1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 20:20:57.35 ID:wvMB/8U/0
長門「ニュー速VIP…涼宮ハルヒに劣らない謎と価値を持っている。
日本中の人間が集まっているこの空間を上手く利用すれば、情報統合思念体に何かしらの利益があるかもしれない。
しかしこの空間では行き来する情報が多すぎて私だけでは情報を解析することも操作することもできない。
一週間観察を続けたが、相変わらず彼らの考えていることは分からない。
……これより直接彼らとの接触を試みる。ギコナビ起動。 新スレ書き込みウィンドウを表示……これだろうか。
彼らは冗談が好きなよう。…少しふざけた要素があると食いつきがいいだろうか」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 20:23:35.20 ID:wvMB/8U/0
ピンポーン
長門「…情報提供を求める」
1 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日: 2008/04/20(日) 10:30:00.00 ID:WwWkyon+0
長門「何でも構わない。あなたたちのことを教えてほしい。お気に入りのエロ画像でも構わない」
※IDは架空のものです
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 20:25:21.15 ID:wvMB/8U/0
長門「…約2分経過した。スレッド更新」カチッ
ピンポーン
2 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日: 2008/04/20(日) 10:30:36.37 ID:4gh6zmY80
_,,....,,_ _人人人人人人人人人人人人人人人_
-''":::::::::::::`''> ゆっくりしていってね!!! <
ヽ::::::::::::::::::::: ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ __ _____ ______
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 'r ´ ヽ、ン、
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ,'==─- -─==', i
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |
,' ノ !'" ,___, "' i .レ' L.',. ヽ _ン L」 ノ| .|
( ,ハ ヽ _ン 人! | ||ヽ、 ,イ| ||イ| /
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
長門「……」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[地味に続けます] 投稿日:2008/04/19(土) 20:28:07.31 ID:wvMB/8U/0
3 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日: 2008/04/20(日) 10:30:58.17 ID:Tgp3d4Y80
マジレスすると、
長 門 が 何 か 言 え ば ウ ケ る と 思 う な
4 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日: 2008/04/20(日) 10:31:02.74 ID:3gdtt9io0
エロ画像欲しいだけならわざわざ長門を出してこなくっていいのに。
まあどっちにしろお前なんかにやる画像なんかないけどなwww
5 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日: 2008/04/20(日) 10:31:22.02 ID:StG44MP40
むしろIDでスレを立てるべき
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 20:29:04.27 ID:wvMB/8U/0
6 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日: 2008/04/20(日) 10:31:39.54 ID:1yjkkza20
>>5
それはお前だwwwwwwww
7 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日: 2008/04/20(日) 10:31:49.19 ID:uyr38wqd0
>>5
うほっwwwwwwww
テラナチスwwwwwww
8 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日: 2008/04/20(日) 10:31:51.84 ID:die3unde0
>>5
おめでとうwww
9 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日: 2008/04/20(日) 10:31:50.38 ID:StG44MP40
うわマジですげぇwww
ちょっとスレ立ててくるわwwwww
長門「……本題は…?」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 20:30:22.83 ID:wvMB/8U/0
10 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日: 2008/04/20(日) 10:32:00.00 ID:WwWkyon+0
長門「ふざけないで。正直に答えてもらいたい。」
11 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日: 2008/04/20(日) 10:32:30.21 ID:cb420dst0
>>1
もう帰れカスが。ここは>>5のスレとなった。
12 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日: 2008/04/20(日) 10:32:41.01 ID:gomJrP6q0
>>11
>>5なら本当にスレ立ててたよ。だからこのスレイラネ。
13 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日: 2008/04/20(日) 10:32:57.09 ID:nt98oidw0
最近このテのクソスレ多いな
14 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日: 2008/04/20(日) 10:38:41.11 ID:die3unde0
みんな>>5のスレに行っちゃったね。
ということで>>1死ね厨房
15 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日: 2008/04/20(日) 10:46:38.28 ID:gyrm8s5d0
バルサミコ酢〜♪
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 20:32:17.09 ID:wvMB/8U/0
長門「彼らは自分の経験上でしか発言できない。私に過去の痛かったであろう自身と重ねて発言していると思われる。
彼らの中では、私はいわゆる厨房と呼ばれる部類に属されているのだろう。私が長門有希本人であると知らずに。何とも愚かだ。」
長門「おかしい。あれから新着レスが来ない…スレッド一覧更新。」カチッ
ピンポーン
スレッド名 △ | カウント | 取得| 未取得|(〜省略)
●□291長門「…情報提供を求める」 15 15 0
長門「…」カチッ
ピンポーン
●□327長門「…情報提供を求める」
…カチッ
ピンポーン
●□360長門「…情報提供を求める」
長門「……」カチカチッ
ピンポピンポーン
●□420長門「…情報提供を求める」
●□431長門「…情報提供を求める」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 20:33:34.06 ID:wvMB/8U/0
カチカチカチカチカチカチカチカチカチッ
ピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポーン
●□459長門「…情報提供を求める」
●□484長門「…情報提供を求める」
●□502長門「…情報提供を求める」
●□517長門「…情報提供を求める」
●□539長門「…情報提供を求める」
●□545長門「…情報提供を求める」
●□548長門「…情報提供を求める」
●□566長門「…情報提供を求める」
●□589長門「…情報提供を求める」
ピンポーン
長門「…ウグッ……ハァ。……更新ボタンを押していないのに音がした。これは幻聴…?」
ピンポーン
長門「…来客だった」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 20:35:39.51 ID:wvMB/8U/0
〜〜〜〜〜〜〜ここからキョン視点〜〜〜〜〜〜〜
キョン「おーい長門ー!いるんだろ?」
ドアが開いたのはそう叫んだ直後であった。
長門「…どうしたの」
キョン「…あー…礼儀からすると俺がまずその質問を答えるべきだろうが、あえて言いたい。そっくりそのままお前に返す」
長門「どうして」
キョン「充血して真っ赤な目に溢れんばかりの涙溜めてその下にドス黒いクマこしらえてなおも自分の異変に気付いていないのか」
長門「…なんでもない。私は15歳前後の人類を基盤に作られた。通常より感受性が高く外部からのストレスを受けやすい。ただそれだけ」
どう考えてもいつもの長門じゃない。もっと問い詰めたかったが、あいにく今回は別件でこいつの元に来たのでややこしくならないようにスルーした。
いつもの部屋に案内され、長門はお茶を取りに行った。ふと、目に入った光があった。
俺が以前三年寝太郎の如く眠りまくったあの部屋だ。奥で何かが光っている。
キョン「…パソコン?」
あいつも少し人間っぽくなってきたな。しかしパソコンなんぞ買う金はどこから?
何を開いているのか見てみたかったが長門がお茶をかかえて戻ってきたので慌てて元いた場所に座った。
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 20:43:04.37 ID:wvMB/8U/0
長門「それで、何か用…?」
キョン「ああ。ハルヒのことだ。最近の奴はいつもに増して変じゃないか?」
長門「…どのように」
ああ面倒臭い。なるべく簡単に説明したい。
ここ数日、ハルヒの様子がおかしいのだ。常時不機嫌そうに何かをつぶやいており、時折長門や古泉を物凄い形相で睨んだり、
かと思ったら朝比菜さんを見て大爆笑したり、俺を見て顔を真っ赤にして硬直したりとなかなか忙しそうだ。
一昨日なんかいきなり「谷口と国木田をくっつけるわよ!」と何の脈略も無く気持ち悪い計画を企てていた。
これを異常事態と取った俺は長門に相談することにしたのだ。古泉?休日の貴重な時間を削ってまであいつには会いたくない。
長門「たしかに涼宮ハルヒはここ数日の間に莫大なストレスを溜めこんでいる。しかし今回は何ら問題ない」
キョン「問題ない訳あるか。あいつの気分次第で俺たち全員お陀仏の可能性だってあるんだぞ。奴のストレスの原因は何だ?」
長門「知っているけど、教える必要がない。むしろ教えない方が私にとって有益」
キョン「正気なのか!?お前の情報統合ナントカも跡形もなく消えちまうんだぞ!?」
長門「今回はその心配はない。大丈夫。あなたたちの生活が気にならない程度に、ほんの少しだけ不便になるだけ」
キョン「それだけでも大問題だ。早く教えろ。」
長門「断る」
キョン「おいっ!」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 20:44:30.65 ID:wvMB/8U/0
感情に駆られ、俺は長門の襟首を掴んでいた。キレた俺の顔を前に宙ぶらりんになっても長門は冷静だった。
長門「今回は本当に大丈夫。世界が消滅することも、あなたの生活水準が劇的に低下することもない」
長門はそれから同じようなことを数分間語り続けた。彼女の口が閉じた頃には俺の怒りもおさまっていた。
キョン「本当に、なんともないんだな?」
長門「問題ない」
キョン「よしわかった。そこまで言うなら安心だ。カッとなって悪かった」
長門「別に…」
長門を信じて、俺は彼女の家を後にした。玄関の戸を閉めた時、わずかな隙間から長門の怪しい微笑みが見えたような気がした。
いや本当に気のせいだろ。
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 20:45:22.97 ID:wvMB/8U/0
家に帰っても待っているのは宿題くらいのものなので、俺はその辺をブラブラと散歩することにした。
…まっすぐ帰るべきだった。古泉に出会ってしまった。
古泉「おや?奇遇ですねぇ。」
キョン「黙れ。こんな奇遇あってためるか、お前何か企んでるだろう」
古泉「あはは、ご挨拶ですねぇ。そうです。あなたに伝えたいことがあります」
どこからつけてきたこのストーカー野郎め。俺が女だったら即通報してやる。
古泉「おほん。笑ってはいられません。緊急事態です。閉鎖空間が劇的に広がりつつあります。
もはや我々の手にはおえず、どうしようもありません」
キョン「何だって!?」
古泉「最近の涼宮さんはピリピリしてましたからね。僕も全力を尽くしましたが、及びませんでした」
キョン「待て、さっき聞いたんだが長門は問題ないと言ってたぞ。」
古泉「え?そんなことはない、最悪の事態です。明日にでもこの世界が閉鎖空間と入れ替わってしまいそうなのに!」
キョン「な、長門の野郎…で、どうにかできないのか?」
古泉「僕や仲間たちが全力を尽くしていますが、それでも抑えきれません。きっと今夜がこの世界での最後の晩餐でしょう」
キョン「そんな…」
古泉「ただ、今回の涼宮さんの心境はどこかおかしいんです。今までにない怒りを覚えながらも、我々の存在を否定していない」
キョン「と言うと?」
古泉「ひょっとしたら今夜、全ての生命体が彼女の閉鎖空間に招待されるかもしれません。彼女の怒りの対象は人間ではないようです」
キョン「ますます分からん。」
古泉「ひょっとすると…可能、かな?」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 20:47:53.02 ID:wvMB/8U/0
キョン「何がだよ。」
古泉「この世界と閉鎖空間が入れ替わる前に、我々を含めてた全ての情報が閉鎖空間に送られると思います。
世界が完全に入れ替わる前に涼宮さんを説得すれば、最良の結果が得られそうです」
キョン「で、説得するのはやっぱ俺、か?」
古泉「はい」(ニコッ)
やれやれだ。また何の得にもならない重労働を強いられるのか。
古泉「今夜、就寝し次に目が覚める頃には我々は閉鎖空間にいると思われます。世界が完全に入れ替わるまでのタイムリミットは、
僕の経験と計算に基づいた推測では20時が限界でしょう。それまでになんとか頑張って下さい」
言い終わると同時に、この馬鹿は走り去ってしまった。
説得って何をすればいいんだ。ハルヒの怒りの原因がわからないんじゃどうしようもないじゃないか。長門は教えてくれないだろうし、
朝比菜さんは失礼ながら特盛の方じゃないと役に立ってはくれないだろう。こんな事態にもかかわらずその特盛はいないし。
明日の夜8時までに原因を探り、その上で説得するしかないのか?…ぶっちゃけ嫌だ。
とにかく今は家に帰ろう。宿題よりも面倒な仕事ができちまったし、腹も減った。
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 20:49:14.14 ID:wvMB/8U/0
それから俺は長門と古泉の相手に疲れた俺はさながら引き篭もりのような午後を過ごした。時間の経過を意識したのは晩飯の途中だった。
飯の後に即、風呂に入り、自室に戻る。風呂に入ってしまうと全身の力が抜けて勉強なんかできないよな?
宿題のことなんか宇宙の彼方に消え去り、俺はベッドに至福を求めて飛び込んだ。
途端に携帯が鳴り出す。タイミング悪過ぎだ。恥を知れ。まどろんでいたので誰からの着信かは確認しなかったが、
恐らく長門あたりだろう。
?「うぃーっすキョン!夜遅くにスマン!この前出された宿題だけどさっぱり分からん。ちょっと教えt」ピッ
長門と期待した時に限りこいつとは、明日は処刑だ。トイレの手洗い場にその首晒してやる。
実は、古泉と話した内容をすっかり忘れていた。
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 20:55:58.50 ID:wvMB/8U/0
朝、起きてしばらく放心していた。世界がなんとなく薄暗い。空気が凍り付いたような、灰色の世界。俺はようやく古泉の言っていたことを思い出した。
閉鎖…空間、か。ようやく意識が戻ってきたと同時に妹がドアをドンドン叩いてきた。
たしかに違うな。前は妹なんかいなかった。台所で飯を作ってるお袋もいなかった。おまけに俺はちゃんと自宅のベッドの上にいる。
キョン「うるせーなもう起きてるよ!」
俺はいつもどおりに登校した。また透明のバリアみたいなもんがあって家から出られないんじゃないかと思ったが、それもなかった。
途中でいつもと何ら変わらない谷口と合流した。何か言いたそうだったが、口を開く前にドついておいた。
ものを言いたいのはこっちだ。お前ら、何の違和感もないのか?こんなに薄暗いのにすがすがしい朝とは言い難いだろう。
谷口「ハァ?お前言ってんの?最高のナンパ日和じゃないか。それともお前、犬か何かと目玉を交換でもしたのか?」
こいつらはいつもと変わらないらしい。後から合流した国木田にも聞いたが、答えは同じだった。
教室に入る。まっ先にハルヒと目が合った。程なくしてハルヒは俺を目がけて観光客のハンバーガーを狙うトンビのように突っ込んできた。
ハルヒ「キョン!あなたは何ともない!?今日、なんかおかしくない!?」
こいつの不安げな顔は貴重だ。写メにでも撮りたいが、そんなことしたら俺の命が危ない。
ハルヒ「どう考えたって今日の天気はおかしいじゃない。暗いもの。ううん、むしろモノクロっぽくなってない?
最初はウキウキしたけれど、みんなの声を聞いて怖くなったわ!みんな別に暗くともなんともないって…いつもと変わらないって…」
ハルヒは目に涙を溜めてゆっくりと俺に近付いてきた。そりゃもう、抱いてくれって言わんばかりに。
谷口「おーい。なんだかいい雰囲気のようだが、場を考えてもらわにゃ困る。俺の怒りのやり場にも困る。」
その言葉にハルヒは真っ赤になりながらも我に返り、谷口をハイキックで蹴飛ばし(パンツ見えた)、そのままターンしていそいそと自分の机に戻った。
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 20:58:21.11 ID:wvMB/8U/0
それから変にタイミングが悪くなり、放課後までハルヒと話すことは出来なかった。休み時間に入るやいなや、先生方にパシリを頼まれる当、
狙ったかのように俺の時間は消えていった。今、俺は部室に居る。早く来すぎたのでまだ俺と長門しかいない。
ハルヒは谷口を病院送りにしたことで職員室に呼び出されていた。
それより長門だ。こいつには聞きたいことが山ほどある。何から聞こうか。
長門「…大丈夫」
キョン「読心術かよ。どう考えたって大丈夫じゃないだろ。お前を信用した俺が馬鹿だった」
長門「涼宮ハルヒのストレスの原因を知りたい…?」
キョン「ああ、お前が何を考えているのかも気になるが、それが一番聞きたいな」
長門「彼女は私と同じ。ある場所に踏み入った」
キョン「あの場所?」
長門「2ちゃんねる」
キョン「…ああ……なるほど。ってお前もかい」
長門「…内のニュー速VIP」
キョン「ああそれネットやってるとたまに聞く名前だが、どんな所なんだ?」
長門「大勢の人間が馬鹿騒ぎしている場所。…彼女はここで叩かれた」
キョン「叩かれた?」
長門「彼女の立てたスレッドを保存しておいた。見る?」
長門は読んでいた本を置き、パソコンを立ち上げた。
長門「これ」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 21:05:43.23 ID:wvMB/8U/0
不思議なこと大歓迎!
1 名前: SOS団団長涼宮ハルヒ[] 投稿日: 2008/04/15(火) 18:45:15.05 ID:gra1cla50
身の回りに宇宙人とか超能力者がいたり、超常現象が起きたら教えて!できれば写真付きで。
動画だったらなおいい。私のハートを射抜いた人はSOS団の名誉団員にしてあげてもいいわよ。
ほら早く!
キョン「…これを全国に?」
長門「私はインターネットを経てこのスレッドを保存した」
キョン「掲示板にあまり縁のない俺でも分かる。こりゃ痛すぎだろ」
長門「続きを見て。」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 21:07:41.58 ID:wvMB/8U/0
うんとっくに安心しきってる。どうにでもなれ
2 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日: 2008/04/15(火) 18:45:40.07 ID:huhih1sa0
ハルヒヲタキモイ。死ね。
3 名前: SOS団団長涼宮ハルヒ[] 投稿日: 2008/04/15(火) 18:45:48.02 ID:gra1cla50
なによ失礼ね
そういうあんたが死ねばいいのよ!
4 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日: 2008/04/15(火) 18:45:48.02 ID:gra1cla50
これはすごいなりきり度
すごいクレクレ君
5 名前: SOS団団長涼宮ハルヒ[] 投稿日: 2008/04/15(火) 18:46:37.83 ID:gra1cla50
なりきりって何!
6 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日: 2008/04/15(火) 18:47:50.01 ID:d5p1qbju0
初めてキモヲタをまのあたりにしました
7 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日: 2008/04/15(火) 18:47:51.19 ID:yu7thk6d0
古泉「今日の夕飯どうしましょう…」
8 名前: SOS団団長涼宮ハルヒ[] 投稿日: 2008/04/15(火) 18:47:59.22 ID:gra1cla50
私のどこがキモオタなのよ!
9 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日: 2008/04/15(火) 18:48:23.14 ID:lkei5rwv0
ハルヒの皮かぶって言いたいこと言いまくってる奴が出没するスレはここですか
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 21:10:44.10 ID:wvMB/8U/0
以下は省かせていただきたい。同じようなやり取りが延々と続いていた。
ずっと見てると第三者ながら胸くそが悪くなってくる。
長門「涼宮ハルヒのストレスの原因は、これ」
キョン「自業自得じゃないか…」
長門「涼宮ハルヒは若い。これくらいの暴走は本能の一種。私も」
キョン「?」
長門「…何でも」
まあハルヒの気持ちも分からんでもない。俺も中坊の頃遊び半分でお絵かき掲示板を利用したことがある。
当時の全力で描いた絵だったが周りの反応は酷だった。俺は逆上し、反論しまくって泥沼化させたことがあった。
今のハルヒは、そんな気持ちだろうか。だったらなんとなく共感が持てる気がしてきた。
長門と共にパソコンを猫背になって見ていた。やべぇ長門の髪の匂いがする。
突然ドアを開ける音がした。誤解が生じれば面倒なので俺は飛び退いた。
古泉だった。
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 21:11:52.95 ID:wvMB/8U/0
古泉「おや、お仲がよろしいことで」
キョン「お前、死にたいのか」
古泉「まだ死ねません。長門さん、ちょっと席を外していただけませんか」
長門は無言でパソコンの電源をバツリと落とした。シャットダウンぐらいしろよ。
そして俺と古泉をまじまじと見ながら出て行った。
キョン「今回は赤い玉じゃないんだな」
古泉「ええ、いつもと違って、閉鎖空間でありながら僕の力が使えません。今の僕は平凡な高校生です。それより涼宮さんの説得はまだのようですね」
キョン「ああ。その話の前に聞きたいことがある。他の連中はこの異変に気付いていないんだが」
古泉「灰色の世界にですか?そうですね、これは涼宮さんが無意識下において閉鎖空間を調節しているのでしょう」
キョン「調節?」
古泉「そういうと語弊があるのですが、他に例えようがないので許して下さいね。
彼女が望む世界は彼女にとって不要なものより必要な物が格段に多かった。ある存在だけを抹消するために世界を置き換えようとしています。
そこで我々がそっくりそのままここに連れてこられたのですが、突然世界が灰色になると大混乱が招かれるでしょう。
そうなってしまうと本末転倒なので違和感のないよう、我々の視覚信号を変換させているのでしょう。あのバリアもどこにもありません」
キョン「我々って、俺やハルヒ自体はどうなんだ」
古泉「あなたも涼宮さんも一度閉鎖空間を体験しています。そのため閉鎖空間に慣れて免疫なり抗体なりが作られて影響が及ばないものと思われます」
キョン「そんなものなのか…それより、ここにはあの青い化け物はいないのか?ハルヒの野郎はいつにも増してイライラしてたが」
古泉「神人ですね。彼らも今回は異例で物質としては存在していません。コンピュータウィルスのような存在として活動しています」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 21:15:28.62 ID:wvMB/8U/0
キョン「ウィルス?」
古泉「はい。かなり大雑把に言えばそう割り切れます。なので今回は僕のお役はごめんです。元々能力が使えないので丁度いいのですが」
キョン「で、そいつらは何をやってんだ?」
古泉「涼宮さんの怒りの元凶はインターネットです。昨日頑張って情報収集したおかげてつきとめられました」
キョン「ああ、それは長門から聞いた」
古泉が笑えない話であるのに谷口まがいのオーバーリアクションをして驚く。
古泉「神人たちはインターネットを切断してまわっています。現在利用可能な情報伝達手段は電話がせいぜいでしょう」
キョン「待て待て。インターネットって切れるもんじゃないだろう。戦争映画でたまに見る野戦電話の線じゃあるまいし」
古泉「ここは涼宮さんの作りだした世界ですよ。彼女の思惑どおりにことは進みます。セキュリティなどは一切無視されています。
おまけに副作用で携帯電話がかけられないようです」
キョン「はぁ?ハルヒは携帯も必要ないってか?」
古泉「いえ、単にそこまで考えがまわらなかっただけのようです」
キョン「それで、これからどうなるんだ?」
古泉「インターネットの存在が抹消されます。続いて我々の記憶からもそれが抹消されます。その時点で世界が入れ替わります」
長門の言っていたのはこれか。たしかにインターネットがなくなれば不便そうだ。だが、その存在が元からなかったことになれば別に気にはならないだろう。
しかし長門はこれを望んでいるような態度だった。本当に何を考えているのだろうか。
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 21:18:35.20 ID:wvMB/8U/0
キョン「やっぱり叩かれたのがマズかったのか」
古泉「それが大体ですが、他にも原因はあります。これを見て下さい。昨日のうちに収集しておきました」
古泉は携帯を取り出しデータBOXを開いた。
古泉「明日には情報が更新され、携帯電話は画像保存機能付きのウォークマンのような存在になっているでしょう」
そう言いながらこいつは数多くの画像の中から1枚を選択した。それを見て吐きたくなった。
北高の制服を着た古泉によく似た男が同じ制服を着た男の耳を甘噛みしている。BLというやつか。
古泉「どうです。なんだかおかしいでしょう。別に有名でもない、いち高校生の筈の僕とあなたが描かれている」
お、俺だったのか。やめろ、上目で見るな頬を染めるな。
古泉「一種のパラレルワールドです。インターネットは並行世界の垣根を超えていました。元々は涼宮さんが望んだのですが」
キョン「初耳だな。何でもいいから不思議なこと起これー、とか思ってたら偶然それになったと?」
古泉「そのとおり、我々の世界と同じようで微妙に違う世界、数ある並行世界の中から僕たちが小説の登場人物となっている世界と偶然繋がったようですね」
待て、小説というとアレか。俺の私生活も赤裸々と書きつくろってあったりするのか。さりげなく朝比菜さんの座っていた椅子に手を置いたり、
長門を抱きかかえた時の温もりを思い出してマスかいたりしたこととかが。マジでか。
古泉「画像は他にもありますよ。あなたが涼宮さんを犯している画像、朝比菜さんがシュールなタッチで描かれている画像、
長門さんがあなたを誘惑している画像、あなたと僕が抱き合っている画像、朝比菜さんが我慢失禁している画像、
あなたと僕がディープキスしている画像、あなたと僕が…」
キョン「おーい」
古泉「ああすみません。とにかくこのような画像を偶然見てしまった涼宮さんは情緒不安定に陥った訳です。
そこに追い討ちをかけるように叩かれた。それによりストレスが増大したのでしょう」
それはいいが、健全な高校生としてその画像は消去しておくべきだろう。特に腐女子向けのは。
ついでにちょろっと見えたんだが「谷口×国木田」ってのはファイルごと末梢しとけ。
あちょっと待て、朝比菜さんのおもらしのやつは消す前に俺のに送ってくれ。赤外線ならまだ生きてるだろ。
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 21:21:49.54 ID:wvMB/8U/0
古泉「繋がった並行世界も一緒に置き換えられようとしていますね。世界が閉鎖空間と入れ替わった瞬間、それはインターネットが消滅した瞬間でもあり、
もといそれまで繋がっていた命綱が突然遮断されることになります。並行世界が今まで我々のいた世界と一緒に、
インターネットと同時に消滅する可能性も考えられます。そうなると我々は事実上数十億人の人間を殺害したことになります」
そんな重苦しいこと言わないでくれ。長ったらしい説明と気持ち悪い画像のおかげでに半分諦めモードになっていたのに。だって生活不必需品だろ?
ゲームの攻略や裏技を教えてくれる優しい人もいるが、痛いだの厨臭いだの理不尽に罵ってくる奴が大多数だ。
なんだかハルヒのやっていることが正論に思えてきた。一生ついていってもいいとさえもな。
掲示板の連中なんか消滅してしまえばいいだろう。あっちの世界にゃ俺の私生活を赤裸々に書かれた小説もある訳だし。
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 21:23:23.22 ID:wvMB/8U/0
古泉「やれやれ、涼宮さん以前にあなたを説得しないといけないとは。あなたの言っているのは極々一部の人間の中のさらに極一部の人間ですよ。
他の99,999%の人間もとい生物を巻き添えにする気ですか?」
キョン「もう、どうでもよくなってきた。並行世界が何だよ。その極々一部の人間が俺に並行世界の人間に対する固定概念を持たせたんだろ。
人間味の無い非情冷酷な連中だと。俺には罪も責任も無い。悪いのはあいつらだ」
古泉「こんなこと言いたくはありませんが、あなたは子供ですね。仕方がない。恥しいですが僕の体験談をお話ししましょう」
それにしてもハルヒは遅いな。谷口の野郎、あのまま死んじまったんじゃないのか?
古泉「実は並行世界との繋がりは以前からありました。相当前から涼宮さんの影響が見られています。僕はたまに趣味でイラストを描いたりするのですが、
参考のためにとある掲示板を利用したことがあります」
キョン「まさか」
古泉「お察しの通りです。いやーズタボロでした。まるで人間扱いされなかった。あれほど傷ついたことは後にも先にもないですよ」
ん?つーかこいつイラストなんか描いてたか?…ああ、思い出した。時を1週間ほど戻してみよう。
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 21:25:07.29 ID:wvMB/8U/0
長門が漬物石にすればいいんじゃないかってほど重そうな本を閉じ、SOS団はおのずと解散しだした。
俺も鞄を担いでとっとと帰宅しようとした所を古泉に呼び止められた。
古泉「ちょっとこれを見ていただけませんか?」
一枚の紙を渡された。薄汚い鉛筆画だった。これはらき☆すたのキャラクターだな。名前だけは知っている。
柊かがみが泉こなたに抱きついて迷惑そうな顔をされている。
古泉「テーマは性格の逆転です」
キョン「…で?」
古泉「どうでしょう」
これは数あるシチュエーションの中でもダントツで面倒な状況だ。こいつはどんな感想を求めてるんだ。
このテの人間は褒めれば図に乗るだろうし、けなせば逆上するだろう。正直、何がしたいのか分からない。
こいつのイラストは俺のような素人よりは格段と上手いものではあったが、星の数ほどいる絵描きの存在を考えると底辺スレスレを低空飛行している、そんな絵だった。
適当にお茶を濁すしかないだろう。あーウザい。
キョン「まあ、いいんじゃないか。俺だったらこんなに上手く描けないし」
古泉「そう言っていただければ幸いです。実は掲示板にアップして叩かれて自信喪失してたんですよ。おかげで自信を取り戻せました。ありがとうございます」
キョン「つーかお前そんな趣味もあったんだな」
古泉「それはイラスト自体の話ですか?それともその被写体のことですか?まあいいや。それ、差し上げますね。僕はそろそろ失礼します」
人を呼び止めておいて先に帰りやがった。つぅかいらねーよこんなラクガキ!捨てるのは流石に可哀想だが、かといって持ち帰るのも気が重い。
上手く隠してもそのうち妹が発見するだろう。そしてあることないこと言いふらすに決まっている。
考えた末、結局部室のゴミ箱に捨てといた。いや、いらんし。
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 21:26:26.45 ID:wvMB/8U/0
キョン「で、そのエピソードがどうかしたのか?」
古泉「傷付いた僕は頭に血が上っていました。自殺も考えましたよ。ただその時はその感情を押し殺しました。ここで怒れば、掲示板の住人の思うツボでしたから。
落ち着いて彼らの絵を見ました。素晴らしかった。それで食って行けるんじゃないかってほどでしたよ。僕は叩かれて当然だなって思いました。
人間は頭に血が上ると唯我独尊になりがちです。その点、それに気付けた僕は幸せ者だなと思いました」
キョン「…それで?」
古泉「単刀直入に言います。掲示板で叩かれるのは住人が悪いのではなく、あなたが悪いのです」
背骨をアドレナリンが走った。激昂というやつだろう。最近の俺はハルヒのこと言ってられないほどキレっぱなしだな。
右の拳を握り締めた瞬間、ドアが轟音と共に勢いよく外れた。舞い立つ埃の向こうに人影が見える。
長門「古泉一輝、敵性と判断。情報統合思念体及び私への悪影響が予測できる。よってこの場で抹殺する」
ま、待て。援軍は嬉しいが何も殺すこたないだろ。
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 21:28:05.74 ID:wvMB/8U/0
長門「あなたは先程の発言により私の存在を否定した。情報統合思念体も、自らの創作物を罵られたことにより激怒している。死ぬべき」
キョン「待て待てなんでお前が出てくるんだ。物の考え方に違いがあるだけだ。こんなことで殺人とありゃ、戦争と同じくらいに下らないぞ。
それに暴力は良くない。話し合いで解決したらどうた。和解出来りゃ悪影響とやらもなくなるだろ」
長門「…そう。あなたがそう言うのなら、そうする」
古泉「なんだか僕が悪者みたいですね。この状況を掲示板にアップしたら、住人たちはどちらの味方をするでしょうか」
キョン「やい古泉。さっきお前、叩く奴が悪いのではなく、叩かれる奴が悪いと言ったな。お前は出来の悪い三流教師か。
それと似たような言葉で一体何人のいじめられっ子が自殺しただろうかわかったもんじゃない」
長門が共鳴したのか、俺の方に歩み寄ってそっと腕を組んできた。そうか、長門も掲示板で叩かれていたのか。だから先日あのような態度を取ったのだろう。
ともあれこれで百人力だ。後はハルヒが来れば俺たちの勝利だ。忌々しい連中を葬れる。
古泉「それはあなたがひねくれた解釈しかしようとしないからです。言ったでしょう。頭に血が上った人間は唯我独尊になりがちだと。
その一時的な感情を抑えきれないのは幼稚な証拠です。だからあなたは叩かれ続ける」
長門「あちらが叩いてこなければ、こちらも反応することはなかった。こちらに非はない」
古泉「本当に傷付くことは、誰にも反応されないことです。叩かれた分、あなたは見放されてはいない。ウザがられているかもしれないでしょうが、
本当にウザいなら相手もしないでしょう。スレが汚れる原因になりますからね。むしろ叩かれたことに感謝すべきでしょう。見放される方がよっぽど辛いに決まってる」
長門「私の立てたスレッドは15レスで落ちた」
古泉「うわ手遅れかw……ではなくって、あなたはその経験を生かし、どのようなスレッドがウケるかもしくはウザがられるか学習した筈です」
長門「その情報は必要ではなかった」
キョン「古泉、お前の言ってることは分かるが、俺たちだって人間の尊厳を失ってはいない。そんなことも理解できない馬鹿どもにあれだけ虐げられ、
人間扱いされないのなら、もはや無礼討ちにしたって悪くない状況だ。とにかく、俺たちはもしかしたら微塵ほどの過失があるかもしないが間違ってはいない筈だ」
古泉「…衆愚は度し難し、とでも言いたいのですか?残念ながらそれはあなたたちです」
…長門、作戦変更だ。拳銃のひとつくらい構築できないか?
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 21:29:43.36 ID:wvMB/8U/0
3人の睨み合いが続く。俺は思いつく限りの事を言った。それを長門がフォローし、古泉が一蹴する。
自分が何がしたいかもわからなくなっていた。ただ漠然とした怒りが満ちている。洗脳されている。
?「なによコレ!?ドア壊れてるじゃない!」
不意に聞き覚えのある声が聞こえた。30分前には痛ましい目で見ていたが今は同志と呼べる少女、涼宮ハルヒだった。
決まった。俺たちの勝利だ。これで世の個性豊かな人々があの馬鹿連中によって個性を踏みにじられ迫害されることもなくなる。
ハルヒ「あーもうドアのことより岡部の低能っぷりにはほとほと愛想が尽きたわ!悪いのは私じゃなくて軟弱な谷口でしょう!」
訂正。谷口みたいな奴なら迫害されてもいい。
古泉「…勝ち誇った顔をしていますね」
キョン「ああ、お前はもう何も言えない筈だ。ハルヒにまでさっきみたいな暴言を吐くと消される可能性だってあるからな」
ハルヒ「何の話?というより有希ちゃんはキョンなんかにしがみ付いて何やってんの」
長門「…士気高揚。お互いの」
何を言っちゃってるんだ長門さんよ。それより古泉の野郎が不利さを悟った顔じゃない。まだヘラヘラしてやがる。
古泉「涼宮さん、最近あなたの笑顔を見ていません。何か悩みがあるのなら相談に乗りますがどうでしょう」
ハルヒの顔が陰る。
ハルヒ「…別になんでもないわ。きっとアレよ。えと、最近便秘がちなだけよ」
いくらハルヒとて女としてその逃げ方はどうだろう。
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 21:32:21.94 ID:wvMB/8U/0
古泉「遠慮なさらないで下さい。できる限りご協力します」
ハルヒ「しつこいわね。…まあ、たしかになんでもないこともないわ。強いて言うならこの世にあまりにも馬鹿が多すぎることね」
古泉「といいますと?」
ハルヒ「私の言ってることが理解できてないのよ。それで苦し紛れに文句を言ってくるの。それが腹立だしくって」
古泉「インターネット掲示板、利用されたんですね。僕は経験者なのでわかります」
ハルヒ「えっ!?…ま、まぁそうね。大当たり。本当、あそこの連中はいい年こいて馬鹿ばっかなんだから」
長門「同意する」
古泉「ははっ、お怒りはごもっともです。しかし涼宮さん、馬鹿の意味をもう少し深く考えてみませんか?」
ハルヒ「?」
古泉「馬鹿ということは、それだけ利用しやすいということです。ただ、馬鹿が故に己しか信じることができない。よって他人はウザくて仕方無い」
ハルヒ「そうよ、そこが問題よ。何の根拠もなく目に入っただけでいちゃもんつけてくるんだもの」
古泉「ええ。だから、目に入らないようにすればいいんです。余計なスレッドを立てず、余計な書き込みはしない。
それでも彼らは活発に情報を交換している。それを立ち聞きするだけでも十分に役立つ筈です」
ハルヒ「…ん。名案ね。でも一度あそこまで言われたらやり返さないと納得いかないわ。何かいい考えはない?」
古泉「何もしないことです。彼らは個性を認めません。そんなものウザいだけだ、と。放ってけば彼らはどんどん個性を失い、堕落するでしょう。
自分たちがルールと信じ込み、ただただ面白いものを探すだけの廃人となります。そう、彼らは気の長い自殺をしているんですよ。
煙草よりタチの悪いやつをですね」
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 21:33:45.31 ID:wvMB/8U/0
ハルヒ「考えればそうね。確かにあいつら廃ってたわ。でもそんな実感湧かない方法は嫌ね」
古泉「あと数年待ちましょう。その時に答えは見つかる筈です」
ハルヒ「それにしても古泉くんも結構毒があるわね。本当に恨んでいるみたい」
古泉「ええ。だから数年待って下さい。その時、自分の愚かさに気付く筈です」
ハルヒ「えっ?」
古泉「あなたのようになる時期は誰にでもあります。それを乗り越えたもののみが、彼らと共に楽しむことができるのです。よく考える時間も必要でしょう」
…俺と長門は完全に蚊帳の外だ。しかし古泉の野郎口が達者だ。始めに共感を持たせておき、それから徐々に誘導してゆく。
俺は古泉に振り回され、またしても考えが変わった。たしかに俺はさっきまで怒りにまかせてとんでもないことを考えていた。長門も俺がわかる程度に目を見開いている。
長門「…たしかに私にも過失がある。一方的に情報を要求した。叩いたり、無視するのは当たり前。ウケを狙っても裏目に出るのも必然だった」
ハルヒ「…考える時間、ね。私にも悪い所があったかもしれない。消えて欲しいとは思ったけど、はたから見たあいつらはとっても楽しそうだった。
私もそれに参加したかった。でも結果叩かれた。それが恨めしかった。言い返したかった。順を追ってみるとやっぱり私が悪いのかもね」
やれやれ。結局古泉が説得しちまった。俺のポジションを狙ってるんじゃあるまいな?
バリン。今回もガラスが割れるように灰色の世界が崩壊した。続いて猛烈な睡魔が襲ってきた。ふと古泉の声が聞こえた。
「叩く方も叩かれる方も節度を保てば一番いいんですがね」
んなこと知るか。
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 21:34:45.29 ID:wvMB/8U/0
痛ってぇ!俺はイスごと後ろに倒れた。フネこいだまま寝てしまったという感じだ。他の連中も寝ている。ああ、長門は今にもパイプイスから崩れ落ちそうだ。
…こいつの寝顔って珍しいな。写メにでも撮るか。
携帯電話はいつもと何ら変わりなかった。電波も3本立っている。ハルヒが目を覚ましたので慌てて携帯をポケットに突っ込む。
ハルヒ「…あれ?私寝てたの?変な夢見たわー」
ハルヒは寝ボケ面のままパソコンを立ち上げ、カタカタといじりだした。
ハルヒ「送信!」
不安に思って覗いてみた。
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 21:35:02.06 ID:wvMB/8U/0
みんながんばれ
1 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/21(月) 16:48:31.75 ID:k8sose7t0
最初ここの人間を甘くみていたの。けど本当は素晴らしい人たちでいっぱいなんだね。
才能に溢れてる人もいっぱいいて羨ましいよ。色々なことを教わった。ありがとう。そしてがんばれ
何を勘違いしているのだろうか。お前に色々と教えたのは古泉だろうが。何がしたいのかわからない。
当然、叩かれてた。だがハルヒは怒り出すこともなかった。
ハルヒ「あちゃー。また勢いだけでやちゃったわ。反省反省。次からはもっと考えてスレ立てないとね」
懲りてない。だが成長はしているようだ。俺もいいことを教わった。ネット世界を生きていくにはそれなりのコミュニケーション能力が必要と言うことだ。
ハルヒ「そういえばみくるちゃんは?まだ来ていないみたいだけど」
ハルヒが俺たちを指差し数える。まず俺。長門。そしてチェス盤に顔を押し付け爆睡している古泉。イビキ立てんな。
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 21:35:37.06 ID:wvMB/8U/0
ハルヒがトイレ(多分)に行った時、古泉が目覚めた。うえ、チェス盤よだれまみれじゃねぇか。もうお前の相手はしない。
古泉「おはようございます。すみませんね。なんだか仕事取っちゃったみたいで」
キョン「いや謝るのは俺だ。色々とすまなかった」
古泉「いえいえ、これ以上掲示板を汚したくはありませんでしたからね。それにあなたや涼宮さんはまるで昔の僕だった。だから放っておけなかったんです。
ともあれこれで一件落着です。世界も元通りになりました」
キョン「考えてみれば俺は、一時の感情で異並行世界の人間を抹殺してしまう所だったんだな。これからはもっと自分を制御できるように努力したいよ」
古泉と話していると長門がとうとう床に崩れた。しばらくして無表情に起き上がる。
長門「掲示板の世界では、情報は得るものではなく交換するもの。これをわきまえれば次はきっといい情報が手に入る筈。
こちらが提供する情報は何がいいだろうか。折角人間の女性の姿をしているのだから、それを利用しよう」
な、何をする気だこの嬢ちゃんは…やめろ上着を脱ぐなカメラを出すな。古泉と一緒になって取り押さえた。
長門「全裸が道徳的には良くないのなら、性癖を持つ者に対象を絞る。………ッ」チョロッ…ヂョロロロロロロ…
キョン「うわーっやめろ!尿道締めろ!ストップストップ!」
長門「古泉一輝、撮影を頼む」
古泉「こういう画像なら、彼らは喜んでくれるでしょう。いいですよ。…あれ、このカメラなんか紙切れがひっついてますね。ゴミでしょう。捨てておきますね」
古泉がゴミ箱に紙切れを捨ててカメラを構えるが、慌てた様子でもう一度ゴミ箱に視線をやる。しまったこの前のイラストが入ったまんまだ。
古泉「(´・ω・`)」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/19(土) 21:38:05.27 ID:wvMB/8U/0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜女子トイレ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
みくる「ふぇぇ〜…どうしましょう。き、着がえなんてないし…恥を忍んで部室に行こうかしら。
あそこにはメイド服があるし、それを着ているうちに乾かせば…ああっでもキョン君には見られたくないし…」
鶴屋「みくるちゃーんどうしたにょろー?トイレ篭ってもう一時間じゃーん。もしかしておっきい方してんの?」
みくる(ふぇ…言えないです。パンツを下ろすまで間に合わなかったなんて…)バターン!
ハルヒ「バーンとぼうこう破裂よりバーンと放尿しちゃいなさいな!涼宮ハルヒ、トイレに参上!」
みくる「ふえぇぇぇ〜」
やっと終わった…長いんだよ畜生…最後狙い過ぎだろよお…
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/19(土) 21:47:07.31 ID:wvMB/8U/0
これから先、何のレスもなく落ちていくだろうけどさ、
こんな駄作にも数時間の人生が消化された代物だってことは頭の隅に置いといてくれ。
今夜も不思議発見見逃してまで投下作業繰り返したんだから…
あー今思うと時間が勿体なかったわー。
俺ってばなーにブログに載ること期待してたんだろ。ふざけんなよ。
つか中の人違うだろ。コメしてくれる人。
とりあえずさよなら。後は好きにしろ。煮ても焼いても食えんがな