571 名前: スレスト(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/25(水) 21:06:13.91 ID:UaywGkyNO
「よう、久しぶりだな…元気にしてたか?」
俺は返事が来ないとわかってるのに、その冷たく冷えた石に話しかけた。
「古泉やみくるさん、長門が言ってた事は結局嘘だったみたいだ」
そっと風がキョンの体を抜ける
「お前にはお前の思った通りに未来を決められる力があるんだってさ」
キョンの声は虚しく、青い空に飲み込まれていった。
「なんでだよ…なんでお前が死ななきゃいけないんだよ!」
キョンはその場に泣き崩れる。
「お前は…死を望んだのか?なぁ…答えてくれよ」
キョンの前には「涼宮家之墓」と彫られた墓石、まだ火のついたばかりの線香。
そして、今にも笑い声が聞こえてきそうな、満面の笑みを浮かべたハルヒの写真があった…
573 名前: スレスト(ネブラスカ州)[sage] 投稿日:2007/04/25(水) 21:23:30.65 ID:UaywGkyNO
高校を卒業して一年、俺はいつものように電車に乗り大学へと向かう。
「おはようございます、キョン君」
振り返るとそこには、可愛い笑顔を振り撒くみくるさんがいた。
幼い顔に似合わず、攻撃的なバストを持つ彼女は電車の中で男達の注目の的になっていた。
しばらく見とれていると横からキザったらしい声が聞こえてきた。
「おやおや、相変わらずみくるさんは男性の注目の的ですねぇ」
いつものように薄い笑みを浮かべた古泉が現れた
「お前もいたのか」
俺は嫌味を隠さずに言う。
「冷たいですねぇ」
俺が何か言おうとした時、後ろから誰かに押された。
誰かじゃない。こんな事をするのは一人だけだ。
「おっはよー!!!キョン」
朝っぱらから元気な奴だ。
俺の背中を押した犯人…それは、無邪気な子供のように笑うハルヒだった
579 名前: スレスト(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/25(水) 21:35:12.81 ID:UaywGkyNO
何かの縁か、はたまたハルヒが望んだのか
俺たちSOS団の四人は同じ大学に行くことになった。
卒業して一年、特に何も変わる事はなかった。
強いて言うならば、ハルヒの元気さに磨きがかかったくらいだ。
おかげで、ここ最近は閉鎖空間が発生していないらしい。
「いやあ、僕の仕事が減りましたよ。嬉しいかぎりです」
まあ、こいつのウザさもかわらないままだがな
597 名前: スレスト(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/25(水) 22:26:30.76 ID:UaywGkyNO
長門は椅子に座り、お決まりのハードカバーの本を読んでいた
俺は横目でそれを確認すると、ハルヒ達の話しに耳を傾ける。
「いい?今日は新入部員を獲得する日よ!
何としても、未来人、超能力者、宇宙人をみつけだしてサークルにいれるのよ」
新生SOS団が出来て二年め。部員は俺を含め5人しかいなかった。
しかし、すでにその中に未来人も超能力者も宇宙人もいることにハルヒは気付いていなかった。
そして、古泉曰く、ハルヒは神であるのだから驚きだ。
当の本人はそれらの事に全く気付いてないがな
598 名前: スレスト(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/25(水) 22:28:01.37 ID:UaywGkyNO
ハルヒは一生懸命に今日の作戦を説明した。
話しを聞いていくと頭が痛くなって来る。
こんな作戦は成功しない。
そう、俺は確信した。
そして、俺の予想は当たった。
結局、一人の部員も獲得する事が出来ず、ハルヒは案の定不機嫌になる。
「まずいですねぇ…」
「だろうな」
「そんな人事みたいな事言わないでください」
「こんな時の為にお前がいるんだろ?」
「それはそうですけど、彼女の不機嫌が長引くようなら僕達の手には負えなくなります」
「じゃあ、どうすんだ?」
「その為に貴方がいるんじゃないですか」
599 名前: スレスト(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/25(水) 22:29:28.70 ID:UaywGkyNO
「は?」
「形はどうあれ、貴方は彼女に選ばれた」
「だからなんで俺なんだよ」
「それは、僕達にも分かりません。しかし、貴方が鍵であることは間違いありません」
「…」
「彼女は恐らく貴方の望む世界にしたいと願っています」
「俺がこんな思いをするのも俺が望んでいるとでもいうのか?」
「それは、貴方にしか分かりません」
古泉は皮肉な笑みを浮かべた。
601 名前: スレスト(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/25(水) 22:30:24.59 ID:UaywGkyNO
「この世界が彼女に委ねられているのは確かです。
しかし、その彼女の望む世界は貴方に委ねられているのです
彼女の事を頼みますよ」
「…」
「では、閉鎖空間が発生したようですので私はこれで」
古泉はハルヒ達に別れを告げ、何処かへと消えていった。
俺は、ハルヒにあってからもう、何度も言っている決まり文句を吐いた。
「やれやれ…」
684 名前: 女性の全代表(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/26(木) 00:50:38.15 ID:QOl09RGWO
俺たちはそれからも変わらず大学生活を過ごした。
ずっと平和な日々は続いていた。
ずっとこのまま変わらぬ日々をすごしていくと思っていた。
そして、大学は夏期休講に入った
683 名前: 女性の全代表(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/26(木) 00:49:41.38 ID:QOl09RGWO
夏休み初日、俺は久しぶりによく寝た。
ゆっくり瞼を開けるとハルヒの顔が目の前にあった
「おはよう」
「ああ、おはよう……ってうおおい」
俺は驚いた
当たり前だ。起きたらいきなりだぜ?
「なんでお前がいるんだよ」
「これから出かけるわよ!これが荷物」
「なんだこれ…着替えとか入れて」
「旅行に行くのよ」
「皆でか?」
「馬鹿じゃないの?ふたりでよ」
読めない…なぜだ?なぜ二人だけなんだ?
「う、うるさいわね!あんたと二人だけの思い出がないから作りたいだけよ」
まあ、こいつのことだ。深い意味は無いんだろう。
だけど、俺はなぜか嬉しくなった。
「で、どこにいくんだ?」
688 名前: 女性の全代表(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/26(木) 00:56:11.35 ID:QOl09RGWO
目的地に着いたのはもう夕方だった。
長い間バイクに乗っていたせいか、ケツが痛かった。
しかし、夕陽に照らされてオレンジ色の光を放つ海岸は、そんな痛みを忘れるほどきれいだった。
「キョーン!こっちこっち!」
いつの間にかハルヒは砂浜を走り抜け海に入っていた。
「やれやれ」
呟きながらも俺はニヤけてハルヒの元へと走っていった。
俺たちは馬鹿みたいにはしゃいだ。
二人だけしかいない砂浜に、二人だけの声が響き渡った
689 名前: 女性の全代表(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/26(木) 00:57:06.60 ID:QOl09RGWO
時間を忘れ二人は遊び続けた
いつの間にか空には満点の星が輝いていた
俺たちは砂浜に横になり、星空を見上げていた。
「きれいね」
「ああ」
「今日は楽しかった」
「ああ」
どちらからともなくお互いに手を握った。
そして、二人は見つめあった。
今日のハルヒは異様に可愛く見えた。
そして、俺は自分の中のある気持ちに気がついた。
ああ…俺はハルヒが好きなんだ
690 名前: 女性の全代表(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/26(木) 00:58:07.01 ID:QOl09RGWO
「ずっとこのまま二人でいられたらいいのに…」
「なんか、今日のお前素直だな」
「べ、別にいいでしょ。たまには素直にさせてよ」
「俺も素直にならなきゃな」
二人の間に沈黙が流れる。
先に口を開いたのはハルヒだった。
「あたし、キョンの事が好き…どうしようも無く好き
」
俺は黙ってきく
「あの時、あたしが夢の中でおびえていた時に貴方がしたキス…すごく嬉しかった。あの時あたしは、キョンの事が好きなんだって気付いた。」
「…」
「でも、好きだったのはもっとまえ、貴方がジョンスミスだった時からだったの」
ハルヒの瞳から雫が零れた
692 名前: 女性の全代表(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/26(木) 01:00:58.72 ID:QOl09RGWO
「あたし、やっと思い出せた。ジョンスミスは貴方だったのよ
あの時からあたしは貴方の事が好きになった」
「そうか…」
「キョン、好きよ…大好き」
「俺もだ。俺もどうしようもなくお前が好きだ」
二人はそっと唇を重ねた。
「ふふ」
「はは」
二人は微笑み、もう一度唇を重ねた。今度は長く、熱く…
そして、二人はお互いを求めあった
満月の月は二人の裸体を暗闇の中から浮かび上がらせた
735 名前: 女性の全代表(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/26(木) 07:56:02.27 ID:QOl09RGWO
眩しい太陽に照らされ俺は目が覚めた。
どうやらあのまま寝てしまったようだ。
隣を見るとすこやかに寝息を立てるハルヒがそこにいた。
俺はたまらなくなって思わずハルヒにキスをした。
「なによ」
「起きてたのかよ」
「悪い?」
「いんや、けど…」
「けど?」
「もうちょっと寝顔が見たかったな」
「ばか…」
ハルヒの頬は茹蛸のように真っ赤になりうつむいた。
「は、恥ずかしいじゃない…も、もう…これで我慢しなさい」
そういって今度はハルヒから唇を重ねてきた。
「ハルヒ…大好きだ」
「〜〜〜〜〜!!!!!」
ハルヒは言葉にならない叫びをあげて悶えている。
そんなハルヒを抱き寄せもう一度キスをした
739 名前: 女性の全代表(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/26(木) 08:14:32.49 ID:QOl09RGWO
俺たちは今、帰路についていた。
ハルヒは俺の後ろで必死にしがみついていた。
背中に当たる胸が心地よかった。
そして、俺はさらにスピードあげる。
誰も俺たちに追いつけない。
交差点に差し掛かる。ちょうど青に変わったからスピードを落とさず突っ切る。
瞬間、俺の視界がとんだ。
気付くと俺たちは空を飛んでいる。
何が起きたのかも分からず地面に叩き付けられた。
トラックの走る音が遠くに聞こえた。
ハッとして俺は痛む体に鞭を打ちハルヒを探す。
そして、俺が見たものは、頭から血を流し、服は真っ赤に染まりぐったりとしているハルヒの姿だった。
748 名前: 女性の全代表(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/26(木) 09:04:22.58 ID:QOl09RGWO
俺は這いつくばってハルヒの元へと急いだ。
「ハルヒ!ハルヒ!」
必死にハルヒの名を呼ぶ。
しかし、返事はない。
キキーッ
顔を上げるとそこには見慣れた黒いセダンと、今まで見たことのないほどに焦りの表情をした古泉だった。
「早く涼宮さんを!」
俺はなんとか立上がり、ハルヒを抱え上げ車に乗せた。
750 名前: 女性の全代表(ネブラスカ州)[sage] 投稿日:2007/04/26(木) 09:19:32.23 ID:QOl09RGWO
病院につくと、ハルヒは集中治療室に運ばれた。
しばらくして、長門とみくるさんも駆け付けて来た。
真っ先に俺は長門に詰め寄る。
「なぁ、長門!お前の力でなんとかならないのか?ハルヒを助けてくれよ…」
「…それは出来ない。これは彼女が望んだこと。私たちは手出しすることは出来ない」
ハルヒが望んだ?そんな馬鹿なことがあるか!
「みくるさんは!?過去に行って歴史を変えれば…」
「残念ながらできません。過去を変えることは重罪なんです。それに…今の私には時間を行き来する権限はないんです。」
「言っておきますが、僕にも無理です。長門さんが言ったように、これは涼宮さんが望んだこと。それに僕の力は人を直すことは出来ません」
俺はその場に崩れ落ちた
752 名前: 女性の全代表(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/26(木) 09:29:56.14 ID:QOl09RGWO
どれくらい経っただろうか。
手術中のランプは消えて医師が出て来る。
「ハルヒは!?ハルヒはどうなったんですか!?」
俺は医師の胸倉をつかみ、叫ぶ。
「落ち着いて下さい。一命を取り留めました。
意識も回復しています。一か月もすれば退院出来るでしょう」
俺は腰が抜けた…
「よかった…本当によかった…」
安堵のあまり、俺は涙を流した。
「今日はもう帰りなさい。明日には面会も出来るでしょう」
「はい。」
家についた俺はベッドに倒れこむとすぐに眠った。
朝起きた時、携帯に古泉からの留守電メッセージが入っていた。
753 名前: 女性の全代表(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/26(木) 09:30:48.00 ID:QOl09RGWO
ハルヒが死んだ…
755 名前: 女性の全代表(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/26(木) 09:38:19.02 ID:QOl09RGWO
あれから一年…
お前がいない日々はツマらなかったよ。
みくるさんは未来に帰り、長門も情報統合思念体の元へといった。
古泉もどっかで元気にやっているんだろう
お前がいる間、俺は平穏な日々を求めていた。
だけどな…実際、平穏な日々が来るとすごく物足りなく感じるんだぜ?
あの非日常的な、そしてハルヒ…お前が俺にとってかけがえのないもんだったんだ…
756 名前: 女性の全代表(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/26(木) 09:44:37.91 ID:QOl09RGWO
折角お互い素直になれたのに…
何でなんだよ?
古泉はいっていた。
この世はお前の望んだ世界になるんだと。そして、その望んだ世界は俺が望んだ世界でもあると。
俺はハルヒの死を望んだのか?
そんな訳ないだろう。
俺はお前がいることを、お前と過ごす日々を望んでいるんだぞ?
だから、戻ってこいよ
なあ…ハルヒ…
そして俺は光に包まれた。
758 名前: 女性の全代表(ネブラスカ州)[sage] 投稿日:2007/04/26(木) 09:54:26.98 ID:QOl09RGWO
「…」
何か聞こえた
「…ン」
懐かしい感じがする
「キョン」
今度ははっきり聞こえた。
ゆっくりと瞼を開く。
そこには、怪訝な表情のハルヒがいた。
「何泣いてんのよ!」
泣いている?俺が?
そうだ。俺は泣いている。だってお前にもう一度会えたんだからな。
「ハルヒ…」
「な…なによ!…ってちょ!」
俺はハルヒを抱き締めた。
「もうお前を離さない…ずっとお前のそばにいるから」
これからは素直でいると決めたんだ
「あっ当たり前でしょ。へんなキョン」
「ハルヒ…好きだ」
「…あたしもよ…キョン」
そして俺達は唇を重ねる
お互い、もう離れないと誓いながら
761 名前: 女性の全代表(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/26(木) 10:01:01.55 ID:QOl09RGWO
〜エピローグ〜
俺はあの喫茶店に向かっていた。
ちょっと気に食わないのは隣に古泉がいる事だ。
762 名前: 女性の全代表(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/26(木) 10:13:51.11 ID:QOl09RGWO
「話ってなんです?」
「あのさ、確かにハルヒは死んだよな」
「ええ、死にました」
「俺が今いるここはあいつが死んでから過去なのか?未来なのか?」
「現在ですよ。あの事故の日はなかった事になった。ただそれだけです」
「そうか…でも何でだ?」
「貴方が望んだから。貴方が強く望んだから、彼女もそれを望んだのです」
「そうか」
「そうです。あまり深く考えないでください。ほら、彼女が待ってますよ」
前方を見るとハルヒが手を振って叫んでいた。
「早くきなさーい!遅い方が奢りだからね」
「そういうわけです。では、お先に」
古泉はすでに走り出していた
「おい、こら!」
結局、俺は一番最後で奢る事になった。
「さあ、今日も一日張り切って行くわよー!!」
でも、またこいつの笑顔を見る事が出来たんだ。
このくらい安いもんだ。
柔らかな風が通り過ぎた
〜fin〜
763 名前: 女性の全代表(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/26(木) 10:16:18.75 ID:QOl09RGWO
やっと終わった…
本当に駄文でクオリティ低いにも関わらず、最後まで付き合ってくださった皆様、本当にありがとうございました。
あまり細かいとこは気にしないでください
34 名前:女性の全代表(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/26(木) 22:33:02.42 ID:QOl09RGWO
あれから何年が経っただろう…
あの非日常的であいつに振り回され続けたにも関わらず楽しかった日々
あいつを中心に世界が、俺たちが回っていたあの日々
いつの間にか、高校を卒業してから六年が経った。
卒業式以来、あいつに会っていない。
俺は社会人になった
36 名前:女性の全代表(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/26(木) 22:39:31.43 ID:QOl09RGWO
卒業してからというものの、日常的な日々がツマらなく感じた。
原因はわかっている。
ハルヒがいないからだ。
俺はてっきりSOS団の面子は同じ大学に集まると思っていた。
しかし、そうはならなかった。
38 名前:女性の全代表(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/26(木) 22:48:40.05 ID:QOl09RGWO
朝比奈さんは地元の大学に入学し、卒業した後はコスプレイヤーとして秋葉原でかつどうしている
長門は自分で書いた小説が大ヒットし小説家として日本中に名をとどろかせている。
そして、何の巡り合わせかは知らないが古泉と俺は同じ大学を卒業し、同じ会社で同じ平社員として日々営業活動に精を燃やした。
61 名前:女性の全代表(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/26(木) 23:41:28.39 ID:QOl09RGWO
そして、ハルヒはというと、留学したらしい。
卒業する際、あいつは進学先を告げることもなく、姿を消した。
今ごろ何をやっているんだろうな。
「また、彼女の事を思い出しているんですか?」
話しかけてきたのは古泉だった。
「まあな…」
俺はすっかり覚めてしまったコーヒーを飲み干す。
「確かに、おかしいですよね。彼女だけが離れ離れになるなんて。そして…」
「俺たちだけが離れずにいることが…だろ?」
「その通りです。僕はともかく、みくる…っおほん。朝比奈さんや長門さんが彼女の元に行かないのはおかしい。
そして、一番おかしいのは、貴方が彼女のそばにいない事。
以前もいいましたが、貴方は彼女に選ばれたのです。なのに、彼女は貴方をそばにおく事をしなかった
分かる事はただ一つ…」
「あいつは…ハルヒは一人でいる事を望んだ」
窓の外には晴れ渡る大空と、その大空に伸びるビルが見えた。
66 名前:女性の全代表(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/26(木) 23:55:40.92 ID:QOl09RGWO
その日の夜、俺たちSOS団のメンバーは居酒屋に集まっていた。
週に一度は、必ずといって言いほど俺たちはこの居酒屋に集まる。
話題はもっぱら、高校時代の事。
あの日は楽しかったな。
ハルヒ…あれからいろいろと変わったぞ?
古泉と朝比奈さんが結婚を前提に付き合ってるんだとよ。
超能力者とはいえ、古泉は現代の人間には変わりない。なのに未来人と結婚できるのだろうか。
そして、長門が俺に告白をした。
これには正直驚いた。長門にも心が出来たようだった。
だけど、受け入れる事は出来なかった。
お前のせいだからな?ハルヒ…
お前のせいで俺は、24になったのに童貞だ。
いつになったら卒業させてくれるんだ?
なあ…ハルヒ
106 名前:ダンサー(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/27(金) 01:31:40.04 ID:laSiAcG9O
>>66
目を覚ましたのはもう、12時を回っていた。
周りを見渡すと、長門はテーブルに突っ伏し、朝比奈さんと古泉は手を重ねてお互い寄り添って寝ていた。
微笑ましい光景だ。ハルヒがいたら俺達もこんな風にするのだろうか…と思い、俺は笑った。
参った…何かあるとすぐにお前の事を考えちまう。俺も重傷のようだ。
いなくなってから気付くんじゃあ遅いよな。
どうやら俺はハルヒが好きみたいだった。
そして、今も
108 名前:ダンサー(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/27(金) 01:42:02.72 ID:laSiAcG9O
しばらく物思いに耽っていると、長門が起きたようだった。
「ここは…?」
「俺ん家だ。明日は日曜ってんで朝まで飲もうって事になって俺ん家にきたんだよ。」
「そう…」
長門は立上がり、台所に向かう。
「コップは後ろの食器棚だ」
長門はコップを取りだし、水を注ぐとそれを一気に飲み干す。
「気持ち悪い…」
何かがおかしい…
なんだ?何がおかしいんだ?
109 名前:ダンサー(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/27(金) 01:43:28.83 ID:laSiAcG9O
なんで長門が二日酔いになるんだ?
141 名前:ダンサー(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/27(金) 08:13:20.75 ID:laSiAcG9O
>>109
俺はそのまま疑問を長門にぶつけた。
「分からない。自己回復が出来ない。それに情報統合思念体と接続不可」
「長門さんだけではありませんよ」
そういったのは古泉だった。
「僕も超能力が使えなくなりました。とはいっても、閉鎖空間が発生しないと分かりませんが」
どうやらこの六年間、閉鎖空間は発生していないらしい。
「それに機関とも連絡がつかなくなりましてね。困ったものです。」
全く困ったような顔してないがな
「みくるも未来と連絡がとれなくて帰れないそうなのです」
しかし、なんでまたそんな事に…
「それは僕たちにも分かりませんが…」
「原因はあいつしかいない…だろ?」
「御名答。さすがです。」
誰でも分かるだろ。
「それはそうと、来週の日曜はあいていますか?」
暇人だからな
「ならばみなさんでディズニーランドにいきませんか?」
なんでまた…
「友人が行けなくなったそうなのでかわりにチケットをもらったんですよ。丁度4枚ありますし」
俺以外に友達なんかいたか?という疑問はそっと胸しまっておく。
「何か失礼な事考えませんでした?」
いや、そんな事はない、断じてない。
しかし、ディズニーランドか…
何年振りだろうな
折角だしたのしませてもらうとするか
152 名前:[sage] 投稿日:2007/04/27(金) 10:11:56.54 ID:laSiAcG9O
電車を乗り継ぎディズニーランドにつく。
すでに開園していたがかなりの人だかりだ。
http://imepita.jp/20070427/363950
「まずは何に乗ります?」
決まってるだろ。スプラッシュマウンテンだ。
「では行きましょうか」
俺達は中へと入って行った
157 名前:ダンサー(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/27(金) 11:00:04.17 ID:laSiAcG9O
開園して間もないので、案外簡単に乗る事が出来た。
森の仲間達に誘われて、いよいよクライマックスに…
あっと言う間にボートは下って行く。
以外にも、一番怖がっていたのは長門だった。
158 名前:ダンサー(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/27(金) 11:18:12.25 ID:laSiAcG9O
http://imepita.jp/20070427/401900
このスモークターキーレッグはジューシーでなんともうまい。
が、ものすごく食べにくい。
皆苦戦してる中、長門だけは黙々と食べていた
165 名前:ダンサー(ネブラスカ州)[] 投稿日:2007/04/27(金) 12:47:47.72 ID:laSiAcG9O
乗り物をある程度堪能した後、俺達は昼食を取る事にした。
http://imepita.jp/20070427/456030
俺達はいろんな事を話し合った。長門は絶叫マシンが苦手と言う事、性格に似合わず、コーヒーカップで古泉が狂喜乱舞したり、朝比奈さんはこういうところが大好きで一番はしゃいでいたこと。楽しく食事をする事が出来た。
腹も脹れ、次は何に乗ろうかと立上がっ他その時、人込みの向こうにあいつが見えた。
ハルヒだ。
古泉の呼ぶ声が聞こえたが、構わず俺はハルヒを追って人込みの中に紛れていった