古泉「ククク・・・死が貴様らを迎えに来たぞ・・・」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 22:47:44.09 ID:GNN9NZdU0

それは平凡な放課後のことであった。
長門は読書に励み
俺と古泉はオセロに明け暮れる。
我らが団長様はお出かけ中だ。

春の陽気に包まれ心地よい。はずだったのだが、
次の瞬間空が急に暗くなり、
昼だというのに真っ黒な月が現れた。
「なんだあれは!?」
俺は思わず声をあげる。

「あ、ああ、ああ、」
おい、古泉。どうしたんだ?
「う、、あ、みなさ、、ん、、逃げ、」
古泉の様子がおかしい。どうしたのだろうか

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 22:52:44.91 ID:GNN9NZdU0

「クク・・・キョン・・・」
な・・・古泉の人格が変貌している!
「フ・・・驚くなよ・・・」
そういうと古泉は長門のほうへ歩んでいった。
そうして、長門の手をたたき、本を床に落とさせ
その本を何度も何度も踏みつけた。
「ククッ・・・すかした顔しやがってよ!
 俺は貴様をかねがね打ち殺してぇと思ってたんだ!ヒャハハァ」
まずい!古泉を止めなくては!
俺は古泉に殴りかかった。
「なんだ?俺に逆らうのか?クク」
返り討ちにあってしまった。くそっ!

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 22:54:17.17 ID:GNN9NZdU0

長門は本を手にとると再び読書を始めた。

古泉は再び長門へ歩み寄る。
「てめぇ・・・俺をなめているのか・・・ク・・・
 我が組織の力をもってすれば―貴様なんぞ赤子同然なんだがね・・・」
何!!古泉の組織はそこまでの力を!!

そこに朝比奈さんが登場した。来てはいけない!

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 22:55:43.24 ID:GNN9NZdU0

「遅れましたぁ〜すみません!」
そういうと朝比奈さんはお茶を汲む準備を始めようとした。
古泉は彼女に歩み寄ると
「僕がわかします」といってお茶をわかしだした。
どういうつもりだ?
俺も朝比奈さんも目が点だった。

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 22:58:05.06 ID:GNN9NZdU0

お茶ができたようだ。
古泉は笑いながら、「ちょっと熱いかな」と言った。
朝比奈さんが感謝の言葉を述べようとしたとき、古泉はやりやがった。

なんと、こともあろうに
お茶を朝比奈さんにぶっかけしたのだ。
ビッショオォォォォォァ!!全身にお茶を浴び朝比奈さんは熱さに悶えている。
「クク・・・苦しめ・・・さすれば俺の力は増幅する」
「貴様ぁ!!それ以上の横暴は許さないぜ!!」
「フ・・・怖い怖い・・・だが、俺は涼宮ハルヒの力さえもいただく・・・
 そして貴様らに死を味わわせてやるよ・・・ヒュウゥウアァ」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 23:02:08.20 ID:GNN9NZdU0

「古泉!勘違いをしていないか?
 ハルヒの話をしているようだが、まだ俺がいる。
 俺はお前を信頼しきってはおらん。
 さらに、長門や朝比奈さんを傷つけた。絶対に許さないぜ。」
俺は怒りに震えていた。
近くにあったパイプ椅子を手に取り、古泉に襲い掛かった。
古泉は俺に手を向け、何か呪文のようなものを唱えた。
すると俺の体はまるで金縛りにあったように動かなくなってしまった。
「な・・・なに!!」
古泉は俺に近寄り言う。
「そんなに死にたいなら――お望みどおりにしてやろう・・・ククク・・・」
古泉は俺に馬乗りになり、顔面を何度も殴ってきた。
これ以上はマジで死んでしまう・・・。

「何やってんの!?」
・・・あぁ、、あれは、、
ハルヒが来た・・・。

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 23:06:00.03 ID:GNN9NZdU0

「おやおや、団長様のお出ましですか・・・
 これは好都合だ・・・クク」
ハルヒは血みどろの俺を見つけると俺に近づいてきた。
「キョン!?どうしたの!?大丈夫!?・・・
 とにかく、なんでこんなことになっているの?!」
俺は言葉を発することができず、ただ横たわっていた。
「涼宮・・・よく来たな・・・」
ハルヒは古泉と対峙した。
「古泉君・・・?いったい何があったの?正気?」
「クク・・・俺はな・・・こうして機会をうかがっていたんだよ。
 お前らを殺す機会をな」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 23:11:24.05 ID:GNN9NZdU0

朝比奈さんが携帯で救急車を呼ぼうとしている。
しかし古泉のほうが速かった。
その携帯電話を奪い、床にぶつけ、粉々にした。
朝比奈さんは怯えきって、きょろきょろしている。
ハルヒはまだ状況が呑み込めていないようであった。
「私たちを殺すですって?何が目的なの?」
「貴様の力・・・そして・・・"破壊"」
「私の力・・・?」
「フ・・・貴様には思い通りにあらゆる現象を引き起こすことができる力というものが
 存在するらしい・・・貴様を神と崇めるものもいる・・・
 だが俺は貴様を神だとは思わん・・・ただの人間・・・
 しかし貴様の持つ力は認める・・・」
ハルヒは黙って聞いていた。
「ククク・・・その力が神のものといわれるほど強大なことは事実・・・
 なぁ・・・その力を・・・俺にくれよ・・・。
 ほしいんだよ!俺を神にしてくれよ・・・ヒャッハアァァゥ!!」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 23:15:39.75 ID:GNN9NZdU0

こんな状況だというのに長門は何もせずに
本を読んでいる。
朝比奈さんは怯えているだけで俺は言葉を発することさえままならない。
「私にそんな力はないわ・・・」
「フン・・・貴様の力は我が組織の開発したシステムで取り出してやるから安心しろ」
そういうと古泉はハルヒに手を向けた。

逃げろ!ハルヒ!
声にならない叫びをあげる。

ハルヒは危険を察知したのか身をかわした。
「無駄だよ・・・」
古泉は今度は両手でハルヒの両肩を鷲掴みにした。
「ウォアオアアアアアアアアアアアアア」
古泉は叫び続ける。
「ちっ、今のは催眠術だが、お前には効かないようだ・・・」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 23:21:26.75 ID:GNN9NZdU0

「だがな――これを見たら、お前を観念するだろうぜ・・・」
そう言うと古泉は部室のドアを開け、
ある人物を招き入れた。

その人物とは・・・、な!!

つ・・・鶴屋さん!?
しかし、鶴屋さんの目は虚ろで生気が感じられない。
古泉、貴様・・・

「わかるよな?鶴屋は俺の手駒だ・・・俺が死ねと命じれば死ぬ・・・」
「ウオォォォォォォォォ!!!」
俺は―自分でも疑問だが―立ち上がった。
今まで声を発することもできなかったのに、怒りのボルテージが
頂上に達したのか、目の前が真っ赤になり、俺は古泉を殴った。
獣のように吠える俺。
「鶴屋さんに何をした!!長門も・・・朝比奈さんも・・・鶴屋さんも・・・ハルヒも!!
 お前に傷つける権利はねぇ!!俺の大切な人たちを苦しめるな!!ブルァアァアア!!」
そういうと台所のようなところにあった包丁で古泉に向かって走った。

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 23:28:10.29 ID:GNN9NZdU0

「うぐっ・・・」
古泉のわき腹に包丁が刺さった。
朝比奈さんの悲鳴がこだまする。
俺は壊れていた。
包丁を抜くと、再び古泉の心臓めがけて振り下ろした。
「だめ・・・!」ハルヒの声が俺を制した。
「古泉君だって・・・大事な人じゃないの?それを殺してもいいの?」
・・・朱に染まった部屋が俺の脳内のアドレナリンをさかんにする。
憎しみの炎は消えない。
「涼宮・・・俺の命を救ってくれてありがとうよ・・・
 もっとも、貴様が止めずとも俺は死ななかったがな・・・」
朝比奈さんは鶴屋さんのもとに駆け寄る。
鶴屋さんは意識を失っているが目は見開いている。
朝比奈さんの涙が鶴屋さんの顔をぬらす。
俺は行き場のない怒りに震えていた。

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 23:32:56.80 ID:GNN9NZdU0

「あなたの目的が私なら、どうぞあなたの組織のところに私を連れて行きなさいよ」
ハルヒがそう言った。
しかし、古泉の答えはすんなりイエスではなかった。
「クク・・・言っただろう・・・俺の目的はさらに、もうひとつ・・・
 "破壊"だ・・・」
そう言うと、朝比奈さんのもとに近寄り、首を絞めた。
「う・・・うあ・・・ああああああああああああああああああああ」
朝比奈さんの悲鳴とハルヒの悲鳴と俺の悲鳴がクロスする。
「やめろ・・・!」
俺のそんな牽制には応じない古泉。
朝比奈さんの顔から血の気が引くのが確認できた。
古泉は長門へ走る。
「貴様が宇宙人のような存在であるのは知っているぞ・・・」
ポケットからスタンガンを取り出し、
長門に台所からもってきた水をかけ、感電させた。
「長門!!」
長門は抵抗せず、黒こげになった。

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 23:36:47.82 ID:GNN9NZdU0

「次はお前だ・・・」
古泉は俺のほうへと走ってきた。

しかし、殺されてたまるか
古泉の目的がハルヒであるならハルヒには傷つけないのでは?と考え
ハルヒの後ろへ隠れた。

「フイ・・・俺が涼宮を傷つけないと思ったのだな・・・だが、それはどうか・・・」
なに!!
ハルヒと俺のまわりに黒い球体のようなものがいくつも現れた。
それらは高圧の電流を発し俺たちを傷つけた・・・。

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 23:40:51.09 ID:GNN9NZdU0

「みんな・・・?ねぇ、みんな・・・?返事をしてよ・・・」
ハルヒはみんなを見てそう言った。

古泉は笑っている。

どうしちまったんだ・・・古泉・・・
なぁ・・・一緒に地域探検したよな・・・
面白かったよ・・・
なぁ・・・物知りで・・・やさしい・・・お前・・・
俺はお前とあえて幸せだと思っていたのに・・・
古泉・・・お前は・・・ただの反乱分子だったのか?・・・

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 23:44:46.54 ID:GNN9NZdU0

ハルヒは急に頭を抱え叫びだした
「あああああああああああああああああああああああああ」

そのあとはよくわからないが強い光に包まれ
俺たちは白い空間にとばされた。

「あれ?ここは・・・?」と俺。
「キョン君どうしたの?」
朝比奈さん?
「・・・・・・」長門。
「フフッ、春ですね・・・」古泉?
「何ぼんやりしてんの、キョン!いくわよ!」ハルヒ。
みんな?どうしたんだよ・・・。ここは夢の中?

気づくと俺は部室に立っていた。
みんなも。

古泉はパイプ椅子にくくりつけられている。

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 23:49:02.19 ID:GNN9NZdU0

「古泉くんは私が一時的に封印したわ」
封印て・・・パイプ椅子にくくりつけただけじゃねぇか。
「どうもおかしいと思うのよ。ユキ、何かわかる?」

「黒い月の出現により、古泉五木の脳になんらかの影響が起こったと思われる。」
なら、黒い月が隠れれば・・・?大体黒い月の正体は何なんだ。
「黒い月はダークマターに存在するもうひとつの月。
 この部室からも、行くことは可能」


そういうことで俺たちは黒い月へと旅立った。

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 23:52:13.09 ID:GNN9NZdU0

「ここが黒い月の表面・・・本当に黒いのね」

しばし歩くと、何か厳かな建物が見えた。
「何だあれ?」

中には人がいるようだった。
その人は自ら出てきて自己を紹介した、長門による翻訳に救われた。
そのものの名前はジュット。
やさしそうな人で俺たちをそのたてものへ招き入れた。

「おお、広いですねぇ。」

ジュットはハルヒを呼ぶと、隣の部屋に連れて行った。

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 23:58:31.21 ID:GNN9NZdU0

突如、その部屋からハルヒの悲鳴が聞こえた。
「何するのよ!放してよ!」
「私が本当に月の人間だと思ったか・・・?
 私こそが古泉の組織の総帥だ・・・」
な!!だとすればこれは罠!!
「ふふふ・・・この月の出現が古泉に影響を与えたのは事実。
 しかし、古泉のあの人格はもともと彼に潜んであったものだ。
 なぜなら、この組織こそ、涼宮ハルヒ殺害および
 力を取り入れることを目的としたものなのだからな」
俺たちはドアをぶちやぶり、中へ入った。
「今言ったことは本当か?古泉は・・・最初から俺たちの敵だったのか?」
「・・・立ち聞きとは・・・趣味がいいとは言えんが、
 ああ、奴はお前らの敵だよ・・・ふふふ」

!!

46 名前: ◆OVx/oHHV8c [] 投稿日:2008/04/05(土) 00:09:30.56 ID:94+WJbKg0

信じない・・・
信じるものか・・・
古泉は俺たちの敵・・・?
あの笑顔は・・・いつわり?

「なぁ・・・お前ら・・・なぜ俺の大切な人を傷つけようとするんだ
 古泉だって・・・俺はあいつを・・・憎めないよ・・・
 俺・・・あいつのこと嫌いじゃないしさ・・・あいつに何回も救われたりしたんだ・・・」
だから、立ちはだかるお前のような奴は、絶対に許さない。
部室から持ってきていた包丁を手に取った。
「ジュット!!覚悟しろ!!ドゲラァアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
俺はジュットとやらに向かって包丁をもって走っていった。
もう迷わない。
大切な人を守るために
他の人を―
俺はそのジュットに包丁をつきさした。
腹部に。胸部に。喉部に。
「ぐっ・・・やめ・・・」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 00:13:04.86 ID:94+WJbKg0

ジュットは死んだ。

あとは・・・古泉・・・

部室に戻る。

「古泉・・・わかるか・・・」
「・・・」
「古泉・・・おまえらの総帥は死んだ。
 お前に宿る悪しき心は・・・」
「・・・」
古泉は黙していた。
総帥を倒したからもとの古泉に戻るというわけではなく
総帥の死後、古泉は無口な植物人間のようになってしまった。

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 00:15:57.92 ID:94+WJbKg0

時代は巡る。
月日は流れる。

心の傷も癒える。

変わらぬ部室に、変わらぬ面子が顔をそろえる。

長門、朝比奈さん、ハルヒ、そして古泉。

古泉はあれからずっと部屋の片隅にいる。

目は見開かれ、口は大きく開いてしまい、生きているのかすらわからなくなりそうだけど

古泉は俺たちの仲間だから

春が芽吹く町で

君との日々を思い出す――古泉いつきへ―

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 00:21:12.40 ID:94+WJbKg0

@hospital
「いやー古泉!手術成功してよかったなぁ〜」
「はい・・・あの・・・僕は・・・」
古泉、気にするな。
お前はもう元通りに戻った。
きっと、ハルヒの力のおかげでもあるんじゃないかな。

「こんな僕を、仲間だといってくれるのですか?」
「馬鹿ねー、当たり前でしょ!!」
「・・・ありがとうございます・・・」
「さぁ、今日もSOS団!はりきっていくわよー!」

♪シャラララララッラッラッラ〜 シャララララララッラッララ
なーんでだろ あなたを選んだわたしですー
もうとまらない 運命さまから決められだけど I believe you
まねだけじゃつまらないの You bin mine
感じるほど 感じることだけを するよー
冒険でしょでしょ? 本当がうそに変わる世界で夢があるから
強くなるのよ 誰のためじゃない
一緒にきてくださーい
どこまでも自由な私を見てよね!明日過去になった今日の今が奇跡〜

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/05(土) 00:27:32.13 ID:94+WJbKg0

>>50
ありがとうございます

道を歩いているとき
スレタイだけ考え付いて
今即興で書いたんです

こういうのは「いかに最初にイメージをやりとおせるか」だと思うね

ワロスとか言われても調子に乗らないみたいなね



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