みくる「ハルヒお茶買ってきなさい」


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781 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/31(月) 03:48:46.54 ID:dO5tzJuzO

厳しい寒さの冬を越えて、麗らかな春の陽気に包まれ、1年から2年に無事進級出来たことを実感しながら、俺はまたこのハイキングコースを歩ける事に喜びを隠しきれない。
進学テストは赤点で追試だったからな〜ギリギリだぜまったく。
2年になるとクラス替えの為、国木田や谷口とは別のクラスになったが、ちらほら見知った顔もいるのでなんとかやっていけるだろう。
勿論、その中にハルヒが要るのは当然の事で、当然の様に俺の後ろに座っている。
ようハルヒ、また一年よろしくな。っと声をかけ一年の頃と変わらない、いつもの下らない話しをしてるうちにHRの時間になった。
担任は変わらずハンドボール大好き人間の岡部で進級の祝いのやら先輩としての心構え等、話終えると、
『じゃあ転校生を紹介する、入って来なさい』
何?転校生?後ろではハルヒが目を輝かせていた。
ガラガラっと開いたドアから入って来たのは高校2年生には見えない容姿に、床まで届きそうな青いログヘアーのこれまた美少女だった。
『はじめまして。今日からこの学校に通う事になりました。泉 こなたです。よろしくお願いします。』
またSOS団の団員が増えるのか?それとも長門か古泉の組織が送って来た新たな不思議ちゃんか?でもどっかで見た事あるな、あいつ。
『ちょっとキョン!早速スカウトよ!』おいハルヒ!嬉しいのは分かったから背中を叩くな!
『じゃぁ席は『あっ先生、席はキョン君の隣がいいです』
クラス全員が俺を見る。何だ、何?知り合い?みたいな目は、俺が聞きたいよ。
『キョンあの子と知り合いなの?』
だから俺が聞きたいくらいだ。誰だ?どこで会った?などと考えても分からない。
こちらに歩いて来た少女は本当に高2にですか?と疑うくらい幼く、確かに見覚えのある顔だった。
『キョン君久しぶり、ずっと逢いたかったよ』
いや、あのどちら様で?
『覚えてないの?まぁしょうがないか〜お互い小さかったし』
子供の頃?俺に幼なじみ何て
『いるでしょ、ここに』
そうやって自分を指差す姿にちょっとくらっと来たのは秘密だ。
『忘れちゃったのなら仕方ないけど、後でちゃんと思い出してね』
そう言われてもなぁ。後を見ると何故かの膨れているハルヒ。どよめきの収まらない教室。
はぁ、これも偶然なのか必然なのか、それともハルヒが望んだ事なのか、この時の俺には知るよしもなかった。

785 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/31(月) 04:05:41.14 ID:dO5tzJuzO

HRが終わると泉の所に人が群がり質問攻めだ。やれやれ、本当に思い出せない。こんなに可愛い子忘れないはずだが。
くだらん質問していたクラスメイトに混ざり、ハルヒが核心突く質問を投げ掛けた。
『泉さんはうちのキョンとどういった御関係で?』
みんなが静まり答えを期待する。
『う〜ん、強いて言えば、許婚?』
教室室がどよめく。何だって?許婚?いいな漬け?なにそれ食えるの?ハルヒは俺の方を見たまま質問を続けていた。
『それ本当?本人は忘れてるみたいだけど?』
『まぁお互い子供だったし、でも親は認めてたんだけどね』
ニッコリとこっちを見るが、多分俺はポカーンとしていたに違いない。
『それより、えっと涼宮さんでしたっけ?うちのキョンってどういう意味ですか?二人は付き合ってるの?』
また俺に視線が集まる。こっち見んな!
『それはとんだ誤解よ!私は団長として』
『団長?』
『そうよ!SOS団団長よ!』
『SOS団?』
SOS団について熱く語るハルヒだが、みんなの頭にはハテナマークがいっぱいだったに違いない。俺が割って入り簡単に説明すると、みな納得したようだ。
ハルヒが作ったよくわからない部活の部員でこいつが部長だから、つい「うちのキョン」って言い方になったんだろうってな。
で、昼休みに、この幼なじみだか許婚だかよくわからない少女を引き連れ学校を案内しているのだが、どうも目立つらしくみんなの視線が痛い。
噂は昼休みには学年中に広がり、谷口は早々に事実確認に来ていた。噂によると、すでに俺は泉と結婚しており、子供までいるそうだ。
いやはや、人の噂は恐いものだ。実際にはバリバリのチェリーボーイだと言うのに。
必要になるであろう保健室から順に回り一通り見たところで泉さんから
『SOS団の部室を見て見たい』
と要請があり、向かうことになった。
長門が居ると思うが、あいつなら心配ないだろ。さぁ着きましたよ、ここが我がSOS団の部室になります。ドアを開けると長門が本を読んでいた。
ここで長門とここが実は文芸部の部室であることを説明し、加えてコスプレ衣装やパソコンの説明もしておいた。
何故なら理由を知れば間違っても入部などしたくなくなるだろうと思ったのさ。誰が好き好んで強制セクハラが待つ部活に入りたがるものか。
と思ったのだが、なぜ目を輝かせているのですか?泉さん?

789 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/31(月) 04:18:29.73 ID:dO5tzJuzO

『だって学校でパソコン使っていいんでしょ!?つまり学校に居ながらネトゲやアニメが見放題!ついでにコスプレも出来る!まさに夢のような部活よ!こりゃあ入るっきゃないっしょ!』
ダメだ、裏目に出た。まさかそっち系の方だったとは。
『あっそれと名前で呼んでいいからね』満面の笑顔にまたくらっと来てしまう。と、ここで昼休みの終わりを知らせる鐘がなり、教室に戻ることになった。
教室に戻ると直ぐさまハルヒの元に向かい、自ら入部を志願、驚きながらも認めるハルヒ。
はい、入部決定おめでとう!はぁやれやれ。

放課後となりSOS団のメンバーに紹介が終わった所で疑問が出てきた。まず、一般人、つまり、ハルヒの事を知らない人間がここにいても平気なのか?
さすがにごまかし切れないじゃないか?
そもそもハルヒは何故入部を許可した?謎の転校生は古泉で十分じゃないか。
てな事を考えながらでも普通に勝ててしまうのだから古泉、お前将棋弱すぎるだろ。
こなたが入ったからと言って、何が変わるわけじゃないんだ。なんとかなるだろ。疑問は下校の際、古泉に聞いてみよう。古泉、それニ歩だ。
結局飛車、角、銀抜きなら互角な戦いが出来ることが分かったところで、長門の合図で片付けを始める。
こなたはハルヒと一緒にパソコンをいじくり回していた。なんだかんだで結構仲良くやっている。まぁ何事も無くてよかった。
下校は、ハルヒとこなたが二人で用事があるとの事なので先に帰るみたいで、俺は絶好の機会を得たわけだ。聞きたい3人が居るので2度手間にならずに済む。
なぁ、古泉。こなたはSOS団に居て大丈夫なのか?
『大丈夫とはなんの心配ですか?』
だから、一般人が神様や宇宙人や未来人や超能力者と一緒にいてばれたりしないかって事だ。
『あぁ、それなら大丈夫ですよ。何故なら彼女は一般人では有りませんから』
どういう事だ?
『お二方は既にご存知と思いますが、彼女、泉こなたは我々の組織の人間です。僕とは所属が違いますから、面識は無かったんですが、間違い無く組織の人間です。目的はまだ分かっていませんが、敵ということは、おそらくないでしょう。一応鳩派に属してますから』
目的が分からない?俺の幼なじみらしいが、それは本当なのか?
『先程言った通り、同じ鳩派と言っても所属が違いますので目的まではわかりません。わかり次第お知らせしますよ。一応注意はしておきますが、特に問題ないと思います。

800 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/31(月) 05:10:44.39 ID:dO5tzJuzO

それと彼女があなたの幼なじみというのは本当みたいですよ。経歴を調べましたが特に問題ありません。許婚のことは解りませんがね』
そうか。朝比奈さん、こなたのことは未来じゃどうなっているんですか?
『禁則事項になるので詳しくは言えませんが、特に影響はないみたいです。それより許婚って?』
それは何かの間違いですよ、気にしないでください。
長門の方はどうなんだ?
『…特に』
そうか、俺の心配し過ぎか。何もなきゃそれでいいんだ。平和が一番。さぁ帰ろう。
疑問もなくなったし、古泉の組織の人間ならあいつがなんとかするだろ。俺にとばっちりはなさそうだ。

802 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/31(月) 05:20:40.37 ID:dO5tzJuzO

やっと家に着いた。ただいま〜っと
『お帰りなさい。キョン君』
ん?妹の声でも母親の声でもない。誰だ?顔上げて俺は驚いた。そこには制服の上からエプロンつけた泉こなたがそこに居たのだ。
なんでお前がエプロン姿でここにいる。お袋や妹はどうし
『あっキョン君おかえりぃあのね、今日から家に住む事になったこなちゃん!驚いた?』
今日から家に?住む?なぜ?
『あのね、お家がないから』
意味がわからないぞ妹よ。こなた説明しろ。
『まず上がったら?それとご飯にする?お風呂にする?それとも…』
妹の前だしまず説明が先だ!意味が解らん。とりあえず部屋で待ってろ。妹よはよ風呂入れ、また怒られるぞ。
えーお袋の説明によると、昔近所に住んでいて仲の良かったが引っ越してしまった泉さんが、家庭の事情により急遽この町に帰ってくることになり、家で預かることになった。と、そう言われたんだ本当なのか?
『うん、そういう設定ダヨ』
何だよ設定って、第一組織の人間なら家の一つや二つ何とかできるだろ!なんで俺の家なんだ!
『…あぁ、古泉君から聞いたのね、ごめんね、黙ってて。でも幼なじみって事は信じてもらえたみたいで助かったよ』
そうじゃなくて質問に答えろ?
『う〜ん、禁則事項です☆』
殴るぞ。いや、殴りはしないが、せめてそれっぽい理由くらい言えよ。あと許婚って何の事だ?
『キョン君本当に覚えてないの?大人になったら結婚しようって言ってくれたじゃない。覚えてない?約束したのに』
と言うか、俺が覚えていないその子供の頃なら誰でもいいそうな約束を覚えていて、許婚って事にしたのか?
『そうダヨ。だって許婚でしょ?それって。だから私は今も綺麗なままでキョン君と会える日をずっと待ってたんだよ』
何を言っているんだこいつは?綺麗なままって、つまり、いやいや!理性を保て!お前の組織は何を考えているんだ。頼むから教えてくれ。
『え〜あんまり気持ちのいいもんじゃないから答えたくないんだけど…、怒らない?』
怒らないよ〜絶対怒らないよ〜
『じゃあ言ったら私のお願いも聞いてくれる?』
無茶な願いじゃなかったらな。

805 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/31(月) 05:38:42.34 ID:dO5tzJuzO

『やったー☆じゃあ言います。私の所属は鳩派の準強行派、通称“鳩強”。
強行派みたいに乱暴なやり方ではなく、あくまで世界はこのままで、穏便にハルにゃんの力を安定させる為に動くから準強行派って言われてるの。
キョン君も知る通り、ハルにゃんは組織にとって神にも悪魔にもなれる力なの。
鳩強のやり方は、ハルにゃんに好きな人が出来ることが一番理想なの。
それも、一生連れ添ってくれるくらい心からハルにゃんの事を愛してくれる人ね。それに選ばれたのがキョン君ではないかって事なんだけど、全然進展しないままなのでこちらからアクションを起こして無理矢理進展させようって事です。
それで送り込まれたのがあたしです。分かった?』
さっぱりわからんし、余計なお世話だ。
『分かってるじゃん。余計なお世話をしに来てるの。それより大人のお世話の方が嬉しい?』
そりゃあ嬉しいがいいのか?ハルヒと俺の仲をよくする為にこなたが来たのなら俺と関係したり、まして一緒に住むのは逆効果じゃないか?
『そうなんだけど、ハルにゃんもはっきりしないからさ〜嫉妬させて、その嫉妬がどこから来る感情なのか自覚して貰わないと進展も何もないからね。
それにあたしがキョン君の事好きなのは事実だしね。
あたしがキョン君とってもいいかな〜って思ったの。
因みに組織が準備したシナリオは、シャッフルみたいなのとSchooldaysみたいなやつの2つ何だけど、どっちがいいかな?かな?ひぐらしEndも楽しそうじゃない?
あ、キョン君は自分の気持ちに素直に好きな人決めていいんだからね。そこは勘違いしちゃメだから』
要するに、こなたが俺の家にいるのはハルヒを嫉妬させる為で、俺とハルヒが一生を約束すれば、世界は壊れないだろうって事だな。
『正解!でキョン君はハルにゃんの事好きなの?』
あぁ好きだよ。じゃあ協力頼むな、こなた。俺はこなたの頭をわしゃわしゃと撫でた。
今思う。ここが分岐点だったんだろうなと。赤く染まった空を見ながら俺は、ただハルヒにこなたにあやっまっていた。

816 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/31(月) 08:03:54.82 ID:dO5tzJuzO

翌朝、何時もの様に妹のダイビングクラッシュによって起こされ、寝ぼけながら歯を磨き、朝食を食べて、いってきま〜す。と学校に向かう。
この強制ハイキングが楽しいと感じたのも1日だったな。一人歩きながら昨日の事を思い出す。


『んにゃ、子供扱いしないでよ、もう』
いや、悪いついな。で、こなたのお願いとやらは何だ?とりあえず言ってみ。
『じゃあ、目をつぶって』
ん?こうか?そう言って目を閉じると唇に柔らかく温かいものが触れ、女の子独特のいい匂いが鼻をついた。
はっとして目を開けるとこなたと唇を重ねていた。でも俺は動けず、いや、動かずその柔らかい感触と心地よさに静かに溺れていた。
ドタドタとした足音に驚き体を離す。こなたの顔が徐々に赤くなっていくのがわかる。
『キョン君お風呂いいよ〜、それともこなちゃんが先入る?』
あぁ、こなた先入れよ。俺は後でいいよ。
『じゃあ先頂くね。すぐ行くっておばさんに伝えてもらえる?』
妹は、はぁ〜いっと返事をして部屋を出ていく。はぁ、で、あれが願い事なのか?
『うん、あたしのファーストキス。願い叶って良かった。じゃあ、お先に頂くね 、明日からちゃんとハルにゃん口説くんだぞ!』
そのまま風呂に行って、その後は話してない。未だに信じられないが、唇に残る感触が、現実だと教えてくれていた。はぁ、どうしたもんかね。
『な〜にため息ついてんだよ!この妻子持ちが!』
あのなぁ谷口。俺はまだチェリーなんだぞ。どうしてそんな事になるんだ。大体あの噂流したのお前だろ。
『んなことはどうでもいい。それより許婚って本当なのか?』
話しを逸らすな、お前にだって子供の頃結婚しようと言った女の子の一人や二人いただろ?その約束を律義に信じていたのがこなただよ。俺はさっぱり覚えていないがな。うちの親は覚えていたそうだ。
『なるほどねぇ、いい子なんだな。痛い子にも受け取れるが』
そんなことを話しているうちに学校についた。クラスに入ると既にこなたが席に着いており、ハルヒと仲良くお喋りしていた。
おはよう、お二人さん。
『おはよう、キョン君』
よく普通にできるな〜と感心しながら席に座って話しに混ざる。
話しを聞いていると、どうやら昨日二人が先に帰った理由は、今日の部活で着るコスプレ衣装を二人で買いに行っていたらしい。さて、何が飛び出すことやら。

817 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/31(月) 08:08:18.96 ID:dO5tzJuzO

誰かコスのアイディア4人分くれ、いやくだしあ

822 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/31(月) 08:30:42.63 ID:dO5tzJuzO

了解。ちょうど4つだからこれで書くわ。
こなた→軍服
みくる→巫女
長門→チャイナ
ハルヒ→シスター

270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[保守代わり] 投稿日:2008/04/01(火) 12:48:12.76 ID:fN0IEk9bO

まずその誤解から解いておくか。古泉と大体話し終わった頃に、ハルヒから入室の許可が下りた。
部室の中にはどっかで見た事ある赤い軍服を着て、俺が入るなり「軟弱もの!」と言ってるこなたと、なんとも神々しい巫女姿の朝比奈さん。
一方はちっとも神なんて信じちゃいなそうな暴力教会のシスターと、中国独特の刀を持ったチャイナ姿の長門がそこに居た。
せめて全員アニメを統一しろよ。巫女なんて出て来るのしらねぇよ。ハルヒは「YA−」しか言わないし、そろそろ普通に会話しましょ。
こら!ハルヒ!玩具でも拳銃を向けるな!こなた、俺は兄さんじゃないからな。みんな戻って来いよ。
『いやーみんなでコスプレって楽しいね。今度夏コミはみんなで行きたいよ』
嫌だ。俺は嫌だぞ!第一興味ないし!
『それより、私はこなたの家に行ってみたいな、何処に住んでるの?』
『あ〜キョン君の家に居候させてもらってるから。ね、キョン君』
何故そこで俺に振る。ほらみんなこっち見てるじゃん。
『じゃああの噂本当何ですか?』
どの噂ですか朝比奈さん?噂なんてみんな嘘っぱちですよ。
『よくご両親が許されましたね』
古泉まで、お前は黙って笑ってろ!
『う〜ん。暗くなるから黙ってるつもりだったんだけどね。うち両親とも、もう居ないんだよ。親戚みたいなのも居なくて、そんな時、たまたまキョン君のご両親と会って、話してるうちにね、こう言うことになったんだ。』
言葉が出なかった。何て言って言いか分からず、ただこなたを見つめていた。
ハルヒはそっとこなたを抱きしめ、ごめんねっと、謝っていた。
こなたは明るい奴で、自分から場を盛り上げ、明るく振る舞っていた。みんなもそれに合わせて盛り上がる。
多分、明日にはみんなも普通に戻れるだろう。俺はそう思っていた。
そうこうしているうちに下校の時間になり、着替えるから、出た出たと言うハルヒに、少し二人で話しがあるから終わったら教室で待っている旨を伝え、教室で一人ハルヒを待っていた。
自分の席で携帯で暇を潰しながら待っていると、ガラガラっと音を立てて開いた。
『お待たせ、で話しって何?』
まぁ立ち話しも何だから座れよ。そういうとハルヒも自分席に座り、早く話しなさいと促して来た。
俺は誤解がないよう、一つ一つ言葉を選び、丁寧に話した。
まず、噂の許婚件だが、子供の戯言であり、本当の意味での許婚とは、ほど遠い事。

274 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/01(火) 13:05:31.50 ID:fN0IEk9bO

次にこなたが俺の家に住んでいる件については、昨日帰って初めて知り、その理由も部活の時初めて知った事。
ちゃんと話せば分かってくれたみたいで、納得したことにしといてあげるっと言われた。
『でも、その誤解を解く為にわざわざ呼び出したわけ?』
あぁ、お前に誤解されたままってのは嫌だからな、きちっと話しておきたかったんだ。時間とらせてすまなかったな。よし、帰るか。
立ち上がろうとしたとき、袖の端をちょんっと摘まれ、ねぇっと呼び止められる。俺は振り返りハルヒを見る。
『何で、私にだけこんな話するの?』
夕日のせいか、ハルヒの顔が少し赤く、恥じらっているような気がする。
それにしても、上目使いってのどうしてこう可愛いんだろうな。好きだからって言われると思ってんのか?いや、好きだけどな。…少し焦らすか。
『それは…いや、なんかついでみたいに言う事じゃないし、明日いつもの地域探索だろ?その時、改めて言うよ』
決まっただろこれ?ハルヒの顔が徐々に赤くなり俯いていく。可愛いなぁもう!
『わかった。明日ね、約束だからね!破ったら私刑だからね!!』
言い終わると走って帰ろうとするハルヒに、俺は
『待てよ、ついでたし一緒に帰ろうぜ』はいきたトドメ!ハルヒはコクンと頷いただけで、帰り道でも何も喋らなかったが、ずっと袖を掴んで離さなかった。

家に着いて晩飯を済ませ、風呂から上がると、俺はベットで横になり明日どうやってハルヒに伝えようか考え始めた。
あれこれ考えていると、コンコンっと誰かがノックした。といってもこなただろ。妹がちゃんとノックした覚えがないからな。
『キョン君、ちょっといいかな?かな?』
どうぞっと、こなたを招き入れる。こなたは風呂上がりの様で、まだ乾ききっていない髪の毛に、お風呂上がりのいい匂い。シャンプーは同じ筈なのに。服は既に寝巻になっていた。
といってもセクシィなものではなく、俺が貸したTシャツなのだが、こなたが着るとワンピースみたになるな。
ちょうど膝上辺りまでの長さがまたエロい。こなたは部屋にはいると、クッションを抱きしめながらベットにちょこんと腰掛けた。
『ねぇキョン君、ハルにゃんとは何してたの?』
俺は包み隠さず全部教えた。
『おぉ、じゃあ、あたしはもうお払い箱かな?あーぁ、せっかくキョン君の近くに来れたのになぁ。やっぱり初恋は叶わないのかぁくぅ〜』

275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/01(火) 13:05:50.21 ID:fN0IEk9bO

おい、それ何処まで本気なんだ?組織の命令で来たんだろ?付き合うことになりそうだしもう帰えってもいんじゃないか?それに部活の時の両親が死んでるのだって怪しいもんだぞ。
『確かに組織の命令だけど、キョン君が好きなのは本当だもん。組織から言われたときは戸惑ったよ。
好きな人を、自分以外の人と付き合わせるうえ、一生共にする仲にしなきゃいけないんだもん。嫌に決まってるよ。
ハルにゃんを憎みもしたよ。なんであんたなの?なんであたしじゃないの?こんなにキョン君の事思って来たのにって。
でも、どんな形でもキョン君にもう一度会いたかったから。会ったら益々好きになっちゃったけどね。』
笑って言うこなたの目は、涙で溢れていた。俺にはその涙を止める資格はない。俺はこなたではなく、ハルヒを選んだのだから。俺は心でごめんと言いながら、こなたの頭を撫でていた。
じゃあ、ご両親の事も本当なのか?
『あっお母さんは小さい頃病気で死んじゃったけどお父さんは生きてるよ。黒服にサングラスかけて、敵対組織の諜報活動してる。』
生きてんのかよ。なんか損した気分だ。で、お前の役目はもう終わりだろ?組織に戻るのか?
『そんなにあたしと離れたいの?お生憎様!まだ指令は残ってるの。だからまだまだ、ご厄介になります』
何だよその指令って。
『二人がめでたく付き合った場合、キョン君が浮気しないか見張る役と、浮気した場合の隠蔽工作。
もしくは、浮気相手になること。組織の人間が浮気相手ならばれにくいって考えたんだね。馬鹿だよねーうちの上役は。』
てかそれ、俺が浮気する前提の作戦だよな?浮気なんかするわけないだろ?それにお前も俺の事好きとか言いながら浮気相手になるっておかしくないか?
『残念ながら、男性が浮気する確率は90%もあるからね。そんな下らない理由で世界が崩壊なんて馬鹿らしいでしょ?
ならこちらから浮気相手を送り込めば、見張りやすいし、隠蔽もしやすいだろうって事ね。私は例え浮気相手でも、キョン君に愛されるなら構わないよ。何をしてでも傍に居たいもん。』
お前の気持ちは嬉しいが俺は浮気などしません!つかその統計は誰が、いつ出したものを参考にしたんだ。
『2007年版、組織内浮気調査参考だね。因みに古泉君は5股かけてるらしいよ。男女合わせて5股だからね。気をつけてね。』

276 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/01(火) 13:06:44.71 ID:fN0IEk9bO

古泉には気をつけてるよ。てかあいつ、学校とじゃイメージ大分ちがうな。ガチホモかと思ったら両刀か。それより、お前組織から抜けた方いいぞ。
『あたしもそう思う。前からこの組織ダメなんじゃないかと思ってた。じゃあそろそろ戻るね。あ、その前に一つお願いしていい?』
無茶なものじゃあなければな。
『抱きしめて。優しく…できれば、恋人みたいに』
俺は両手を広げると、優しくこなたを包んでやった。優しく、愛情を込めて。それがこなたに伝わるかはわからないけど。
まだ付き合ってないし浮気じゃないよな。うん。

翌朝、俺はこなたを引き連れ、いつもの集合場所に向かう。一番最後に来たのは珍しく古泉だった。
いつも通り、行きつけの喫茶店で、クジ引きにより、パートナー決めそれぞれ別れる。偶然なのか必然なのか、たまたまハルヒとペアになった。
いつか、朝比奈さんに未来人だと言われた、あの河沿いのベンチで、俺はハルヒにお約束の言葉を伝え、めでたく俺は彼女もちになった。
あれから3ヶ月たった今でも、ハルヒにからかわれる。そんなに面白かったか?緊張してたんだから仕方ないだろ。
『変態じゃないんだからあれはないでしょ。最初意味が解らなかったわよ』
呆れてる割に嬉しいそうな顔でハルヒが言う。
『それは気になりますね。なんと言われたのですか?』
うるさい両刀が!気持ち悪いから近づくな!そんな事口が裂けても言えるか。
「ハルヒ!これからお前のポニーテールを俺の為だけに見せてくれないか?しかもずっとだ!」
なんてな。
この時はまだ、こんな結末を迎えるなんて思ってもみなかった。これは誰が望んだ事なのだろう。ハルヒなのか。それとも俺なのか。ただの運命の悪戯か。俺達の世界は、終演に向かう。

284 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/01(火) 14:14:57.69 ID:fN0IEk9bO

付き合い始めて3ヶ月。俺は楽しく学校生活を送っている。
付き合い始めた頃は、許婚のこなたを差し置いてハルヒと付き合うなんて!みたいな声もあったが、今は平穏な毎日を過ごしている。学校では決まって、放課後の誰もいなくなった文芸部室で、健全な交際を続けている。
勿論まだチェリーボーイだ。キスは毎日のようにしているけどな。
休日のデートは月2回。それ以外はSOS団の活動だ。なんでも、SOS団団長として、部活と恋愛を両立しなければ示しが着かない!文武両道!って事らしい。
こなたもあれ以来、変なお願いもしなくなったし。順風満帆だ。
しかし!男足るもの性欲は押さえられん!付き合い始めて3ヶ月。そろそろいいですよね?ハルヒさん。
月2回の貴重なデートを、ハルヒの家で過ごす事が多くなった最近。俺が性交に及ぼうとしたことが何回かあるが、毎回お預けを食らっている。
理由は、まだ怖い。親が居るから。気分じゃないなどなど。
この前には、そんなに体が欲しいのか!体目当てだったのかと、酷く怒られた。
俺は否定し、心からハルヒの事が好きだと言った。
しかし、年頃の男子の性欲と、性交への憧れも判ってほしいと、訴えかけだが、どうにも判っては貰えなかった。
最近ではそれが原因で喧嘩が多くなってきている。このままじゃいかん。
話しは変わるが、最近こなたと国木田が一緒にいるのをよく見かける。以外と仲は良さそうだ。
この前国木田に、こなたの事好きなのか?と聞いたら曖昧に否定されたので、その気がないわけじゃなさそうだ。こなたも、俺とか組織とか忘れて普通の高校生やれば幸せだろう。
そんなある日の放課後。SOS団の活動が終わった後は、いつも通りハルヒと二人の時間を過ごすはずが、今日は用事が有るから先に帰ると言われ一人学校を後にした。ハルヒの奴、まだ怒ってんのかな?
ハイキングコースである坂道を、ちょうど半分程下った辺りで、教室に忘れ物をした事に気付いた俺は、この坂をまた登ることにため息を尽きながら、来た道を引き返した。
教室の近くまで来ると何やら聞き慣れた声が聞こえる。誰だこんな時間に。男と女みたいだが。今入るのは止した方がいいか。部室で暇を潰そう。俺が引き返そうとしたその時だった。

286 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/01(火) 14:24:02.65 ID:fN0IEk9bO

『あのなぁハルヒ、なんで俺にそんなことを言うんだ?』
『うるさいわね、アホのくせに。恥ずかしいんだから早く答えなさいよ』
何だって?ハルヒだと?そんなはずはない。ハルヒは先に帰るって。
なぜハルヒがここにいる。しかも谷口と!谷口と断定出来るものはなかったが、声の感じと「アホのくせに」からしてまず間違いなく谷口だろう。
しかしなんでだ?わからん。頭が混乱してきた。
『そんなことあいつに聞けよ。なんで俺なんだよ』
『キョンに聞いても意味ないでしょうが!ホントにアホなんだから』
だめだ頭が真っ白に。俺に聞いても意味がない?谷口じゃなきゃだめ?なんだこれ?とりあえず帰ろう。
俺は教室を離れ、校門を出ると走っていた。家に着き、部屋にもどってもただぼーっとして、何も考えられなくなっていた。
俺はベットに座り、もう一度思い出した。落ち着け、何がどうなってる?ハルヒが谷口と?浮気?そんな馬鹿な!でもそうじゃないなら、なぜこそこそ谷口と会っていた?
いや待て、ハルヒが浮気なんてする奴か?しかも谷口と。いやありえん。相談事?アホに相談してもだめだろ。
こうなったら直接…いや待て待て。下手に動いて疑いをかけてもいけない。
よし!俺は何も見なかった!そうしよう!それで問題ないだろ。うん!はは、はははは、はははははははははははははははははは
コンコンと、ノックの音ではっとする。まだ意識が変な方向に飛んでいた事に気が付き、あれが現実だと思い知らされる。
『キョン君?入るよ?どうしたの?顔真っ青だよ?気分でも悪い?』
いや何でもない。少し、一人にしてくれ。
『何でもない様には見えないよ。何かあったんでしょ?あたしでよければ話し聞くよ?』
何でもないから、出てっくれ。
『キョン君…本当になにか…』
出てけよ!!一人にしてくれって言ってるだろ!!!!!
くそ!こなたに当たっても仕方ないだろ!くそ!くそ!!くそ!!!くそ!!!!

301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/01(火) 16:36:02.02 ID:fN0IEk9bO

俺はベットに座ったまま俯いていた。するとこなたが、俺の頭を抱きながら言った。
『大丈夫、落ち着いて。どんなになっても、私はキョン君の味方だよ。何かあったんなら話して。聞く事しか出来ないかも知れないけど、少しは楽になるよ。』
そう言いながら、こなたは頭を撫でてくれた。不思議と気持ちが落ち着く。無意識に俺はこなたにしがみつき、抱き着くように甘えていた。
ありがとう。もう大丈夫だ。言いながら体を離す。
俺はこなたに、谷口とハルヒのことをありのまま話した。お前はどう思う?
『う〜ん、ただの相談事じゃない?谷口君はキョン君の親友でしょ?ならハルにゃんがキョン君の事を相談するなら、谷口君を選んでも不思議はないし、それにハルにゃんが浮気をしているなんて報告も受けてないしね。だから安心しなさい。』
そうだよな、組織もバックアップしてるんだし、大丈夫だよな?
『大丈夫だよ。元気出して!じゃあ気晴らしに、明日一緒にどっか出掛けようか。
明日はテストで午前中上がりだし、SOS団の活動もないし、私も買いたい物あるし、付き合ってくれる?ハルにゃんとデートなら別にいいけど』
そういや、こなたが来てから出掛けることも無くなったし、たまにはいいか。ハルヒとの約束も無いことだし。そんじゃまぁ、明日はお供させて頂きます。
『やったね☆どこ行こうかな〜やっぱり気になるのはコードギアス関連かな〜わっちの衣装もほしいな〜耳と尻尾だけだけど☆』
俺はこなたと話す事で気持ち立て直し、明日どこに行くかを考えながらベットに横になった。
最近こなたにはお世話になりっぱなしだな。明日くらいいいだろ。よし寝よ寝よ…ってテスト勉強!
翌日、テストを疲労困憊で終えると、俺はこなたと二人で買い物に出掛けた。
ハルヒはハルヒで、先に帰ると言ってそそくさ教室を出ていくし、やっぱり何かおかしい気もするが悩んでいても仕方がない。なるべく考えないようにするだけだ。
いやぁこうやってこなたの買い物に付き合うと本当にこいつはオタク何だと実感する。
俺には何処が面白いのかわからん本や、どうやって年齢認証をクリアしたのかわからない、いかがわしいゲームソフトを買いに連れ回された。

302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/01(火) 16:36:23.92 ID:fN0IEk9bO

かく言う俺も、こなたに見つからないよう、一つDVDを買ってしまった。その名も“突撃!隣の新妻、幼妻!ナニからナニまで拡大スペシャル”面白そうな名前についな、つい。
今夜は楽しそうだ。最近してなかったからな。逆に不健康ってもんだ。そうだろ?
さて、大体買う物は買ったか?
『うん、こんなもんだね。ぼちぼち帰りますか☆』
しかし買ったなぁ。大きめの紙袋が3つに、中くらいのビニールが5つ、黒のビニールが一つ。お前一体いくら使ったんだ?
『う〜ん5万くらいかな?キョン君が一緒でよかった☆持ち切れないもん』
5万?諭吉が5人?そんな大金どこにから。
『ちっちっち〜組織の経済力をなめてもらっちゃあ困るよ。何の特も無しに入ったりしないって。さぁ帰ろう帰ろう』
こいつを組織に入れたのはやはり間違いじゃないのか?こいつの上役は何を考えているんだか。
帰り道を二人で並んで歩いていると、人ゴミの中にハルヒを見た気がしたが、見間違いだろ。やっぱり頭からハルヒの事は離れないせいか。あいつ何やってるんだろうな。
家に着く頃には腕はパンパンになり、ようやく重たい荷物から解放される両腕を、よくやったと褒めてやってくれ。
こなたは、直ぐさま自分の部屋に閉じこもり、不気味な笑い声をあげて品物を開けているようだった。
俺も一日の疲れを風呂で癒し。皆が寝静まるのを待ってから、DVDを再生し、一人楽しんでから眠りに着いた。ふぅ…。
試験も終わり、明日からは試験休みに入いる。勿論SOS団の活動も再開されたのだが、やはりハルヒの様子がおかしい。
まず、俺と口を利かない。と思いきや、今日の放課後話しがあると呼び出されたり。いったい何なんだ?
俺は約束通り放課後の部活でハルヒを待っていた。テストやなんだりでハルヒと二人で過ごす時間は本当に久しぶりだ。
がちゃりと音がしてハルヒが入って来た。ようっと声をかけても無言のまま、今にも泣き出しそうな顔で、俺をじっと見ている。
5分位だろうか、長い沈黙を破ったのはハルヒだった。
『単刀直入に聞くわ!あなたあたしの事好き?こなたちゃんと浮気してない?』
突然の言葉にきょとんとしてしまった。
浮気?俺が?何を根拠に?
『俺はハルヒしか見てない。勿論大好きだとも』
『嘘よ!だって見たもの!二人で買い物してるの!!』
あの時見たのはやはりハルヒだったのか。

303 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/01(火) 16:38:34.61 ID:fN0IEk9bO

俺は呆れながら言った。
『それはただの買い物だろ?浮気なんかじゃない!
それを言うなら、そっちこそ谷口とどうなんだ?!二人で教室で話してたろ!それに買い物を見た日。お前あそこで何してたんだ!』
つい声を荒げてしまった。
『あんた聞いてたの?じゃあわかるでしょ!あの日あいつと』
『わからねぇよ!わかりたくもない!第一俺は最後まで話しを聞いてないし。
しかもなんだ?お前も谷口と一緒に買い物か。浮気はどっちだよ!』
『違う!あれは…私はキョンの事が好き!お願い信じて!!』
『どうやってだよ。何を信じればいいんだよ』
お互いに言葉が出なかった。一生にも思える長い沈黙だった。やはり先に口を開いたのはハルヒだった。
『分かった…。明日キョンの家行っていい?そこで私の全てをキョンにあげる。そうしたら信じてくれる?』
言葉に詰まる。それで信じろと言われてもなぁ。しかしあんなに嫌がっていたのに俺の為にここまで言ってくれているんだ。
元々信じてはいたが、つい勢いで言っちまっただけなんだがな。
でも、やれる方が得じゃないか?なら答えは一つ!
『分かった。それで信じる。だがハルヒも俺の事を信じてくれ!俺はこなたと浮気なんかしていない!ハルヒしか見ちゃいない!信じてくれるか?』
我ながらいいセリフだ。
『分かったわ。変に疑ってごめんね。じゃあ明日。いつものところでいい?』
『あぁ、また明日』

家に帰って来た俺は親に明日の予定を聞き、確実に仕事にいく事を確認し、妹も明日はお泊りだそうだ。くっくっく、何てラッキーな。
俺はうきうきと部屋の掃除をする。ゴムは帰りに買って来たし、ぬかりはない!さらば童貞、ウェルカムヘヴン。
俺は明日、神になる!ははははははははは。あーははははははは!

310 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/01(火) 17:22:32.21 ID:fN0IEk9bO

さっぱり眠れなかった。寝たのは夜中の2時頃だったと思う。起きたのは朝5時。約束の時間は10時。あと5時間も暇なのか。どうしたもんかな。
まぁ、男が暇を持て余してすることは一つだろ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふぅ。さてと、朝のお祈りでもするかな。
これがいけなかった。どうやら暇潰しで疲れた体は速やかに眠りに就き、再び目覚めた時には既に9時半を過ぎていた!
勿論跳び起き、ハルヒの元へ急ぐ!しかし、努力も虚しく駅に着いたのは10時を10分も過ぎていた。
また罰金かな〜っとびくびくしながら一人待つ、ハルヒの元へ急ぐ。
今日のハルヒは何だか元気が無いようにも見える。服装はタイトスカートに薄目のパーカーと、春らしいかっこだった。
『スマン!遅れた!』
素直に謝罪すると『うん、じゃあ行こっか』と、それだけだった。拍子抜けである。
やはりどこか元気ない。少し気まずい空気のまま家までの道を行く。
家に着くまでイロイロ話題を降ったのだが、そう、それで?位しか言わない。まるで長門のようなハルヒだ。
家に着いて部屋に入れる。以外と片ずいてるわねってのが感想だ。他にも言うことあるだろ。
何で無言なんだ。空気が重い。こう言う時、先に口を開くのはやはりハルヒだ。
『キョン、私の全部をあげたら信じてくれる?』
ああ、勿論。

451 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 01:43:18.32 ID:XlvhgBtzO

『一つ誤解しないでね。私はあなたを信じさせる為にするんじゃないわ。
キョンの事が好きで、キョンが欲しくて、キョンに見てほしくてするの。言いたいこと分かってくれる?』
本当はさっぱり分からないけど。
『あぁ分かってるよ。俺も同じ気持ちだ。』
『キョン…』
二人の距離が一気に無くなる。今正に、唇を重ねようとした瞬間!
『キョン君おはよ〜』
おい妹。お前はお泊りじゃあ、なかったのか?あと入る前はノックをしろとあれほど!!!!
慌てて離れるハルヒ。寝ぼけているのかとぼける妹。固まる俺、縮まる息子。
『ハルちゃんだー何でハルちゃんが居るの?』
そりゃあ俺の彼女だからだ。それ以外何か理由がいるか?
『ハルちゃん、キョン君の彼女何だぁ。じゃあこの前の夜、エッチしてたのもハルちゃん?
キョン君の部屋からあん、とかくぅ、とか聞こえたの、あれエッチの時の声だよね』
いきなり何を言い出すんだこの子は!大体そんな事、どこで覚えたの!!この前の夜?この前の夜は…あ!突撃!隣りの新妻か!あの声を聞かれてたのか!
全てを理解した俺はハ、慌ててルヒを見る。ハルヒは、もうイロイロ混ざってる顔で俺を見ているが、俺は潔白だ!信じろ。俺はまだ童貞だ!!
『あれぇ、なんか声すると思ったらハルにゃん来てたんだ、おはよう』
そこに表れたこなたは、いつも通り俺のTシャツを着た、だらし無いがなんとくエロく見える。この状況でそれはいかん!
こなたを確認すると、ハルヒ全てを悟ったような顔になり
『そっか、そういう事か。二人であたしを笑い者にしてたのか。』
違うぞ、断じて違う。それはお前の誤解だ!
『この状況で何が誤解なのよ!じゃあやね!お幸せに!』
言い終わらない内に、ハルヒは飛び出して行った。
待て!誤解だ!
俺はハルヒを引き止め、どうにかこうにか説明をしたが、余り信じてはくれてないみたいだった。
とりあえず家に上げ、DVDを再生し、これを見ながらはしたが、それは一人遊びであり、ハルヒを裏切ることはしていないと、強く主張したが聞く耳持たない。
どうしたらいい?どうしたら濡れ衣をはらせる?えぇい!面倒だ!
俺はとりあえずハルヒの口をキスで塞いだ後、黙って俺を信じろ!と言った直後、ハルヒのグーパンを喰らった。
気が付くとベットで寝ていて時間も夕方を指している。どうやら気を失ったらしい。

494 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 03:20:50.20 ID:XlvhgBtzO

気が付くとベットで寝ていて時間も夕方を指している。どうやら気を失ったらしい。
後の事をこなたに聞くと、最悪の情況だ。まず誤解が解けていない。こなたも怒られたが、興奮してる人は相手にしないと言ったら尚更怒られたと、愚痴っている。
帰った後は知らないらしい。あと、古泉から電話があり、閉鎖空間が発生しているものの、神人同士が喧嘩をしている珍しい物で、害はなさそうなので、とりあえず観戦しているよだ。
やれやれどうしたもんか。
『ごめんね。やっぱり、あたしのせいだよね。あたしがここに居るからだよね。ごめんね』
こなたは悪くないよ。俺に信用が無いだけさ。かっこ悪いな。
『そんな事無い!キョン君は優しいし、頼れるし、十分かっこいいよ!』
ありがとな。とりあえず誤解を解かないとな。

あれから一週間立つが、未だにハルヒは口を聞いてくれない。携帯にも出ないし。
そのせいで、俺はSOS団にも、顔を出し辛くなり、こなたと過ごす時間が増えていた。
この前珍しく、こなたから相談を受けた。何でも、国木田とメールアドレスを交換して、それなりにいいお友達だったのだが。つい先日、告白されたそうだ。
まぁ丁重にお断りしたそうだが。国木田ざまぁ。問題はここからだ。
断ってから、国木田がストーカーに近いメールを送ってくるようになり、少し恐い。それに俺との仲を不審に思っているらしい。やれやれ、勘違いばっかりか。
国木田に直接言っといてやるって事でこなたを安心させといたが、自分の問題も片付いてないのに、はぁ。
後日、下校時間を過ぎてから、俺は中庭に国木田を呼び出し、注意をした。お前のこなたに対する溢れんばかりの愛情は分かるが、行き過ぎた愛情は相手に恐怖感を与えてしまう。
つまり、こなたも恐がってるしさっさと諦めろって事だ。同居人としてあいつのことが心配なだけだから、勘ぐるなよ?と。国木田は
『キョンは涼宮がいるのに…泉さんまで…』
とかブツブツ言っていたが無視して教室に戻ることにした。あいつ、あんなに変な奴だったかな?
荷物を取りに来たはずが、俺はまた教室に入れずにいた。何故ならあの二人がいるからだ。
『で、涼宮はどうしたいんだ?』
『もういいわよその事は、それより教えてよ。どうすればいいの?』
『そうだな、まずこうやって…』
俺は自分の目を疑った。無用心に開け放たれたドアの向こうでは、ハルヒと谷口が唇を重ねている。

495 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 03:21:07.09 ID:XlvhgBtzO

距離もあるし、ハルヒの後ろ姿だが、間違いなくキスしている!そう核心できた。
たぁぁぁにぃぃいいぐちいいいいいい!
俺は教室飛び込むとアホに飛びかかっていた!
しかし、まるで谷口を庇うようにハルヒが止めに入る。
ハルヒてめぇ!そんなにこいつがいいのか!?分かったよ!てめぇなんざイラネぇよ!
『待ってキョン!違うの、話しを聞いて!』
俺はハルヒの制止を聞かず、教室を飛び出した。何処をどう帰って来たか分からないが、自分の部屋で一人、泣いていた。
『キョン君…』
こなたが何か言っているが、頭に入ってこない。もう、どうでもいいや。
こなたは優しく抱きしめてくれた。何も言わず。何も聞かず。ただ、気持ち良かった。こなたが居る事に、こなたに包まれることに、安らぎを感じた。
そのままこなたをベットに押し倒し、唇を重ねる。ただ唇を重ねるだけのキスは、徐々に絡み合い、深く、愛する者同士のそれになっていた。
『いいの?キョン君。戻れなくなるよ?』
こなたの、静かな質問に頷いて答えると、もう理性などなかった。
キスをしながら抱き合い、少しずつ、お互いなら服がはだけてゆく。頭はぼーっとして何も考えられない。ただこなたを求めて動く。二人とも生まれたままの姿荷物をなって抱き合い、もう一度唇を重ねる。唇から首筋へ、首筋から胸に舌を這わせる。
『…ん、あぁ…や、恥ずかしい』
こなたから声が洩れる。高校2年生の体と身体とは思えないそれを、優しく揉み、その頂点を口に含む。
『ああ!』
こなたの身体はビクっと反応し、確かに感じているようだ。必要にそれを攻める。転がし、舐めて、吸い上げる。一方はつまみ、優しく揉み続ける。
少しずつ、声が大きくなり始め、自分で気付いたのか、一生懸命堪える姿に愛おしさを感じる。
俺はそっと秘部に手を当てる。割れ目に指を押し当てるとそこは、愛液が溢れ出しているのが分かる。
ゆっくり、割れ目の中をで上下させ、素またの様な動きでクリトリスを探す。コリっと何か当たったように感んじ、そこを集中して探る。
声が我慢できないほど気持ちいのだろう。こなたは快楽の声をあげ、身体はその刺激に反応していた。
『だめ…そこはもう、何かくる、くる!あ、あぁ!あ――――っっっっ!!!』
しばらくいじると、軽く逝ったようだった。体を大きく反らせ、シーツが濡れるほど感じていた。
俺は再びキスをすると、お互い強く抱きしめあった。
『キョン君、来て…』

498 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 03:38:01.02 ID:XlvhgBtzO

自分の息子を、こなたに当てると。ゆっくり中に入れた。こなたの中は温かく、この上ない気持ち良さがそこにはあった。
『!!――――っっ!!』
こなたの顔が歪む、やはり痛いのだろう。
『大丈夫か?抜くか?』
『いや、このままして。大丈夫だよ、キョン君と一つになれて嬉しくて』
もう一度唇を重ねる。そのままゆっくり腰を動かす。耳元でこなたの息が聞こえる。
あぁ気持ちいい、もうダメだ!こなた!!
『いいよ!そのまま中にして!あぁ、ああーーーー!!』
そのままこなたに倒れ込む。俺って早漏 だったのか。
『キョン君好き、大好き』
二人は抱きしめ合いながら、そのまま眠りに就いた。

511 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 04:24:31.19 ID:XlvhgBtzO

それから3日も、学校を休み、俺はこなたと一緒に快楽に溺れた。ただこなたを求めて吐き出した。こなたと過ごす時間は心地よく、温かいものだった。人は堕落する。
3日目の夕方、谷口と国木田が尋ねて来た。さすがに3日も休めば学校側が心配して人をよこすか。適当な理由で帰すつもりだったが
『お前の誤解を解きたくて』
と、谷口が漏らしたので話しを聞く事にした。こいつの戯言を聞くのも一興だな。
話しによると、谷口は以前からハルヒに相談を受けていた。
最近お互いの誤解からうまくいってない事を聞いた谷口は何とかしようと思い、色々言ってくれていたみたいだ。
今更そんな嘘ついてなんになる谷口?いいんだよもう。俺はお前にハルヒを取られただだのマヌケだ。
『だからそれが勘違いなんだって!何で分からない!』
うるせーよ!もう帰れ!それに、俺はこなたを抱いちまった。もう戻れないんだよ。
『!!』
『な…そうか、でも学校は来いよ。涼宮が待ってる。あいつには言わないどいてやるから、前のお前に戻ってくるよ』
もう、戻れないんだよ。元はと言えば谷口が悪いんだ。あいつが居なければ…あいつのせいで俺は………
殺してやる………

3日ぶりの学校は現実感がなく、ここは俺の世界じゃないと直感した。
ポケットにはカッターナイフが入っている。谷口を始末しないと…
放課後、教室には俺、谷口、国木田、ハルヒの4人が集まっていた。こなたは具合が悪いと学校にすら来ていない。その方が都合がいい。
ハルヒは俺に仕切りに謝って来た、信じてあげなくて、誤解させてごめんと。
謝る必要はない。俺もお前を裏切ってこなたを抱いたんだ。そう言うと腰を抜かして座り込んでいた。
『キョンてめぇ!』
『そう!元はと言えば谷口貴様が悪い!貴様は俺に死んで償え!!』
俺は持っていたナイフで谷口を刺した。最後に言う事はあるかい?
『気付け、全ては…誤解だ』
谷口!叫びながらハルヒが駆け寄る。
『なんで…なんでこうなっちゃうの!信じてよ!みんなのこと信じてよ!』
次の瞬間、後頭部に異変を感じ、頭を抱えるようにして倒れ込んだ。
振り返ると、国木田が血のついた椅子を振り上げている。
『泉さんは僕の…泉さんは僕の…泉さんは………うわあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!』
俺の記憶はここで途切れ、その後の事は知らない。

512 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 04:26:12.23 ID:XlvhgBtzO

私は今、病室でで林檎を剥いている。かつて、私達が高校頃、この人は疑心暗鬼に陥り、親友を刺し、親友に頭を割られた。
その後遺症なのか、自我崩壊なのかはわからないが、この人は生きる屍になっている。
喋る事も、歩く事も出来ないが、どうやら耳は聞こえるみたいで私の声は届いている。性交も可能なようで、勃つモノは勃つらしい。男性の神秘だ。
一連の事件の原因は私なのだ。わたしがあの時、信じてあげていたら。幸いこの人の親友は一命を取り留めたが、もう一人の方は、ある少女と無理心中したそうだ。
私は今幸せだ。愛する人の世話をして一生を過ごすのだ。あなたも幸せでしょ?ね、キョン。

こ………な……………た…………。


ぐちゃ………!!

fin

513 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 04:29:31.29 ID:XlvhgBtzO

ふぅご愛読頂きましてありがとうございます。書き終わってわかったけどハルヒ視点も書かないと意味わかんなくねこれ?

521 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 05:15:45.48 ID:XlvhgBtzO

俺は富竹。警視庁公安に勤めている。今回、寝たきりになった旦那を殺そうとした疑いで容疑者である涼宮 ハルヒが逮捕された。
この事件は大規模な組織が裏にいる可能性があるので、公安も協力している。
動機については黙秘を続け、以前分かっていない状態だ。
お腹には子供もいると言うのに…。
俺はここに動機があるのではと、自宅から押収した彼女の日記に、目を通す事にした。

今日、転校生が来た!めっちゃロリの可愛い子!ぜひ我が団に入れなきゃと思ったんだけど、いきなりキョンの許婚とか言い出した!キョンは覚えてないみたいだけど。
この半年、私はキョンの事を想い続けて来た。それをいきなり現れてなに?って思ったんだけど結局団に入れてしまった。敵を知り、己を知れば百戦あやうからずってね!明日も頑張ろう!!

関係なさそうだな。飛ばすか。

やばい!やばい!やばい!!最近キョンとすれ違いが多い。
だって心配だもん。せっかく付き合えたのに、こなたと一緒に住んでるなんて、最近体も求められるし。正直恐いのよ。


ここもいいや、読んでるこっちが恥ずかしい。


事件は起きた。キョンの誤解が酷い。何とかしなきゃ、なんでこんな事になったの!なんで!……………。
そっか、こなたがいるからだ。あの女がいけないんだ。消さなきゃ、キョンの前から消さなきゃ。どうやって?
そうだ、国木田を利用して。そうすれば。

522 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 05:17:09.42 ID:XlvhgBtzO

今日中庭で国木田とキョンが話してるのを聞いてしまった。まさかあいつがストーカーにまでなるなんて。それより何でキョンがあの娘を庇うの?!彼女はあたしだよ!こうなったら自分の手で殺るしかない。

今日、谷口と教室で話しているのをキョンに見られた。やましい関係ではないのだが彼は酷く、誤解しているようだった。
結局解決しないまま帰って来たのだが、電話も繋がらないし、バカキョン。何でこうなったんだろう。
やっぱりあの娘、いらないよね。

今日は大変だった。キョンが谷口の事刺すし、国木田は暴走するし、でもキョンが無事でよかった。あの娘も無事に始末出来たし、ニュースじゃ国木田の押しかけ無理心中で解決みたいだし。これって完全犯罪?あっははは、日本警察なんて役立つばかり!

もう、読めない。この後は文字とは程遠いミミズ文字でさっぱりわからなかった。
涼宮 ハルヒの日記 fin



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