79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/27(水) 02:48:22.73 ID:qBd2SGVfO
ハルヒ「ちょっと有希…あんた汗かきすぎよ?」
長門「上昇した体温を下げるために発汗している…」
ハルヒ「でも、今日そんなに暑いかしら…?」
キョン「…長門、おまえもしかして、熱あるんじゃないか? ちょっと計ってみろ」
長門「……」
キョン「どうした? ほら」
長門「…わかった」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/27(水) 02:49:45.95 ID:qBd2SGVfO
ピピピ…!
キョン「どれどれ…42度!?」
ドサッ……
キョン「長門!」
ハルヒ「有希! 大丈夫!?」
キョン「とりあえず…保健室へ運ぼう!」
古泉「僕は救急車を呼んでおきます」
みくる「えっと…えっと…!」
キョン「朝比奈さん落ち着いてください……鞄、頼みます」
みくる「あ…はい!」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/27(水) 02:50:25.00 ID:qBd2SGVfO
――保健室
キョン「気分はどうだ?」
長門「…問題ない」
キョン「問題ないって…強がってる場合かよ!」
みくる「救急車が来ました!」
古泉(機関の方で手配してもらいました…)
キョン(すまんな……)
古泉(いえ、普通の病院では手に負えないでしょうから……しかし、期待はしないでください)
キョン「…とにかく、早く搬送を」
ハルヒ「ちょっと早くしなさい!! 死んだらどうすんのよ!?」
救急隊員「あの、どなたか、付き添いますか?」
ハルヒ「あたしが行くわ!」
キョン「俺達もタクシー呼んだらすぐに向かう…頼んだぞ?」
ハルヒ「言われなくても、わかってるわよ!」
ピーポーピーポー…
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/27(水) 02:52:19.18 ID:qBd2SGVfO
キョン「しかし、どうして…あの長門が倒れるなんて」
古泉「さあ……朝比奈さん、心あたりはありますか?」
みくる「ごめんなさい…わかりません…」
キョン「なあ、あれは病気か何かなのか…?」
古泉「身体の造り自体は我々と同じでしょうが……その可能性は低いと思われます」
キョン「だろうな…」
みくる「……心配ですね」
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/27(水) 02:54:27.56 ID:qBd2SGVfO
――病院
キョン「異常は見当たらない?」
ハルヒ「どういうこと? 何でもないのに、なんであんなに熱が出るのよ!」
医師「血液も調べてみましたが、特に異常は見られません…とにかく今は様子を見るしか…」
ハルヒ「死んだらどうするのよ!」
医師「最善は尽くしますが、今は抗生物質の投与と点滴以外、処置が…」
ハルヒ「そんなの…!」
キョン「ハルヒよせ……今は、長門の所に行こう」
医師「…申し訳ない」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/27(水) 02:55:29.76 ID:qBd2SGVfO
――病室
キョン「大丈夫か?」
長門「…恐らく」
キョン「それにしても凄い汗だな…」
みくる「さっき拭いたんですけど…」
古泉「脱水症状を起こさなければ良いのですが…」
ハルヒ「みんな! 今日は病院に泊まるわよ!」
キョン「な…! 本気か?」
ハルヒ「泊まりこみなら夜中に何かあっても、すぐに駆け付けられるでしょ?」
古泉「あまり考えたくない事態ですが…その通りですね、掛け合ってきます」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/27(水) 02:58:31.65 ID:qBd2SGVfO
ギュッ…
キョン「ん? どうした、長門?」
長門「…何でもない」
キョン「なら…何故手を握る?」
長門「もし……」
キョン「……何だ?」
古泉「了解が得られました、大丈夫だそうです」
ハルヒ「さすが古泉君!」
長門「……」
キョン「長門、今…」
長門「何でもない」
キョン「しかし、何か言おうとしてなかったか…?」
ハルヒ「キョン、何してんの?」
キョン「いや、何でもない」
ハルヒ「それじゃあ有希、何かあったらすぐに来るからね?」
長門「…わかった」
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/27(水) 03:03:40.34 ID:qBd2SGVfO
キョン(あの時、長門は何を言いたかったのか……みんな寝ているな…よし…!)
――病室
キョン「長門、起きてるか…?」
長門「…起きている」
キョン「そうか…なぁ、さっき本当は何て言いたかったんだ?」
長門「これ以上体温が上がれば、私の生命活動は停止する。
……もし、私が消滅したら、情報統合思念体は代替用のスペアを造ると思われる」
キョン「…その仮定は、あまり想像したくないな」
長門「…それは、混乱を避けるため私と同一の姿をしている。恐らく記憶も」
キョン「ん…何が言いたいんだ?」
長門「…だから、そのスペアとも私と変わらず接して欲しい」
キョン「…約束はできん」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/27(水) 03:06:07.60 ID:qBd2SGVfO
長門「…何故? 今の私と外見、人格は……」
キョン「いや、俺にとって長門有希はお前だけだ。代わりになる奴なんていやしない」
長門「……」
キョン「だから、早く元気になれよ?」
長門「私の代わり……」
キョン「?」
長門「私の代わりが現れても、一緒に図書館へ行って欲しいと、言いたかった。でも、それは私じゃなくて……
私は…私があなたと図書館に行きたい」
キョン「俺も、お前と行きたいぞ?」
長門「…ありがとう」
キョン「さ…今はもう休め、熱が下がらんからな」
長門「わかった……また明日」
キョン「ああ、また明日な」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/27(水) 03:10:17.35 ID:qBd2SGVfO
翌日、なんと朝になると長門の熱はすっかり下がっており、一応念のためにもう一日検査をしたが、これといって異常無し。
次の日からいつも通りに登校できることとなった。そして、その日の放課後……
キョン「原因はバグ?」
長門「そう」
キョン「じゃあ、今はもう平気なのか?」
長門「わからない。だけど身体機能は正常」
キョン「そうか…まあ平気そうなら、それで良いんだが」
長門「でも、」
キョン「ど、どうした! やっぱり、まだどこか悪いのか!?」
長門「……今、体温と心拍数が、少し上昇している」
――あなたを見ていると……
完