938 名前: 味噌らーめん屋(徳島県)[] 投稿日:2007/04/26(木) 20:56:57.04 ID:cZOAUqk50
ハルヒ「まったく・・・暑いったらありゃしないわ」
夏。憎たらしいほどに空は晴れ渡り
バイト帰りのあたしの肌を容赦なく照りつける
天気予報では今日の最高気温は36℃とか言ってたっけ
さっきまで冷房が効いてたら余計に暑く感じるわ
これなら夕方からのシフトにした方がよかったかな・・・
ドンッ!
「いたっ!」
ハルヒ「あっ!・・・すいません・・・」
しまった、ボーッとしすぎて人にぶつかってしまった
あたしの荷物が見事なほどにバラバラと地面に散らばる
夏の太陽にやかれたアスファルトは、バーベキューの鉄板かと思うくらいに熱く
しゃがみこんだあたしの体をさらに痛めつけていく
ハルヒ「何やってんだろ・・・あたし・・・」
960 名前: 味噌らーめん屋(徳島県)[遅筆すぎて俺オワタ] 投稿日:2007/04/26(木) 21:21:30.19 ID:cZOAUqk50
高校を卒業してから、もうすぐ半年になる
とはいっても、あたしの感覚ではもう1年も2年もたっているのだが
あっという間だった高校での3年間
みんなとSOS団で過ごしたあの3年間
定期的に行った学外での不思議探しも
何をするでもなく、ダラダラと部室で過ごした毎日も
みんなで行った数々のイベント行事も
今は、本当にあった出来事なのかと疑ってしまうときがある
高校卒業後、あたしは地元の国立大学へ進学
全国でもソコソコのレベルらしいが、苦労はしなかった
小泉君は、東京の大学へ進学した
たまに連絡が来るが、部活にバイトに勉強に忙しい毎日を送っているようだ
みくるちゃんと有希とは、今は連絡がつかない
みくるちゃんは、どこかの大学に入ったと聞いた事はあるのだが
有希に至っては進路も居場所もまったく不明である
いつの間にかマンションを引き払いどこかへ消えてしまった
そして・・・あいつは・・・キョンは・・・
────もう、この世にはいない────
974 名前: 味噌らーめん屋(徳島県)[] 投稿日:2007/04/26(木) 21:40:11.95 ID:cZOAUqk50
校長「えー、今日、皆さんはこの学校を巣立っていくわけですが──」
ハルヒ「(あーもう、腹が立つわね!)」
さっきからダラダラと校長の話が続いている
もういい加減10分は立ってんじゃないの!?
いっその事、校長からマイクを奪いあたしが挨拶してやろうかと思ったが
こんな雰囲気の中でそんな事をするほど、あたしは非常識ではない
静まり返り、校長の声だけが響く中で、時々聞こえるすすり泣く声
そう、今日は、あたし達の卒業式
ハルヒ「あーーー、つっかれたー!」
退屈な式が終わり、ようやく開放されたあたし達
周りを見渡すと、どうやら涙腺も開放してしまったようで
ワンワンをむせび泣く生徒がそこかしこにいた
でも、あたしは泣かない。少なくとも今は
泣いて抱き合う同級生達を尻目に、あたしは駆け出した
いつもの、だけど今日だけはほんの少し違う場所
本当のあたしの、あたし達の卒業式の会場へ