60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/11(火) 10:43:25.46 ID:Q+Y1iNxrO
節分も終わり、そろそろカップル共は浮かれ出し、相手がいない男たちからはどす黒いオーラが滲み出してくる2月の半ば。
いつもの様に俺は妹に起こされた、のだが。
妹「起ーきてー」
キョン「ぐぇあ」
妹「シャミも起きましょうねー」
シャミ「ぶみゃあ」
まったく、何時になったら年齢相応になってくれるんだ。
そんな事を考えながらトイレに行った訳だが、この時は体の異変に気付かなかったんだ。
トイレで俺のティンパニーを出そうとした瞬間、手応えが無いことに気がついた。
キョン「な、俺のジョンがいなくなってるー!!!?」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/11(火) 10:51:49.45 ID:Q+Y1iNxrO
キョン「な、なんだ! 今はやりのプチ家出か!?」
取り敢えずポケットなどをまさぐってみたが、どこにもジョンは確認出来なかった。
変わりに、無かったはずのものに気付いてしまった。
キョン「……ふむ、長門クラス、ってとこだな」
そう。控えめながらもちゃんと自己主張する二つの膨らみが胸にあったんだ。
ふに。
ふにふに。
キョン「……はっ!? 俺は何をしているんだ!」
今は排尿しなければいけないというのに。
…………まあ仕方ないよね、元男の子だし。
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/11(火) 10:58:22.38 ID:Q+Y1iNxrO
トイレで排尿を済ませ、俺は部屋へと戻った。
ジョンのいた所がどうなっていたかは敢えて言わない。
……谷口同志、あなたに見せていただいた修正なしの資料がなければ危ない所でした。
さあ、制服に……。
キョン「こんなんどうやって着るんだ……」
昨日まで着ていたブレザーの変わりに、そこにはセーラー服がかかっていた。
ここまできたら俺にも何が起きたか分かって来たぜ。
ちょうど古泉から電話がかかってきたしな。
はあ、やれやれ。今度は一体何なんだ、ハルヒよ。
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/11(火) 16:28:07.60 ID:Q+Y1iNxrO
キョン「よう、ハルヒ」
ハルヒ「あら、今日はいつもより早いんじゃない?」
キョン「ま、たまにはな」
席についた俺は教室をぐるりと見回してみた。
……ふむ、性別が逆転してるのは他にも何人かいるのか。
国木田、セーラー服似合ってるぞ。
谷口「よう、キョン」
キョン「おお、谷口」
振り返った俺は、この時ばかりは神を恨んだ。
どうせハルヒだがな。
女装がまったく似合っていないぞ、谷口。
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/11(火) 16:33:58.58 ID:Q+Y1iNxrO
授業を受けながら、俺は今朝の古泉からの電話を思い出していた。
キョン「もしもし?」
古泉「もしもし、今よろしいでしょうか」
キョン「ああ、いいぞ。朝起きたら女になってたんだが、それについての説明だろうな」
古泉「やはりあなたもそうでしたか」
キョン「あなた¨も¨?」
古泉「ええ、僕、いえ私も朝目覚めたら女性になってしまっていたのです」
キョン「お前もか。やっぱりハルヒの仕業か?」
古泉「そうとしか考えられませんね。放課後、話し合ってみるということでどうでしょう」
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/11(火) 16:40:37.55 ID:Q+Y1iNxrO
キョン「そうだな、そうするか」
古泉「それでは……ああ、一つ気を付けていただく事が」
キョン「なんだ?」
古泉「私達は今女性なのですから、それなりの言葉遣いを……」
キョン「ふざけんな……お前、さっきから私とか言ってたのは」
古泉「ええ、その通りですわ」
電話の向こうでいつも通りの古泉がそんな事を言っているのを想像してしまい、俺は気色悪くなり電話を切った。
まったく、古泉め……何がですわ、だ。
この状況を楽しんでるんじゃないだろうな。
俺はいなくなったジョンを思いため息をついた。