1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 02:52:09.57 ID:91SOTJ4n0
バンッ
ハルヒ「あんた達…っていうかあんた! キョン! あんた大丈夫なんでしょうね?」
キョン「俺だけか」
ハルヒ「あんた以外に心配なの誰がいんのよ!」
キョン「まあな」
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 02:53:01.71 ID:91SOTJ4n0
ハルヒ「わかってんの? 赤点取ったら夏休み補習でなきゃなんないのよ」
キョン「知ってるよ」
ハルヒ「そんなことになったらSOS団の活動に支障をきたすでしょ! 」
キョン「まだ赤点取るって決まったわけじゃないだろ」
ハルヒ「いくらあんたがヒラでも団員は団員よ。補習で不参加なんて許されないわ」
キョン「聞けよ人の話…」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 02:53:33.89 ID:91SOTJ4n0
ハルヒ「というわけで」
キョン「?」
ハルヒ「今日からテストの日まで、ここで勉強会を行います」
キョン「何ぃ?」
ハルヒ「もちろん徹夜でね」
キョン「ちょっと待て。テスト前は学校立ち入り禁止になるんだぞ。どの部活も休みになってるだろ」
ハルヒ「そんなもん知ったこっちゃないわ」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 02:54:02.32 ID:91SOTJ4n0
キョン「知ったこっちゃないっておまえなぁ」
古泉「ニコニコ」
ハルヒ「今日と明日! この二日間が勝負よ! そして明後日の日曜日は総復習!」
朝比奈「ふええ〜」
キョン「…俺は家で一人でやった方がはかどると思うんだが」
ハルヒ「あんた一人にしたらどうせやるやる言って寝るだけでしょ!」
長門「……」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 02:54:20.07 ID:91SOTJ4n0
ハルヒ「あんたのために付き合ってやるって言ってんのよ! 感謝しなさいよね!」
キョン「むう」
古泉「涼宮さんもああ言ってることですし、ここは一つ覚悟を決めましょう。僕としてもあなたと夏休みの間中会えないのは寂しいですし」
キョン「そう言うおまえは大丈夫なのか?」
古泉「ニコニコ」
キョン「なんだその笑顔は」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 02:54:45.32 ID:91SOTJ4n0
PM,7:00
キョン「えーっと…ここがYの二乗だから…こうか?」
ハルヒ「だから違うって言ってんじゃない! さっきと同じ間違いしてるわよこの馬鹿! あんたは何、鳥なの!?」
キョン「(そこまで言わんでも…)」
みくる「二人とも、お茶が入りました〜」
ハルヒ「あ、ありがとみくるちゃん」
キョン「ありがとうございます」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 02:57:57.01 ID:91SOTJ4n0
ズズッ
キョン「うん、いつも通り、大変おいしいです」
みくる「わぁ〜ありがとうございます〜」
みくる「キョンくん、がんばってくださいね。応援してますからっ」
キョン「は、はあ」
キョン「(…あなたは頑張らなくていいんですか…?)」
ハルヒ「それにしてもちょっとお腹空いたわね…出前でも取りましょうか」
キョン「学校に出前っていいのかそれ」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 02:58:39.65 ID:91SOTJ4n0
ハルヒ「みんな何か食べたい物ある?」
みくる「あたしは特に…」
古泉「僕も特に希望はないです」
ハルヒ「有希は?」
長門「……」
ボソッ
ハルヒ「え、何? なんて言ったの?」
長門「……」
長門「……カレー」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 03:00:15.49 ID:91SOTJ4n0
キョン「またカレーか」
ハルヒ「え、また? またってどういうことよそれ」
キョン「え!? あ、いや…」
長門「…カレーはおいしい。特にココイチのカレーは美味」
ハルヒ「…そうかしら。まあいいわ。他に特に要望もないみたいだし出前はカレーで決定! 古泉君、お願いね」
古泉「了解しました」
キョン「…俺の意見は聞かないんだな」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 03:05:44.24 ID:91SOTJ4n0
────
キョン「ハフハフハフ」
長門「……」
じいー
キョン「な、なんだ長門。そんなにこっち見て」
長門「…どう?」
キョン「え、なにが?」
長門「…カレーの味」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 03:11:43.52 ID:91SOTJ4n0
キョン「味? うーんそうだな…」
ハルヒ「やっぱりダメねココイチのカレーは。薬みたいな味がして全然おしくないわ」
長門「!」
みくる「そうですかぁ? 私は普通に感じますけど…」
ハルヒ「はいみくるちゃん残りあげる! いっぱい食べてもっと大きくなりなさい!」
みくる「え、えぇ! そんなに食べれませんよぅ」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 03:18:19.37 ID:91SOTJ4n0
長門「……」
長門「……」
キョン「あ…(も、もしかして落ち込んでる?)」
キョン「な、長門。大丈夫だ。ハルヒの言うことなんか信用するな。俺はおいしいと思うぞ?」
長門「…本当?」
キョン「本当だとも。あ、そうだハルヒ! そのカレー食わないなら俺によこせ」
ハルヒ「え…な、なによ…あたしの食べかけよ? あたしは別にいいけど…///」
キョン「いいから。バクバクバク。あーうめえ。ココイチのカレーほんとうめぇ」
長門「……」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 03:29:35.94 ID:91SOTJ4n0
PM.11:30
ハルヒ「はあ……これでとりあえず今日の分の数学は終わり。みくるちゃん!」
みくる「は、はいっ」
ハルヒ「あたしちょっと仮眠とるから次の英語お願いね。ったく馬鹿に教えるのは精神的ストレス溜まって疲れるわ」
キョン「……」
ハルヒ「んがー」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 03:40:00.30 ID:91SOTJ4n0
キョン「……(早っ)」
みくる「…じゃあ…」
キョン「よ、よろしくお願いします」
みくる「よろしくお願いします。……ふふふ。なんだか楽しいですね」
キョン「え、楽しいって?」
みくる「学校に勝手に泊まりこんじゃうなんて。むかし台風が来て帰れなくなっちゃった時のことを思い出して」
キョン「はあ」
みくる「なんだか不思議にワクワクしてきませんか? キョン君は大変かもしれないけど…」
キョン「(…そういや勉強してんの俺だけじゃねえか)」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 03:44:21.67 ID:91SOTJ4n0
みくる「それじゃあ頑張りましょう」
キョン「はいっ」
みくる「…ところでキョン君はどれくらい英語できるんですか?」
キョン「え」
キョン「…そ、そうですね」
キョン「Why you use Rome's spell? よりも」
キョン「Why are you using Rome's spell? の方が良いということはわかります。そんなレベルです」
みくる「(…意味がわからない…)」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 03:53:54.36 ID:91SOTJ4n0
AM.2:00
みくる「ふう……お疲れ様でした。今日の分はこれで全部終わりです。キョン君、覚え早いじゃないですか」
キョン「え、そうですか? 朝比奈さんにそう言ってもらえると自信つきます。ははは…は…ふぁぁ…」
みくる「大丈夫?」
キョン「…ええ…まぁ…一応は」
みくる「はい、コーヒー」
キョン「あ、ありがとうございます」
みくる「思いっきり濃くしてあるからきっと眠気も吹っ飛びますよ」
ズズッ
キョン「(…苦ぇ…」
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 03:57:36.16 ID:91SOTJ4n0
みくる「それじゃあ歴史は古泉君、お願いしますね」
古泉「まかせておいてください。たっぷり教えてあげますよ」
みくる「あたしは少し休みます。キョン君、頑張ってね…」
みくる「…くー」
キョン「……」
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 04:01:26.52 ID:91SOTJ4n0
古泉「さて、と……」
古泉「それでは、始めましょうか」
キョン「な、何をだ」
古泉「ふふふ。決まっているじゃないですかふふふ」
キョン「ま、待て。長門が見てる」
長門「……」
じー
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 04:05:25.28 ID:91SOTJ4n0
古泉「……何を言ってるんですかあなたは」
キョン「冗談だ。たまにはおまえにサービスしてやろうかと思ってな」
古泉「どうしてもあなたは僕をそういうキャラに仕立て上げたいようですね(ドキドキ)」
キョン「うむ、眠すぎて頭が変になっているのかもしれん…悪いがまともに勉強できないかもしれん」
長門「……」
ペラッ
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 04:10:08.10 ID:91SOTJ4n0
キョン「…ところで聞きたいんだが」
古泉「なんでしょう」
キョン「おまえらは俺に教える以外勉強してる雰囲気がまったくないけど、大丈夫なのか?」
古泉「ふふ……甘いですね。もうテスト範囲の勉強などとっくに済ませてあるのですよ」
キョン「そうなのか?」
古泉「ほら、誰かも言っていたでしょう。試験の一週間前に勉強しているようなんかじゃダメだって」
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 04:13:14.70 ID:91SOTJ4n0
AM.4:30
古泉「ふう…ふう…ふう…」
キョン「はあ…はあ…」
古泉「お疲れ様でした」
キョン「ああ……」
キョン「うう……ダメだまぶたが勝手に落ちてくる……」
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 04:17:24.55 ID:91SOTJ4n0
古泉「あとは古典だけですね……頑張ってください」
キョン「……」
古泉「長門さん、後のことはおまかせしました。僕は少々仮眠を取りますので…ふぁ…」
長門「…まかされた」
古泉「スヤスヤ」
キョン「…くそう。どいつも気持ち良さそうに爆睡しやがって…」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 04:20:14.71 ID:91SOTJ4n0
長門「……」
キョン「……」
チュンチュン…チュン…
キョン「……なぁ長門」
長門「?」
キョン「おまえ眠くないのか」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 04:28:38.48 ID:91SOTJ4n0
長門「…少し眠い」
キョン「だったら今までの間寝てりゃよかったのに…わざわざ起きて待ってることなかったろ」
長門「……」
長門「…たいした理由はない。強いて言うなら、あなたの学習する姿を見ているのが楽しかったから」
長門「それに…あなたはさっきカレーをおいしいと言ってくれた」
キョン「?」
長門「では始める」
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 04:33:17.06 ID:91SOTJ4n0
AM.5:15
長門「春はあけぼの…ここの意味は…」
キョン「……」
長門「……」
長門「…起きて」
キョン「ん…んが…」
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 04:33:59.06 ID:91SOTJ4n0
長門「あと少し…頑張って」
キョン「んにゃ…な、長門…?」
長門「…何?」
キョン「ん…なんでもない…」
キョン「…かわいいなぁ長門は…」
長門「!」
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 04:38:36.49 ID:91SOTJ4n0
長門「……」
キョン「かわいい…めちゃめちゃかわいい…抱きしめたい…」
長門「!」
キョン「俺…ホン…は朝比奈さんよりハルヒより…おまえ…好き…」
長門「!」
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 04:43:16.73 ID:91SOTJ4n0
長門「……」
キョン「…むにゃ…なあ…」
長門「…何?」
キョン「テストで古典…80点以上取ったら…」
キョン「……させて」
長門「!」
キョン「かー…かー…」
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 04:43:43.87 ID:91SOTJ4n0
長門「……」
長門「……」
長門「…わかった」
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 04:45:11.74 ID:91SOTJ4n0
…そして三日間の苦しい勉強会が終わった…
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 04:47:41.72 ID:91SOTJ4n0
─────
ハルヒ「ちょっとキョン! あんたどうだったのよ!?」
バッ
キョン「あ、こら勝手に人のテスト見んなアホ!」
ハルヒ「っ!」
キョン「……」
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 04:54:03.64 ID:91SOTJ4n0
ハルヒ「68点…」
ハルヒ「うん、あんたにしては上出来じゃない。ま、あたしは92点だけど」
キョン「この野郎…」
ハルヒ「でもなんとか赤点は回避したわね。他の教科は大丈夫なの?」
キョン「ああ、多分大丈夫だ。絶望するようなひどい出来のヤツは今回はなかったからな」
ハルヒ「そ! よかったわね。ま、これもかれも全てあたしたちのおかげよね! 限りないくらいに感謝しなさいよ!」
キョン「わかったわかった」
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 04:57:37.44 ID:91SOTJ4n0
テクテクテク
キョン「お、長門」
長門「……」
キョン「ちょうどよかった。サンキューな。長門たちのおかげでなんとか赤点は免れそうだよ」
長門「……古典」
キョン「は?」
長門「……古典の点数は何点?」
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 05:01:12.20 ID:91SOTJ4n0
キョン「あ…古典?」
長門「コクリ」
キョン「えーっと…古典…何点だったかな…」
長門「……」
キョン「あー…そうだ。53点だった」
長門「!!」
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 05:04:53.51 ID:91SOTJ4n0
長門「……」
キョン「いや、でもな。この点数は俺にしたらかなりいい方なんだよ。古典苦手だし、元々テスト難しかったしな。だって平均点42点だぜ?」
長門「……」
キョン「だから別に長門の勉強が悪かったとかそういうわけじゃ…あ…あれ…」
長門「……」
キョン「(な…なんかめちゃくちゃ怒ってる…?)」
長門「……」
スタスタスタ…
キョン「あ、おい、長門どこ行くんだよ…ちょっと待てって。おーい!」
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 05:05:06.92 ID:91SOTJ4n0
owari