!!
キョン(……目覚ましスイッチ、off…!)
キョン「さて、起きるか」
キョン(……一日がこんなに長いなんてな)
キョン「よし、今から行くぞ!」
610 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 01:35:34.34 ID:VWlxUASO
スタスタスタ……
キョン(……自転車買い直さないとな…。徒歩だと何かと不便でかなわん)
キョン「………ん?」
店員「いらっしゃいませー。美味しい手作りケーキはいかがですかー?」
キョン(……ケーキか)
キョン「そうだな、一つ買っていってやるかな」
621 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 01:38:24.09 ID:VWlxUASO
自動ドア『ウィーン』
受付B(………あ)
受付A「…ん?どうかした?」
受付B「あ、い、いえ……」
受付(…………キョン君……)
638 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 01:45:50.02 ID:VWlxUASO
今考えれば、俺はハルヒと離れていることなんてなかった。
教室にいる時も、放課後の活動の時も、そして休日も。
はじめてあいつに会った日。
そう、あいつが宇宙人と未来人と超能力者を欲したあの日から今日と言う日まで、ほとんど一緒にいた。
そう、だから俺はハルヒと会うのを一日開けただけで、俺は舞い上がった。情けない話だけどな。
歩いてる途中、それまでの道のりが煩わしかった
早く会いたかったんだ。
あいつに。
ハルヒに。
ハルヒの、笑顔に
652 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 01:51:27.93 ID:VWlxUASO
ははは。
やっと到着した。
いつもより倍近く歩いた気がしたぞ。
このドアを開ければ、あいつが待ってるんだ。いつものあの笑顔で。
いつもはツンとして可愛くないやつだが、きっと「キョン!」って言って100Wの笑顔で迎えてくれるんだ。
……早く、会いたい。
ガラガラガラッ!
キョン「ようハルヒ!!」
678 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 01:56:50.06 ID:VWlxUASO
キョン「ようハルヒ!!今日も来……」
バサッ……バサッ……
キョン「ハル…………ヒ……?」
その部屋には、誰もいなかった。
片付けられた机。
綺麗に磨かれ終わった床。
折り畳まれたマットレス。
開け放たれた窓。
入る風が純白のカーテンをばさばさと揺らせていた。
709 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 02:03:27.87 ID:VWlxUASO
キョン「な、なんだよ……これ………」
キョン「どこだよ、ハルヒ………」
キョン「……はは、分かったぞ。隠れてんだろ」
キョン「ほら!ハルヒ!もうバレてんだ!早く出てこいよ!」
バサッ……バサッ……
キョン「ハルヒ、出てこい」
バサッ……バサッ……
キョン「………出て来て……くれ……」
ヒラッ………
キョン(…………?何だ……?便箋?)
722 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 02:10:53.56 ID:VWlxUASO
………
……
…
おはようキョン。
これを読んでるってことは、あんたはもうあたしの病室にいるのね。
ごめんなさい
まず謝っておくわね。
だから怒らないで聞いて?
……じつは、あたしはもう長くないんだ。
騒いだりしてあんたを困らせたりしてたけど、じつはすっごく頭が痛かったの。
我慢してたんだけどね、何度かバレちゃってたかな?
お医者さんの話では頭の中に血の塊ができてるらしいの。それもすっごく大きいのが。
729 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 02:21:00.69 ID:VWlxUASO
お医者さんからは危篤状態から戻ったのも奇跡としかいいようがないと言われたわ。
そして、もう命も長くないと言われた。
あたしはね、それを聞いたとき、何で目を覚ましたんだろって思った。
単純に死が怖かった。それもあるけど、でも、あたしはそれ以上に、あんたとの別れまでの日を実感しながら死んで行くのがすごく怖かった。それなら眠ったまま、なにも分からないまま死にたかった。
だけどね、お医者さんの話を聞いたの。
あんたがどんな思いで私を看病してくれていたのか…。
ずっと寝ずに看ていてくれていたり、返事もできないのに話しかけてくれたりしてたらしいじゃない。
それで、あたしは気が変った。
730 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 02:28:28.83 ID:VWlxUASO
……あたしは今海外にいます。
アメリカにね、すごいお医者さんがいるんだって。
その人に手術をしてもらうの。
それでも成功する可能性は限り無く低いって言われた。
だけどね、あたしは頑張れる。
あんたと過ごした高校生活や、ちょっぴりだけど、二人でSOS団の活動をした日々。
思い出すとね、負けてたまるか!って思えるのよ
740 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 02:34:28.77 ID:VWlxUASO
…だから、あんたも頑張んなさい。
あたしを理由に、進むのをやめないで。
あんたの人生はあたしのものじゃない。
誰のものでもない。あんたのものなの。
そして将来、あんたの力を必要とする人がきっと現われるわ。
だからその力を、その人に貸してあげなさい。
その人を救ってあげなさい
あたしには無理だけど、あんたにはそれができる。
だから、頑張んなさい
749 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 02:42:23.96 ID:VWlxUASO
あんたが頑張ればあたしも頑張る!
だから、あんたが頑張れば、あたしは死なない。きっと。
[ピーーー]ないもの。あんたを残して。
あたしは絶対帰る。約束する。
だからそれまで、SOS団は解散。団長のあたしがいないから仕方ないでしょ。
あたしが帰るまで、待ってなさい!
そして、それまでにあんたは最高の医者になってること。
これが、最後の団長としての命令!絶対守るように。
それじゃあ。またね。
あたしの大好きな、キョン
759 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 02:49:28.55 ID:VWlxUASO
キョン「………はは、連絡先は書いてない……か」
キョン「………それもそうだな。……だって書いてたら全力で追いかけるもんな、俺は」
キョン「……お見通し……か……」
キョン「『ごめんなさい』……」
キョン「……俺は許さないぞ」
キョン「………こんな紙切れで謝られても許さない」
キョン「……お前が直接謝りに来い……!」
キョン「………待ってるから……」
いつまでも、待ってるからな……!!
お前の命令通り……待ってるから……!!
762 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 02:50:34.98 ID:VWlxUASO
―――――――――…………
768 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 02:59:24.70 ID:VWlxUASO
とある講演会場、舞台袖にて
司会「………では、出番です」
教授「しみじみ思うよ。君は私の誇りだ。」
医師A「教授に同感だ。お前と同期で感激だよ」
医師B「脳死状態からの回復だなんて、ほんと始めは正気の沙汰とは思えなかったぜ」
医師C「だな。俺も始めは馬鹿にしてたんだが、まさかそれを……」
司会「あの……」
医師A「おっと出番だぜ。行って来い、キョン」
キョン「はい」
776 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 03:03:19.50 ID:VWlxUASO
司会「では、本日の主役であります方をお呼びします。どうぞ!」
パチパチパチパチ…!
キョン「…………」
司会「…………」
キョン「…………」
司会「…………」
キョン「…………」
司会「……あのー……」
キョン「………」
782 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 03:09:25.80 ID:VWlxUASO
司会(オイコラ若造…)ボソボソ
キョン「…………?」
司会(弱冠30歳で医学博士か。卒業大学もアメリカのウンタラ大学で結構なことだが、テレビの前で俺に恥かかせたらただじゃおかねぇぞ…!)ボソボソ
キョン「…………」
司会(これは一応歴史的会見ってことで全国ネットの生放送なんだ。時間がねぇんだよ。大物ヅラしてねぇでとっとと話せや……)
キョン「…………。
それは申し訳ない」
783 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 03:16:50.59 ID:VWlxUASO
司会「では、お話し頂きましょう!…ホラ、ハナセヤ…!」
パシャ!パシャパシャ!パシャッ…!
キョン「どうも。紹介に預かりましたキョンです」
記者「……キョン?」
米国記者「……what??」
ザワザワ…ザワザワ……
キョン「……もちろん私の本名はキョンではありません。本名は別にあります。
ただこれからお話させて頂く内容をお伝えするにあたって、そう名乗らせて頂いたほうが分かりやすいと思いますので」
ザワザワ…!ザワザワザワザワ…!
キョン「あと、それからもう一つ」
キョン「今日は医学関係の話をするつもりはありません」
司会「なん……だと……?」
786 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 03:21:11.80 ID:VWlxUASO
………ざわっ………
キョン「ではまず、私の高校時代の、進路指導の話をさせて頂きます」
記者「あ、あの…!」
キョン「あ、新聞記者さん。メモはとらなくていいですよ」
記者「え?」
キョン「今日は俺が勝手にこの場を借りるだけなんで」
記者「???」
788 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 03:23:58.30 ID:VWlxUASO
―――――――………
789 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 03:34:18.48 ID:VWlxUASO
キョン「………てな具合にですね、長門が『…ご飯?お風呂?』とシミュレーションの相手である私に聞くところから、
この、全国ネットでお話させて頂くまでの経緯……そうですね、2ちゃんねるで言うならば、3スレに値する量のお話を今までずっとさせて頂いていたわけですが……」
記者「…………(ぽかーん)」
米国記者「………oh……」
キョン「……ここからが本題です。私にとっても……」
教授「あ、あの馬鹿はなにをしておるのか!!いますぐやめさせろ!!」
医師A「教授!!落ち着いて下さい!!」
医師B「……あいつ……確立される筈の絶大な権威が……文字通りパーだ……!頭も、パー……!!」
司会(……いまから本題だと?このままでは3スレだけではなく4スレ目に…!?)
791 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 03:40:19.82 ID:VWlxUASO
キョン「すみません、この番組、視聴率ってどれくらいですかね?」
ディレクター「へ?あ、あー……まだ今はデータが出てませんが、歴史的技術の進歩なんで、20%は…。ある意味、放送事故ですし…」
キョン「20%…。20%であいつらが見てるってことですね……」
ディレクター「……は?」
キョン「……今まで話してきたが、心当たりがあるやつがいるだろ」
キョン「テレビの前に、四人…!!」
792 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 03:45:33.54 ID:VWlxUASO
もうちょい頑張ってみるww
キョン「いいか、その四人に伝える」
キョン「……俺たちがもっとも愛した場所に、今日中に集合だ」
キョン「これは団長…、いや、団長代行命令だ!拒否権はない」
キョン「んじゃ、今から俺は向かうから。お前らも急いで来い。以上」
795 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 03:54:26.30 ID:VWlxUASO
都内某所 某保育園にて
ワイワイ ワイワイ
男の子「あはははwwwwwwwwwwwwww」
女の子「きゃはははwwwwwwwwwwwwwwまー君が鬼だぁwwwwwwwwwwwwww」
保母さん「ちょっとー?気をつけてあそびなさーい?」
保母さん「……ふぅ、元気すぎるのも問題ね。
………ん?」
女の子「…………」
796 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 04:02:45.11 ID:VWlxUASO
保母さん「……遊ばないの?」
女の子「つまんない」
保母さん「どうして?」
女の子「…………」
保母さん「……ふーん、なるほどなるほど」
女の子「?」
保母さん「ヒントをあげるわ」
女の子「……何?」
保母さん「……つまらないなら、あなたが盛り上げなさい。世界を、大いに」
女の子「世界を、盛り上げるの?」
保母さん「そうよ、あなたがね」ナデナデ
女の子「うん」
男の子「ぎゃはははwwwwwwwwwwwwwwキョンだってこのひとwwwwwwwwwwwwww」
保母さん「?」
797 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 04:09:03.31 ID:VWlxUASO
保母さん「こらー!あんたたち何やってんの!」
女の子「まー君が勝手にテレビつけるの…」
保母さん「こらっ!だめでしょ!」
男の子「このひと先生の好きな人と名前一緒だよ?」
保母さん「へ?」
男の子「このひと、キョンって……」
キョン『……今まで話してきたが、心当たりがあるやつがいるだろ』
キョン『テレビの前に、四人…!!』
保母さん「…!!!!」
ダッッ!
男の子「あれ?先生?どこいくのー?」
800 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 04:13:42.69 ID:VWlxUASO
保母さん「……っ!」
園長「ま、待ちなさい涼宮先生!どこへ行くつもりですか!?」
ハルヒ「…すみません、急用です!」
園長「…………」
ハルヒ「……申し訳ありません。ですが――」
園長「集合場所はあなたたちが最も愛した場所です」
ハルヒ「……!」
園長「お気をつけて、いってらっしゃい」
ハルヒ「…ありがとうございますっ!」
804 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 04:23:01.43 ID:VWlxUASO
正午、部室前にて
キョン「すみません、なんか急におしかけてしまって」
教師「いやいやとんでもない!あなたのような偉大なOBが来て頂ける方が恐縮です。
……あ、こちらの教室でしたね。すぐに開けますので」
ガチャッ……!
教師「……うおっ…!ほこりまみれ…。
……本当にこんなところに用が?」
キョン「はい、しばらくお借りしてよろしいですか?」
教師「え、えぇ…。ご自由にどうぞ。
では…」
スタスタスタ……
キョン「…………」
キョン(一番のりは、俺か……)
811 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 04:29:42.34 ID:VWlxUASO
キョン「…………」
モクモクモク……
キョン(ほこりがすごいな…)
キョン「よし、あいつらが来るまでに掃除でもするか!」
…………………
谷口「いいかぁー?この底辺がXになるから、この面Bの値が…」
ガラガラガラッ
谷口「だれだぁ?社長出勤かぁ?おい、名前と出席番号を……」
キョン「おっとすみません、ホウキ借りに来ただけなんでおかまいなく」
谷口「は、はぁ……」
ガラガラガラ、ピシャ
谷口「いいかー?続けるぞー?この面Bがなー!!」
820 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 04:37:57.47 ID:VWlxUASO
………
……
…
クラブ生「イッチニーサンシーイッチニーサンシー」
カァ……カァ……
キョン(……もう夕方か。掃除してると早いもんだね)
キョン「………」
キョン「変わってないな、この学校も」
キョン「この町も」
古泉「そして、あなたも」
キョン「!!!」
830 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 04:45:43.93 ID:VWlxUASO
分かった。書くぜっ…!限界を越えてっ…!
キョン「……古泉…」
古泉「……お久し振りですね」
キョン「……………っ……」
古泉「………………」
キョン(……………やべ、涙が……)
古泉「………しませんか?」
キョン「え?」
古泉「ボードゲームですよ。しませんか?
みんながそろうまで、いつもやってたじゃないですか」
キョン「…………」
古泉「どうです?ひと勝負」
キョン「…ああ!望むところだ!」
836 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 04:51:42.04 ID:VWlxUASO
…………
キョン「ぐあっ!?足を骨折、3000ドル支払うだと!?」
古泉「これはこれは、今日はついてないですね」
キョン「……足の骨折ごときで3000ドルはない。よって医者である俺は自分で治す」
古泉「ダメですよ。ゲーム内での職業はタレントなんですから」
キョン「くっそ……!」
ガチャッ…
みくる「お邪魔し……ひゃあああっ!?」
ドサッ!!
キョン「……!!!朝比奈さん!」
841 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 05:01:22.04 ID:VWlxUASO
みくる「あはははぁ……転んじゃいました」
キョン(特盛なのに……この歳で垂れてない……!)ゴクリ
古泉「大丈夫ですか?」
みくる「はい、転んだりするのには慣れてますのでぇ…悲しいですけど」
キョン「……朝比奈さん」
みくる「お久し振りです。……お医者さんになったんですね」
キョン「はい」
みくる「……頑張ったんですね」
キョン「…はい!」
みくる「ふふ、安心しました。…私も頑張らないといけませんね」
キョン「なにをですか?」
みくる「えへへ、……色々です」
ガサ…!
キョン「その袋は?」
みくる「百貨店で美味しいお茶を買って来たんです。
すぐに淹れますね」
854 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 05:09:42.47 ID:VWlxUASO
みくる「〜♪」
ドポポポポ……
古泉「はい、あがりです」
キョン「な、何故だ…!」
古泉「タレントに就職したのがそもそもの間違いですね。時代はタレントのような不定給ではなく、固定給を欲しているんですよ」
キョン「くっそお……!」
みくる「もう一杯どうですか?」
キョン「あ、ありがとうございます」
ズズズ……
キョン(……やっぱり朝比奈さんが淹れてくれたお茶が、世界で一番美味しいな)
キョン「……………」
キョン「……二人ともに、この場で謝りたい」
古泉「…?」
みくる「………」
911 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 19:39:22.98 ID:VWlxUASO
古泉「………謝る?」
キョン「……古泉、朝比奈さん。済まなかった」
みくる「………」
古泉「……謝るのはこちらの方です」
みくる「…はい」
915 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 19:46:14.58 ID:VWlxUASO
ごめん、古泉の一人称ミス
古泉「理由はどうあれ、僕はSOS団のもとを去りました」
キョン「………」
古泉「仲間が苦しんでいる時に……。そばにいなくてはならない時に、去りました。
……仲間より、組織をとったんです」
みくる「私も……そうです」
キョン「……………」
キョン「……それはもういいんだ。
あの時は俺もあんな状況で精神がどうかしてた。
………みんなに八つ当たりしただけさ」
916 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 19:54:17.06 ID:VWlxUASO
ごめん、ミスしてなかったww
みくる「や、八つ当たりだなんて…」
キョン「いいや、そうです。……もはや綺麗事なんて言いません。
……あの時は自分で自分の気持ちに気付いてませんでしたが……」
古泉「………」
キョン「……苛立ってたんです。きっと。自分が何もできないから」
みくる「………」
キョン「普段の生活でもそうだった。
古泉、お前は超能力が使える。
朝比奈さん、あなたは未来の知識を持っている。
……長門だってそうだった。あいつはすごい力を持っていた」
キョン「……だから不安だったんだ。何もできない自分だけ残されるのが。
そして……何で俺は何もできないのかと苛立った…!」
917 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 20:00:59.96 ID:VWlxUASO
キョン「……俺はみんなに逃げてた。そう言えるかもしれない」
古泉「…………」
キョン「俺はうすうす気付きながらも、それを気付こうとはしないでまた逃げてた。……自分から進もうとしない、『待ち』の状態を続けた。
……結果、それが長門を追い詰めた」
みくる「…!それは違……!」
キョン「いいえ、聞いて下さい朝比奈さん。
……俺のとるにたらないプライドを持たせるために……。
こんなこと、考えるのも恐ろしいが、俺がハルヒの看病を続けたのも、もしかしたら『ハルヒの看病を献身的に続けた』という事実が欲しかっただけかもしれない……。」
918 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 20:04:33.06 ID:VWlxUASO
古泉「…………」
キョン「……キョンは確かにやった。精一杯やった。だからもういいぞ。
……これが言われたかったのかもしれないな」
古泉「………もしや、長門さんは……?」
キョン「あぁ。消えた。……俺のせいでな」
みくる「!!?」
古泉「…………」
919 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 20:12:24.64 ID:VWlxUASO
古泉「………脳死状態から回復という奇跡の事例。しかも前日までは危篤状態という……」
キョン「…………」
古泉「……機関では様々な憶測が飛び交いました。涼宮ハルヒが『望んだ』のか、それとも他の何者かがアプローチをしかけたのか、はたまた、ただのデマか」
古泉「涼宮ハルヒは昏睡状態なので、望むことはできない。まずこれは確実。エージェントからの報告なのでデマということもない」
キョン「…………」
古泉「……僕もまさかとは思いましたが……」
キョン「あの長門がまさか。そう思っていた。……だろう?」
古泉「……えぇ」
920 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 20:18:16.58 ID:VWlxUASO
古泉「……ですが、今考えれば、長門さんには『まさか』なんて無かった…」
キョン「…………」
古泉「……長門さんは、やはり……あなたを?」
キョン「…………………あぁ」
みくる「…………」
古泉「……長門さんは、もはや命令を忠実に遂行する『だけ』の存在ではなくなっていた」
キョン「………」
古泉「……あなたが、いたから」
キョン「………」
古泉「…………長門さんは、僕らよりもずっと人間的であったのかもしれないですね」
921 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 20:25:27.36 ID:VWlxUASO
キョン「……気付くのが遅すぎたんだ。俺が、気付くのが……」
古泉「………」
キョン「……俺が長門に頼りすぎたから、あいつは……」
みくる「………」
キョン「…俺が長門に頼られるくらいになっていれば……」
古泉「………」
922 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 20:34:13.70 ID:VWlxUASO
古泉「……でも、今は」
キョン「……?」
古泉「今は、今のあなたは違う」
キョン「………」
みくる「……そう」
みくる「今のあなたは、涼宮さんを救う力を持っている」
キョン「…………」
古泉「……僕の超能力は涼宮さんそのものを救うものではない」
みくる「………私と長門さんもそうです。私にはそんな力はありませんし、長門さんもその力を使うには色々と制約があります」
古泉「……あなたの持つ力だけなんです。涼宮さんを救えるのは」
キョン「…………」
キョン「………………馬鹿いえ」
923 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 20:38:24.62 ID:VWlxUASO
古泉「………?」
キョン「……力だけもってても仕方ないんだ」
みくる「………」
キョン「………」
キョン「二人とも」ゴソゴソ
古泉「……?」
みくる「…なんでしょう?」
キョン「この手紙を見てくれ」
924 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 20:44:25.45 ID:VWlxUASO
古泉「これは?」
みくる「……ものすごく古い手紙…ですね」
キョン「あぁ。俺とあいつとの、約束だ」
キョン「……俺が頑張れば、あいつは死なない」
キョン「俺が頑張ってさえいれば、あいつは死なないんだ」
古泉「………」
キョン「それが、あいつとの約束だ」
925 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 20:50:31.16 ID:VWlxUASO
キョン「………俺の中で意味が変ったんだ。医者になることは」
古泉「………意味、とは?」
キョン「俺ははじめ、あいつを救う為に医者を目指した。救う為に医者になりたかった」
古泉「……」
キョン「……だが、今の俺は違う。あいつとの約束を守る為だけになった医者だ。
なりたかったんじゃない。約束を守りたいからなっただけだ」
古泉「………」
939 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 21:27:23.99 ID:VWlxUASO
古泉「……違いますよ」
キョン「…?」
古泉「あなたのその力は、いずれ必要になります」
キョン「……何言ってんだ」
古泉「そう、近い将来…」
キョン「いやに確信めいた言い方だな」
古泉「……ですから、その答えはまだ出さないで下さい」
キョン「……?」
古泉「その力は、あなたが欲したものなのか、それとも、必要ないものなのか」
キョン「…………」
古泉「いずれ来る、その時まで」
940 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 21:35:40.30 ID:VWlxUASO
キョン「………」
古泉「おっと、折角の旧友との再会なのに、少し湿っぽくなってしまいましたね」
キョン「……だな」
古泉「…………」
みくる「…………」
キョン「朝比奈さん」
みくる「は、はい?」
キョン「お茶……もう一杯いただけませんか?」
みくる「え?」
キョン「お茶、いただけませんか?できればお茶菓子も頂きたいです。
……残りの二人を待たなくちゃいけないんで」
みくる「…!」
941 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 21:42:44.25 ID:VWlxUASO
古泉「はは、そうですね。出来れば僕も頂きたいですね。
少し小腹が空きまして…。
彼女たちを待つのは長丁場になりそうです。腹が減ってはなんとやら……」
みくる「……は、はいっ!
すごく美味しいケーキがあるんですっ!すぐ用意しますねっ!」
キョン「古泉、朝比奈さん」
古泉「?」
みくる「はい?」
キョン「お互い、これでわだかまりはナシだ」
古泉「……そうですね」
みくる「はいっ!」
古泉「…こうやってまた一つ集まった」
キョン「それだけで、十分だ」
942 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 21:50:58.00 ID:VWlxUASO
………
……
…
古泉「はい、あがりです」
キョン「なん……だと……?」
みくる「ふぇぇ…負けちゃいましたぁ…」
古泉「今回の敗因もまたキョンさんがタレントに就職……」
キョン「分かってるよ!くっそ……人生ゲームは向いてないのか俺は…」
みくる「じゃあ私の番ですね。ルーレットを回して…(カラカラカラ……)
あ、3ですね。1、2、3っと………ぁ」
キョン「どうしました?朝比奈さん」
みくる「ご、ごめんなさいキョンくん……私もあがっちゃいました」
キョン「……ぐはっ!?」
古泉「買い出し係は決定ですね。
僕はおにぎりとペヤングをお願いします」
みくる「……あのぅ、私はサンドイッチを……」
949 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 21:58:38.11 ID:VWlxUASO
学校、校庭にて
チュンチュン、チュンチュン
キョン(……もう朝か。夜通し人生ゲームはさすがにハードだな…)
警備員「これはこれは先生」
キョン「あ、どうも」
警備員「昨夜はおたのしみだったようで」
キョン「あ……申し訳ありません、ちょっと騒ぎすぎました…」
警備員「いえいえ、久し振りの友人との再会なんでしょう?
夜の学校ならいくら騒いでも近所迷惑にはならないので」
キョン「……ありがとうございます。
ところで、この近くでコンビニはありませんか?」
警備員「コンビニ?」
キョン「ええ、ちょっと頼まれものを……」
950 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 22:02:15.45 ID:VWlxUASO
警備員「あぁ、コンビニなら近くにありますよ。
校門を出てまっすぐ突き当たりの交差点にあります」
キョン「分かりました。ありがとうございます」
警備員「…あ、そうそう」
警備員「朝方は特にトラックが多いんで、気をつけて下さいね」
961 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 22:08:22.55 ID:VWlxUASO
…………
………
……
キョン(……ずっと歩いているんだが)
キョン(……コンビニなんて一軒もないぞ)
キョン「仕方ない。大通りの方に出てみるかな」
ブゥーン……ブゥーン……
キョン(警備員さんが言ってたようにトラックの交通量が多いな…。タクシーでも居ればコンビニの場所を聞けるんだが……。
………ん?)
キョン「お、あったあった。……場所が全然違うじゃないか」
962 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 22:13:23.91 ID:VWlxUASO
キョン(………コンビニは道路の向こう側か)
キョン「横断歩道はないもんか。……ん?」
キョン(……なんだあの人?こんな朝方からエプロン着て走って…)
エプロンの女性「………ハっ…!ハっ…!」
キョン(………あれ?あの人どこかで……)
ドクン…
967 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 22:16:14.09 ID:VWlxUASO
エプロンの女性「………!(キョロキョロ)」
信号機のスピーカ『赤に変わりました。横断をやめて下さい』
キョン「……!」
キョン(……あ、あの人、まさか……!!)
キョン「は、ハル……ヒ……?ハルヒ……なのか?」
971 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 22:21:59.77 ID:VWlxUASO
キョン「ハルヒ!!!おい、ハルヒ!!」
ブゥーン……ブゥーン……
キョン(くっ…!車の音でかき消されるか……!もっと近くへ…!!)
キョン「………?」
エプロンの女性「………(キョロキョロ)」
キョン(……なにやってんだ。キョロキョロして…)
ドクン…
エプロンの女性「………(キョロキョロ)」
キョン(……ま、まさか!!)
エプロンの女性「……!今だ…!」
タッタッタッタ…!
キョン「……なっ!!?」
ドクン…!
978 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 22:26:05.02 ID:VWlxUASO
キョン「馬鹿!!!ハルヒ、戻れ!!!」
エプロンの女性「…!え……?」
ブゥーン…!
キョン「!!!」
キョン(トラック!!?)
キキーッッッ!!
エプロンの女性「……え……?」
キョン「危ない!!!」
979 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 22:26:49.78 ID:VWlxUASO
―――――――……………
983 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 22:32:45.96 ID:VWlxUASO
………
……
…
運転手「ゴラァ!!!信号良く見ろ!!!あぶねぇだろうがボケっ!!!」
キョン「す、すみません、すみません…!!」
エプロンの女性「……いたたた……」
キョン「…!」
エプロンの女性「ちょ、ちょっとあなたね!急に体当たりしないでくれる!?痛いじゃ……」
パンッ…!
エプロンの女性「あぅ……っ!?」
987 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 22:36:58.69 ID:VWlxUASO
ブゥーン……ブゥーン……
エプロンの女性「いった……!な、なにすん……!……ぇ……?」
キョン「…………」
エプロンの女性「あ、あなた、まさか…キョ」
キョン「………なんで殴られたか、分かるか?」
エプロンの女性「…………!」
991 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 22:45:08.85 ID:VWlxUASO
キョン「………………」
エプロンの女性「………………」
ブゥーン……ブゥーン……
キョン「……ハルヒ」
ハルヒ「……!」
キョン「……心配……っ…!……あんま゙り……っ…!心配……かけさぜ……るな゙………っ……。
この……大馬鹿野郎………!」
ハルヒ「……ごめん」
キョン「おま゙え゙のこと……っ……!どれだげ……っ……!心配したと……ぐっ………おもっでんだ……っ!!」
ハルヒ「………うん」
キョン「バガ……や゙ろ゙……!!」
ハルヒ「……うん」
105 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 22:53:10.14 ID:VWlxUASO
自動ドア『ウィーン』
コンビニ店員「いらっしゃーせwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwうぇwwwwwwwwwwwwww」
ハルヒ「何買うんだっけ?」
キョン「……忘れた」
ハルヒ「はぁ!?」
キョン「……お前のせいでな」
ハルヒ「う、うるさいわね!謝ってんでしょ!!」
キョン「ま、適当でいいだろ。食えるもんなら。
……お、この冷凍ギョーザとか古泉好きそうだぞ」
ハルヒ「………」
キョン「朝比奈さんには無難にサンドイッチでも……」
ハルヒ「……お医者さん、なれたのね」
キョン「ん?あぁ」
108 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 22:58:06.63 ID:VWlxUASO
ハルヒ「……頑張ったのね」
キョン「お前との約束だ」
ハルヒ「……あたしも、頑張った」
キョン「………あぁ」
コンビニ店員「zzzz……」
キョン「すいません、これ下さい」
コンビニ店員「しゃーしゃーせwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwかしゃこまりしゃーしたwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
ハルヒ「………」
キョン「………」
ハルヒ「……ぷっ」
キョン「……何だよ?」
ハルヒ「あんた、老けたわねっ……くくっ……」
キョン「お前もな」
110 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 23:04:40.68 ID:VWlxUASO
自動ドア『ウィーン』
コンビニ店員 「ありゃーしたwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwまたおこしくだしゃーせwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
キョン「ふぅ、何か色々買っちまったな」
ハルヒ「そうね…。ん?なにこれ。カレールウ?」
キョン「それは確実に必要だ」
ハルヒ「…?そうなの?」
キョン「あぁ」
ハルヒ「……ふーん」
ハルヒ(………)
タッタッタッタ…!
キョン「あっ、コラハルヒ!先行くな!危ないぞ!」
ハルヒ「(ピタッ)………キョン!」
キョン「あぁ?」
ハルヒ「……すぅ……」
ハルヒ「キョン!!ただいまっ!!」
キョン「おわっ!?」コケッ
115 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 23:08:45.36 ID:VWlxUASO
キョン「な、なんだいきなり!」
ハルヒ「何って…。帰ってきたらいうもんでしょ」
キョン「……?」
ハルヒ「あたしは帰ってきた。SOS団に」
キョン「……!」
ハルヒ「…………キョン」
キョン「なんだ?」
ハルヒ「……ただいま!」
キョン「…………」
すぅ……
キョン「おかえり!ハルヒ!!」
117 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 23:15:16.34 ID:VWlxUASO
……………
古泉「それにしても、あなたも酷い人ですね。頼んでいたものの代わりに、わざわざ今ちまたで問題となっているものを選んで買ってくるなんて…」
キョン「……許せ。他意はない」
グツグツグツ……
古泉「それにしてもすごいですね。15年前の携帯ガスコンロが動くなんて…」
キョン「まぁまだホームセンターが開いてる時間じゃないし、仕方ないだろ。
それに事実今動いてるんだから問題ない」
ハルヒ「よっし!できたわよ!!みくるちゃん特製カレー!!」
125 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 23:22:06.09 ID:VWlxUASO
みくる「上手く出来たかどうか分かりませんが…」
キョン「いえいえ、大丈夫ですよ」
ハルヒ「そうよ!あたしも手伝ったんだし、美味しいに決まってるわ!」
古泉「具は冷凍野菜ですが、そこは勘弁して貰いましょうか」
キョン「あぁ」
みくる「長門さん、来てくれますでしょうか…」
ハルヒ「絶対来るわ」
みくる「!」
ハルヒ「団長命令はぜったいだもの。ね、団長?」
キョン「俺は団長じゃない。団長代行だ。
団長はお前、涼宮ハルヒだ」
ハルヒ「ふふ、そうね」
130 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 23:25:59.07 ID:VWlxUASO
キョン「あいつは……!……長門は来る」
そう、絶対に。
あいつは約束した。絶対に戻ると
だから…!
キョン「あとはお前だけだ!長門、戻ってこい!」
132 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 23:28:15.31 ID:VWlxUASO
―――――――………
ガチャッ……
136 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 23:31:26.62 ID:VWlxUASO
長門「………」
ハルヒ「有希!!」
古泉「長門さん…!」
みくる「長門さん!!」
キョン「…………」
キョン「……長門!!」
長門「………遅刻…」
147 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 23:36:06.12 ID:VWlxUASO
キョン「……長門!!」
長門「…………」
キョン「長門、お前……!」
長門「……涼宮ハルヒが、回復したのが理由」
キョン「え?」
153 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 23:42:55.54 ID:VWlxUASO
長門「涼宮ハルヒが回復したことによって、観察の必要性が出て来た」
キョン「………」
長門「だから、涼宮ハルヒと顔見知りであった私を送り込むのが一番簡単であり、かつ効果的であ」
キョン「……老けたな」
長門「……?」
キョン「老けたな、長門」
長門「……そう」
キョン「でも、美人だ」
長門「………………そう」
ぐりぃ…!
キョン「ぐあっ!?」
ハルヒ「……あんた何鼻の下伸ばしてんのよ…?
有希に変なことするならこのままカレーの具に……!!」
159 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 23:46:50.44 ID:VWlxUASO
古泉「おやおや、お熱いことです」
みくる「あのぅ、ケンカは……」
ハルヒ「なっ…!別にそんなんじゃ……」
キョン「長門!」
長門「……何」
キョン「……おかえり」
長門「……私が帰ってこれたのも、あなたのお陰」
キョン「…え?」
長門「……ただいま」
166 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 23:51:22.67 ID:VWlxUASO
俺の人生のターニングポイント。
ハルヒの約束をすっぽかした、俺。
もしあの時、俺が約束を守っていたなら、俺はきっと別の人生を送っていただろう。
それはどんな人生だろう?
それは分からない
169 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/12(月) 23:55:14.11 ID:VWlxUASO
どんな人生か…。
そんなものはもはや俺にとって関係ない
いいじゃないか。
遠回りだったけれど…。
俺たちの絆は本物だ。
だから、これでいいんだ。
173 名前:1 ◆i0Q8b6c6VI[] 投稿日:2008/05/12(月) 23:58:05.78 ID:VWlxUASO
俺の力をハルヒを守る力と言ってくれた古泉
本当にそうなのかはまだわからいが
俺はハルヒを守る。
これから、ずっと
fin
221 名前:1 ◆i0Q8b6c6VI[] 投稿日:2008/05/13(火) 00:03:58.09 ID:4hsjzISO
キョン「………みんな、行くのか」
古泉「僕ももう社会人ですからね。一緒にいたいのはやまやまですが…」
ハルヒ「あたしも、子供たちのことほったらかしで来ちゃったし」
キョン「子供!!?」
ハルヒ「あ、あぁ、保育園で預かってる子供ね」
みくる「私も今日無断欠勤なんで……」
長門「あなたも、記者会見をぐちゃぐちゃにした」
キョン「……分かってる。ちゃんと謝りに行く」
247 名前:1 ◆i0Q8b6c6VI[] 投稿日:2008/05/13(火) 00:09:27.42 ID:4hsjzISO
ハルヒ「あんたはどうすんの?」
キョン「俺はここを片付けてから行くよ。谷口に悪いし」
ハルヒ「谷口?」
キョン「いや、こっちの話」
みくる「じゃあ、私たちはこれで」
長門「…………」
ハルヒ「絶対、またみんなで会いましょう!」
古泉「連絡先も交換しましたし、今度はあんな記者会見ジャックはしないでいいですね。」
キョン「……やめてくれ」
ハルヒ「じゃ、またね!!」
バタンッ…
キョン「ふぅ……じゃ、片付けるか」
253 名前:1 ◆i0Q8b6c6VI[] 投稿日:2008/05/13(火) 00:13:28.54 ID:4hsjzISO
キョン「…ったく、散らかしやがって…!」
キョン(…………)
キョン「ま、今日ぐらいはいいか」
ガチャッ
古泉「もしもし」
キョン「うわっ!?」
257 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/13(火) 00:19:03.98 ID:4hsjzISO
キョン「…こ、古泉…!
どうした?何か忘れ物か?」
古泉「……いえ、一言お伝えしておこうと思いまして」
キョン「……いやに真剣だな、どうした?」
古泉「『僕もできる限りのことはやらせて頂きました』」
キョン「……?」
古泉「『次はあなたの番。……いや、やっとあなたの出番です……!』」
キョン「………?」
260 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/13(火) 00:23:40.83 ID:4hsjzISO
古泉「……お伝えしたいことはそれだけです」
キョン「な、何の話だ?全く話が見えてこないんだが」
古泉「…ご武運を。僕はあなたを信じています」
バタン……
キョン(か、帰った…?)
キョン「何言ってんだあいつ…。
ま、いいか。とりあえず片付けるか」
ガチャッ
キョン「……ん?古泉?また何か」
みくる「……こんにちは」
キョン「………!?」
276 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/13(火) 00:28:32.68 ID:4hsjzISO
キョン「あ、朝比奈さん……ですか?」
みくる「はい」
キョン「で、ですが……」
キョン(『さっきの朝比奈さんじゃない』……!!)
みくる「……あはは、あんまり見ないで下さい。気をつけてはいるんですが、小ジワが…」
キョン(この朝比奈さん、見た感じ……60代くらいか…?)
キョン「………未来の朝比奈さんですね」
みくる(老)「…はい。お話しが早くて助かります」
283 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/13(火) 00:36:34.80 ID:4hsjzISO
キョン「……で、俺に用とは?」
みくる(老)「………ごめんなさい」
プスッ…!
キョン「!!!!」
キョン(ち、注射針!!?)
キョン「な、なにを………あさひな………さ……………」
みくる(老)「ごめんなさい。ちょっとの間眠ってもらいます」
キョン「!!!」
みくる(老)「安心して下さい。すぐに目が覚めます」
キョン「く…………ぅ……………」
みくる(老)「貴方達」
黒服「はっ!」
みくる(老)「ターゲットを例の場所に」
黒服「し、しかし本当に……?」
みくる(老)「命令です」
黒服「は、はっ!!」
キョン(な、なにを……朝比奈さん………
……くぁ、い、意識が……)
287 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/13(火) 00:37:40.08 ID:4hsjzISO
――――――――…………
297 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/13(火) 00:41:13.02 ID:4hsjzISO
カッ……!
キョン(……!眩しい……!)
キョン「…!!!」
ガバッ
キョン「………ここは…?……くっ……?」
キョン(まだ意識がもうろうとする……!!)
みくる(老)「…お目覚めですか」
キョン「!!!
朝比奈さん……!」
303 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/13(火) 00:48:50.41 ID:4hsjzISO
キョン「……朝比奈さん、ここは?
これはどういうことですか…?」
みくる(老)「私、組織のお仕事を頑張って、一つの部隊を動かせるようになるまで、昇進したんです」
キョン(……?)
みくる(老)「……私は長門さんからバトンを頂きました」
キョン「………バトン?」
みくる(老)「はい」
キョン「………?」
みくる(老)「『…次は、あなたの番』」
キョン「…!」
みくる(老)「『……キョンくん、やっとあなたが舞台に上がる番です…!』」
キョン(……朝比奈さんまで、古泉と似たようなことを…!)
310 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/13(火) 00:54:24.71 ID:4hsjzISO
キョン「は、話を逸らさないで下さい…!俺には一体何がなんだか…!」
タッタッタッタ……
バァン!!
みくる(老)「何事?ドアは静かに開けなさい」
黒服「ターゲットB、搬入完了との連絡が入りました」
みくる(老)「そう」
キョン「………???」
みくる(老)「時間がありません。手短に話します」
みくる(老)「ここは12年前のアメリカ。
……涼宮さんが日本から搬入されてくる病院です」
312 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/13(火) 00:59:12.12 ID:4hsjzISO
キョン「な、なんだって!!?」
みくる(老)「キョンくん」
ガシッ
みくる(老)「涼宮さんの執刀医は貴方」
みくる(老)「ついに来たのよ。この時が」
みくる(老)「あなたが、涼宮さんを救うのよ……!!」
キョン「!!!!」
318 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/13(火) 01:02:54.51 ID:4hsjzISO
キョン「……しかし、どこの誰かも分からない人間にオペをさせる病院は……」
「それについては心配無用です」
キョン「……!?」
「なぜなら、ここは」
ガチャッ
古泉「機関が運営する病院ですから」
キョン「こ、古泉…!!」
324 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/13(火) 01:08:36.98 ID:4hsjzISO
キョン「……お前は……歳をとってない……のか?」
古泉「ええ。僕はこの時系列の『僕』ですから」
キョン「……………!」
キョン(……ってことはこいつがハルヒのもとを離れたのは……!)
古泉「まぁ機関の病院とはいえ、僕に数人の有志が勝手に協力して頂いているだけですが」
キョン「……え?」
古泉「……つまり、この病院は僕が不法占拠しています」
キョン「なんだって!?」
古泉「ははは、多分上から大目玉ですよ」
327 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/13(火) 01:13:44.96 ID:4hsjzISO
キョン「……お前…!」
古泉「いや、そんなことはいいんです。
……大事なことは」
長門さんから、朝比奈さんへ…
朝比奈さんから、僕へ…
僕から、あなたへ…
古泉「バトンが…。希望というバトンが受け渡された結果ということ」
キョン「……!」
古泉「僕たちはそれぞれ、持てる力をだしきりました」
古泉「次は、あなたが走る番です」
330 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/13(火) 01:18:00.25 ID:4hsjzISO
キョン「は………はは……………」
古泉「……どうかしました?」
キョン「なるほどな。そういうことか、『古泉』…!」
古泉「……はい?」
キョン「答えは出た」
古泉「………答え?」
医師「古泉くん、そろそろ…!」
古泉「あ、はい。では、そろそろ…」
キョン「……あぁ」
331 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/13(火) 01:26:07.12 ID:4hsjzISO
医師「あなたが……」
キョン「はい、涼宮ハルヒの執刀医です」
医師「あの、患者さんがあなたのお名前を知りたがっていました。
命を預ける相手だから、是非名前を聞いておきたいと」
キョン「そ、そうですか、えっと……」
キョン(…本名はまずいよな。……あとアメリカだから日本名もおかしいし………ん?)
キョン(……!)
医師「彼女の為にお名前を聞きたいのですが…」
キョン「…………スミスです」
医師「は?」
ジョン・スミスと、伝えて下さい…!
fin
332 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/13(火) 01:26:52.55 ID:4hsjzISO
以上wwwwwwwwwwwwww
おそまつwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
369 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/13(火) 01:35:55.84 ID:4hsjzISO
お前ら4日間も俺のオナニー見続けてくれてありがとう
俺のザーメン飲ませてやりたいわ。
俺実はゴールデンウィークにも携帯で長門スレたててたんだが、
もしかしたらこの中にそれも見てくれてた人がいるかもしらん
そいつには俺のウンコもサービスでつけるからな
とにかく、ありがとう。
こんだけROMってくれてるとはおもわなんだ
VIPもまだまだ捨てたもんじゃないなwwwwwwwwwwwwwwうぇwwwwwwwwwwwwww
419 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/05/13(火) 02:03:31.01 ID:4hsjzISO
風呂入ってた
そうそう、長門猫スレです
つ●
またしばらくしたらやるかもだから
そんときはまたみんなで遊びましょう
あとどっかに載せたいって言ってた人含めて
こんなオナニーでいいなら好きに使ってくれ
それじゃ、乙っしたwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww