キョン「ここはどこだ…?つーか俺は誰だ?何も思い出せない…」


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8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/10(木) 00:16:10.80 ID:T5yi+IuyO

ハルヒ「キョン!気がついた?」
キョン「……ここは……」
みくる「良かったぁ……、もしキョンくんの目が覚めなかったら、あたし……」
キョン「……?お前ら……誰だ?」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/10(木) 00:19:43.76 ID:T5yi+IuyO

ハルヒ「……嘘……、嘘でしょ?ねぇ、キョン……」
みくる「あ……あたしのせいだ……ふ、ふぇえ」
長門「……記憶喪失」
キョン「え?」
長門「あなたは記憶を失った」
キョン「……ドッキリだろ?」
長門「真実」
ハルヒ「みくるちゃんとあたしを庇って、あんた達車に引かれちゃったのよ」
キョン「あんた達……?」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/10(木) 00:23:47.38 ID:T5yi+IuyO

長門「そこの男子生徒と共に」
キョン「こいつもひかれたのか」
みくる「あたしがあの時飛び出さなかったら涼宮さんも危ない目に遭わなくて済んで、
キョンくんと古泉くんも……うぅっ……」
ハルヒ「あれは仕方なかったのよ……」
キョン「何が何だかサッパリだ、少し考える時間をくれよ」
ハルヒ「……あたし……帰る、みくるちゃん、行きましょ」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/10(木) 00:28:37.04 ID:T5yi+IuyO

キョン「嵐は去ったか」

古泉「…………ぅ」
キョン(起きたか?)
古泉「……うぅん……」
キョン「よ、よう」
古泉「今何時……?」
キョン「いや、俺もわかんねーや」
古泉「うわ!あんた誰」
キョン「お前も記憶喪失かな」
古泉「何ここ……病院?」
キョン「俺達、なんか女子を庇ってひかれたらしい」
古泉「どんな子?」
キョン「栗毛でロングヘアで……」
古泉「知らないなぁ……」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/10(木) 00:38:58.43 ID:T5yi+IuyO

古泉「いきなり記憶喪失とか言われたって……」
キョン「なあ?」
古泉「ちょっと考えさせて」

キョン(俺の一番新しい記憶は授業終わって家に帰る時だな)
古泉(授業終わって、それから演劇部に……)
キョン「……今6時か……」
古泉「僕達やっぱり入院するのかな」

キョン「お前、名前は?」
古泉「……古泉一樹」
キョン「俺は――――、まあキョンでいいよ、とりあえず宜しく」
古泉「……変なあだ名だな、宜しく」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/10(木) 00:47:10.78 ID:T5yi+IuyO

ナース「起きましたか?」
キョン「は、はい」
ナース「命に別状も(略)ですが、明後日まで二人とも入院です」


古泉「明後日まで……か」
キョン「どうしたもんかね」
古泉「やる事無いし何か話す?」
キョン「そうだな」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/10(木) 00:53:58.23 ID:T5yi+IuyO

キョン「お前も北高生?」
古泉「そうだよ、何組?」
キョン「俺5組だけど……お前は?」
古泉「僕9組」
キョン「9組って理系の特進じゃねーか!」
古泉「まあね……そうそう、僕5月に転校してきたんだよ」
キョン「へぇ、なんで?」
古泉「親の都合。いやぁ、案外兵庫も平和だよね、評判は悪いけど」
キョン「そうだな……」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/10(木) 01:01:39.90 ID:T5yi+IuyO

キョン「俺お前の事どっかで見たような事ある気すんだよな」
古泉「お、記憶復活しそう?」
キョン「うーむ……やっぱ駄目だな……」
古泉「そっか……あ、でもなんか僕も知ってるような気がする、キョンの事」
キョン「知り合いだったのかもな……カチューシャ女とか知らね?」
古泉「今時カチューシャ?どんなの?」
キョン「なんか黄色でリボンつきの」
古泉「あー……2つついてるやつ?」
キョン「そうそう!」


古泉「……知ってる気はするんだけどなー……思い出せないや……」
キョン「うーん……謎だな……」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/10(木) 07:01:58.98 ID:T5yi+IuyO

>>16
古泉「……まあいいや、その内何とかなるでしょ」
キョン「だな、焦らなくてもじきに思い出すさ、日常生活に支障がある程忘れたわけじゃない」


〜中略〜


古泉「病院食あんまり美味しくなかったね……」
キョン「おかゆ味無しって……どうよ」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/10(木) 07:14:29.04 ID:T5yi+IuyO

古泉「ねぇ、なんか部活入ってた?」
キョン「え?あー……帰宅部だな」
古泉「僕も帰宅部、んで演劇部行こうと昨日思ったんだけど……記憶が……」
キョン「俺も帰る時から記憶無いんだよな」
古泉「そう……。……ふぅ、なんか疲れたな」
キョン「無理もない、……にしても、本当病院って何もないよな」
古泉「ゲームしたいなぁ……」
キョン「どんなゲームやるんだ?」
古泉「ボードゲーム」
キョン「そりゃまた古いな……」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/10(木) 07:21:45.77 ID:T5yi+IuyO

古泉「まだ8時か……」
キョン「寝るか?」
古泉「でもさっきまで寝てたわけだし」
キョン「だよな、眠くないよな」

コンコン
古泉「はい」

ガチャ
長門「…………」
キョン「さっきの……」
古泉「え?知ってる人ですか?」
長門「……古泉一樹」
古泉「はい?」
長門「私とあなたは知り合い」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/10(木) 07:32:27.15 ID:T5yi+IuyO

長門「あなたとも」
キョン「俺か?」
長門「そう、私達と先程の女生徒二人は同じ部活」
古泉「えーと……何部ですか?」
長門「SOS団」
キョン「……すまん、それは一体どういう……」
長門「世界を大いに盛り上げる為の涼宮ハルヒの団、活動内容は、
宇宙人、未来人、異世界人、超能力者を探し出して一緒に遊ぶ事」
キョン「…………」
古泉「……あ、あの……」
長門「私は宇宙人、あなたは超能力者」
キョン「邪気眼遊びか……」
長門「違う。実際の事。涼宮ハルヒには願望を実現する能力がある。
今回あなた達が記憶を失ったのも何か理由があるはず。
涼宮ハルヒに何らかのアクションを検知させる必要がある」
キョン「待て、涼宮ハルヒって誰だ」
長門「黄色いカチューシャ」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/10(木) 07:52:10.24 ID:T5yi+IuyO

古泉「朧気ながら言っている事は理解出来ました、しかし……困りましたね」
キョン「俺も何となく解った気がするが……涼宮ハルヒが何を求めているのかわからんな」
長門「その鍵を見つけるのがあなた達の役割。……それじゃ」
キョン「お、おい、待てよ!」


キョン「……行っちまったよ」
古泉「超能力者って……どういうものかな」
キョン「さぁな……だが何故か信じられる気がする、多分実際、前にその事を知ってたんだろ」
古泉「確かに……物事を手際よく解決させる為……?」
キョン「だとしたら涼宮ハルヒは相当の実力者だろうな……」
古泉「でも鍵なんて言われてもどうしようもないような」
キョン「…………」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/10(木) 07:58:51.92 ID:T5yi+IuyO

キョン「宇宙人ねぇ……」
古泉「……まあ、なんか、でも結局全部忘れてるんだし……今の僕達じゃ……ねぇ?」
キョン「……そうだよな……機を待つしかないな」


古泉「……寝ようか」
キョン「そうだな、寝よう」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/10(木) 08:20:59.11 ID:T5yi+IuyO




キョン「……ああ、そうか、病院……か」
古泉「…………」
キョン「7時か……あんな時間に寝たしな……」


キョン「おい、古泉、起きてるか?」
古泉「うぅ……、……ああ、キョン……おはよう」
キョン「おはようさん」
古泉「今何時かな?」
キョン「7時だけど……」
古泉「そっか……、……」
キョン「とりあえず起きておいた方が良いだろ、誰か来たら何か話しておきたいしな」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/10(木) 08:31:07.61 ID:T5yi+IuyO

ナース「何か必要な物があったらいつでも呼んでください」
キョン「えっと……ボードゲームとか……ありませんよね」
ナース「あ、オセロならありますよ」
古泉「!」
キョン「じゃあ、宜しくお願いします」


古泉「なんか……嬉しいなぁ」
キョン「この位覚えてるって」
古泉「ところでご飯どうすんの?」
キョン「お粥だけはちょっとなぁ……残すわ」
古泉「……ふふっ」
キョン「理系ってやっぱりオセロも強いのか?」
古泉「まあやってみれば分かると思うよ」

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/10(木) 08:44:30.11 ID:T5yi+IuyO

キョン「弱い、弱すぎるぞお前」
古泉「やっぱりこうなるか……」


キョン「にしても、退院したらどうなるんだろうな」
古泉「どう、とは?」
キョン「いや……記憶戻るかなって」
古泉「戻ったら良いよね」
キョン「お前と俺同じ部活だっけ?」
古泉「そういえば……、どんなだったのかな、記憶無くす前は」
キョン「確かに気になるな、だがどうせこんなもんだろうよ」
古泉「もし険悪だったら嫌だな」
キョン「いやそれは無いだろ」
古泉「……なんか妙な感覚になりそうだな」
キョン「俺は既に混乱寸前だ」

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/10(木) 08:59:57.41 ID:T5yi+IuyO

キョン「テレビつけてみるか?」
古泉「暇だしつけてみようか」

112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/10(木) 12:46:13.58 ID:T5yi+IuyO

>>55
古泉「超能力特番の再放送かぁ」
キョン「お前の超能力もこんなもんなのかね」
古泉「案外スプーンとか曲げれたりして!」
キョン「お、丁度スプーンあるしやってみるか?」
古泉「貸して、……」
キョン「…………」


古泉「曲がんない……」
キョン「そりゃそうだろ……」

119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/10(木) 13:03:37.22 ID:T5yi+IuyO

>>112

古泉「もういいや、超能力とか絶対無理」
キョン「あれじゃね?記憶喪失とかいう話もドッキリじゃね?」
古泉「でも確かに記憶無いような気もするし……」
キョン「それはあるな……」

〜中略〜

キョン「岡部のやつどう考えてもおかしいだろ」
古泉「ふふふっ、確かにあの先生ならやりそうだ」
キョン「はは……、ああ、もう3時半か」
古泉「もう授業終わる頃だね」
キョン「結局今日は話してばっかだったな」
古泉「明日で退院かぁ……なんかちょっと名残惜しいかも」
キョン「課題がないからか?」
古泉「いや、まあ特進だしそれもあるけど……、……ふぁ」
キョン「眠いか?」
古泉「……寝る、「6時には起こして……、んじゃ」


キョン「……寝つくのはえーな」

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/10(木) 13:13:47.88 ID:T5yi+IuyO

>>119

キョン「ふぅ……、……暇だな……」

コンコン

キョン「はい」
ガチャ
ハルヒ「キョン、元気?」
みくる「こんにちはぁ」
長門「…………」
キョン「昨日の……」
ハルヒ「体痛くなったりしてない?」
キョン「まあ……大丈夫だけど」
ハルヒ「やっぱりあたしの事思い出せてないみたいね、……古泉君は?」
キョン「寝てるよ」
ハルヒ「まさか昨日から寝っぱなしなんて事ないわよね?」
キョン「いや、さっきまでは起きてたんだが……眠かったらしい」

212 名前:2番手[] 投稿日:2008/04/10(木) 20:10:14.16 ID:mntryc5n0

3レスのみちょいっと失礼
>>125

ハルヒ「そう……寝ちゃったのね」
キョン「えーと……涼宮だっけ?」
ハルヒ「そうよ! ……あれ、そういえばあたし言ってなかったわよね、古泉君から聞いたの?」
キョン「いや、古泉もお前さんの事知らないみたいだ」
ハルヒ「そうなの!?古泉君まで……、……あ、じゃあ、誰から?」
長門「私が言っておいた」
ハルヒ「あらそう……」
キョン「あー、……っと、あんたと……そこの人は何て名前かな」
みくる「あたしは、朝比奈みくるです」
長門「長門有希」
みくる「改めて挨拶すると、なんか変ですねえ……」
ハルヒ「そうね……、あれだけ長いこと一緒に居たのに」
キョン「……思い出せれたら良いんだがな……。すまん」
ハルヒ「……きっといつか思い出すわよ!そうだ、古泉君起こしてみてくれない?」
キョン「ああ、……古泉ー?」

213 名前:2番手[] 投稿日:2008/04/10(木) 20:10:30.54 ID:mntryc5n0

古泉「うっ……、……うう……ん、…………」
キョン「おい、起きろよ、こら」
古泉「う〜〜……、…………」
キョン「……駄目だ、起きない」
ハルヒ「む……、仕方無いわね、ちょっと話したかったんだけど……、
あ、そうだ!古泉君とは仲良くやれてる?古泉君あんたの事覚えてた?」
キョン「長門さんとやらに聞いたSOS団ってものの事は俺達二人とも知らねーや」
ハルヒ「有希、いつのまにそんな事話してたの?」
長門「電話」
ハルヒ「ふーん、ならいいけど」
キョン「……? そうそう、古泉とは結構気があってさ。話してると楽しいよ」
ハルヒ「えっ、そうなの!? なんか意外だわ」

214 名前:2番手[] 投稿日:2008/04/10(木) 20:10:49.37 ID:mntryc5n0

キョン「しかし……爆睡だな、疲れちまったんだろうか」
ハルヒ「まあ、病院って何も無いし……、でも良かった。
あんた達よく一緒には居たけどそんなに仲良くなかったような気がするから」
キョン「マジか! 記憶戻った時どうなってるか逆に楽しみな気もする」
ハルヒ「早く戻ると良いわね、……そうだ、退院明日だっけ」
キョン「明日のいつかな? 学校に行くのは明後日になると思うが」
ハルヒ「北高の事はちゃんと覚えてるわよね? でも部活は……」
キョン「俺帰宅部だったような気がするんだが」
ハルヒ「あんたどんだけSOS団の事だけスッポリ忘れちゃってるのよ……、
……まあいいわ! 学校来たら古泉君とあんたにSOS団の事を1から叩き込んでやるから!」
キョン「はは……そいつは有難いな……、……(宇宙人、か……)」
ハルヒ「……本当古泉君起きる気配無いわね、あたし帰った方が良いかしら」
キョン「いや、どっちでも構わんが……」
みくる「静かにしてあげた方が良さそうですねぇ……」
ハルヒ「そうね……、まあ明後日になったら部室に強制連行するし
いつだって話す機会はあるわよね。じゃ、またね、キョン!」
キョン「おう。じゃあな」
みくる「またね、キョンくん。お大事に」
キョン「どうも」
長門「……また」
キョン「あ、ああ……」

452 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/11(金) 12:47:08.96 ID:4dJCEG8FO

>>214

キョン「いきなり静かになったな……」
古泉「……すぅ、……すぅ」
キョン「マジで起きないなこいつ」
ベシッ
古泉「あうっ!?」
キョン「…………」
古泉「いっ、いきなり何すんの!!」
キョン「おはようさん、もう客人はお帰りになっちまったぞ」
古泉「誰か来てたの? 今何時……?」
キョン「えーとだな……涼宮ハルヒと、長門有希と……朝比奈さんだっけ」
古泉「長門さんが鍵の人だっけ、あぁもう! なんで起こしてくれなかったんだよ!」
キョン「起こしても起きなかったんだよ!」
古泉「嘘だッ!」
キョン「まあどっちにしろ涼宮ハルヒの前で鍵とか言うのはあまり良くないと思うぞ」
古泉「そうかな? 絶対なんか言った方が良いと思う」
キョン「どうかな……」
古泉「……5時か……、あーあ、……記憶……記憶……」

453 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/11(金) 12:48:14.20 ID:4dJCEG8FO

>>452
キョン「ハルヒが言ってたんだけどさ、明後日は俺達の部活についてまた教えてくれるらしい。その時また手掛かりがあるかも」
古泉「なんか実験椅子とかありそうで嫌だな」
キョン「いや、それは流石にないだろ……」


〜また中略〜


古泉「風呂入りたい!」
キョン「俺もそれには同意するが……いきなりでかい声出すなよ」

コンコン
古泉「どーぞ!」
キョン(不機嫌だな……)

長門「…………」
キョン「またあんた一人か?」
長門「そう」
古泉「長門さんか……」
長門「鍵……」
キョン「全然手掛かり無しだ」

454 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/11(金) 12:50:47.14 ID:4dJCEG8FO

>>453
長門「そう……」
キョン「……」
古泉「……えっと」
長門「…………古泉一樹、あなたは涼宮ハルヒの前では敬語を使って」
古泉「偉い人なんですか?」
長門「あなたの立場上はそうした方が良いというだけの話」
古泉「うーん……、なんか納得いかないけど、……解った」
長門「そうすれば起きる事が出来た」
古泉「え?」
長門「口調の相違は涼宮ハルヒの理想に反する」
古泉「もしかして理想の上で関係が成り立ってるの……?」
長門「そういうわけではない。それじゃ」

バタン


古泉「……記憶戻らなかったらどうなってるのかな」
キョン「そうだ、お前生活はどうよ?」
古泉「生活? 何も問題ないよ、なんで?」
キョン「そうか。いや、なんとなくだ」
古泉「看護婦さん、明日の昼帰らせて貰えるって言ってたね」
キョン「やっと帰れるな。にしてもお前と同室で良かったよ」
古泉「誰かが手を回したんだと思うけど……僕もキョンと話せて楽しかったよ」
キョン「ああ、そんな事全然考えてなかったぜ……、なんかどっかの超能力関係の機関とかが介入してたりしてな」
古泉「そんな非現実的な話があるもんか」
キョン「だよな……」
古泉「……ふぅ」
キョン「……

473 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/11(金) 17:47:53.90 ID:TAtLH7kH0

書き方に迷いが出てきた……からこっちで
もうフリーダム投下させてもらうか
>>454

その後は相変わらず色々だべっただけで、しかし古泉はなんだか溜め息ばかりついていた。
検査の後はなんか不貞腐れてたし、色々嫌だったんだろう。こいつの性格じゃ無理も無さそうだ。
古泉の愚痴を適当に聞き流し、機嫌を直したり雑談したりしている内に時間は着々と過ぎていった。

俺が一番不安なのは記憶についてのことなんだが、古泉はあまりそうでもないらしい。
朝退院の準備をしている時の古泉はまるで檻から出た犬のようだった。

「本当、なんだかんだ言ってキョンのおかげで乗り切れたよ」
病院から出る事がそんなに嬉しいのか、と思わず突っ込みたくなるほど良い笑顔だ。
まあ俺も病院生活自体は勘弁して欲しいものだからな。
「そうだな、俺も結構楽しかったよ」
主にお前のテンション高い饒舌ぶりがな。
俺が色々思い返して笑いそうになる事も気付いておらず、古泉は、
「同じ部活だし、また学校で会おう」

やはり上機嫌だと笑顔が絶えないな、と俺に実感させた。

496 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/11(金) 19:48:52.69 ID:TAtLH7kH0

眠気のせいで考えてたストーリー忘れそうだ

>>473
古泉の親戚とやらの車と俺の母の車はほぼ同時にやってきて、あっちが古泉を車に乗せて帰る間際、
窓から見えた古泉が手を振った姿が印象的だった。

俺の方はどうだったかというと、家に帰るまで母は無言だった。
てっきり叱られると思ったんだが、朝比奈さんと先に対談をしておいたらしい。
朝比奈さんにはちょっと申し訳ない気がするが、正直助かった。
しかし、俺達を轢いた張本人はどこだ……?
今まで姿を出していないって事は多分轢き逃げなんだろうな。くそ野郎め。

さて、怒っていてもしょうがないし、今日は風呂入ってさっさと明日の準備して寝るとしようかね。

504 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/11(金) 20:49:34.13 ID:TAtLH7kH0

>>496

早速だが翌日。教室に入った時初めて知ったんだが、なんとあの涼宮ハルヒは俺の後ろの席だったらしい。
「おかえり、キョン」
その挨拶はなんかおかしいと思うが。
涼宮からの労わりの言葉に感謝の言葉を返したり病院での話をする事で
休み時間は丁度よく潰れ、暇を持て余す事なく放課後になった。
授業中寝るのはやはり喪失前も今も変わっていないらしい。
変わった事といえばSOS団とやらのメンバーを忘れてしまっただけらしいしな。

涼宮にまず連れて行かれた所は9組の教室だった。
古泉は涼宮に呼ばれても疑問符を浮かべるだけだったが、
俺が声をかけると納得した表情で教室から出てきてくれた。そういやこいつはハルヒを見てなかったな。
しかしカチューシャのリボンが二つって事を知っていたという事は……、
思い出せる可能性は皆無じゃないんだろうしな、しかし鍵ってのが未だに意味が解らないし見つからない。
長門と俺と古泉だけで話せる機会があったら絶賛問い質しパーティーを開かせて頂きたいね。

506 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/11(金) 21:10:58.87 ID:TAtLH7kH0

>>504
部室に着いた途端、涼宮は閉じているドアをバシッと叩き大声を上げた。
「キョン、古泉君! ここがSOS団よ! 活動内容は覚えてる?」
長門が言ってたな、宇宙人に超能力者に……未来人と異世界人だっけ?
「と、遊ぶこと! 良いわね、休日には不思議探しとして市内探索を行うわ!」

やけに張り切って喋っていた涼宮だったが、ふと表情が不安そうなものに変わった。

「二人とも、体は大丈夫?」

そうか、明日は休みだったな。俺達はもう休みに休んだわけだが、
まあSOS団について知れる所まで知っておいた方が良いだろう。
「俺は良いけど……」
しかし古泉がだんまりだな。涼宮とは一応初対面と思っているんだろう、緊張しているのかもしれない。
「古泉、お前は大丈夫か?」
「えっ? あー、えーと、あっ! ええ、大丈夫です」

……そういや古泉は長門に敬語を使えと言われていたんだったな。
涼宮は敬語である事に特に違和感も感じていない様子だったので、
もしかしたらこいつは元々敬語キャラだったのかもしれん。

510 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/11(金) 21:36:06.26 ID:TAtLH7kH0

>>506
「じゃ決定ね! いい? 遅刻しちゃ駄目よ? 午前10時に集合だから」
結構早い時間なんだな。勿論学校には及ばないが。
俺と古泉は適当にはいはい返事をして、やっとの事で部室に入れてもらった。が。
そこにはメイド姿で靴を履き替えている朝比奈さんが居た。
何だこれは。何故こんな辺境の学校に美少女メイドが居るんだ。

「みくるちゃんにはメイド服を着るように言ってあるのよ」
下の名前はみくるだったか。朝比奈さんの上履きが赤かった事により
やっとその人が二年生という事を知った。まさか上級生だとは……。
……部室の隅では長門が俺達を見向きもせず、広辞苑並に分厚い本を高速で読んでいた。
とことん変な部活だな、ここは。……不思議探し、ねえ。

511 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/11(金) 21:36:47.63 ID:TAtLH7kH0

>>510
「あっ、キョンくん、古泉くん、あの……これ」
声を上げたのは朝比奈さんだった。なんかの箱を鞄から取り出し、
俺達二人に手渡して深々とお辞儀をした。
「このぐらいで謝罪出来るとは思えないけど、でもこのぐらいしか出来なくて……ごめんなさい」
中に何が入っているかは解らないが、謝罪の品物だろう。
「気にしないでくださいよ、俺はピンピンしてるんですし」
古泉と俺は朝比奈さんに意地でも悪気を感じさせないようにフォローを入れまくり、
涼宮も「気にしないこと! 団長命令よ!」とか、団長の特権らしきものを発揮してくれた。
その内、この前からあまり表情が無かった朝比奈さんにチューリップのような笑顔が咲く。
うん、やはり美少女には笑顔が似合うな。

「ところでキョン、古泉君。記憶喪失ってどこまで忘れたの?」
ここで涼宮の話題転換だ。俺としちゃ何かを忘れたという意識すらあまりないんだが。
ん? 今まで俺は帰宅部じゃなかったか……?

なんとなく部室を見渡すと、目に入ったのは黒板に貼り付けてある写真だった。
近寄って見てみると、古泉と俺が海でツーショットで写っている写真、
同じ時に撮ったと思わしき、長門、涼宮、朝比奈さん、古泉が全員水着で写っている写真。

……どうやら本当に俺達はこの部の部員だったらしい。
帰宅部だったと思った。そんな事を話したらおかしい奴と思われるか。
俺はその辺りは暈して、だがSOS団の事だけを忘れているようだ、という事は伝えた。

662 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/12(土) 17:39:34.51 ID:6ku8lFX50

>>511
俺が話し終えると、涼宮の顔色はあからさまに悪くなっていた。
正直すぎたか、少し後悔した。
「なんでそんなにあたし達の事だけ……」
その瞳は寂しそうに揺れた気がした。何か声をかけようかと迷っていたら、
「古泉君も同じ?」
「はい、なんだかよく解らないんです、今まで普通に生活してたような気もして」
「よくわかんないわね……」
ここでまた沈黙が走った。古泉と涼宮の会話によって考える時間はあったが
それでもまだまだ足りず、ついでに言うタイミングも逃してしまっているような気がして、
「そうだ、あたし軽音楽部行かなきゃ! 後は好きにしてて、じゃあね」
悩んでいる間に涼宮はさっさと部室を飛び出してしまった。

……好きにしてろと言われても困るんだが……。

「俺達は記憶喪失する前は何をしてたんですか?」
朝比奈さんに聞いてみると、どうやら部室の真ん中の机を挟んで毎日ボードゲームに励んでいたそうだ。
ロッカーの中を拝見させて頂くと、俺達のものと思わしきボードや駒が沢山入っていた。
そういや俺いつの間にチェスのルールなんて知ってるんだ? ……まあいい。長くなる。
「古泉、これやるか」
とりあえず病院でオセロはやり尽くしたし、囲碁の盤を取り出した。

部室内が夕日で紅く染まった頃、涼宮は再び部室に戻ってきて
「これにて解散! また明日ね!」
と叫んだ。

一瞬呆気に取られたが、解散なら解散でいい。どうせやる事がない部活だったんだろう。

672 名前:2番手はgdgdなようです[] 投稿日:2008/04/12(土) 19:42:39.10 ID:6ku8lFX50

「帰るか」
鞄を持って立ち上がる。古泉の能天気な声を途中まで聞き、
「途中まで一緒に帰ろうよ、そうだ、キョンは帰りどうす――」
「うわっ!?」
思わず驚いて声を上げた。いつの間にか古泉の背後に逆光で暗くなった長門の姿が
古泉も自分の背後を見て息を飲む。
長門は俺達のリアクションを意外だと思ったのか、一瞬言いようのない無言の空気が走った。

「古泉一樹。あなたも……、二人はまだ帰るべきではない」
「な、なんだ? なんかあるのか?」
「そう。ついてきて欲しい」

部室内に誰かの着信音が鳴ったと思ったら、長門の鞄からそれは聞こえている。
長門のもので間違いないだろう。
しかし本人はその電話に出ることもせず、何か呪文のような言葉を呟いた。途端。
「目を閉じて」
その一言と共に、いきなり鳩尾だけが重くなるような感覚に陥った。
しかしそれもたった一瞬の事で、「もういい」と声が掛かった。


俺達が居た場所は部室だったよな?
驚くことに現在俺達は何故かどっかの横断歩道の前に居た。

674 名前:2番手[] 投稿日:2008/04/12(土) 20:16:27.39 ID:6ku8lFX50

夕方の横断歩道。妙な既視感。この変な感覚もなんだか覚えがあるような気がした。

歩行者用信号機が青に変わる。長門は俺の服の袖と、
あわあわ言いながら辺りを見渡す古泉の手を掴みずんずん進んでいく。
「あなたは古泉一樹の右手を掴んで」
こうか。俺が右手を掴んだのを見て、長門は古泉の左手を掴んだ。
「な、なんだよ! 何かするなら言ってよ!!」
古泉は怯えきって俺達の手を振り払おうと暴れるが、それも長門が押さえつけ、
ついでに目も手で覆っている。ここまで来るとなんだか不憫だな、
そんでもって周りの冷ややかな視線も気になる……と思っていると、
多分瞬きをした直後だろう、世界の全てが灰色になっていた。
いいのか、これ。

開放され、文句を言おうと口を開いた古泉だったが
流石に周囲の異変に先に気がついたらしい。案の定青くなって開いた口を開けっ放しにしている。

「閉鎖空間」
静かすぎて耳鳴りがする程の空間に長門の澄んだ声が響き渡った。

676 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/12(土) 20:37:20.07 ID:6ku8lFX50

「世界から断絶された次元断層の隙間」
そんな事言われてもな。
「この空間に入り込めたのは古泉一樹に力がまだ十分に残っていたから」
古泉は口を閉ざし、周囲を見渡す。正気に戻ったらしい。

「閉鎖空間だっけ? 一体なんなんだ、ここは」
「あっはっはっは、何ここ! もう無理だって、あはははは!」
かと思いきや急に噴き出して笑った。前言撤回。全然正気じゃない。
「涼宮ハルヒの精神状態がマイナス面に大きく変化した時に発生する。
 この空間は放置すれば徐々に拡大していき、
 私達が世界と呼んでいる元の場所と閉鎖空間は入れ替わる」
古泉の大笑いで耳が痛い。しかし自分でも思ったが、えらく冷静だな、俺。
潜在意識でこの場所を覚えているんだろうか。

683 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/12(土) 21:05:37.07 ID:6ku8lFX50

「この場所を消すにはどうすればいいんだ?」
「古泉一樹の力が必要となる。これは私の役目ではない。あれ」
長門の白い人差し指の先を追う。遠くの高層ビルの向こうに、青い発光体があった。
「涼宮ハルヒのストレスが異次元で具現化されたもの。
 あれで涼宮ハルヒは周囲の物を破壊する幻想を異次元で実現させている」
ゆっくりと歩き、ビルの陰から姿を見せる、……青い巨人。
そいつは腕を振り上げて、建物を破壊した。いつの間にか笑い声は止まっている。

「あれを消去するにはあなたの力が必要」
笑顔で放心している古泉の腕を長門が掴んだ。
「無理だってー!」
笑いながら涙目で巨人の方に引きずられていった。あんなのがあれと戦えるのか?

長門の静かな声に対し古泉が騒いでいたが、その内「あーもう」とか声が聞こえて、
赤い光がゆっくりと古泉の体を包んでいく。
まだ破壊活動を続ける巨人の周りを、古泉の今纏っている光と同じような色の発光体が旋回している。
巨人の腕があの数個の紅玉に切り落とされたと同時に古泉の姿は急に変化した。
球体の赤い光を纏い、不安定に揺らめきながら空に舞い上がり巨人へと向かう。
その古泉の成れの果ても加わって、青い巨人の姿はあっさり分解された。

684 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/12(土) 21:08:19.68 ID:6ku8lFX50

赤い光はそれぞれコンタクトを取るように近くに集結し、
暫くお互いの周りをぐるぐる回り一斉にバラバラになった。

一つだけ動きの鈍い奴がのろのろとこっちに向かってくる。
俺達――いつの間にか長門は俺の横に居た――の頭上近くまで来た所で、

「うわあぁっ!?」

突如赤い光が消え、派手な音を立てて落っこちた。

「……大丈夫か?」
古泉は苦虫を噛んだような表情で自分の体をさすっている。
飛び立つ前と比べテンションが随分下がってるな。

気付くと、灰色の空にヒビが入っていて驚いた。
「そこは危険」
長門の手招きに慌てて古泉を引きずる。空をもう一度見上げると、既に亀裂は割れる寸前で。
俺がさっきまで居た横断歩道を車が走っていた。いつの間にかあの空間は崩壊していたらしい。

694 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/12(土) 21:51:49.57 ID:6ku8lFX50

喧騒がやけに耳についた。しかし日常に戻ってきた事に安心を覚える。

「痛い……」
戻ってきて最初の台詞がそれか。
「後は大丈夫、古泉一樹。あなたは超能力の使い方はもう思い出したはず」
「うう、でも変な事ばかり思い出して頭が混乱しそう……!」
聞いてるこっちが焦りそうな声を出してから、そのまま頭を抱えて喋らなくなった。
そっとしておいてやりたいのは山々だが、人の目が気になる。
俺はやっぱり古泉を引きずって、とりあえず喫茶店の中まで入った。勿論長門も。

695 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/12(土) 21:52:00.42 ID:6ku8lFX50

「ああ、もう! なんかスッキリしない!」
喫茶店に入るや否や机に伏せ、ずっとだんまりだった古泉が突然顔を上げて叫んだ。
だからいきなり大声を出すなって。病院じゃないだけまだ良いのかもしれんが。
しかしこの不機嫌具合は入院してた時を思い出すな。
あと何か似たような愚痴り方をする奴がどっかに居たような覚えがある。

「俺は全然思い出せてないがな」
何を見ても驚かなかったのは俺の性格に合ってるような気もしてきた。

「ところで、思い出した事はなんなんだ?」
「涼宮ハルヒの能力がどうとか急に頭に流れ込んできて……ああ、もう理解出来ない」
超能力、……か。超能力者にしか解らない感覚があるってのはよく聞く話だな。

「もう帰りたい」
何も頼んでいないのに机に添えてあった割り箸を割ったり包装紙を千切ったりしている。
こりゃまともに話す気力も無さそうだ。

696 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/12(土) 21:54:16.24 ID:6ku8lFX50

俺も腕時計を見る。

「げっ! もう7時じゃねーか!」
思わず古泉と同じように声を上げてしまった。
ぶっちゃけここが何処なんだか解らないし、あれはテレポートと考えて間違いないだろう。
「長門、俺も早く帰らないと今度こそお袋に袋叩きされる」
古泉の横で静かに水入りコップを見ていた長門は非常に薄い反応で、
「わかった」
また呪文を唱え始めた。いきなり椅子を無くし尻餅をついて、
誰かに見られていないかと思ったのだが、幸いそこは俺の部屋だった。

……いや、これはこれで不都合なんだがな。
いつの間に帰ってきてたのかとどやされそうだ。俺も訳わからん。

699 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/12(土) 22:03:28.16 ID:6ku8lFX50

いやしかしあれだけ言って俺の部屋までテレポートさせるなんて……
長門は気が利くんだかどうなんだか。


部屋から出て一階に降り、リビングに入ると
たまたま母が出かけていると妹が教えてくれた。これはマジでラッキーだぜ。

さて、とりあえず俺は色々気にせずさっさと寝ることに決め込んで実行したわけだが、
突然の出来事が起きたせいで俺は起こされた。午前3時。
普段の俺なら熟睡タイムを返せと言う所だが、今回は仕方無かったといえよう。
夢の中に古泉と長門と涼宮が現れたと思ったらそれは夢ではなかったというわけだ。


割愛しまくる

712 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/12(土) 22:43:40.46 ID:6ku8lFX50

それは初めてどころか、既に見た事のある光景だった。
俺と古泉が部室で言い争っているシーン。

それはモニターのようなものに映っていて、俺(本体)と涼宮と長門が見ている。


涼宮は横で俺に何か非難の言葉を言っているが、夢のようにまるで聞こえない。
しかしモニターに映る俺達の声はしっかり聞こえていて、やっとそこで俺は思い出した。
事故る前日、古泉と俺の言い争いがあったんだ。
ハルヒが言えば易々と同意していたような事柄を俺が言ったら反論してきやがったから
思わず言い返して喧嘩になったんだっけな。
それを見たハルヒは、古泉にもっと自分の意見を言って欲しいと思ったんだろう。

713 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/12(土) 22:43:52.74 ID:6ku8lFX50

最初俺が思い出したのはその断片だけで、その時の混乱ぶりは
閉鎖空間から戻ってきた古泉と同じ感覚だった事は間違いないだろう。

しかし思い出せる切欠が見つかり、やけに気分が高揚して
俺はえらく早い時間に駅前の待ち合わせ場所に行ってしまい、
まず来たハルヒを捕まえ、9時半にようやく現れた古泉に言ってやったのさ。

「もっと自分を晒け出せ、この前は悪かった」

とな。

言われた古泉の顔には?マークが浮かんでいたが、ハルヒの単純さはこの時点で解っていた。
俺の判断は正解だったらしい、市内探索のクジ引きでは俺と古泉が赤を引き、
ハルヒ達女子三人と別れた瞬間記憶が蘇ったってわけさ。
この前、という単語が出た時点で、ハルヒは俺が記憶を取り戻したと認識してくれたらしい。

714 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/12(土) 22:44:09.64 ID:6ku8lFX50

あれだけで復活したって事に驚きだが、ハルヒも意外と団員の精神を尊んでいるという事実と、
古泉が超能力者でなければあんな感じだったのか、という面白さの両方を得て
俺はこの事件が起こってむしろ良かったかもしれない、とは思ったのだが。

古泉は頭を抱え肘で顔を隠し、ベンチに座って暫く悶えていた。
「忘れてください」と何度も言ってな。

あんな別人みたいな古泉を誰が忘れてやるもんかよ。
きっと古泉自身も忘れているはずだ、これから俺が思い出させてやる。
覚悟しとけ。
そう言い放ってやると、閉鎖空間で喚いていた時のあいつよりは少し落ち着いていたしぎこちなかったが、

「無理だって」

という、全く同じ一言が返ってきた。

717 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/12(土) 22:44:43.50 ID:6ku8lFX50

もう間に合ったってだけでわーい
終わりwwwwwwwwwすいませんでした
色々ありがとう



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