40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/25(月) 23:01:09.25 ID:WHkpXbPhO
なんかスレタイの台詞だけは入れたけど予想以上につまらなくなった
だがせっかく書いたし人居ないし投下させてもらう
まだ全部書けてないから保守代わり的に
他にも誰かなんかネタ書いてくんねーかな……
「キョン、あんたあたしの話ちゃんと聞いてよ!!」
「こっちの質問が先だろうが!!まずお前が落ち着けよ!」
「うるさいわよ!!もうキョンなんて知らない!!バカッ!!」
ハルヒはずかずかとドアまで向かっていき、ドアを乱暴に開閉する。その音に思わず耳を塞いだ。
ドアの外から聞こえる荒い足音が遠くなっていった時、やっと部室に静寂が戻ってきた。
「……やってくれましたね」
椅子に座りっぱなしの古泉が目だけ動かして俺を睨んでくる。
しかし俺にだって発言権はあるだろ?
「あれはどう考えてもハルヒが悪いだろ」
「あなたは、涼宮さんの心情を少しでも察してあげましたか? 今回ばかりはあなたが悪いと思いますよ」
……ただでさえイライラしてるってのに。何なんだよ。
「なんで俺があんなエキセントリック女の考えなど察してやらなきゃならんのだ」
「少し冷静になってください、相手の気持ちを考えるのは普通の事でしょう?」
「……ムカつくんだよ、ハルヒもお前も。お前は閉鎖空間発生しなきゃそれでいいくせに。
ハルヒが怒ってたって、あいつに何の力も無きゃフォローもせずほっとくんだろ?」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/25(月) 23:12:34.69 ID:WHkpXbPhO
いきなり古泉は机に手を思いっきり叩きつけて立ち上がった。
何か言いかけてすぐ口を閉ざしたが、その肩は怒りのせいか震えている。
逆鱗にでも触れたか? だが、俺だってかなり腹が立ってるんだ。
いつもいつも振り回されてるのに文句一つ言う権利が無いみたいに言われてる気分だしな。
「図星か?」
言ってやると、一気に耳まで赤くして怒声を上げた。
「違う!!!」
「それで怒るって事はやっぱり図星なんだな?」
更に眉間に皺を寄せ、唇を噛む様子が面白い。珍しい光景なだけについ楽しくなってしまう。
追い討ちをかけるために、肩を掴んで問い詰めてみる。
「お前の苦労もわかるから無理すんなよ、何度も何度もいつでもバイトに呼び出されて戦わされて」
「ぼ、僕はそれだけで怒ってるわけでは」
「でもちょっとはそう思ってるんだろ?笑顔の裏でハルヒの事恨んでるんだろ?なあ!?」
まるで財布に10円しか入ってない優等生を相手に
カツアゲを開始する不良になっているような気分だったが、これはこれで楽しかった。
――が、胸部に強い衝撃が走り、尻餅をつく。何事かと考えている内に
馬乗りになってきた古泉に後頭部を床に打ち付けられた。
思わず怒りに任せて反撃を開始すると、床をゴロゴロ転がりながらの取っ組み合いとなった。
つくづくと思う、この場に朝比奈さんが居なくて助かった。と。
が、その心の奥底での安心も束の間、部室のドアが開く音がした。
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/25(月) 23:21:56.21 ID:WHkpXbPhO
「キョン、さっきはあたしも言いすぎ……た……」
はっと我に返り、声の主を見ると、ハルヒの仰天顔があった。
「あ、あんた達何やってんの……!?」
みるみる内にその顔が赤くなっていく。何だ?
とりあえず今の俺の状況を冷静に見直してみよう。
えーとだな、仰向けで俺の下敷きになってる古泉が居る。
取っ組み合いをしてたから服が乱れている。俺のネクタイはもう既に外れ、古泉の手に握られていた。
俺が本能のままに何かやってる内に色々あったんだろう、ネクタイは巻きつけられているように見える。
古泉はまだ顔が赤い、ついでに涙目だ。
なるほど。確かにこれは誤解されても仕方が無いな。
「――――って違う!!待てハルヒ、誤解だ!!」
「キャー!!!何よ何してたのよあたしが居ない間に!!」
ハルヒが喚いている間にもう一つ足音が駆けてくる。まずい。
「涼宮さん、キョンくんと仲直り……ひゃあ!?きょ、キョンくん!?」
「ちっ違うんです朝比奈さん!!これはですね生死を賭けた死闘を」
「言い訳はいいわ!!さあ何をしようとしていたつもりなのかその口からしっかり説明してもらおうじゃないの!!」
古泉は何が何だかわからないといった様子で
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/25(月) 23:32:41.71 ID:WHkpXbPhO
色々な意味でどうしようもない気がするが、とりあえず誤魔化そうと頑張ってみる。
「ああ、それよりさっきの事なら俺が悪かった、なんかすげえイライラしてたんだ」
嘘はついてない。もしかすると皆鬱憤が溜まってたのかもしれないな。
「そっ、そうね、あたしもムキになっちゃって……」
「……さっき古泉に言われたんだ、もっと人の気持ちを察してやるべきだって」
言ってて自分の不甲斐無さに憂鬱になってきた。……古泉にも酷い事したな。
「……なんか古泉の言う通りだったかもな、今思うと。すまなかった」
そこまで言うと、ハルヒがふわりと笑みを湛えた。
「もういいわ、あたしの言い方も悪かったから」
「ハルヒ……ありがとな」
「で、あんた達は何をしてたの?」
……くそっ、成功だと思ったのに。
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/25(月) 23:42:49.83 ID:WHkpXbPhO
それから暫く言い訳をし続け、下校時間まで何とかやり過ごした。まさか乱闘してたとも言い辛いしな。
とりあえず全て俺が悪いとして古泉に土下座までしたがハルヒは納得していない様子だった。
結局長門は何も思っていないようで、ずっと本のページをめくり続けていたようだ。
ハルヒと朝比奈さんと長門は買い物だと宣言して先に帰り、古泉と俺は取り残された。
気まずいムードから逃れられない。
「……な、なあ、古泉」
「…………」
古泉は窓の方に目を向けていて、俺の方を見ようとしない。
「……本当、俺って思いやりが足らないな、お前の言う通りだったよ」
夕日が少しずつ沈んでいくのを眺めているのだろうか、俺の声など届いていないようにも思えた。
「普通……人間なんだから色々思うところは、お前にだってあるんだよな……
……馬鹿な事言ったよな、俺……何ならもう一回ぐらい殴ってくれたっていいぞ」
やっと古泉がこっちを振り返る。だが、「そろそろ帰りましょう」の一言しかくれなかった。
しかも無表情で。どうするべきか迷ったが、大人しく鞄を手に取ることにした。
とりあえずついていって良いのか解らなかったから少し歩調を早めて追い抜いてみると、
「あの」という一言が掛かったが、それだけでも今の俺には十分救いになる。
歩調を緩めると、ぴったり俺の横についてきた。
「……僕も過剰すぎました、……未熟ですね」
自嘲的な笑い。お前が自嘲する必要はないのに。
俺がもっと落ち着いていれば最初からこんな事にはならなかったのにな……。
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/25(月) 23:44:46.57 ID:WHkpXbPhO
「情けないのは俺だけだ」
古泉の溜息が、人気の無い廊下に大きく響いた。
「埒が明きませんね」
「……そうかな、……本当……悪かったよ」
俺も思わず溜息をつく。すると今度は突然くすくすと笑い出した。なんだ?
「いえ、……涼宮さんの機嫌がすぐに直った事を思い出して」
確かに。あの様子を見た感じ、朝比奈さんと何か話したんだろうか。
「というより、僕達が取っ組み合いをしていた様子を見て楽しそうにしてましたね」
……そうかもな。しかし、こいつは本当に気付いてないのか?あの盛大な誤解ぶりに。
「多分涼宮さんには僕達が仲良くしているように見えたのでしょう」
まあそうとも取れるかもしれん。男同士の友情は殴り合いにあるとか言ってたしな。
……今回の場合は思い切り別方向から見られていたようにしか思えないが。
古泉は俺の微妙な反応に対し、頭の上に?マークを浮かべるような面持ちでいる。
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/25(月) 23:47:19.57 ID:WHkpXbPhO
「まあ、とにかく……、もう気にしてませんから。
どうせいつか仲直りはしなければならないでしょうし、何も無かった事にしましょう。
きっとそれを涼宮さんも望むはずですから」
結局またそこでハルヒを持ってくるんだな。……まあいい。
「……いつかハルヒの願望とか関係無くなったら、俺達はどうなるんだろうな」
ふと呟いてみると、また古泉は俺から目を背ける。
「……さあ。友人でいれば良いですね」
完
なんという脱線