385 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/30(日) 21:00:06.13 ID:NdizJyG80
僕が何を言っても長門さんはそれを聞いているのか、聞き流しているのか
僕の困った顔を見るのが楽しいと言うわけでもないだろう。
ただ僕の言っていることが彼女にとっては重大ではなく、
逆に言えば涼宮さんや彼に関することは容易に聞き入れてくれると言ってもいい。
と、言い切ってしまいたいのだがそれも声を大にしては言えないし
そういう話題を残念ながら今持ち合わせてはいない。
僕なりの解釈を差し支えない程度に話題として提示することも出来るが
彼女との会話がそれ限りと言うのも寂しいし、聞き流されそうな気もする
現在、部室には僕と長門さんが二人。
涼宮さんと彼と朝比奈さんは出払っていて、
長門さんを連れて行かなかったのには何か理由があるのだろうか。
たいていは女子三人だとか涼宮さんと彼だとか、あるいは涼宮さんと僕だとか
そういった組み合わせで席を外していることはあるものの今回は少し珍しい。
長門さんは部室の窓際でいつもどおり読書に勤しんでいるし、
僕はと言うと彼に一矢報いるべく、一人盤上の駒とにらめっこだ。
387 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/30(日) 21:00:47.47 ID:NdizJyG80
彼女との関係をこれ以上進展させようとは思ってもいないので、
言葉が交わされるまでもなく黙々と個々の作業に没頭している。
にぎやか担当がいないとこうもこの部室は音声だけにしても相当味気ない空間かもしれない。
普通をよしとしない涼宮さんはこの状態を見たら嘆くだろうかなどと思いつつも、
僕も長門さんも口を噤んだまま、部室には本のページをめくる音と盤上を移動する
駒の音が交互に響くだけの現状は何も変わりはしなかった。
「本当は彼がいい。勘違いしないで。でも仕方がない」
気配はなかった。彼女の声に顔を上げるすきもなく、椅子ごと足払いにされたのか
目に写るのは部室の天井で床に打ち付けられた背中が痛い。
椅子のパイプが自分と床の間に挟まっていたものだからその部分なんて特に、だ。
「おや、何が仕方ないんですか?というか長門さんらしからぬ行動ですね…はは…
これはドッキリかなにかですか。いつもひどい扱いをされていましたが、
あなたも僕を驚かせたいとかそんな感情があったなんて素直に嬉しいですね。」
唐突なその出来事に驚かなかったかと言えば嘘としか言いようがない。
平静を装ったかのように普段どおりに口が回っただろうか。あまり自信はない。
「黙って。」
彼女がそう口にすると、僕の唇は固く結ばれ言葉を紡ぐことを封じられた。
僕の瞳には漆黒の、液体ヘリウムのような…――どこかで聞いたことのある表現ですね―
彼女の目が映るばかりで、さっき以上に何が起こったか把握できずにいた。
399 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/30(日) 22:14:30.00 ID:NdizJyG80
有難いお言葉をもらっちゃったので続いてみた
>>385>>387の続き。導入が長すぎるって?知ってる
長門さんは眉ひとつ動かさずいつもの窓際の毅然とした表情のままだと言うのに
僕と来たらどうだろう。鏡をのぞくまでもなくそれはわかっている。
こんなみっともない姿を晒してしまって、今まで作りあげた古泉一樹像と言うものが
ガラガラと音を立てて崩れていくのがまぶたに浮かぶ。
また長門さんと接するのに壁が出来ましたね…などと心の中で嘲笑してみたが、
彼女は僕の上から一向にどく気配を見せないしどういうつもりなのだろう。
「つまらない」
だが彼女はそう言い放った。
ということは僕も普段どおりの僕でいることができている…?
身体と頭の神経が切断されていたかのように、心だけが焦っていたらしい。
こんなことならもっと彼女を喜ばせる反応を嘘でもいいからとるべきだったか。
「どうしたらその笑顔をくずせる?」
「上からの命令。使えるものは弱みを握って取り込んでしまえとのこと。」
400 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/30(日) 22:14:56.37 ID:NdizJyG80
なんとも横暴なお言葉に開いた口が塞がらなかった。
もとい、僕の口は長門さんマジックにより
長門さんの所属する派閥はこんなに過激なことをするところだったっけ。
などと思索をめぐらせている間に彼女は自身の手でぺたぺたと僕自身のあらゆる箇所に触れていた
無言で真剣に行っているその姿は微笑ましくもあったが、僕にしてみれば危機的状況に
あるということに何故気付かなかったんだろう。彼女の指先の行方は僕の頭の先から
段々下りて現在下腹部に至ろうとしていた。僕の反応に気付いたのか彼女はそこで触れるのをやめて
「ここが弱点?」
一点を凝視した。ご明察ですとにっこり微笑むべきだろうか。
ここまでこうも無抵抗いたのか自分でも甚だ疑問ではあるが流石にもう手を打たないと
取り返しのつかないと言える事態になりかねない。ちょっとした恐怖ですよ。
しかし僕の意思に反して身体は動かなかった。
彼女の細腕一本で戒められている部分から宇宙的神秘のような力がはたらいているせいかもしれない。
あまり彼女の力を見たことがない僕だがまさかそれが自分に向けられる日がこようとは
夢にも思わなかった。しかもこんな形で。
401 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/30(日) 22:15:13.80 ID:NdizJyG80
「私は何もしない」
「…と申しますと?」
喋ることができた。加えて上体を起こすことも許されたようで長門さんと向き合う形になる。
それ以外に身体の自由は代わりがないが、これでされるがままと言うことはないだろう。
そう信じたい。
「あなたに拒否権はない」
読心術でも心得ているんですかと聞きたくなるような言葉と
それと同時にカチャカチャという金属音に僕は絶望するしかなかった。
遠慮なしに着衣を全部ずり下された。
「ユニーク」
感想はやめてくださいと言い返すべきなのか、この世界に存在する半数の人間は
そのユニークなものをぶら下げていますよだとか返答するべきだったのか。
されるがままの状態を何が悲しくて実況しているのかと自問自答したくなる。
機関に入ったときから絶望と共に過ごしてきてはいたものの、またこういった形で
それを確認させられるとは思いもしなかった。
予測だにしない出来事はとてつもないショックを僕に与えてくれたが、
こういう事態になれて来てしまっていると自分でも理解しているのが物悲しい。
403 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/30(日) 22:16:46.05 ID:NdizJyG80
どうやら古泉一樹は自身の身体に起きる変化を自ら実況することに照れがある様子。
代わりにわたしが説明してもいい?
許可を
自分でも焦らしすぎかとオモタ
続きはお前らの頭の中に