1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 01:15:31.71 ID:savv1Kx10
かがみ「自転車とは全く違う感覚ね・・・」
かがみ「とりあえず、こなたの家まで遊びに行こ」
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 01:15:52.93 ID:2xJPsY0g0
キキーーッ ガシャーーーーーン!!!!!!!!!!
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 01:20:28.25 ID:savv1Kx10
こなた「ハァ・・・ハァ・・・つかさ!」
つかさ「あ、こなちゃん・・・」
こなた「ハァ・・・今、どうなってんの?なんでかがみが?無事なの?ねぇ?」
そうじろう「こなた、少し落ち着きなさい」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 01:26:01.03 ID:savv1Kx10
こなた「・・・・・・」
つかさ「今ね、おねぇちゃん手術うけてるの・・・」
こなた「手術?かがみが?どこの?」
つかさ「あのね、原付でこなちゃんの家に行く途中でね、トラックとぶつかって・・・」
つかさが言うには、かがみの顔は既に原型を留めておらず、
特に左耳と左目は全壊だそうだ。
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 01:31:11.07 ID:savv1Kx10
私が到着してから2時間。
手術中のランプはまだ光っている。
みゆき「かがみさん・・・」
みゆきは私に40分遅れて来た。
県外にいたらしい、それでもみゆきはすっ飛んできたようだ。
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 01:35:26.52 ID:savv1Kx10
痺れを切らした私は、病院の外の空気を吸いに出た。
廊下の空気は重苦しかったし、少し整理したいこともあった。
こなた「・・・・・・」
こなた「かがみん、どうして・・・かがみんが・・・」
きっと、かがみの外見は今までのかがみとは大きく違っているのだろう。
これからは眼帯をつけて生活をしなければならないのか。
今までと同じように接することが、果たして出来るだろうか─
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 01:38:50.59 ID:savv1Kx10
つかさ「こなちゃん・・・」
物思いにふけっていた私は背後に立つつかさの気配に気がつかなかった。
いつもは何があってもマイペースなこの私が、こんなに動揺するなんて。
やっぱり自分の中で、かがみの存在は大きかったんだと改めて自覚する。
つかさ「あのね、トラックの運転手さんは、示談でも何でも、罪を償いたいって」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 01:43:41.98 ID:savv1Kx10
こなた「そう・・・」
つかさ「こんなこと、こなちゃんに言っても、お姉ちゃんはもう・・・」
こなた「そんなことないよっ!かがみは元気になって、絶対戻ってくるよ!」
つかさは涙ぐみながらうなずくばかりだ。
私はつかさをなだめながら手術室前のソファへ向かった。重苦しい空気は続いていた。
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 01:46:28.15 ID:savv1Kx10
さて、欝展開にするか、かがみん奇跡の完治展開にするか
>>60
決めてくれ
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/25(金) 01:48:45.86 ID:e+07pPVJ0
死なない欝
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 01:54:31.66 ID:savv1Kx10
手術中のランプが消えた。
重苦しい空気が一変し、居合わせる全員でドアを睨んでいた。
つかさとソファに戻ってから1時間が経とうとしていた。
医者「手術は無事に終わりました。私達の出来る最大限の術を致しました。」
かがみの父「お疲れ様でした。ありがとうございました。」
かがみの母「それで、娘はどうなったんですか?」
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 01:59:27.97 ID:savv1Kx10
医者「・・・娘さんの事に関しては、見ていただくのが早いでしょう。」
看護士さんがガラガラとかがみを運んできた。
微動だにしないかがみなんて初めて見た。
かがみ、私はどんなかがみでも一緒にいるよ。
なんて、自分に言い聞かせながらかがみの顔を覗き込んだ。
つかさ「ウッ!アッ・・・ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 02:03:38.87 ID:savv1Kx10
ビチャビチャビチュア!!
つかさは廊下にリバースしてしまった。
まさか、実の姉の顔を見てこの反応をするなんて一体かがみの顔はどうなっているのか。
恐る恐るかがみの顔に焦点を合わせた。
こなた「・・・・・・!」
みゆき「かがみさん・・・」
あぁ、なんとなく、予想だけはしていた。
顔半分が潰れてしまったのではないかなんて、予想はしていた。
あくまで予想だけだったのに。
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 02:10:55.51 ID:savv1Kx10
もはや、奇形。
かがみの顔の左半分には大きな穴が開いたような、
左目はおろか、鼻の左半分にまでかかる大きな穴がかがみの顔を貫いていた。
こなた「かがみ・・・」
医者「せめて左脳の切除だけは避けたかった為、このような形で終わりました。」
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 02:14:39.10 ID:savv1Kx10
かがみの父「ありがとうございました、すぐにこの子を休ませてあげてください。」
かがみの父「それと、この子も・・・」
つかさはまだ震えている。
あの子には刺激が強すぎたのだろう。
看護士は廊下の奥へ歩き出した。医者もつかさをトイレへ行くよう促している。
私は、あんなふうになってしまったかがみと、今までどおりに接することが出来るだろうか─
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 02:19:08.89 ID:savv1Kx10
かがみは手術の後2日間眠っていた。
目を覚ましたと、つかさが教えてくれた。
みゆきと三人でお父さんの車に乗って病院へ駆けつけた。
ベッドの上で顔が包帯で隠れている、
かがみはいつもと変わらない態度で私たちを迎えた。
かがみ「よっ。」
120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 02:23:05.47 ID:savv1Kx10
つかさは黙り込んだままだ。なんて言ったらいいのか分からないのだろう。
実の姉の顔を見て嘔吐した手前、気安く話しかけられないのはつかさにとって当然であった。
みゆき「こんにちは、かがみさん。お加減はいかがですか?」
かがみ「なんてことないわよ、さすがはお医者さんね。なんでも治っちゃうんだから大したもんだわ。」
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 02:29:01.98 ID:savv1Kx10
つかさはそのとき顔を上げた。
私は冬の布団に入ったときのような、狂気にも似た冷たい違和感を感じた気がした。
こなた「かがみ・・・?もうケガは大丈夫なの?」
かがみ「なーにオドオドしてんのよ!大丈夫だって言ったじゃない!」
つかさ「でも、あんなにヒドイ怪我・・・」
かがみ「大丈夫だって言ってるじゃないの、そんなに言うんなら見せたげるわよ!」
無傷の右腕がかがみの包帯に近づく。
包帯は真っ白のままだ。朝取り替えたのか。
134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 02:35:37.35 ID:savv1Kx10
シュルリ
こなた「あ・・・ッ!」
左目があった場所には、発泡スチロールのようなものが置いてあった。
固定はされていないようだ。
かがみ「それでね、この輪で固定して、眼帯をつけたら・・・ホラ!」
かがみ「別に違和感ないでしょ!」
右半分だけ変わらない笑顔で見せてくれた。
136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 02:38:41.22 ID:savv1Kx10
かがみは努めて明るく振舞ってくれているのだろう。
鏡で見た自分の顔に驚きながらも、
私達が来ると聞いてすぐに心を切り替えてくれたのだろう。
それなのに、
私たち三人は何も言い出せず、
表情を変えることも出来ず、
眼帯の奥に垣間見える発泡スチロールのような物体と、
今はもう無いかがみの左目を見つめることしか出来なかった。
143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 02:46:56.62 ID:savv1Kx10
つかさは泣き出した。
私も泣きたかった、かがみだって本当は泣きたいのだろう。
無理をさせてしまっている。
泣きたいかがみの代わりに泣いてあげたい。
かがみの意図を汲んで、泣いてあげたい。
泣かないでよー、なんて言わせてあげたい。
でも泣けなかった。
心のどこかで、かがみとの絆をフェードアウトさせようと思っていたのかもしれない。
泣いたらまた気を遣わせてしまうと思ったのかもしれない。
窓から吹き込む風がかがみの前髪をもてあそぶ。
風が吹き止んだ後も、かがみの前髪は崩れたままだった。 fin